JP2014185302A - スチレンスルホン酸系抗アレルゲン剤を含む樹脂組成物、並びにこれを使用した化粧シート及び化粧板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スチレンスルホン酸及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種の単量体成分を含む重合体からなる抗アレルゲン剤と、電離放射線硬化性樹脂を含む樹脂組成物において、当該電離放射線硬化性樹脂の見掛け平均架橋点間分子量が1200以上となるように設定することにより、熱水と接触しても白化を抑制でき、優れた耐湿熱性を備え得る。
【選択図】なし
Description
項1. スチレンスルホン酸及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種の単量体成分を含む重合体を含む抗アレルゲン剤と、電離放射線硬化性樹脂とを含有し、
前記電離放射線硬化性樹脂の見掛け平均架橋点間分子量が1200以上であることを特徴とする、樹脂組成物。
項2. 前記電離放射線硬化性樹脂100質量部当たり、前記抗アレルゲン剤が1〜30質量部含まれる、項1に記載の樹脂組成物。
項3. 前記抗アレルゲン剤が、スチレンスルホン酸塩の単独重合体、スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体、スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸−スチレン共重合体及びスチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、項1又は2に記載の樹脂組成物。
項4. 基材シート上に、項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物からなる表面保護層が形成されていることを特徴とする、化粧シート。
項5. 基板上に、項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物からなる表面保護層が形成されていることを特徴とする化粧板。
本発明の樹脂組成物は、スチレンスルホン酸及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種の単量体成分を含む重合体を含む抗アレルゲン剤と、電離放射線硬化性樹脂とを含有し、当該電離放射線硬化性樹脂の見掛け平均架橋点間分子量が1200以上であることを特徴とする。以下、本発明の樹脂組成物について詳述する。
本発明の樹脂組成物では、スチレンスルホン酸系の抗アレルゲン剤として、スチレンスルホン酸及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種の単量体成分を含む重合体を含有する。本発明の樹脂組成物では、後述する特定の電離放射線硬化性樹脂を含むことによって、当該抗アレルゲン剤の欠点である熱水との接触による白化が抑制されており、優れた耐湿熱性を備えさせることが可能になっている。
スチレンスルホン酸塩のユニット数 =
スチレンスルホン酸塩単独重合体の分子量/スチレンスルホン酸塩の分子量
スチレンスルホン酸塩及びスチレンスルホン酸のユニット数の総数 =
[スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体の分子量/(スチレンスルホン酸塩の含有モル%×スチレンスルホン酸塩の分子量+スチレンスルホン酸の含有モル%×スチレンスルホン酸の分子量)]
スチレンスルホン酸塩のユニット数 =
[スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体の分子量/(スチレンスルホン酸塩の含有モル%×スチレンスルホン酸塩の分子量+スチレンの含有モル%×スチレンの分子量)]×スチレンスルホン酸塩の含有モル%
スチレンのユニット数 =
[スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体の分子量/(スチレンスルホン酸塩の含有モル%×スチレンスルホン酸塩の分子量+スチレンの含有モル%×スチレンの分子量)]×スチレンの含有モル%
スチレンスルホン酸のユニット数 =
[スチレンスルホン酸−スチレン共重合体の分子量/(スチレンの含有モル%×スチレンの分子量+スチレンスルホン酸の含有モル%×スチレンスルホン酸の分子量)]×スチレンスルホン酸の含有モル%
スチレンのユニット数 =
[スチレンスルホン酸−スチレン共重合体の分子量/(スチレンの含有モル%×スチレンの分子量+スチレンスルホン酸の含有モル%×スチレンスルホン酸の分子量)]×スチレンの含有モル%
スチレンスルホン酸塩及びスチレンスルホン酸のユニット数の総数 =
{[前記三元共重合体の分子量/(スチレンスルホン酸塩の含有モル%×スチレンスルホン酸塩の分子量+スチレンの含有モル%×スチレンの分子量+スチレンスルホン酸の含有モル%×スチレンスルホン酸の分子量)]×スチレンスルホン酸塩の含有モル%}+{[前記三元共重合体の分子量/(スチレンスルホン酸塩の含有モル%×スチレンスルホン酸塩の分子量+スチレンの含有モル%×スチレンの分子量+スチレンスルホン酸の含有モル%×スチレンスルホン酸の分子量)]×スチレンスルホン酸の含有モル%}
スチレンのユニット数 =
[[前記三元共重合体の分子量/(スチレンスルホン酸塩の含有モル%×スチレンスルホン酸塩の分子量+スチレンの含有モル%×スチレンの分子量+スチレンスルホン酸の含有モル%×スチレンスルホン酸の分子量)]×スチレンの含有モル%
溶離液:(0.05M硫酸ナトリウム水溶液:THF=1:1)
流速:0.6ミリリットル/分
温度:40℃
検出:UV(254nm)
標準ポリスチレンスルホン酸ナトリウム:(scientific polymer products社製、重量平均分子量:1,530、5,180、7,540、34,700、126,700、262,600、587,600の7種類の標準品を使用)
本発明の樹脂組成物では、前記抗アレルゲン剤と共に、見掛け平均架橋点間分子量が1200以上である電離放射線硬化性樹脂を含有する。このように、特定の電離放射線硬化性樹脂を選択し、前記抗アレルゲン剤と併用することによって、前記抗アレルゲン剤に優れた耐湿熱性を備えさせることが可能になる。また、電離放射線硬化性樹脂は硬化速度が速く作業性も良好であり、更に化粧シートや化粧板の耐傷性を良好とすることも可能となる。
本発明の樹脂組成物では、含有される電離放射線硬化性樹脂が、見掛け平均架橋点間分子量が1200以上になるように設定される。このように見掛け平均架橋点間分子量を特定の範囲に設定することにより、前記抗アレルゲン剤が熱水との接触による白化が抑制され、優れた耐湿熱性を備えることが可能になる。耐湿熱性をより一層向上させつつ、良好な耐傷性も備えさせるという観点から、見掛け平均架橋点間分子量として、好ましくは1200〜3000、更に好ましくは1240〜3000、より好ましくは1300〜2000、特に好ましくは1340〜2000が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、前記電離放射線硬化性樹脂以外に、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、熱硬化性樹脂、常温硬化性樹脂、2液反応硬化性樹脂等の樹脂を含んでいてもよい。
本発明の樹脂組成物は、優れた耐湿熱性を備えており、湿熱環境に晒されても白化が抑制され、本来備える意匠性を維持でき、しかも優れた抗アレルゲン性能を発揮できるので、アレルゲンの抑制が求められる部材の表面保護層を形成する塗料として好適に使用される。
本発明の化粧シートは、基材シート上に、前記樹脂組成物の硬化物からなる表面保護層を有することを特徴とする。本発明の化粧シートは、表面保護層に含まれる抗アレルゲン剤によって優れた抗アレルゲン性能を発揮でき、しかも湿熱環境に晒されても白化が抑制され、本来備える意匠性を維持することができる。以下、本発明の化粧シートについて詳述する。
本発明の化粧シートは、基材シート1上に、前記樹脂組成物の硬化物からなる表面保護層2が積層された積層構造を有する。本発明の化粧シートは、表面保護層2が最表面を形成していることを限度として、基材シート1と表面保護層2との間には、1又は2以上の他の層が設けられていてもよい。例えば、基材シート1と表面保護層2との間には、これらの密着性を向上させるために、必要に応じてプライマー層3が設けられていてもよい。また、例えば、基材シート1と表面保護層2との間には、化粧シートの意匠性を向上させる目的で、必要に応じて印刷層4が設けられていてもよい。また、基材シート1として2以上の樹脂シートからなる複層構成のシートを使用する場合、基材シート中の樹脂シートの間に、必要に応じて印刷層4を設けてもよい。また、本発明の化粧シートを壁紙用として使用する場合であれば、基材シート1と表面保護層2との間には、必要に応じて、発泡樹脂層を設けてもよい。
以下、本発明の化粧シートを構成する各層の組成及び形成方法について説明する。
本発明で用いられる基材シート1の素材については、特に制限されず、樹脂製又は繊維質製の別を問わないが、本発明の化粧シートを床用化粧シートとして用いる場合には樹脂基材であることが好ましく、壁紙用化粧シートとして用いる場合には繊維質基材であることが好ましい。
表面保護層2は、基材シート1の上に設けられ、本発明の化粧シートの最表面に形成される層である。表面保護層2は、前記樹脂組成物を硬化させることにより形成される層であり、優れた抗アレルゲン性能に加え、優れた耐湿熱性を備えており、実使用環境において白化を抑制して、化粧シートが本来備える意匠性を安定に維持させることができる。
プライマー層3は、基材シート1と表面保護層2との間に、これらの密着性を向上させるために、必要に応じて設けられる層である。
印刷層4は、化粧シートの意匠性を向上させる目的で、必要に応じて設けられる層である。印刷層4は、基材シート1と表面保護層2との間に設けることができる。また、基材シート1として2以上の樹脂シートからなる複層構成のシートを使用する場合、印刷層4は、基材シート1中の樹脂シートの間に設けてもよい。
バッカー層5は、基材シート1の裏面(表面保護層2を積層する面に対して反対側の面)に、必要に応じて設けられる樹脂層である。このようなバッカー層5を設けることにより、化粧シートを基板(特に木質合板)と貼着して化粧板とする場合に、基板表面に不可避的に存在する凹凸の影響を緩和することができる。特に床用化粧シートとして用いる場合には、バッカー層は化粧シートにクッション性を付与する層にもなる。
本発明の化粧シートは、基材シート1側の表面(バッカー層5を設ける場合にはその表面)に、粘着剤を介してセパレータを設けることもできる。このような構成にすることにより、セパレータを剥がして露出した面を被着体に貼着することができる。
本発明の化粧シートは、意匠性の付与を目的として、表面保護層2の表面に、エンボス加工によるエンボス模様を施すこともできる。エンボス模様を形成するためのエンボス加工法については、特に制限されないが、例えば、抗アレルゲン機能層面からエンボス板で加熱加圧する方法が挙げられる。エンボス模様の形状については、特に制限されず、本発明の化粧シートが適用される建材の特性に応じて設定される。
本発明の化粧シートの適用対象となる被着体については、特に制限されず、内装材又は外装材のいずれであってもよい。好ましくは床材、壁材等の内装材、更に好ましくは内装用床材が挙げられる。また、本発明の化粧シートの適用対象となる被着体の素材についても特に制限されず、例えば、木質基板;プラスチック板、石膏ボード等の非木質基板等が挙げられ、好ましくは木質基板が挙げられる。
本発明の化粧シートは、基材シート1上に、前記樹脂組成物を塗工して、硬化させることにより製造することができる。より具体的には、本発明の積層シートは、基材シート1上に、必要に応じて、基材シート1と表面保護層2との間に形成させる層(プライマー層3、印刷層4等)を積層した後に、前記樹脂組成物を塗工して硬化させて表面保護層2を形成することにより製造される。各層を形成して積層させる方法については、前記の通りである。
本発明の化粧板は、基板上に前記樹脂組成物の硬化物からなる表面保護層を有することを特徴とし、基板上に上記化粧シートが基板に貼付されてなるものあってもよく、基板上に直接上記表面保護層を形成したものであってもよい。
基材シートとして、ポリオレフィン系樹脂シート(60μm透明ポリプロピレンに対し、80μmの厚みで着色ポリエチレンを押し出して形成)を用いた。基材シート上にプライマー(「EBRプライマー」、DICグラフィックス株式会社製)を1.5g/m2で塗工し、その表面に、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体からなる抗アレルゲン剤8質量部、2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1400、架橋点間分子量:1400)100質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を15g/m2で塗工した。なお、当該樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は1400である。前記樹脂組成物を塗工した後、加速電圧165kV、照射量50kGy(5Mrad)の電子線を照射し、前記樹脂組成物を硬化させることにより、表面保護層を形成した。斯して、基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。
表面保護層の形成に使用する樹脂組成物として、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体からなる抗アレルゲン剤8質量部、3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:2400、架橋点間分子量:1600)80質量部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1000、架橋点間分子量:333)20質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同条件で基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。なお、前記樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は1346である。
表面保護層の形成に使用する樹脂組成物として、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体からなる抗アレルゲン剤8質量部、2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1400、架橋点間分子量:1400)80質量部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1800、架橋点間分子量:600)20質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同条件で基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。なお、前記樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は1240である。
表面保護層の形成に使用する樹脂組成物として、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体からなる抗アレルゲン剤8質量部、2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1400、架橋点間分子量:1400)60質量部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1800、架橋点間分子量:600)40質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同条件で基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。なお、前記樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は1080である。
表面保護層の形成に使用する樹脂組成物として、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体からなる抗アレルゲン剤8質量部、2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1400、架橋点間分子量:1400)40質量部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1800、架橋点間分子量:600)60質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同条件で基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。なお、前記樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は920である。
表面保護層の形成に使用する樹脂組成物として、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体からなる抗アレルゲン剤8質量部、2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1400、架橋点間分子量:1400)20質量部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1800、架橋点間分子量:600)80質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同条件で基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。なお、前記樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は760である。
表面保護層の形成に使用する樹脂組成物として、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体からなる抗アレルゲン剤8質量部、3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:2400、架橋点間分子量:1600)40質量部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1000、架橋点間分子量:333)60質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同条件で基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。なお、前記樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は840である。
表面保護層の形成に使用する樹脂組成物として、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体からなる抗アレルゲン剤8質量部、3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:2400、架橋点間分子量:1600)20質量部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1000、架橋点間分子量:333)80質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同条件で基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。なお、前記樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は587である。
表面保護層の形成に使用する樹脂組成物として、ポリフェノール性水酸基を有する化合物が層状リン酸化合物に担持されてなる抗アレルゲン剤(「アレリムーブ(登録商標)」、東亞合成株式会社製)8質量部、6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(数平均分子量:1000、架橋点間分子量:333)100質量部、艶消し剤(不定形シリカ,粒径:5μm)16質量部を含む樹脂組成物を使用したこと以外は、実施例1と同条件で基材シート/プライマー層/表面保護層からなる化粧シートを得た。なお、前記樹脂組成物の見掛け平均架橋点間分子量は333である。
実施例1〜3、比較例1〜5、及び参考例1の化粧シートの耐湿熱性と抗アレルゲン性能を以下の方法で評価した。
各化粧シート(縦10cm、横10cm)の表面保護層の上に沸騰水約1.5mlを滴下し、その上に沸騰水約500mlを入れた500ml容のビーカー(底面積約50cm2)を置き、室温で20分間放置し。その後、ビーカーを取り除いて、化粧シート上の水を拭き取り、化粧シートの外観変化を確認し、下記判定基準に従って、耐湿熱性を評価した。
耐湿熱性の判定基準
A:化粧シートの表面の変化が生じていない。
B:化粧シートの表面が若干白くなるものの、外観を損なう程度ではない。
C:化粧シートの表面が若干白くなり、外観を多少損なう程度である。
D:化粧シートの表面が著しく白く見え、外観を損なっている。
各化粧シートの表面保護層上に、ダニアレルゲン(「ダニ(Df)粗抽出液(商品名)」,ITEA株式会社製)を含む水溶液(ダニアレルゲンの初期濃度:5ng/ml)を化粧シート上に200μl滴下した後、ガラスで被覆し室温で1.5時間放置した後、該化粧シート上の水溶液を回収し、ELISA法を用いて当該水溶液中のダニアレルゲン濃度を測定した。ダニアレルゲンの初期濃度に対して試験後に減少したダニアレルゲン濃度の比率をダニアレルゲン減少率として算出し、下記の判定基準で抗アレルゲン性能を評価した。
A:ダニアレルゲン減少率が70%以上のもの
B:ダニアレルゲン減少率が40%以上70%未満のもの
C:ダニアレルゲン減少率が40%未満のもの
11a 樹脂シート
11b 樹脂シート
12 接着剤層
2 表面保護層
3 プライマー層
4 印刷層
Claims (5)
- スチレンスルホン酸及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種の単量体成分を含む重合体を含む抗アレルゲン剤と、電離放射線硬化性樹脂とを含有し、
前記電離放射線硬化性樹脂の見掛け平均架橋点間分子量が1200以上であることを特徴とする、樹脂組成物。 - 前記電離放射線硬化性樹脂100質量部当たり、前記抗アレルゲン剤が1〜30質量部含まれる、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記抗アレルゲン剤が、スチレンスルホン酸塩の単独重合体、スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体、スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸−スチレン共重合体及びスチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 基材シート上に、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物からなる表面保護層が形成されていることを特徴とする、化粧シート。
- 基板上に、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物からなる表面保護層が形成されていることを特徴とする化粧板。
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