JPH08151466A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

Info

Publication number
JPH08151466A
JPH08151466A JP7047465A JP4746595A JPH08151466A JP H08151466 A JPH08151466 A JP H08151466A JP 7047465 A JP7047465 A JP 7047465A JP 4746595 A JP4746595 A JP 4746595A JP H08151466 A JPH08151466 A JP H08151466A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
resin layer
layer
laminated film
aqueous resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7047465A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Hirata
純 平田
Takashi Mimura
尚 三村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP7047465A priority Critical patent/JPH08151466A/ja
Publication of JPH08151466A publication Critical patent/JPH08151466A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】 基体フィルムの少なくとも片面に、水性樹脂
層を介してコ−ト層が設けられてなる積層フィルムにお
いて、該水性樹脂として、該コ−ト層をコ−ティングす
る際に用いられる溶剤に対する耐溶剤性が2〜7である
ものを用いることを特徴とする積層フィルム。 【効果】 本発明の積層フィルムは、特にジアゾ感光塗
料との密着性、耐スクラッチ性などに優れ、高温高湿環
境下においても初期の密着性を維持する。また耐ブロッ
キング性にも優れ、環境変化によるトラブルがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層フィルムに関するも
のであり、詳しくは耐スクラッチ性、密着性、耐湿密着
性などに優れ、磁気記録材料、各種写真材料、包装材
料、電気絶縁材料などに使用される基材フィルムとして
好適な積層フィルムに関するものであり、更に詳しくは
高温高湿環境下においても密着性の低下のない積層フィ
ルムに関するものである。特にジアゾ感光フィルムに使
用される基材フィルムとして好適な積層フィルムに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】現在、いろいろな分野において、各種高
分子が幅広く使用されている。その中でもポリエステ
ル、特にポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレートあるいはポリ
−1、4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート及
びこれらを主体とするポリエステルは優れた物理的、化
学的特性を有しており、繊維、フィルムあるいはシート
更にはその成型品として広く使用されている。
【0003】特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐
薬品性、機械的特性において優れた性質を有するため
に、磁気記録材料、各種写真材料、包装材料、電気絶縁
材料、一般工業材料等多くの用途に用いられている。
【0004】しかしながら、一般にポリエステル自体が
不活性で接着性に乏しいため、フィルム表面に種々の被
覆物、例えばジアゾ感光塗料、磁性体塗料、ケミカルマ
ット塗料、ゼラチン組成物、ヒートシール付与組成物、
インキなどを塗布あるいは印刷する際には、該被覆物と
の接着性を良好とするためにフィルム表面にコロナ放電
あるいはプラズマ等の物理的な処理やアルカリあるいは
アミン類の化学薬品を使用した化学的な処理をする方
法、さらには易接着性物質をコーティングする方法など
が知られている。
【0005】しかし物理的あるいは化学的な表面処理方
法は工程が煩雑となり、コストアップとなるばかりでな
く、十分な接着性が得られない。
【0006】一方易接着物質をコーティングする方法は
ポリエステルフィルムの製造工程内で実施でき、コスト
面で有利であり、かつ種々の被覆物に対応できる接着性
物質を選択することが可能であることから、アクリル樹
脂、水溶性および水分散性ポリエステルを易接着性物質
としてポリエステルフィルムに積層したものなどが提案
されてきた(特公平3−62551号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述した従来の
技術には次のような問題点がある。すなわちアクリル樹
脂、水溶性あるいは水分散性ポリエステルを積層した場
合には所望の接着性が得られたとしても塗膜の耐スクラ
ッチ性、耐湿性などが劣るため、引っ掻きでの密着性、
高温高湿環境下での密着性が劣るなどの問題がある。本
発明はこれらの欠点を解消せしめ、耐スクラッチ性、密
着性、耐湿密着性などに優れ、かつ高温高湿環境下にお
いても密着性の低下の少ない積層フィルムを提供するも
のであり、特にジアゾ感光フィルムに使用される基材フ
ィルムとして好適な積層フィルムを提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材フィルム
の少なくとも片面に、水性樹脂層を介してコ−ト層が設
けられてなる積層フィルムにおいて、該コ−ト層をコ−
ティングする際に用いられる溶剤に対する、該水性樹脂
の耐溶剤性が2〜7であることをその骨子とするもので
ある。
【0009】本発明でいう基材フィルムとは、特に限定
されるものではなく、一般的に使用されている高分子フ
ィルム等を指すが、その中でもフィルムの諸特性、価
格、汎用性、取り扱い性などのト−タルバランスからポ
リエステルが特に好ましく、本発明においては基材フィ
ルムとして、以後ポリエステルをその代表例として記述
を進めていくことにする。
【0010】本発明のポリエステルフィルムのポリエス
テルとはジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導
体とグリコ−ルとのエステル化もしくはエステル交換な
らびに重縮合反応によって製造されるものである。ポリ
エステルの種類についてはフィルムに形成しうるもので
あれば特に限定されない。フィルムに形成しうる好適な
ポリエステルとしてはジカルボン酸成分として芳香族ジ
カルボン酸を使用したものがよく、例えばポリエチレン
テレフタレ−ト、ポリエチレン2,6−ナフタレ−ト、
ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンα、β−ビ
ス(2−クロルフェノキシ)エタン4,4, −ジカルボ
キシレ−トなどであり、これらの中でも品質、経済性な
どを総合的に勘案するとポリエチレンテレフタレ−トが
最も好ましい。そのため以後はポリエチレンテレフタレ
−ト(以後PETと略称する)をポリエステルの代表例
として記述を進める。
【0011】PETとは80モル%以上、好ましくは9
0モル%以上、更に好ましくは95モル%以上がエチレ
ンテレフタレ−トを繰り返し単位とするものであるが、
一部他のジカルボン酸成分、ジオ−ル成分を共重合して
も良い。またこのPET中に公知の添加剤、例えば耐熱
安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有
機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充
填剤、帯電防止剤、核剤などを配合しても良い。上述し
たPETフィルムの極限粘度(25℃のオルソクロロフ
ェノ−ル中で測定)は0.40〜1.20dl/g好ま
しくは0.50〜0.80dl/gの範囲にあるものが
本発明の内容に適したものである。
【0012】本発明におけるポリエステルフィルムは水
性樹脂層が積層された状態において機械的、熱的特性の
点から二軸配向されているものが好ましい。例えばポリ
エステルを乾燥後、溶融押し出しして未延伸シ−トと
し、続いて二軸延伸、熱処理してフィルムを製造する。
二軸延伸は縦、横逐次延伸あるいは、二軸同時延伸のい
ずれでもよく延伸倍率は特に限定されるものではないが
通常は縦、横それぞれ2.0〜5.0倍が適当である。
あるいは縦、横延伸後、縦、横いづれかの方向に再延伸
してもよい。また、ポリエステルの厚みは特に限定され
るものではないが、2〜500μmが好ましく用いられ
ている。
【0013】本発明のポリエステルフィルム面に積層さ
れる水性樹脂層はコ−ト層をコ−ティングする際に用い
られる溶剤に応じて適宜決定されるが、各種コ−ト層、
例えばジアゾ感材層等との適合性、密着性などから、本
発明においてはアクリル樹脂が好ましく用いられる。
【0014】アクリル樹脂の組成も特に限定されるもの
ではないが、成分中にアクリロニトリルを含有するもの
が耐スクラッチ性、密着性の観点から好ましく用いられ
る。アクリロニトリルの共重合量も特に限定されるもの
ではないが、耐スクラッチ性、密着性の観点から1〜3
0重量%、好ましくは2〜20重量%、特に好ましくは
3〜15重量%である。1重量%未満ではその改良効果
が小さく、30重量%を越えると耐スクラッチ性、密着
性が低下する傾向にある。
【0015】また、アクリル樹脂が、その成分中にエポ
キシ基及び/又はアミド基を含有するものも、耐スクラ
ッチ性、密着性の観点から好ましく用いられる。エポキ
シ基及び/又はアミド基の共重合量も特に限定されるも
のではないが、耐スクラッチ性、密着性の観点から好ま
しくは1〜30重量%、より好ましくは2〜20重量
%、特に好ましくは3〜15重量%である。1重量%未
満ではその改良効果が小さく、30重量%を越えると耐
スクラッチ性、密着性が低下する傾向にある。また、エ
ポキシ基とアミド基との割合は特に限定されるものでは
ないが、好ましくは80/20〜20/80、より好ま
しくは70/30〜30/70である。
【0016】このようなアクリル樹脂は公知の方法によ
って製造することができ、該樹脂を構成するモノマ成分
として下記のものを例示することができるが上記要件を
満たすものであれば特に限定するものではない。該アク
リル樹脂の重合に供するモノマとしてはアルキルアクリ
レ−ト、アルキルメタクリレ−ト(アルキル基としては
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−
エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基など)を基本骨格
とし、更に官能基を付与するため以下のような官能基を
有するモノマと共重合される。すなわち官能基としては
カルボキシル基、メチロ−ル基、酸無水物基、スルホン
酸基、アミド基またはアルキロ−ル化されたアミド基、
アミノ基(置換アミノ基を含む)あるいはアルキロ−ル
化されたアミノ基、水酸基、エポキシ基などを例示する
ことができ、これらの塩、エステル化物を共重合しても
良い。
【0017】カルボキシル基および/またはその塩、あ
るいは酸無水物基を有する化合物としては、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸、これらのカルボン酸のアルカリ金属
塩、アンモニウム塩、あるいは無水物などが挙げられ
る。
【0018】スルホン酸基および/またはその塩を有す
る化合物としては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホ
ン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などが
挙げられる。
【0019】アミド基あるいはアルキロ−ル化されたア
ミド基を有する化合物としてはアクリルアミド、メタク
リルアミド、N−メチルメタクリルアミド、メチロ−ル
化アクリルアミド、メチロ−ル化メタクリルアミド、ウ
レイドビニルエ−テル、β−ウレイドイソブチルビニル
エ−テル、ウレイドエチルアクリレ−トなどが挙げられ
る。
【0020】アミノ基あるいはアルキロ−ル化されたア
ミノ基および/またはその塩を有する化合物としてはジ
エチルアミノエチルビニルエ−テル、2−アミノエチル
ビニルエ−テル、3−アミノプロピルビニルエ−テル、
2−アミノブチルビニルエ−テル、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレ−ト、ジメチルアミノエチルビニルエ−テ
ル、およびそれらのアミノ基をメチロ−ル化したもの、
ハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、サルトンなどによ
り四級塩化したものなどが挙げられる。
【0021】水酸基を有する化合物としては、β−ヒド
ロキシエチルアクリレ−ト、β−ヒドロキシエチルメタ
クリレ−ト、β−ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、β
−ヒドロキシプロピルメタクリレ−ト、β−ヒドロキシ
ビニルエ−テル、5−ヒドロキシペンチルビニルエ−テ
ル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエ−テル、ポリエチ
レングリコ−ルモノアクリレ−ト、ポリエチレングリコ
−ルモノメタクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルモ
ノアクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルモノメタク
リレ−トなどが挙げられる。
【0022】エポキシ基を有する化合物としてはグリシ
ジルアクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−トなどが挙
げられる。
【0023】さらに上記以外に次のような化合物を併用
しても良い。すなわちメタクリロニトリル、スチレン
類、ブチルビニルエ−テル、マレイン酸モノあるいはジ
アルキルエステル、イタコン酸モノあるいはジアルキル
エステル、メチルビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリド
ン、ビニルトリスアルコキシシランなどであり、勿論こ
れらに限定されるものではない。
【0024】これらの架橋性官能基を有するモノマおよ
び他の化合物は基本骨格となるモノマと任意の比率で共
重合され、2種以上のモノマを共重合させてもよい。好
ましい比率の具体例としては、基本骨格となるモノマに
対して架橋性官能基を有するモノマの割合は、通常1〜
30重量%程度である。
【0025】本発明において用いるアクリル樹脂のガラ
ス転移温度は特に限定されるものではないが、0℃以
上、80℃以下、好ましくは10℃以上、50℃以下と
することが望ましい。ガラス転移温度が低いアクリル樹
脂を用いた場合には高温高湿下での密着性、耐スクラッ
チ性が劣る傾向にあり、逆に高過ぎる場合は延伸時に亀
裂を生じることがあり好ましくない。アクリル樹脂のガ
ラス転移温度は用いるモノマによって任意に設定するこ
とができ、例えば高いガラス転移温度のポリマを得るに
はメチルメタクリレ−トの共重合量を増加させ、低いガ
ラス転移点の樹脂を得るには長鎖のアルキルアクリレ−
トの共重合が有効である。またアクリル樹脂の分子量を
10万以上とすることにより、易接着層の強靭性が増す
ので特に好ましい。
【0026】上記方法によって水性樹脂層を積層する場
合にはアクリル樹脂は水に溶解あるいは乳化、懸濁し得
るものが環境汚染や防爆性の点で好ましく、このような
共重合体は親水性基を有するモノマ(アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリルアミド、ビニルスルホン酸およびそ
の塩など)との共重合や界面活性剤を用いた乳化重合、
懸濁重合、界面活性剤を用いないソ−プフリ−重合など
公知の方法によって作成することができる。
【0027】本発明においては、基材フィルム上に設け
られた水性樹脂層が、該水性樹脂層を介してコ−ト層を
コ−ティングする際に用いられる溶剤に対する耐溶剤性
が2〜7の範囲、好ましくは3〜6である。発明者らが
種々検討した結果、積層フィルムのコ−ト層のスクラッ
チ性は、コ−ト層をコ−テイングする際に用いられる溶
剤に対する水性樹脂層の耐溶剤性と密接に関係している
ことが判明した。つまり基材フィルム上に設けられた水
性樹脂層の該溶剤に対する耐溶剤性が悪過ぎても良過ぎ
てもスクラッチ性が低下することを見出した。この現象
のメカニズムは必ずしも定かではないが、水性樹脂層の
耐溶剤性が悪過ぎる場合には、該水性樹脂層のコ−ト層
との密着性に劣り、逆に水性樹脂層の耐溶剤性が良過ぎ
る場合には、コ−ト層が水性樹脂層の表面のみで密着し
ており、引っ掻きの様な剪断力に対しては弱いため、耐
スクラッチ性に劣るためであると推定される。つまり、
本発明で言う、耐溶剤性が2〜7の範囲にある場合に
は、水性樹脂層がコ−ト層の溶剤に適度に侵され、水性
樹脂層とコ−ト層がお互いに噛み合った状態、いわゆる
アンカ−効果を発現するため、耐スクラッチ性が良好と
なると推定している。本発明における好ましいアクリル
樹脂の組成の一例としては、メチルメタクリレ−ト、ブ
チルアクリレ−ト共重合体を基本骨格とし、アクリル
酸、アクリロニトリルを少量共重合したアクリル共重合
体が挙げられる。
【0028】また、本発明においては上記アクリル樹脂
に架橋剤を添加することが耐スクラッチ性、耐湿密着性
の点から好ましい。本発明でいう架橋剤とは特に限定さ
れるものではなく、アクリル樹脂あるいはポリエステル
樹脂に存在する官能基、例えばヒドロキシル基、カルボ
キシル基、アミド基などと架橋反応し得るものであり、
代表例としてはメチロ−ル化あるいはアルキロ−ル化し
た尿素系、メラミン系、アクリルアミド系、ポリアミド
系樹脂、エポキシ化合物、イソシアネ−ト化合物、アジ
リジン化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネ
−ト系カップリング剤などを挙げることができるが、本
発明においては耐スクラッチ性、密着性等の点からメチ
ロ−ル化メラミンが好ましく用いられる。
【0029】架橋剤の添加量は、本発明の効果をより顕
著に発現させるには水性樹脂(A)/架橋剤(B)が固
形分重量比で99.5/0.5〜70/30、好ましく
は98/2〜80/20、更に好ましくは97/3〜9
0/10の範囲が好ましい。架橋剤が0.5重量%未
満、あるいは30重量%を超えるようになると耐スクラ
ッチ性が低下する傾向にあるので好ましくない。また、
本発明の効果を損なわない範囲であるならば、他の架橋
剤を併用してもよい。
【0030】本発明における架橋剤の効果は、基材フィ
ルム上に設けられた水性樹脂層の耐溶剤性をコントロ−
ルする役割をなしており、架橋剤の添加量を本発明の範
囲内にすることにより、耐溶剤性を2〜7の範囲にする
ことができる。
【0031】また水性樹脂層中には本発明の効果を阻害
しない範囲内で公知の添加剤、例えば耐熱安定剤、耐酸
化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、
顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防
止剤、核剤などを配合しても良い。
【0032】本発明においては、基材フィルム上に設け
られる水性樹脂として、アクリル樹脂にポリエステル樹
脂を併用しても良い。
【0033】ポリエステル樹脂も特に限定されるもので
はないが、分子内にスルホン酸塩基を有しない水性ポリ
エステル樹脂が耐スクラッチ性、密着性の観点から好ま
しく用いられる。ポリエステル樹脂を併用する場合の、
アクリル樹脂/ポリエステル樹脂の配合比は80/20
〜20/80の範囲である。アクリル樹脂の比率が80
重量%以上、あるいは20重量%未満では耐スクラッチ
性が劣るようになるので好ましくない。
【0034】水性樹脂層へのポリエステル樹脂併用効果
については、ポリエステル樹脂は一般的に使用される汎
用溶剤に対して良好な耐溶剤性を示すことから、水性樹
脂層の耐溶剤性のコントロ−ルをなしているものと推察
される。
【0035】本発明における水性ポリエステルの好まし
い組成の一例としては、ジカルボン酸成分としてテレフ
タル酸、イソフタル酸、ジオ−ル成分としてエチレング
リコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、1,4−ブタンジ
オ−ルなどの共重合ポリエステルを挙げることができ
る。該共重合ポリエステルのTgは特に限定されるもの
ではないが、−10℃〜80℃の範囲がアクリル樹脂と
の相溶性、耐湿密着性などから好ましい。
【0036】上記の好ましい水性樹脂層の積層方法はポ
リエステルフィルムの製造工程中に塗布し、基材と共に
延伸する方法が特に好適である。例えば溶融押し出しさ
れた結晶配向前のポリエステルフィルムを長手方向に
2.0〜5.0倍程度延伸し、連続的に塗布する面にコ
ロナ放電処理を施し、その処理面に塗剤を塗布する。塗
布されたフィルムは段階的に加熱されたゾ−ンを通過し
つつ乾燥され、幅方向に2.0〜5.0倍程度延伸され
る。さらに連続的に150〜250℃の加熱ゾ−ンに導
かれ結晶配向を完了させる方法によって得られる。この
場合に用いる塗布液は環境汚染や防爆性の点で水系が好
ましい。
【0037】塗膜の厚みは0.005〜3μm、好まし
くは0.03〜0.5μm、更に好ましくは0.05〜
0.3μmの範囲が好ましい。易接着層の厚みが厚過ぎ
ると塗膜自体が劈開しやすくなり、逆に薄過ぎると耐ス
クラッチ性、密着性等が悪化する。基材フィルム上への
塗布の方法は公知の塗布方法、例えばリバ−スコ−ト
法、グラビアコ−ト法、ロッドコ−ト法、ダイコ−ト法
などを用いることができる。
【0038】次に本発明の積層フィルムの製造方法の一
例について説明するが当然これに限定されるものではな
い。
【0039】PETを常法に従って乾燥後、溶融押出
し、押出されたシ−ト状溶融体を冷却固化せしめて未延
伸PETフィルムを作る。このフィルムを80〜120
℃に加熱して長手方向に2.0〜5.0倍延伸して一軸
配向フィルムとする。このフィルムの片面にコロナ放電
処理を施し、この処理面に易接着層形成水系塗剤を塗布
する。この塗布されたフィルムを90〜140℃に加熱
しつつ幅方向に2.0〜5.0倍延伸し、引き続いて1
60〜240℃の熱処理ゾ−ン中へ導き、1〜10秒間
熱処理を行う。この熱処理中に必要に応じて幅方向に3
〜12%の弛緩処理を施しても良い。
【0040】かくして得られた積層フィルムの塗布層側
に用途に応じた塗剤を塗布する。コ−ティングの際に用
いられる溶剤は、コ−ト層成分に応じて適宜決定される
が、例えばコ−ト層がジアゾ感材層の場合には、溶剤と
してエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル(メチルセ
ロソルブ)を主成分とするものか、また、磁性層の場合
にはメチルエチルケトン(MEK)を主成分とするもの
が一般的に用いられる。これにより各種用途、例えばジ
アゾ感光塗料易接着用、電子写真トナ−易接着用、ケミ
カルマット塗料易接着用、蒸着用などの無機質被覆用、
磁気記録材料、セロファン用インク、オフセット用イン
ク、紫外線硬化インクなどの各種インク印刷用の基材フ
ィルムとして好適に使用されるものである。
【0041】
【特性の測定方法および効果の評価方法】本発明におけ
る特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりで
ある。
【0042】(1)密着性 ジアゾ感材塗料を乾燥後の厚みが6μmとなるようにフ
ィルム面上にバ−コ−タ−を用いて塗布しコ−ト層を設
けた。塗布後、100℃で2分間乾燥し、乾燥後乾式ジ
アゾ複写機RICOPYSM2300F((株)リコ−
製)で現像し、未露光部(発色部)に1mm幅にクロス
カット(碁盤目)を入れ、セロハン粘着テ−プ(ニチバ
ン(株)製)を貼付け、手で強く圧着した後、180度
方向に急速に剥離した。この時のフィルム面側に残存し
た被覆層の残存面積率を測定し、全く剥離しないものを
[◎]、残存面積率90%以上を[○]とし、それに満
たないものは全て[×]とした。
【0043】(2)耐湿密着性 上記(1)で作成したコ−ト層を設けたフィルムを40
℃×90%RHの雰囲気下に15時間放置し、取り出し
後乾式ジアゾ複写機RICOPYSM2300F
((株)リコ−製)で現像し、未露光部(発色部)に1
mm幅にクロスカット(碁盤目)を入れ、セロハン粘着
テ−プ(ニチバン(株)製)を貼付け、手で強く圧着し
た後、180度方向に急速に剥離した。この時のフィル
ム面側に残存した被覆層の残存面積率を測定し、全く剥
離しないものを[◎]、残存面積率90%以上を[○]
とし、それに満たないものは全て[×]とした。
【0044】(3)耐スクラッチ性 ジアゾ感材塗料を乾燥後の厚みが6μmとなるようにフ
ィルム面上にバ−コ−タ−を用いて塗布し被覆層を設け
た。塗布後、100℃で2分間乾燥し、乾燥後乾式ジア
ゾ複写機RICOPYSM2300F((株)リコ−
製)で現像した。この未露光部(発色部)に新東科学
(株)製表面性測定機HEIDON−14DRを用い
て、先端が0.1mmφのサファイア針を直角にあてが
い、サンプル移動速度100mm/minでサファイア
針に掛かる荷重を変更し、先の未露光部(発色部)表面
が傷つき始める荷重を耐スクラッチ性の指標とし以下の
基準で判定した。なお、表面が傷つき始める荷重は鉛筆
硬度と相関しているものである。 ○ :120g以上 △ :80〜120g未満 × :80g未満 (4)耐溶剤性 基材フィルム上に設けられた水性樹脂層の表面を、綿棒
に該水性樹脂層を介して設けられるコ−ト層の溶剤を含
ませ、荷重50gを掛けながら綿棒の横面(腹)で5回
往復させた時に該水性樹脂層の面積残存率から下記のよ
うに耐溶剤性を判定した。
【0045】(耐溶剤性判定基準)
【表1】 (4)ガラス転移温度 易接着層形成樹脂中のアクリル樹脂を示差走査熱量計
(PERKIN ELMER DSC−2型(PERK
IN ELMER社製)を用いて、300℃、5分ホ−
ルド後、急冷してから昇温速度20℃/分で測定した。
【0046】次に本発明を実施例に基ずいて説明するが
必ずしもこれに限定されるものではない。
【0047】
【実施例】
実施例1 平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.015%
および平均粒径1.5μmの同じくコロイダルシリカを
0.005%含有するPETペレット(極限粘度0.6
2dI/g)を充分に真空乾燥した後、押出機に供給し
て280℃で溶融押出し、10μmカットの金属焼結フ
ィルタ−で瀘過した後、T型口金よりシ−ト状に押出
し、これを30℃の冷却ドラムに巻き付けて冷却固化せ
しめた。この間のシ−トと冷却ドラムとの密着性を向上
させるため、シ−ト側にワイヤ−電極を配置して6KV
の直流電圧を印加した。かくして得られた未延伸PET
フィルムを95℃に加熱して長手方向に3.5倍延伸
し、一軸延伸フィルムとした。このフィルムの一方の面
に空気雰囲気中でコロナ放電処理を施し、その処理面に
下記の配合比(固形分比)となるような水性樹脂層形成
料を調製し、グラビアコ−ト方式で塗布した。塗布厚み
は二軸延伸後において水性樹脂層が0.1μmとなるよ
うにした。
【0048】 [水性樹脂層形成塗料] 配合比 (A)MMA/BA/AA/AN共重合アクリル樹脂エマルジョン 95wt% MMA:メチルメタクリレ−ト BA :ブチルアクリレ−ト AA :アクリル酸 AN :アクリロニトリル (B)ヘキサメチロ−ルメラミン 5wt% この水性樹脂塗剤が塗布された一軸延伸フイルムを11
0℃に加熱された予熱ゾ−ンに導き水分を乾燥させた
後、連続的に130℃の加熱ゾ−ンでクリップに把持し
て幅方向に3.5倍延伸し、続いて225℃の加熱ゾ−
ンで5秒間熱処理を施し、水性樹脂層厚み0.1μmを
設けた厚み50μmの積層ポリエステルフィルムを得
た。
【0049】この易接着性ポリエステルフィルムの評価
結果を表2に示す。更にエチレングリコ−ルモノメチル
エ−テル(メチルセロソルブ)を主成分とするものを溶
剤としてジアゾ感材層を水性樹脂層の上に設けた。この
水性樹脂層側に設けたジアゾ感材コ−ト層の密着性、耐
スクラッチ性は極めて良好であり、高温高湿環境下にお
いても密着性の低下がなかった。なお、該水性樹脂層の
耐溶剤性は3であった。
【0050】実施例2 実施例1の(A)(B)の各成分比を下記のように変更
した以外は実施例1とまったく同様にして、水性樹脂層
を形成するための水性塗剤を作成し、水性樹脂層厚み
0.1μmを設けた厚み50μmの積層ポリエステルフ
ィルムを得た。この積層ポリエステルフィルムの評価結
果を表2に示す。この水性樹脂層側に設けたジアゾ感材
コ−ト層の密着性、耐スクラッチ性は極めて良好であ
り、高温高湿環境下においても密着性の低下がなかっ
た。なお、該水性樹脂層の耐溶剤性は4であった。
【0051】 (A)MMA/BA/AA/AN共重合アクリル樹脂エマルジョン 90wt% (B)ヘキサメチロ−ルメラミン 10wt% 実施例3 実施例1の(A)(B)の各成分比を下記のように変更
した以外は実施例1とまったく同様にして、水性樹脂層
を形成するための水性塗剤を作成し、水性樹脂層厚み
0.1μmを設けた厚み50μmの積層ポリエステルフ
ィルムを得た。この積層ポリエステルフィルムの評価結
果を表2に示す。この水性樹脂層側に設けたジアゾ感材
コ−ト層の密着性、耐スクラッチ性は極めて良好であ
り、高温高湿環境下においても密着性の低下がなかっ
た。なお、該水性樹脂層の耐溶剤性は5であった。
【0052】 (A)MMA/BA/AA/AN共重合アクリル樹脂エマルジョン 80wt% (B)ヘキサメチロ−ルメラミン 20wt% 実施例4 水性樹脂層の組成を下記のように変更した以外は、実施
例1とまったく同様にして、水性樹脂層を形成するため
の水性塗剤を作成し、水性樹脂層厚み0.1μmを設け
た厚み50μmの積層ポリエステルフィルムを得た。こ
の積層ポリエステルフィルムの評価結果を表2に示す。
この水性樹脂層側に設けたジアゾ感材コ−ト層の密着
性、耐スクラッチ性は極めて良好であり、高温高湿環境
下においても密着性の低下がなかった。なお、該水性樹
脂層の耐溶剤性は6であった。
【0053】 (A)MMA/BA/AA/AN共重合アクリル樹脂エマルジョン 47.5wt% (B)TPA/IPA//EG/NPG/1,4−BD共重合ポリエステル 47.5wt% TPA :テレフタル酸 IPA :イソフタル酸 EG :エチレングリコ−ル NPG :ネオペンチルグリコ−ル 1,4−BD:1,4−ブタンジオ−ル (C)ヘキサメチロ−ルメラミン 5.0wt% 実施例5 水性樹脂層の組成を下記のように変更した以外は、実施
例1とまったく同様にして、水性樹脂層を形成するため
の水性塗剤を作成し、水性樹脂層厚み0.1μmを設け
た厚み50μmの積層ポリエステルフィルムを得た。こ
の積層ポリエステルフィルムの評価結果を表2に示す。
この水性樹脂層側に設けたジアゾ感材コ−ト層の密着
性、耐スクラッチ性は極めて良好であり、高温高湿環境
下においても密着性の低下がなかった。なお、該水性樹
脂層の耐溶剤性は6であった。
【0054】 (A)MMA/BA/AA/AN共重合アクリル樹脂エマルジョン 50wt% (B)TPA/IPA//EG/NPG/1,4−BD共重合ポリエステル 50wt% 実施例6 水性樹脂層の組成を下記のように変更した以外は、実施
例1とまったく同様にして、水性樹脂層を形成するため
の水性塗剤を作成し、水性樹脂層厚み0.1μmを設け
た厚み50μmの積層ポリエステルフィルムを得た。こ
の積層ポリエステルフィルムの評価結果を表2に示す。
この水性樹脂層側に設けたジアゾ感材コ−ト層の密着
性、耐スクラッチ性は極めて良好であり、高温高湿環境
下においても密着性の低下がなかった。なお、該水性樹
脂層の耐溶剤性は6であった。
【0055】 (A)MMA/EA/AA/GMA共重合アクリル樹脂エマルジョン 70wt% GMA :グリシジルメタクリレート (B)TPA/IPA//EG/NPG/1,4−BD共重合ポリエステル 30wt% 実施例7 水性樹脂層の組成を下記のように変更した以外は、実施
例1とまったく同様にして、水性樹脂層を形成するため
の水性塗剤を作成し、水性樹脂層厚み0.1μmを設け
た厚み50μmの積層ポリエステルフィルムを得た。こ
の積層ポリエステルフィルムの評価結果を表2に示す。
この水性樹脂層側に設けたジアゾ感材コ−ト層の密着
性、耐スクラッチ性は極めて良好であり、高温高湿環境
下においても密着性の低下がなかった。なお、該水性樹
脂層の耐溶剤性は4であった。
【0056】 (A)MMA/EA/アクリルアミド/GMA共重合アクリル樹脂エマルジョン 100wt% GMA :グリシジルメタクリレート (B)ヘキサメチロールメラミン 5.0wt% 実施例8 基材フィルムとして、実施例1で用いたポリエチレンテ
レフタレ−トの代わりに、アクリル共重合樹脂とヘキサ
メチロ−ルメラミンをポリエチレンテレフタレ−トに混
合して用いた以外は、実施例1と全く同様にして、水性
樹脂層厚み0.1μmを設けた厚み50μmの積層ポリ
エステルフィルムを得た。すなわち、アクリル共重合樹
脂95重量%、ヘキサメチロ−ルメラミン5重量%との
混合物10重量%をポリエチレンテレフタレ−トに混合
して用いた。基材フィルムに塗布する水性樹脂層の組成
は実施例1と全く同様のものを用いた。この積層ポリエ
ステルフィルムの評価結果を表2に示す。この水性樹脂
層側に設けたジアゾ感材コ−ト層の密着性、耐スクラッ
チ性は極めて良好であり、高温高湿環境下においても密
着性の低下がなかった。
【0057】実施例9 基体フィルムをポリエチレンテレフタレ−トに代えて、
ポリエチレン2,6−ナフタレ−トにした他は実施例1
と同様にして本発明の積層フィルムを得た。即ち、エチ
レングリコ−ルとナフタレン2,6−ジカルボン酸ジメ
チルをエステル交換反応後、重縮合し、極限粘度0.6
7のポリエチレン2,6−ナフタレ−ト(2,6−PE
N)チップを製造した。エステル交換反応条件は、触媒
として酢酸カルシウムを用い、200〜230℃で7時
間、重縮合反応は三酸化アンチモンを用い、280〜3
00℃で3時間であった。このチップに平均粒径0.2
μmの二酸化ケイ素0.2重量%を含有させた後、十分
に乾燥し、押出機に供給して300℃で溶融し、10μ
mカットの金属焼結フィルタ−で瀘過した後、T字型口
金よりシ−ト状に押出し、これを表面温度30℃の冷却
ドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この間のシ−ト
と冷却ドラム表面との密着性を向上させるため、シ−ト
側にワイヤ−電極を配置して、6,000Vの直流電圧
を印加した。かくして得られた未延伸の2,6−PEN
フィルムを140℃に加熱されたロ−ル間で縦方向に
4.0倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。このフィル
ムの片面に空気雰囲気中でコロナ放電処理を施し、その
処理面にグラビアコ−ト方式で、実施例1で使用したの
と同様の水性樹脂層を二軸延伸後の厚みが0.1μmに
なるように塗布した。塗布された一軸延伸フィルムをテ
ンタ−内に導き130℃の温度で幅方向に4.0倍延伸
し、続いて215℃で5秒間熱処理を施し、水性樹脂層
厚み0.1μmを設けた厚み50μmの積層ポリエステ
ルフィルムを得た。この水性樹脂層側に設けたジアゾ感
材コ−ト層の密着性、耐スクラッチ性は極めて良好であ
り、高温高湿環境下においても密着性の低下がなかっ
た。
【0058】比較例1 平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.015%
および平均粒径1.5μmの同じくコロイダルシリカを
0.005%含有するPETペレット(極限粘度0.6
2dI/g)を充分に真空乾燥した後、押出機に供給し
て280℃で溶融押出し、10μmカットの金属焼結フ
ィルタ−で瀘過した後、T型口金よりシ−ト状に押出
し、これを30℃の冷却ドラムに巻き付けて冷却固化せ
しめた。この間のシ−トと冷却ドラムとの密着性を向上
させるため、シ−ト側にワイヤ−電極を配置して6KV
の直流電圧を印加した。かくして得られた未延伸PET
フィルムを95℃に加熱して長手方向に3.5倍延伸
し、一軸延伸フィルムとした。このフィルムの一方の面
に空気雰囲気中でコロナ放電処理を施し、その処理面に
アクリル共重合樹脂単独の水性樹脂層形成塗料を調製し
グラビアコ−ト方式で塗布した。塗布厚みは二軸延伸後
において水性樹脂層が0.1μmとなるようにした。
【0059】 (A)MMA/BA/AA/AN共重合アクリル樹脂エマルジョン 100wt% この水性塗剤が塗布された一軸延伸フイルムを110℃
に加熱された予熱ゾ−ンに導き水分を乾燥させた後、連
続的に130℃の加熱ゾ−ンでクリップに把持して幅方
向に3.5倍延伸し、続いて225℃の加熱ゾ−ンで5
秒間熱処理を施し、水性樹脂層厚み0.1μmを設けた
厚み50μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0060】この積層ポリエステルフィルムの評価結果
を表2に示す。この水性樹脂層側に設けたジアゾ感材コ
−ト層の密着性、耐スクラッチ性は劣っており、高温高
湿環境下においても密着性の低下があった。なお、該水
性樹脂層の耐溶剤性は1であった。
【0061】比較例2 水性樹脂層の組成を下記のように変更した他は、実施例
1と全く同様にして、水性樹脂層厚み0.1μmを設け
た厚み50μmの積層ポリエステルフィルムを得た。こ
の積層ポリエステルフィルムの評価結果を表2に示す。
耐スクラッチ性が劣っていた。なお、該水性樹脂層の耐
溶剤性は8であった。
【0062】 (A)MMA/BA/AA/AN共重合アクリル樹脂 65wt% (B)ヘキサメチロ−ル化メラミン 35wt% 比較例3 組成を下記のように変更した他は実施例1とまったく同
様にして水性樹脂層厚み0.1μmを設けた厚み50μ
mの積層ポリエステルフィルムを得た。この積層ポリエ
ステルフィルムの評価結果を表2に示す。耐スクラッチ
性、高温高湿環境下においての密着性が劣っていた。な
お、該水性樹脂層の耐溶剤性は1であった。
【0063】 (A)MMA/BA/AA/AN共重合アクリル樹脂 99.5wt% (B)ヘキサメチロ−ル化メラミン 0.5wt% 比較例4 組成を下記のように変更した他は実施例1とまったく同
様にして水性樹脂層厚み0.1μmを設けた厚み50μ
mの積層ポリエステルフィルムを得た。この積層ポリエ
ステルフィルムの評価結果を表2に示す。耐スクラッチ
性、密着性、高温高湿環境下においての密着性が劣って
いた。なお、該水性樹脂層の耐溶剤性は8であった。
【0064】 (A)TPA/IPA//EG/NPG/1,4−BD共重合ポリエステル 100wt%
【表2】
【0065】
【本発明の効果】本発明は、基体フィルムの少なくとも
片面に、水性樹脂層を介してコ−ト層が設けられてなる
積層フィルムにおいて、該水性樹脂として、該コ−ト層
をコ−ティングする際に用いられる溶剤に対する耐溶剤
性が2〜7であるものを用いることを特徴とする積層フ
ィルムであって高温高湿環境下での密着性に優れ、耐ス
クラッチ性を有し、ジアゾ感光フィルムなどに使用され
る基材フィルム等に好ましく用いられる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの少なくとも片面に、水性
    樹脂層を介してコ−ト層が設けられてなる積層フィルム
    において、該コ−ト層をコ−ティングする際に用いられ
    る溶剤に対する、該水性樹脂の耐溶剤性が2〜7である
    ことを特徴とする積層フィルム。
  2. 【請求項2】 水性樹脂層の厚さが0.005〜3μm
    であることを特徴とする請求項1記載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】 水性樹脂層に架橋剤を0.5〜30重量
    %含有していることを特徴とする請求項1または2に記
    載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 水性樹脂がアクリル樹脂および/または
    ポリエステル樹脂からなることを特徴とする請求項1〜
    3に記載の積層フィルム。
  5. 【請求項5】 アクリル樹脂がアクリロニトリルを共重
    合したことを特徴とする請求項4に記載の積層フィル
    ム。
  6. 【請求項6】 アクリル樹脂がエポキシ基及び/又はア
    ミド基含有共重合体であることを特徴とする請求項4又
    は5に記載の積層フィルム。
  7. 【請求項7】 ポリエステル樹脂が分子内にスルホン酸
    塩基を有しない水性ポリエステル樹脂からなることを特
    徴とする請求項4〜6に記載の積層フィルム。
  8. 【請求項8】 コ−ト層がジアゾ感材層であることを特
    徴とする請求項1〜7に記載の積層フィルム。
  9. 【請求項9】 基材フィルムが、エチレンテレフタレ−
    トまたはエチレン−2,6−ナフタレ−トを主要構成成
    分とするポリマからなることを特徴とする請求項1〜8
    に記載の積層フィルム。
JP7047465A 1994-09-28 1995-03-07 積層フィルム Pending JPH08151466A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7047465A JPH08151466A (ja) 1994-09-28 1995-03-07 積層フィルム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23350194 1994-09-28
JP6-233501 1994-09-28
JP7047465A JPH08151466A (ja) 1994-09-28 1995-03-07 積層フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08151466A true JPH08151466A (ja) 1996-06-11

Family

ID=26387637

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7047465A Pending JPH08151466A (ja) 1994-09-28 1995-03-07 積層フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08151466A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006321165A (ja) * 2005-05-20 2006-11-30 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ポリスチレン系熱収縮性フィルム及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006321165A (ja) * 2005-05-20 2006-11-30 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ポリスチレン系熱収縮性フィルム及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5166740B2 (ja) 反射板用白色ポリエステルフィルム
JP3339167B2 (ja) 易接着性ポリエステルフィルム
JPH08281890A (ja) 積層ポリエステルフィルム及び昇華型感熱転写材
JP3395493B2 (ja) 積層ポリエステルフィルムおよび積層ポリエステルフィルムの製造法
JPH05318678A (ja) 易接着性ポリエステルフィルム
JP3271688B2 (ja) 昇華型感熱転写材
JP2886024B2 (ja) コーティング剤及び該剤を塗布した易接着性ポリエステルフイルム
JP3749555B2 (ja) 易接着性水性塗剤及びこれを塗布したポリエステルフィルム
JPH06336532A (ja) 易接着性ポリエステルフィルム
JP4101602B2 (ja) 帯電防止性ポリエステルフィルム
JPH08151466A (ja) 積層フィルム
JPH08311221A (ja) 易接着フィルムおよびその製造方法
JP3122001B2 (ja) 積層フイルム
JPH08198989A (ja) 積層ポリエステルフィルム及び昇華型感熱転写材
JP3183084B2 (ja) 積層フィルム
JP3640026B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム及びその製造方法
JP2001341241A (ja) 積層フィルムおよびその製造方法
JP2959016B2 (ja) 易接着性ポリエステルフィルム
JPH09109345A (ja) ジアゾ第二原図用ポリエステルフィルム
JP3341512B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム及び積層体
WO1981002640A1 (en) Improvements in coated film bases,photographic films derived from the bases and processes for their production
JP3097251B2 (ja) 易接着性ポリエステルフイルム
JP2946786B2 (ja) 昇華型感熱転写材
JPH0985919A (ja) ジアゾ易接着用積層ポリエステルフィルム
JPS6334139A (ja) 易接着性ポリエステルフイルム及びその製造方法