JP2005290579A - 塗工紙の製造方法 - Google Patents

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裕司 川▲崎▼
Kuniaki Takebayashi
邦朗 竹林
Junichi Watabe
淳一 渡部
Yutaka Izawa
裕 井澤
Hideki Toda
英樹 任田
Toshihiro Inoue
利洋 井上
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Abstract

【課題】 トランスファーロールコーターによる塗工適性に優れ、好ましくは染料インク、顔料インクのいずれにも適合するインクジェット記録媒体を製造する方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも芳香族ビニル系単量体及び共役ジエン系単量体を含む2種以上の単量体を、アルコール性水酸基を含有する水溶性高分子の存在下で共重合して得られる水性エマルジョン、並びに顔料を含有する塗工液を、トランスファーロールコーターにより原紙の少なくとも片面に塗工後、乾燥して塗工層を設ける。
【選択図】 なし

Description

本発明は塗工紙の製造方法に関し、特に、トランスファーロールコーターによりインクジェット記録紙等の塗工紙を製造する方法に関する。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理により飛翔させたインクの微小液滴を、記録シートに付着させ、画像記録を行なうものであり、ドットインパクトタイプの記録方式に比べて騒音がなく、またフルカラー化が容易である上、高速印字が可能であるなどの利点がある。
インクジェット記録方式に用いる記録媒体は、PPC上質紙に風合いが似ている非塗工紙と、インク受理層を設けた塗工紙タイプに大別される。特に、塗工紙タイプのインクジェット記録媒体として、両面に記録可能で、また、高精細な画像を安価に再現できるものが求められている。このため、生産性が高いオンマシンコーターによる製造技術が要求されている。
オンマシンコーターとは、原紙の製造機(抄紙機等)上に設置されて原紙の製造と同一ライン上で塗工するものであり、2本ロールサイズプレス、トランスファーロールコーター(ゲートロールコーター、シムサイザー等とも称する)、エアナイフコーター、ブレードコーターなどがある。特に、複数のロールを介してアプリケーターロールに塗工液を転写し、このアプリケーターロールに所定量付着した塗工液を原紙表面に付与するトランスファーロールコーターは高速塗工が可能である。
そして、オンマシンで塗工してインクジェット用紙を得る技術として、所定形状の顔料と、デンプン系接着剤と、スチレンブタジエンラテックスとを含む塗工液をトランスファーロールコーターで塗工する技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。又、顔料と、接着剤(ポリビニルアルコール)とを含む所定粘度の塗工液を、ゲートロール方式で被紙に塗工する技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。さらに、顔料と水溶性高分子(ポリビニルアルコール)と水性樹脂(エチレン酢酸ビニル共重合体)とを含む塗工液を、オンマシンで被紙に塗工する技術が開示されている(例えば特許文献3参照)。
一方、インクジェット記録に用いるインクとして、従来から水性染料インクが主に使用されてきた。しかし、染料インクは発色性は良好であるものの、画像が滲んだり、変退色し易いという問題がある。そのため、耐水性、耐光性に優れた顔料インクが実用化されている。このように、近年、インクジェット記録用のインクとして染料、顔料がともに使用されており、染料インクと顔料インクに共に適合した記録媒体が要求されている。
特開平7−189188号公報 特開平4−219267号公報 特開2002−127587号公報
ところで、トランスファーロールコーターは、上記アプリケーターロールを用いて塗工するため、ロールパターンと呼ばれる塗工ムラが発生しやすい。特に、複数のロールを介してアプリケーターロールに塗料を転写してゆくゲートロールコーターの場合、アプリケーターロール上にスプリットパターンと呼ばれる梨地等のムラが発生し、これによる塗工ムラも生じる。これら塗工ムラは、記録媒体に記録した際の画像ムラ(特にベタ印字部)の原因となる。そして、上記塗工ムラを抑制するためには、塗工液の粘度を低減することが必要といわれている。
しかしながら、上記特許文献1乃至3記載の技術の場合、上記画像ムラの改善程度が不充分である。又、特許文献2記載の技術の場合、粘度を低減するために塗工液の固形分を低くしているが、固形分を低くすると所定の塗工量を確保できない。一方で必要な塗工量を確保するため塗工液の固形分を高くすると、上記塗工ムラが顕著になる。また、特許文献3記載の技術の場合、オンマシンコーターとしてエアナイフコーターを用いるが、この方法では、両面にインク受理層を設けたインクジェット記録媒体を生産することは困難である。
さらに、上記特許文献1乃至3記載の技術の場合、染料インクと顔料インクに共に適合したインクジェット記録媒体を得るには至っていない。
従って、本発明の目的は、トランスファーロールコーターによる塗工適性に優れ、好ましくは染料インク、顔料インクのいずれにも適合するインクジェット記録媒体を製造可能な塗工紙の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、所定の水性エマルジョンを塗工液に用いると、ハイシェア−粘度を低減することができ、トランスファーロールコーター塗工適性が向上することを見いだした。又、これにより、染料インクと顔料インク適性にともに優れることを見出した。
従って、本発明の塗工紙の製造方法は、少なくとも芳香族ビニル系単量体及び共役ジエン系単量体を含む2種以上の単量体を、アルコール性水酸基を含有する水溶性高分子の存在下で共重合して得られる水性エマルジョン、並びに顔料を含有する塗工液を、トランスファーロールコーターにより原紙の少なくとも片面に塗工後、乾燥して塗工層を設けるものである。前記水溶性高分子が前記共重合体にグラフト重合していることが好ましく、又、前記顔料の吸油量が200ml/100g以下であることが好ましい。前記塗工液中にカチオン化度4〜8meq/gのカチオン性樹脂を含むことが好ましい。
本発明によれば、トランスファーロールコーターによる塗工適性に優れ、好ましくは染料インク、顔料インクのいずれにも適合するインクジェット記録媒体を製造できる。例えば、本発明によれば、染料インク使用時のベタ印字部のムラを改善し、顔料インク使用時に高い発色性を有するインクジェット記録媒体を製造できる。
本発明の塗工紙の製造方法は、以下の水性エマルジョンと顔料とを含有する塗工液を、トランスファーロールコーターにより原紙に塗工するものである。
<原紙>
原紙としては、木材セルロース繊維を原料とする未塗工の紙を用いることができる。木材セルロースとしては抄紙用パルプを用いることができる。具体的にはLBKP、NBKP等の化学パルプや、GP、TMP等の機械パルプ及び古紙パルプ(新聞古紙パルプ、雑誌古紙パルプ等)が挙げられるが、本発明は特にこれらに限定されるものではなく、また、これらを必要に応じて単独使用または併用することができる。更に、原紙中に填料やサイズ剤、紙力増強剤等を内添してもよく、これらは公知の填料及び各種内添薬品の中から適宜選択して使用することができる。また、必要に応じて消泡剤、pH調整剤、染料や有色顔料、蛍光染料等を内添することもできる。
<顔料>
塗工液に用いる顔料としては、公知の白色顔料を使用することができる。例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成クレー、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ゼオライト、プラスチックピグメントなどを挙げることができ、これらを単独あるいは混合して使用することができる。塗工紙がインクジェット記録紙である場合は、インクの発色、吸収を改善するため、シリカ、アルミナ、軽質炭酸カルシウムを使用することが望ましく、特にシリカを使用するのが好ましい。また、このとき、顔料の吸油量(混合顔料の場合は加重平均)を60〜200ml/100g、より好ましくは50〜150ml/100gにすることで、インク吸収性とトランスファーロールコーター塗工適性のいずれの特性をも向上することができる。
この理由は、顔料の吸油量が200ml/100gより大きいと、インク吸収性が向上するものの、塗工液の粘度が高くなって塗工ムラが発生しやすくなり、得られた塗工層の強度が低下して塗工機等の各種ロールと接触した際に粉落ちなどが発生しやすくなるからである。また、吸油量が60ml/100gより小さいと、トランスファーロール適性は向上するが、インク吸収性が低下するからである。
<水性エマルジョン>
塗工液に用いる水性エマルジョンは、少なくとも芳香族ビニル系単量体及び共役ジエン系単量体を含む2種以上の単量体を、アルコール性水酸基を含有する水溶性高分子の存在下で共重合して得られる。
この水性エマルジョンとしては、例えば、特開平11−335490号公報、特開2001−146695号公報、特開2003−312126号公報に開示されたものを使用することができる。このうち、特開平11−335490号公報には、上記共重合体が上記水溶性高分子の保護コロイドで分散安定化されて所定の物性を示すものが記載されている。又、特開2001−146695号公報には、上記共重合体に上記水溶性高分子の少なくとも一部が重合(例えばグラフト)しているものが記載されている。
1. 単量体
芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノメチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンスルホン酸、並びにそのナトリウム塩及びカリウム塩などが挙げられる。特に、スチレンが好ましい。
共役ジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエンなどが挙げられる。特に、1,3−ブタジエンが好ましい。
さらに、上記単量体に加え、これらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体を使用することが可能である。エチレン性不飽和単量体としては特に制限はなく、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのエチレン性不飽和ニトリル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、酢酸イソプロペニルなどのカルボン酸ビニルエステル単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル単量体;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸;フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸及びその無水物;マレイン酸ブチル、イタコン酸ブチルなどの多価カルボン酸の部分エステル等;エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン系単量体;メチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテルなどのビニルエーテル系単量体;酢酸アリル、酢酸メタリル、塩化アリル、塩化メタリルなどのアリル化合物;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;ビニルピリジン、N−ビニルピロリドンなどのビニル複素環化合物;などが挙げられる。
なお、原因については不明であるが、上記水性のエマルジョンを塗工液に用いると、塗工層の強度が向上する。但し、上記単量体に加えて上記エチレン性不飽和単量体を用いる場合、エチレン性不飽和単量体の含有量が多くなると、塗工層強度が低下する傾向にある。そのため、上記エチレン性不飽和単量体の含有量は、好ましくは全単量体の50質量%以下、より好ましくは30質量%以下にする。
2. 水溶性高分子
水溶性高分子はアルコール性水酸基を含有する。水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール及びその各種変性物などのビニルアルコール系重合体;酢酸ビニルとアクリル酸、メタクリル酸又は無水マレイン酸との共重合体のけん化物;アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシルメチルセルロースなどのセルロース誘導体;アルキル澱粉、カルボキシルメチル澱粉、酸化澱粉などの澱粉誘導体;アラビアゴム、トラガントゴム;ポリアルキレングリコール;などが挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、ビニルアルコール系重合体が好ましく、質量平均重合度が300〜4000(分子量としては、10,000〜170,000)であるとより好ましい。特に、ポリビニルアルコール(PVA)が好ましい。
3. 共重合
本発明の水性エマルジョンは、水溶性高分子の存在下で上記単量体を重合して得られる。「存在下」とは、重合反応系に水溶性高分子と単量体が存在していることをいい、界面活性剤を用いた乳化重合で得られた重合体に上記水溶性高分子を後添加する方法や、乳化重合法以外の方法で製造した重合体を水に乳化させる際に上記水溶性高分子を分散剤として用いる方法とは重合工程が異なる。そして、重合の進行と並行して単量体を反応系に添加していくことが重要である。単量体の全量を重合初期に一括して重合容器に投入して重合を開始する方法の場合、反応系が不安定になる等で好ましくない。又、重合の進行と並行して上記水溶性高分子を反応系に添加していくことが重要である。
上記した水性エマルジョンは、上記各単量体を主成分とする分子(重合体)の周囲に上記水溶性高分子が乳化剤として分散し(特開平11−335490号公報記載の技術の場合)、又は、上記重合体の周囲に上記水溶性高分子がグラフト重合している(特開2001−146695号公報記載の技術の場合)ため、エマルジョンは全体として球形に近いと考えられる。そのため、上記水性エマルジョンを塗工液に用いると、ハイシェア−粘度を低減することができる。ここで、ハイシェア−粘度は、塗工液中の接着剤成分の分子形状の影響を受ける。例えば、直鎖状分子であるPVAやデンプン等をそのまま接着剤に用いた場合、これらが塗工液の流動を妨げるため、塗工液のハイシェア−粘度が高くなる。一方、球形に近い合成樹脂エマルジョン(SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、アクリルなど)を用いると、塗工液のハイシェア−粘度が低くなる。好ましくは、30℃におけるハーキュレス粘度(8800rpm)を5〜30mPa・sにすることが好ましい。
このように、ハイシェア−粘度の低い水性エマルジョンを用いることでトランスファーロールコーター塗工適性が向上する(塗工ムラが改善される)理由は明らかではないが、次のように考えられる。つまり、トランスファーロールコーターは、ロール上に形成した塗工液膜を高速で原紙に塗工(転写)するため、ロールが原紙から剥離する際、液膜にムラが発生する。そこで、塗工液のハイシェア−粘度を低くすることにより、ロールの原紙からの剥離がスムーズになり、液膜に衝撃等を与えないためムラが発生しにくくなると考えられる。
さらに塗工液中にPVA等の保水性の高い水溶性高分子を含有するため、ロール上に塗工液膜が均一に形成されやすく、より一層、ムラが発生しにくくなると考えられる。
また、上記した水性エマルジョンを塗工液に用いることで、印字濃度、特に顔料インク使用時の印字濃度が向上する。この理由は次のように考えられる。つまり、水に対して膨潤性の高い水溶性高分子(例えば、PVAなど)を接着剤として含む塗工層は親水性が高いため、顔料インクは塗工層内部まで浸透する。一方、水に対する膨潤性の低い樹脂(例えば、SBRなど)を接着剤として含む塗工層は疎水性であるため、同様に顔料インクは塗工層内部に浸透する。どちらの場合も、顔料インクが塗工層内部に浸透し過ぎるため、印字濃度が向上しない。
一方、上記水性エマルジョンは、疎水性の樹脂の周囲を親水性の水溶性高分子で取り囲んでいる。このため、顔料インクがエマルジョン表面の水溶性高分子に定着されると、エマルジョン内側の疎水性樹脂の作用によって顔料インクの塗工層内部への浸透が抑制されるため、塗工層表面に顔料インクが多く存在し、印字濃度が高くなると考えられる。
また、上記水性エマルジョンは、カチオン性樹脂と相溶性の悪い上記重合体の周囲を、カチオン性樹脂と相溶性が良好な水溶性高分子で取り囲んでいるため、全体としてカチオン性樹脂との相溶性が良好になると考えられる。従って、塗工紙として後述するインクジェット記録用紙を製造する際、インクジェット記録を向上させるためのカチオン性樹脂を、塗工液中に安定して含有させることができる。
4. グラフト重合
上記水性エマルジョンにおいて、水溶性高分子が共重合体にグラフト重合していると、エマルジョンの安定性が向上し、又、ロールパターンに由来する塗工ムラの改善効果が大きいため、好ましい。
ところで、通常、上記水溶性高分子のすべてが共重合体にグラフト結合しているわけではなく、共重合体の単体化合物も存在する。そこで、式
(共重合体にグラフトした水溶性高分子の質量)×100/(すべての共重合体の質量(但し、グラフト結合している場合にその水溶性高分子の質量を除く))
で表されるグラフト率(%)を規定する。グラフト率は0.5〜30質量%であることが必要であり、好ましくは1〜20質量%、更に好ましくは2〜15質量%である。グラフト率が0.5質量%未満では、ウエットピック強度及びウエット着肉性が悪くなる。逆に30質量%を超えると、同様にウエットピック強度及びウエット着肉性が悪くなる上に白紙光沢も低下し、更に水性エマルジョンの粘度が高くなって取り扱いが困難になり、逆に粘度を低くする為に重合濃度を低くすると生産性が悪くなる。
なお、水性エマルジョン中に存在する遊離の水溶性高分子は、例えば遠心分離によって水性エマルジョン(グラフト重合した共重合体)から分離することができる。遠心分離を行うと、遊離の水溶性高分子は水層中に残り、グラフト重合した共重合体は沈殿する。さらに、グラフト重合した共重合体は、例えば、沈殿物を更に過酸化物ラジカルで処理して不溶化することにより、グラフト重合していない共重合体と分離することができる。
ここで、共重合体にグラフト重合している水溶性高分子の量は、例えば、水溶性高分子の水酸基をアセチル化するなどの手法により適切な誘導体に変換した後、例えば、NMR(核磁気共鳴測定装置)などによりこの誘導体を測定することで分析できる。
<カチオン性樹脂>
塗工液にカチオン性樹脂を含有させると、顔料インクを用いたインクジェット記録において、印字濃度を向上させることができるので好ましい。
一般に、顔料インクはアニオン性であるため、カチオン性樹脂を塗工層(インク受理層)に存在させるとインク受理層表面に顔料インクが定着し易くなり、印字濃度が向上する。ところで、従来、接着剤成分の1種である樹脂エマルジョンはカチオン性樹脂との相溶性が悪く、増粘や凝集などの問題を引き起こすため、インク受理層の接着剤には、カチオン性樹脂との相溶性の良好なPVA、デンプンなどの水溶性高分子を使用していた。しかしながら、この水溶性高分子を塗工液に用いるとハイシェアー粘度が高くなり、トランスファーロールコーター塗工適性が低下する問題がある。
そこで、本発明においては、上記した水性エマルジョンを用いることで、カチオン性樹脂との相溶性を高くしてインクジェット記録品質を向上することができる。又、PVA等を接着剤に使用する場合に比べ、塗工液のハイシェアー粘度を低減してトランスファーロールコーター塗工適性を向上することができる。
カチオン性樹脂としては、ジシアンジアミド・ホルムアルデヒド樹脂、ジエチレントリアミン・ジシアンジアミド・アンモニウムクロライド縮合物、(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムクロライドの重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの重合物、エチレンイミン重合物、ジアリルアミン重合物、アンモニア・エピクロロヒドリン・ジメチルアミン共重合物など、通常インク定着剤として使用されている薬品を挙げることができる。
カチオン性樹脂のカチオン化度は4〜8meq/gであることが好ましい。カチオン化度が4meq/g未満であると、充分にインクを定着することができず、印字濃度の向上が充分でない。一方、カチオン化度が8meq/gを超えても、インク定着効果は飽和し、又、カチオン化度を大きくするためにはカチオン性樹脂の分子量を大きくする必要があり、その分、塗工液が高粘度となってトランスファーロール適性が低下することがある。
<その他の成分>
塗工液中には、上記に加え、各種助剤や公知のバインダー樹脂を含有することも可能である。公知のバインダー樹脂としては、澱粉またはその変性物、ポリビニルアルコールまたはその変性物、カゼイン、アクリル、酢酸ビニル、スチレンブタジエンラテックス、ウレタン、あるいはこれらの重合体などを挙げることができる。
又、塗工液中に、本発明の効果が損なわれない範囲で、サイズ剤、染料、保水剤、耐水化剤、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤、導電剤など一般に使用されている添加剤を含有していてもよい。塗工液中にサイズ剤を添加するとフェザーリングが向上する。特に、カチオン性のサイズ剤を用いると、フェザーリング向上効果が高くなる。
<塗工液>
上記した各成分を配合することで、塗工液を調製することができる。ここで、塗工液の粘度として、30℃におけるハーキュレス粘度(8800rpm)を5〜30mPa・sにすることが好ましい。このようにすると、トランスファーロールコーターによる高速塗工を安定して行うことが可能になる。塗工液のハーキュレス粘度が5mPa・s未満であると、塗工操業上の問題は発生しないものの、充分な塗工量を得ることができない。一方、ハーキュレス粘度が30mPa・sを超えると、トランスファーロールコーターによる塗工時に、塗工液が飛散(通常「ジャンピング」と称される)して塗工不良となるので、好ましくない。なお、ハーキュレス粘度とは、高いずり速度を与えたときの粘度(ハイシェア粘度)を示す。
塗工量は、原紙の片面当り2〜7g/mとするのが好ましい。塗工量が2g/m未満であると、塗工ムラが生じ、原紙表面に塗工層を均一に形成することができない。一方、塗工量が7g/mを超えると、操業性が低下するとともに、塗工紙の断裁時の粉落ち(塗工層の脱落)などが発生しやすくなるため望ましくない。
また、塗工液中の固形分濃度を10%以上とするのが好ましく、特に20%以上とするのが好ましく、最も好ましくは30%以上とする。固形分濃度が10%未満であると、トランスファーロールコーターで塗工することはできるものの、塗工液の固形分が低すぎて塗工量を2g/m以上にすることができない。なお、上記濃度は高いほど好ましいが、あまり高いと粘度が上昇し、塗工量の制御が困難になるなどの実用上の問題が生じる恐れがある。そのため、インクジェット記録媒体の製造の場合は、通常は40%程度を上限とするのが望ましい。
<トランスファーロールコーターによる塗工>
本発明においては、トランスファーロールコーターにより上記塗工液を原紙表面に塗工し、塗工紙を製造する。ここで、トランスファーロールコーターは、前計量方式(印刷方式)で原紙に塗工液を塗布するコーターであり、ブレードコーターやバーブレードコーターなどの後計量方式(原紙に付着させた塗工液を掻き取る方式)で塗工するコーターと比較して、高速で塗工できるなどの利点がある。例えば、トランスファーロールコーターを用いると、高速(具体的には300m/min以上、1000m/min以上も可能)で塗工紙を製造でき、生産性が大幅に向上するとともに、原紙の両面に塗工層を設けることもでき、例えば両面印刷可能なインクジェット記録媒体を安価に製造可能となる。
特に、2本以上のロールとアプリケーターロールを一組としたコーターヘッドを有するゲートロールコーターは、巻き線バーによりアプリケーターロール上の塗工液を計量した後、原紙に塗工するシムサイザーに比べ、塗工量の均一性が高くなり、例えばインクジェット記録用紙の場合、インクジェット適性、特にべた印字部の印字濃度が均一(一様)になるので好ましい。なお、従来のインクジェット記録媒体の製造における塗工方式としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、バーコーター、カーテンコーターなどが用いられているが、これらの方式で原紙に同時に両面塗工することは困難であり、両面塗工するには、製造工程数の増加、乾燥負荷の増大などの問題が生じる。
トランスファーロールコーターは、オンマシンコーターでもオフマシンコーターでもよい。ここで、オンマシンコーターとは原紙の製造機(抄紙機など)上に設置されて原紙の製造と同じラインで塗工するものであり、オフマシンコーターとは、原紙の製造機とは別に設置され、製造された原紙を一旦巻き取り、別ラインのコーターで塗工するものである。生産効率を向上させてコストダウンを図る点では、オンマシンのトランスファーロールコーターを用いるのが好ましい。
塗工後は、塗工層を乾燥させ、塗工紙を得る。乾燥方法としては例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法を採用することができ、乾燥後、必要に応じて、後加工であるスーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の仕上げ工程によって平滑性を付与することが可能である。又、その他、一般的な紙加工方法をいずれも適用可能である。
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。又、水溶液等の場合は固形分に換算した値を示す。
1. 水性エマルジョンの作製
窒素吹き込み口を備えた耐圧オートクレーブに、脱イオン水90部、スチレン25部、アクリロニトリル10部、メタクリル酸メチル14部、イタコン酸3部、t−ドデシルメルカプタン1部、及びポリビニルアルコール(重合度2050、ケン化度88モル%;PVA220E、クラレ社製)5部を仕込み、窒素置換を行った後、ブタジエン48部を耐圧計量器より圧入して、混合、攪拌して単量体乳化物を得た。
別途、窒素吹き込み口と温度計を備えた耐圧オートクレーブに脱イオン水57部、エタノール8部を仕込み、窒素置換後、60℃に昇温し、60℃を維持した状態で、過硫酸カリウム0.5部を脱イオン水10部に溶解した開始剤溶液を圧入し、直ちに前記単量体乳化物を4時間かけて添加した。添加終了後、更に3時間攪拌を継続した後、冷却して反応を終了させ、固形分を35%に調整し、スチレン−ブタジエン共重合体水性エマルジョン(A)を得た。なお、このエマルジョン(A)の粒子径は0.35μm、B型粘度は250mPa・sであった。
又、エマルジョン(A)のグラフト率(%)を以下のようにして求めた。
まず、上記重合体ラテックスの固形分濃度を10%に調整し、その60gを試料とした。該試料を5℃、13,000rpm、60分の条件で遠心分離し、上澄み液を40g回収した。次いで、沈降層(20g)に蒸留水40gを加えて均一にした後、同一条件で再度遠心分離して上澄み液40gを回収した。さらに、沈降層について再度同一操作を繰り返した。3回の遠心分離で回収した上澄み液の合計120g中の固形分量を測定した。この値を重合体とグラフト重合しなかった遊離の水溶性高分子の量(X)とした。重合体ラテックスの製造原料の仕込み割合と、重合反応を停止する際の重合転化率とにより、試料中の水溶性高分子の全量(Y)を求め、下記式により、グラフト率を求めた。
グラフト率=〔(Y−X)/(6−Y)〕×100(%)
エマルジョン(A)のグラフト率は4.3%となった(エマルジョン(A)は、特開2001-146695号公報の実施例2に相当)。
2. 原紙の作製
広葉樹漂白クラフトパルプ(濾水度350mlcsf)からなるパルプスラリー100部に対して、填料として炭酸カルシウム15部、内添サイズ剤(サイズパインNT−87:荒川化学社製)0.4部、カチオンデンプン0.8部を添加して、ツインワイヤー型の抄紙機で坪量80g/mになるように抄造し、原紙を作製した。
3. 塗工紙の作製
以下の塗工液Aを、オンマシン上に設置されたゲートロールコーターにて原紙の両面に、塗工速度1000m/min、周速比:60%の条件で塗工し、乾燥後、更にカレンダー処理(線圧1960N/cm・2NIP)を行い、塗工紙(インクジェット記録用紙)を作製した。塗工液の塗工量(固形分)は片面あたり4.5g/mであった。
塗工液A:シリカ(NIPGEL CX400:日本シリカ社製 吸油量100ml/100g)50部、軽質炭酸カルシウム(タマパール123CS:吸油量50ml/100g)50部、エマルジョン(A)50部、カチオン性樹脂(SRD150、日本PMC社製 カチオン化度7.0meq/g)20部、カチオン性サイズ剤(SS335、日本PMC社製)10部を含む塗工液(固形分32%、ハーキュレス粘度13.4mPa・s)を調製した。なお、塗工液Aの顔料の吸油量は、上記各顔料の吸油量の配合割合に応じた平均値とした(以下の塗工液も同様)。
塗工液Aにおいて、カチオン性樹脂を配合しなかったこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。なお、この塗工液の固形分32%、ハーキュレス粘度12.2mPa・sであった。塗工液の塗工条件は実施例1とまったく同様とし、塗工量(固形分)は片面あたり4.5g/mであった。
塗工液Aの代わりに、上記シリカ50部、上記軽質炭酸カルシウム50部、エマルジョン(A)25部、ポリビニルアルコール(PVA103:クラレ社製、重合度300)25部、上記カチオン性樹脂20部、カチオン性サイズ剤(SS335、日本PMC社製)10部を含む塗工液A2(固形分32%、ハーキュレス粘度18.3mPa・s)を用いたこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工液の塗工条件は実施例1とまったく同様とし、塗工量(固形分)は片面あたり4.4g/mであった。
塗工液Aを希釈して固形分を20%(ハーキュレス粘度7.9mPa・s)としたこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工液の塗工条件は実施例1とまったく同様とし、片面あたりの塗工量(固形分)が2.4g/mのインクジェット記録用紙を作製した。
塗工液Aを塗工速度:1000m/min、周速比:80%の条件で塗工し、塗工液の塗工量(固形分)が片面あたり6.2g/mのインクジェット記録用紙を作製した。
塗工液Aを塗工速度:1000m/min、周速比:90%の条件で塗工し、塗工液の塗工量(固形分)が片面あたり8.6g/mのインクジェット記録用紙を作製した。
塗工液Aの代わりに、上記軽質炭酸カルシウム100部、エマルジョン(A)50部、上記カチオン性樹脂20部、カチオン性サイズ剤(SS335、日本PMC社製)10部を含む塗工液A3(固形分32%、ハーキュレス粘度11.3mPa・s)を用いたこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工液の塗工条件は実施例1とまったく同様とし、塗工量(固形分)は片面あたり4.5g/mであった。
塗工液Aの代わりに、シリカ(NIPGEL CY601:日本シリカ社製 吸油量190ml/100g)50部、上記軽質炭酸カルシウム50部、エマルジョン(A)25部、上記カチオン性樹脂20部、カチオン性サイズ剤(SS335、日本PMC社製)10部を含む塗工液A4(固形分32%、ハーキュレス粘度15.0Pa・s)を用いたこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工液の塗工条件は実施例1とまったく同様とし、塗工量(固形分)は片面あたり4.5g/mであった。
塗工液Aの代わりに、シリカ(NIPGEL CY601:日本シリカ社製 吸油量190ml/100g)100部、エマルジョン(A)50部、上記カチオン性樹脂20部、カチオン性サイズ剤(SS335、日本PMC社製)10部を含む塗工液A5(固形分32%、ハーキュレス粘度16.6mPa・s)を用いたこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工液の塗工条件は実施例1とまったく同様とし、塗工量(固形分)は片面あたり4.2g/mであった。
塗工液Aの代わりに、シリカNIPGEL :日本シリカ社製 吸油量250ml/100g)50部、上記軽質炭酸カルシウム50部、エマルジョン(A)50部、上記カチオン性樹脂20部、カチオン性サイズ剤(SS335、日本PMC社製)10部を含む塗工液A6(固形分32%、ハーキュレス粘度18.0mPa・s)を用いたこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工液の塗工条件は実施例1とまったく同様とし、塗工量(固形分)は片面あたり4.6g/mであった。
<比較例1>
塗工液Aの代わりに、上記シリカ50部、上記軽質炭酸カルシウム50部、上記ポリビニルアルコール25部、デンプン(ペンフォードガム295:日成共益社製)25部、上記カチオン性樹脂20部、上記カチオン性サイズ剤10部を含む塗工液B(固形分32%、ハーキュレス粘度24.1mPa・s)を用いたこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工液の塗工条件は実施例1とまったく同様とし、塗工量(固形分)は片面あたり4.7g/mであった。
<比較例2>
上記塗工液Bにおいて、ポリビニルアルコールの配合量を50部としたこと以外は比較例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。なお、この塗工液の固形分32%、ハーキュレス粘度25.4mPa・sであった。塗工液の塗工条件は実施例1とまったく同様とし、塗工量(固形分)は片面あたり4.1g/mであった。
<比較例3>
1. 水性エマルジョンの作製
窒素吹き込み口を備えた耐圧オートクレーブに、脱イオン水50部、スチレン25部、アクリロニトリル10部、メタクリル酸メチル14部、イタコン酸3部、t-ドデシルメルカプタン1部、及びラウリル硫酸ナトリウム0.2部を仕込み、窒素置換を行った後、ブタジエン48部を耐圧計量器より圧入して、混合、攪拌して単量体乳化物を得た。
別途、窒素吹き込み口と温度計を備えた耐圧オートクレーブに脱イオン水60部及びラウリル硫酸ナトリウム0.6部を仕込み、窒素置換後、60℃に昇温し、60℃を維持した状態で、過硫酸カリウム0.5部を脱イオン水10部に溶解した開始剤溶液を圧入し、直ちに前記単量体乳化物を4時間かけて添加した。添加終了後、更に3時間攪拌を継続した後、冷却して反応を終了させ、固形分を40%に調整し、スチレン-ブタジエン共重合体水性エマルジョン(B)を得た。なお、このエマルジョン(B)の粒子径は0.15μm、B型粘度は30mPa・sであった。
2. 塗工液の調製
塗工液Aにおいて、エマルジョン(A)の代わりにエマルジョン(B)を50部配合したこと以外は比較例1とまったく同様にして調製したところ、塗工液が凝集してしまい、塗工できなかった。塗工液中のカチオン性樹脂とエマルジョン(B)が凝集したと考えられる。
<比較例4>
塗工液Aの代わりに、上記シリカ50部、上記軽質炭酸カルシウム50部、エマルジョン(B)50部を含む塗工液B2(固形分32%、ハーキュレス粘度11.0mPa・s)を用いたこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工液の塗工条件は実施例1とまったく同様とし、塗工量(固形分)は片面あたり4.8g/mであった。
<比較例5>
上記シリカ50部、上記軽質炭酸カルシウム50部、水性エマルジョン(B)25部とポリビニルアルコール(PVA103:クラレ社製)25部、上記カチオン性樹脂20部を含む塗工液を配合したところ、塗工液が凝集してしまい、塗工できなかった。塗工液中のカチオン性樹脂とエマルジョン(B)が凝集したと考えられる。
<比較例6>
塗工液Aの代わりに、上記シリカ50部、上記軽質炭酸カルシウム50部、水性エマルジョン(B)25部とポリビニルアルコール(PVA103:クラレ社製)25部を含む塗工液B3(固形分32%、ハーキュレス粘度17.2mPa・s)を用いた。塗工液の塗工条件は実施例1とまったく同様とし、塗工量(固形分)は片面あたり4.5g/mであった。
<比較例7>
ゲートロールコーターの代わりに、エアナイフコーター(塗工速度:300m/min)で塗工したこと以外は実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。塗工液の塗工量(固形分)は片面あたり4.3g/mであった。
<比較例8>
1. 水性エマルジョンの作製
窒素吹き込み口を備えた耐圧オートクレーブに、脱イオン水90部、メタクリル酸メチル50部、アクリル酸ブチル49部、メタクリル酸1部、及びポリビニルアルコール(上記PVA220E)5部を仕込み、窒素置換を行い、混合、攪拌して単量体乳化物を得た。
別途、窒素吹き込み口、温度計を備えた耐圧オートクレーブに、脱イオン水57部、エタノール8部を仕込み、窒素置換後、60℃に昇温し、60℃を維持した状態で、過硫酸カリウム0.5部を脱イオン水10部に溶解した開始剤溶液を圧入し、直ちに前記単量体乳化物を4時間かけて添加した。添加終了後、更に3時間攪拌を継続した後、冷却して反応を終了させ、固形分を35%に調整し、アクリル共重合体水性エマルジョン(C)を得た。なお、水性エマルジョン(C)の粒子径は0.75μm、B型粘度は50mPa・sであった。又、水性エマルジョン(C)のグラフト率は3.9%であった(特開2003-312126号公報の実施例2に相当)。
2. 原紙の作製
実施例1とまったく同様にして原紙を作製した。
3. 塗工紙の作製
塗工液Aにおいて、エマルジョン(A)の代わりにエマルジョン(C)を50部配合したこと以外は実施例1とまったく同様にして塗工紙(インクジェット記録用紙)を作製した。塗工液Fの固形分32%、ハーキュレス粘度13.1mPa・sであった。塗工液の塗工条件は実施例1とまったく同様とし、塗工量(固形分)は片面あたり4.4g/mであった。
各塗工液の成分等を表1に示す。
Figure 2005290579
<評価>
1. インクジェット記録品質
1−1、顔料インク適性(印字濃度)
各インクジェット記録用紙について、インクジェットプリンター(PM−4000PX、EPSON社製の顔料インクプリンター)で顔料インクにより印字し(BK:黒色)、24時間経過後の印字濃度をマクベス濃度計(RD918、Gretag Macbeth社製)で測定した。印字濃度が1.50未満であると、印字濃度の低下が目立って好ましくない。
1−2.染料インク適性(ベタ印字ムラ)
各インクジェット記録用紙について、インクジェットプリンター(PM−970C、EPSON社製の染料インクプリンター)で染料インクにより約5×5cmの緑色のベタ印字を行い、次の基準で目視評価を行った。
○:ほとんどムラが見られない。
△:若干ムラが見られる。
×:明らかにムラが見られる。
2. トランスファーロールコーター塗工適性
塗工時の塗工液を目視観察し、又、得られた用紙の塗工層を目視観察し、次の評価を行った。
○:塗工液の飛散(ジャンピング)、塗工層の脱落がほとんど発生しない。
△:塗工液の飛散(ジャンピング)、塗工層の脱落が若干発生し、操業性が低下するレベル。
×:塗工液の飛散(ジャンピング)、塗工層の脱落が発生し、操業性が大幅に低下するレベル。
得られた結果を表2に示す。
Figure 2005290579
表2から明らかなように、各実施例の場合、染料インク、顔料インクのいずれを用いてもインクジェット記録品質が良好であるととともに、トランスファーロールコーターによる塗工適性に優れ、生産性も高かった。なお、塗工液にカチオン性樹脂を配合しなかった実施例2の場合、顔料インクによる印字濃度が若干低下したが、実用上問題はなかった。このことより、塗工液にカチオン性樹脂を含むことが好ましいことがわかる。また、吸油量が250ml/100gのシリカを塗工液中に含有する実施例10の場合、塗工層強度が弱くなり、塗工層の脱落が若干見られたが、実用上問題はなかった。
一方、水性エマルジョンを配合しなかった比較例1、2の場合、いずれもハーキュレス粘度が高くなり、トランスファーロールコーター塗工適性が劣った。また、比較例1、2の場合、トランスファーロールコータの塗工ムラが生じて染料インクの印字ムラが発生したため、染料インク適性も低下するとともに、顔料インク適性も低下した。
水性エマルジョン(B)とカチオン性樹脂とを混合した塗工液を用いた比較例3、5の場合、塗工液が凝集し、塗工不能となった。
水溶性高分子を存在させずに単量体を共重合させた水性エマルジョン(B)を塗工液に用いた比較例4、6の場合、顔料インク適性、染料インク適性がともに低下した。なお、染料インク適性の低下は、トランスファーロールコータの塗工ムラに起因し、又、顔料インク適性の低下は、塗工層が疎水性となったために顔料インクが塗工層内部に浸透したことによると考えられる。さらに、比較例6の場合、塗工液に水性エマルジョンとPVAを含有しているため、一応、塗工層中に疎水性の部分と親水性の部分が存在するものの、上記水性エマルジョン(B)を用いたために実施例と比較して塗工液の混合状態が不均一となり、顔料インクが塗工層内部に浸透して印字濃度が低下したと考えられる。
単量体として芳香族ビニル系単量体及び共役ジエン系単量体を含まない(アクリル系の)水性エマルジョン(C)を用いた比較例8の場合、カチオン性樹脂との混合による凝集は生じなかったが、塗工層の強度が弱く、トランスファーロールコーター適性が劣った。また、比較例8の場合、塗工層の脱落により印字ムラが発生し、染料インク適性も劣った。
トランスファーロールコーター塗工に代え、エアナイフ塗工を行った比較例7の場合、
ライン速度が両面1000m/分から片面300m/分に低下し、生産性が大幅に低下した。

Claims (4)

  1. 少なくとも芳香族ビニル系単量体及び共役ジエン系単量体を含む2種以上の単量体を、アルコール性水酸基を含有する水溶性高分子の存在下で共重合して得られる水性エマルジョン、並びに顔料を含有する塗工液を、トランスファーロールコーターにより原紙の少なくとも片面に塗工後、乾燥して塗工層を設ける塗工紙の製造方法。
  2. 前記水溶性高分子が前記共重合体にグラフト重合している請求項1に記載の塗工紙の製造方法。
  3. 前記顔料の吸油量が60〜200ml/100gである請求項1又は2に記載の塗工紙の製造方法
  4. 前記塗工液中にカチオン化度4〜8meq/gのカチオン性樹脂を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の塗工紙の製造方法。
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