JP5541937B2 - 離型ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、離型ポリエステルフィルムに関する。
従来、ワープロ、コンピュータ、テレビ等の各種ディスプレイ、または偏光板や位相差板、視野角制御シート、それに準じた積層体等の光学シート部品の表面には、表面保護の目的でポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の透明な保護フィルムが積層されている。特に偏光板は、偏光板の製造工程から液晶ディスプレイ等に組み込まれるまでにロール状態で巻き取られ、再度巻き出して、離型フィルムに粘着剤を塗工したシート(表面保護フィルム)がラミネートされ、再々度巻き取られるか、あるいはそのまま所望のサイズに断裁される。断裁された偏光板は積み重ねられ、梱包され、出荷される。液晶ディプレイ製造工程においては、積み重ねられた偏光板を1枚ずつピックアップして使用する。そして、これらの製造工程においては、断裁時に粘着剤が表面に付着してしまったり、搬送ロールとの摩擦帯電や剥離帯電により、周囲のゴミが巻き込まれる等という問題がある。そして、これらの課題を解決する表面保護フィルムとして、例えば特許文献1〜4の報告がある。
特開平11−256116号公報 特開2003−41205号公報 特開2008−212836号公報 特開2008−212837号公報
一方、上記のような各種光学シート部品の製造工程においては、光学シート部品が加熱される際に、それに貼り付けられている表面保護フィルムも同時に加熱される。かかる加熱によって、表面保護フィルムを構成するポリエステルフィルムからオリゴマーが析出するため、表面保護フィルムが白濁してしまう問題があり、これにより近年のより厳しい各種光学シート部品の欠陥検査において障害となってしまう。又、析出したオリゴマーが加工工程の金属ロール等に付着し、工程を汚すことがあり、製造途中で清掃を入れる必要が生じる為に生産ロスに繋がるといった問題がある。
本発明は、上記背景技術に鑑みなされたもので、その目的は、優れた帯電防止性を有すると同時に、ポリエステルフィルムからのオリゴマーの析出が好適に抑制された離型ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、表面層に特定のガラス転移点温度範囲にあるアクリル変性ポリエステル樹脂を添加することによって、加熱によって表面に析出するポリエステルフィルムからのオリゴマーを好適に抑制できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片方の面に、ガラス転移点温度Tgが40℃以上60℃以下のアクリル変性ポリエステル樹脂、帯電防止剤、および濡れ調整剤を構成成分として含み、含有量が下記式(1)〜(3)を満足する塗液から形成される表面層を有する離型ポリエステルフィルムである。
5≦A≦40 ・・・(1)
1≦B≦10 ・・・(2)
57≦C≦93 ・・・(3)
(式中、Aは帯電防止剤の含有量(質量%)、Bは濡れ調整剤の含有量(質量%)、Cはアクリル変性ポリエステル樹脂の含有量(質量%)を表わす。)
また本発明は、
・帯電防止剤が下記一般式で表される単位を主たる繰返し単位とするポリチオフェンからなる導電性ポリマーであること、
Figure 0005541937
(式中、RおよびRは、相互に独立して水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表わすか、あるいは一緒になって任意に置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキレン基を表わす。)
・濡れ調整剤が、ポリビニルアルコールまたはポリエチレンイミンを塩素化アルキロイルまたはアルキルイソシアネートで長鎖アルキル化した共重合体であること、
のうち少なくとも一つの態様を具備することによって、より優れた離型ポリエステルフィルムを得ることができる。
また本発明は、
・ポリエステルフィルムの片方の面に表面層を有し、他方の面に粘着剤層を有し、偏光板、位相差板または視野角拡大フィルムの表面保護フィルム用に用いられる、
態様を包含する。
本発明の離型ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片方の面に、特定のガラス転移点温度を有するアクリル変性ポリエステル樹脂を含む塗液から形成された表面層を有しているので、オリゴマーの発生が高度に抑制され、離型ポリエステルフィルム表面の白濁化が高度に抑制される。また、特定の塗液から形成された表面層により、優れた帯電防止性を有している。したがって、本発明の離型ポリエステルフィルムを、例えば偏光板、位相差板、視野角拡大フィルムなどの光学シート部品製造工程、あるいはそれらの光学シート部品を使用するパネル製造工程において用いられる表面保護フィルム用として使用すれば、各工程において発生する摩擦や剥離による帯電を抑えることができる。そしてとりわけ、オリゴマーの発生が高度に抑制されているので、表面保護フィルム表面における白濁化が抑制され、近年の厳しいレベルにおいても精度よく製品(光学シート部品やパネル等)の欠点検査を行うことができる。又、従来の離型ポリエステルフィルムを用いた表面保護フィルムの場合に見られた工程の汚染が大幅に抑制され、光学シート部品を効率よく生産することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<離型ポリエステルフィルム>
本発明の離型ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片方の面に、アクリル変性ポリエステル樹脂、帯電防止剤、および濡れ調整剤を含有する塗液から形成された表面層を有するものである。
<表面層>
表面層を構成する各構成成分について説明する。
(アクリル変性ポリエステル樹脂)
本発明におけるアクリル変性ポリエステル樹脂は、ガラス転移点温度Tgが40℃以上60℃以下である。Tgが上記数値範囲にあると、ポリエステルフィルムから析出するオリゴマーが、表面層の表面に析出してくることを高度に抑制することができる。それによって、離型ポリエステルフィルムを加熱した際に生じるオリゴマーによる白濁を高度に抑制することができる。Tgが低すぎる場合は、オリゴマー析出を抑制する効果が低くなる傾向にあり、白濁化しやすくなる傾向にある。また、耐ブロッキング性に劣る傾向にある。他方、Tgが高すぎる場合も、表面層が適度な柔軟性を有さなくなるためか、オリゴマー析出を抑制する効果が低くなる傾向にあり、白濁化しやすくなる傾向にある。また、表面層の耐削れ性に劣る傾向にある。このような観点から、アクリル変性ポリエステル樹脂のガラス転移点温度Tgは、好ましくは40℃以上55℃以下、さらに好ましくは40℃以上50℃以下である。
本発明におけるアクリル変性ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とグリコール成分とを構成成分とする線状ポリエステル樹脂の存在下で、アクリル系単量体を重合させて得られるものである。線状ポリエステル樹脂におけるジカルボン酸成分としては、例えばテレルタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、5−Kスルホイソフタル酸等を、また、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA・アルキレンオキシド付加物等を挙げることができる。線状ポリエステル樹脂としては、これらの成分を含有する共重合ポリエステルが好ましい。アクリル系単量体としては、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸ソーダ、アクリル酸アンモニウム、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等を挙げることができ、これらの単量体を重合させて得られる共重合アクリルであることが好ましい。かかる共重合アクリルには、さらにスチレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ソーダ、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニルエーテル、ビニルスルホン酸ソーダ、メタリル酸ソーダ等の単量体を共重合成分として含むものであってもよい。又、本発明におけるアクリル変性ポリエステル樹脂としては、市販品をそのまま用いることもでき、例えば東亜合成株式会社製アロンNS−1200を好ましく例示することができる。
かかるアクリル変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、オリゴマー析出の抑制、耐削れ性、および耐ブロッキング性さらにを良好にするという観点から、10,000〜500,000の範囲であることが好ましい。
以上に説明したアクリル変性ポリエステル樹脂は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても構わない。なお、かかるアクリル変性ポリエステル樹脂は、水または水を主成分とする溶液に分散した水分散液または水溶化した水溶液の状態で使用するのが、取扱い性の点から好ましい。また、得られる表面層の耐水性と耐ブロッキング性を改善するため、架橋剤を含有しても良い。架橋剤としては、好ましくは、メチロール化あるいはアルキロール化したメラミン系、尿素系、グリオキザール系、アクリルアミド系、オキサゾリン系などの化合物、エポキシ化合物、ポリイソシアネートから選ばれた少なくとも1種類の架橋剤を含有させることができる。架橋剤の添加量は、多くなりすぎると、塗液の安定性に劣ることがあり、10質量%以下が好ましい。
(帯電防止剤)
本発明における表面層に用いられる帯電防止剤としては、例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性ポリマーを好ましくあげることができ、なかでも、下記一般式で表される単位を主たる繰返し単位とするポリチオフェンからなる導電性ポリマーが好ましく、特に対アニオンがスチレンスルホン酸を共重合成分として含むポリスルホン酸から誘導されたポリアニオンである導電性ポリマーが好ましい。このような帯電防止剤を用いることによって、帯電防止性の向上効果を高くすることができる。
Figure 0005541937
(式中、RおよびRは、相互に独立して水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表わすか、あるいは一緒になって任意に置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキレン基を表わす。)
好ましく用いられるポリチオフェン系の導電性ポリマー(ポリカチオン状のポリチオフェンとポリアニオンとの複合体)としては、例えば特開2005−88389号公報に記載の帯電防止層として用いられているポリチオフェン、特開2006−294532号公報に記載されているポリチオフェンなどをあげることができ、具体的には、例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)[チオフェン環の約1/3がカチオン化されたもの]とポリスチレンスルホン酸(スルホン酸の約半分がアニオン化されたもの)との複合体をあげることができる。
(濡れ調整剤)
本発明における濡れ調整剤としては、長いアルキル側鎖を持つポリマーである。かかるポリマーとしては、例えば炭素数が12以上、好ましくは16〜20のアルキル側鎖を持つアルキルアクリレートと、アクリル酸との共重合体や、ポリビニルアルコールまたはポリエチレンイミンを塩素化アルキロイルまたはアルキルイソシアネートで長鎖アルキル化した共重合体をあげることができる。具体的には、ポリビニルアルコールとオクタデシルイソシアネートとの反応によって得られるポリビニル−N−オクタデシルカルバメートや、ポリエチレンイミンとオクタデシルイソシアネートとの反応によって得られるポリエチレンイミン−N−オクタデシルカルバメートなどがあげられる。このような濡れ調整剤を用いることによって、粘着剤等が表面層に付着してしまうのを抑制することができる。
これらの濡れ調整剤は、前述のアクリル変性ポリエステル樹脂および帯電防止剤と混合するため、水または水を主溶剤とする溶媒中に分散させたものを用いるのが好ましい。このような濡れ調整剤としては、具体的には、一方社油脂工業社製のピーロイル406、日本触媒社製のPX−RP10W、中京油脂社製のレザムM−643などをあげることができる。
以上に説明したアクリル変性ポリエステル樹脂、帯電防止剤、濡れ調整剤の各成分の、塗液中の含有割合は、塗液中の有効成分(水などの溶媒を除いた成分)質量を基準として、帯電防止剤が5〜40質量%、好ましくは8〜20質量%、さらに好ましくは8〜13質量%、アクリル変性ポリエステル樹脂が57〜93質量%、好ましくは70〜90質量%、さらに好ましくは74〜90質量%、濡れ調整剤が1〜10質量%、好ましくは2〜8質量%の割合である。
ここで、各成分の含有割合がいずれも上記範囲内にある場合には、ポリエステルフィルムからのオリゴマー析出を抑止でき、耐白濁性が良好となると同時に、帯電防止性に優れる。又、ポリエステルフィルムと表面層との接着性が良好となる。また、離型性がより向上する。
(表面層に添加することができるその他の成分)
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲内で、表面層に汚れ防止剤、例えばシリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、パラフィンワックス、カルナバワックスなどを併用しても構わない。
また、本発明における表面層を形成するための塗液には、上記の成分の他に、塗膜の滑り性や耐ブロッキング性を良好なものとするため、滑剤として平均粒径が0.01〜0.5μmの無機または有機の微粒子を、例えば、塗液中の有効成分(水などの溶媒を除いた成分)質量を基準として、0.001〜5質量%の割合で含有させることができる。かかる微粒子の具体例としては、シリカ、カオリン等の無機微粒子、ポリスチレン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、架橋アクリル樹脂、メラミン樹脂粒子、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機微粒子等をあげることができる。なお有機微粒子は、塗膜内で微粒子の状態を保つことができる樹脂であれば、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよく、また目的に応じた架橋剤で架橋された樹脂であってもよい。
<表面層の形成方法>
本発明における表面層は、上述のアクリル変性ポリエステル樹脂、帯電防止剤、濡れ調整剤、任意に添加してもよい表面層に添加することができるその他の成分を含む塗液を、ポリエステルフィルムの上に塗布、乾燥することにより形成することができる。
上記塗液のポリエステルフィルム面への塗布方法は、従来公知の任意の塗布方法を採用することができる。例えばロールコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法などを単独または組み合わせて適用すればよい。ハジキなど塗布外観の安定性を助ける目的で若干量の有機溶剤や界面活性剤を含有させてもよい。
又、表面層を形成するための塗液は、水溶液または水分散体であることが好ましいが、該塗液中に沸点が150℃以上の水溶性または水混和性の液体を含有することができる。かかる沸点が150℃以上の水溶性または水混和性を有する液体としては、例えばグリセリン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、1−メチル−2−ピロリドンなどを挙げることができるが、沸点が150℃以上で水溶性または水混和性を有する液体であればこれらに限定されるものではない。
本発明においては、かかる沸点が150℃以上で水溶性または水混和性を有する液体の少なくとも1種以上を、塗液中の溶剤質量を基準として0.2〜3.0質量%含有することができる。沸点が150℃以上で水溶性または水混和性を有する液体の含有量が上記数値範囲にあると、帯電防止性の向上効果を高くすることができる。
乾燥条件は、温度80〜200℃で5〜120秒、好ましくは温度100〜180℃で20〜100秒、さらに好ましくは温度120〜160℃で30〜90秒である。
<表面層の膜厚、特性>
(表面層の膜厚)
表面層の膜厚は0.02〜0.20μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.03〜0.10μmの範囲である。膜厚が上記数値範囲にあると、オリゴマー封止性の向上効果が高くなる。また、帯電防止性の向上効果が高くなる。
(表面固有抵抗率)
さらに本発明における表面層は、表面固有抵抗率が1×10〜1×1012Ω/□の範囲であることが好ましく、帯電防止性に優れ、本発明の離型ポリエステルフィルムを表面保護フィルム用として用いた場合においては、ゴミ等の付着をより好適に抑制することができたり、工程における摩擦や剥離による帯電を、より好適に抑制することができる。表面固有抵抗率が1×10Ω/□未満の場合には表面層がもろくなりやすく、逆に1×1012Ω/□を超える場合には帯電防止性が不足する場合がある。
上記のような表面固有抵抗率とするためには、帯電防止剤の種類、含有量、表面層の厚みを適宜調整すればよく、例えば上述した好ましい態様を採用すればよい。
<ポリエステルフィルム>
上記の表面層が形成されるポリエステルフィルムは、下記ジカルボン酸成分とグリコール成分とから形成されるポリエステルからなるフィルムである。
好ましく用いられるジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等をあげることができ、なかでもフィルムの機械的性質の点からテレフタル酸または2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
またグリコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等をあげることができ、なかでもフィルムの機械的性質の点からエチレングリコールが好ましい。
かかるポリエステルには、第3成分として上記ジカルボン酸成分あるいはグリコール成分を共重合したコポリエステルであってもよく、三官能以上の多価カルボン酸成分あるいはポリオール成分を、得られるポリエステルが実質的に線状となる範囲(例えば5モル%以下)で共重合したポリエステルであってもよい。
なかでも、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートが特に好ましい。
かかるポリエステルは常法により製造することができ、ポリエステルの固有粘度(オルトクロロフェノール中、35℃)は0.45以上であることが、フィルムの剛性が大きい等の機械的特性が良好となるため好ましい。
上記ポリエステルには、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機微粒子、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の耐熱性ポリマーからなる有機微粒子を含有させることができる。このほかに、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンコポリマー、オレフィン系アイオノマー等の他の樹脂、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤等を必要に応じて含有させることもできる。なお、本発明の表面保護フィルムは、用途によっては透明性が高いことが要求されるので、上記各種添加剤は、各種用途の要求特性に応じてその使用量を適宜選択することが好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、従来知られている任意の方法で製造することができる。例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムは、ポリエステルを乾燥後、押出し機にて溶融し、ダイ(例えばT−ダイ、I−ダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、急冷して未延伸フィルムを製造し、次いで該未延伸フィルムを縦方向および横方向に延伸し、必要に応じて熱固定することによって製造することができる。ポリエステルフィルムの厚さは5〜250μmが好ましい。
<プライマー層>
本発明のポリエステルフィルムは、表面層を設ける側の面に、コロナ処理またはプライマー層(易接着性の塗膜)を形成させること、特にシランカップリング剤を含有する塗液から形成されたプライマー層を形成させることが表面層の耐水性向上の点から好ましい。プライマー層を形成するための成分としては、例えばシランカップリング剤、アルカリ性無機微粒子、pHを調整する酸、界面活性剤などがあげられる。シランカップリング剤は、一般式YRSiXで表わされる化合物である。ここでYはビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基等の有機官能基、Rはメチレン、エチレン、プロピレン等のアルキレン基、Xはメトキシ基、エトキシ基等の加水分解基またはアルキル基である。具体的化合物としては、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等をあげることができる。これらのなかで好ましいシランカップリング剤は、水溶性または水分散性を有するもの、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。
かかるシランカップリング剤と共にプライマー層を形成するためのアルカリ性無機微粒子としては、例えば酸化鉄ゾル、アルミナゾル、酸化スズゾル、酸化ジルコニウムゾル、シリカゾル等を挙げることができるが、特にアルミナゾル、シリカゾルが好ましい。なかでもシランカップリング剤の初期反応性(ダイマー化、トリマー化等)を促進する点から、シリカゾルが好ましい。アルカリ性無機微粒子は表面積の大きい小粒径のものがよく、平均粒径が1〜150nm、さらには2〜100nm、特に3〜50nmであるものが好ましい。平均粒径が150nmより大きくなると、表面積が小さくなりすぎ、シランカップリング剤の反応促進作用が低下し、かつプライマー層の表面が粗面化するため好ましくない。他方、平均粒径が1nmより小さくなると、表面積が大きすぎ、シランカップリング剤の反応制御が困難となり好ましくない。アルカリ性無機微粒子の量は、シランカップリング剤の量に対して、1〜50重量%、さらには2〜20重量%であることが好ましい。この量が1重量%未満であると、架橋反応が進まず、他方50重量%を超えると塗布液の安定性に欠け、例えば無機微粒子の添加後短時間で塗布液中に沈澱が発生するので好ましくない。
シランカップリング剤およびアルカリ性無機微粒子を含有するプライマー塗布液、特に水性塗布液は、そのpHを4.0〜7.0、好ましくは5.0〜6.7に調整する。このpHが4.0未満になると、無機微粒子の触媒活性が失われ、他方7.0を超えると塗液が不安定となり、沈澱が生じるので好ましくない。このpHを調整する酸としては塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸や蓚酸、蟻酸、クエン酸、酢酸等の有機酸が用いられるが、特に有機酸が好ましい。
かかる塗布液、特に水性液には、アニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性等の界面活性剤を必要量添加して用いることができる。かかる界面活性剤としては、塗布液の表面張カを0.5N/m以下、好ましくは0.4N/m以下に下げることができ、ポリエステルフィルムへの濡れ性を促進するものが好ましく、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4級アイモニウムクロライド塩、アルキルアミン塩酸等をあげることができる。さらに本発明の効果を消失させない範囲で、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、有機フィラー、潤滑剤、ブロッキング防止剤等の他の添加剤を混合することもできる。
プライマー層は、ポリエステルフィルムの片面に上記の塗布液を通常のプライマー塗布方法で塗布し、次いで乾燥、熱架橋させることにより形成することができる。例えば二軸延伸熱固定したポリエステルフィルムを製造した後に塗布する方法で形成してもよいが、プライマーとしての効果やコストの面、さらに芥、塵挨等の巻込みやスクラッチ等を減らすため、ポリエステルフィルム製造工程での塗布が好ましい。特に、この工程中で結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムの片面(表面層を設ける側)に水性塗布液として塗布することが好ましい。ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムとは、ポリエステルを熱溶融してそのままフィルム状となした未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向(長手方向)または横方向(幅方向)の何れか一方に配向せしめた一軸延伸フィルム、さらには縦方向及び横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめた状態の二軸延伸フィルム(最終的に縦方向または横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を含むものである。通常の工程においては、縦方向に一軸延伸後に塗布するのが好ましい。塗布液を塗布した、結晶配向完了する前のポリエステルフィルムは、乾燥され、延伸、熱固定等の工程に導かれる。例えば塗布液を塗布した縦一軸延伸ボリエステルフィルムは、ステンターに導かれて横延伸および熱固定される。この間、塗布液は乾燥され熱架橋される。かかる処理は、従来当業界に蓄積された条件で行うことができる。好ましい条件としては、例えば乾燥条件は90〜130℃×2〜10秒であり、延伸温度はポリエチレンテレフタレートの場合は90〜130℃、ポリエチレンナフタレート(PEN)の場合は120〜180℃、延伸倍率は縦方向3〜5倍、横方向3〜5倍、必要ならば再縦方向1〜3倍であり、熱固定する場合はポリエチレンテレフタレートの場合は180〜240℃、PENの場合は220〜240℃、熱固定時間は2〜20秒である。かくして、20〜1000nmの厚みからなるプライマー層を有する、ポリエステルフィルムが得られる。
塗布方法としては、公知の任意の方法が適用できる。例えば、キスコート法、バーコート法、ダイコート法、リバースコート法、オフセットグラビアコート法、マイヤバーコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、合浸法、カーテンコート法などを単独または組み合わせて適用するとよいが、リバースロールコーターによる方法が好ましく例示される。
<粘着剤層>
本発明の離型ポリエステルフィルムは、表面保護フィルム用として特に好ましく用いることができる。また、表面保護フィルムとして使用する場合は、ポリエステルフィルムの片方の面に、以上に説明した表面層を設け、他方の面に粘着剤層を設けることが好ましい。さらに、この粘着剤層表面には、必要に応じて離型剤で処理した剥離(離型)フィルムを貼り合せても構わない。
上記粘着剤層を形成するための粘着剤としては、アクリル系、ゴム系またはウレタン系の粘着剤を用いることができ、特に粘着剤層の耐久性の点からアクリル系粘着剤が好ましい。また粘着剤層は、剥離フィルムなどを貼り合せた後に再剥離する際、相手側に粘着剤の移行がないことが大切であり、かかる要件を満足するため粘着剤層の粘着力は0.03〜0.50N/25mmの範囲内であることが好ましい。
また、粘着剤のタイプとしては、熱硬化タイプ、UV(紫外線)硬化タイプ、EB(電子線)硬化タイプ、ホットメルトタイプのいずれであってもよく、さらに、粘着剤層の耐久性や粘着剤の移行を抑えるという点から、イソシアネート系やエポキシ系の架橋剤を適宜使用してもよい。
なお、粘着剤層の粘着力は、ステンレス板(SUS304)に粘着剤層面を貼合せ、23℃で1日経時後に300mm/分の速度で180度の角度で剥離するときの力で表わされる。
上記粘着剤層の塗布方法も、前述の表面層の塗布方法と同じく任意の方法を採用することができ、例えばロールコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法、ダイコート法、ドクターブレードコート法などを単独または組み合わせて適用すればよい。
粘着剤層の厚みは、3〜100μm、特に5〜50μmの範囲であることが好ましい。厚みが3μm未満の場合には十分な接着効果が得られないことがあり、他方100μmを超える場合は過剰品質であって不経済である。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中における各評価は下記の方法にしたがった。
(1)ガラス転移点温度Tg
サンプル約10mgを測定用のアルミニウム製パンに封入して示差熱量計(デュポン社製・V4.OB2000型DSC)に装着し、25℃から20℃/分の速度で300℃まで昇温させ、300℃で5分間保持した後取り出し、直ちに氷の上に移して急冷した。このパンを再度示差熱量計に装着し、25℃から20℃/分の速度で昇温させてガラス転移温度(Tg:℃)を測定した。
(2)オリゴマーによる白濁
フィルムサンプルを適当な大きさに切り出し、120℃のオーブンで10分間熱処理した。取り出したフィルムにおける表面層とは反対側の面に、日東電工製の黒テープを貼り付け、表面層側の面を、手袋をした指で軽く擦った。表面層側からハロゲンライトを当て、反射光にて表面におけるオリゴマーの状態を目視で観察した。結果を以下の基準で判定した。
オリゴマー析出によるフィルムの白濁が見られない … ○
(指で擦った跡が見られない)
オリゴマー析出によるフィルムの白濁が見られる … ×
(指で擦った跡が線状に見える)
(3)表面固有抵抗率
アドバンテスト社製抵抗率計を使用し、測定温度23℃、測定湿度65%RHの雰囲気で、印加電圧100Vで1分後の表面固有抵抗率を測定した。測定結果を以下の基準で判定した。
表面固有抵抗率が1×10〜1×1012Ω/□の範囲 … ○
表面固有抵抗率が1×1012Ω/□を超える … ×
(4)表面層の剥離強度
離型ポリエステルフィルムの表面層側の表面に、アクリル系粘着テープ(日東電工株式会社製、NO.31B)をゴムロールで貼合せ、5kgの圧着ローラーで圧着し1時間放置後、表面保護フィルムの粘着剤層側に積層されている離型フィルムを剥離除去して粘着剤面をアルミ支持板に両面テープで固定し、該アクリル系粘着テープを180°に折り返し、引張試験機にて剥離強度を測定した。なお、剥離強度の好ましい範囲は5N/25mm以上である。剥離強度が5N/25mm未満であると表面保護フィルムを剥離する粘着テープの貼り付きが悪く、表面保護フィルムを剥離できないといった不具合を生じるため好ましくない。
[実施例1および比較例1〜8]
厚みが38μmの2軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの両面にコロナ処理を行い、ぬれ張力試験用混合液でぬれ張力が54mN/m以上にしたポリエステルフィルムを用意した。その片面に、表1に記載の表面層組成を有効成分として、溶媒として水を用いて、濃度が1.1質量%になるように調製した塗液を、リバースロールコーターを用いてウェット塗布量5g/mで塗工し、ドライヤーゾーンにおいて温度140℃下で1分間乾燥することにより膜厚0.06μmの表面層を形成し、離型ポリエステルフィルムを得た。得られた離型ポリエステルフィルムの物性を表2にまとめた。
なおここでは、各成分として以下のものを用いた。
アクリル変性ポリエステル樹脂1:東亞合成株式会社製、アロンNS−1200、Tg=45℃
アクリル変性ポリエステル樹脂2:日本純薬株式会社製、ジュリマーAT−515、Tg=25℃
アクリル変性ポリエステル樹脂3:日本純薬株式会社製、ジュリマーAT−210.Tg=−7.5℃
アクリル樹脂1:日本純薬株式会社製、ジュリマーN−31−4、Tg=70℃
アクリル樹脂2:東亞合成株式会社製、アロンA−1017、Tg=13℃
ウレタン樹脂:日華化学製、エバファノールHA−50C
ポリエステル樹脂:互応化学製、プラスコートRZ570
帯電防止剤:バイエル社製、バイトロンP
濡れ調整剤:一方社油脂工業社製、ピーロイル406
[実施例2]
表1に記載の表面層組成の他、分散性カルボジイミド系架橋剤(日華化学製 NKアシストCI)を5質量%添加した以外は実施例1と同様にして、離型ポリエステルフィルムを得た。得られた離型ポリエステルフィルムの物性を表2にまとめた。
Figure 0005541937
Figure 0005541937
表2から明らかなように、本発明の離型ポリエステルフィルムは、表面層のオリゴマー抑止性に非常に優れているので、加工する際の熱でオリゴマーの発生による白濁が起こらず、偏光板などの表面保護フィルムとして特に好適に用いることができる。又、本発明の離型ポリエステルフィルムを用いて得られた表面保護フィルムは、偏光板、位相差板および視野角拡大フィルムなどの光学用シート製造工程、或いはそれらの光学シートを使用するパネル製造工程で、表面保護フィルムとして好適であることがわかる。
[粘着剤層の形成]
アクリル系粘着剤として、2−エチルヘキシルアクリレート(主モノマー)、n−ブチルアクリレート(主モノマー)、酢酸ビニル(コモノマー)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(官能基含有モノマー)が5:2:2:1の質量比で混合された組成物と、エポキシ変性ステアリルアクリレートからなる添加剤とを、前者の組成物10質量部に対し、後者の添加物0.5質量部となるように加え、酢酸エチルの溶剤下で反応触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを用い溶液重合した。得られた粘着剤用ポリマーの重量平均分子量は約35万であった。この粘着剤用ポリマーに、TDI系イソシアネート架橋剤(日本ポリウレタン社製コロネートL)を固形分比で粘着剤用ポリマー100質量部に対し、架橋剤7質量部の割合で添加した後、25μmのポリエステルフィルムの片面にシリコーン離型層を持つ剥離フィルムの離型層側面に乾燥後の厚みが15μmとなるように塗布し、100℃2分乾燥した後、前記実施例1、2で得られた表面層を設けた離型ポリエステルフィルムの表面層とは反対側の面と該粘着剤面とを貼り合せた。45℃で1週間のエージング処理を行い、表面保護フィルムを得た。
以上に説明した本発明の離型ポリエステルフィルムは、表面層のオリゴマー抑止性に非常に優れているので、加工する際の熱でオリゴマーの発生による白濁が起こらず、偏光板などの表面保護フィルム用として特に好適に用いることができる。又、本発明の離型ポリエステルフィルムを用いて得られた表面保護フィルムは、偏光板、位相差板および視野角拡大フィルムなどの光学用シート部品製造工程、或いはそれらの光学シート部品を使用するパネル製造工程で、表面保護フィルムとして好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片方の面に、ガラス転移点温度Tgが40℃以上60℃以下のアクリル変性ポリエステル樹脂、帯電防止剤、および濡れ調整剤を構成成分として含み、含有量が下記式(1)〜(3)を満足する塗液から形成される表面層を有する離型ポリエステルフィルム。
    5≦A≦40 ・・・(1)
    1≦B≦10 ・・・(2)
    57≦C≦93 ・・・(3)
    (式中、Aは帯電防止剤の含有量(質量%)、Bは濡れ調整剤の含有量(質量%)、Cはアクリル変性ポリエステル樹脂の含有量(質量%)を表わす。)
  2. 帯電防止剤が、下記一般式で表される単位を主たる繰返し単位とするポリチオフェンからなる導電性ポリマーである請求項1に記載の離型ポリエステルフィルム。
    Figure 0005541937
    (式中、RおよびRは、相互に独立して水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表わすか、あるいは一緒になって任意に置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキレン基を表わす。)
  3. 濡れ調整剤が、ポリビニルアルコールまたはポリエチレンイミンを塩素化アルキロイルまたはアルキルイソシアネートで長鎖アルキル化した共重合体である請求項1または2に記載の離型ポリエステルフィルム。
  4. ポリエステルフィルムの片方の面に表面層を有し、他方の面に粘着剤層を有し、偏光板、位相差板または視野角拡大フィルムの表面保護フィルム用に用いられる請求項1〜3のいずれか1項に記載の離型ポリエステルフィルム。
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