JP2001323090A - 帯電防止性ポリエステルフィルム - Google Patents

帯電防止性ポリエステルフィルム

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JP2001323090A
JP2001323090A JP2000144642A JP2000144642A JP2001323090A JP 2001323090 A JP2001323090 A JP 2001323090A JP 2000144642 A JP2000144642 A JP 2000144642A JP 2000144642 A JP2000144642 A JP 2000144642A JP 2001323090 A JP2001323090 A JP 2001323090A
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polyester film
film
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JP2000144642A
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Arimichi Shirakawa
有理 白河
Hagumu Takada
育 高田
Takashi Mimura
尚 三村
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】帯電防止性に優れ、かつ絶縁層を積層した後の
帯電防止性をも満足し得る帯電防止性ポリエステルフィ
ルムを提供する。 【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に、下記構造式(I)で示されるアクリル酸エステルを
共重合した化合物からなる塗布層を形成してなる帯電防
止性ポリエステルフィルムである。 (式中、R=水素またはアルキル基、n=1〜20、X
=アルカリ金属、アルカリ土類金属または4級アミノ基
を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止性ポリエ
ステルフィルムに関し、さらに詳しくは、本発明は、絶
縁層を積層した後の帯電防止性をも満足し得るポリエス
テルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】二軸配向ポリエステルフィルムは、寸法
安定性、機械的性質、耐熱性、透明性および電気的性質
などに優れた性質を有することから、磁気記録材料、包
装材料、電気絶縁材料、各種写真材料あるいはグラフィ
ックアーツ材料などの多くの用途の基材フィルムとして
広く使用されている。
【0003】しかしながら一方で、二軸配向ポリエステ
ルフィルムは一般に静電気が発生し易く、製膜工程、加
工工程、製品の使用時などに塵埃の付着などのトラブル
を発生し易いという欠点を有している。このため、従来
から、ポリエステルフィルム表面に種々の方法で帯電防
止性を与えるための検討がなされてきた。
【0004】従来、例えば、帯電防止剤をポリエステル
フィルムに添加する方法(特開昭60−141525号
公報および特開平6−145394号公報など)、ポリ
エステルフィルムにスルホン酸塩基を有する化合物を塗
布する方法(特開平2−283733号公報、特開平4
−28728号公報および特開平2−110141号公
報など)、ポリエステルフィルム上にリン酸塩基を含有
する塗布層を形成する方法(特開平7−81015号公
報など)、あるいはポリエステルフィルム上にイオン化
された窒素原子を有する化合物を塗布する方法(特開平
6−172562号公報など)などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のポリエステルフィルムでは、帯電防止剤の一部が界
面に集積しフィルムの反対面などに移行することによる
トラブルの発生や、そのポリエステルフィルム上に絶縁
層を設けた後に帯電防止機能が悪化するなどの問題があ
った。本発明は、このような従来技術の欠点を改良し、
帯電防止性成分が界面に集積することなく、特に絶縁層
を積層した後の帯電防止性をも満足し得る帯電防止性ポ
リエステルフィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の帯電防止性ポリエステルフィルムは、ポリエステル
フィルムの少なくとも片面に、下記構造式(I) (R=水素またはアルキル基、n=1〜20、X=アル
カリ金属、アルカリ土類金属または4級アミノ基を表
す。)で示されるアクリル酸エステルを共重合した化合
物からなる塗布層が形成されてなることを特徴とする帯
電防止性ポリエステルフィルムである。
【0007】本発明においては、上記のアクリル酸エス
テルを30モル%以上の割合で共重合してなる化合物を
用いることが好ましい態様である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の帯電防止性ポリエステル
フィルムにおいて、ポリエステルフィルムを構成するポ
リエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖と
する高分子化合物の総称であって、好ましいポリエステ
ルとしては、エチレンテレフタレート、エチレン−2,
6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレン
−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,
4’−ジカルボキシレート等から選ばれた少なくとも1
種の構成成分を主要構成成分とするポリエステルを用い
ることができる。これら構成成分は1種のみ用いても、
2種以上併用してもよいが、中でも品質や経済性などを
総合的に判断するとエチレンテレフタレートを主要構成
成分とするポリエステルを用いることが特に好ましい。
また、基材フィルムに熱が作用する用途においては、耐
熱性や剛性に優れたポリエチレン−2,6−ナフタレー
トが更に好ましい。
【0009】また、これらポリエステルには、更に他の
ジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは2
0モル%以下共重合されていてもよい。
【0010】更に、このポリエステル中には、各種添加
剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫
外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無
機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性
を悪化させない程度に添加されていてもよい。
【0011】上記ポリエステルを使用したポリエステル
フィルムは、塗布層が設けられた状態においては二軸配
向されたものであることが好ましい。二軸配向ポリエス
テルフィルムとは、一般に、未延伸状態のポリエステル
シートまたはフィルム状物を長手方向および幅方向に各
々2.5〜5倍程度延伸され、その後、熱処理が施され
て、結晶配向が完了されたものであり、広角X線回折で
二軸配向のパターンを示すものをいう。
【0012】本発明で用いられるポリエステルフィルム
の厚みは特に限定されるものではなく、用途に応じて適
宜選択されるが、機械的強度やハンドリング性などの点
から、通常1〜500μm、好ましくは5〜300μm
である。また、得られたフィルムを各種の方法で相互
に、あるいは他のフィルムと貼り合わせて用いることも
できる。
【0013】また、本発明では通常、透明タイプのポリ
エステルフィルムが用いられるが、透明タイプのポリエ
ステルフィルムの他に、白色ポリエステルフィルムも好
適に用いられる。この白色ポリエステルフィルムは、白
色に着色されたポリエステルフィルムであれば特に限定
されるものではなく、好ましくは白色度が85〜150
%、より好ましくは90〜130%であり、光学濃度が
好ましくは0.5〜5、より好ましくは1〜3のフィル
ムである。例えば、白色度の小さい基材フィルムを使用
した場合、反対面の模様や着色が透過し表面の印刷層の
美観が損なわれ易く、一方、光学濃度が小さい場合、十
分な光線反射が得られず、肉眼で見た場合白さが減少す
る、反対面の影響を受けるなど好ましくない場合があ
る。
【0014】このような光学濃度、白色度を得る方法
は、特に限定されないが、通常は無機粒子あるいはポリ
エステルと非相溶の樹脂をポリエステルに添加すること
により得ることができる。添加する量は特に限定されな
いが、無機粒子の場合、好ましくは3〜35重量%、よ
り好ましくは5〜25重量%である。また、ポリエステ
ルと非相溶性の樹脂を添加する場合は、好ましくは3〜
35体積%、より好ましくは5〜25体積%である。
【0015】無機粒子は、特に限定されないが、平均粒
径は好ましくは0.1〜4μm、より好ましくは0.3
〜1.5μmの無機粒子などをその代表的なものとして
用いることができる。具体的に無機粒子としては、硫酸
バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化チタ
ン、シリカ、アルミナ、タルク、クレー等あるいはこれ
らの混合物を挙げることができる。これらの無機粒子
は、他の無機化合物、例えば、リン酸カルシウム、酸化
チタン、雲母、ジルコニア、酸化タングステン、フッ化
リチウムまたはフッ化カルシウムなどと併用することが
できる。
【0016】また、上述のポリエステルと非相溶の樹脂
としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン
テレフタレートやポリエチレン−2、6−ナフタレート
と混合する場合についていえば、アクリル樹脂、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、変性オレフィン樹脂、ポリブ
チレンテレフタレート系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフ
ェニレンオキシドなどを用いることができ、当然、上述
した無機粒子と併用してもよい。
【0017】本発明の帯電防止性ポリエステルフィルム
においては、基材であるポリエステルフィルムの少なく
とも片面に、次の構造式(I) (R=水素またはアルキル基、n=1〜20、X=アル
カリ金属、アルカリ土類金属または4級アミノ基を表
す。)で示されるアクリル酸エステルを共重合した化合
物からなる塗布層が形成される。
【0018】公知の技術としては、例えば、特開平2−
110141号公報には下記構造式(II)で示されるス
ルホン酸塩基を有する化合物が記載されているが、この
化合物を用いた場合には、絶縁層積層後の帯電防止性が
悪化する(比較例2)。
【0019】 (式中、R=水素またはアルキル基、n=0〜2、X=
金属元素または4級アミノ基を表す。) 本発明の塗布層成分に用いられるアクリル酸エステル
は、従来の上記構造式(II)で示される化合物とは化学
構造を異にしている。本発明のアクリル酸エステルは、
下記の構造式(I) で示され、式中、Rは水素またはアルキル基(メチル
基、エチル基など)であり、n=1〜20、さらに好ま
しくはn=1〜10であり、Xとしてはアルカリ金属
(Li、Na、Kなど)、アルカリ土類金属(Mg、C
a、Baなど)、4級アミノ基(NH4、NH(CH3)3
など)を用いることができる。該アクリル酸エステルの
好ましい共重合割合としては30モル%以上、さらに好
ましくは40〜80モル%であり、該割合がこの範囲内
のときには帯電防止性がより良くなり、さらには該塗布
層が少なくとも一方向に延伸されたときに、基材として
のポリエステルフィルムの光学的特性(例えば、透明ベ
ースのときには透明性など、白色ベースのときには光沢
度など)を悪化させない傾向がある。
【0020】本発明の塗布層に用いられる上記構造式
(I)で示されるアクリル酸エステルの共重合成分とし
ては、当該アクリル酸エステルと共重合可能であり本発
明の効果を損なわないものであれば、特に限定されない
が、例えば、アルキルアクリレート、アルキルメタクリ
レート(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル
基、ステアリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベ
ンジル基、フェニルエチル基など)、アクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メ
チルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチ
ロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルア
ミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−フェ
ニルアクリルアミド、N−ビニルアセトアミドなどのア
ミド基含有モノマー、N,N−ジエチルアミノエチルア
クリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレ
ートなどのアミノ基含有モノマー、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルア
クリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒ
ドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコール
モノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエー
テルなどの水酸基含有モノマー、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエー
テルなどのエポキシ基含有モノマー、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマ
ル酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カ
リウム塩、アンモニウム塩など)などのカルボキシル基
またはその塩を含有するモノマー、無水マレイン酸、無
水イタコン酸などの酸無水物を含有するモノマー、スチ
レンスルホン酸、ビニルスルホン酸およびそれらの塩
(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウ
ム塩など)などのスルホン酸基またはその塩を含有する
モノマー、また、他種のモノマーとして、特に限定され
ないが、例えば、ビニルイソシアネート、アリルイソシ
アネート、エチレン、スチレン、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシ
ラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマ
ル酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリデ
ン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ポリビニルピロリドン、
ポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピ
レンオキサイド共重合体、ポリブチレンオキサイド、カ
ルボキシル化ポリエチレンオキサイドなどを用いること
ができ、これらは1種もしくは2種以上を用いて共重合
される。
【0021】また、本発明においては、アクリル酸エス
テルの他の共重合成分として、上記モノマーの他にブロ
ック共重合体やグラフト共重合体などの変性共重合体を
用いることもでき、この変性共重合体は上記モノマーと
併用することもできる。
【0022】本発明のアクリル酸エステルを共重合した
化合物は、ブロック共重合体やグラフト共重合体などの
変性共重合体であってもよく、また、その使用態様にお
いては、本発明の効果が損なわれない範囲内で、アクリ
ル酸エステルまたは上記モノマーを未反応の状態で含ん
でいてもよい。
【0023】また、本発明にかかるアクリル酸エステル
を共重合した化合物からなる塗布層には、他の樹脂、例
えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂、フェノ
ール樹脂およびこれらの変性体などが配合されていても
よく、中でも特に、例えば、各種被覆物との接着性など
を付与できる点で、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、
ウレタン樹脂およびこれらの変性体から選ばれる少なく
とも1種を好ましく用いることができる。
【0024】さらに、本発明にかかる塗布層には、本発
明の効果が損なわれない範囲内で、各種の添加剤、例え
ば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収
剤、易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充
填剤、核剤などが配合されていてもよい。
【0025】本発明の塗布層に、粒子や架橋剤を添加す
ることは任意であるが、これらの添加によって易滑性や
耐ブロッキング性が向上するので、好適な態様である。
【0026】本発明にかかる塗布層に任意に添加される
粒子としては、特に限定されないが、シリカ、コロイダ
ルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タル
ク、マイカ、炭酸カルシウムなどを用いることができ
る。その平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜
5μmが好ましく、より好ましくは0.05〜3μm、
最も好ましくは0.08〜2μmである。また、塗布層
中の全樹脂に対する粒子の混合比は、特に限定されない
が、固形分重量比で0.05〜8重量部が好ましく、よ
り好ましくは0.1〜3重量部である。
【0027】本発明にかかる塗布層に任意に添加される
架橋剤としては、特に限定されないが、メチロール化あ
るいはアルキロール化した尿素系、メラミン系、アクリ
ルアミド系、ポリアミド系の樹脂、エポキシ化合物、イ
ソシアネート化合物、オキサゾリン系化合物、アジリジ
ン化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート
系カップリング剤などを用いることができる。その添加
量は、特に限定されないが、塗布層を形成する全樹脂に
対し、0.5〜50重量部が好ましく、より好ましくは
1〜30重量部である。
【0028】本発明の塗布層を形成するアクリル酸エス
テルを共重合した化合物を主とした樹脂は、これを有機
溶媒に溶解あるいは水に溶解、分散させた塗液として使
用し得る。この塗液を、基材であるポリエステルフィル
ム上に塗布し塗布層を形成する方法は、各種の塗布方
法、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロ
ッドコート法、バーコート法、ダイコート法またはスプ
レーコート法などを用いることができる。特に、本発明
の帯電防止性ポリエステルフィルムを得る上で、経済
性、均一性および基材フィルムとの接着性などを考慮す
ると、ポリエステルフィルムの製造工程内で塗布するイ
ンラインコーティング法による方法が好ましく、その点
において水に溶解あるいは分散させた樹脂を用いること
が好ましい。
【0029】また、本発明にかかる塗布層の厚みは、特
に限定されないが、好ましくは0.02〜5μm、より
好ましくは0.03〜2μm、最も好ましくは0.05
〜0.5μmである。特に塗布層の厚みが薄いときには
帯電防止性が不良となる場合がある。
【0030】次に、本発明の帯電防止性ポリエステルフ
ィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレー
ト(以下、「PET」と略称する)を基材フィルムとし
た例について説明するが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0031】まず、PETペレットを真空乾燥した後、
押し出し機に供給し、260〜300℃で溶融し、T字
型口金からシート状に押し出し、静電印加キャスト法を
用いて表面温度10〜60℃の鏡面キャスティングドラ
ムに巻き付けて冷却固化し、未延伸PETフィルムを作
成する。この未延伸フィルムを70〜120℃に加熱さ
れたロール間で縦方向(フィルムの進行方向)に2.5
〜5倍延伸する。次に、このフィルムの少なくとも片面
にコロナ放電処理を施し、その処理面に本発明の塗布層
形成塗液を塗布する。この塗液を塗布したフィルムをク
リップで把持して70〜150℃に加熱された熱風ゾー
ンに導いて乾燥した後、フィルム上の塗液中の水分率が
10〜60重量%の状態で幅方向に2.5〜5倍延伸
し、引き続き160〜250℃の熱処理ゾーンに導いて
結晶配向を完了させる。この熱処理工程中で必要に応じ
て幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩処理を施
してもよい。二軸延伸は、縦、横逐次延伸あるいは同時
二軸延伸のいずれでもよく、また縦、横延伸後、縦、横
いずれかの方向に再延伸してもよい。また、この場合に
用いられる塗液は環境汚染や防爆性の点で水系塗液が好
ましい。
【0032】本発明によって得られる帯電防止性ポリエ
ステルフィルムの用途としては、特に限定されないが、
例えば、カード用、ラベル用、写真、OHP、感熱転写
やインクジェット、オフセット印刷などの受像シート基
材、包装用、磁気記録媒体用などに好適に用いることが
できる。
【0033】また、本発明の帯電防止性ポリエステルフ
ィルムの塗布層上には、絶縁層を形成することができ
る。帯電防止性ポリエステルフィルムの塗布層上に形成
され得る絶縁層としては、その絶縁層自体の表面比抵抗
値が相対湿度65%の状態において好ましくは1×10
11Ω/□以上の絶縁層であり、さらに好ましくは1×1
12Ω/□以上の絶縁層であり、また、十分な帯電防止
機能を有さないものであれば素材としては特に限定され
ないが、具体的には、例えば、ゴムや磁性体などが挙げ
られる。
【0034】[特性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明における特性の測定方法および効果の評価方
法は次のとおりである。
【0035】(1)帯電防止性−1 帯電防止性ポリエステルフィルム(試料フィルム)、を
23℃、相対湿度65%で1日間放置した後、デジタル
超高抵抗/微小電流計R8340A(アドバンテスト
(株)製)を用いて印加電圧100Vで、塗布層上を測
定した。このとき、9×109Ω/□以下を帯電防止性
良好とした。
【0036】(2)帯電防止性−2 帯電防止性ポリエステルフィルム(試料フィルム)の塗
布層上に、絶縁層としてダイフェラーコートCAD−4
301(大日精化工業(株)製)を約10μm厚みに形
成した。このフィルムを23℃、相対湿度65%で1週
間放置した後、デジタル超高抵抗/微小電流計R834
0A(アドバンテスト(株)製)を用いて印加電圧10
0Vで、絶縁層上を測定した。このとき、9×1010Ω
/□以下を帯電防止性良好とした。
【0037】
【実施例】次に、実施例に基づき本発明の実施態様を説
明するが、本発明は必ずしもこれに限定されるものでは
ない。
【0038】(実施例1)平均粒径0.4μmのコロイ
ダルシリカを0.015重量%および平均粒径1.5μ
mのコロイダルシリカを0.005重量%含有するPE
Tを、減圧乾燥した後、押出機に供給して280℃で溶
融し、これらのポリマーを高精度濾過した後、T字型口
金からシート状に押し出した。
【0039】得られたシート状物を静電印加キャスト法
を用いて、表面温度25℃のキャスティングドラムに巻
き付けて冷却固化し、未延伸フィルムを製造した。この
未延伸フィルムを、85℃で長手方向に3.3倍延伸し
た。
【0040】このようにして得られた一軸延伸フィルム
に空気中でコロナ放電処理を施し、その処理面に25℃
に保った塗布層形成塗液(A1)を塗布した。塗液が塗
布された一軸延伸フィルムをクリップで把持しながら8
0℃に加熱し、フィルム上の塗液中の水分率が50重量
%の状態で幅方向に3.3倍延伸し、225℃で5秒、
210℃で2秒の熱処理を施して、目的とする二軸延伸
した帯電防止性ポリエステルフィルムを得た。
【0041】このとき、基材であるPETフィルムの厚
みは50μm、塗布層の厚みは0.15μmであった。
得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示
す。
【0042】(実施例2〜3、比較例1〜2)実施例1
において塗布層形成塗液をA2〜A5変更した他は、実
施例1と同様にして基材PETフィルムの厚み50μ
m、塗布層の厚み0.15μmの二軸延伸したポリエス
テルフィルムを作成した。
【0043】(比較例3)実施例1の塗布層を形成しな
い以外は、実施例1と同様にして基材PETフィルムの
厚み50μmの二軸延伸したポリエステルフィルムを作
成した。
【0044】上記の各実施例および各比較例において、
塗布層形成のために用いた樹脂などは以下のとおりであ
り、塗液はいずれも水溶液または水分散液、濃度は約5
重量%である。
【0045】A1:構造式(I)において、R=C
3、n=4、X=Naのモノマー(60 モル
%)、メタクリル酸ブチル(35モル%)、アクリル酸
(5モル%) からなる共重合体 A2:構造式(I)において、R=CH3、n=2、X
=Naのモノマー(30 モル%)、4−ヒドロ
キシブチルアクリレート(70モル%)からなる
共重合体 A3:構造式(I)において、R=CH3、n=4、X
=Naのモノマー(100モル%)からなる重合体 A4:メタクリル酸メチル(65モル%)、アクリル酸
エチル(30モル%)、 アクリル酸(3モル
%)、N−メチロールアクリルアミド(2モル%)
からなる共重合体 A5:メタリルスルホン酸ナトリウム(35モル%)、
メタクリル酸メチル(30モル%)、アクリル酸エチル
(30モル%)、メタクリル酸エチル(5モル%)から
なる共重合体
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明によって作成される帯電防止性ポ
リエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少なく
とも片面に、上記構造式(I)で示されるアクリル酸エ
ステルを共重合した化合物からなる塗布層が形成されて
いるので、帯電防止性に優れ、特に絶縁層を積層した後
の帯電防止性をも満足し得るポリエステルフィルムが得
られる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA35 AB24 BA07 CA07 CA08 DA04 EA06 4F100 AK25B AK41A AK42A BA02 EJ38 JG03B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に、下記構造式(I)で示されるアクリル酸エステルを
    共重合した化合物からなる塗布層が形成されてなること
    を特徴とする帯電防止性ポリエステルフィルム。 (式中、R=水素またはアルキル基、n=1〜20、X
    =アルカリ金属、アルカリ土類金属または4級アミノ基
    を表す。)
  2. 【請求項2】 塗布層が、下記構造式(I) (R=水素またはアルキル基、n=1〜20、X=アル
    カリ金属、アルカリ土類金属または4級アミノ基を表
    す。)で示されるアクリル酸エステルを30モル%以上
    の割合で共重合した化合物からなることを特徴とする請
    求項1記載の帯電防止性ポリエステルフィルム。
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