JP3339167B2 - 易接着性ポリエステルフィルム - Google Patents

易接着性ポリエステルフィルム

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JP3339167B2 JP03718194A JP3718194A JP3339167B2 JP 3339167 B2 JP3339167 B2 JP 3339167B2 JP 03718194 A JP03718194 A JP 03718194A JP 3718194 A JP3718194 A JP 3718194A JP 3339167 B2 JP3339167 B2 JP 3339167B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は易接着性ポリエステルフ
ィルムに関するものであり、詳しくは密着性、耐スクラ
ッチ性、耐湿密着性などに優れ、磁気記録材料、各種写
真材料、包装材料、電気絶縁材料などに使用される基材
フィルムとして好適な易接着性ポリエステルフィルムに
関するものであり、更に詳しくは高温高湿環境下におい
ても密着性の低下のない易接着ポリエステルフィルムに
関するものである。特にジアゾ感光フィルムに使用され
る基材フィルムとして好適な易接着性ポリエステルフィ
ルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレートあるいはポリ−1、4−シクロヘキサンジ
メチレンテレフタレート及びこれらを主体とするポリエ
ステルは優れた物理的、化学的特性を有しており、繊
維、フィルムあるいはシート更にはその成型品として広
く使用されている。
【0003】特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐
薬品性、機械的特性において優れた性質を有するため
に、磁気記録材料、各種写真材料、包装材料、電気絶縁
材料、一般工業材料等多くの用途に用いられている。
【0004】しかしながら、一般にポリエステル自体が
不活性で接着性に乏しいため、フィルム表面に種々の被
覆物、例えばジアゾ感光塗料、磁性体塗料、ケミカルマ
ット塗料、ゼラチン組成物、ヒートシール付与組成物、
インキなどを塗布あるいは印刷する際には、該被覆物と
の接着性を良好とするためにフィルム表面にコロナ放電
あるいはプラズマ等の物理的な処理やアルカリあるいは
アミン類の化学薬品を使用した化学的な処理をする方
法、さらには易接着性物質をコーティングする方法など
が知られている。
【0005】しかし物理的あるいは化学的な表面処理方
法は工程が煩雑となり、コストアップとなるばかりでな
く、十分な接着性が得られない。
【0006】一方易接着物質をコーティングする方法は
ポリエステルフィルムの製造工程内で実施でき、コスト
面で有利であり、かつ種々の被覆物に対応できる接着性
物質を選択することが可能であることから、アクリル樹
脂、水溶性および水分散性ポリエステルを易接着性物質
としてポリエステルフィルムに積層したものなどが提案
されてきた(特公平3−62551)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述した従来の
技術には次のような問題点がある。すなわちアクリル樹
脂、水溶性あるいは水分散性ポリエステルを積層した場
合には所望の易接着性が得られたとしても塗膜の耐湿
性、耐水性が劣るため、高温高湿環境下での密着性が劣
るなどの問題がある。本発明はこれらの欠点を解消せし
め、密着性、耐スクラッチ性、耐湿密着性などに優れ、
かつ高温高湿環境下においても密着性の低下の少ない易
接着ポリエステルフィルムを提供するものであり、特に
ジアゾ感光フィルムに使用される基材フィルムとして好
適な易接着性ポリエステルフィルムを提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエステル
フィルムの少なくとも片面に、少なくとも分子内に1種
以上の架橋性官能基を有するアクリル樹脂とチタンキ
ート化合物とを主たる構成成分とする水性塗剤からなる
塗液を塗布、乾燥後少なくとも一方向に延伸されてなる
塗膜を積層したことを特徴とする易接着性ポリエステル
フィルムをその骨子とするものである。
【0009】本発明でいうポリエステルフィルムのポリ
エステルとはジカルボン酸もしくはそのエステル形成性
誘導体とグリコ−ルとのエステル化もしくはエステル交
換ならびに重縮合反応によって製造される。ポリエステ
ルの種類についてはフィルムに形成しうるものであれば
特に限定されない。フィルムに形成しうる好適なポリエ
ステルとしてはジカルボン酸成分として芳香族ジカルボ
ン酸を使用したものがよく、例えばポリエチレンテレフ
タレ−ト、6−ナフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ
−ト、ポリエチレンα、β−ビス(2−クロルフェノキ
シ)エタン4,4, −ジカルボキシレ−トなどであり、
これらの中でも品質、経済性などを総合的に勘案すると
ポリエチレンテレフタレ−トが最も好ましい。そのため
以後はポリエチレンテレフタレ−ト(以後PETと略称
する)をポリエステルの代表例として記述を進める。
【0010】PETとは80モル%以上、好ましくは9
0モル%以上、更に好ましくは95モル%以上がエチレ
ンテレフタレ−トを繰り返し単位とするものであるが、
一部他のジカルボン酸成分、ジオ−ル成分を共重合して
も良い。またこのPET中に公知の添加剤、例えば耐熱
安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有
機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充
填剤、帯電防止剤、核剤などを配合しても良い。上述し
たPETフィルムの極限粘度(25℃のオルソクロロフ
ェノ−ル中で測定)は0.40〜1.20dl/g好ま
しくは0.50〜0.80dl/gの範囲にあるものが
本発明の内容に適したものである。本発明におけるポリ
エステルフィルムは易接着層が積層された状態において
機械的、熱的特性の点から二軸配向されているものが好
ましい。例えばポリエステルを乾燥後、溶融押し出しし
て未延伸シ−トとし、続いて二軸延伸、熱処理してフィ
ルムを製造する。二軸延伸は縦、横逐次延伸あるいは、
二軸同時延伸のいずれでもよく延伸倍率は特に限定され
るものではないが通常は縦、横それぞれ2.0〜5.0
倍が適当である。あるいは縦、横延伸後縦、横いづれか
の方向に再延伸してもよい。また、ポリエステルの厚み
は特に限定されるものではないが、2〜500μmが好
ましく用いられている。
【0011】本発明のポリエステルフィルム面に積層さ
れる易接着性塗膜層の構成成分であるアクリル樹脂は分
子内に少なくとも1種以上の架橋性官能基を有するもの
である。このようなアクリル樹脂は公知の方法によって
製造することができる。該樹脂を構成するモノマ成分と
して下記のものを例示することができるが上記要件を満
たすものであれば特に限定するものではない。該アクリ
ル樹脂の重合に供するモノマとしてはアルキルアクリレ
−ト、アルキルメタクリレ−ト(アルキル基としてはメ
チル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチ
ルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキ
シル基、フェニル基、ベンジル基など)を基本骨格と
し、更に上記官能基を付与するため以下のような官能基
を有するモノマと共重合される。すなわち官能基として
はカルボキシル基、メチロ−ル基、酸無水物基、スルホ
ン酸基、アミド基またはアルキロ−ル化されたアミド
基、アミノ基(置換アミノ基を含む)あるいはアルキロ
−ル化されたアミノ基、水酸基、エポキシ基などを例示
することができ、これらの塩、エステル化物を共重合し
ても良い。
【0012】カルボキシル基および/またはその塩、あ
るいは酸無水物基を有する化合物としては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸、これらのカルボン酸のアルカリ金属
塩、アンモニウム塩、あるいは無水物などが挙げられ
る。
【0013】スルホン酸基および/またはその塩を有す
る化合物としては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホ
ン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などが
挙げられる。
【0014】アミド基あるいはアルキロ−ル化されたア
ミド基を有する化合物としてはアクリルアミド、メタク
リルアミド、N−メチルメタクリルアミド、メチロ−ル
化アクリルアミド、メチロ−ル化メタクリルアミド、ウ
レイドビニルエ−テル、β−ウレイドイソブチルビニル
エ−テル、ウレイドエチルアクリレ−トなどが挙げられ
る。
【0015】アミノ基あるいはアルキロ−ル化されたア
ミノ基および/またはその塩を有する化合物としてはジ
エチルアミノエチルビニルエ−テル、2−アミノエチル
ビニルエ−テル、3−アミノプロピルビニルエ−テル、
2−アミノブチルビニルエ−テル、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレ−ト、ジメチルアミノエチルビニルエ−テ
ル、およびそれらのアミノ基をメチロ−ル化したもの、
ハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、サルトンなどによ
り四級塩化したものなどが挙げられる。
【0016】水酸基を有する化合物としては、β−ヒド
ロキシエチルアクリレ−ト、β−ヒドロキシエチルメタ
クリレ−ト、β−ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、β
−ヒドロキシプロピルメタクリレ−ト、β−ヒドロキシ
ビニルエ−テル、5−ヒドロキシペンチルビニルエ−テ
ル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエ−テル、ポリエチ
レングリコ−ルモノアクリレ−ト、ポリエチレングリコ
−ルモノメタクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルモ
ノアクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルモノメタク
リレ−トなどが挙げられる。
【0017】エポキシ基を有する化合物としてはグリシ
ジルアクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−トなどが挙
げられる。
【0018】架橋性官能基を有するアクリル樹脂の好ま
しい具体例としては、メチルメタアクリレ−ト、エチル
アクリレ−ト及び/又はブチルアクリレートに架橋性官
能基を有するアクリル酸、N−メチロ−ルアクリルアミ
ドを所望の割合に共重合した四元アクリル共重合体など
を挙げることができるがこれらに限定されるものではな
い。
【0019】さらに上記以外に次のような化合物を併用
しても良い。すなわちアクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、スチレン類、ブチルビニルエ−テル、マレイン
酸モノあるいはジアルキルエステル、イタコン酸モノあ
るいはジアルキルエステル、メチルビニルケトン、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニルピリジ
ン、ビニルピロリドン、ビニルトリスアルコキシシラン
などであり、勿論これらに限定されるものではない。
【0020】これらの架橋性官能基を有するモノマおよ
び他の化合物は基本骨格となるモノマと任意の比率で共
重合され、2種以上のモノマを共重合させてもよい。好
ましい比率の具体例としては、基本骨格となるモノマに
対して架橋性官能基を有するモノマの割合は、通常1〜
10重量%程度である。
【0021】本発明において用いるアクリル樹脂のガラ
ス転移温度は0℃以上、100℃以下、好ましくは20
℃以上、80℃以下とすることが望ましい。ガラス転移
温度が低いアクリル樹脂を用いた場合には高温高湿下で
の密着性が劣る傾向にあり、逆に高過ぎる場合は延伸時
に亀裂を生じることがある。アクリル樹脂のガラス転移
温度は用いるモノマによって任意に設定することがで
き、例えば高いガラス転移温度のポリマを得るにはメチ
ルメタクリレ−トの共重合量を増加させ、低いガラス転
移点の樹脂を得るには長鎖のアルキルアクリレ−トの共
重合が有効である。またアクリル樹脂の分子量を45万
以上とすることにより、易接着層の強靭性が増すので特
に好ましい。
【0022】上記方法によって易接着塗膜を積層する場
合にはアクリル樹脂は水に溶解あるいは乳化、懸濁し得
るものが環境汚染や防爆性の点で好ましく、このような
共重合体は親水性基を有するモノマ(アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリルアミド、ビニルスルホン酸およびそ
の塩など)との共重合や界面活性剤を用いた乳化重合、
懸濁重合、界面活性剤を用いないソ−プフリ−重合など
公知の方法によって作成することができる。
【0023】また、本発明では上記アクリル樹脂にチタ
ンキレート化合物を添加することが必要である。特に水
性ポリアミド樹脂を水性チタンキレ−ト化合物で架橋変
成した水溶性チタンキレ−ト化合物が環境汚染や防爆性
の点、あるいは自身の安定性、希釈安定性、基材との密
着性などから特に望ましい。代表例としては、ジ−イソ
−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、イ
ソ−プロポキシ(2−エチルヘキサンジオラト)チタ
ン、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノ−ルアミナ
ト)チタン、ヒドロキシ・ビス(ラクタト)チタンなど
を挙げることができるがこれらに限定されるものではな
い。このようなチタンキレ−ト化合物は市販のものを使
用することができ、例えばTA−50(TAA) 、 TAT
(いずれも日本曹達(株)製)あるいはオルガチックス
TC300、TC310(いずれも松本製薬工業(株)
製)などが好適である。
【0024】チタンキレ−ト化合物の添加量は、本発明
の効果をより顕著に発現させるにはアクリル樹脂(A)
/チタンキレ−ト化合物(B)が固形分重量比で99/
1〜20/80、好ましくは98/2〜60/40、更
に好ましくは97/3〜70/30の範囲が好ましい。
チタンキレ−ト化合物化合物が1重量%未満では耐スク
ラッチ性改良効果に乏しく、逆に80重量%を超えるよ
うになると被膜との密着性が劣るようになるので好まし
くない。これらのチタンキレ−ト化合物は二種以上併用
してもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲であ
るならば、シランカップリング剤、メラミンなど他の架
橋剤を併用してもよい。
【0025】また、本発明においては、他の水性樹脂を
チタンキレ−ト化合物で架橋変成し、チタン変成水性樹
脂としても良い。チタン変成水性樹脂は特に限定される
ものではないが、本発明では水性ポリアミド樹脂を水性
チタン化合物で架橋変成したものが好ましく用いるれ
る。例えば市販品として松本製薬工業(株)製オルガチ
ックスWS680、WS522などを挙げることができ
る。水性樹脂とチタンキレ−ト化合物の比は特に限定さ
れないが、通常20/80〜80/20の範囲である。
【0026】また易接着性塗膜中には本発明の効果を阻
害しない範囲内で公知の添加剤、例えば耐熱安定剤、耐
酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑
剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯
電防止剤、核剤などを配合しても良い。
【0027】上記の好ましい易接着塗膜の積層方法はポ
リエステルフィルムの製造工程中に塗布し、基材と共に
延伸する方法が特に好適である。例えば溶融押し出しさ
れた結晶配向前のポリエステルフィルムを長手方向に
2.0〜5.0倍程度延伸し、連続的に塗布する面にコ
ロナ放電処理を施し、その処理面に塗剤を塗布する。塗
布されたフィルムは段階的に加熱されたゾ−ンを通過し
つつ乾燥され、幅方向に2.0〜5.0倍程度延伸され
る。さらに連続的に150〜250℃の加熱ゾ−ンに導
かれ結晶配向を完了させる方法によって得られる。この
場合に用いる塗布液は環境汚染や防爆性の点で水系が好
ましい。
【0028】塗膜の厚みは0.01〜2μm、好ましく
は0.03〜0.5μm、更に好ましくは0.05〜
0.3μmの範囲が好ましい。易接着層の厚みが厚過ぎ
ると塗膜自体が劈開しやすくなり、逆に薄過ぎると密着
性が悪化する。基材フィルム上への塗布の方法は公知の
塗布方法、例えばリバ−スコ−ト法、グラビアコ−ト
法、ロッドコ−ト法、ダイコ−ト法などを用いることが
できる。
【0029】上記の接着易層中には本発明の効果を阻害
しない範囲内で公知の添加剤、例えば耐熱安定剤、耐酸
化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、
顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防
止剤、核剤などを配合しても良い。
【0030】次に本発明の易接着性ポリエステルフィル
ムの製造方法の一例について説明するが当然これに限定
されるものではない。
【0031】PETを常法に従って乾燥後、溶融押出
し、押出されたシ−ト状溶融体を冷却固化せしめて未延
伸PETフィルムを作る。このフィルムを80〜120
℃に加熱して長手方向に2.0〜5.0倍延伸して一軸
配向フィルムとする。このフィルムの片面にコロナ放電
処理を施し、この処理面に易接着層形成水系塗剤を塗布
する。この塗布されたフィルムを90〜140℃に加熱
しつつ幅方向に2.0〜5.0倍延伸し、引き続いて1
60〜240℃の熱処理ゾ−ン中へ導き、1〜10秒間
熱処理を行う。この熱処理中に必要に応じて幅方向に3
〜12%の弛緩処理を施しても良い。
【0032】かくして得られた易接着性ポリエステルフ
ィルムの塗布層側に用途に応じた塗剤を塗布することに
より各種用途、例えばジアゾ感光塗料易接着用、電子写
真トナ−易接着用、ケミカルマット塗料易接着用、蒸着
用などの無機質被覆用、磁気記録材料、セロファン用イ
ンク、オフセット用インク、紫外線硬化インクなどの各
種インク印刷用の基材フィルムとして好適に使用される
ものである。
【0033】
【特性の測定方法および効果の評価方法】本発明におけ
る特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりで
ある。
【0034】(1)密着性 ジアゾ感光塗料を乾燥後の厚みが6μmとなるようにフ
ィルム面上にバ−コ−タ−を用いて塗布し被覆層を設け
た。塗布後、100℃で2分間乾燥し、乾燥後乾式ジア
ゾ複写機RICOPYSM2300F((株)リコ−
製)で現像し、未露光部(発色部)に1mm幅にクロス
カット(碁盤目)を入れ、セロハン粘着テ−プ(ニチバ
ン(株)製)を貼付け、手で強く圧着した後、180度
方向に急速に剥離した。この時のフィルム面側に残存し
た被覆層の残存面積率を測定し、全く剥離しないものを
[◎]、残存面積率90%以上を[○]とし、それに満
たないものは全て[×]とした。
【0035】(2)耐湿密着性 上記(1)で作成した被覆層を設けたフィルムを40℃
×90%RHの雰囲気下に15時間放置し、取り出し後
乾式ジアゾ複写機RICOPYSM2300F((株)
リコ−製)で現像し、未露光部(発色部)に1mm幅に
クロスカット(碁盤目)を入れ、セロハン粘着テ−プ
(ニチバン(株)製)を貼付け、手で強く圧着した後、
180度方向に急速に剥離した。この時のフィルム面側
に残存した被覆層の残存面積率を測定し、全く剥離しな
いものを[◎]、残存面積率90%以上を[○]とし、
それに満たないものは全て[×]とした。
【0036】(3)耐スクラッチ性 ジアゾ感光塗料を乾燥後の厚みが6μmとなるようにフ
ィルム面上にバ−コ−タ−を用いて塗布し被覆層を設け
た。塗布後、100℃で2分間乾燥し、乾燥後乾式ジア
ゾ複写機RICOPYSM2300F((株)リコ−
製)で現像した。この未露光部(発色部)に新東科学
(株)製表面性測定機HEIDON−14DRを用い
て、先端が0.1mmφのサファイア針を直角にあてが
い、サンプル移動速度100mm/minでサファイア
針に掛かる荷重を変更し、先の未露光部(発色部)表面
が傷つき始める荷重を耐スクラッチ性の指標とし以下の
基準で判定した。なお、表面が傷つき始める荷重は鉛筆
硬度と相関しているものである。 ○ :120g以上 △ :80〜120g未満 × :80g未満 (4)ガラス転移温度 易接着層形成樹脂中のアクリル樹脂を示差走査熱量計
(PERKIN ELMER DSC−2型(PERK
IN ELMER社製)を用いて、300℃、5分ホ−
ルド後、急冷してから昇温速度20℃/分で測定した。
【0037】次に本発明を実施例に基ずいて説明するが
必ずしもこれに限定されるものではない。
【0038】
【実施例】
実施例1 平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.015%
および平均粒径1.5μmの同じくコロイダルシリカを
0.005%含有するPETペレット(極限粘度0.6
2dI/g)を充分に真空乾燥した後、押出機に供給し
て280℃で溶融押出し、10μmカットの金属焼結フ
ィルタ−で瀘過した後、T型口金よりシ−ト状に押出
し、これを30℃の冷却ドラムに巻き付けて冷却固化せ
しめた。この間のシ−トと冷却ドラムとの密着性を向上
させるため、シ−ト側にワイヤ−電極を配置して6KV
の直流電圧を印加した。かくして得られた未延伸PET
フィルムを95℃に加熱して長手方向に3.5倍延伸
し、一軸延伸フィルムとした。このフィルムの一方の面
に空気雰囲気中でコロナ放電処理を施し、その処理面に
下記の配合比(固形分比)となるような易接着層形成水
性塗料調製しグラビアコ−ト方式で塗布した。塗布厚み
は二軸延伸後において易接着層が0.1μmとなるよう
にした。
【0039】 [易接着層形成水性塗料] 配合比 (A)架橋性官能基を有するTg=30℃のアクリル樹脂エマルジョン 80重量% (組成) 組成比(重量%) メチルメタアクリレ−ト(以下、MMAと略称する) 60 エチルアクリレ−ト(以下、EAと略称する) 40 アクリル酸(以下、AAと略称する) 2 N−メチロ−ルアクリルアミド(以下、N−MAMと略称する) 4 (B)ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノ−ルアミナト)チタン 20重量% この水性塗剤が塗布された一軸延伸フイルムを110℃
に加熱された予熱ゾ−ンに導き水分を乾燥させた後、連
続的に130℃の加熱ゾ−ンでクリップに把持して幅方
向に3.5倍延伸し、続いて225℃の加熱ゾ−ンで5
秒間熱処理を施し、易接着層厚み0.1μmを設けた厚
み50μmの易接着性ポリエステルフィルムを得た。
【0040】この易接着性ポリエステルフィルムの評価
結果を表1に示す。この易接着層側に設けた被覆層の密
着性、耐スクラッチ性は極めて良好であり、高温高湿環
境下においても密着性の低下がなかった。
【0041】実施例2 実施例1の(A)(B)の各成分比を下記のように変更
した以外は実施例1とまったく同様にして、易接着層を
形成するための水性塗剤を作成し、易接着層厚み0.1
μmを設けた厚み50μmの易接着性ポリエステルフィ
ルムを得た。この易接着性ポリエステルフィルムの評価
結果を表1に示す。この易接着層側に設けた被覆層の密
着性、耐スクラッチ性は極めて良好であり、高温高湿環
境下においても密着性の低下がなかった。
【0042】 (A)MMA/EA/AA/N−MAM=60/40/2/4(重量%) 60重量% (B)ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノ−ルアミナト)チタン 40重量%
【0043】実施例3 実施例1のチタンキレート化合物をチタン変性水性樹脂
オルガチックスWS680に変更し、配合割合を以下の
ように変更した他は実施例と同様にして易接着層を形
成するための水性塗剤を作成し、易接着層厚み0.1μ
mを設けた厚み50μmの易接着性ポリエステルフィル
ムを得た。この易接着性ポリエステルフィルムの評価結
果を表1に示す。この易接着層側に設けた被覆層の密着
性、耐スクラッチ性、高温高湿環境下においての密着性
とも良好であった。
【0044】 (A)MMA/EA/AA/N−MAM=25/75/4/2(重量%) 60重量% Tg=42℃ (B)チタン変成水性樹脂オルガチックスWS680 40重量% 実施例 以下に示すような組成、固形分比とした他は実施例1と
同様にして易接着層を形成するための水性塗剤を作成
し、易接着層厚み0.1μmを設けた厚み50μmの易
接着性ポリエステルフィルムを得た。この易接着性ポリ
エステルフィルムの評価結果を表1に示す。この易接着
層側に設けた被覆層の密着性、耐スクラッチ性、高温高
湿環境下においての密着性とも良好であった。
【0045】 (A)MMA/EA/AA/N−MAM=80/20/2/3 重量% 85重量% Tg=80℃ (B)ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノ−ルアミナト)チタン 10重量% (C)アミノシラン(東レ・タ゛ウコ - ニンク゛ 製SH6020) 5重量% 比較例1 架橋性官能基を有するアクリル樹脂エマルジョン単独を
水で3重量%に希釈し易接着層を形成するための水性塗
剤を作成し、実施例1と同様易接着層厚み0.1μmを
設けた厚み50μmの易接着性ポリエステルフィルムを
得た。この易接着性ポリエステルフィルムの評価結果を
表1に示す。密着性は良好なものの、高温高湿環境下に
おいて密着性の著しい低下が見られ、また耐スクラッチ
性に劣るものであった。
【0046】 (A)MMA/EA/AA/N−MAM=60/40/2/4(重量%) 100重量% Tg=30℃ 比較例2 架橋性官能基を有するアクリル樹脂エマルジョンおよび
架橋剤としてヘキサメチロ−ル化メラミンを使用し、配
合比を以下のようにして接着層を形成するための水性塗
剤を作成し、実施例1と同様易接着層厚み0.1μmを
設けた厚み50μmの易接着性ポリエステルフィルムを
得た。この易接着性ポリエステルフィルムの評価結果を
表1に示す。耐スクラッチ性、密着性、高温高湿環境下
においての密着性とも劣っていた。
【0047】 (A)MMA/EA/AA/N−MAM=60/40/2/4(重量%) 90重量% Tg=30℃ (B)ヘキサメチロ−ル化メラミン 10重量% 比較例3 組成を下記のように変更した他は実施例1とまったく同
様にして易接着層厚み0.1μmを設けた厚み50μm
の易接着性ポリエステルフィルムを得た。この易接着性
ポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。耐スク
ラッチ性、高温高湿環境下においての密着性が劣ってい
た。
【0048】 (A)MMA/EA/AA/N−MAM=60/40/2/4(重量%) 70重量% (B)ブロックイソシアネ−ト 30重量%
【表1】
【0049】
【本発明の効果】本発明は、ポリエステルフィルムの少
なくとも片面に分子内に少なくとも一種以上の架橋性官
能基を有するアクリル樹脂とチタン有機化合物とを主た
る構成分とした易接着層塗膜を積層した易接着性ポリエ
ステルフィルムであり、密着性に優れ、特には高温高湿
環境下での密着性に優れ、耐スクラツチ性を有し、ジア
ゾ感光フィルムなどに使用される基材フィルム等に好ま
しく用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−1068(JP,A) 特開 平5−78615(JP,A) 特開 平2−3432(JP,A) 特開 平2−248435(JP,A) 特開 昭51−136750(JP,A) 特開 昭51−100133(JP,A) 特公 平3−62551(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 7/04 C09D 133/00 - 133/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に、少なくとも分子内に1種以上の架橋性官能基を有す
    るアクリル樹脂とチタンキレート化合物とを主たる構成
    成分とする水性塗剤からなる塗液を塗布、乾燥後少なく
    とも一方向に延伸されてなる塗膜を積層したことを特徴
    とする易接着性ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 上記架橋性官能基を有するアクリル樹脂
    のガラス転移温度が0℃以上、100℃以下、該塗膜の
    積層厚みが0.01〜2μmの範囲であることを特徴と
    する請求項1記載の易接着性ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 上記分子内に1種以上の架橋性官能基を
    有するアクリル樹脂とチタンキレート化合物の混合比率
    が99/1〜20/80であることを特徴とする請求項
    1または2に記載の易接着性ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 チタンキレ−ト化合物が水性ポリアミド
    樹脂を水性チタンキレ−ト化合物で架橋変成したもので
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    易接着性ポリエステルフィルム。
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