JP2006039435A - 湿式電子写真用記録シート - Google Patents

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Abstract

【課題】湿式電子写真方式を用いて印刷した際に、極めて優れたトナー定着性および転移性を提供する。
【解決手段】シート状基材の少なくとも片面に1層以上の塗工層を設けた湿式電子写真用記録シートにおいて、該塗工層に含有するラテックスバインダーの粒子径が150nm以上300nm未満でかつ該ラテックスバインダーのゲル含有率が70質量%以上であることを特徴とする湿式電子写真用記録シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、湿式電子写真用記録シートに関するものであり、さらに詳しくは、湿式トナーを使った湿式電子写真方式を用いて印刷した際に、極めて優れたトナー定着性および転移性を有する湿式電子写真用記録シートに関するものである。
電子写真方式を用いて印刷する用途は、端末PC用プリンター、ファックス、または複写機に留まらず、多品種小ロット印刷、可変情報印刷などを可能とする、いわゆる、オンデマンド印刷分野でも実用化が進み、技術的進展が目覚しい。近年では印刷速度、画質の向上に伴い、印刷部数が従来オフセット、グラビアなどの印刷でまかなわれていた領域に達しはじめた。
電子写真印刷は可変情報を扱えるのがメリットであるが、オフセットやグラビア印刷は長年の技術蓄積により非常に高品質の印刷を、安価な価格で達成しているため、品質面、価格面では劣っていた。そのため、印刷機械、印刷用シートの両面から高画質化、高速化、省電力化、そして低コスト化へ向けた技術開発が一段と進められている。印刷物には、より高精細で、色再現性の良さが求められているが、これは高速化、低コスト化とは相反する部分があり、トナーや印刷機械の性能はもちろんのこと、電子写真用記録シートに関してもトナー定着性、転移性、色再現性、走行性など、さらに厳しい品質要望が集まっている。
このような電子写真印刷方式のうち、乾式電子写真方式は、事務用複写機などに代表される方式で、画像を形成するトナーは、顔料と合成樹脂からなる固体粉末トナーを使用する。画像形成の方法は、コロナ帯電によって発生させた静電画像にトナーを吸着させ、このトナーを被転写物に加熱圧着する方式で印刷を行う。ところが、この方式はトナーを微細化すると周辺環境に飛散しやすくなり、これを吸入した場合健康上の問題を起こすため作業環境の悪化、さらに印刷物を汚すなどの問題が生じる。このため固体粉末トナーを微細化するには限界があり、高解像度が得られにくい。さらには被転写物の厚さが不均一なことから、コロナ放電による被転写物面の電荷密度にばらつきが生じ、非画線部に、かぶりと呼ばれる好ましくない画像が生じたり、ある程度高い温度で溶融固化しなければならないなどの多くの問題がある。
一方、可変情報を扱える他の有望な印刷方式にはインクジェット方式がある。インクジェット方式は、細かなインク滴を被転写物表面に噴出し、画像を形成する方式である。近年の技術進歩は凄まじく、非常に高画質となり、弱点であった耐候性も顔料タイプのインクの出現により大幅に改善されてきた。しかし、オフセット印刷などと比べてしまうと、印刷速度が遅く、高画質を得るためには比較的高価な専用シートを使用しなければならないという問題がある。
そこで、オンデマンド印刷領域で、可変情報を扱え、高画質、高速、コストなどの条件を満たすことを考えた場合、各種印刷方式の中でも、湿式電子写真方式が最も有望な方式である。これは湿式電子写真方式が、液体媒体中にトナーを分散させるため、粉体の飛散などが問題とならず、乾式電子写真方式に比べてトナーを1/10以上まで微細化できること、すなわち、ドットを微細にできることに加えて、色材として顔料を使用できるために耐候性の問題がないこと、画像の立体的な凹凸がなく印刷上がりがオフセット印刷に近いことなどの理由による。
湿式トナーは、ブランケットロールからシートに画像を転写するときに電荷などを利用しない。湿式トナーの印刷用シートとの接着性がブランケットロールよりも高くなるようにして画像を転写させる。つまり、ブランケットロールから印刷用シートへの湿式トナーの転写能力が重要である。トナーの接着能力を必要以上に高くすると、シートへの定着は良くなるが、同時にブランケットロールから剥がれにくくなるため、結局、必要以上にトナーの接着能力を高くできない。
このため、湿式電子写真方式の印刷の場合、印刷をしても十分なトナー強度が得られなかったり、トナー粒子が十分にシートに転写しないと言う欠点がある。そこで、十分なトナー定着強度が得るための手段として、”サファイア処理”という一般に知られている方法がある。これはポリエチレンイミンを主成分とする薬剤をシートに塗布する手法である。サファイア処理を用いずに湿式電子写真印刷適性を与えるために、紙の製造段階でイミン系の化合物を抄きこんだり、塗布する方法もある。しかし、これらも根本的にはサファイア処理と同じ方法である。
この他には、原紙中の灰分量を規定し、かつ表面にジルコニウムを塗布したり(例えば、特許文献1参照。)、表面平滑性とサイズ剤を工夫したりしている(例えば、特許文献2参照。)例がある。これらは、普通紙(非塗工)タイプの印刷用紙に対して有効である。塗工シートの場合は、顔料やバインダーの種類とバインダーの配合量を規定することによって解決しようとしている例がある(例えば、特願2002−343237号参照。)。しかし、実際には、これらの手段によって得られたシートは、イミン系化合物で処理したものに比べ、湿式電子写真方式の印刷適性は低かった。
これらの理由から実際の湿式電子写真方式で印刷では、サファイア処理したシートを用いるの現実であった。ところが、イミン系化合物で処理したシートは耐候性が極めて悪い。これらのシートはシートに付着している化合物の量にもよるが、だいたい一ヶ月も経つとシートが変色し、印刷物の色感、見栄えを著しく低下させる。
これらの問題を解決するために、塗工層表面の湿式トナーと相互作用できるエリアをコントロールすることによって湿式トナー適性をもった電子写真用記録シートの作製を達成させた例がある(例えば、特許文献3参照。)。この方法は極めて優れた方法ではあり、サファイア処理を行った物よりも高い湿式電子写真適性を持つ。ゆえに通常はスムーズに印刷することできるが、それでも湿式電子写真印刷適性が十分でないことがあった。
これは、印刷の絵柄によっては非常に高レベルの湿式トナー定着性や転移性を要求することがあるためで、よって現在までの技術ではこういった高レベルの湿式電子写真適性をシートに付与したものの製造は困難であった。
特開平10−171146号公報 特開平10−171148号公報 特開平9−281739号公報
本発明の目的は、湿式電子写真印刷方式において湿式トナーを使った湿式電子写真方式を用いて印刷した際に、極めて優れたトナー定着性および転移性を有する湿式電子写真用記録シートを提供するものである。
本発明者は、上記の問題を解決すべく鋭意研究した結果、以下のような湿式電子写真用記録シートを発明するに至った。
すなわち、シート状基材の少なくとも片面に1層以上の塗工層を設けた湿式電子写真用記録シートにおいて、該塗工層に含有するラテックスバインダーの粒子径が150nm以上300nm未満でかつ該ラテックスバインダーのゲル含有率が70質量%以上であることを特徴とするものである。
本発明の湿式電子写真用記録シートは、極めて優れた湿式トナー定着性および転移性に優れた湿式電子写真用記録シートを得ることができる。
以下、本発明の湿式電子写真用記録シートについて、詳細に説明する。
本発明者は、湿式電子写真方式における湿式電子写真用記録シートと湿式トナーとの関係について鋭意研究を重ねた結果、以下のような湿式電子写真用記録シートを発明するに至った。
本発明者は、湿式電子写真方式における湿式電子写真用記録シートのトナー定着性について鋭意研究を重ねた結果、湿式トナーの定着性および転写性を高レベルで発揮するには、他の塗工シートとは全く異なった新たな塗工シート特性が必要であることを見いだした。すなわち、塗工層の空隙を厳密に制御することによってこれらが達成されることを見いだした。
湿式トナーとシートとの相互作用はシートのごく表面だけで起こる。湿式トナーの定着にとって重要な要因は、湿式トナーと接することのできる塗工層表面の顔料の表面積である。顔料と接した湿式トナーは、顔料との物理・化学的な相互作用によって顔料表面に吸着する。よって比表面積の大きい顔料すなわち粒子径が小さく、表面の凹凸の多い顔料を使用することで、相互作用面積を増やすことができる。
ただし、湿式トナーとシートとの相互作用は塗工層ごく表面だけで起こってるとはいえ、ある程度は深さ方向の影響も関係する。空隙が必要以上に小さくなると深さ方向の寄与率が下がる。また湿式トナーと顔料との相互作用する面積が大きくなったとしても塗工層に入り込むトナーの足が細くなりすぎたのでは強度が発現されない。発明者らの実験によれば最も有効な塗工層空隙の大きさは数百nmである。
ところで、塗工層に用いられるラテックスの粒子径を細かくコントロールすることで塗工層内の空隙径をコントロールすることができる。すなわち、塗工層に含有するラテックスバインダーの粒子径を150nm以上300nm未満でかつゲル含有率が70質量%以上とすることで湿式トナーの定着に適した空隙を塗工層内に持たせることができる。
粒子径が150nm未満となると顔料間の隙間が狭くなり上述の深さ方向の寄与率が低くなる。また、重量当たりのラテックスの粒子数が増え顔料の表面を多く塞ぐことになるので、湿式トナーの相互作用できる面積を減らすことになる。粒子径が300nm以上となると塗工層の強度を保つために多くのラテックスバインダーを含ませなければならなくなる。ラテックスバインダーは湿式トナーとの相性が悪いので、これは好ましいことではない。同様の理由でラテックスバインダーの配合量は対顔料100部にたいし12部以下であることが好ましい。ただし、余りにも少なくなると、操業性や面質の問題が生じることがあるので3部以上であることが好ましい。
ゲル量が70質量%未満ではラテックス粒子の自由度が高く、顔料の表面でより広がる。すなわち湿式トナーと相互作用することのできる部分を塞ぎやすくなる。さらには顔料と顔料の間の隙間を適度に保ちにくくなるので好ましくない。
本発明で言うラテックスバインダーの粒子径は、電子顕微鏡観察での実測値を指す。また本発明で言うゲル量は、ラテックスバインダー固形分のうち、トルエンに対する非溶解部分の質量%を指す。
本発明で言うラテックスバインダーにはJSR社の「0623N」、A&L社の「PA3803」、日本ゼオン社の「F8B」、旭化成社の「E1585」などが挙げられる。もちろん粒子径、ゲル量バランスが条件を満たしていれば、これらに限定される物ではない。また、ここで挙げたラテックスバインダーはスチレンブダジエン系であるが、アクリル系、ポリ酢酸ビニル系、エチレン酢酸ビニル系などのラテックスバインダーやこれらの各種共重合体ラテックスバインダーも用いることができる。
湿式トナー受理層の塗工量としては、片面0.5g/m2以上塗工することによって湿式トナー適性を発現させることが可能となる。3.0g/m2以上でシート状基材の表面をまんべんなく覆うことができ、好ましくなる。しかし、40g/m2を超えると塗工層の強度の問題が生じる。
本発明における湿式電子写真用記録シートは、湿式電子写真用記録シートとしての使用に留まらず、乾式電子写真用記録シート、オフセット印刷用シート、熱転写用シートなどの他の印刷方式に使用することもできる。
本発明に用いられる湿式電子写真用記録シートの基材としては、木材パルプ、綿、麻、竹、サトウキビ、トウモロコシ、ケナフなどの植物繊維、羊毛、絹などの動物繊維、レーヨン、キュプラ、リヨセルなどのセルロース再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニールアルコール系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリウレタン系繊維などの化学繊維、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維などの無機繊維をシート状にしたもの、またはその上に樹脂フィルム層を設けたものが使用される。
繊維のシート状基材を用いる場合に各繊維をシート状にする製法としては、一般的な抄紙工程、湿式法、乾式法、ケミカルボンド、サーマルボンド、スパンボンド、スパンレース、ウォータージェット、メルトブロー、ニードルパンチ、ステッチブロー、フラッシュ紡糸、トウ開維などの各工程から一つ以上が適宜選ばれる。
また、これらの繊維には、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、二酸化チタン、水酸化アルミなどの各種填料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留り剤、紙力増強剤などの各種配合剤を各工程、各素材に合わせて好適に配合する。さらには、これらの繊維シートの上に樹脂コート層を設ける場合もある。
基材としては、上質紙、中質紙、色上質、書籍用紙、キャスト用紙、微塗工紙、軽量コート紙、コート紙、アート紙、中質コート紙、グラビア用紙、インディア紙、コートアイボリー、ノーコートアイボリー、アートポスト、コートポスト、ノーコートカード、特板、コートボール、トレーシングペーパー、タイプ紙、PPC用紙、NIP用紙、連続伝票用紙、フォーム用紙、複写紙、ノーカーボン紙、感熱紙、インクジェット用紙、熱転写用紙、合成紙、などの紙や板紙、不織布、または各種樹脂やプラスチック、金属をフィルム状に成形したものも含まれる。
塗工する前の基材は、必要とする密度、平滑度、透気度を得るために各種表面処理やカレンダー処理を施す場合がある。
本発明において、シート状基材に塗工層を設ける場合に用いることのできる顔料は、特に限定されるものではなく、例えば、各種カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム(粉砕炭酸カルシウム)などの精製した天然鉱物顔料、軽質炭酸カルシウム(合成炭酸カルシウム)、炭酸カルシウムと他の親水性有機化合物との複合合成顔料、サチンホワイト、リトポン、酸化チタン、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、焼成カオリン、プラスチック顔料などが挙げられる。
塗工層に用いられるバインダーとしては、天然植物から精製した澱紛、ヒドロキシエチル化澱粉、酸化澱紛、エーテル化澱紛、りん酸エステル化澱粉、酵素変性澱紛やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉、デキストリン、マンナン、キトサン、アラビノガラクタン、グリコーゲン、イヌリン、ペクチン、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの天然多糖類およびそのオリゴマーさらにはその変性体が挙げられる。
さらに、ガゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、コラーゲンなどの天然タンパク質およびその変性体、ポリ乳酸、ペプチドなどの合成高分子やオリゴマーが挙げられる。
加えてスチレン−ブタジエン系、アクリル系、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニルなどの各種共重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ユリアまたはメラミン/ホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン/エピクロルヒドリンなどの水溶性合成物などがあげられる。これらは一種以上で使用することができる。この他、公知の天然、合成有機化合物を使用することは特に限定されない。
また、塗工液に用いられる増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ポリアクリル酸ソーダなどの水溶性高分子、ポリアクリル酸塩、スチレンマレイン酸無水共重合体などの合成重合体、珪酸塩などの無機重合体などが挙げられる。
また、必要に応じて、分散剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤などの通常使用されている各種助剤、およびこれらの各種助剤をカチオン化したものが好適に用いられる。
本発明において、塗工層を塗工する方法は、特に限定されるものではなく、サイズプレス、ゲートロール、シムサイザーなどの各種フィルムトランスファーコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ブレードコーター、ダイレクトファウンテンコーター、スプレーコーター、キャストコーターなどの各方式を適宜使用する。
さらに、一連の操業で、塗工、乾燥された塗工シートは要求される、密度、平滑度、透気度、外観を得るために、必要に応じてカレンダー処理などの各種仕上げ処理が施される。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り、質量部および質量%を示す。
(実施例1)〜(実施例6)及び(比較例1)〜(比較例5)
下記の内容に従って、実施例1〜6および比較例1〜5の湿式電子写真用記録シートを作製した。
<シート状基材>
LBKP(濾水度400mlcsf) 70部
NBKP(濾水度480mlcsf) 30部
軽質炭酸カルシウム(原紙中灰分で表示) 8部
市販カチオン化澱粉 1.0部
市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤 0.03部
パルプ、内添薬品を上記の配合で調整し87.9g/m2の坪量で原紙を抄造した。
この原紙に対して、サイズプレスにより両面0.80g/m2の酸化澱粉を付着させ、塗工用原紙を得た。
<塗工液>
塗工液のラテックスバインダーについては、表1の物性のスチレンブダジエン系の物を適宜配合した。ラテックスバインダーの部数、その他の配合は以下の通りである。
市販微粒重質炭酸カルシウム(2μm以下が99質量%) 90部
市販有機中空顔料(スチレン系) 10部
ラテックスバインダー 9部
市販燐酸エステル化澱粉 6部
市販ステアリン酸カルシウム 0.6部
市販カルボキシメチルセルロース系増粘剤(CMC) 0.1部
水酸化ナトリウムにてpH9.6に調製
上記の塗工液を濃度60%、操業速度1000m/minでファウンテン/ブレードコーターを用いて片面10g/m2、両面で20g/m2の塗工量で塗工した。塗工後、スーパーカレンダー処理を表裏各4ニップずつ、線圧200kN/cm、温度80℃で施して、湿式電子写真用記録シートを得た。
上記実施例1〜6および比較例1〜5により得られた湿式電子写真用記録シートについて、下記の測定方法により測定し、その評価結果を表1に掲げた。
1.湿式適性
湿式電子写真用転写機として、HP社製「HP−indigo press1000(旧E−print1000)」を用いて評価を行った。評価に使用するための印刷画像としては、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各4色についてベタ印字部があるような画像を出力するようにした。ベタ印字部の印刷面積としては、最低でも一辺が3cm以上の四角形になるようにした。印刷したブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のベタ印刷部について以下の1−1〜1−4のような定着評価を行った。なお、表1にはこれらの評価結果のうち最も低かった物を湿式適性として示した。
1−1.テープ剥離
枚葉式、巻き取り式共に、印刷後24時間経過した印刷サンプルに幅18mmのニチバン社製セロハン粘着テープ「セロテープ(R) No.405」を各色の印刷部に貼りむらが無いように貼りつけ、180度剥離で約5mm/秒の速さでゆっくりとテープを剥がした。剥離後のトナーのシートへの定着度合いを目視により判定し、以下の基準で4段階評価を行った。
◎:各色全くトナーが剥離しない。
○:各色共にトナーがシートの上に大部分残っている。
△:一部の色でトナーがシートから剥がれ、印刷部に白く抜けた部分がある。
×:各色共にトナーがシートから剥がれ、印刷部の白く抜けた部分が目立つ。
1−2.こすれ
こすれ評価は、JIS P8147「紙および板紙の摩擦係数試験方法」の水平法を応用した。各実施例および比較例について、水平板には、白紙の湿式電子写真用記録シートを取り付け、おもりには、上記の印刷機で印刷された印刷部がある該記録シートを取り付けた。そして、印刷部がある該記録シートをおもりに貼りつける場合、印刷部の印刷された面が、水平板に取り付けられた白紙の該記録シートと擦りあうようにした。
以上のように、試験片を水平板、おもりに貼りつけた後は、JIS P8147に記載されている条件でおもりを水平板の上で滑らせる。「摩擦試験」においては、一つの試験片の組み合わせで一度だけ、水平板上でおもりを滑らせるが、本評価においては、一つの試験片の組み合わせで50回、おもりを水平板の上で滑らせた。使用した試験片は印刷後24時間経過したものを使用した。
その後、おもりに取り付けられた印刷部を観察し、シート同士の擦れによるトナーの脱落度合いを観察した。印刷部のトナーの残り具合いを目視により判定し、以下の基準で4段階評価を行った。
◎:各色共に印刷部の濃度低下が全く認められない。
○:各色共にわずかながら印刷濃度が下がるのがわかる。
△:各色共に印刷濃度が下がるのがわかる。
×:各色共に印刷濃度が下がるのがわかり、部分的に白く抜けた部分がある。
1−3.消しゴム剥離
印刷後、24時間後に各色の印刷部を未使用消しゴム「トンボ鉛筆、PE−01A」の角を利用して、均一の力で5往復させた。往復後のトナーのシートへの定着度合いを目視により判定し、以下の基準で4段階評価を行った。
◎:各色共にトナーがシートから全く剥離しない。
○:各色共にトナーがシートからほとんど剥離しない。
△:一部にシートから剥離するトナーが存在するが2割未満である。
×:各色ともシートからトナーが容易に剥がれ、白く抜けた部分が目立つ。
1−4.転移性
各印刷機で500部印刷を行った後、プリントクリーナーで掃除を行い、プリントクリーナーの汚れ方で転移性を判断した。
◎:ほとんど汚れない。
○:ごく小さい汚れが付着する。
△:小さい汚れが付着する。
×:はっきりと汚れる。
2.塗工層強度
作製した湿式電子写真シートをTV20のオフセットインキを用いてRI印刷試験器で2回印刷し、剥け具合を目視で判断し、下記の基準で3段階評価した。
○:塗工層がほとんど剥離しない。
△:塗工層が全体の5%以下の面積部分で剥離する。
×:塗工層が全体の5%以上の面積部分で剥離する。
Figure 2006039435
<評価結果>
比較例1〜5のように本発明で規定する粒子径、ゲル量を満たしていない物は湿式適性か塗工層強度に問題を生じた物となる。比較例1〜2のように粒子径が小さいと定着性が悪くなり湿式適性が高度に発揮されない。比較例4〜5のようにゲル量が少なくても湿式適性が悪くなり、さらに強度が下がる。比較例3のように粒子径が大きすぎると強度に問題が生じる。それに対し、すべての実施例のように粒子径とゲル量のバランスが本発明の範囲内にはいると高度な湿式適性を塗工層強度に問題を与えることなく発揮させることができる。
オンデマンド印刷領域における可変情報を扱える湿式電子写真方式による湿式電子写真用記録シートに適用できるものである。

Claims (1)

  1. シート状基材の少なくとも片面に1層以上の塗工層を設けた湿式電子写真用記録シートにおいて、該塗工層に含有するラテックスバインダーの粒子径が150nm以上300nm未満でかつ該ラテックスバインダーのゲル含有率が70質量%以上であることを特徴とする湿式電子写真用記録シート。
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