JP2011246838A - 印刷用塗工紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体の両面に主に顔料と接着剤を含有する塗工層を少なくとも一層設けた印刷用塗工紙において、支持体に隣接する塗工層が顔料固形分100質量部に対して接着剤を4〜30質量部含み、かつJAPAN TAPPI No.5−1に準拠するスムースター透気度が0.1〜3.0kPaであることを特徴とする印刷用塗工紙である。
【選択図】なし
Description
本発明において、支持体に隣接する塗工層に用いる顔料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、合成シリカ、コロイダルシリカ、タルク、サチンホワイト、リトポン、二酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、有機顔料、またはこれらをカチオン変性したもの、あるいはこれら二種以上の複合体が挙げられる。
本発明の印刷用塗工紙は、支持体に隣接する塗工層の外側の片面または両面にその他の塗工層を、印刷用塗工紙の印刷適性、平滑性、美観等を改良することを意図して設けても良い。その他の塗工層は先の支持体に隣接する塗工層の項で挙げた素材と塗工方法を適宜選択し、片面当たり固形分として2〜30g/m2であることが好ましい。
本発明において支持体は、木材パルプ繊維をシート状にした紙が好ましい。その他として綿、麻、竹、サトウキビ、トウモロコシ、ケナフ等の植物繊維、羊毛、絹等の動物繊維、レーヨン、キュプラ、リヨセル等のセルロース再生繊維、アセテート等の半合成繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリウレタン系繊維等の化学繊維、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維等の無機繊維をシート状にしたものを使用することもできる。
支持体や塗工層を設けた支持体は、必要とする密度、平滑度、透気度、吸水性、外観、光沢度を調整する為にカレンダー処理を施すことができる。装置としては硬質ロール同士、弾性ロール同士、硬質ロールと弾性ロールの対の組み合わせからなるものが好適に使用され、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダー等と呼ばれており、意図的に加熱をする場合もある。加熱する際のロールの温度は40℃程の中低温から250℃程の高温に達する場合もある。また、ベルトとロールの組み合わせからなる装置も使用することができ、シューカレンダー、メタルベルトカレンダー等と呼ばれており、この場合も同様に加熱を伴う場合がある。ロール表面の微視的な形状は特に限定されるものではなく、鏡面、艶消し、エンボス用等、本発明を損なわない範囲で平滑化または凹凸加工したものが使用できる。
下記の内容に従って、実施例および比較例の印刷用塗工紙を作製した。
LBKP(濾水度420mlcsf) 80部
NBKP(濾水度450mlcsf) 20部
軽質炭酸カルシウム填料(原紙中灰分で表示) 11部
カチオン化澱粉 0.50部
カチオン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤 0.01部
アルキルケテンダイマー系内添サイズ剤 0.05部
硫酸バンド 1部
上記の配合で調製したパルプスラリーを、長網抄紙機で65.0g/m2の坪量で原紙を抄造した。この原紙の両面に各種の素材を、液だまりを有する方式のサイズプレス、シムサイザーまたはロッドコーターによって塗工して支持体とした。
B :ポリビニルアルコール(ケン化度95%、重合度250)
C :ポリビニルアルコール(ケン化度98.5%、重合度1100)
D :ポリビニルアルコール(ケン化度97%、重合度300)
E :ポリビニルアルコール(ケン化度97%、重合度1500)
F :ポリビニルアルコール(ケン化度95%、重合度1700)
G :酸化澱粉
H :リン酸エステル化澱粉
I :スチレン−ブタジエン系ラテックス(体積平均粒径100nm)
J :ポリウレタン系ラテックス
a :液だまりを有する方式のサイズプレス
b :シムサイザー
c :ロッドコーター
実施例および比較例について、下記の配合で調製した塗工液を上記サイズプレスされた支持体の両面にブレードコーターにより塗工、乾燥した。固形分として片面当たり塗工量は15g/m2である。
顔料 配合部数は表に記載
接着剤 配合部数は表に記載
ステアリン酸カルシウム系潤滑剤 0.30部
合成保水剤(アルカリ増粘タイプ) 0.10部
印刷適性向上剤(水溶性変性ポリアミン系樹脂) 0.10部
蛍光染料 0.50部
青顔料 0.04部
カオリン :高白一級カオリン
である。また、略称で示した接着剤は、
スチレン−ブタジエン系ラテックスA :体積平均粒径 40nm
スチレン−ブタジエン系ラテックスB :体積平均粒径 50nm
スチレン−ブタジエン系ラテックスC :体積平均粒径 60nm
スチレン−ブタジエン系ラテックスD :体積平均粒径 100nm
スチレン−ブタジエン系ラテックスE :体積平均粒径 280nm
スチレン−ブタジエン系ラテックスF :体積平均粒径 300nm
スチレン−ブタジエン系ラテックスG :体積平均粒径 330nm
PVA :ポリビニルアルコール(ケン化度98.5%、重合度400)
変性澱粉A :リン酸エステル化コーン澱粉
変性澱粉B :酸化コーン澱粉
変性澱粉C :ヒドロキシエチルエーテル化コーン澱粉
である。
以上の塗工が終了した後、印刷用塗工紙のスムースター透気度を調整する為にカレンダー処理を行った。カレンダーは弾性ロールと金属ロールからなるスーパーカレンダー装置を用いた。目的とするスムースター透気度を得る為に、カレンダー線圧と金属ロール温度を調整してカレンダー処理を行った。
得られた実施例および比較例の印刷用塗工紙について、JAPAN TAPPI No.5−1に準拠するスムースター透気度は、日本検査システムズ(株)製(旧・東栄電子工業)製の空気マイクロメーター型平滑度・透気度試験器を用いて測定した。
得られた実施例および比較例の印刷用塗工紙について加熱塗工層強度の評価は以下の操作により行った。温度23℃、湿度50%RHの環境下でインクジェットプリンターとしてヒューレット・パッカード社製「CM8060」を用いて、印刷用塗工紙にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックそれぞれで最大濃度の印刷を行い、印刷機から排紙後直ちにアルミホイルに包んで、120、150、および200℃のオイルバスに浸漬した。これら三種類の温度条件におけるインク溶媒の蒸発による塗工層の破壊の程度を観察して目視により0〜7点で評価した。点数が高い程良好であり、2以下では実用上問題である。
実施例から、支持体に隣接する塗工層が顔料固形分100質量部に対して接着剤を4〜30質量部含み、かつスムースター透気度が0.1〜3.0kPaである印刷用塗工紙は、加熱塗工層強度に優れることが分かる。比較例1および2は実施例1〜5と同じ構成でありながらカレンダー処理の調整によりスムースター透気度が適切でない範囲にしたものであり、加熱塗工層強度に劣る結果となった。また、比較例3および4はスムースター透気度が適切な範囲でありながら支持体に隣接する塗工層に含まれる接着剤の配合部数が適切でない為、加熱塗工層強度に劣る結果となった。
Claims (5)
- 支持体の両面に主に顔料と接着剤を含有する塗工層を少なくとも一層設けた印刷用塗工紙において、支持体に隣接する塗工層が顔料固形分100質量部に対して接着剤を4〜30質量部含み、かつJAPAN TAPPI No.5−1に準拠するスムースター透気度が0.1〜3.0kPaであることを特徴とする印刷用塗工紙。
- 支持体に隣接する塗工層に含まれる接着剤の内40〜100質量%が、体積基準の粒度分布から求められる体積平均粒径が50〜300nmのスチレン−ブタジエン系ラテックスであることを特徴とする請求項1に記載の印刷用塗工紙。
- 支持体の両面にサイズプレスによって水溶性の接着剤を固形分で両面合計2.0〜10.0g/m2塗工することを特徴とする請求項1に記載の印刷用塗工紙。
- 水溶性の接着剤がケン化度97%以上、平均重合度300〜1500のポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項3に記載の印刷用塗工紙。
- サイズプレスが液だまりを有する方式であることを特徴とする請求項3に記載の印刷用塗工紙。
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