JPH06336532A - 易接着性ポリエステルフィルム - Google Patents

易接着性ポリエステルフィルム

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JPH06336532A
JPH06336532A JP5148496A JP14849693A JPH06336532A JP H06336532 A JPH06336532 A JP H06336532A JP 5148496 A JP5148496 A JP 5148496A JP 14849693 A JP14849693 A JP 14849693A JP H06336532 A JPH06336532 A JP H06336532A
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film
polyester film
coating
adhesion
group
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JP5148496A
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Inventor
Takeo Kitagawa
健雄 北川
Jun Hirata
純 平田
Takashi Mimura
尚 三村
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリエステルフィルムと、該ポリエステルフィ
ルムの少なくとも片面に形成され、分子内に少なくとも
一種以上の架橋性官能基を有するアクリル樹脂とポリエ
チレンイミンとを主たる構成成分とする塗膜を有するこ
とを特徴とする易接着性ポリエステルフィルムを提供し
た。 【効果】本発明の易接着性ポリエステルフィルムは、特
にジアゾ感光塗料との密着性に優れ、高温高湿環境下に
おいても初期の密着性を維持する。また耐ブロッキング
性にも優れ、環境変化によるトラブルがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は易接着性ポリエステルフ
ィルムに関するものであり、詳しくは接着性、耐ブロッ
キング性などに優れ、磁気記録材料、各種写真材料、包
装材料、電気絶縁材料などに使用される基材フィルムと
して好適な易接着性ポリエステルフィルムに関するもの
であり、更に詳しくは高温高湿環境下においても密着性
の低下のない易接着ポリエステルフィルムに関するもの
である。特にジアゾ感光フィルムに使用される基材フィ
ルムとして好適な易接着性ポリエステルフィルムに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレートあるいはポリ−1、4−シクロヘキサンジ
メチレンテレフタレート及びこれらを主体とするポリエ
ステルは優れた物理的、化学的特性を有しており、繊
維、フィルムあるいはシート更にはその成型品として広
く使用されている。
【0003】特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐
薬品性、機械的特性において優れた性質を有するため
に、磁気記録材料、各種写真材料、包装材料、電気絶縁
材料、一般工業材料等多くの用途に用いられている。
【0004】しかしながら、一般にポリエステル自体が
不活性で接着性に乏しいため、フィルム表面に種々の被
覆物、例えばジアゾ感光塗料、磁性体塗料、ケミカルマ
ット塗料、ゼラチン組成物、ヒートシール付与組成物、
インキなどを塗布あるいは印刷する際には、該被覆物と
の接着性を良好とするためにフィルム表面にコロナ放電
あるいはプラズマ等の物理的な処理やアルカリあるいは
アミン類の化学薬品を使用した化学的な処理をする方
法、さらには易接着性物質をコーティングする方法など
が知られている。
【0005】しかし物理的あるいは化学的な表面処理方
法は工程が煩雑となり、コストアップとなるばかりでな
く、十分な接着性が得られない。
【0006】一方易接着物質をコーティングする方法は
ポリエステルフィルムの製造工程内で実施でき、コスト
面で有利であり、かつ種々の被覆物に対応できる接着性
物質を選択することが可能であることから、アクリル樹
脂、水溶性および水分散性ポリエステルを易接着性物質
としてポリエステルフィルムに積層したものなどが提案
されてきた(特公平3−62551)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の技術には次のような問題点がある。すなわちアクリル
樹脂、水溶性あるいは水分散性ポリエステルを積層した
場合には所望の易接着性が得られたとしても塗膜の耐湿
性、耐水性が劣るため、高温高湿環境下での密着性が劣
るなどの問題がある。本発明はこれらの欠点を解消せし
め、接着性、耐ブロッキング性などに優れ、かつ高温高
湿環境下においても密着性の低下のない易接着ポリエス
テルフィルムを提供するものであり、特にジアゾ感光フ
ィルムに使用される基材フィルムとして好適な易接着性
ポリエステルフィルムを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエステル
フィルムと、該ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に形成され、分子内に少なくとも一種以上の架橋性官能
基を有するアクリル樹脂とポリエチレンイミンとを主た
る構成成分とする塗膜を有することを特徴とする易接着
性ポリエステルフィルムを提供する。
【0009】本発明でいうポリエステルフィルムのポリ
エステルとはジカルボン酸もしくはそのエステル形成性
誘導体とグリコ−ルとのエステル化もしくはエステル交
換ならびに重縮合反応によって製造される。ポリエステ
ルの種類についてはフィルムに形成しうるものであれば
特に限定されない。フィルムに形成しうる好適なポリエ
ステルとしてはジカルボン酸成分として芳香族ジカルボ
ン酸を使用したものがよく、例えばポリエチレンテレフ
タレ−ト、6−ナフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ
−ト、ポリエチレンα、β−ビス(2−クロルフェノキ
シ)エタン4,4, −ジカルボキシレ−トなどであり、
これらの中でも品質、経済性などを総合的に勘案すると
ポリエチレンテレフタレ−トが最も好ましい。そのため
以後はポリエチレンテレフタレ−ト(以後PETと略称
する)をポリエステルの代表例として記述を進める。
【0010】PETとは80モル%以上、好ましくは9
0モル%以上、更に好ましくは95モル%以上がエチレ
ンテレフタレ−トを繰り返し単位とするものであるが、
この限定量範囲内で他のジカルボン酸成分、ジオ−ル成
分としても良い。またこのPET中に公知の添加剤、例
えば耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸
収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微
粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などを配合しても良
い。上述したPETフィルムの極限粘度(25℃のオル
ソクロロフェノ−ル中で測定)は0.40〜1.20d
l/g好ましくは0.50〜0.80dl/gの範囲に
あるものが本発明の内容に適したものである。
【0011】本発明におけるポリエステルフィルムは易
接着層が積層された状態において機械的、熱的特性の点
から二軸配向されているものが好ましい。例えばポリエ
ステルを乾燥後、溶融押し出しして未延伸シ−トとし、
続いて二軸延伸、熱処理してフィルムを製造する。二軸
延伸は縦、横逐次延伸あるいは、二軸同時延伸のいずれ
でもよく延伸倍率は特に限定されるものではないが通常
は縦、横それぞれ2.0〜5.0倍が適当である。ある
いは縦、横延伸後縦、横いづれかの方向に再延伸しても
よい。
【0012】また、ポリエステルの厚みは特に限定され
るものではないが、2〜500μmが好ましく用いられ
ている。
【0013】本発明のポリエステルフィルム面に積層さ
れる易接着性塗膜層の構成成分であるアクリル樹脂は分
子内少なくとも1種以上の架橋性官能基を有するもので
ある。このような官能基としてはカルボキシル基、メチ
ロ−ル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ
基、エポキシ基などが挙げられるが、このようなアクリ
ル樹脂は公知の方法によって製造することができ、該樹
脂を構成するモノマ成分として下記のものを例示するこ
とができるが上記要件を満たすものであれば特に限定す
るものではない。アクリル樹脂の重合に供するモノマと
してはアルキルアクリレ−ト、アルキルメタクリレ−ト
(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ス
テアリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル
基など)を基本骨格とし、更に上記官能基を付与するた
め以下のようなモノマと共重合される。すなわち官能基
としてはカルボキシル基、メチロ−ル基、酸無水物基、
スルホン酸基、アミド基またはアルキロ−ル化されたア
ミド基、アミノ基(置換アミノ基を含む)あるいはアル
キロ−ル化されたアミノ基、水酸基、エポキシ基などを
例示することができ、これらの塩、エステル化物を共重
合しても良い。カルボキシル基および/またはその塩、
あるいは酸無水物基を有する化合物としては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸、これらのカルボン酸のアルカリ金属
塩、アンモニウム塩、あるいは無水物などが挙げられ
る。
【0014】スルホン酸基および/またはその塩を有す
る化合物としては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホ
ン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などが
挙げられる。
【0015】アミド基あるいはアルキロ−ル化されたア
ミド基を有する化合物としてはアクリルアミド、メタク
リルアミド、N−メチルメタクリルアミド、メチロ−ル
化アクリルアミド、メチロ−ル化メタクリルアミド、ウ
レイドビニルエ−テル、β−ウレイドイソブチルビニル
エ−テル、ウレイドエチルアクリレ−トなどが挙げられ
る。
【0016】アミノ基あるいはアルキロ−ル化されたア
ミノ基および/またはその塩を有する化合物としてはジ
エチルアミノエチルビニルエ−テル、2−アミノエチル
ビニルエ−テル、3−アミノプロピルビニルエ−テル、
2−アミノブチルビニルエ−テル、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレ−ト、ジメチルアミノエチルビニルエ−テ
ル、およびそれらのアミノ基をメチロ−ル化したもの、
ハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、サルトンなどによ
り四級塩化したものなどが挙げられる。
【0017】水酸基を有する化合物としては、β−ヒド
ロキシエチルアクリレ−ト、β−ヒドロキシエチルメタ
クリレ−ト、β−ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、β
−ヒドロキシプロピルメタクリレ−ト、β−ヒドロキシ
ビニルエ−テル、5−ヒドロキシペンチルビニルエ−テ
ル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエ−テル、ポリエチ
レングリコ−ルモノアクリレ−ト、ポリエチレングリコ
−ルモノメタクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルモ
ノアクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルモノメタク
リレ−トなどが挙げられる。
【0018】エポキシ基を有する化合物としてはグリシ
ジルアクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−トなどが挙
げられる。
【0019】さらに上記以外に次のような化合物を併用
しても良い。すなわちアクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、スチレン類、ブチルビニルエ−テル、マレイン
酸モノあるいはジアルキルエステル、イタコン酸モノあ
るいはジアルキルエステル、メチルビニルケトン、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニルピリジ
ン、ビニルピロリドン、ビニルトリスアルコキシシラン
などであり、勿論これらに限定されるものではない。
【0020】これらの架橋性官能基を有するモノマおよ
び他の化合物は基本骨格となるモノマと任意の比率で共
重合され得るが、その比率は、好ましくは0.1〜15
重量%、さらに好ましくは1〜10重量%程度である。
また、2種以上のモノマを共重合させてもよい。
【0021】更にアクリル樹脂の分子量を45万以上と
することにより、易接着層の強靭性が増すので特に好ま
しい。
【0022】上記方法によって易接着塗膜を積層する場
合にはアクリル樹脂は水に溶解あるいは乳化、懸濁し得
るものが環境汚染や防爆性の点で好ましく、このような
共重合体は親水性基を有するモノマ(アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリルアミド、ビニルスルホン酸およびそ
の塩など)との共重合や界面活性剤を用いた乳化重合、
懸濁重合、界面活性剤を用いないソ−プフリ−重合など
公知の方法によって作成することができる。
【0023】また、本発明は、上記アクリル樹脂とポリ
エチレンイミンとの混合塗剤を主成分とした易接着層を
設けることを骨子とするものであり、上記アクリル樹脂
にポリエチレンイミンを併用することにより密着性、耐
湿密着性が飛躍的に向上することを見出したものであ
る。
【0024】アクリル樹脂に対してポリエチレンイミン
は任意の重量比率で混合してもよいが、本発明の効果を
より顕著に発現させるにはアクリル樹脂100重量部に
対して0.1〜100重量部、好ましくは1〜50重量
部、更に好ましくは3〜20重量部であるのが望まし
い。
【0025】ポリエチレンイミンの平均分子量は特に限
定されるものではないが、好ましくは1000〜10万
程度であり、さらに好ましくは3000〜2万程度であ
る。
【0026】本発明において、ポリエステルフィルムの
少なくとも片面に設けられる、易接着性を有する塗膜
は、上記2種の構成成分を主成分とした塗剤を塗布し、
硬化させた塗膜であり、主成分とは上記2種が塗膜中に
おいて50重量%以上、好ましくは80重量%以上、更
に好ましくは90重量%以上を占めることをいう。
【0027】また易接着性塗膜中には本発明の効果を阻
害しない範囲内で公知の添加剤、例えば耐熱安定剤、耐
酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑
剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯
電防止剤、核剤などを配合しても良い。
【0028】上記の好ましい易接着塗膜の積層方法は、
二軸延伸ポリエステルフィルムに上記2成分を含む塗剤
を塗布し、乾燥することによっても形成することが可能
であるが、ポリエステルフィルムの製造工程中に塗布
し、基材と共に延伸する方法が最も好適である。例えば
溶融押し出しされた結晶配向前のポリエステルフィルム
を長手方向に2.0〜5.0倍程度延伸し、連続的に塗
布する面にコロナ放電処理を施し、その処理面に塗剤を
塗布する。塗布されたフィルムは段階的に加熱されたゾ
−ンを通過しつつ乾燥され、幅方向に2.0〜5.0倍
程度延伸される。さらに連続的に150〜250℃の加
熱ゾ−ンに導かれ結晶配向を完了させる方法によって得
られる。この場合に用いる塗布液は環境汚染や防爆性の
点で水系が好ましい。
【0029】塗膜の厚みは特に限定しないが、通常は
0.01〜5μm、好ましくは0.03〜2μm、更に
好ましくは0.05〜0.5μmの範囲が好ましい。易
接着層の厚みが厚過ぎると塗膜自体が劈開しやすくな
り、逆に薄過ぎると密着性が悪化するので好ましくな
い。基材フィルム上への塗布の方法は公知の塗布方法、
例えばリバ−スコ−ト法、グラビアコ−ト法、ロッドコ
−ト法、ダイコ−ト法などを用いることができる。
【0030】次に本発明の易接着性ポリエステルフィル
ムの製造方法の一例について説明するが当然これに限定
されるものではない。
【0031】PETを常法に従って乾燥後、溶融押出
し、押出されたシ−ト状溶融体を冷却固化せしめて未延
伸PETフィルムを作る。このフィルムを80〜120
℃に加熱して長手方向に2.0〜5.0倍延伸して一軸
配向フィルムとする。このフィルムの片面にコロナ放電
処理を施し、この処理面に易接着層形成水系塗剤を塗布
する。なお、この水系塗剤中の上記アクリル樹脂と上記
ポリエチレンイミンとの合計濃度は、特に限定されない
が、1〜10重量%程度が好ましい。この塗布されたフ
ィルムを90〜140℃に加熱しつつ幅方向に2.0〜
5.0倍延伸し、引き続いて160〜240℃の熱処理
ゾ−ン中へ導き、1〜10秒間熱処理を行う。この熱処
理中に必要に応じて幅方向に3〜12%の弛緩処理を施
しても良い。
【0032】かくして得られた易接着性ポリエステルフ
ィルムの塗布層側に用途に応じた塗剤を塗布することに
より各種用途、例えばジアゾ感光塗料易接着用、電子写
真トナ−易接着用、ケミカルマット塗料易接着用、蒸着
用などの無機質被覆用、磁気記録材料、セロファン用イ
ンク、オフセット用インク、紫外線硬化インクなどの各
種インク印刷用の基材フィルムとして好適に使用される
ものである。
【0033】特性の測定方法および効果の評価方法 本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は
次のとおりである。
【0034】(1)密着性 ジアゾ感光塗料を乾燥後の厚みが6μmとなるようにフ
ィルム面上にバ−コ−タ−を用いて塗布し被覆層を設け
た。塗布後、100℃で2分間乾燥し、乾燥後乾式ジア
ゾ複写機RICOPYSM2300F((株)リコ−
製)で現像し、未露光部(発色部)に1mm幅にクロス
カット(碁盤目)を入れ、セロハン粘着テ−プ(ニチバ
ン(株)製)を貼付け、手で強く圧着した後、180度
方向に急速に剥離した。この時のフィルム面側に残存し
た被覆層の残存面積率を測定し、全く剥離しないものを
[◎]、残存面積率90%以上を[○]とし、それに満
たないものは全て[×]とした。
【0035】(2)耐湿密着性 上記(1)で作成した被覆層を設けたフィルムを40℃
×90%RHの雰囲気下に15時間放置し、取り出し後
乾式ジアゾ複写機RICOPYSM2300F((株)
リコ−製)で現像し、未露光部(発色部)に1mm幅に
クロスカット(碁盤目)を入れ、セロハン粘着テ−プ
(ニチバン(株)製)を貼付け、手で強く圧着した後、
180度方向に急速に剥離した。この時のフィルム面側
に残存した被覆層の残存面積率を測定し、全く剥離しな
いものを[◎]、残存面積率90%以上を[○]とし、
それに満たないものは全て[×]とした。
【0036】(3)耐ブロッキング性 易接着層をフィルムの易接着層同士を重ね合わせたもの
(重ね面積:3cm×4cm)に500g/12cm2
の加重をかけて50℃×80%RH雰囲気下に24時間
放置後、重ね合わせ部の剪断応力をテンシロン引張試験
機を用いて引張速度200mm/分で測定し、1Kg/
12cm2 以下を[○]、1〜3Kg/12cm2
[△]、3Kg/12cm2 以上を[×]とした。
【0037】(4)塗布層の厚み 日立製作所製透過型電子顕微鏡HU−12型を用い、積
層フィルムの超薄断面切片を観察し厚みを求めた。
【0038】(5)易接着層と基材フィルムとの密着性 易接着層上に1mm幅にクロスカット(碁盤目)を入
れ、セロハン粘着テ−プ(ニチバン(株)製)を貼付
け、手で強く圧着した後、180度方向に急速に剥離し
た。この時のフィルム面側に残存した易接着層の残存面
積率を測定し、全く剥離しないものを[◎]、残存面積
率90%以上を[○]とし、それに満たないものは全て
[×]とした。
【0039】
【発明の効果】本発明は、ポリエステルフィルムの少な
くとも片面に分子内に少なくとも一種以上の架橋性官能
基を有するアクリル樹脂とポリエチレンイミンより構成
される易接着層塗膜を有する易接着性ポリエステルフィ
ルムであり、密着性に優れ、特には高温高湿環境下での
密着性に優れ、かつ耐ブロッキング性を有し、ジアゾ感
光フィルムなどに使用される基材フィルム等に好ましく
用いられる。 (1)各種被覆層との密着性に優れ、高温高湿環境下に
おいても良好な密着性を有する。 (2)また耐ブロッキング性に優れ、高温高湿環境下に
おいても良好な保管性を有する。
【0040】次に本発明を実施例に基ずいて説明するが
必ずしもこれに限定されるものではない。
【0041】
【実施例】実施例1 平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.015%
および平均粒径1.5μmの同じくコロイダルシリカを
0.005%含有するPETペレット(極限粘度0.6
2dI/g)を充分に真空乾燥した後、押出機に供給し
て280℃で溶融押出し、10μmカットの金属焼結フ
ィルタ−で瀘過した後、T型口金よりシ−ト状に押出
し、これを30℃の冷却ドラムに巻き付けて冷却固化せ
しめた。この間のシ−トと冷却ドラムとの密着性を向上
させるため、シ−ト側にワイヤ−電極を配置して6KV
の直流電圧を印加した。かくして得られた未延伸PET
フィルムを95℃に加熱して長手方向に3.5倍延伸
し、一軸延伸フィルムとした。このフィルムの一方の面
に空気雰囲気中でコロナ放電処理を施し、その処理面に
下記の易接着層形成水性塗料をグラビアコ−ト方式で塗
布した。塗布厚みは二軸延伸後において易接着層が0.
1μmとなるようにした。
【0042】[易接着層形成水性塗料] (A)架橋性官能基を有するアクリル樹脂エマルジョ
ン。(メチルメタクリレート/エチルアクリレート/ア
クリル酸/N−メチロールアクリルアミド(63/32
/3/2/重量%)の共重合体) (B)ポリエチレンイミン(平均分子量5000)。 (A)100重量部(固形分比)に対して(B)1重量
部を混合し水で3重量%に希釈した水性塗剤を作成し
た。この水性塗剤が塗布された一軸延伸フィルムを11
0℃に加熱された予熱ゾ−ンに導き水分を乾燥させた
後、連続的に130℃の加熱ゾ−ンでクリップに把持し
て幅方向に3.5倍延伸し、続いて225℃の加熱ゾ−
ンで5秒間熱処理を施し、易接着層厚み0.1μmを設
けた厚み50μmの易接着性ポリエステルフィルムを得
た。
【0043】この易接着性ポリエステルフィルムの評価
結果を表1に示す。この易接着層側に設けた各種被覆層
の密着性は極めて良好であり、高温高湿環境下において
も密着性の低下がなく、かつ耐ブロッキング性も良好で
あった。
【0044】実施例2 実施例1の(B)成分を10重量部とし、その他は実施
例1と同様にして易接着層を形成するための水性塗剤を
作成し、易接着層厚み0.1μmを設けた厚み50μm
の易接着性ポリエステルフィルムを得た。この易接着性
ポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。この易
接着層側に設けた各種被覆層の密着性は極めて良好であ
り、高温高湿環境下においても密着性の低下がなく、か
つ耐ブロッキング性も良好であった。
【0045】実施例3 実施例1の(B)成分を20重量部とし、その他は実施
例1と同様にして易接着層を形成するための水性塗剤を
作成し、易接着層厚み0.1μmを設けた厚み50μm
の易接着性ポリエステルフィルムを得た。この易接着性
ポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。この易
接着層側に設けた各種被覆層の密着性は極めて良好であ
り、高温高湿環境下においても密着性の低下がなく、か
つ耐ブロッキング性も良好であった。
【0046】比較例1 実施例1で用いたものと同じ架橋性官能基を有するアク
リル樹脂エマルジョンを水で3重量%に希釈し易接着層
を形成するための水性塗剤を作成し、実施例1と同様易
接着層厚み0.1μmを設けた厚み50μmの易接着性
ポリエステルフィルムを得た。この易接着性ポリエステ
ルフィルムの評価結果を表1に示す。密着性は良好なも
のの、高温高湿環境下において密着性の著しい低下が見
られ、また耐ブロッキング性に劣るものであった。
【0047】比較例2 (A)架橋性官能基アクリル樹脂エマルジョン(実施例
1で用いたものと同じ)。 (B)メチルエ−テル化メチロ−ルメラミン。 (A)95重量部(固形分比)と(B)5重量部を混合
し水で3重量%に希釈し、易接着層を形成するための水
性塗剤を作成し、実施例1と同様易接着層厚み0.1μ
mを設けた厚み50μmの易接着性ポリエステルフィル
ムを得た。この易接着性ポリエステルフィルムの評価結
果を表1に示す。密着性、耐ブロッキング性は良好だっ
たものの高温高湿環境下において密着性の著しい低下が
見られた。
【0048】比較例3 実施例1と同様に厚み50μmの易接着層のない二軸延
伸フィルムを得た。このポリエステルフィルムの評価結
果を表1に示す。易接着性がまったくなく密着性、高温
高湿環境下における密着性共に不良であった。
【0049】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムと、該ポリエステ
    ルフィルムの少なくとも片面に形成され、分子内に少な
    くとも一種以上の架橋性官能基を有するアクリル樹脂と
    ポリエチレンイミンとを主たる構成成分とする塗膜を有
    することを特徴とする易接着性ポリエステルフィルム。
JP5148496A 1993-05-27 1993-05-27 易接着性ポリエステルフィルム Pending JPH06336532A (ja)

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JP5148496A JPH06336532A (ja) 1993-05-27 1993-05-27 易接着性ポリエステルフィルム

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JP5148496A JPH06336532A (ja) 1993-05-27 1993-05-27 易接着性ポリエステルフィルム

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