JP2007149600A - 色素増感型太陽電池用積層フィルムおよびそれを用いた色素増感型太陽電池用電極 - Google Patents

色素増感型太陽電池用積層フィルムおよびそれを用いた色素増感型太陽電池用電極 Download PDF

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玲 西尾
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Abstract

【課題】透明導電層と多孔質半導体層の密着性に優れ、耐久性を有しながら光発電性能の高い色素増感太陽電池を作成することができる、色素増感型太陽電池用積層フィルムおよび電極を提供する。
【解決手段】ポリエステルフィルムおよびそのうえに設けらた析出防止層からなり、波長380nmでの光線透過率が5%以下、400nmでの光線透過率が50%以下、420nmでの光線透過率が70%以上である析出防止ポリエステルフィルムと、該析出防止ポリエステルフィルムうえに設けられた透明導電層と、からなる色素増感型太陽電池用積層フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は色素増感型太陽電池用積層フィルムおよびそれを用いた色素増感型太陽電池用電極に関する。
色素増感型太陽電池は、色素増感半導体微粒子を用いた光電変換素子が提案されて以来[「ネイチャー(Nature)」 第353巻、第737〜740ページ、(1991年)]、シリコン系太陽電池に替る新たな太陽電池として注目されている。特に、支持体としてプラスチックフィルムを用いた色素増感型太陽電池は、柔軟化や軽量化が可能であり、数多くの検討がなされてきた。
しかしながら、プラスチックフィルムを支持体として用いた場合、透明導電層上への多孔質半導体層の加工が困難であり、透明導電層と多孔質半導体の密着性を確保することが難しく、ガラスを支持体として用いた場合に比べて多くの問題点がある。
プラスチックフィルムの中でもポリエステルフィルムは、安価でありながら高透明でかつ耐熱性を有するため、色素増感型太陽電池用の支持体として有用な素材である。しかしながら、ポリエステルフィルム上の透明導電層の表面特性が適当でないと、透明導電層と多孔質半導体層との密着性を確保することは非常に困難となり、光発電性能が低下するという問題がある。
また色素増感型太陽電池では、光(特に紫外線)に励起されて活性となる金属酸化物系半導体を電極材料として用いるため、光増感材として吸着させた色素が劣化し、光発電効率が徐々に低下する問題がある。
これに対して、特開2003−217690号公報などでは、紫外線吸収剤を含む樹脂層を塗工により設ける方法が提案されている。しかしながら色素増感太陽電池に幅広く用いられている金属酸化物系半導体である酸化チタンの励起波長である400nmを遮蔽することは困難である。そこでこれらの紫外線吸収剤により十分な紫外線遮蔽効果を得ようとすると、樹脂層の厚みを厚くする必要があり、技術的に困難であり不経済である。さらにこれらの紫外線吸収剤の場合吸収波長が可視光に幅広くかかる場合には、光発電効率が低下するという問題がある。
特開平11−288745号公報 特開2001−160426号公報 特開2002−50413号公報 特開2003−217690号公報
本発明はかかる従来技術の問題を解決し、多孔質半導体層の加工性・密着性を高め、さらに長期間太陽光に暴露しても、金属酸化物系半導体の光励起等による色素の劣化を抑制し光発電効率を高く維持することのできる色素増感型太陽電池用積層フィルムを提供することを目的とする。
すなわち本発明の課題は、透明導電層と多孔質半導体層の密着性に優れ、耐久性を有しながら光発電性能の高い色素増感太陽電池を作成することができる、色素増感型太陽電池用積層フィルムおよびそれを用いた色素増感型太陽電池用電極を提供することにある。
すなわち本発明は、ポリエステルフィルムおよびそのうえに設けらた析出防止層からなり、波長380nmでの光線透過率が5%以下、400nmでの光線透過率が50%以下、420nmでの光線透過率が70%以上である析出防止ポリエステルフィルムと、該析出防止ポリエステルフィルムうえに設けられた透明導電層と、からなる色素増感型太陽電池用積層フィルムである。
本発明によれば、透明導電層と多孔質半導体層の密着性に優れ、耐久性を有しながら光発電性能の高い色素増感太陽電池を作成することができる、積層ポリエステルフィルムおよびそれを用いた色素増感型太陽電池用電極を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[析出防止ポリエステルフィルム]
本発明における析出防止ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムおよびそのうえに設けらた析出防止層からなり、波長380nmでの光線透過率が5%以下、400nmでの光線透過率が50%以下、420nmでの光線透過率が70%以上である。波長380nmでの光線透過率が5%を超えるか400nmでの光線透過率が50%を超えると色素増感太陽電池を作成した際、これに含まれる酸化チタンなど金属酸化物半導体が光により励起し金属酸化物半導体表面に吸着した色素を劣化させる。420nmでの光線透過率が70%未満であると透過する光の量が減り光発電効率が低下する。
[ポリエステル]
この析出防止ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムとして、波長380nmでの光線透過率が5%以下、400nmでの光線透過率が50%以下かつ420nmでの光線透過率が70%以上であるポリエステルフィルムを用いる。
このポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである。
かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等を例示することができ、これらの共重合体またはこれと小割合の他樹脂とのブレンドであってもよい。これらのポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスが良いので好ましい。
ポリエステルは、ホモポリマーでも、第三成分を共重合したコポリマーでもよいが、ホモポリマーが好ましい。ポリエステルがポリエチレンテレフタレートである場合、コポリマーとしてイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートが最適である。このイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートは、イソフタル酸が5mol%以下であることが好ましい。ポリエステルにはイソフタル酸以外の共重合成分または共重合アルコール成分が、その特性を損なわない範囲、例えば全酸成分又は全アルコール成分に対して3モル%以下の割合で、共重合されていてもよい。該共重合酸成分としては、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸等が例示でき、またアルコール成分としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等が例示できる。これらは単独または二種以上を使用することができる。
ポリエステルがポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートである場合、主たるジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸が用いられ、主たるグリコール成分としてエチレングリコールが用いられる。ナフタレンジカルボン酸としては、たとえば2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸を挙げることができ、これらの中で2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。ここで「主たる」とは、本発明のフィルムの成分であるポリマーの構成成分において全繰返し単位の少なくとも90mol%、好ましくは少なくとも95mol%を意味する。
コポリマーである場合、コポリマーを構成する共重合成分としては、分子内に2つのエステル形成性官能基を有する化合物を用いることができ、かかる化合物としては例えば、蓚酸、アジピン酸、フタル酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸等の如きジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸の如きオキシカルボン酸、或いはプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールスルホンのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールの如き2価アルコールを好ましく用いることができる。
これらの化合物は1種のみ用いてもよく、2種以上を用いることができる。またこれらの中で好ましくは酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、p−オキシ安息香酸であり、グリコール成分としてはトリメチレングリコール、シクロヘキサンジメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールスルホンのエチレンオキサイド付加物である。
また、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートは、例えば安息香酸、メトキシポリアルキレングリコールなどの一官能性化合物によって末端の水酸基および/またはカルボキシル基の一部または全部を封鎖したものであってよく、極く少量の例えばトリメリット酸、グリセリン、ペンタエリスリトール等の如き三官能以上のエステル形成性化合物で実質的に線状のポリマーが得られる範囲内で共重合したものであってもよい。
本発明におけるポリエステルは従来公知の方法で、例えばジカルボン酸とグリコールの反応で直接低重合度ポリエステルを得る方法や、ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとを従来公知のエステル交換触媒である、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、コバルトを含む化合物の一種または二種以上を用いて反応させた後、重合触媒の存在下で重合反応を行う方法で得ることができる。重合触媒としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンのようなアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウムで代表されるようなゲルマニウム化合物、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラフェニルチタネートまたはこれらの部分加水分解物、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルカリウム、チタントリスアセチルアセトネートのようなチタン化合物を用いることができる。
エステル交換反応を経由して重合を行う場合は、重合反応前にエステル交換触媒を失活させる目的でトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、正リン酸等のリン化合物が通常は添加されるが、リン元素としてのポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート中の含有量が20〜100ppmであることがポリエステルの熱安定性の点から好ましい。
なお、ポリエステルは、溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素などの不活性気流中において更に固相重合を施してもよい。
本発明においてポリエステルは、エチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−カルボキシレート単位を90モル%以上、好ましくは95%以上、更に好ましくは97%以上有するポリエステルが好ましい。
ポリエステルの固有粘度は0.40dl/g以上であることが好ましく、0.40〜0.90dl/gであることが更に好ましい。固有粘度が0.40dl/g未満では工程切断が多発することがある。また0.9dl/gより高いと溶融粘度が高いため溶融押出しが困難になり、重合時間が長く不経済であり好ましくない。
本発明におけるポリエステルフィルムは、実質的に粒子を含有しないことが好ましい。粒子を含有していると高透明性が損なわれたり、表面が粗面化し透明導電層の加工が困難になることがある。
[紫外線吸収剤]
本発明におけるポリエステルフィルムは、波長380nmでの光線透過率が5%以下、400nmでの光線透過率が50%以下かつ420nmでの光線透過率が70%以上であることが肝要である。
この光線透過率を備えるポリエステルフィルムは、上述のポリエステルに紫外線吸収剤を、好ましくは0.05〜30重量%、さらに好ましくは0.08〜20重量%含有させ、フィルムとすることで得ることができる。紫外線吸収剤の配合量がこの範囲であれば、紫外線吸収効果を発揮し、なおかつ均一に分散させることができて好ましい。
紫外線吸収剤としては、下記式(I)及び(II)で表される環状イミノエステルから選ばれる少なくとも一種類の化合物を用いるのが好ましい。
Figure 2007149600
Figure 2007149600
(ここで、Aは下記式(II)−a
Figure 2007149600
で表わされる基であるか
又は
下記式(II)−b
Figure 2007149600
で表わされる基であり;RおよびRは同一もしくは異なる1価の炭化水素残基であり、Xはナフタレン環残基である。)
前記(I)式でXは、上記式に表わされたXからの2本の結合手が1位、2位の位置関係にある、2価の芳香族残基である。Xがナフタレン残基の場合の結合部位として、1,2位、2,3位などが挙げられるが、より好ましくは2、3位である。またXは一部置換されていても良い。置換基として例えば炭素数1〜10のアルキル例えばメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシル等;炭素数6〜12のアリール例えばフェニル等;炭素数5〜12のシクロアルキル例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等;炭素数8〜20のアラルキル例えばフェニルエチル等;炭素数1〜10のアルコキシ例えばメトキシ、エトキシ、デシルオキシ等;ニトロ;エステル;アミド;イミド;ハロゲン例えば塩素、臭素等;炭素数2〜10のアシル例えばアセチル、プロポニル、ゼンゾイル、デカノイル等;などが挙げられる。
は1,2または3価の芳香族残基である。n=1の場合Xは1価であり同様にn=2では2価、n=3では3価である。Xがナフタレン残基でなおかつn=1の場合、結合部位は1位もしくは2位が挙げられる。より好ましくは2位である。またXがナフタレン残基でなおかつn=2の場合の結合部位は1、2位、1,3位、1,4位、1,5位、1,6位、1,7位、1,8位、2,3位、2,6位、2,7位が挙げられる。よりこのましくは結合基同士が離れている1,3位、1,4位、1,5位、1,6位、2,6位、2,7位である。更に好ましくは2,6位である。X2がナフタレン残基でなおかつn=3の場合、1,2,3位、1,2,4位、1,2,5位、1,2,6位、1,2,7位、1,2,8位、2,3,5位、2,3,6位、1,3,5位、1,3,6位、1,3,7位、1,3,8位、1,4,5位、1,4,6位が挙げられる。より好ましくは結合部位が離れている、1,3,5位、1,3,6位、1,3,7位、1,4,6位が挙げられる。
は一部置換されていても良い。置換基として例えば炭素数1〜10のアルキル例えばメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシル等;炭素数6〜12のアリール例えばフェニル等;炭素数5〜12のシクロアルキル例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等;炭素数8〜20のアラルキル例えばフェニルエチル等;炭素数1〜10のアルコキシ例えばメトキシ、エトキシ、デシルオキシ等;ニトロ;ハロゲン例えば塩素、臭素等;炭素数2〜10のアシル例えばアセチル、プロポニル、ゼンゾイル、デカノイル等;などが挙げられる。(I)式として例えば以下の化合物が挙げられる。
n=1の場合
Figure 2007149600
ここで芳香族環の一部が置換されていても良い。置換基としては前記置換基が挙げられる。
n=2の場合
Figure 2007149600
ここで芳香族環の一部が置換されていても良い。置換基としては前記置換基が挙げられる。
n=3の場合
Figure 2007149600
Figure 2007149600
Figure 2007149600
ここで芳香族環の一部が置換されていても良い。置換基としては前記置換基が挙げられる。
前記(II)式でXは、4価のナフタレン環である。環状イミノエステル及びAとの結合部位としては1,2位と3,4位、1,2位と5,6位、1,2位と6,7位、1,2位と7,8位、2,3位と5,6位、2,3位と6,7位が挙げられる。より好ましくは、1,2位と5,6位、1,2位と6,7位、2,3位と6,7位である。Xは一部置換されていても良い。置換基として例えば炭素数1〜10のアルキル例えばメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシル等;炭素数6〜12のアリール例えばフェニル等;炭素数5〜12のシクロアルキル例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等;炭素数8〜20のアラルキル例えばフェニルエチル等;炭素数1〜10のアルコキシ例えばメトキシ、エトキシ、デシルオキシ等;ニトロ;ハロゲン例えば塩素、臭素等;炭素数2〜10のアシル例えばアセチル、プロポニル、ゼンゾイル、デカノイル等;などが挙げられる。
及びRとしては、1価の炭化水素基であれば良い。例えば炭素数1〜10のアルキル例えばメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシル等;炭素数6〜12のアリール例えばフェニル等;炭素数5〜12のシクロアルキル例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等;炭素数8〜20のアラルキル例えばフェニルエチル等;炭素数1〜10のアルコキシ例えばメトキシ、エトキシ、デシルオキシ等;エステル;アミド;イミド;ニトロ;ハロゲン例えば塩素、臭素等;炭素数2〜10のアシル例えばアセチル、プロポニル、ゼンゾイル、デカノイル等;フェニル、ナフチル基などが挙げられる。
化合物(I)として例えば以下の化合物が挙げられる。
Figure 2007149600
Figure 2007149600
ここで芳香族環の一部が置換されていても良い。置換基としては前記置換基が挙げられる。
紫外線吸収剤のポリエステルへの添加は、例えば、ポリエステル重合工程、フィルム製膜前の溶融工程でのポリマー中への練込み、二軸延伸フィルムへの含浸、といった方法により行なうことができる。特にポリエステル重合度低下を防止する意味でもフィルム製膜前の溶融工程でのポリマー中への練込みが好ましい。その際、紫外線吸収剤の練込みは、化合物粉体の直接添加法、マスターバッチ法などにより行うことができる。
本発明におけるポリエステルフィルムは、200℃で10分処理した際のフィルムの長手方向と幅方向における熱収縮率の差の絶対値が0.8%以下、好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.3%以下である。熱収縮率の差の絶対値が0.8%を越えると、積層フィルムの透明導電層と多孔質半導体の密着性が悪化し、色素増感型太陽電池を作成した際、十分な光発電性能が得られなくなる。なお、フィルムの長手方向の熱収縮率は小さい方が好ましく、0%以上、0.5%以下、さらに0%以上、0.3%以下であることが好ましい。
[ポリエステルフィルム物性]
本発明におけるポリエステルフィルムは、より効率良く光発電を行うために、ヘーズ値が好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以下、特に好ましくは0.5%以下である。そして、3次元中心線平均粗さは、両面共に好ましくは0.0001〜0.02μm、さらに好ましくは、0.0001〜0.015μm、特に好ましくは0.0001〜0.010μmである。特に、少なくとも片面の3次元中心線平均粗さが0.0001〜0.005μmであると、透明導電層の加工がしやすくなるので好ましい。少なくとも片面の最も好ましい表面粗さは0.0005〜0.004μmである。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは20〜400μm、特に好ましくは50〜300μmである。10μm未満であると電池を組み立てる際、取り扱いが困難になるため好ましくなく、500μmを超えるとフィルムの生産性が落ちるため好ましくない。
[析出防止層]
本発明における析出防止ポリエステルフィルムは、上記のポリエステルフィルムのうえに析出防止層を設けたものである。この析出防止層の厚さは好ましくは0.01〜2μm、さらに好ましくは0.01〜0.2μmである。この範囲の厚みの析出防止層を設けることで、ポリマーのオリゴマーや紫外線吸収等の添加物の析出物を押さえ、光線透過率の高い析出防止ポリエステルフィルムを得ることができる。0.01μm未満であるとオリゴマーや添加物の析出を十分に抑制できないため好ましくなく、2μmを超えると塗膜作成の工程が煩雑になるため好ましくない。析出防止層は、ポリエステルフィルムの片面に設けてもよく、両面に設けてもよい。
析出防止層は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂および架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの成分からなる。
[ポリエステル樹脂]
ポリエステル樹脂の分子量は、好ましくは7.0×10〜8.0×10、さらに好ましくは1.0×10〜5.0×10である。この範囲の分子量のポリエステル樹脂を用いるとフィルムの製造中もしくは取り扱い中の析出を効果的に抑制できる。高分子量ポリエステル樹脂のガラス転移点は、好ましくは20〜100℃、さらに好ましくは30〜90℃である。ガラス転移点が20℃未満であるとフィルム同士のブロッキングが発生する場合があり好ましくなく、100℃を超えると塗布層が脆くなり密着性が保てなくなる場合があるため好ましくない。
析出防止層に架橋剤を併用しないときは、ポリエステル樹脂として分子量の高いものを用いることが好ましく、具体的には分子量1.0×10〜8.0×10のものを用いることが好ましい。
ポリエステル樹脂としては、以下のような多塩基酸またはそのエステル形成誘導体とポリオールまたはそのエステル形成誘導体から成るポリエステルを用いることができる。すなわち、多塩基酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2、6ーナフタレンジカルボン酸、1、4ーシクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等が挙げられる。これら酸成分を2種以上用いて共重合ポリエステル樹脂を合成する。また、若干量ながら不飽和多塩基酸成分のマレイン酸、イタコン酸等およびp−ヒドロキシ安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸を用いることができる。また、ポリオール成分としては、エチレングリコール、1、4ーブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、6ーヘキサンジオール、1、4ーシクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール等が挙げられる。また、これらモノマーが挙げられる。
[アクリル樹脂]
アクリル樹脂の分子量は、好ましくは1.0×10〜9.0×10、さらに好ましくは1.0×10〜5.0×10である。この範囲の分子量のアクリル樹脂を用いるとフィルムの製造中もしくは取り扱い中の析出を効果的に抑制できる。アクリル樹脂のガラス転移点は、好ましくは20〜100℃、さらに好ましくは30〜90℃である。ガラス転移点が20℃未満であるとフィルム同士のブロッキングが発生する場合があり好ましくなく、100℃を超えると塗布層が脆くなり密着性が保てなくなる場合があるため好ましくない。
アクリル樹脂としては、以下に例示するようなアクリルモノマーを重合してなるアクリル樹脂が挙げられる。このアクリルモノマーとしては、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2ーエチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2ーヒドロキシエチルアクリレート、2ーヒドロキシエチルメタクリレート、2ーヒドロキシプロピルアクリレート、2ーヒドロキシプロピルメタクリレート等の水酸基含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基またはその塩を含有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N、N−ジアルキルアクリルアミド、N、N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、Nーアルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N、N−ジアルコキシアクリルアミド、N、N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、 N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、αーメチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等のモノマーが挙げられる。このなかで、水酸基を含むモノマー、例えば2ーヒドロキシエチルアクリレート、2ーヒドロキシエチルメタクリレート、2ーヒドロキシプロピルアクリレート、2ーヒドロキシプロピルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどが2〜20モル%、好ましくは4〜15モル%含まれていることが好ましい。
[架橋剤]
本発明における架橋剤としては、架橋性の材料を用いる。架橋性の材料としては、例えば、オキサゾリン基含有ポリマー、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂を用いることができる。析出防止層を構成する成分として架橋剤を用いる場合、未硬化の架橋剤成分を含有する塗液をホ゜リエステルフィルムに塗布して、硬化させることにより析出防止層を形成すればよい。この場合、架橋剤は塗液中に固形分重量100重量%あたり10〜100重量%含有されることが好ましい。架橋剤としてオキサゾリン基含有ポリマーを用いる場合、塗液の固形分重量100重量%あたり好ましくは20〜100重量%の濃度で用いる。架橋剤として、尿素樹脂、メラミン樹脂またはエポキシ樹脂を用いる場合、塗液の固形分重量100重量%あたり好ましくは10〜50重量%の濃度で用いる。架橋剤がこの範囲より少ないと塗布層の凝集力が低下し、特に高湿下での接着耐久性が低下するので好ましくない。
オキサゾリン基含有ポリマーとしては、特公昭63−48884号公報、特開平2−60941号公報、特開平2−99537号公報に記載の重合体、あるいはこれらに準じた重合体を挙げることができる。具体的には、下記式で表わされる付加重合性オキサゾリン(a)、および必要に応じて他のモノマー(b)を重合させて得られる重合体が挙げられる。
Figure 2007149600
(但し、式中のR11、R12、R13およびR14は、それぞれ、水素、ハロゲン、アルキル基、アラルキル基、フェニル基および置換フェニル基から選ばれる置換基を示し、R15は付加重合性不飽和結合基を有する非環状有機基を示す。)
前記式で表わされる付加重合性オキサゾリン(a)の具体例としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン等を挙げることができる。これらは1種または2種以上の混合物として使用することができる。これらの中、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的に入手しやすく好適である。
次に、付加重合性オキサゾリン以外のモノマー(b)としては、付加重合性オキサゾリン(a)と共重合可能なモノマーであれば特に制限はなく、例えばアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどの不飽和アミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどの含ハロゲン−α,β−不飽和モノマー類、スチレン、α−メチルスチレンなどのα,β−不飽和芳香族モノマー類などを挙げることができる。これらは1種または2種以上の混合物として使用することができる。
前記付加重合性オキサゾリン(a)および必要に応じて少なくとも1種以上の他のモノマー(b)を用いて重合体を得るためには、従来から知られている重合法によって重合することができる。例えば、乳化重合法(重合触媒、水、界面活性剤およびモノマーを一括混合して重合する方法)、モノマー滴下法、多段重合法、プレエマルジョン法など各種の方法を採用できる。
重合触媒は、従来から知られているものを使用することができる。例えば、過酸化水素、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)2塩酸塩など、通常のラジカル重合開始剤を挙げることができる。
また、界面活性剤としては、従来から知られているアニオン系、ノニオン系、カチオン系および両性界面活性剤や反応性界面活性剤を挙げることができる。
重合温度は、通常0〜100℃、好ましくは50〜80℃である。また、重合時間は、通常1〜10時間である。
付加重合性オキサゾリン(a)および少なくとも1種以上の他のモノマー(b)を用いて重合体を得る場合、付加重合性オキサゾリン(a)の配合量は、全モノマーに対して0.5重量%以上の範囲で適宜決めることが好ましい。付加重合性オキサゾリン(a)の配合量が0.5重量%未満では、本発明の目的を達成することが困難となることがある。
架橋剤として用いるエポキシ樹脂としては、具体的には、ポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物などが挙げられる。このポリエポキシ化合物としては、例えばソルビトトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジルメタキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等を挙げることができる。ジエポキシ化合物としては、例えばネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル等を挙げることができる。また、モノエポキシ化合物としては、例えばアリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。この中でも、N,N,N’,N’−テトラグリシジルメタキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンが好ましく例示できる。
架橋剤として用いる尿素樹脂としては、例えばジメチロール尿素、ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールプロピレン尿素、テトラメチロールアセチレン尿素、4−メトキシ5−ジメチルプロピレン尿素ジメチロールなどを好ましく挙げることができる。
架橋剤として用いるメラミン樹脂としては、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロールメラミン誘導体に低級アルコールとしてメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等を反応させてエーテル化した化合物およびそれらの混合物を好ましく挙げることができる。
メチロールメラミン誘導体としては、例えばモノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンなどを挙げることができる。
これらの架橋剤のなかでも、オキサゾリン基含有ポリマーが、特に優れた析出防止性を示すため好ましい。架橋剤は単独、場合によっては2種以上併用してもよい。
析出防止層には、フィルムのハンドリング性を向上させたり、フィルム同士のブロッキングを防止する目的で、不活性な微粒子を添加してもよい。かかる微粒子としては、有機または無機の微粒子を用いることができ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子を例示することができる。
析出防止層には、より優れた易滑性を得る目的で、さらにワックスを添加してもよい。このワックスの具体例としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスパルトワックス、バークワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックスなどの鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックスなどの合成炭化水素系ワックス等である。就中、ハードコートや粘着剤に対する親和性と滑性が良好なことから、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスが好ましい。ワックスは、環境負荷の低減および取扱のし易さから、水分散体として用いることが好ましい。
析出防止層には、さらに、例えば帯電防止剤、着色剤、界面活性剤、紫外線吸収剤を配合してもよい。
なお、析出防止層を設ける方法としてポリエステルフィルムの製造過程で塗工により設ける方法も用いることができる。この場合には配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムに塗布するのが好ましい。ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸配向フィルム、さらには縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を含むものである。なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに、上記組成物の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すのが好ましい。
その他析出防止層を設ける方法としては、例えばポリエステルフィルムの製造後に析出防止層を設ける方法が挙げられる。この際の手法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーテイング法などのドライコーティング法でも、グラビア方式、リバース方式、ダイ方式などのウェットコーティング法でも構わない。析出防止層を設ける前に、ポリエステルフィルムにコロナ放電処理、プラズマ処理、スパッタエッチング処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、プライマ処理、易接着処理などの公知の前処理を施してもよい。
[製造方法]
次に、本発明の色素増感型太陽電池用積層フィルムの好ましい製造方法について説明する。なおポリマーのガラス転位温度をTgと略記する。
本発明におけるポリエステルフィルムは、ポリエステルをフィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムをTg〜(Tg+60)℃で長手方向に1回もしくは2回以上合計の倍率が3倍〜6倍になるよう延伸し、その後Tg〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3〜5倍になるように延伸し、必要に応じて更にTm180℃〜255℃で1〜60秒間熱処理を行うことにより得ることができる。ポリエステルフィルムの長手方向と幅方向における熱収縮率の差、および長手方向の熱収縮を小さくするためには、特開平57−57628号公報に示されるような、熱処理工程で縦方向に収縮せしめる方法や、特開平1−275031号公報に示されるような、フィルムを懸垂状態で弛緩熱処理する方法などを用いることができる。
析出防止ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムのうえに析出防止層を設けることにより得ることができる。析出防止層は、析出防止層を構成する成分を含む塗液をポリエステルフィルムの製造過程もしくはポリエステルフィルムの製造後に塗布して乾燥することで設けることができる。
得られた析出防止ポリエステルフィルムのうえに、透明導電層を形成する。形成する透明導電層としては、通常、導電性の金属酸化物(フッ素ドープ酸化スズ、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)、金属の薄膜(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウムなど)、炭素材料などが用いられる。この導電層は2種以上を積層したり、複合化させたものでも良い。この中でITOは、光線透過率が高く低抵抗であるため、特に好ましい。表面抵抗の範囲は100Ω/□以下が好ましく、更に好ましくは40Ω/□以下である。
透明導電層の厚みは好ましくは100〜500nmである。これより薄いと十分に表面抵抗値を低くすることができず、厚いと光線透過率が低下するとともに、透明導電層がわれやすくなり、好ましくない。
本発明における透明導電層の表面張力は40mN/m以上、好ましくは65mN/m以上である。表面張力が40mN/m未満であると、透明導電層と多孔質半導体の密着性が劣る。表面張力が65mN/m以上であると、溶媒の主成分が水である水性塗液の塗布による多孔質半導体層の形成が容易になり好ましい。透明導電層の表面張力は、完全水系塗剤の塗布が容易となる75mN/m程度が実用上の上限となる。
上記の表面張力を達成するための手段としては、例えば(1)透明導電性薄膜を酸性もしくはアルカリ性溶液で表面を活性化する方法、(2)紫外線や電子線を薄膜表面に照射して活性化する方法、(3)コロナ処理やプラズマ処理を施して活性化する方法、をとることができる。この中でプラズマ処理により表面を活性化する方法は、高い表面張力が得られるため、特に好ましい。
なお、ポリエステルフィルムと透明導電層との密着性を向上させるために、ポリエステルフィルムと透明導電層の間に易接着層を設けても良い。易接着層の厚みは、好ましくは10〜200nm、さらに好ましくは20〜150nmである。易接着層の厚みが10nm未満であると密着性を向上させる効果が乏しく、200nmを超えると易接着層の凝集破壊が発生しやすくなり密着性が低下することがあり好ましくない。
易接着層を設ける方法としては、ポリエステルフィルムの製造過程で塗工により設ける方法が好ましく、さらには配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムに塗布するのが好ましい。ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸配向フィルム、さらには縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を含むものである。なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに、上記組成物の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すのが好ましい。
易接着層の構成材としては、ポリエステルフィルムと透明導電層の双方に優れた接着性を示すもので、具体的にはポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタンアクリル樹脂、シリコンアクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリシロキサン樹脂などが例示できる。これらの樹脂は単独、または2種以上の混合物として用いることができる。
また、ポリエステルフィルムと透明導電層との密着性、特に密着の耐久性を向上させるために、析出防止層と透明導電層との間にハードコート層を設けてもよい。ハードコート層は、析出防止層を設けたポリエステルフィルム上にハードコートの構成材の塗液を塗工する方法が好ましい。ハードコート層の構成材としては、易接層および透明導電層の双方に優れた密着性を示すものであればよく、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、UV硬化系樹脂、エポキシ系樹脂等の樹脂成分やこれらとアルミナ、シリカ、マイカ等の無機粒子の混合物などが例示できる。ハードコート層の厚みは、好ましくは0.01〜20μm、さらに好ましくは1〜10μmである。
さらに、本発明の積層フィルムには、光線透過率を上げて光発電効率を高めることを目的として、透明導電層とは反対側の面に反射防止層を設けても良い。反射防止層には、ポリエステルフィルムの屈折率とは異なる屈折率を有する素材を単層もしくは2層以上に積層形成する方法が好ましく採用される。単層構造の場合は、基材フィルムよりも小さな屈折率を有する素材を使用するのがよく、また2層以上の多層構造とする場合は、積層フィルムと隣接する層はポリエステルフィルムよりも大さな屈折率を有する素材とし、その上に積層される層には、これよりも小さな屈折率を有する素材を選択することが好ましい。
この様な反射防止処理層を構成する素材としては、有機材料、無機材料の如何を問わず上記屈折率の関係を満足するものであればよいが、好ましい例としては、CaF,MgF,NaAlF,SiO,ThF,ZrO,Nd,SnO,TiO,CeO,ZnS,Inなどの誘電体が挙げられる。
上記反射防止処理層を積層する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーテイング法などのドライコーティング法でも、グラビア方式、リバース方式、ダイ方式などのウェットコーティング法でも構わない。更に上記反射防止処理層の積層に先立って、コロナ放電処理、プラズマ処理、スパッタエッチング処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、プライマ処理、易接着処理などの公知の前処理を施してもよい。
[色素増感型太陽電池用電極]
本発明における色素増感型太陽電池用電極は、透明導電層の上に多孔質半導体層を積層して形成する。多孔質半導体層を構成する半導体の材料としては、n型半導体である酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)であり、これらの半導体の複数を複合させた半導体材料も用いることができる。
多孔質半導体層は半導体の超微粒子が焼結又は融着した構造を有し、その粒径は、一次粒子の平均粒径で5〜100nm、特に5〜50nmのものが好ましい。粒径分布の異なる2種類以上の微粒子を混合してもよく、入射光を散乱させて光捕獲率を向上させる目的で、粒径の大きな、例えば300nm程度の半導体粒子を混合することもできる。
多孔質半導体層を構成する超微粒子は、例えば公知のゾル−ゲル法や気相熱分解法(2001年技術教育出版社発行,柳田祥三監修,「色素増感太陽電池の基礎と応用」又は1995年技術情報協会発行,「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技術」参照)によって調製することができる。
多孔質半導体層の形成方法に特に限定はないが、例えば塗布法、すなわち多孔質半導体を含む分散液を積層フィルムの透明導電層の上に塗布し、加熱乾燥することによって多孔質層を支持体上に固定化するのが好ましい。この際、半導体微粒子の分散液を調整するには、前述のゾルーゲル法の他に、溶媒中で微粒子を化学反応の共沈生成物として析出させる方法、超音波照射や機械的粉砕によって超微粒子に粉砕して分散する方法などを用いることができる。
分散媒としては、水又は各種の有機溶媒を用い、分散の際、必要に応じて例えばポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのようなポリマー、界面活性剤、酸又はキレート剤などを分散助剤として少量加えて、支持体上へ塗布し、製膜する。この塗布は、ローラ法、ディッブ法、エアーナイフ法、ブレード法、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法など、これまで塗布加工に際し慣用されている任意の方法を用いて行うことができる。また汎用機によるスピン法やスプレー法も用いることができる。凸版、オフセット及びグラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷のような湿式印刷を用いて塗布してもよい。これらの中から、液粘度やウェット厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択する。
塗設した半導体微粒子の層に対し、半導体微粒子同士の電子的接触の強化と、支持体との密着性の向上のために、150〜250℃、好ましくは170〜230℃、さらに好ましくは180〜220℃で加熱処理を施すことが好ましい。150〜250℃で加熱処理を行うことで、ポリエステルフィルム支持体の加熱による変形を防ぎながら多孔質半導体層の抵抗上昇を小さくすることができる。また更に、半導体微粒子に対して該微粒子が強く吸収する紫外光などを照射したり、マイクロ波を照射して微粒子層を加熱することにより、微粒子の間の物理的接合を強める処理を行うこともできる。
多孔質半導体層の形成には、電着によって粒子の薄膜を担持する方法も用いることができる。すなわち、半導体微粒子を適当な低伝導度の溶媒、例えば純水、アルコールやアセトニトリル、THFなどの極性有機溶媒、ヘキサン、クロロホルムなどの非極性有機溶媒、あるいはこれらの混合溶媒に添加し、凝集のないよう均一に分散し、電着すべき導電性樹脂シート電極と対極とを一定の間隔で平行に対向させ、この間隙に上記の分散液を注入し、両電極間に直流電圧を印加する。このようにして、分散液の濃度と電極間隔を選択することにより、基板電極に一定かつ均一な厚みの電着膜である多孔質半導体層が形成される。
多孔質半導体層の厚さとしては1〜30μm、好ましくは2〜10μmの範囲で選ばれる。透明度を高める目的では2〜6μmが好ましい。塗布量としては半導体微粒子の支持体1m当り、好ましくは0.5〜5〜20g/m、特に好ましくは5〜10g/mである。
なお、多孔質半導体を担持する透明導電層が対極と電気的に短絡することを防止するな
どの目的のため、予め透明導電層の上に下塗り層を設けておくこともできる。この下塗り層としては、TiO、SnO、ZnO、Nb、特にTiOが好ましい。この下塗り層は、例えばElectrochim、Acta40、643〜652(1995)に記載されているスプレーパイロリシス法の他、スパッタ法などにより設けることができる。この下塗り層の膜厚は好ましくは5〜1000nm、特に好ましくは10〜500nmである。
[色素増感太陽電池の作成]
本発明の色素増感太陽電池用電極を用いて色素増感型太陽電池を作成するには、公知の方法を用いることができる。
(1)本発明の電極の多孔質半導体層に色素を吸着させる。ルテニウムビピリジン系錯体(ルテニウム錯体)に代表される有機金属錯体色素、シアニン系色素、クマリン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素など、可視光領域および赤外光領域の光を吸収する特性を有する色素を、アルコールやトルエンなどの溶媒に溶解させて色素溶液を作成し、多孔質半導体層を浸漬するか、多孔質半導体層に噴霧または塗布する。(電極A)
(2)対極としては、本発明の積層フィルムの透明導電層側に、薄い白金層をスパッタ法により形成したものを用いる。(電極B)
(3)上記電極Aと電極Bを、熱圧着性のポリエチレンフィルム製フレーム型スペーサー(厚さ20μm)を挿入して重ね合わせ、スペーサー部を120℃に加熱し、両電極を圧着する。さらに、そのエッジ部をエポキシ樹脂接着剤でシールする。
(4)シートのコーナー部にあらかじめ設けた電解液注入用の小孔を通して、ヨウ化リチウムとヨウ素(モル比3:2)ならびにスペーサーとして平均粒径20μmのナイロンビーズを3重量%含む電解質水溶液を注入する。内部の脱気を十分に行い、最終的に小孔をエポキシ樹脂接着剤で封じる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
なお、例中の各特性値は、下記の方法により測定した。
(1)固有粘度
固有粘度([η]dl/g)は、35℃のo−クロロフェノール溶液で測定した。
(2)フィルム厚み
マイクロメーター(アンリツ(株)製のK−402B型)を用いて、フィルムの連続製膜方向および幅方向に各々10cm間隔で測定を行い、全部で300ヶ所のフィルム厚みを測定した。得られた300ヶ所のフィルム厚みの平均値を算出してフィルム厚みとした。
(3)光線透過率
(株)島津製作所製分光光度計MPC3100を用い光線透過率を測定した。
(4)ヘーズ値
JIS K6714−1958に準じて、日本電色工業社製ヘーズ測定器(NDH−20)を使用して全光線透過率T(%)と散乱光線透過率T(%)とを測定し、以下の式よりヘーズ(%)を算出した。
ヘーズ値(%)=(T/T)×100
(5)熱収縮率
200℃に温度設定されたオーブンの中に無緊張状態で10分間フィルムを保持し、フィルム長手方向(MD)および幅方向(TD)について各々の加熱処理前後での寸法変化を熱収縮率として下式により算出し、長手方向(MD)と幅方向(TD)の熱収縮率を求めた。
熱収縮率%=((L−L)/L)×100
ただし、L:熱処理前の標点間距離、L:熱処理後の漂点間距離
(6)塗布層の厚み
フィルムの小片をエポキシ樹脂(リファインテック(株)製エポマウント)中に包埋し、Reichert−Jung社製Microtome2050を用いて包埋樹脂ごと50nm厚さにスライスし、透過型電子顕微鏡(LEM−2000)にて加速電圧100KV、倍率10万倍にて観察し、塗膜層の厚みを測定した。
(7)表面抵抗値
4探針式表面抵抗率測定装置(三菱化学(株)製、ロレスタGP)を用いて任意の5点を測定し、その平均値を代表値として用いた。
(8)表面張力
表面張力が既知である水、およびヨウ化メテレンの透明導電性薄膜に対する接触角:θ、θを接触角計(協和界面科学社製「CA−X型」)を使用し、25℃、50%RHの条件で測定した。これらの測定値を用い、以下の様にして透明導電性薄膜の表面張力γを算出した。
透明導電性薄膜の表面張力γは、分散性成分γsdと極性成分γspとの和である。即ち、
γ=γsd+γsp (式1)
また、Youngの式より、
γ=γsw+γ・cosθ (式2)
γ=γsy+γ・cosθ (式3)
ここで、γswは透明導電性薄膜と水との間に働く張力、γswは透明導電性薄膜とヨウ化メチレンとの間に働く張力、γは水の表面張力、γはヨウ化メチレンの表面張力である。
また、Fowkesの式より、
γsw=γ+γ−2×(γsd・γwd1/2−2×(γsp・γwp1/2 (式4)
γsy=γ+γ−2×(γsd・γyd1/2−2×(γsp・γyp1/2 (式5)
である。ここで、γwdは水の表面張力の分散性成分、γwpは水の表面張力の極性成分、γydはヨウ化メテレンの表面張力の分散性成分、γypはヨウ化メチレンの表面張力の極性成分である。
式1〜5の連立方程式を解くことにより、透明導電性薄膜の表層張力γ=γsd+γspを算出できる。この時、水の表面張力(γ):72.8mN/m、ヨウ化メチレンの表面張力(γ):50.5mN/m、水の表面張力の分散性成分(γwd):21.8mN/m、水の表面張力の極性成分(γwp):51.0mN/m、ヨウ化メチレンの表面張力の分散性成分(γd):49.5mN/m、ヨウ化メテレンの表面張力の極性成分(γyp):1.3mN/mを用いた。
(9)多孔質半導体層の密着性
多孔質半導体層表面にガーゼを50g/cmの加重で5往復し、剥離の程度を目指にて評価した。剥離が見られないものを○、部分的に剥離が見られるものを△、完全に剥離したものを×とした。
(10)I−V特性(光電流−電圧特性)
25mm大の色素増感型太陽電池を形成し、下記の方法で光発電効率を算出した。500Wのキセノンランプ(ウシオ電気社製)に太陽光シミュレーション用補正フィルター(オリエール社製AM1.5Global)を装着し、上記の光発電装置に対し、入射光強度が100mW/cmの模擬太陽光を、水平面に対する入射角度を様々変えて照射した。システムは屋内、気温18℃、湿度50%の雰囲気に静置した。電流電圧測定装置(ケースレー製ソースメジャーユニット238型)を用いて、システムに印加するDC電圧を10mV/秒の定速でスキャンし、素子の出力する光電流を計測することにより、光電流−電圧特性を測定し、光発電効率を算出した。
(11)耐侯促進試験
サンシャインウェザーメーター(スガ試験機(株)性、WEL−SUN−HCL型)を使用し、JIS−K−6783に準じて、1000時間照射することにより曝露促進試験を行った。
[実施例1]
<析出防止層用塗剤の調製>
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル48部、イソフタル酸ジメチル14部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル4部、エチレングリコール31部、ジエチレングリコール2部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、ポリエステルを得た。このポリエステル25部をテトラヒドロフラン75部に溶解させ、得られた溶液に10000回転/分の高速攪拌下で水75部を滴下して乳白色の分散体を得、次いでこの分散体を20mmHgの減圧下で蒸留し、テトラヒドロフランを留去し、固形分が25重量%のポリエステルの水分散体を得た。
次に、四つ口フラスコに、界面活性剤としてラウリルスルホン酸ナトリウム3部、およびイオン交換水181部を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部、亜硝酸水素ナトリウム0.2部を添加し、更にモノマー類である、メタクリル酸メチル30.1部、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン21.9部、ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリル酸39.4部、アクリルアミド8.6部の混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、攪拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分が35%重量のアクリルの水分散体を得た。
一方で、シリカフィラー(平均粒径:100nm)(日産化学株式会社製 商品名スノーテックスZL)を0.2重量%、濡れ剤として、ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名ナロアクティーN−70)の0.3重量%添加した水溶液を作成した。
上記のポリエステルの水分散体10重量部、アクリルの水分散体5重量部と水溶液85重量部を混合して、析出防止層用塗剤を作成した。
<ポリエステルフィルムの作成>
下記式に示す紫外線吸収剤を0.5重量%含有するポリエチレンナフタレンジカルボキシレート(固有粘度:0.61)を60℃に維持した回転冷却ドラム上に溶融押出しして未延伸フィルムとした。
Figure 2007149600
次いで縦方向に140℃で3.3倍に延伸した後、その両面に上記の析出防止層用塗剤をロールコーターで均一に塗布した。
次いで、この塗布フィルムを引き続いて120℃で乾燥し、横方向に145℃で3.5倍に延伸し、240℃で幅方向に2%収縮させ熱固定し、厚さ125μmの析出防止ポリエステルフィルムを得た。なお、析出防止層の厚さは0.09μmであった。波長380nmでの光線透過率が3.2%、400nmでの光線透過率が33%、420nmでの光線透過率が85%であった。
<ハードコート>
得られた析出防止ポリエステルフィルムを用い、この析出防止層側にUV硬化性ハードコート剤(JSR製 デソライトR7501)を厚さ約5μmになるよう塗布し、UV硬化させてハードコート層を形成した。
<透明導電層形成>
ハードコート層が形成された片面に、ITOターゲット(錫濃度は二酸化錫換算で10重量%)を用いた直流マグネトロンスパッタリング法により、膜厚400nmのITOからなる透明導電層を形成した。透明導電層のスパッタリング法による形成は、プラズマの放電前にチャンバー内を5×10−4Paまで排気した後、チャンバー内にアルゴンと酸素の混合ガス(酸素濃度は0.5体積%)を導入して圧力を0.3Paとし、ITOターゲットに1000W印加して行った。透明導電層の表面抵抗値は15Ω/□であった。
次いで、常圧プラズマ表面処理装置(積水化学工業製AP−T03−L)を用いて、窒素気流下(60L/分)、1m/分にて透明導電層表面にプラズマ処理を施した。このとき、表面抵抗値16Ω/□、表面張力は70.5mN/mであった。
<反射防止層>
積層フィルムの透明導電層を形成した面とは反対側の面に、厚さ80nmで屈折率1.75のTiO層、その上に厚さ70nmで屈折率2.1のTiO層、更にその上に厚さ95nmで屈折率1.45のSiOを、夫々高周波スパッタリング法によって製膜し、反射防止処理層とした。各静電体薄膜を製膜するに際し、いずれも真空度は5×10−4Torrとし、ガスとしてAr:55sccm、O:5sccmを流した。また、基板は製膜行程中、加熱もしくは冷却をすることなく室温のままとした。
<多孔質半導体層形成>
積層フィルムの透明導電層の上に、市販されている低温形成型多孔質二酸化チタン層形成用ペースト(昭和電工製SP−200)をバーコーターにて塗布し、大気中160℃で30分間の熱処理を行って厚み4μmになるように多孔質二酸化チタン層を形成し、色素増感型太陽電池の電極を作成した。密着性の評価を行ったところ、剥離はまったく見られず評価は○であった。
<色素増感型太陽電池の作成>
この電極をルテニウム錯体(Ru535bisTBA、Solaronix製)の300μMエタノール溶液中に24時間浸漬し、光作用電極表面にルテニウム錯体を吸着させた。また、前記の積層フィルムの透明導電層上にスパッタリング法によりPt膜を堆積して対向電極を作成した。電極と対向電極を、熱圧着性のポリエチレンフィルム製フレーム型スペーサー(厚さ20μm)を介して重ね合わせ、スペーサー部を120℃に加熱し、両電極を圧着する。さらに、そのエッジ部をエポキシ樹脂接着剤でシールする。電解質溶液(0.5Mのヨウ化リチウムと0.05Mのヨウ素と0.5Mのtert−ブチルピリジン、平均粒径20μmのナイロンビーズ3重量%を含む3−メトキシプロピオニトリル溶液)を注入した後、エポキシ系接着剤でシールした。
完成した色素増感型太陽電池のI−V測定(有効面積25mm)を行った結果、開放電圧、短絡電流密度、曲線因子はそれぞれ、0.69V、6.7mA/cm、0.56であり、その結果、光発電効率は2.6%であった。
次に耐侯性試験を行い、I−V測定を行った。開放電圧、短絡電流密度、曲線因子はそれぞれ、0.69V、5.7mA/cm、0.55であり、その結果、光発電効率は2.2%であり、光発電効率の低下は非常に小さいものであった。
[実施例2]
ポリエチレンテレフタレートに含有させる紫外線吸収剤の添加量を1重量%と変更する他は、実施例1と同様に析出防止ポリエステルフィルムを作成した。波長380nmでの光線透過率が2.9%、400nmでの光線透過率が25%、420nmでの光線透過率が84%であった。
実施例1と同様に、ハードコート層、透明導電層を設けた。透明導電層表面の表面抵抗値は20Ω/□であった。次いで実施例1で用いた常圧プラズマ表面処理装置を用いて、酸素30%、窒素70%の混合気体気流下(60L/分)、1m/分の速度で、透明導電層表面にプラズマ処理を行った。このとき、表面抵抗値は21Ω/□、表面張力は43.2mN/mであった。
更に実施例1と同様に、反射防止層、多孔質半導体層を形成し、電極を作成した。多孔質半導体層の密着性評価を行ったところ、剥離はまったく見られず、評価は○であった。
この電極を用いて、実施例1と同様に色素増感型太陽電池を作成し、I−V測定(有効面積25mm)を行った結果、開放電圧、短絡電流密度、曲線因子はそれぞれ0.71V、6.5mA/cm、0.55であり、その結果、光発電効率は2.5%であった。
次に耐侯性試験を行い、I−V測定を行った。開放電圧、短絡電流密度、曲線因子はそれぞれ、0.70V、6.1mA/cm、0.54であり、その結果、光発電効率は2.3%であり、光発電効率の低下は非常に小さいものであった。
[比較例1]
ポリエチレンテレフタレートに紫外線吸収剤を入れない他は、実施例1と同様に色素増感型太陽電池用電極を作成した。なお、析出防止ポリエステルフィルムの波長380nmでの光線透過率は22%、400nmでの光線透過率は81.0%、420nmでの光線透過率は86.0%であった。この電極を用いて実施例1と同様に色素増感型太陽電池を作成し、I−V測定(有効面積25mm)を行った結果、開放電圧、短絡電流密度、曲線因子はそれぞれ、0.71V、6.3mA/cm、0.57であり、その結果、光発電効率は2.5%であった。
次に耐侯性試験を行い、I−V測定を行った。開放電圧、短絡電流密度、曲線因子はそれぞれ、0.63V、2.2mA/cm、0.56であり、その結果、光発電効率は0.8%であり、光発電効率の低下が顕著であった。
[比較例2]
析出防止層を設けない以外は実施例2と同様にしてポリエステルフィルムを作成した。得られたポリエステルフィルムの表面には粉状の析出物が観察された。
本発明の色素増感型太陽電池用積層フィルムは、色素増感型太陽電池の電極の基材として好適に用いることができる。また、本発明の色素増感型太陽電池用電極は、電極として用いることにより、光発電効率の高い色素増感型太陽電池を作成することができる。

Claims (7)

  1. ポリエステルフィルムおよびそのうえに設けらた析出防止層からなり、波長380nmでの光線透過率が5%以下、400nmでの光線透過率が50%以下、420nmでの光線透過率が70%以上である析出防止ポリエステルフィルムと、該析出防止ポリエステルフィルムうえに設けられた透明導電層と、からなる色素増感型太陽電池用積層フィルム。
  2. 透明導電層の表面張力が40mN/m以上である、請求項1記載の色素増感型太陽電池用積層フィルム。
  3. ポリエステルフィルムが紫外線吸収剤0.05〜30重量%を含有する、請求項1または2に記載の色素増感型太陽電池用積層フィルム。
  4. 紫外線吸収剤が下記式(I)
    Figure 2007149600
    で表わされる環状イミノエステル及び下記式(II)
    Figure 2007149600
    (ここで、Aは下記式(II)−a
    Figure 2007149600
    で表わされる基であるか又は
    下記式(II)−b
    Figure 2007149600
    で表わされる基であり;RおよびRは同一もしくは異なり1価の炭化水素残基であり;Xはナフタレン環残基である。)
    で表わされる環状イミノエステルから選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項3記載の色素増感型太陽電池用積層フィルム。
  5. 積層フィルムの透明導電層とは反対側の面に反射防止層を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の色素増感型太陽電池用積層フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルムの透明導電層の上に、酸化チタン、酸化亜鉛および酸化スズからなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物よりなる多孔質半導体層を積層した、色素増感型太陽電池用電極。
  7. 請求項6記載の色素増感型太陽電池用電極を備えた色素増感型太陽電池。
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