JPH07330932A - ジアゾ易接着フィルム - Google Patents

ジアゾ易接着フィルム

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JPH07330932A
JPH07330932A JP6130413A JP13041394A JPH07330932A JP H07330932 A JPH07330932 A JP H07330932A JP 6130413 A JP6130413 A JP 6130413A JP 13041394 A JP13041394 A JP 13041394A JP H07330932 A JPH07330932 A JP H07330932A
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JP
Japan
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glass transition
film
group
acrylic
easy
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JP6130413A
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English (en)
Inventor
Jun Hirata
純 平田
Takashi Mimura
尚 三村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、
易接着層が設けられ、該易接着層が分子内に1種以上の
架橋性官能基を有するガラス転移温度の異なる2種以上
のアクリル樹脂とアミノシランとを主たる構成成分と
し、該2種以上のアクリル樹脂のうち少なくとも1種の
ガラス転移温度が50℃以上であり、かつ該ガラス転移
温度が異なるアクリル樹脂のガラス転移温度の差△Tg
および低Tgアクリル(A)と高Tgアクリル(B)の
重量比(A)/(B)がそれぞれ下式を同時に満足する
ことを特徴とするジアゾ易接着フィルム。 30≦△Tg≦80 (1) 1≦A/B≦9 (2) 【効果】 本発明の易接着性ポリエステルフィルムは、
特にジアゾ感光塗料との密着性、耐スクラッチ性などに
優れ、高温高湿環境下においても初期の密着性を維持す
る。また耐ブロッキング性にも優れ、環境変化によるト
ラブルがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジアゾ易接着フィルムに
関するものであり、詳しくは接着性、耐スクラッチ性、
耐ブロッキング性などに優れ、高温高湿環境下において
も密着性の低下が少なく、特にジアゾ感光フィルムに使
用される基材フィルムとして好適なジアゾ易接着フィル
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレートあるいはポリ−1、4−シクロヘキサンジ
メチレンテレフタレート及びこれらを主体とするポリエ
ステルは優れた物理的、化学的特性を有しており、繊
維、フィルムあるいはシート更にはその成型品として広
く使用されている。
【0003】特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐
薬品性、機械的特性において優れた性質を有するため
に、ジアゾフィルム、磁気記録材料、各種写真材料、包
装材料、電気絶縁材料、一般工業材料等多くの用途に用
いられている。
【0004】しかしながら、一般にポリエステル自体が
不活性で接着性に乏しいため、フィルム表面に種々の被
覆物、例えばジアゾ感光塗料、磁性体塗料、ケミカルマ
ット塗料、ゼラチン組成物、ヒートシール付与組成物、
インキなどを塗布あるいは印刷する際には、該被覆物と
の接着性を良好とするためにフィルム表面にコロナ放電
あるいはプラズマ等の物理的な処理やアルカリあるいは
アミン類の化学薬品を使用した化学的な処理をする方
法、さらには易接着性物質をコーティングする方法など
が知られている。
【0005】しかし物理的あるいは化学的な表面処理方
法は工程が煩雑となり、コストアップとなるばかりでな
く、十分な接着性が得られない。
【0006】一方易接着物質をコーティングする方法は
ポリエステルフィルムの製造工程内で実施でき、コスト
面で有利であり、かつ種々の被覆物に対応できる接着性
物質を選択することが可能であることから、アクリル樹
脂、水溶性および水分散性ポリエステルを易接着性物質
としてポリエステルフィルムに積層したものなどが提案
されてきた(特公平3−62551号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述した従来の
技術には次のような問題点がある。すなわちアクリル樹
脂、水溶性あるいは水分散性ポリエステルを積層した場
合には所望の易接着性が得られたとしても塗膜の耐湿
性、耐水性が劣るため、高温高湿環境下での密着性が劣
るなどの問題がある。本発明はこれらの欠点を解消せし
め、接着性、耐スクラッチ性、耐ブロッキング性などに
優れ、かつ高温高湿環境下においても密着性の低下の少
ないジアゾ易接着フィルムを提供するものであり、特に
ジアゾ感光フィルムに使用される基材フィルムとして好
適なフィルムを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエステル
フィルムの少なくとも片面に、易接着層が設けられ、該
易接着層が分子内に1種以上の架橋性官能基を有するガ
ラス転移温度の異なる2種以上のアクリル樹脂とアミノ
シランとを主たる構成成分とし、該2種以上のアクリル
樹脂のうち少なくとも1種のガラス転移温度が50℃以
上であり、かつ該ガラス転移温度が異なるアクリル樹脂
のガラス転移温度の差△Tgおよび低Tgアクリル
(A)と高Tgアクリル(B)の重量比(A)/(B)
がそれぞれ下式を同時に満足することを特徴とするジア
ゾ易接着フィルム、をその骨子とするものである。
【0009】30≦△Tg≦80 (1) 1≦A/B≦9 (2) 本発明でいうポリエステルフィルムのポリエステルとは
ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とグリ
コ−ルとのエステル化もしくはエステル交換ならびに重
縮合反応によって製造される。ポリエステルの種類につ
いてはフィルムに形成しうるものであれば特に限定され
ない。フィルムに形成しうる好適なポリエステルとして
はジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸を使用し
たものがよく、例えばポリエチレンテレフタレ−ト、ポ
リエチレン2,6−ナフタレ−ト、ポリブチレンテレフ
タレ−ト、ポリエチレンα、β−ビス(2−クロルフェ
ノキシ)エタン4,4, −ジカルボキシレ−トなどであ
り、これらの中でも品質、経済性などを総合的に勘案す
るとポリエチレンテレフタレ−トが最も好ましい。その
ため以後はポリエチレンテレフタレ−ト(以後PETと
略称する)をポリエステルの代表例として記述を進め
る。
【0010】PETとは80モル%以上、好ましくは9
0モル%以上、更に好ましくは95モル%以上がエチレ
ンテレフタレ−トを繰り返し単位とするものであるが、
他のジカルボン酸成分、ジオ−ル成分を一部共重合して
も良い。またこのPET中に公知の添加剤、例えば耐熱
安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有
機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充
填剤、帯電防止剤、核剤などを配合しても良い。上述し
たPETフィルムの極限粘度(25℃のオルソクロロフ
ェノ−ル中で測定)は0.40〜1.20dl/g好ま
しくは0.50〜0.80dl/gの範囲にあるものが
本発明の内容に適したものである。
【0011】本発明におけるポリエステルフィルムは易
接着層が積層された状態において機械的、熱的特性の点
から二軸配向されているものが好ましい。例えばポリエ
ステルを180℃、3時間真空乾燥後、溶融押し出しし
て未延伸シ−トとし、続いて二軸延伸、熱処理してフィ
ルムを製造する。二軸延伸は縦、横逐次延伸あるいは、
二軸同時延伸のいずれでもよく延伸倍率は特に限定され
るものではないが通常は縦、横それぞれ2.0〜5.0
倍が適当である。あるいは縦、横延伸後縦、横いづれか
の方向に再延伸してもよい。
【0012】また、ポリエステルの厚みは特に限定され
るものではないが、2〜500μmが好ましく用いられ
る。
【0013】本発明のポリエステルフィルム面に積層さ
れる易接着層の構成成分であるアクリル樹脂は、分子内
に少なくとも1種以上の架橋性官能基を有するものであ
る。このような官能基としてはカルボキシル基、メチロ
−ル基、スルホン酸基、水酸基、アミド基、アミノ基、
エポキシ基などが挙げられる。アクリル樹脂は公知の方
法によって製造することができ、該樹脂を構成するモノ
マ成分として下記のものを例示することができる。アク
リル樹脂の重合に供するモノマとしてはアルキルアクリ
レ−ト、アルキルメタクリレ−ト(アルキル基としては
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−
エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基など)を基本骨格
とし、更に上記官能基を付与するため以下のようなモノ
マと共重合される。
【0014】すなわち官能基としてはカルボキシル基、
メチロ−ル基、酸無水物基、スルホン酸基、アミド基ま
たはアルキロ−ル化されたアミド基(置換アミノ基を含
む)あるいはアルキロ−ル化されたアミノ基、水酸基、
エポキシ基などを例示することができ、これらの塩エス
テル化物を共重合しても良い。しかし、本発明において
は特にアルキロ−ル化されたアミド基、カルボキシル基
が密着性の点で好ましく用いられる。
【0015】カルボキシル基および/またはその塩、あ
るいは酸無水物基を有する化合物としては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸、これらのカルボン酸のアルカリ金属
塩、アンモニウム塩、あるいは無水物などが挙げられる
が、本発明においてはアクリル酸が好ましく用いられ
る。
【0016】アミド基あるいはアルキロ−ル化されたア
ミド基を有する化合物としてはアクリルアミド、メタク
リルアミド、N−メチルメタクリルアミド、メチロ−ル
化アクリルアミド、メチロ−ル化メタクリルアミド、ウ
レイドビニルエ−テル、β−ウレイドイソブチルビニル
エ−テル、ウレイドエチルアクリレ−トなどが挙げられ
るが、本発明においてはメチロ−ル化アクリルアミド好
ましく用いられる。
【0017】スルホン酸基および/またはその塩を有す
る化合物としては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホ
ン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などが
挙げられる。
【0018】アミノ基あるいはアルキロ−ル化されたア
ミノ基および/またはその塩を有する化合物としてはジ
エチルアミノエチルビニルエ−テル、2−アミノエチル
ビニルエ−テル、3−アミノプロピルビニルエ−テル、
2−アミノブチルビニルエ−テル、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレ−ト、ジメチルアミノエチルビニルエ−テ
ル、およびそれらのアミノ基をメチロ−ル化したもの、
ハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、サルトンなどによ
り四級塩化したものなどが挙げられる。
【0019】水酸基を有する化合物としては、β−ヒド
ロキシエチルアクリレ−ト、β−ヒドロキシエチルメタ
クリレ−ト、β−ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、β
−ヒドロキシプロピルメタクリレ−ト、β−ヒドロキシ
ビニルエ−テル、5−ヒドロキシペンチルビニルエ−テ
ル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエ−テル、ポリエチ
レングリコ−ルモノアクリレ−ト、ポリエチレングリコ
−ルモノメタクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルモ
ノアクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルモノメタク
リレ−トなどが挙げられる。
【0020】エポキシ基を有する化合物としてはグリシ
ジルアクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−トなどが挙
げられる。
【0021】その他の共重合成分として、アクリロニト
リル、メタクリロニトリルなどを例示することができる
が、本発明においては特にアクリロニトリルが、密着性
の点で好ましく用いられる。
【0022】これらの架橋性官能基を有するモノマおよ
び他の化合物は基本骨格となるモノマと任意の比率で共
重合され、2種以上のモノマを共重合させてもよい。
【0023】本発明においては上記架橋性官能基を有す
るアクリル樹脂であって、かつガラス転移温度が異なる
2種以上のアクリル樹脂の混合物を用いるが、ここで用
いるアクリル樹脂のガラス転移温度は少なくとも1種が
50℃以上好ましくは60℃以上のガラス転移温度を有
することが好ましい。ガラス転移温度が50℃に満たな
いアクリル樹脂のみを用いた場合には高温高湿下での密
着性が劣る。また混合する他のアクリル樹脂のガラス転
移温度は先のものより低いものが好ましく、ガラス転移
温度が50℃以上の樹脂のみを用いた場合より常温での
密着性が向上する。すなわち常温においても高温高湿下
においても高い密着性、耐スクラツチ性を得るには上記
のようなガラス転移温度の異なる2種以上のアクリル樹
脂を用いることによって達成されるものである。
【0024】アクリル樹脂のガラス転移温度は用いるモ
ノマによって任意に設定することができ、例えば高いガ
ラス転移温度のポリマを得るにはメチルメタクリレ−ト
の共重合量を増加させ、低いガラス転移点の樹脂を得る
には長鎖のアルキルアクリレ−トの共重合が有効であ
る。またアクリル樹脂の分子量を40万以上とすること
により、易接着層の強靭性が増すので特に好ましい。
【0025】その中でも高Tg成分のモノマーとしては
アルキルメタクリレート、低Tg成分のモノマーとして
はアルキルアクリレートが好ましく用いられる。また、
上記アクリル骨格に官能基を付与する好ましいモノマー
としては、カルボキシル基及び/またはその塩、あるい
は酸無水物基を有する化合物、アミド基あるいはアルキ
ロール化されたアミド基を有する化合物などが挙げら
れ、これらの組み合わせが特に好ましく用いられる。そ
の他の共重合成分としてはその密着性の観点からアクリ
ロニトリルが好ましく用いられる。
【0026】本発明においてはガラス転移温度が50℃
以上のアクリル樹脂(以下、高Tgアクリルと略称する
ことがある)とガラス転移温度が50℃に満たないアク
リル樹脂(以下、低Tgアクリルと略称することがあ
る)のガラス転移温度の差△Tgが、30≦△Tg≦8
0、好ましくは40≦△Tg≦70である。△Tgが2
0℃未満の場合には、常温および高温高湿下における密
着性、耐スクラッチ性が両立せず、反対に△Tgが80
℃以上では相溶性、造膜性に劣り、易接着層の亀裂、白
化などを生じる。
【0027】また、上記2種以上のアクリル樹脂のう
ち、低Tgアクリル(A)と高Tgアクリル(B)の重
量比が、1≦A/B≦9、好ましくは2≦A/B≦8、
より好ましくは3≦A/B≦7である。A/Bが1以下
では相溶性、造膜性に劣り、A/Bが9以上では高温高
湿下の密着性、耐スクラッチ性が劣る。好ましい組み合
わせとして、Tgが20〜40℃のアクリル(A)50
〜70wt%と、Tgが70〜90℃のアクリル50〜
30wt%などを例示することができる。
【0028】上記方法によって易接着塗膜を積層する場
合にはアクリル樹脂は水に溶解あるいは乳化、懸濁し得
るものが環境汚染や防爆性の点で好ましく、このような
共重合体は親水性基を有するモノマ(アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリルアミド、ビニルスルホン酸およびそ
の塩など)との共重合や界面活性剤を用いた乳化重合、
懸濁重合、界面活性剤を用いないソ−プフリ−重合など
公知の方法によって作成することができる。
【0029】また、本発明は上記アクリル樹脂にシラン
カップリング剤を添加することが必要である。本発明で
いうシランカップリング剤とは、分子中に二個以上の異
なった反応基を持ち、一つは有機質と反応する基、もう
一つは加水分解可能なアルコキシ基を持った化合物であ
れば特に限定されるものではないが、代表例としては、
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルア
ミノエチル)−γアミノプロピルトリメトキシシラン・
塩酸塩、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランなど
を挙げることができる。このようなシランカップリング
剤は市販のものを使用することができ、例えばSH60
20、SZ6023、SH6026、SZ6032、S
Z6050、SZ6083(いずれも東レ・ダウコ−ニ
ングシリコ−ン(株)製)などが好適である。これらの
シランカップリング剤は水を加えることによって容易に
加水分解し、アルコキシシラン基はシラノ−ル基とな
る。本発明においては塗液中では加水分解した状態で使
用するのが好ましい。
【0030】シランカップリング剤の添加量は、本発明
の効果をより顕著に発現させるにはアクリル樹脂(A)
/シランカップリング剤(B)が固形分重量比(シラン
カプリング剤は加水分解前の状態)で98/2〜60/
40、好ましくは98/2〜70/30、更に好ましく
は98/2〜80/20の範囲である。これらのシラン
カップリング剤は二種以上併用してもよい。
【0031】また易接着性塗膜中には本発明の効果を阻
害しない範囲内で公知の添加剤、例えば耐熱安定剤、耐
酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑
剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯
電防止剤、核剤などを配合しても良い。
【0032】上記の好ましい易接着塗膜の積層方法はポ
リエステルフィルムの製造工程中に塗布し、基材と共に
延伸する方法が最も好適である。例えば溶融押し出しさ
れた結晶配向前のポリエステルフィルムを長手方向に
2.0〜5.0倍程度延伸し、連続的に塗布する面にコ
ロナ放電処理を施し、その処理面に塗剤を塗布する。塗
布されたフィルムは段階的に加熱されたゾ−ンを通過し
つつ乾燥され、幅方向に2.0〜5.0倍程度延伸され
る。さらに連続的に150〜250℃の加熱ゾ−ンに導
かれ結晶配向を完了させる方法によって得られる。この
場合に用いる塗布液は環境汚染や防爆性の点で水系が好
ましい。
【0033】塗膜の厚みは好ましくは0.01〜2μ
m、より好ましくは0.03〜0.5μm、更に好まし
くは0.05〜0.3μmである。易接着層の厚みが厚
過ぎると塗膜自体が劈開しやすくなり、逆に薄過ぎると
密着性が悪化し易い。基材フィルム上への塗布の方法は
公知の塗布方法、例えばリバ−スコ−ト法、グラビアコ
−ト法、ロッドコ−ト法、ダイコ−ト法などを用いるこ
とができる。
【0034】上記の接着易層中には本発明の効果を阻害
しない範囲内で公知の添加剤、例えば耐熱安定剤、耐酸
化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、
顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防
止剤、核剤などを配合しても良い。
【0035】次に本発明の易接着性ポリエステルフィル
ムの製造方法の一例について説明するが当然これに限定
されるものではない。
【0036】PETを常法に従って高温真空乾燥後、溶
融押出し、押出されたシ−ト状溶融体を冷却固化せしめ
て未延伸PETフィルムを作る。このフィルムを80〜
120℃に加熱して長手方向に2.0〜5.0倍延伸し
て一軸配向フィルムとする。このフィルムの片面にコロ
ナ放電処理を施し、この処理面に易接着層形成水系塗剤
を塗布する。この塗布されたフィルムを90〜140℃
に加熱しつつ幅方向に2.0〜5.0倍延伸し、引き続
いて160〜240℃の熱処理ゾ−ン中へ導き、1〜1
0秒間熱処理を行う。この熱処理中に必要に応じて幅方
向に3〜12%の弛緩処理を施しても良い。
【0037】かくして得られた易接着性ポリエステルフ
ィルムは、易接着層を介してジアゾ感光層が設けられ、
必要に応じて反対面にマット加工層が設けられたジアゾ
感光塗料易接着用基材フィルムとして好適に使用される
ものである。
【0038】
【特性の測定方法および効果の評価方法】本発明におけ
る特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりで
ある。
【0039】(1)密着性 セルロ−スアセテ−トブチレ−ト(以下、CABと略称
することがある)50重量%、エチルメタクリレ−ト5
0重量%からなる固形分20重量%の溶剤系塗工液に、
ジアゾニウム塩を2重量%添加したジアゾ感光塗料を乾
燥後の厚みが6μmとなるようにフィルム面上にバ−コ
−タ−を用いて塗布し被覆層を設けた。塗布後、100
℃で2分間乾燥し、乾燥後乾式ジアゾ複写機RICOP
Y SM2300F((株)リコ−製)で現像し、未露
光部(発色部)に1mm幅にクロスカット(碁盤目)を
入れ、セロハン粘着テ−プ(ニチバン(株)製)を貼付
け、手で強く圧着した後、180度方向に急速に剥離し
た。この時のフィルム面側に残存した被覆層の残存面積
率を測定し、全く剥離しないものを[◎]、残存面積率
90%以上を[○]とし、それに満たないものは全て
[×]とした。
【0040】(2)耐湿密着性 上記(1)で作成した被覆層を設けたフィルムを40℃
×90%RHの雰囲気下に15時間放置し、取り出し後
乾式ジアゾ複写機RICOPY SM2300F
((株)リコ−製)で現像し、未露光部(発色部)に1
mm幅にクロスカット(碁盤目)を入れ、セロハン粘着
テ−プ(ニチバン(株)製)を貼付け、手で強く圧着し
た後、180度方向に急速に剥離した。この時のフィル
ム面側に残存した被覆層の残存面積率を測定し、全く剥
離しないものを[◎]、残存面積率90%以上を[○]
とし、それに満たないものは全て[×]とした。
【0041】(3)耐スクラッチ性 ジアゾ感光塗料を乾燥後の厚みが6μmとなるようにフ
ィルム面上にバ−コ−タ−を用いて塗布し被覆層を設け
た。塗布後、100℃で2分間乾燥し、乾燥後乾式ジア
ゾ複写機RICOPYSM2300F((株)リコ−
製)で現像した。この未露光部(発色部)に新東科学
(株)製表面性測定機HEIDON−14DRを用い
て、先端が0.1mmφのサファイア針を直角にあてが
い、サンプル移動速度100mm/minでサファイア
針に掛かる荷重を変更し、先の未露光部(発色部)表面
が傷つき始める荷重を耐スクラッチ性の指標とし以下の
基準で判定した。なお、表面が傷つき始める荷重は鉛筆
硬度と相関しているものである。 ○ :120g以上 △ :80〜120g未満 × :80g未満 (4)ガラス転移温度 易接着層形成樹脂中のアクリル樹脂を示差走査熱量計
(PERKIN ELMER DSC−2型(PERK
IN ELMER社製)を用いて昇温速度20℃/分で
測定した。
【0042】次に本発明を実施例に基ずいて説明するが
必ずしもこれに限定されるものではない。
【0043】
【実施例】
実施例1 平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.015%
および平均粒径1.5μmの同じくコロイダルシリカを
0.005%含有するPETペレット(極限粘度0.6
2dI/g)を充分に真空乾燥した後、押出機に供給し
て280℃で溶融押出し、10μmカットの金属焼結フ
ィルタ−で瀘過した後、T型口金よりシ−ト状に押出
し、これを30℃の冷却ドラムに巻き付けて冷却固化せ
しめた。この間のシ−トと冷却ドラムとの密着性を向上
させるため、シ−ト側にワイヤ−電極を配置して6KV
の直流電圧を印加した。かくして得られた未延伸PET
フィルムを95℃に加熱して長手方向に3.5倍延伸
し、一軸延伸フィルムとした。このフィルムの一方の面
に空気雰囲気中でコロナ放電処理を施し、その処理面に
下記の配合比(固形分比)となるような易接着層形成水
性塗料調製しグラビアコ−ト方式で塗布した。塗布厚み
は二軸延伸後において易接着層が0.1μmとなるよう
にした。
【0044】 [易接着層形成水性塗料] 配合比 (A)MMA/EA/AN/AA/N−MAM Tg30℃ 65重量% 50/40/10/ 2/ 4 (wt%) MMA:メチルメタクリレ−ト EA :エチルアクリレ−ト AN :アクリルニトリル AA :アクリル酸 N−MAM:N−メチロ−ルアクリルアミド (B)MMA/EA/AA/N−MAM Tg80℃ 30重量% 80/20/ 1/ 2 (wt%) (C)γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン (以下、アミノシランと略称する) 5重量% この水性塗剤が塗布された一軸延伸フイルムを110℃
に加熱された予熱ゾ−ンに導き水分を乾燥させた後、連
続的に130℃の加熱ゾ−ンでクリップに把持して幅方
向に3.5倍延伸し、続いて225℃の加熱ゾ−ンで5
秒間熱処理を施し、易接着層厚み0.1μmを設けた厚
み50μmの易接着性ポリエステルフィルムを得た。
【0045】この易接着性ポリエステルフィルムの評価
結果を表1に示す。この易接着層側に設けたジアゾ感光
層の密着性、耐スクラッチ性は極めて良好であり、高温
高湿環境下においても密着性の低下がなかった。
【0046】実施例2 実施例1の(A)(B)(C)の各成分比を下記のよう
に変更した以外は実施例1とまったく同様にして、易接
着層を形成するための水性塗剤を作成し、易接着層厚み
0.1μmを設けた厚み50μmの易接着性ポリエステ
ルフィルムを得た。この易接着性ポリエステルフィルム
の評価結果を表1に示す。この易接着層側に設けたジア
ゾ感光層の密着性、耐スクラッチ性は極めて良好であ
り、高温高湿環境下においても密着性の低下がなかっ
た。
【0047】 (A) 80重量% (B) 15重量% (C) 5重量% 実施例3 以下に示すようなTg、成分比とした他は実施例1と同
様にして易接着層を形成するための水性塗剤を作成し、
易接着層厚み0.1μmを設けた厚み50μmの易接着
性ポリエステルフィルムを得た。この易接着性ポリエス
テルフィルムの評価結果を表1に示す。この易接着層側
に設けたジアゾ感光層の密着性、耐スクラッチ性は極め
て良好であり、高温高湿環境下においても密着性の低下
が少なかった。
【0048】 (A)MMA/EA/AA/N-MAM=32/68/1/2 (wt% ) Tg=10℃ 50重量% (B)MMA/EA/AA/N-MAM=70/30/1/2 (wt% ) Tg=60℃ 30重量% (C)アミノシラン 20重量% 実施例4 以下に示すようなTg、成分比とした他は実施例1と同
様にして易接着層を形成するための水性塗剤を作成し、
易接着層厚み0.1μmを設けた厚み50μmの易接着
性ポリエステルフィルムを得た。この易接着性ポリエス
テルフィルムの評価結果を表1に示す。この易接着層側
に設けたジアゾ感光層の密着性、耐スクラッチ性、高温
高湿環境下においての密着性とも良好であった。
【0049】 (A)MMA/BA/AA/N-MAM=50/50/1/2 (wt% ) Tg= 0℃ 58重量% BA: フ゛チルアクリレ- ト (B)MMA/EA/AA/N-MAM=80/20/1/2 (wt% ) Tg=80℃ 40重量% (C)アミノシラン 2重量% 実施例5 以下に示すようなTg、成分比とした他は実施例1と同
様にして易接着層を形成するための水性塗剤を作成し、
易接着層厚み0.1μmを設けた厚み50μmの易接着
性ポリエステルフィルムを得た。この易接着性ポリエス
テルフィルムの評価結果を表1に示す。この易接着層側
に設けたジアゾ感光層の密着性、耐スクラッチ性、高温
高湿環境下においての密着性とも良好であった。
【0050】 (A)MMA/EA/AA/N-MAM=60/40/1/2 Tg=45℃ 50重量% (B)MMA/EA/AA/N-MAM=80/20/1/2 (wt% ) Tg=80℃ 40重量% (C)アミノシラン 10重量% 比較例1 実施例1で使用した低Tgアクリル(Tg=30℃)単
独を水で3重量%に希釈し易接着層を形成するための水
性塗剤を作成し、実施例1と同様易接着層厚み0.1μ
mを設けた厚み50μmの易接着性ポリエステルフィル
ムを得た。この易接着性ポリエステルフィルムの評価結
果を表1に示す。密着性は良好なものの、高温高湿環境
下において密着性の著しい低下が見られ、また耐スクラ
ッチ性に劣るものであった。
【0051】比較例2 実施例1で使用したアクリル樹脂エマルジョンおよびア
ミノシランの配合比を以下のようにした濃度3重量%の
易接着層を形成するための水性塗剤を作成し、実施例1
と同様易接着層厚み0.1μmを設けた厚み50μmの
易接着性ポリエステルフィルムを得た。この易接着性ポ
リエステルフィルムの評価結果を表1に示す。Tgが高
いためか、延伸時に易接着層が延伸亀裂を起こし白化現
象が見られた。密着性、耐スクラッチ性、高温高湿環境
下において密着性とも劣っていた。
【0052】 (A)実施例1で使用したTg30℃のアクリル樹脂エマルジョン 20重量% (B)実施例1で使用したTg80℃のアクリル樹脂エマルジョン 75重量% (C)アミノシラン 5重量% 比較例3 組成を下記のように変更した他は実施例1とまったく同
様にして易接着層厚み0.1μmを設けた厚み50μm
の易接着性ポリエステルフィルムを得た。この易接着性
ポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。アミノ
シランをまったく添加していないため耐スクラッチ性、
高温高湿環境下において密着性が劣っていた。
【0053】 (A)実施例1で使用したTg30℃のアクリル樹脂エマルジョン 80重量% (B)実施例1で使用したTg80℃のアクリル樹脂エマルジョン 20重量% (C)アミノシラン 0重量% 比較例4 組成を下記のように変更した他は実施例1とまったく同
様にして易接着層厚み0.1μmを設けた厚み50μm
の易接着性ポリエステルフィルムを得た。この易接着性
ポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。高Tg
アクリルが本発明の範囲外のため耐スクラッチ性、高温
高湿環境下において密着性が劣っていた。
【0054】 (A)実施例1で使用したTg30℃のアクリル樹脂エマルジョン 89重量% (B)実施例1で使用したTg80℃のアクリル樹脂エマルジョン 1重量% (C)アミノシラン 10重量%
【表1】
【0055】
【本発明の効果】本発明は、ポリエステルフィルムの少
なくとも片面に分子内に少なくとも一種以上の架橋性官
能基を有するガラス転移温度の異なる2種以上のアクリ
ル樹脂とシランカップリング剤とを主たる構成成分と
し、該2種以上のアクリル樹脂のうち少なくとも1種の
ガラス転移温度が50℃以上である易接着層塗膜を積層
した易接着性ポリエステルフィルムであり、密着性に優
れ、特には高温高湿環境下での密着性に優れ、耐スクラ
ツチ性、耐ブロッキング性を有し、ジアゾ感光フィルム
などに使用される基材フィルム等に好ましく用いられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/36 8413−4F C09J 7/02 JHR JJW JKE JKK // C08L 67:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に、易接着層が設けられ、該易接着層が分子内に1種以
    上の架橋性官能基を有するガラス転移温度の異なる2種
    以上のアクリル樹脂とアミノシランとを主たる構成成分
    とし、該2種以上のアクリル樹脂のうち少なくとも1種
    のガラス転移温度が50℃以上であり、かつ該ガラス転
    移温度が異なるアクリル樹脂のガラス転移温度の差△T
    gおよび低Tgアクリル(A)と高Tgアクリル(B)
    の重量比(A)/(B)がそれぞれ下式を同時に満足す
    ることを特徴とするジアゾ易接着フィルム。 30≦△Tg≦80 (1) 1≦A/B≦9 (2)
  2. 【請求項2】 上記分子内に1種以上の架橋性官能基を
    有するガラス転移温度の異なる2種以上のアクリル樹脂
    とアミノシランの混合比率が98/2〜60/40であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のジアゾ易接着フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 アクリル樹脂がメチルメタクリレ−ト、
    エチルアクリレ−ト、ブチルアクリレ−ト、アクリロニ
    トリルから選ばれる少なくとも2種以上の共重合体から
    なり、架橋性官能基が、メチロ−ル基および/またはカ
    ルボキシル基であることを特徴とする請求項1または2
    に記載のジアゾ易接着フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1から3に記載のジアゾ易接着フ
    ィルムの易接着層上にジアゾ感光層を設けたジアゾ感光
    フィルム。
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