JP2002155156A - 光学用易接着性積層フィルム - Google Patents

光学用易接着性積層フィルム

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JP2002155156A
JP2002155156A JP2000353951A JP2000353951A JP2002155156A JP 2002155156 A JP2002155156 A JP 2002155156A JP 2000353951 A JP2000353951 A JP 2000353951A JP 2000353951 A JP2000353951 A JP 2000353951A JP 2002155156 A JP2002155156 A JP 2002155156A
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polyester
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acid
coating
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JP2000353951A
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Shinji Yano
真司 矢野
Masayuki Fukuda
雅之 福田
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた接着性、透明性、易滑性を有する光学
用易接着性積層フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
にガラス転移点が50〜100℃の範囲であるポリエス
テル樹脂とガラス転移点が−50〜50℃の範囲である
アクリル樹脂を含む塗布層が形成されていることを特徴
とする光学用易接着性積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学用易接着性積
層フィルムに関し、更に詳しくは、ポリエステルフィル
ムの少なくとも片面に、特定の組成物からなる易接着性
塗膜を形成させた、優れた接着性、透明性、易滑性を有
する光学用易接着性積層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルム、特にポリエチレ
ンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの二軸延
伸フィルムは、機械的特性、耐熱性、耐薬品性が優れて
いるため、磁気テープ、強磁性薄膜テープ、写真フィル
ム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、電気絶縁フ
ィルム、金属板ラミネート用フィルム、ガラスディスプ
レイの表面に貼るフィルム、各種部材の保護用フィルム
等用の素材として広く用いられている。
【0003】近年、ポリエステルフィルムは各種光学用
に多く用いられるようになり、例えば液晶表示装置用部
材のプリズムレンズシート、タッチパネル、バックライ
ト等のベースフィルム、反射防止用フィルムのベースフ
ィルム、ディスプレイ防爆(CRTが爆縮した場合のガ
ラスの飛散防止)用フィルムのベースフィルム等に用い
られている。このような光学用途に用いられるベースフ
ィルムには優れた透明性と、プリズムレンズ、ハードコ
ート層、粘着剤層、反射防止処理層等に対する優れた易
接着性が要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ポリエステルフィルム
は一般に他の材料、例えばアクリル系樹脂を主成分とす
るプリズムレンズやハードコート層との接着性が悪く、
この改良のため、ポリエステルフィルムの表面に、ポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を用いた
易接着層を積層することが提案されている(例えば、特
開平10−119215号公報、特開2000−246
855号公報等)。しかし、これらの提案による易接着
層は用途により接着力が不足する場合があり、例えば、
CRT用のフィルムではハードコート層への接着力は良
好だが反対面の粘着剤層への接着力が不十分となる等の
問題がある。
【0005】一方、ポリエステルフィルムには滑り性
(易滑性)を改良するため、通常フィラー(滑剤)が配
合されるが、光学用途基材用のポリエステルフィルムで
は、透明性が要求されるため、添加するフィラーの量を
最小限にする必要がある。ところが、添加するフィラー
の量が少ないとフィルム表面が平坦になっているので、
フィルムをロール状に巻いたり、重ね合わせた時にフイ
ルム同士の貼付きが起こり、ロールから取り出した時に
この貼付き部分がフィルムの表面欠陥となる問題が生じ
る。また、フィルム同士の滑り性が悪いため、ハンドリ
ング性が悪く、製膜や加工工程でフィルム表面に傷が入
る問題が生じる。これらの問題は、ポリエステルフィル
ムの接着力を向上させるために易接着層にガラス転移点
の低い樹脂を用いた際に特に顕著となる。
【0006】本発明は、かかる従来技術の問題点を解消
し、種々の光学用途に用いられる機能層との接着力に優
れ、しかも透明性、易滑性に優れた積層フィルムを提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリエステルフィル
ムの表面に、特定ガラス転移点のポリエステル樹脂と特
定ガラス転移点のアクリル樹脂を含む易接着性塗膜を形
成させれば、上記課題を解決できることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、(1)ポリエステル
フィルムの少なくとも片面にガラス転移点が50〜10
0℃の範囲であるポリエステル樹脂とガラス転移点が−
50〜50℃の範囲であるアクリル樹脂を含む塗布層が
形成されていることを特徴とする光学用易接着性積層フ
ィルムである。
【0009】また、本発明の好ましい態様は、(2)塗
布層を形成するポリエステル樹脂が50〜95重量%で
あり、アクリル樹脂が5〜30重量%である(1)に記
載の光学用易接着性積層フィルムである。更に(3)積
層フィルムのヘーズ値が1%以下、塗布層表面の中心線
平均粗さ(Ra)が0.002〜0.01μmの範囲で
あり、摩擦係数(μs)が0.8以下である(1)また
は(2)に記載の光学用易接着性積層フィルム、更に
(4)ポリエステルフィルムがポリエチレンテレフタレ
ート及び/又はポリエチレン−2,6−ナフタレートを
主体とする(1)、(2)または(3)に記載の光学用
易接着性積層フィルムである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】(ポリエステル)本発明においてポリエス
テルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基
酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそ
のエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリ
エステルである。
【0012】かかるポリエステルの具体例として、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4―シク
ロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレ
ン―2,6―ナフタレート等を例示することができ、こ
れらの共重合体であってもよく、これらに少割合の他樹
脂をブレンドしたものであってもよい。これらのうち、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―
ナフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスがよ
いので特に好ましい。
【0013】これらのポリエステルには、必要に応じて
適当なフィラーを配合することができる。このフィラー
としては、従来からポリエステルフィルムの滑り性付与
剤として知られているものを用いることができ、例え
ば、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウ
ム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、カーボンブラッ
ク、炭化珪素、酸化錫、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポ
リスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコー
ン樹脂粒子等を用いることができる。さらにポリエステ
ルには、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、
触媒等も適宜添加することができる。
【0014】(ポリエステルフィルム)本発明における
ポリエステルフィルムは、例えば上記ポリエステルをフ
ィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固
化させ未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムをTg
〜(Tg+60)℃にて長手方向に1回もしくは2回以
上、合計の倍率が3倍〜6倍になるよう延伸し、次いで
Tg〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3〜5倍にな
るように延伸し、更に必要に応じて180〜230℃に
て1〜60秒間熱処理を行い、熱処理温度より10〜2
0℃低い温度で幅方向に0〜20%収縮させながら再熱
処理を行うことにより得ることができる。
【0015】本発明に使用するポリエステルフィルムの
厚みは25〜300μmの範囲であることが好ましい。
フィルム厚みの上限は250μmであることが更に好ま
しく、下限は50μmであることが更に好ましい。フィ
ルム厚みが上記の範囲であると、ポリエステルフィルム
をハードコートやタッチパネルや防眩処理等の支持体と
して使用する場合に強度が好ましいものとなる。
【0016】(ポリエステル樹脂)本発明では、塗布層
を形成する成分としてガラス転移点が50〜100℃の
範囲であるポリエステル樹脂を用いるが、このポリエス
テル樹脂のガラス転移点(Tg)の上限は90℃である
ことが更に好ましい。また、ポリエステル樹脂のガラス
転移点の下限は50℃であることが更に好ましく、60
℃であることが特に好ましい。このポリエステル樹脂
は、水(多少の有機溶剤を含有したものであっても良
い)に可溶性または分散性のポリエステルが好ましい。
【0017】このポリエステル樹脂としては、以下に示
すような多塩基酸成分とポリオール成分からなるポリエ
ステル重合体または共重合体を挙げることができる。
尚、ポリエステル樹脂の成分としてこれらモノマーに限
定されるものではない。
【0018】上記の多塩基酸成分としてはテレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2、6−
ナフタレンジカルボン酸、1、4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、
ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸等を挙げることができる。これら酸成分を2
種以上用いて共重合ポリエステルとすることが好まし
い。また、若干量ながら不飽和多塩基酸成分のマレイン
酸、イタコン酸等及びp−ヒドロキシ安息香酸等の如き
ヒドロキシカルボン酸を用いることもできる。
【0019】また、ポリオール成分としては、エチレン
グリコール、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、1、6−ヘキサンジ
オール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、キシレ
ングリコール、ジメチロールプロパン、ポリ(エチレン
オキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシ
ド)グリコール等を挙げることができる。
【0020】(アクリル樹脂)本発明において塗布層を
形成するアクリル樹脂には、ガラス転移点(Tg)が−
50〜50℃の範囲のものを用いるが、アクリル樹脂の
ガラス転移点(Tg)の上限は25℃であることが好ま
しい。このアクリル樹脂は、水(多少の有機溶剤を含有
したものであっても良い)に可溶性または分散性のもの
が好ましい。
【0021】かかるアクリル樹脂は以下に示すアクリル
モノマーを重合、好ましくは共重合することにより得る
ことができる。尚、アクリル樹脂の成分としてこれらモ
ノマーに限定されるものではない。
【0022】アクリルモノマーとしては、アルキルアク
リレート、アルキルメタクリレート(アルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2
−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含
有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基
含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンス
ルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アン
モニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基また
はその塩を含有するモノマー;アクリルアミド、メタク
リルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキ
ルメタクリルアミド、N、N−ジアルキルアクリルアミ
ド、N、N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基と
しては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル
基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N
−アルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリ
ルアミド、N、N−ジアルコキシアクリルアミド、N、
N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基とし
ては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブト
キシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロール
アクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N
−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルア
ミド等のアミド基を含有するモノマー等を挙げることが
できる。
【0023】また共重合成分として、無水マレイン酸、
無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;ビニルイソシ
アネート、アリルイソシアネート、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエー
テル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン
酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、ア
ルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピ
レン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等のモノマ
ーを用いることができる。
【0024】(塗布層)塗布層を形成するガラス転移点
(Tg)が50〜100℃の範囲であるポリエステル樹
脂の割合は、塗布層中に50〜95重量%であることが
好ましい。塗布層中のポリエステル樹脂の割合は、上限
が90重量%であることが更に好ましく、下限が60重
量%であることが更に好ましい。また、塗布層を形成す
るガラス転移点(Tg)が−50〜50℃の範囲である
アクリル樹脂の割合は、塗布層中に5〜30重量%であ
ることが好ましい。塗布層中のアクリル樹脂の割合は、
上限が25重量%であることが更に好ましく、下限が1
0重量%であることが更に好ましい。塗布層中のポリエ
ステル樹脂が95重量%を超え、もしくはアクリル樹脂
が5重量%未満になると接着性が不十分となる場合があ
る。アクリル樹脂が30重量%を超えるとアクリル樹脂
はポリエステル樹脂と相溶しないため透明性が悪くなる
場合がある。
【0025】尚、塗布層を形成する成分は、ポリエステ
ル樹脂とアクリル樹脂だけでも良く、ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂以外の他の成分が配合されていても良
い。例えば、塗布層中にポリエステル樹脂が50重量
%、アクリル樹脂が30重量%配合されている場合は他
の成分を20重量%配合することができる。他の成分と
しては、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂以外の
樹脂、オキサゾリン基を有する重合体、メラミン、エポ
キシ、アジリジン等の架橋剤、帯電防止剤、着色剤、海
面活性剤、紫外線吸収剤、滑剤(フィラー、ワックス)
などである。
【0026】(積層フィルム)本発明の光学易接着性積
層フィルムは、ヘーズ値が1%以下、塗布層表面の中心
線平均粗さ(Ra)が0.002〜0.01μmの範
囲、塗布層表面の摩擦係数(μs)が0.8以下である
ことが好ましい。このような特性を備えた本発明の光学
易接着性積層フィルムは、ポリエステルフィルムの少な
くとも片面に、前記の組成物の中から上記積層体の特性
を満足するものを選び、これらを含む塗液を塗布し、塗
膜を形成させることにより得ることができる。
【0027】(塗液)本発明において、塗布層を形成さ
せるために用いる塗液は、水溶液、水分散液或いは乳化
液等の水性塗液の形態で使用されることが好ましい。塗
液には、必要に応じて、前記組成物以外の他の樹脂、例
えばオキサゾリン基を有する重合体、メラミン、エポキ
シ、アジリジン等の架橋剤、帯電防止剤、着色剤、界面
活性剤、紫外線吸収剤、滑剤(フィラー、ワックス)な
どを添加することができる。特に、滑剤を添加すること
で積層フィルムの滑性、耐ブロッキング性を更に良好な
ものにすることができる。
【0028】水性塗液の固形分濃度は、通常20重量%
以下であり、更には1〜10重量%であることが好まし
い。この割合が1重量%未満であると、ポリエステルフ
ィルムへの塗れ性が不足することがあり、一方、20重
量%を超えると塗剤の安定性や塗布外観が悪化すること
がある。
【0029】(塗液の塗布)水性塗液のポリエステルフ
ィルムへの塗布は、任意の段階で実施することができる
が、ポリエステルフィルムの製造過程で実施するのが好
ましく、さらには配向結晶化が完了する前のポリエステ
ルフィルムに塗布するのが好ましい。
【0030】ここで、結晶配向が完了する前のポリエス
テルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを
縦方向または横方向の何れか一方に延伸した一軸延伸フ
ィルム、縦方向および横方向の二軸方向に低倍率で延伸
した更に延伸可能な二軸延伸フィルム(最終的に縦方向
また横方向に再延伸して配向結晶化を完了させる前の二
軸延伸フィルム)等である。
【0031】なかでも、未延伸フィルムまたは一軸延伸
フィルムに、上記組成物の水性塗液を塗布し、そのまま
縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すことが好
ましい。
【0032】水性塗液をフィルムに塗布する際には、塗
布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面に
コロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理
を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性
な界面活性剤を併用することが好ましい。
【0033】かかる界面活性剤は、ポリエステルフィル
ムへの水性塗液の濡れを促進するものであり、例えば、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレン―脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、ア
ルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホ
コハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙
げることができる。界面活性剤は、塗膜を形成する組成
物中に、1〜10重量%含まれていることが好ましい。
【0034】塗液の塗布量は、塗膜の厚さが0.02〜
0.3μm、好ましくは0.07〜0.25μmの範囲
となるような量であることが好ましい。塗膜の厚さが薄
過ぎると接着力が不足することがあり、逆に厚過ぎると
ブロッキングを起こしたり、ヘーズ値が高くなったりす
る可能性がある。
【0035】塗布方法としては、公知の任意の塗工法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナ
イフコート法、含浸法、カーテンコート法などを単独ま
たは組合せて用いることができる。なお、塗膜は、必要
に応じ、フィルムの片面のみに形成させてもよいし、両
面に形成させてもよい。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。なお、実施例、比較例において、ヘーズ値、摩
擦係数(μs)、表面粗さ(Ra)、接着性、耐ブロッ
キング性は下記の方法により評価した。
【0037】(1)ヘーズ値 日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH―20)を使
用してフィルムのヘーズ値を測定した。尚、フィルムの
ヘーズを下記の基準で評価した。 ◎: ヘーズ値≦0.5% ……フィルムのヘーズ極めて良好 ○:0.5%<ヘーズ値≦1.0% ……フィルムのヘーズ良好 ×:1.0%<ヘーズ値 ……フィルムのヘーズ不良
【0038】(2)中心線平均表面粗さ(Ra) JIS B0601に準じ、(株)小坂研究所製の高精
度表面粗さ計 SE―3FATを使用して、針の半径2
μm、荷重30mgで拡大倍率20万倍、カットオフ
0.08mmの条件下にチャートを描かせ、表面粗さ曲
線からその中心線方向に測定長さLの部分を抜き取り、
この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向とY軸
として、粗さ曲線をY=f(x)で表わした時、次の式
で与えられた値をnm単位で表わした。また、この測定
は、基準長を1.25mmとして4個測定し、平均値で
表わした。
【0039】
【数1】
【0040】(3)摩擦係数(μs) ASTM D1894―63に準じ、東洋テスター社製
のスリッパリー測定器を使用し、塗膜形成面とポリエチ
レンテレフタレートフィルム(塗膜非形成面)との静摩
擦係数(μs)を測定した。但し、スレッド板はガラス
板とし、荷重は1kgとした。尚、フィルムの滑り性を
下記の基準で評価した。 ◎: 摩擦係数(μs)≦0.5 ……滑り性極めて良好 ○:0.5<摩擦係数(μs)≦0.8 ……滑り性良好 ×:0.8<摩擦係数(μs) ……滑り性不良
【0041】(4)接着性 ・ハードコート 易接着性積層フィルムの塗膜形成面に厚さ10μmのハ
ードコート層を形成させて碁盤目のクロスカット(1m
m2のマス目を100個)を施し、その上に24mm幅
のセロハンテープ(ニチバン社製)を貼り付け、180
°の剥離角度で急激に剥がした後、剥離面を観察し、下
記の基準で評価した。 5:剥離面積が10%未満 ……接着力極めて良好 4:剥離面積が10%以上20%未満 ……接着力良好 3:剥離面積が20%以上30%未満 ……接着力やや良好 2:剥離面積が30%以上40%未満 ……接着力不良 1:剥離面積が40%を超えるもの ……接着力極めて不良
【0042】・粘着剤(PSA) 易接着性積層フィルムの塗膜形成面に厚さ20μmの粘
着剤(PSA)層を形成させてフロートガラスに粘着剤
層面を貼付け、23℃、65%RHの雰囲気下で1日経
時させ、90°の剥離角度にて剥離し、ガラス表面に粘
着剤(PSA)の残留状態を観察し、下記の基準で評価
した。 5:粘着剤(PSA)残留面積が10%未満 ……接着力極めて良好 4:粘着剤(PSA)残留面積が10%以上20%未満 ……接着力良好 3:粘着剤(PSA)残留面積が20%以上30%未満 ……接着力やや良好 2:粘着剤(PSA)残留面積が30%以上40%未満 ……接着力不良 1:粘着剤(PSA)残留面積が40%を超えるもの ……接着力極めて不良
【0043】(5)耐ブロッキング性 2枚のフィルムを、塗膜形成面と非形成面が接するよう
に重ね合せ、これに、60℃、80%RHの雰囲気下で
17時間にわたって0.6kg/cm2の圧力をかけ、
その後、剥離して、その剥離力により耐ブロッキング性
を下記の基準で評価した。 ◎: 剥離力<98mN/5cm ……耐ブロッキング性極めて良好 ○:98mN/5cm≦剥離力<147mN/5cm……耐ブロッキング性良好 △:147mN/5cm≦剥離力<196mN/5cm……耐ブロッキング性や や良好 ×:196mN/5cm≦剥離力 ……耐ブロッキング性不良
【0044】(6)総合評価 ヘーズ、表面粗さ、摩擦係数、接着性(ハードコート・
粘着剤)、耐ブロッキング性の各特性評価結果に基づ
き、下記の基準で評価した。 ◎:各特性の大半が極めて良好で不良なものが無い……総合評価が極めて良好 ○:各特性の大半が良好で不良なものが無い ……総合評価が良好 ×:各特性の一部に不良なものがある ……総合評価が不良
【0045】[実施例1〜3及び比較例1〜4]溶融ポ
リエチレンテレフタレート(固有粘度=0.65dl/
g、ガラス転移点:78℃)をダイより押出し、常法に
より冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで
縦方向に3.6倍に延伸した後、その両面に表1に示す
塗膜用組成物の固形分濃度が8重量%の水性塗液をロー
ルコーターで均一に塗布した。
【0046】
【表1】
【0047】表1で塗布層中の各成分は下記の重合体ま
たは化合物を表わす。 ポリエステル1:酸成分が2,6―ナフタレンジカルボ
ン酸70モル%/イソフタル酸24モル%/5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸6モル%、グリコール成分がエ
チレングリコール90モル%/ジエチレングリコール1
0モル%のポリエステル共重合体(Tg=85℃)。 ポリエステル2:酸成分がテレフタル酸40モル%/イ
ソフタル酸54モル%/5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸6モル%、グリコール成分がエチレングリコール7
0モル%/ジエチレングリコール30モル%のポリエス
テル共重合体(Tg=35℃)。 アクリル1:構成成分がメチルメタクリレート15モル
%/エチルアクリレート75モル%/N−メチロールア
クリルアミド5モル%/2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート5モル%のアクリル共重合体(Tg=0℃)。 アクリル2:構成成分がメチルメタクリレート80モル
%/エチルアクリレート10モル%/N−メチロールア
クリルアミド5モル%/2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート5モル%のアクリル共重合体(Tg=80℃)。 添加剤1:シリカフィラー(平均粒径:100nm) 添加剤2:カルナバワックス 濡れ剤:ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテ
【0048】次いで、この塗布フィルムを引き続いて9
5℃で乾燥し、横方向に120℃で3.8倍に延伸し、
220℃で幅方向に3%収縮させ熱固定し、厚さ188
μmの積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評
価結果を表2に示す。なお、塗膜の厚さは0.15μm
であった。
【0049】[実施例4]溶融ポリエチレン−2,6−
ナフタレート(固有粘度=0.60dl/g、ガラス転
移点:121℃)をダイより押出し、常法により冷却ド
ラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで縦方向に
3.6倍に延伸した後、その両面に塗膜用組成物(表1
の塗液1)の濃度8%の水性塗液をロールコーターで均
一に塗布した。次いで、この塗布フィルムを引き続いて
105℃で乾燥し、横方向に140℃で3.8倍に延伸
し、230℃で幅方向に3%収縮させ熱固定し、厚さ1
88μmの積層フィルムを得た。得られた積層フィルム
の評価結果を表2に示す。なお、塗膜の厚さは0.15
μmであった。
【0050】
【表2】
【0051】表2に示す結果から明らかなように、本発
明の光学用易接着性積層フィルムは透明性、滑り性、ハ
ードコート層及び粘着剤層との接着性に優れ、且つ耐ブ
ロッキング性に優れたものであった。
【0052】
【発明の効果】本発明の光学用易接着性積層フィルムに
よれば、塗布層を特定組成の易接着層とすることで優れ
た接着性、透明性、易滑性に優れた積層フィルムを得る
ことができる。また、本発明の光学用易接着性積層フィ
ルムは、各種光学用途、特にプリズムレンズシート、タ
ッチパネル、バックライト等のベースフィルム、反射防
止用フィルムのベースフィルムやディスプレイの防爆用
ベースフィルムに有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 67:00 C08L 67:00 Fターム(参考) 4F006 AA35 AB24 AB35 BA01 BA09 CA05 4F100 AA20H AH02H AJ11H AK25B AK25C AK41A AK41B AK41C AK42A AL05B AL05C BA10B BA10C CC00B CC00C DD07B DD07C EH17 EH46 EJ38 GB90 JA05B JA05C JK10 JK10B JK10C JK14B JK14C JL11 JN01 YY00B YY00C 4J004 AA02 AA10 AA15 CA06 FA08 4J040 DF002 ED001 JA09 LA02 NA17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    にガラス転移点が50〜100℃の範囲であるポリエス
    テル樹脂とガラス転移点が−50〜50℃の範囲である
    アクリル樹脂を含む塗布層が形成されていることを特徴
    とする光学用易接着性積層フィルム。
  2. 【請求項2】 塗布層を形成するポリエステル樹脂の割
    合が50〜95重量%であり、アクリル樹脂の割合が5
    〜30重量%である請求項1に記載の光学用易接着性積
    層フィルム。
  3. 【請求項3】 積層フィルムのヘーズ値が1%以下、塗
    布層表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.002〜0.
    01μmの範囲であり、かつ塗布層表面の摩擦係数(μ
    s)が0.8以下である請求項1または2に記載の光学
    用易接着性積層フィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルフィルムがポリエチレンテ
    レフタレート及び/又はポリエチレン−2,6−ナフタ
    レートを主体とする請求項1乃至3のいずれか1項に記
    載の光学用易接着性積層フィルム。
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