JP6136433B2 - スチレンスルホン酸系抗アレルゲン剤を含む樹脂組成物、並びにこれを使用した化粧シート及び化粧板 - Google Patents

スチレンスルホン酸系抗アレルゲン剤を含む樹脂組成物、並びにこれを使用した化粧シート及び化粧板 Download PDF

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本発明は、スチレンスルホン酸系の抗アレルゲン剤を含んでいながら、熱水と接触しても白化を抑制でき、優れた耐湿熱性を有する樹脂組成物に関する。また、本発明は、当該樹脂組成物を利用した化粧シート及び化粧板に関する。
昨今の省エネルギー志向の向上に伴い、外断熱工法等により住宅の気密性を高くした冷暖房効率に優れる高気密性の住宅が増加している。しかしながら、気密性を高めると室内の通気性が低下するため、ハウスダストといわれる塵が室内にこもりやすく、各種菌、カビ、ダニ(虫体、死骸、抜け殻、糞)等がたまり易くなる。これらが、アレルギーを引き起こす原因であるアレルゲンとなり、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎等のアレルギー疾患の症状を引き起す一因になるといわれている。
近年、アレルギー疾患に罹患する人は増加傾向にあり、アレルギー疾患の発症防止には、アレルギー疾患に原因となるダニや花粉等のアレルゲンを室内空間から除去又は不活化することが重要である。そこで、建築物の床材、壁材等の内外装用建材の分野でも、抗アレルゲン性能を有効に発揮し、快適で健康的な室内空間を形成できる建材の開発が望まれている。
従来、内外装用建材に抗アレルゲン性能を備えさせる方法としては、抗アレルゲン剤を含む塗料を、木材の素材、合板等の木質素材等の表面に塗工する方法、表面層に抗アレルゲン剤を含有させた化粧シートを壁面や床面に貼付する方法等が知られている。このような内外装用建材に使用される抗アレルゲン剤として、従来、フェノール性水酸基を有する化合物が知られている。しかしながら、フェノール性水酸基を有する化合物を用いて抗アレルゲン性能を十分に満足させるには多量の添加量が必要になるという欠点がある。一方、フェノール性水酸基を有する化合物の添加量を増して抗アレルゲン性能を高めると、当該化合物の色味が表出してしまうという欠点もある。そのため、フェノール性水酸基を有する化合物では、優れた抗アレルゲン性能と意匠性を両立することが困難であった。
そこで、特許文献1では、新たな抗アレルゲン剤として、スチレンスルホン酸及び/又はその塩を単量体成分として含む重合体からなる抗アレルゲン剤(以下、スチレンスルホン酸系の抗アレルゲン剤と表記することもある)が提案されている。更に、特許文献2では、水と接触しても白化し難くなるように改良されたスチレンスルホン酸系の抗アレルゲン剤についても提案されている。このようなスチレンスルホン酸系の抗アレルゲン剤は、抗アレルゲン性能が高いため使用量を低減でき、しかも、当該の抗アレルゲン剤自体の色が薄いため意匠性に影響し難いという利点があり、内外装用建材分野での利用に適した諸特性を備えている。しかしながら、特許文献1及び2では、スチレンスルホン酸系の抗アレルゲン剤の耐湿熱性については、何ら検討されていない。
特開2012−36363号公報 特開2012−36362号公報
本発明者は、スチレンスルホン酸系の抗アレルゲン剤を内外装用建材分野での実用化に向けて、実使用環境を想定した種々の検討を行ったところ、スチレンスルホン酸系の抗アレルゲン剤は、熱水との接触によって白化し、意匠性の低下を引き起こすという新たな課題に直面した。壁面や床面に適用される化粧シートや化粧板は、実使用環境では熱水との接触も想定されるため、スチレンスルホン酸系の抗アレルゲン剤を内外装用建材分野での実用化する上で、熱水と接触しても白化が生じ難い耐湿熱性を備えさせる技術の構築が不可欠になる。
そこで、本発明は、スチレンスルホン酸系の抗アレルゲン剤を含んでいながら、熱水と接触しても白化が抑制され、優れた耐湿熱性を備える樹脂組成物を提供することを目的とする。更に、本発明は、当該樹脂組成物を利用した化粧シート及び化粧板を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、スチレンスルホン酸及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種の単量体成分を含む重合体からなる抗アレルゲン剤と、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物において、当該電離放射線硬化性樹脂の見掛け平均架橋点間分子量が1200以上となるように設定することにより、熱水と接触しても白化を抑制でき、優れた耐湿熱性を備え得ることを見出した。更に、当該樹脂組成物は化粧シート及び化粧板の表面保護層の形成に使用することで、優れた耐湿熱性を備えつつ、優れた抗アレルゲン性能を発揮できる化粧シート及び化粧板を提供できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. スチレンスルホン酸及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種の単量体成分を含む重合体を含む抗アレルゲン剤と、電離放射線硬化性樹脂とを含有し、
前記電離放射線硬化性樹脂の見掛け平均架橋点間分子量が1200以上であることを特徴とする、樹脂組成物。
項2. 前記電離放射線硬化性樹脂100質量部当たり、前記抗アレルゲン剤が1〜30質量部含まれる、項1に記載の樹脂組成物。
項3. 前記抗アレルゲン剤が、スチレンスルホン酸塩の単独重合体、スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体、スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸−スチレン共重合体及びスチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、項1又は2に記載の樹脂組成物。
項4. 基材シート上に、項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物からなる表面保護層が形成されていることを特徴とする、化粧シート。
項5. 基板上に、項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物からなる表面保護層が形成されていることを特徴とする化粧板。
本発明の樹脂組成物は、スチレンスルホン酸系の抗アレルゲン剤に基づく優れた抗アレルゲン性能を発揮でき、しかも、優れた耐湿熱性を備えており、熱水と接触しても白化を抑制することができる。そのため、本発明の樹脂組成物を用いて化粧シート及び化粧板の表面保護層を形成することにより、実使用環境において熱水と接触しても当該表面保護層が白化するのを抑制でき、化粧シート及び化粧板の意匠性が損なわれるのを抑制することができる。
本発明の化粧シートの態様の一例について、その断面構造を示す図である。 本発明の化粧シートの態様の一例について、その断面構造を示す図である。
1.樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、スチレンスルホン酸及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種の単量体成分を含む重合体を含む抗アレルゲン剤と、電離放射線硬化性樹脂とを含有し、当該電離放射線硬化性樹脂の見掛け平均架橋点間分子量が1200以上であることを特徴とする。以下、本発明の樹脂組成物について詳述する。
(抗アレルゲン剤)
本発明の樹脂組成物では、スチレンスルホン酸系の抗アレルゲン剤として、スチレンスルホン酸及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種の単量体成分を含む重合体を含有する。本発明の樹脂組成物では、後述する特定の電離放射線硬化性樹脂を含むことによって、当該抗アレルゲン剤の欠点である熱水との接触による白化が抑制されており、優れた耐湿熱性を備えさせることが可能になっている。
当該抗アレルゲン剤の単量体成分であるスチレンスルホン酸の塩の種類については、特に制限されないが、例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。これらの塩の中でも、好ましくはナトリウム塩が挙げられる。
また、当該抗アレルゲン剤の単量体成分であるスチレンスルホン酸及び/又はその塩において、ベンゼン環に結合しているスルホン酸及び/又はその塩の数については、特に制限されないが、例えば1〜3個、好ましくは1又は2個、更に好ましくは1個が挙げられる。
当該抗アレルゲン剤は、スチレンスルホン酸及び/又はその塩を単量体成分として含む限り、単独重合体又は共重合体のいずれであってもよい。当該抗アレルゲン剤として、スチレンスルホン酸及び/又はその塩以外の単量体成分を含む共重合体を使用する場合、当該共重合体におけるスチレンスルホン酸及び/又はその塩以外の単量体成分の含有量については、特に制限されないが、より優れた耐湿熱性及び抗アレルゲン性能を備えさせるという観点から、好ましくは0.1〜90モル%、更に好ましくは50〜80モル%が挙げられる。
スチレンスルホン酸及び/又はその塩と共重合可能な単量体としては、例えば、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルアルキルエーテル、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、ジイソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、2−ビニルナフタレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ビニルトルエン、キシレンスルホン酸、ビニルピリジン、ビニルスルホン酸、ビニルアルコール、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ヒドロキシエチル、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらの中でも、共重合体の非水溶性を向上させるという観点から、好ましくはスチレン、2−ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン;更に好ましくはスチレンが挙げられる。これらのスチレンスルホン酸及び/又はその塩と共重合可能な単量体は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、スチレンスルホン酸及び/又はその塩を含む共重合体において、単量体としてジビニルベンゼンを用いる場合、ジビニルベンゼンは単独で用いてもよいが、その他の単量体と併用することが好ましい。スチレンスルホン酸及び/又はその塩と、ジビニルベンゼンとを含む共重合体において、ジビニルベンゼンの含有量は、例えば、0.01モル%〜20モル%、好ましくは0.05モル%〜10モル%が挙げられる。
当該抗アレルゲン剤は、スチレンスルホン酸及び/又はその塩を単量体成分として含む単独重合体及び共重合体の中から、1種の重合体を単独で使用してもよく、また2種以上の重合体を組み合わせて使用してもよい。
本発明の樹脂組成物に使用される抗アレルゲン剤の好適な例としては、スチレンスルホン酸塩の単独重合体、スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体、スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸−スチレン共重合体及びスチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体等が挙げられる。
前記スチレンスルホン酸塩単独重合体としては、特に制限されないが、具体的には、スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体、スチレンスルホン酸カルシウム単独重合体、スチレンスルホン酸アンモニウム単独重合体、スチレンスルホン酸マグネシウム単独重合体等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体、更に好ましくはp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体が挙げられる。これらのスチレンスルホン酸塩単独重合体は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、前記スチレンスルホン酸塩単独重合体において、1分子当たりのスチレンスルホン酸塩のユニット数については、特に制限されないが、優れた抗アレルゲン性能を備えさせるという観点から、例えば50以上、好ましくは80以上、更に好ましくは150以上が挙げられる。ここで、スチレンスルホン酸塩のユニット数は、下記式に基づいて算出される。
スチレンスルホン酸塩のユニット数 =
スチレンスルホン酸塩単独重合体の分子量/スチレンスルホン酸塩の分子量
前記スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体としては、特に制限されないが、例えば、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンスルホン酸共重合体、スチレンスルホン酸カルシウム−スチレンスルホン酸共重合体、スチレンスルホン酸アンモニウム−スチレンスルホン酸共重合体、スチレンスルホン酸マグネシウム−スチレンスルホン酸共重合体等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはスチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンスルホン酸共重合体、更に好ましくはp−スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンスルホン酸共重合体が挙げられる。これらのスチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体中におけるスチレンスルホン酸塩成分の含有量については、特に制限されないが、優れた抗アレルゲン性能、耐水性、樹脂組成物の安定性の観点から、例えば、10〜99.9モル%、好ましくは50〜90モル%が挙げられる。
また、前記スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体において、1分子当たりのスチレンスルホン酸塩及びスチレンスルホン酸のユニット数の総数については、特に制限されないが、優れた抗アレルゲン性能を備えさせるという観点から、例えば50以上、好ましくは80以上、更に好ましくは150以上が挙げられる。ここで、スチレンスルホン酸塩及びスチレンスルホン酸のユニット数の総数は、下記式に基づいて算出される。
スチレンスルホン酸塩及びスチレンスルホン酸のユニット数の総数 =
[スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体の分子量/(スチレンスルホン酸塩の含有モル%×スチレンスルホン酸塩の分子量+スチレンスルホン酸の含有モル%×スチレンスルホン酸の分子量)]
前記スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体としては、特に制限されないが、具体的には、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸カルシウム−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸アンモニウム−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸マグネシウム−スチレン共重合体等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはスチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体、更に好ましくはp−スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体が挙げられる。これらのスチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体中におけるスチレンスルホン酸塩成分の含有量については、特に制限されないが、優れた抗アレルゲン性能と耐水性を備えさせるという観点から、例えば、10〜99.9モル%、好ましくは20〜50モル%が挙げられる。
また、前記スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体において、スチレンスルホン酸塩のユニット数については、特に制限されないが、優れた抗アレルゲン性能を備えさせるという観点から、例えば50以上、好ましくは80以上、更に好ましくは150以上が挙げられる。また、スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体において、スチレンのユニット数については、特に制限されないが、例えば150以上、好ましくは200以上、更に好ましくは250以上が挙げられる。ここで、スチレンスルホン酸塩及びスチレンのユニット数は、下記式に基づいて算出される。
スチレンスルホン酸塩のユニット数 =
[スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体の分子量/(スチレンスルホン酸塩の含有モル%×スチレンスルホン酸塩の分子量+スチレンの含有モル%×スチレンの分子量)]×スチレンスルホン酸塩の含有モル%
スチレンのユニット数 =
[スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体の分子量/(スチレンスルホン酸塩の含有モル%×スチレンスルホン酸塩の分子量+スチレンの含有モル%×スチレンの分子量)]×スチレンの含有モル%
前記スチレンスルホン酸−スチレン共重合体としては、特に制限されないが、例えば、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸カルシウム−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸アンモニウム−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸マグネシウム−スチレン共重合体等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはスチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体、更に好ましくはp−スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体が挙げられる。これらのスチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体中におけるスチレンスルホン酸塩成分の含有量については、特に制限されないが、優れた抗アレルゲン性能と耐水性を備えさせるという観点から、例えば、10〜99.9モル%、好ましくは20〜50モル%が挙げられる。
また、前記スチレンスルホン酸−スチレン共重合体において、スチレンスルホン酸のユニット数については、特に制限されないが、優れた抗アレルゲン性能を備えさせるという観点から、例えば50以上、好ましくは80以上、更に好ましくは150以上が挙げられる。また、スチレンスルホン酸−スチレン共重合体において、スチレンのユニット数については、特に制限されないが、優れた抗アレルゲン性能を備えさせるという観点から、例えば150以上、好ましくは200以上、更に好ましくは250以上が挙げられる。ここで、スチレンスルホン酸及びスチレンのユニット数は、下記式に基づいて算出される。
スチレンスルホン酸のユニット数 =
[スチレンスルホン酸−スチレン共重合体の分子量/(スチレンの含有モル%×スチレンの分子量+スチレンスルホン酸の含有モル%×スチレンスルホン酸の分子量)]×スチレンスルホン酸の含有モル%
スチレンのユニット数 =
[スチレンスルホン酸−スチレン共重合体の分子量/(スチレンの含有モル%×スチレンの分子量+スチレンスルホン酸の含有モル%×スチレンスルホン酸の分子量)]×スチレンの含有モル%
前記スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体としては、特に制限されないが、例えば、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体、スチレンスルホン酸カルシウム−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体、スチレンスルホン酸アンモニウム−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体、スチレンスルホン酸マグネシウム−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはスチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体、更に好ましくはp−スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体が挙げられる。これらのスチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体に含まれる各単量体の含有量については、特に制限されないが、優れた抗アレルゲン性能、耐水性、樹脂組成物の安定性等の観点から、スチレンスルホン酸塩が、例えば9.9〜99.8モル%、好ましくは19.9〜49.9モル%;スチレンスルホン酸が、例えば0.1〜30モル%、好ましくは0.1〜20モル%;スチレンが、例えば0.1〜90モル%、好ましくは50〜80モル%が挙げられる。
また、前記スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体において、スチレンスルホン酸塩及びスチレンスルホン酸のユニット数の総数については、特に制限されないが、優れた抗アレルゲン性能を備えさせるという観点から、例えば50以上、好ましくは80以上、更に好ましくは150以上が挙げられる。また、当該三元共重合体において、スチレンのユニット数については、特に制限されないが、優れた抗アレルゲン性能を備えさせるという観点から、例えば150以上、好ましくは200以上、更に好ましくは250以上が挙げられる。ここで、スチレンスルホン酸塩及びスチレンスルホン酸のユニット数の総数、並びにスチレンのユニット数は、下記式に基づいて算出される。
スチレンスルホン酸塩及びスチレンスルホン酸のユニット数の総数 =
{[前記三元共重合体の分子量/(スチレンスルホン酸塩の含有モル%×スチレンスルホン酸塩の分子量+スチレンの含有モル%×スチレンの分子量+スチレンスルホン酸の含有モル%×スチレンスルホン酸の分子量)]×スチレンスルホン酸塩の含有モル%}+{[前記三元共重合体の分子量/(スチレンスルホン酸塩の含有モル%×スチレンスルホン酸塩の分子量+スチレンの含有モル%×スチレンの分子量+スチレンスルホン酸の含有モル%×スチレンスルホン酸の分子量)]×スチレンスルホン酸の含有モル%}
スチレンのユニット数 =
[[前記三元共重合体の分子量/(スチレンスルホン酸塩の含有モル%×スチレンスルホン酸塩の分子量+スチレンの含有モル%×スチレンの分子量+スチレンスルホン酸の含有モル%×スチレンスルホン酸の分子量)]×スチレンの含有モル%
当該抗アレルゲン剤の分子量については、使用する単量体の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、2万〜500万、好ましくは5万〜500万、更に好ましくは10万〜500万が挙げられる。とりわけ、スチレンスルホン酸及び/又はその塩の含有量が40〜50モル%である共重合体の場合であれば、良好な取扱性を備えつつ、耐湿熱性をより一層向上させるという観点から、好ましくは10万〜500万、更に好ましくは15万〜500万が挙げられる。
なお、本発明において当該抗アレルゲン剤の分子量は、サイズ排除クロマトグラフィーでポリスチレンスルホン酸ナトリウムを標準物質として測定して得られたチャートにおける最も高いピークに対応する分子量であり、下記の条件にて測定される値である。カラム:(昭和電工社製 Asahipak GF-7M HQ 7.5mmI.D.×30cm 1本)
溶離液:(0.05M硫酸ナトリウム水溶液:THF=1:1)
流速:0.6ミリリットル/分
温度:40℃
検出:UV(254nm)
標準ポリスチレンスルホン酸ナトリウム:(scientific polymer products社製、重量平均分子量:1,530、5,180、7,540、34,700、126,700、262,600、587,600の7種類の標準品を使用)
当該抗アレルゲン剤の平均粒子径については、特に制限されないが、例えば、0.01〜30μm、好ましくは0.05〜15μmが挙げられる。なお、当該平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置にて測定される値であり、具体的には、商品名「LA−950V2」(HORIBA製作所製)を用いて測定することができる。
当該抗アレルゲン剤は、特開2012−36363号公報、特開2012−36362号公報等に記載されているような公知の製法によって取得してもよく、また市販品を使用してもよい。
本発明の樹脂組成物において、当該抗アレルゲン剤の含有量については、特に制限されないが、例えば、後述する電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して、1〜30質量部、好ましくは2〜20質量部、更に好ましくは3〜15質量部が挙げられる。
(電離放射線硬化性樹脂)
本発明の樹脂組成物では、前記抗アレルゲン剤と共に、見掛け平均架橋点間分子量が1200以上である電離放射線硬化性樹脂を含有する。このように、特定の電離放射線硬化性樹脂を選択し、前記抗アレルゲン剤と併用することによって、前記抗アレルゲン剤に優れた耐湿熱性を備えさせることが可能になる。また、電離放射線硬化性樹脂は硬化速度が速く作業性も良好であり、更に化粧シートや化粧板の耐傷性を良好とすることも可能となる。
電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線照射によって硬化する性質を有する樹脂である。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含まれる。電離放射線硬化性樹脂としては、電子線照射によってラジカル重合(硬化)するものが好ましい。
本発明において、電離放射線硬化性樹脂としては、電離放射線照射によって硬化する樹脂であって見掛け平均架橋点間分子量が1200以上になることを限度として特に制限されないが、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する重合性モノマー、重合性オリゴマー、重合性プレポリマー等が挙げられる。
前記重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基(官能基)又はエポキシ基を持つオリゴマーであり、好ましくは、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ単官能性又は多官能性(メタ)アクリレート系モノマー、更に好ましくは多官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。多官能性(メタ)アクリレートは、分子内にエチレン性不飽和結合(官能基)を2個以上有する(メタ)アクリレートである限り、特に制限されないが、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の官能基数が2〜6の多官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。また、単官能性(メタ)アクリレートは、分子内にエチレン性不飽和結合(官能基)を1個有する(メタ)アクリレートである限り、特に制限されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの重合性モノマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート又はメタクリレート」を意味し、他の類似するものも同様の意である。
また、前記重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーが好適であり、中でも分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)有する多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート、シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等)等が挙げられる。これらの重合性オリゴマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ここで、ウレタン(メタ)アクリレートとは、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等の多価アルコールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化した化合物である。ポリカーボネート(メタ)アクリレートとは、カーボネート結合を有するポリマー主鎖の末端又は側鎖を(メタ)アクリル酸でエステル化した化合物である。アクリルシリコーン(メタ)アクリレートとは、アクリル樹脂の構造の一部がシロキサン結合(Si−O)に置換しており、且つ官能基としてアクリル樹脂の側鎖及び/又は主鎖末端に(メタ)アクリロイルオキシ基(アクリロイルオキシ基又はメタアクリロイルオキシ基)を1分子中に2個以上有する化合物である。エポキシ(メタ)アクリレートとは、ビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環を(メタ)アクリル酸でエステル化した化合物である。シリコーン変性ウレタン(メタ)アクリレートとは、ウレタン(メタ)アクリレートの側鎖の一部をシリコーンで変性させた化合物である。ポリエステル(メタ)アクリレートとは、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化した化合物である。ポリエーテル(メタ)アクリレートとは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化した化合物である。ポリブタジエン(メタ)アクリレートとは、ポリブタジエンオリゴマーの末端又は側鎖に(メタ)アクリレート基が置換している化合物である。シリコーン(メタ)アクリレートとは、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーンの末端又は側鎖に(メタ)アクリレート基が置換している化合物である。
これらの重合性オリゴマーの中でも、耐湿熱性をより一層向上させるという観点から、好ましくはウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの重合性オリゴマーの官能基数については、当該重合性オリゴマーの分子量、備えさせるべき見掛け平均架橋点間分子量等を勘案して設定されるが、通常1〜10が挙げられ、成形性及び耐薬品性をより一層向上させるという観点から、好ましくは2〜8、更に好ましくは2〜6が挙げられる。
また、これらの重合性オリゴマーの数平均分子量については、当該重合性オリゴマーの官能基数、備えさせるべき見掛け平均架橋点間分子量等を勘案して設定されるが、通常500〜7000、好ましくは600〜5000、更に好ましくは700〜4000が挙げられる。なお、本発明において、前記重合性オリゴマーの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定される値である。
これらの電離放射線硬化性樹脂については、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの電離放射線硬化性樹脂の中でも、耐湿熱性をより一層向上させるという観点から、好ましくは重合性オリゴマー、更に好ましくは多官能性(メタ)アクリレートオリゴマー、特に好ましくは多官能性ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明の樹脂組成物における電離放射線硬化性樹脂の含有量については、特に制限されないが、例えば、50〜98質量%、好ましくは55〜98質量%、更に好ましくは60〜98質量%が挙げられる。
(見掛け平均架橋点間分子量)
本発明の樹脂組成物では、含有される電離放射線硬化性樹脂が、見掛け平均架橋点間分子量が1200以上になるように設定される。このように見掛け平均架橋点間分子量を特定の範囲に設定することにより、前記抗アレルゲン剤が熱水との接触による白化が抑制され、優れた耐湿熱性を備えることが可能になる。耐湿熱性をより一層向上させつつ、良好な耐傷性も備えさせるという観点から、見掛け平均架橋点間分子量として、好ましくは1200〜3000、更に好ましくは1240〜3000、より好ましくは1300〜2000、特に好ましくは1340〜2000が挙げられる。
ここで、見掛け平均架橋点間分子量とは、記式に従って算出される値である。
ここで、Mi、「各電離放射線硬化性樹脂の分子量」とは、樹脂組成物に含まれる各電離放射線硬化性樹脂の分子量であり、電離放射線硬化性樹脂がモノマーである場合にはその分子量を示し、電離放射線硬化性樹脂がオリゴマーである場合にはその数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値)を示す。
Zi中、「電離放射線硬化性樹脂の総質量」とは、樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂の質量の合計を示し、例えば、当該樹脂組成物に2種の電離放射線硬化性樹脂が含まれる場合には、2種の電離放射線硬化性樹脂の合計質量に該当する。
即ち、例えば、樹脂組成物中の電離放射線硬化性樹脂が、数平均分子量がM1で官能基数がX1の電離放射線硬化性樹脂(オリゴマー)のみである場合には、見掛け平均架橋点間分子量は、(M1/X1)×2になる。また、樹脂組成物中の電離放射線硬化性樹脂が、数平均分子量がM1で官能基数がX1の電離放射線硬化性樹脂(オリゴマー)70質量部と、数平均分子量がM2で官能基数がX2の電離放射線硬化性樹脂(オリゴマー)30質量部である場合には、表面保護層を形成する硬化物の見掛け平均架橋点間分子量は、[(M1/X1)×2×0.7]+[(M2/X2)×2×0.3)]になる。
樹脂組成物中の電離放射線硬化性樹脂が前記見掛け平均架橋点間分子量を充足させるには、樹脂組成物に配合される電離放射線硬化性樹脂について、数平均分子量と官能基数を勘案して適宜選定すればよい。
(他の添加成分)
本発明の樹脂組成物には、前記電離放射線硬化性樹脂以外に、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、2液反応硬化性樹脂等の樹脂を含んでいてもよい。
更に、本発明の樹脂組成物には、備えさせるべき所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。例えば、本発明の樹脂組成物を化粧シート又は化粧板の表面保護層の形成に使用する場合であれば、例えば、耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤、艶調整剤、艶消し剤、抗菌剤、防カビ剤、耐汚染性付与剤等の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
(樹脂組成物の用途)
本発明の樹脂組成物は、優れた耐湿熱性を備えており、湿熱環境に晒されても白化が抑制され、本来備える意匠性を維持でき、しかも優れた抗アレルゲン性能を発揮できるので、アレルゲンの抑制が求められる部材の表面保護層を形成する塗料として好適に使用される。
本発明の樹脂組成物の適用対象となる部材としては、具体的には、壁、天井、床等に貼付される化粧シート;突板、木材単板、木材合板、パティクルボード、中密度繊維板等の基板;窓枠、扉、手すり等の建具;家具、家電、OA機器等が挙げられる。これらの中でも、本発明の樹脂組成物は、化粧シートや化粧板の表面保護層の形成に特に好適に使用される。本発明の樹脂組成物を用いた化粧シートや化粧板の詳細については後述する。
本発明の樹脂組成物は、適用対象となる部材に対して、厚さが例えば1〜100μm、好ましくは1〜50μm、更に好ましくは5〜30μmとなるように塗工し、電離放射線硬化性樹脂を硬化させることによって、抗アレルゲン性能を有する表面保護層を当該部材に形成させることができる。
電離放射線硬化性樹脂を硬化させるための電離放射線の照射条件については、使用する電離放射線硬化性樹脂の種類や適用対象となる部材の種類に応じて適宜設定されるが、電子線照射により硬化を行なう場合であれば、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜70kGy(1〜7Mrad)の範囲で適宜設定すればよい。
2.化粧シート
本発明の化粧シートは、基材シート上に、前記樹脂組成物の硬化物からなる表面保護層を有することを特徴とする。本発明の化粧シートは、表面保護層に含まれる抗アレルゲン剤によって優れた抗アレルゲン性能を発揮でき、しかも湿熱環境に晒されても白化が抑制され、本来備える意匠性を維持することができる。以下、本発明の化粧シートについて詳述する。
(1)積層構造
本発明の化粧シートは、基材シート1上に、前記樹脂組成物の硬化物からなる表面保護層2が積層された積層構造を有する。本発明の化粧シートは、表面保護層2が最表面を形成していることを限度として、基材シート1と表面保護層2との間には、1又は2以上の他の層が設けられていてもよい。例えば、基材シート1と表面保護層2との間には、これらの密着性を向上させるために、必要に応じてプライマー層3が設けられていてもよい。また、例えば、基材シート1と表面保護層2との間には、化粧シートの意匠性を向上させる目的で、必要に応じて印刷層4が設けられていてもよい。また、基材シート1として2以上の樹脂シートからなる複層構成のシートを使用する場合、基材シート中の樹脂シートの間に、必要に応じて印刷層4を設けてもよい。また、本発明の化粧シートを壁紙用として使用する場合であれば、基材シート1と表面保護層2との間には、必要に応じて、発泡樹脂層を設けてもよい。
また、本発明の化粧シートには、基材シート1の裏面(表面保護層2を積層する面に対して反対側の面)に、必要に応じて、樹脂層からなるバッカー層5を積層させてもよい。
図1及び2に、本発明の化粧シートの態様の一例について、その断面構造の模式図を示す。図1に示す化粧シートは、基材シート1上に、印刷層4、プライマー層3、及び表面保護層2が順に積層された積層構造を有している。図2に示す化粧シートは、基材シート1が、樹脂シート11a、印刷層4、接着剤層12、及び樹脂シート11bが順に積層された複層構成のシートであって、当該基材シート1上に、プライマー層3、表面保護層2が順に積層された積層構造を有している。
(2)各層の組成及び形成方法
以下、本発明の化粧シートを構成する各層の組成及び形成方法について説明する。
[基材シート1]
本発明で用いられる基材シート1の素材については、特に制限されず、樹脂製又は繊維質製の別を問わないが、本発明の化粧シートを床用化粧シートとして用いる場合には樹脂基材であることが好ましく、壁紙用化粧シートとして用いる場合には繊維質基材であることが好ましい。
基材シート1として樹脂基材を使用する場合、化粧シートに適用可能な樹脂シートであれば特に制限されないが、好ましくは熱可塑性樹脂により構成される樹脂シートが挙げられる。基材シート1を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂;(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、本発明の化粧シートを床材として用いる場合には、コスト及びシート柔軟性の点で、好ましくはポリオレフィン系樹脂が挙げられ、また耐傷つき性等の特性が求められる場合には、好ましくはポリエステル系樹脂が挙げられる。また、基材シート1として用いられる樹脂シートは、着色されたものでもよく、無着色のものでもよい。
また、基材シート層1として樹脂基材を使用する場合、当該基材シート1は、1つの樹脂シートからなる単層構成のシートであってもよく、また2つ以上の樹脂シートが積層された複層構成のシートであってもよい。基材シートとして、複層構成の樹脂シートを用いる場合、2つ以上の樹脂シートは、同一樹脂成分からなるものであってもよく、また異なる樹脂成分からなるものであってもよい。
例えば、基材シート1として複層構成の樹脂シートを用いる場合、1層目の樹脂シートの表面に、必要に応じてコロナ放電処理、プラズマ処理等を施して易接着層を形成し、更に必要に応じて接着剤層を設けた後に、2層目の樹脂シートを押出ラミネーション、ドライラミネーション、ウエットラミネーション、サーマルラミネーション等のラミネート法により接着・圧着する工程を、層数に応じて繰り返すことにより得られる。
複層構成の樹脂シートを用いる場合に必要に応じて設けられる接着剤層は、例えば、ウレタン系、アクリル系、アクリル/ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリスチレン系、セルロース系等の接着剤を使用することにより形成される。これらの接着剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、基材シート1として繊維質基材を使用する場合であれば、通常、壁紙用紙として用いられているものであればよい。また、繊維質基材には、必要に応じて難燃剤、無機質剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色剤、サイズ剤、定着剤等が含まれていてもよい。繊維質基材として、具体的には、壁紙用一般紙(パルプ主体のシートをサイズ剤でサイズ処理したもの)、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙;繊維混抄紙(合成繊維をパルプと混抄したもの)等が挙げられる。繊維質基材の坪量については、特に制限されないが、例えば50〜300g/m2程度、好ましくは50〜120g/m2程度が挙げられる。
基材シート1は、表面保護層2が積層される面には、密着性を高めるために、必要に応じて、コロナ放電処理やプラズマ処理等の易接着性処理がなされていてもよい。
基材シート1の厚みは、本発明の化粧シートの用途等に応じて適宜設定できるが、一般には20〜300μmが好ましい。なお、基材シート1として複層構成の樹脂シートを使用する場合、各層を構成する樹脂シートの厚みの合計が上記範囲内にあればよく、各樹脂シートの厚みは同じでも異なっていてもよい。
[表面保護層2]
表面保護層2は、基材シート1の上に設けられ、本発明の化粧シートの最表面に形成される層である。表面保護層2は、前記樹脂組成物を硬化させることにより形成される層であり、優れた抗アレルゲン性能に加え、優れた耐湿熱性を備えており、実使用環境において白化を抑制して、化粧シートが本来備える意匠性を安定に維持させることができる。
表面保護層2は、前記樹脂組成物を、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート、フローコーター、吹きつけ法、エアレススプレー法、エアスプレー法、刷毛塗り、コテ塗り、浸漬法、引き上げ法、ノズル法、巻取り法、流し法、盛り付け法、パッチング法等により塗工した後に、当該樹脂組成物を硬化させることにより形成される。当該樹脂組成物を硬化する条件については、使用する電離放射線硬化性樹脂の種類等に応じて適宜設定されるが、例えば電子線照射により硬化させる場合であれば、加速電圧70〜300kV程度で、照射線量5〜300kGy(0.5〜30Mrad)程度、好ましくは5〜70kGy(0.5〜7Mrad)程度が挙げられる。
表面保護層2の厚みについては、特に制限されないが、例えば、1〜50μm、好ましくは5〜30μmが挙げられる。
[プライマー層3]
プライマー層3は、基材シート1と表面保護層2との間に、これらの密着性を向上させるために、必要に応じて設けられる層である。
プライマー層3を形成するプライマー剤としては、特に制限されないが、例えば、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、基材シート1と表面保護層2との密着性を一層向上させるという観点から、アクリルポリオールを主成分とし、イソシアネートを硬化剤とする2液硬化型のウレタン樹脂を用いることが特に好ましい。本発明で用いるスルホン酸系の抗アレルゲン剤は、従来広く知られているフェノール性水酸基を有する抗アレルゲン剤等と異なり、イソシアネートと反応して失活する恐れが低いので、イソシアネートを用いた2液硬化型のウレタン樹脂を用いてプライマー層3を形成し、抗アレルゲン剤を含む表面保護層と接触したとしても抗アレルゲン性能を安定に保持できるという利点がある。
また、前記プライマー層3には、必要に応じて、前記樹脂以外に、溶剤、安定剤、可塑剤、硬化剤等が含まれていてもよい。
プライマー層3の形成は、前記プライマー剤をそのままで又は溶媒に溶解若しくは分散させた状態のものを用い、公知の印刷方法、塗布方法等によって塗布し、乾燥、硬化することによって行うことができる。
また、プライマー層3を形成する際に、基材シート1及び/又は表面保護層2に対して、コロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線処理等の易接着処理を施し、これらとプライマー層との接着性を高めることもできる。
また、プライマー層3上に表面保護層2を積層する際に、これらの層とプライマー層3との接着性を確保するために、プライマー層3の表面に前記易接着処理により表面保護層2との間の接着性を更に高めることもでき、また、表面保護層2の形成に使用される樹脂組成物において、電離放射線硬化性樹脂を使用する場合であれば、プライマー層3を半硬化の状態に止め、その後、表面保護層2を形成する樹脂組成物を塗布した後、電離放射線を照射して硬化することにより、表面保護層2とプライマー層3とを一体化して、両者の間の接着性を高めることもできる。
プライマー層3の厚みとしては、特に制限されないが、例えば、0.1〜5μm、好ましくは0.5〜3μmが挙げられる。
[印刷層4]
印刷層4は、化粧シートの意匠性を向上させる目的で、必要に応じて設けられる層である。印刷層4は、基材シート1と表面保護層2との間に設けることができる。また、基材シート1として2以上の樹脂シートからなる複層構成のシートを使用する場合、印刷層4は、基材シート1中の樹脂シートの間に設けてもよい。
印刷層4は、隠蔽層及び/又は絵柄層により構成され、インキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。隠蔽層は、全面にわたって被覆する一様均一な着色を施した層であり、意匠性を向上させる効果の他、基材シート1又は化粧シートを貼り合わせる基板を隠蔽する効果も有する。絵柄層は、インキで種々の模様を表出させた層である。絵柄層の模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。意匠性の向上の観点からは、絵柄層と隠蔽層とを設けることが好ましい。印刷層4の形成方法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等の輪転印刷、枚葉印刷等が挙げられる。
また、印刷層4の形成に用いるインキとしては、バインダー樹脂に顔料を添加したものを使用することができる。インキに使用される顔料としては、特に制限されず、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。これらの顔料は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、インキに使用されるバインダー樹脂としては、特に制限されず、例えば、ポリウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
印刷層4の厚みは、特に制限されないが、例えば0.1〜10μm程度が挙げられる。
[バッカー層5]
バッカー層5は、基材シート1の裏面(表面保護層2を積層する面に対して反対側の面)に、必要に応じて設けられる樹脂層である。このようなバッカー層5を設けることにより、化粧シートを基板(特に木質合板)と貼着して化粧板とする場合に、基板表面に不可避的に存在する凹凸の影響を緩和することができる。特に床用化粧シートとして用いる場合には、バッカー層は化粧シートにクッション性を付与する層にもなる。
バッカー層5を形成する樹脂としては、特に制限されないが、熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチレン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリイミド、ポリスチレン、ポリアミド、ABS樹脂等が挙げられる。
バッカー層5は、例えば、上記樹脂成分を、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等によって形成してもよく、また予め成型した樹脂フィルムを用いてもよい。
バッカー層5を溶融樹脂の押出し成形によって形成する際は、例えば、Tダイを用いた押出し成形が好適に利用できる。また、バッカー層が多層である場合には、例えば、マルチマニホールドタイプやフィードブロックタイプのTダイを用いることにより、多層同時押出しを行えばよい。バッカー層5を多層とする場合は、例えば、基材シート1の裏面と最も近い層を易接着樹脂層とすることが好ましい。この様な改良は、例えば、易接着樹脂層とする層に公知の熱可塑性エラストマーを配合することによって達成できる。熱可塑性エラストマーの種類は、特に限定されず、バッカー層を構成する樹脂と相溶性が高く、基材シートとの密着性改善に寄与し得るものの中から広く選択できる。
また、押し出し成形によって形成したバッカー層5が熱融着による接着では基材シート裏面と密着し難い場合には、必要に応じて、バッカー層5と基材シート1との密着性を高めるためにこれらの間に接着剤層を設けてもよい。
バッカー層5の厚みについては、特に制限されないが、例えば100μm以上、好ましくは150〜600μm程度、更に好ましくは250〜400μm程度が挙げられる。バッカー層5の引張り弾性率についても、特に制限されないが、例えば、1000MPa以上、好ましくは1500〜2500MPa以上が挙げられる。
[セパレータ]
本発明の化粧シートは、基材シート1側の表面(バッカー層5を設ける場合にはその表面)に、粘着剤を介してセパレータを設けることもできる。このような構成にすることにより、セパレータを剥がして露出した面を被着体に貼着することができる。
[エンボス模様]
本発明の化粧シートは、意匠性の付与を目的として、表面保護層2の表面に、エンボス加工によるエンボス模様を施すこともできる。エンボス模様を形成するためのエンボス加工法については、特に制限されないが、例えば、抗アレルゲン機能層面からエンボス板で加熱加圧する方法が挙げられる。エンボス模様の形状については、特に制限されず、本発明の化粧シートが適用される建材の特性に応じて設定される。
(3)用途
本発明の化粧シートの適用対象となる被着体については、特に制限されず、内装材又は外装材のいずれであってもよい。好ましくは床材、壁材等の内装材、更に好ましくは内装用床材が挙げられる。また、本発明の化粧シートの適用対象となる被着体の素材についても特に制限されず、例えば、木質基板;プラスチック板、石膏ボード等の非木質基板等が挙げられ、好ましくは木質基板が挙げられる。
(4)化粧シートの製造方法
本発明の化粧シートは、基材シート1上に、前記樹脂組成物を塗工して、硬化させることにより製造することができる。より具体的には、本発明の積層シートは、基材シート1上に、必要に応じて、基材シート1と表面保護層2との間に形成させる層(プライマー層3、印刷層4等)を積層した後に、前記樹脂組成物を塗工して硬化させて表面保護層2を形成することにより製造される。各層を形成して積層させる方法については、前記の通りである。
3.化粧板
本発明の化粧板は、基板上に前記樹脂組成物の硬化物からなる表面保護層を有することを特徴とし、基板上に上記化粧シートが基板に貼付されてなるものあってもよく、基板上に直接上記表面保護層を形成したものであってもよい。
前記基板は、木質基板であってもよく、また非木質基板であってもよい。木質基板としては、例えば、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材の突板、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木質系の板が挙げられる。また、非木質基板としては、例えば、プラスチック板、石膏ボード等が挙げられる。本発明の化粧板において、基板は、1枚の基板からなるものであっても、また2枚以上の基板が積層されてなるものであってもよい。
前記基板として、好ましくは木質基板、更に好ましくは床用の木質基板が挙げられる。
基板上に化粧シートを貼付してなる態様の場合、化粧シートと基板とを貼り付けるために用いる接着剤としては、尿素系、酢酸ビニル樹脂系、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、イソシアネート系等の接着剤を用いることができ、単独であるいは任意混合した混合型接着剤として用いられる。接着剤には、必要に応じて、タルク、炭酸カルシウム、クレー、チタン白等の無機質粉末、小麦粉、木粉、プラスチック粉、着色剤、防虫剤、防カビ剤等を添加混合して用いることができる。
接着剤の塗布は、スプレー、スプレッダー、バーコーター等の塗布装置を用いて行うことができる。一般に、接着剤は固形分を35〜80質量%とし、塗布量50〜300g/m2の範囲で基板表面に塗布される。
化粧シートの基板への貼着は、通常、化粧シートの裏面に接着剤層を形成し、基板を貼着するか、基板の上に接着剤を塗布し、化粧シートを貼着する等の方法によって行われる。化粧シートの貼着には、コールドプレス、ホットプレス、ロールプレス、ラミネーター、ラッピング、縁貼り機、真空プレス等の貼着装置を用いることができる。
また、基板上に前記樹脂組成物の硬化物からなる表面保護層を直接形成する場合、前記樹脂組成物の塗工及び硬化方法、並びに形成される表面保護層の厚み等については、前記「1.樹脂組成物」の欄に記載した通りである。
このようにして得られた本発明の化粧板は、任意に切断して、表面や木口部にルーター、カッター等の切削加工機を用いて溝加工、面取加工等の任意加飾を施すことができる。本発明の化粧板は、例えば、床材、壁材等の種々の用途、好ましくは床材に使用される。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1
基材シートとして、ポリオレフィン系樹脂シート(60μm透明ポリプロピレンに対し、80μmの厚みで着色ポリエチレンを押し出して形成)を用いた。基材シート上にプライマー(「EBRプライマー」、DICグラフィックス株式会社製)を1.5g/m2で塗工し、その表面に、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体からなる抗アレルゲン剤8質量部、2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1400、架橋点間分子量:1400)100質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を15g/m2で塗工した。なお、当該樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は1400である。前記樹脂組成物を塗工した後、加速電圧165kV、照射量50kGy(5Mrad)の電子線を照射し、前記樹脂組成物を硬化させることにより、表面保護層を形成した。斯して、基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。
実施例2
表面保護層の形成に使用する樹脂組成物として、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体からなる抗アレルゲン剤8質量部、3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:2400、架橋点間分子量:1600)80質量部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1000、架橋点間分子量:333)20質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同条件で基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。なお、前記樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は1346である。
実施例3
表面保護層の形成に使用する樹脂組成物として、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体からなる抗アレルゲン剤8質量部、2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1400、架橋点間分子量:1400)80質量部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1800、架橋点間分子量:600)20質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同条件で基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。なお、前記樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は1240である。
比較例1
表面保護層の形成に使用する樹脂組成物として、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体からなる抗アレルゲン剤8質量部、2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1400、架橋点間分子量:1400)60質量部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1800、架橋点間分子量:600)40質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同条件で基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。なお、前記樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は1080である。
比較例2
表面保護層の形成に使用する樹脂組成物として、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体からなる抗アレルゲン剤8質量部、2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1400、架橋点間分子量:1400)40質量部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1800、架橋点間分子量:600)60質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同条件で基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。なお、前記樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は920である。
比較例3
表面保護層の形成に使用する樹脂組成物として、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体からなる抗アレルゲン剤8質量部、2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1400、架橋点間分子量:1400)20質量部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1800、架橋点間分子量:600)80質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同条件で基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。なお、前記樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は760である。
比較例4
表面保護層の形成に使用する樹脂組成物として、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体からなる抗アレルゲン剤8質量部、3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:2400、架橋点間分子量:1600)40質量部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1000、架橋点間分子量:333)60質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同条件で基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。なお、前記樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は840である。
比較例5
表面保護層の形成に使用する樹脂組成物として、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体からなる抗アレルゲン剤8質量部、3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:2400、架橋点間分子量:1600)20質量部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1000、架橋点間分子量:333)80質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同条件で基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。なお、前記樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は587である。
参考例1
表面保護層の形成に使用する樹脂組成物として、ポリフェノール性水酸基を有する化合物が層状リン酸化合物に担持されてなる抗アレルゲン剤(「アレリムーブ(登録商標)」、東亞合成株式会社製)8質量部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1000、架橋点間分子量:333)100質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同条件で基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。なお、前記樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は333である。
試験例1
実施例1〜3、比較例1〜5、及び参考例1の化粧シートの耐湿熱性と抗アレルゲン性能を以下の方法で評価した。
<耐湿熱性>
各化粧シート(縦10cm、横10cm)の表面保護層の上に沸騰水約1.5mlを滴下し、その上に沸騰水約500mlを入れた500ml容のビーカー(底面積約50cm2)を置き、室温で20分間放置し。その後、ビーカーを取り除いて、化粧シート上の水を拭き取り、化粧シートの外観変化を確認し、下記判定基準に従って、耐湿熱性を評価した。
耐湿熱性の判定基準
A:化粧シートの表面の変化が生じていない。
B:化粧シートの表面が若干白くなるものの、外観を損なう程度ではない。
C:化粧シートの表面が若干白くなり、外観を多少損なう程度である。
D:化粧シートの表面が著しく白く見え、外観を損なっている。
<抗アレルゲン性能>
各化粧シートの表面保護層上に、ダニアレルゲン(「ダニ(Df)粗抽出液(商品名)」,ITEA株式会社製)を含む水溶液(ダニアレルゲンの初期濃度:5ng/ml)を化粧シート上に200μl滴下した後、ガラスで被覆し室温で1.5時間放置した後、該化粧シート上の水溶液を回収し、ELISA法を用いて当該水溶液中のダニアレルゲン濃度を測定した。ダニアレルゲンの初期濃度に対して試験後に減少したダニアレルゲン濃度の比率をダニアレルゲン減少率として算出し、下記の判定基準で抗アレルゲン性能を評価した。
<抗アレルゲン性能の判定基準>
A:ダニアレルゲン減少率が70%以上のもの
B:ダニアレルゲン減少率が40%以上70%未満のもの
C:ダニアレルゲン減少率が40%未満のもの
得られた結果を表1に示す。この結果から、表面保護層の形成に使用した樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂の見掛け平均架橋点間分子量が1200以上である実施例1〜3では、優れたアレルゲン性能を備え、しかも熱水との接触による白化が十分に抑制できており、優れた耐湿熱性を有していることが確認された。一方、電離放射線硬化性樹脂の見掛け平均架橋点間分子量が1080以下の樹脂組成物で表面保護層を形成した比較例1〜5では、いずれも、熱水との接触によって明らかな白化が認められ、意匠性が損なわれていた。以上の結果から、見掛け平均架橋点間分子量が1200以上の電離放射線硬化性樹脂を選択し、これをスチレンスルホン酸系の抗アレルゲン剤と共存させることにより、スチレンスルホン酸系の抗アレルゲン剤が熱水と接触しても白化を抑制でき、優れた耐湿熱性を備えさせ得ることが明らかとなった。
なお、抗アレルゲン剤としてポリフェノール性水酸基を有する化合物を使用した参考例1では、電離放射線硬化性樹脂の見掛け平均架橋点間分子量が333の樹脂組成物で表面保護層を形成しても、熱水との接触によって白化は認められなかったことから、熱水と接触による白化は、スチレンスルホン酸系の抗アレルゲン剤に特有の欠点であることが分かった。
1 基材シート
11a 樹脂シート
11b 樹脂シート
12 接着剤層
2 表面保護層
3 プライマー層
4 印刷層

Claims (5)

  1. スチレンスルホン酸及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種の単量体成分を含む重合体を含む抗アレルゲン剤と、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとを含有し、
    前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの見掛け平均架橋点間分子量が1200以上であることを特徴とする、樹脂組成物。
  2. 前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー100質量部当たり、前記抗アレルゲン剤が1〜30質量部含まれる、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記抗アレルゲン剤が、スチレンスルホン酸塩の単独重合体、スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体、スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸−スチレン共重合体及びスチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 基材シート上に、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物からなる表面保護層が形成されていることを特徴とする、化粧シート。
  5. 基板上に、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物からなる表面保護層が形成されていることを特徴とする化粧板。
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