JP2959016B2 - 易接着性ポリエステルフィルム - Google Patents

易接着性ポリエステルフィルム

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JP2959016B2 JP2024764A JP2476490A JP2959016B2 JP 2959016 B2 JP2959016 B2 JP 2959016B2 JP 2024764 A JP2024764 A JP 2024764A JP 2476490 A JP2476490 A JP 2476490A JP 2959016 B2 JP2959016 B2 JP 2959016B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は易接着性ポリエステルフイルムに関するもの
である。詳しくは易接着性、耐溶剤性、耐湿性、耐ブロ
ッキング性に優れた塗膜層を有する易接着性ポリエステ
ルフイルムに関するものである。
[従来の技術] ポリエステル二軸延伸フイルムはその機械的性質、電
気的性質、寸法安定性、透明性、耐熱性などに優れた性
質を有することから磁気記録材料、包装材料、電気絶縁
材料、各種写真材料、グラフィックアーツ材料などの多
くの用途の基材フイルムとして広く使用されている。し
かし、一般にポリエステルフイルム表面は凝集性が高
く、接着性に乏しいため表面上に種々の被覆物、例えば
磁性体塗料、ケミカルマット塗料、ジアゾ感光塗料、ゼ
ラチン組成物、ヒートシール付与組成物、インキなどを
塗布するにあたっては、塗布層の接着性を強靭なものと
するためにフイルム表面上に各種ガス雰囲気下でのコロ
ナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理などの物理
的処理やアルカリ、トリクロロ酢酸、アミン、フェノー
ル類などによる化学的処理、あるいはこれらを併用した
処理方法が知られている。中でもポリエステルフイルム
の表面のプライマー処理による易接着化が処理工程、作
業上の安全性およびフイルム加工商品の高品質維持など
の利点があることで広く行われており、しかもポリエス
テルフイルム製造工程内で一気にプライマー処理を行う
方法が工程簡略化や製造コストの点で有力視され、盛ん
に実施されている。
上記プロセスで用いられるプライマー処理剤として
は、各種水系組成物が提案されており、中でもポリエス
テル基材への塗布性や塗布層の密着性、耐摩耗性などに
優れたポリエステル樹脂を主成分とした組成物、あるい
はアクリル系樹脂からなる塗布層を形成する検討が種々
なされてきた。(特開昭47−40873号、特公昭49−10243
号、特公昭56−5476号、特開昭52−19786号、特開昭52
−19787号、特開昭54−43017号、特開昭56−8845号、特
開昭61−85436号など)。またリン化合物とポリエステ
ル樹脂との反応物を積層したもの(特開平1−114439
号)が知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかし前述した従来の技術には次のような問題点があ
る。
すなわち水溶性ポリエステルあるいは水分散性ポリエ
ステルを積層した場合には、所望の易接着性が得られた
としても、塗膜の耐湿性が劣るため、高温高湿下でのフ
イルム同士のブロッキングが生じたり、被覆層との接着
強度が著しく低下したりする。さらにはポリエステル樹
脂は充分な架橋結合をさせることが難しいことから、塗
膜上への有機溶剤系塗料の塗設にあたっては、耐溶剤性
が劣り、部分溶解や白濁などの欠点が生じることがあ
る。またこれの改良を目的として架橋剤による架橋塗膜
とすることも検討されているが、ポリエステルを水に溶
解あるいは分散させるために親水基を付与したり、界面
活性剤を添加したりしているため実際には充分な耐湿
性、密着性が付与できない、高湿度下における耐ブロッ
キング性も不十分であった。
本発明はこれらの欠点を解消せしめ、ポリエステルフ
ィルム基材との密着性および塗膜層上に設けられる各種
塗設層との接着性に優れ、かつ耐溶剤性、耐湿性、耐ブ
ロッキング性に優れた易接着性ポリエステルフイルムを
提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、ポリエステルフイルムの少なくとも片面
に、分子内に一般式 (R1:水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、モノ
エタノールアミン基、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート基、ジエチルアミノエチルメタクリレート基を表わ
す)で示されるリン酸基もしくはリン酸エステル基とエ
チレン性不飽和結合を有する化合物と他のエチレン性不
飽和結合を有する化合物を共重合して得られる水性共重
合体(A)と水性イソシアネート化合物(B)から成る
塗布液を塗布乾燥後、延伸された塗膜を有することを特
徴とする易接着性ポリエステルフイルムをその骨子とす
るものである。
本発明でいうポリエステルフイルムを構成するポリエ
ステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする
高分子の総称であるが、特に好ましいポリエステルとし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6
−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンα、β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン4,
4,−ジカルボキシレートなどであり、これらの中でも品
質、経済性などを総合的に勘案するとポリエチレンテレ
フタレートが最も好ましい。そのため以後はポリエチレ
ンテレフタレート(以後PETと略称する)をポリエステ
ルの代表例として記述を進める。
PETとは80モル%以上、好ましくは90モル%以上、更
に好ましくは95モル%以上がエチレンテレフタレートを
繰り返し単位とするものであるが、この限定量範囲内で
他のジカルボン酸成分、ジオール成分としても良い。ま
たこのPET中に公知の添加剤、例えば耐熱安定剤、耐酸
化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、
顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防
止剤、核剤などを配合しても良い。上述したPETフイル
ムの極限粘度(25℃のオルソクロロフェノール中で測
定)は0.40〜1.20dl/g好ましくは0.50〜0.80dl/gの範囲
にあるものが本発明の内容に適したものである。
本発明のポリエステルフィルムは、易接着層が積層さ
れた状態においては二軸配向されたものであるのが好ま
しく、たとえばポリエステルとして上記PETを用いた場
合の二軸配向PETフイルムとは、無延伸状態のPETシート
またはフイルムを長手方向および幅方向に各々2.5〜5
倍程度延伸されて作られるものであり、広角X線回折で
二軸配向のパターンを示すものをいう。
PETフイルムの厚みは特に限定されるものではない
が、通常2〜500μmが好ましく、用途によって任意に
選べば良い。
本発明における、分子内に一般式 (R1:水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、モノ
エタノールアミン基、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート基、ジエチルアミノエチルメタクリレート基を表わ
す)で示されるリン酸基もしくはリン酸エステル基とエ
チレン性不飽和結合を有する化合物とは、1分子内にリ
ン酸基もしくはリン酸エステル基とエチレン性不飽和結
合を有する化合物であり、例えばアシッドホスホオキシ
エチルメタクリレート、3クロロ2アシッドホスホオキ
シプロピルメタクリレート、アシッドホスホオキシプロ
ピルメタクリレート、アシッドホスホオキシエチルアク
リレート、メタクロイルオキシエチルアシッドホスヘー
トモノエタノールアミンハーフソルト、メタクロイルオ
キシエチルアシッドホスヘートジメチルアミノエチルメ
タクリレートハーフソルト、メタクロイルオキシエチル
アシッドホスヘートジエチルアミノエチルメタクリレー
トハーフソルト、アシッドホスホオキシポリオキシエチ
レングリコールモノメタクリレート、アシッドホスホオ
キシポリプロピレングリコールモノメタクリレートなど
を挙げることができる。これらの化合物の内、ハロゲン
含有化合物、長鎖の化合物が本発明の効果をより顕著に
発現させるのに特に好ましい。上記化合物は1種または
2種以上を用いて他のエチレン性不飽和結合を有する化
合物と共重合される。
上記リン酸基もしくはリン酸エステル基とエチレン性
不飽和結合を有する化合物と共重合される他のエチレン
性不飽和結合を有する化合物としては、アルキルアクリ
レート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−
エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基など)を挙げるこ
とをことができ、更に反応性官能基、自己架橋性官能
基、親水基などの官能基を有する化合物が使用できる。
官能基としてはカルボキシル基および/またはその塩、
酸無水物基、スルホン酸基および/またはその塩、アミ
ド基またはアルキロール化されたアミド基、アミノ基
(置換アミノ基を含む)あるいはアルキロール化された
アミノ基および/またはそれらの塩、水酸基、エポキシ
基などを例示することができる。
カルボキシル基および/またはその塩、あるいは酸無
水物基を有する化合物としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン
酸、これらのカルボン酸のアルカリ金属塩、アンモニウ
ム塩、あるいは無水物などが挙げられる。
スルホン酸基および/またはその塩を有する化合物と
しては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、これ
らのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などが挙げられ
る。
アミド基あるいはアルキロール化されたアミド基を有
する化合物としてはアクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチルメタクリルアミド、メチロール化アクリ
ルアミド、メチロール化メタクリルアミド、ウレイドビ
ニルエーテル、β−ウレイドイソブチルビニルエーテ
ル、ウレイドエチルアクリレートなどが挙げられる。
アミノ基あるいはアルキロール化されたアミノ基およ
び/またはその塩を有する化合物としてはジエチルアミ
ノエチルビニルエーテル、2−アミノエチルビニルエー
テル、3−アミノプロピルビニルエーテル、2−アミノ
ブチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルメタクリ
レート、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、および
それらのアミノ基をメチロール化したもの、ハロゲン化
アルキル、ジメチル硫酸、サルトンなどによる四級塩化
したものなどが挙げられる。
水酸基を有する化合物としては、β−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、β−ヒドロキシプロピルアクリレート、β−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、β−ヒドロキシビニルエ
ーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−
ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ポリエチレングリ
コールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノ
メタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリ
レート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート
などが挙げられる。
エポキシ基を有する化合物としてはグリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。
さらに上記以外に次のような化合物を併用しても良
い。すなわちアクリロニトリル、メタクリロニトリル、
スチレン類、ブチルビニルエーテル、マレイン酸モノあ
るいはジアルキルエステル、イタコン酸モノあるいはジ
アルキルエステル、メチルビニルケトン、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニル
ピロリドン、ビニルトリスアルコキシシランなどであ
り、勿論これらに限定されるものではない。
これらの化合物は単体で共重合させてもよいし、2種
以上を共重合させたものでも良い。
本発明の水性共重合体(A)とは水に溶解あるいは分
散可能なものであり、このような共重合体は親水性基を
有するモノマー(アクリル酸、メタクリル酸、アクリル
アミドなど)との共重合によって作成することができ
る。たとえばイソプロピルアルコール中に前記リン酸基
もしくはリン酸エステル基とエチレン性不飽和結合を有
する化合物とメチルメタクリレート、ブチルアクリレー
ト、アクリル酸を仕込み適量の重合開始剤(例えばベン
ゾイルパーオキサイドのような過酸化物)を加え加熱下
で重合を進行させ4元共重合体を作成する。次にアンモ
ニア水を加えアクリル酸のカルボキシル基をアンモニウ
ム化する。次いで水を加えつつ水の沸点以下、イソプロ
ピルアルコールの沸点以上の温度でアルコール分を除去
することによって得ることができる。勿論、この方法に
限定されるものでなく任意の方法が採り得る。
リン酸基もしくはリン酸エステル基とエチレン性不飽
和結合を有する化合物(a)と他のエチレン性不飽和結
合を有する化合物(b)とは任意の比率で共重合される
が本発明の効果をより顕著に発現させるため(a)/
(b)は重量比で3/97〜99/1、好ましくは5/95〜95/5、
更に好ましくは10/90〜85/15であるのが望ましい。
本発明においては上記水性共重合体(A)と水性イソ
シアネート化合物(B)を混合した塗布液を塗布する
が、ここでいう水性イソシアネート化合物とはイソシア
ネート基にブロック剤を付加したブロックドイソシアネ
ートの水分散体である。
イソシアネートの例としては、トリレンジイソシアネ
ート、フェニレンジイソシアネート、4、4,−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、4,4,−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネートなどがある。これらを水中で安定化させるため
フリーのイソシアネート基は各種ブロック剤のよってブ
ロックされる必要がある。ブロック剤の一例を挙げれば
メチルアルコール、εカプロラクタム、フェノール、メ
チルエチルケトオキシム、マロン酸ジメチルエステル、
アセト酢酸エチル、重亜硫酸ナトリウムなど公知のブロ
ック剤を使用し得る。これらの中でも常温で安定で、か
つ解離温度の低いものが好ましくメチルエチルケトオキ
シム、重亜硫酸ナトリウムでブロックされたものが好適
に使用できる。
水性イソシアネート化合物(B)と水性共重合体
(A)との混合比率は特に限定しないが通常、重量比で
(A)/(B)が100/1〜1/4、好ましくは100/5〜1/2、
更に好ましくは10/1〜1/1である。
本発明では上記の水系塗布液を塗布、乾燥後少なくと
も一方向に延伸しさらに高温熱処理することをその骨子
とするものであり、これによって塗布膜の性能が飛躍的
に向上することを見出したものである。
上記の方法はポリエステルフイルムの製造工程中に塗
布し、基材と共に延伸する方法が最も好ましい。例えば
溶融押し出しされた結晶配向前のポリエステルフイルム
を長手方向に2.5〜5倍程度延伸し、連続的に塗布する
面にコロナ放電処理を施し、その処理面に塗布液を塗布
する。塗布されたフイルムは段階的に加熱されたゾーン
を通過しつつ乾燥され、幅方向に2.5〜5倍程度延伸さ
れる。さらに連続的に150〜250℃の加熱ゾーンに導かれ
結晶配向を完了させる方法によって得られる。この場合
に用いる塗布液は環境汚染や防爆性の点で水系が好まし
い。
また水系を用い、かつ上記のような製法で、高温処理
されることにより、リン酸基もしくはリン酸エステル基
が塗膜表層付近に最大濃度となるように配向し、直結す
る水酸基とブロック剤の解離したイソシアネート基の架
橋反応により耐湿性、耐水性が向上するものである。
さらに延伸されることにより塗膜層の配向がおこり本
発明の効果を更に向上させるものである。
塗膜の厚みは特に限定しないが通常は0.03〜5μm、
好ましくは0.05〜2μm、更に好ましくは0.07μm〜0.
5μmの範囲が好ましい。
基材フイルム上への塗布の方法は公知の塗布方法、例
えばリバースコート法、グラビアコート法、ロッドコー
ト法、ダイコート法などを用いることができる。
上記塗布層(易接着層)中には本発明の効果を阻害し
ない範囲内で公知の添加剤、例えば耐熱安定剤、耐酸化
安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔
料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止
剤、核剤などを配合しても良い。
次に本発明の易接着性ポリエステルフイルムの製造方
法について説明するが、当然これに限定されるものでは
ない。
PETを常法に従って乾燥後、溶融押出し、押出された
シート状溶融体を冷却固化せしめて未延伸PETフイルム
を作る。このフイルムを80〜120℃に加熱して長手方向
に2.0〜5.0倍延伸して一軸配向フイルムとする。このフ
イルムの片面にコロナ放電処理を施し、この処理面に所
定の濃度に水で希釈した本発明の範囲の水性塗剤を塗布
する。次いで、この塗布されたフイルムを90〜140℃に
加熱しつつ幅方向に2.5〜5.0倍延伸し、引き続いて160
〜240℃の熱処理ゾーン中へ導き、1〜10秒間熱処理を
行う。この熱処理中に必要に応じて幅方向に3〜12%の
弛緩処理を施しても良い。かくして得られた易接着性ポ
リエステルフイルムの塗布層側に用途に応じた塗剤を塗
布することにより、各種用途、例えば磁気記録材料、セ
ロファン用インク、オフセット用インク、紫外線硬化イ
ンクなどの各種インク印刷用、電子写真トナー易接着
用、ケミカルマット塗料易接着用、ジアゾ塗料易接着
用、蒸着用などの無機質被覆用などの基材フイルムとし
て好適に使用されるものである。
[特性の測定方法および効果の評価方法] 本発明における特性の測定方法および効果の評価方法
は次のとおりである。
(1)接着性 下記の塗料をフイルム上(塗布層を積層したものは該
塗布層上)に塗布して被覆層を設け、その被覆層の上に
セロハン粘着テープ(ニチバン(株)製)を貼付け、線
圧50kg/cmのニップロールを通過させた後、180度方向に
急速に剥離する。その時のセロハン粘着テープに付着し
た被覆層の面積を下記の基準で判定した。なお下記基準
において[○]以上を接着成良好とした。
◎:10%未満 ○:10%以上20%未満 △:20%以上40%未満 ×:40%以上 [磁性塗料] ・ダイフェラコートVD−1654(大日精化工業(株)製) 100重量部 ・スミジュールN75(住友バイエル(株)製) 1重量部 上記比率で混合した塗料を乾燥後で6μmになるよう
にバーコーターで塗布し、100℃で5分間乾燥した。
[セロハン用印刷インク] セロカラーST(東洋インキ製造(株)製)をトルエン
/酢酸エチル/メチルエチルケトン(2:1:1)の混合溶
媒で10重量%に希釈し、乾燥後の厚みが1.5μmになる
ように塗布した後、100℃で1.5分間乾燥させた。
[紫外線硬化インク] レイキュアー4190(十条化工(株)製)を塗布厚み3
μmに塗布し、80Wの紫外線ランプ1灯下を5m/分の速度
で通過させた。
(2)耐湿性 上記(1)で作成した被覆層を設けたフイルムを50℃
90%RH雰囲気下に1週間放置した後、上記(1)と同様
の接着性の評価を行った。
(3)耐ブロッキング性 易接着層を設けたフイルムの易接着層面同士を重ね合
わせたもの(A)、および易接着層面と2軸配向PETフ
イルムを重ね合わせたもの(B)(重ね面積:3cm×4c
m)に500g/12cm2の荷重をかけて50℃85%RH中で24時間
放置した後、重ね合わせ部の剪断応力をテンシロン引張
り試験機を用い引張り速度20cm/分で測定した。
(4)耐溶剤性 易接着層表面に有機溶剤として酢酸エチル、トルエ
ン、メチルエチルケトン、アセトン、イソプロピルアル
コールをそれぞれ滴下し、易接着層の白濁の程度をヘイ
ズアップ率で判定した。ヘイズアップ率が5%以下を
(○)、それを越える場合を(×)とした。
(5)易接着層と基材フィルムとの密着性 易接着層上にクロスカットを入れ(100個/cm2)、ク
ロスカット面にセロハンテープ(ニチバン(株)製)を
貼付け、線圧50kg/cm2のニップロールで圧着した後、セ
ロハンテープを180度方向に急速に引剥して易接着層が
セロハンテープに移行した程度で密着性の評価を行っ
た。剥離面積が5%未満を(○)、5%以上を(×)と
した。
(6)易接着層の厚み方向のP/C強度比 SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)法により
以下の測定条件で易接着層の厚み方向のP/C強度比のプ
ロファイルより、ピーク値を示す易接着層表層からの厚
みを測定した。
測定装置:二次イオン質量分析装置(ATOMIK
A社勢 A−DIDA3000) 一次イオン種:CS + 測定モード:デプスプロファイル 一次イオンエネルギー:12KeV 一次イオン電流:20nA ラスター領域:400×400μm ゲート率:20% 分析領域:80×80μm 検出二次イオン:負イオン 電子スプレー条件:0.3KV−3.0A(F3) 測定真空度:1×10-8Torr H−G−H:#12 なお測定精度の点から表面から5nm以内の値は無視し
た。
[発明の効果] 本発明は、ポリエステルフイルムの少なくとも片面
に、易接着層として特定の組成を有する塗布液を塗布乾
燥後、延伸された塗膜を有する易接着性ポリエステルフ
イルムとしたので以下の優れた効果を奏するものであ
る。
各種被覆層との接着性に優れ、高温高湿下においても
接着性の低下が極めて小さい。また耐ブロッキング性に
優れ高温高湿度下での保管性が良い。
[実施例] 次に実施例に基づいて本発明を説明するが必ずしもこ
れに限定されるものではない。
実施例1 粒子径0.1〜1.5μmの析出粒子(重合工程で析出した
粒子)を0.15重量%および平均粒子径約1.0μmのシリ
カ粒子0.2重量%を含有するPETペレット(極限粘度0.62
dl/g)を充分に真空乾燥した後、押出機に供給して280
℃で溶融押出し、10μmカットの金属焼結フィルターで
瀘過した後、T字型口金よりシート状に押出し、これを
表面温度30℃の冷却ドラムに巻き付けて冷却固化せしめ
た。この間のシートと冷却ドラム表面との密着性を向上
させるため、シート側にワイヤー電極を配置して6000V
の直流電圧を印加した。かくして得られた未延伸PETフ
イルムを95℃に加熱して長手方向に3.5倍延伸し、一軸
延伸フイルムとした。
このフイルムの一方の面に空気雰囲気中でコロナ放電
処理を施し、その処理面に下記の易接着層形成水性塗料
をグラビア方式で塗布した。塗布厚みは二軸延伸後にお
いて易接着層が0.15μmとなるようにした。
[易接着層形成水性塗料] 3クロロ2アシッドホスホオキシプロピルメタクリレ
ート/メチルメタクリレート/メチルアクリレート/ア
クリル酸(10/55/30/5重量比)の4元共重合体水溶液
(A)とブロックドイソシアネート(武田薬品(株)製
XC915)水分散体(B)を固形分重量比で(A)/
(B)を60/40とした5重量%の水性塗料とした。この
塗料に平均粒子径約100nmのコロイダルシリカを固形分
で1.0重量%添加した。
塗布された一軸延伸フイルムを110℃に加熱された余
熱ゾーンに導き、水分を乾燥させた後、連続的に130℃
の加熱ゾーンでクリップに把持して幅方向に4.0倍延伸
し、続いて225℃の加熱ゾーンで幅方向に5%の弛緩処
理をしつつ5秒間熱処理を施し、易接着層厚み0.15μm
を設けた厚み15μmの易接着性ポリエステルフイルムを
得た。この易接着性ポリエステルフイルムの評価結果を
表1に示す。
このフイルムの易接着層側に設けた各種被覆層の接着
性は極めて良好であり、高温高湿下においても接着性の
低下がないもので、かつ耐ブロッキング性も良好であっ
た。
実施例2〜5、比較例1〜2 実施例1の3クロロ2アシッドホスホオキシプロピル
メタクリレートとアクリル系モノマーの共重合比率、お
よびブロックドイソシアネートの配合比を表1のように
変更した以外は実施例1と同様にして易接着ポリエステ
ルフイルムを作成した。
結果は表1に示すとおり、リン酸機もしくはリン酸エ
ステル基含有化合物を共重合していないもの(比較例
1)やブロックドイソシアネートを配合していないもの
(比較例2)は極めて被覆層との接着性が悪く、耐ブロ
ッキング性も劣るものであった。本発明の範囲にあるも
のは全て良好な特性を示した。
実施例6 実施例1の3クロロ2アシッドホスホオキシプロピル
メタクリレートのアシッドホスホオキシエチルメタクリ
レートに変更した以外は同様にして易接着性ポリエステ
ルフイルムを作成した。このものは塩素含有化合物を使
用したものに比べ若干高温高湿時における接着性が低下
したが充分実用レベルのものであった。
比較例3 実施例1の易接着層をフイルム製造工程中で塗布せず
設けた。すなわち結晶配向を完了させた二軸配向ポリエ
ステルの片面にグラビアコート法を用いて厚み0.15μm
に積層した。塗布後の乾燥は140℃で2分間行った。こ
のものは初期接着性は良好なものの高温高湿下での接着
性や耐ブロッキング性が劣った。
比較例4 実施例1のブロックドイソシアネートに変えてメチロ
ール化メラミンを用いた以外は実施例1と同様にして易
接着性ポリエステルフイルムを作成した。このものは各
種被覆層との接着性が著しく劣るものであった。
比較例5 易接着層としてテレフタル酸/5−スルホイソフタル酸
ナトリウム(85/15モル%)とエチレングリコールを重
縮合して得られた水溶性ポリエステル100重量部に実施
例1のブロックドイソシアネートを20重量部添加した水
性塗料を実施例1と同様にして塗布し、易接着ポリエス
テルフイルムを作成した。このものは被覆層との初期接
着性は良好なものの高温高湿下での接着性の低下が大き
く耐ブロッキング性も劣るものであった。
比較例6 易接着層を設けない2軸配向ポリエステルフイルムで
同様の評価を行ったが被覆層との接着性が著しく劣っ
た。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−26874(JP,A) 特開 昭58−210916(JP,A) 特開 昭60−76340(JP,A) 特開 昭61−5941(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 7/04 B05D 1/00 - 7/26 C09D 143/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    に、分子内に一般式 (R1:水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、モノ
    エタノールアミン基、ジメチルアミノエチルメタクリレ
    ート基、ジエチルアミノエチルメタクリレート基を表わ
    す)で示されるリン酸基もしくはリン酸エステル基とエ
    チンレン性不飽和結合を有する化合物と他のエチレン性
    不飽和結合を有する化合物を共重合して得られる水性共
    重合体(A)と水性イソシアネート化合物(B)から成
    る塗布液を塗布乾燥後、延伸された塗膜を有することを
    特徴とする易接着性ポリエステルフイルム。
  2. 【請求項2】塗膜が分子配向していることを特徴とする
    請求項(1)の易接着性ポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】塗膜中のリン酸基もしくはリン酸エステル
    基にかかわるSIMS法で測定したP/Cが塗膜表面から20Å
    以内の深さに最大値を有することを特徴とする請求項
    (1)または(2)の易接着性ポリエステルフイルム。
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