JP3312399B2 - 易接着積層ポリエステルフイルム - Google Patents

易接着積層ポリエステルフイルム

Info

Publication number
JP3312399B2
JP3312399B2 JP26507192A JP26507192A JP3312399B2 JP 3312399 B2 JP3312399 B2 JP 3312399B2 JP 26507192 A JP26507192 A JP 26507192A JP 26507192 A JP26507192 A JP 26507192A JP 3312399 B2 JP3312399 B2 JP 3312399B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polyester film
laminated
acrylic resin
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26507192A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06115029A (ja
Inventor
尚 三村
純 平田
健雄 北川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP26507192A priority Critical patent/JP3312399B2/ja
Publication of JPH06115029A publication Critical patent/JPH06115029A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3312399B2 publication Critical patent/JP3312399B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は易接着積層ポリエステル
フイルムに関し、更に詳しくは易接着性、易滑性、耐ブ
ロッキング性、帯電防止性に優れた積層ポリエステルフ
イルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】2軸配向ポリエステルフイルムは、その
優れた機械特性、電気特性、寸法安定性、透明性、耐熱
性などから磁気記録材料、包装材料、電気絶縁材料、各
種写真用途、グラフィツクア−ツ用途などの多くの分野
の基材フイルムとして使用されている。しかし反面、2
軸配向ポリエステルフイルムは表面が高度に結晶配向し
ているため接着性に乏しい、摩擦による静電気を帯びや
すいなどの欠点がある。これを改良するため従来多くの
提案がなされてきた。
【0003】例えば接着性を付与するため各種ガス雰囲
気下でのコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処
理などの物理的方法やアルカリ、トリクロロ酢酸、アミ
ン、フェノ−ルなどによる化学的処理、あるいはこれら
を併用した処理方法などが試みられているがいずれも十
分な接着性が得られなかったり、経時的に処理効果が薄
れるなどの欠点があった。
【0004】一方ポリエステルフイルムの表面にプライ
マ−層を設けることによる易接着処理が近年盛んに行な
われており、特にポリエステルフイルム製造工程中で一
気にプライマ−処理を行なう方法(インラインコ−ト
法)が工程簡略化や製造コスト、環境保全などの点で有
力視され盛んに実施されている。これに使用されるプラ
イマ−層として易接着性を目的とした有機スルホン酸塩
基含有ポリエステル樹脂(特開昭58−1727号公
報)、有機スルホン酸塩基含有ポリエステル樹脂とアニ
オン性ウレタン樹脂の混合物(特開昭58−78761
号公報)、などがある。また易滑性の付与を目的として
特定のアクリル樹脂を塗布し延伸したもの(特開昭61
−204241号公報、特開昭61−204242号公
報)がある。また易接着性と易滑性の両立を目的として
スルホン酸塩基含有ポリエステル樹脂と水に溶解あるい
は分散するアクリル樹脂の混合物を塗布したもの(特開
昭58−124651号公報)がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述した従来の
技術には次のような問題がある。すなわち、スルホン酸
塩基含有ポリエステルを易接着層として用いた場合に
は、初期には所望の接着性が得られたとしても易接着層
の耐湿性や耐水性が不足するし、高湿度下でロ−ル状に
巻いて保管した場合、ブロッキングし易いという問題や
高湿下での易滑性が不足するという欠点がある。これは
ウレタン樹脂やアクリル樹脂を混合した塗布膜において
も同様である。
【0006】一方ポリエステルフイルムはフイルム同士
の摩擦などによって極めて帯電しやすい。また前記スル
ホン酸塩基を導入したポリエステル樹脂層はポリエステ
ルフイルムとの摩擦において著しく負に帯電しやすい。
通常、易接着層上に他の樹脂層(例えばインキ、磁性塗
料など)を設ける工程においてはロ−ル状に巻かれたフ
イルムを巻だし、シリコンや金属などのロ−ルと接触し
ながら搬送されるがこの工程中ではポリエステルフイル
ムは負に帯電されやすくしばしば静電吸着による塵埃の
付着や有機溶剤引火などが問題になる。従ってポリエス
テルフイルムとの摩擦帯電においては0〜弱正帯電する
のが好ましい。
【0007】本発明はこれらの欠点を解消せしめ、接着
性に優れ、高湿下でのブロッキングがなく、ポリエステ
ルフイルムとの摩擦帯電においても0〜弱正帯電し、か
つ易滑性に優れた易接着積層ポリエステルフイルムを提
供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、ポリエステルフイルムの少なくとも片面
に、アクリル樹脂とカルナバワックスとを主たる構成成
分とする層(ただし導電性カーボンを含有しない)を設け
た積層フイルムにおいて、該層中にはアクリル樹脂成分
100重量部に対しカルナバワックス成分が固形分重量
比で0.1〜30重量部含有されていることを特徴とす
易接着積層ポリエステルフイルムをその骨子とするも
のである。
【0009】本発明でいうポリエステルフイルムのポリ
エステルとはエステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする
高分子の総称であって、特に好ましいポリエステルとし
てはポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレン2,6
ナフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−トなどであり
これらの中でも品質、経済性などを総合的に勘案すると
ポリエチレンテレフタレ−トが最も好ましい。従って以
後はポリエチレンテレフタレ−ト(以下ポリエチレンテ
レフタレ−トをPETと略省する。)をポリエステルの
代表例として記述を進める。
【0010】PETとは80モル%以上、好ましくは9
0モル%以上がエチレンテレフタレ−トを繰り返し単位
とするものであるが、この限定範囲内で他のジカルボン
酸成分、ジオ−ル成分を共重合しても良い。またこのP
ET中に公知の添加剤、例えば耐熱安定剤、耐酸化安定
剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、
染料、有機または無機の微粒子、帯電防止剤、核剤など
を配合しても良い。上述したPETの極限粘度(25℃
のオルソクロロフェノ−ル中で測定)は0.40〜1.
20dl/g、好ましくは0.50〜0.80dl/g
の範囲にあるものが本発明の内容に適したものである。
上記PETを使用したPETフイルムは塗布層が積層さ
れた状態においては、2軸配向されたものであり、2軸
配向PETフイルムとは、無延伸状態のPETシ−トま
たはフイルムを長手方向および幅方向にそれぞれ約2.
5〜5.0倍程度延伸され、その後150〜250℃で
熱処理を施し、結晶配向を完了させたものであり、広角
X線回折で2軸配向パタ−ンを示すものをいう。PET
フイルムの厚みは特に限定されず用途に応じて適宜選択
される。
【0011】本発明においてはPETフイルムの少なく
とも1方の面にアクリル樹脂とカルナバワックス(以下
カルナバワックスをワックスと略称することがある)
を主たる構成成分とした層を形成させることを必須の要
件とする。
【0012】ここでいうアクリル樹脂とは公知の方法に
よって製造される各種のアクリル共重合体を使用するこ
とができるが、好ましくはポリマ構造中に少なくとも1
種以上の架橋性官能基を有するものが耐ブロッキング
性、易滑性の点で好ましい。アクリル樹脂を構成するモ
ノマ成分としてはアルキルアクリレ−ト、アルキルメタ
クリレ−ト(アルキル基としてはメチル基、エチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ
ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウ
リル基、ステアリル基、シクロヘキシル基など)を基本
骨格とし、更に架橋性官能基を付与するため以下のモノ
マと共重合されたものが好ましい。このような官能基と
してはカルボキシル基、メチロ−ル基、酸無水物基、ス
ルホン酸基、アミド基またはメチロ−ル化されたアミド
基、アミノ基(置換アミノ基を含む)、あるいはアルキ
ロ−ル化されたアミノ基、水酸基、エポキシ基などを例
示することができる。上記官能基を有するモノマを例示
するとアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、クロトン酸、ビニルスルホン酸、スチ
レンスルホン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、
N−メチルメタクリルアミド、メチロ−ル化アクリルア
ミド、メチロ−ル化メタクリルアミド、ジエチルアミノ
エチルビニルエ−テル、2−アミノエチルビニルエ−テ
ル、3−アミノプロピルビニルエ−テル、2−アミノブ
チルビニルエ−テル、ジメチルアミノエチルメタクリレ
−ト、および上記アミノ基をメチロ−ル化したもの、β
−ヒドロキシエチルアクリレ−ト、β−ヒドロキシエチ
ルメタクリレ−ト、β−ヒドロキシプロピルアクリレ−
ト、β−ヒドロキシプロピルメタクリレ−ト、β−ヒド
ロキシビニルエ−テル、5−ヒドロキシペンチルビニル
エ−テル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエ−テル、ポ
リエチレングリコ−ルモノアクリレ−ト、ポリエチレン
グリコ−ルモノメタクリレ−ト、グリシジルアクリレ−
ト、グリシジルメタクリレ−トなどを挙げることができ
るが必ずしもこれに限定されるものではない。
【0013】さらに上記以外に次のような化合物、例え
ばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン
類、ブチルビニルエ−テル、マレイン酸およびイタコン
酸のモノあるいはジアルキルエステル、メチルビニルケ
トン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニ
ルピリジン、ビニルピロリドン、ビニル基を有するアル
コキシシランなどを共重合成分としても良い。
【0014】本発明に用いるアクリル樹脂は上記基本骨
格を形成するモノマおよび架橋性官能基含有モノマなど
を任意の比率で共重合したものを用いることができる
が、本発明の効果をより顕著に発現させるにはアクリル
樹脂のガラス転移点が20℃以上、好ましくは40℃以
上であり、分子量が10万以上好ましくは30万以上と
するのが望ましい。また架橋性官能基を架橋させる目的
で熱以外に官能基と反応する架橋剤、例えばメラミン樹
脂、イソシアネ−ト基を有するポリマなどを添加すると
より好ましい。
【0015】本発明においてはその目的達成のためアク
リル樹脂にカルナバワックスを添加する必要がある。す
なわちカルナバワックスを添加することにより、PET
フイルムとの摩擦帯電圧が本発明の0〜弱正帯電となる
のである。
【0016】アクリル樹脂単独では強度に正帯電する
し、カルナバワックス単独では負帯電すると共に接着性
が著しく低下する。
【0017】本発明において主たる構成成分とはアクリ
ル樹脂とカルナバワックスの合計が積層膜中の60重量
%以上、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは8
0重量%以上であることをいう。本発明においてはアク
リル樹脂100重量部に対しカルナバワックス成分は
形分重量比で0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜
20重量部、更に好ましくは1〜10重量部含有されて
いることが必要である。カルナバワックスの量が0.1
重量部に満たない場合には正帯電圧が高くなりすぎる
し、30重量部を越えた場合には基材ポリエステルフイ
ルムや上塗り層との接着性が不十分となる。
【0018】本発明においては積層膜は平滑な均一塗膜
でも良いが、積層膜表面に微細な突起を形成させること
により本発明の効果をより顕著に発現させることができ
るので特に好ましい。このような突起は架橋性官能基を
有するアクリル樹脂またはこれに架橋剤を併用した塗剤
を塗布後乾燥し少なくとも1方向に延伸することにより
発現させることができる。
【0019】上記アクリル樹脂は水分散体であるのが好
ましく、樹脂の平均粒子径が5nm〜500nmのもの
が好適に使用できる。積層厚みは特に限定されないが、
通常0.01〜0.5μm、好ましくは0.05〜0.
2μmである。またアクリル樹脂による突起形成を考慮
する場合には0.003〜0.1μm、好ましくは0.
007〜0.05μmが望ましい。
【0020】本発明においては、該塗膜は基材のポリエ
ステルフイルムの結晶配向が完了する前に塗布され、そ
の後、少なくとも1方向に延伸された後、PETフイル
ムの結晶配向を完了させる方法によって製造されるのが
好ましく、この方法により表面により易滑性を付与する
ことができる。突起の形状、密度については特に限定し
ないが平均突起径(長手方向と幅方向の突起の長さの平
均値)が0.001〜1μm、好ましくは0.005〜
0.2μmであるのが好ましい。突起密度は1×105
個/mm2 以上、好ましくは1×106 /mm2 以上、
更に好ましくは1×107 個/mm2 以上であるのが表
面の易滑性の点で望ましい。突起の高さは0.001μ
m〜0.5μm、好ましくは0.002μm〜0.2μ
mであるのが望ましい。上記積層膜中には本発明の効果
を阻害しない範囲において公知の添加剤、例えば耐熱安
定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機
の易滑剤、有機、無機の微粒子、帯電防止剤、および架
橋剤などを添加しても良い。特にアクリル樹脂層への架
橋剤の添加は突起形成の点で好ましい。架橋剤の具体例
を挙げればメチロ−ル化、あるいはアルキロ−ル化され
た尿素系、メラミン系、アクリルアミド系、ポリアミド
系、およびエポキシ化合物、ブロックされたイソシアネ
−ト化合物などがある。塗布の方法は公知の塗布方法、
例えばリバ−スコ−ト法、グラビアコ−ト法、ロッドコ
−ト法、ダイコ−ト法など任意の方法を用いることがで
きる。
【0021】次に本発明の易接着積層ポリエステルフイ
ルムの製造方法の一例について説明するが当然これに限
定されるものではない。実質的に粒子を含有しないPE
Tのペレットを十分に真空乾燥した後、押出機に供給
し、約280℃でシート状に溶融押出し、冷却固化せし
めて未延伸PETシートを作成する。このシートを80
〜120℃に加熱したロールで長手方向に2.5〜5倍
延伸して1軸配向PETフイルムを得る。このフイルム
の片面にコロナ放電処理を施し、所定の混合比率、濃度
に希釈されたアクリル樹脂とカルナバワックスの混合水
分散体を塗布する。塗布後フイルムの端部をクリップで
把持して80〜140℃に加熱された熱風ゾーンに導き
幅方向に2.5〜5.0倍に延伸する。引続き160℃
〜240℃の熱処理ゾーンに導き、1〜10秒間の熱処
理を行ない、結晶配向を完了させる。この熱処理工程中
で必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の
弛緩処理を施しても良い。また幅方向の延伸後であって
熱処理される前の段階で更に長手方向に1.1〜1.8
倍の延伸を施しても良い。
【0022】かくして得られた積層ポリエステルフイル
ムは易接着性、易滑性、帯電特性に優れたものであり、
磁気記録材料用ベ−スフイルム、写真用、製版用などに
好適に使用できる。
【0023】
【特性の測定方法および効果の評価方法】本発明におけ
る特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりで
ある。
【0024】(1)塗布層の厚み 日立製作所製透過型電子顕微鏡HU−12型を用い、積
層フイルムの塗布層の断面を観察した写真から求めた。
厚みは測定視野内の平均値とし、30個の平均値とし
た。
【0025】(2)易滑性 塗布面同士を重ね合わせASTM−D−1894−63
に準じて静摩擦係数、動摩擦係数を測定した。
【0026】(3)帯電特性 塗布層のない厚さ50μmのPETフイルムを金属ドラ
ムに10層巻き付け1分間に1000回転させながら積
層ポリエステルフイルムの積層面を5秒間接触摩擦させ
た。この時、積層フイルムの一端には250gの荷重を
かけた。接触摩擦5秒後に積層フイルムをドラムから離
し、すぐに静電気測定機により積層面に蓄積した電位を
測定した。
【0027】(4)接着性−1(基材フイルムと積層膜
との密着性) 積層膜に1mm2 のクロスカットを100個入れ、ニチ
バン(株)製セロハンテ−プをその上に貼付け指で強く
押し付けた後、180度方向に急速に剥離し残存した個
数で判定した。
【0028】(5)接着性−2(磁性塗料接着性) ダイフェラコ−トCAD4301(大日精化工業(株)
製)100重量部にスミジュ−ルN75(住友バイエル
(株)製)1重量部を加え固形分濃度20重量%の塗料
を作成しバ−コ−タ−を用いて、乾燥後で約5μmにな
るように塗布し、100℃で5分間乾燥した。接着性は
上記(4)と同様の方法によった。
【0029】(6)耐ブロッキング性 積層ポリエステルフイルムの積層膜面同士を3cm×4
cmの面積で重ね合わせ500g/12cm2 の荷重を
かけて50℃85%RH中に24時間放置した後、重ね
合わせ部の剪断剥離応力を引張速度200mm/分で測
定した。
【0030】(7)突起の個数、形状、高さ 明石製作所製走査型電子顕微鏡DS−130型を使用し
て、1〜3万の倍率で写真撮影し、粒子突起の数をカウ
ントした。突起の形状は写真から実測し、測定個数10
0個の平均値とした。突起高さは小坂製作所製非接触三
次元微細形状測定機ET−10HK型を用いて測定し、
測定点30個の平均値とした。
【0031】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明を説明するが必
ずしもこれに限定されるものではない。
【0032】実施例1 実質的に粒子を含まないPET(極限粘度0.65dl
/g)ペレットを十分に真空乾燥した後、280℃の加
熱された押出機に供給しT字型口金よりシ−ト状に押出
した。このシ−トを表面温度50℃の鏡面ドラムに巻き
付けて冷却固化せしめて未延伸PETフイルムを作成し
た。このPETフイルムを95℃の加熱ロ−ル群を通過
させながら長手方向に3.5倍延伸し、1軸配向フイル
ムとした。このフイルムの片面にコロナ放電処理を施
し、以下に示す塗布液を結晶配向完了後において積層厚
みが0.05μmになるように塗布した。塗布後、連続
的に端部をクリップで把持しながら110℃の加熱ゾ−
ンに導き乾燥、予熱を経て幅方向に4.0倍延伸し、更
に225℃の加熱ゾ−ンで3秒間熱処理を施し、基材P
ETフイルム厚みが10μm、積層厚みが0.05μm
の積層2軸配向PETフイルムを得た。
【0033】「塗布液組成」 (A)メチルメタクリレ−ト/エチルアクリレ−ト/ア
クリル酸/N−メチロ−ルアクリルアミド(63/32
/3/2重量%)より成るアクリル共重合体の水分散体 (B)カルナバワックスの水分散体
【0034】(A)/(B)を固形分重量比で100/
5になるように混合し、水で希釈して2.0重量%の塗
布液を調合した。
【0035】上記により得られた積層ポリエステルフイ
ルムの特性は表1、表2に示すように接着性、易滑性、
耐ブロッキング性、帯電特性とも良好であった。
【0036】比較例1 実施例1と同様の方法で(A)のアクリル樹脂のみを塗
布し積層ポリエステルフイルムを得た。この積層ポリエ
ステルフイルムは正側に大きく帯電した。
【0037】比較例2 実施例1と同様の方法で(B)のワックスのみを塗布し
た積層ポリエステルフイルムを作成した。この積層ポリ
エステルフイルムは負側に大きく帯電し接着性も極めて
悪かった。
【0038】比較例3 実施例1において積層膜をまったく設けないポリエステ
ルフイルムを作成した。このフイルムは上塗り塗料との
接着性がまったくなく、易滑性も著しく劣るものであっ
た。
【0039】
【表1】
【表2】 実施例2〜7、比較例4〜6 実施例1の(A)/(B)の混合比率を変えた以外は実
施例1と同様にして積層ポリエステルフイルムを作成し
た。表3、4に示すようにワックス添加量が0.1重量
部に満たない場合には帯電特性が不十分であり、添加量
が30重量部を越えたものは基材フイルムおよび上塗り
層との接着性が不足し、本発明の範囲にあるもののみい
ずれの特性も良好であった。
【0040】
【表3】
【表4】 実施例8 実施例1において(A)/(B)の混合塗布液に(A)
の固形分100重量部に対しヘキサメチロ−ルメラミン
樹脂を7重量部添加し、水で希釈して固形分2.0重量
%の塗布液を作成した。この塗布液を用いて実施例1と
同様にして積層ポリエステルフイルムを作成した。この
積層ポリエステルフイルムの表面には平均径0.02μ
m、平均突起高さ0.005μm、平均突起個数8×1
6 個/mm2 の微細な突起が認められた。この積層ポ
リエステルフイルムは極めて易滑性に優れ、他の特性も
良好であった。
【0041】比較例7 実施例1の(A)のアクリル共重合体に代えてポリステ
ル共重合体(テレフタル酸/5−Naスルホイソフタル
酸/エチレングリコ−ル(85/15/100モル%)
を用い、これを90℃熱水で溶解後、常温まで冷却して
(B)と混合した以外は実施例1と同様にして積層ポリ
エステルフイルムを作成した。この積層ポリエステルフ
イルムは負側に大きく帯電した。
【0042】
【表5】
【表6】
【0043】
【発明の効果】本発明はポリエステルフイルムの少なく
とも片面にアクリル樹脂とカルナバワックスを主たる構
成成分とする層を設けた積層ポリエステルフイルムであ
って、該層中のアクリル樹脂/カルナバワックス比を1
00/0.1〜30固形分重量比とすることにより以下
の優れた効果を有する。
【0044】すなわち、本発明の塗布層はPETフイル
ムとの摩擦において静電気の発生が少なく、かつ正側に
帯電するため、上塗り層塗布時に静電気が消去されやす
く、塵埃付着、有機溶剤引火などの障害が少ないもので
ある。また易接着性、耐ブロッキング性、易滑性にも優
れ、特に表面に微細な突起を形成させたものは極めて易
滑性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−109832(JP,A) 特開 昭62−259227(JP,A) 特開 昭62−284741(JP,A) 特開 昭63−32719(JP,A) 特開 平5−287099(JP,A) 特開 平6−179839(JP,A) 特開 平5−245922(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 7/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    に、アクリル樹脂とカルナバワックスとを主たる構成成
    分とする層(ただし導電性カーボンを含有しない)を設け
    た積層フイルムにおいて、該層中にはアクリル樹脂成分
    100重量部に対しカルナバワックス成分が固形分重量
    比で0.1〜30重量部含有されていることを特徴とす
    易接着積層ポリエステルフイルム。
  2. 【請求項2】 アクリル樹脂とカルナバワックスとを
    たる構成成分とする層を塗布後、少なくとも1方向に延
    伸した後、ポリエステルフイルムの結晶配向を完了させ
    て得られたフィルムであることを特徴とする請求項1記
    載の易接着積層ポリエステルフイルム。
JP26507192A 1992-10-02 1992-10-02 易接着積層ポリエステルフイルム Expired - Fee Related JP3312399B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26507192A JP3312399B2 (ja) 1992-10-02 1992-10-02 易接着積層ポリエステルフイルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26507192A JP3312399B2 (ja) 1992-10-02 1992-10-02 易接着積層ポリエステルフイルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06115029A JPH06115029A (ja) 1994-04-26
JP3312399B2 true JP3312399B2 (ja) 2002-08-05

Family

ID=17412191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26507192A Expired - Fee Related JP3312399B2 (ja) 1992-10-02 1992-10-02 易接着積層ポリエステルフイルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3312399B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06115029A (ja) 1994-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3193300B2 (ja) 制電性ポリエステルフイルム
JPWO2004085524A1 (ja) 帯電防止性積層ポリエステルフィルム
JPH044142A (ja) 帯電防止性ポリエステルフイルム
JP2737881B2 (ja) 積層ポリエステルフイルム
JP2886024B2 (ja) コーティング剤及び該剤を塗布した易接着性ポリエステルフイルム
JP3312399B2 (ja) 易接着積層ポリエステルフイルム
JP4101602B2 (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム
JPH01156337A (ja) 塗布層を有するポリエステルフイルム
JP3168725B2 (ja) 積層ポリエステルフイルム
JP3139527B2 (ja) 積層フィルム
JP2959016B2 (ja) 易接着性ポリエステルフィルム
JP3150004B2 (ja) 積層ポリエステルフイルム
JP3301493B2 (ja) 積層フィルム
JP3341512B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム及び積層体
JPH0315544A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP3272796B2 (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム
JP3150009B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JPH0317135A (ja) ポリエステルフイルム
JP3097251B2 (ja) 易接着性ポリエステルフイルム
JP3077212B2 (ja) ポリエステル二軸延伸フィルム
JP3212829B2 (ja) Ohp用フイルム
JPH09141798A (ja) 積層フイルム
JP3375005B2 (ja) 積層ポリエステルフイルム
JPH08118572A (ja) 積層ポリエステルフィルム及びその製造方法
JPH07232420A (ja) 積層ポリエステルフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090531

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees