JP2020055290A - 化粧シート及びこれを用いた化粧材 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐候性と耐傷性と成形加工性とを有する化粧シート、これを用いた化粧材を提供すること。【解決手段】塩化ビニル樹脂層と、硬化性樹脂組成物の硬化物で構成される表面保護層と、を有し、所定の方法で測定された該表面保護層の25℃におけるクラック発生伸度が30%以上140%以下であり、60℃におけるクラック発生伸度が35%以上180%以下である化粧シート、及びこれを用いた化粧材である。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧シート及びこれを用いた化粧材に関するものである。
壁、天井、床、玄関ドア、屋根等の建築物の内装材又は外装用部材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具又は造作部材の他、キッチン、家具又は弱電製品、OA機器等のキャビネットの表面化粧板、車両の内装材又は外装用部材には、一般的に、鋼板等の金属部材、樹脂部材、木質部材を被着材として、これらの被着材に化粧シートを貼り合わせたものが用いられる。
このような用途に用いられる化粧シートとしては、柔軟であり、成形加工性が良好であることから、従来から基材として塩化ビニル樹脂を用いたものが汎用されてきた(例えば、特許文献1)。
特開2017−205874号公報
ところで、塩化ビニル樹脂を基材として用いた化粧シートは、例えば、外壁、玄関ドア、屋根等の外装用部材、窓枠、扉等の建具又は造作部材といった直射日光が照射される環境等、温度変化が激しく、厳しい環境に晒される部材に用いようとすると、その表面にクラックが発生することにより、クラックの発生自体による外観の変化、また艶の低下、変色等による外観の変化(以下、外観の変化を抑制する性能を「耐候性」とも称する。)、化粧シートの表面が劣化し、耐傷性の低下が生じることがある。基材の材料として用いられる塩化ビニル樹脂は、熱に対する線膨張率の変化が大きいという性状を有していることから、優れた成形加工性が得られるというメリットがある、しかしその一方で、塩化ビニルの熱に対する線膨張率の変化が大きいという性状は、化粧シートを構成する他の層との熱による膨張及び収縮の度合いの相違に起因して、他の層との間で応力及び歪みが生じることにより、最表面にクラックが発生するため、耐候性とともに耐傷性の低下、とりわけ耐候性の低下が顕著となる、というデメリットが生じる原因にもなっていると考えられる。
また近年、地球温暖化の影響により、上記外装用部材等とともに、壁、天井、床、ドア等の内装用部材に用いられる化粧シートにおいても、熱の変化による膨張及び収縮の度合いの相違に起因した、耐候性及び耐傷性の低下が散見されるようになっている。
一般的には、耐候性は紫外線吸収剤等の耐候剤を含む層を高硬度とし、紫外線吸収剤をより強固に保持する設計とすることで向上させることができ、耐傷性は化粧シートを構成する各層をより高硬度の層とする設計とすることで向上させることができる。しかし、塩化ビニル樹脂のような温度変化に伴う膨張収縮が大きい基材を用い意図的に加熱軟化させて成形加工に供される化粧材の場合は、上記のいずれの設計とする場合も、塩化ビニル樹脂基材以外の他の層を高硬度とすることになるため、塩化ビニル樹脂基材と他の層の熱による膨張及び収縮の度合いがより大きくなり、表面保護層等の紫外線吸収剤を含有する最表面の層にクラックが発生し脱落することで、耐候性とともに耐傷性の低下が生じやすくなり、とりわけ耐候性の低下が顕著となる傾向がなる。
このように、塩化ビニル樹脂により構成される層を有する化粧シートにおいて、表面保護層等の最表面の層により付与される耐候性と耐傷性とは相反する特性であるといえ、より厳しい環境下においても、これらの特性を高いレベルで両立することが要望されている。
本発明は、このような状況下になされたもので、優れた耐候性と耐傷性と成形加工性とを有する化粧シート、これを用いた化粧材を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記の構成を有する化粧シート、及びこれを用いた化粧材に係る発明により前記課題を解決できることを見出した。
[1]塩化ビニル樹脂層と、硬化性樹脂組成物の硬化物で構成される表面保護層と、を有し、下記の方法で測定された該表面保護層の25℃におけるクラック発生伸度が30%以上140%以下であり、60℃におけるクラック発生伸度が35%以上180%以下である化粧シート。
(クラック発生伸度の測定)
塩化ビニル樹脂シート(厚さ:120μm、樹脂成分;塩化ビニル樹脂100質量部にポリエステル系可塑剤30質量部を配合)に、上記硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化(紫外線照射量:200mJ/cm)させてコーティング層(厚さ:5μm)を形成したシートを用いて、JIS K7127に準拠した短冊型の試験片を用意し、該試験片を、25℃又は60℃の温度環境下において、引張試験機を用いて引張速度50mm/分、チャック間距離80mm、幅25mmの条件で、任意伸度で引っ張った後、該試験片をホワイトボード用マーカーでチャック間内を着色し、該着色部を布でふき取り、クラックの発生によりふき取れなくなったときの伸度をクラック発生伸度とした。
[2]塩化ビニル樹脂層の60℃における引張弾性率が1MPa以上である上記[1]に記載の化粧シート。
[3]更に装飾層及び透明樹脂層を有し、塩化ビニル樹脂層、装飾層、透明樹脂層及び表面保護層を順に有する上記[1]又は[2]に記載の化粧シート。
[4]被着材と上記[1]〜[3]のいずれかに記載の化粧シートとを有する化粧材。
本発明によれば、優れた耐候性と耐傷性と成形加工性とを有する化粧シート、これを用いた化粧材を提供することができる。
本発明の化粧シートの一例の断面を示す模式図である。 本発明の化粧シートの一例の断面を示す模式図である。 本発明の化粧材の層構成の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」と称することがある。)について説明する。なお、本明細書において、「以上」、「以下」、「〜」の数値範囲に係る上限及び下限の数値は任意に組み合わせできる数値であり、また実施例の数値を上限及び下限の数値として用いることもできる。
〔化粧シート〕
本実施形態の化粧シートは、塩化ビニル樹脂層と、硬化性樹脂組成物の硬化物で構成される表面保護層と、を有し、下記の方法で測定された該表面保護層の25℃におけるクラック発生伸度が30%以上140%以下であり、60℃におけるクラック発生伸度が35%以上180%以下である、というものである。本実施形態の化粧シートの構成を、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本実施形態の化粧シート10の一例の断面を示す模式図であり、基材11及び表面保護層16を有している。図2は、本実施形態の化粧シート10の好ましい態様の一例の断面を示す模式図であり、該化粧シート10は、基材11、装飾層12、接着層13、透明樹脂層14、プライマー層15、及び表面保護層16を順に有し、基材11の表面保護層16側の面とは反対側の面には裏面プライマー層17を有している。また、図2には、表面保護層16の基材11とは反対側の面(最表面)に凹部19を有しており、凹部19には、表面保護層16内に留まるもの、透明樹脂層14に至るもの、基材11に至るもの等があることが示されている。
(クラック発生伸度)
本実施形態の化粧シートは、表面保護層の25℃におけるクラック発生伸度が30%以上140%以下であり、60℃におけるクラック発生伸度が35%以上180%以下であることを要する。本明細書において、表面保護層の25℃及び60℃におけるクラック発生伸度は、以下の方法により測定されるものである。
(クラック発生伸度の測定)
塩化ビニル樹脂シート(厚さ:120μm、樹脂成分;塩化ビニル樹脂100質量部にポリエステル系可塑剤30質量部を配合)に、上記硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化(紫外線照射量:200mJ/cm)させてコーティング層(厚さ:5μm)を形成したシートを用いて、JIS K7127に準拠した短冊型の試験片を用意し、該試験片を、25℃又は60℃の温度環境下において、引張試験機を用いて引張速度50mm/分、チャック間距離80mm、幅25mmの条件で、任意伸度で引っ張った後、該試験片をホワイトボード用マーカーでチャック間内を着色し、該着色部を布でふき取り、クラックの発生によりふき取れなくなったときの伸度をクラック発生伸度とした。
本実施形態の化粧シートにおいて、表面保護層の25℃及び60℃におけるクラック発生伸度が上記範囲内にあることで、塩化ビニル樹脂基材と他の層、とりわけ表面保護層との熱による膨張及び収縮の度合いの相違に起因するクラックの発生を抑制することが可能となり、耐候性とともに耐傷性、成形加工性の低下、とりわけ耐候性の低下を抑制でき、優れた耐候性と耐傷性と成形加工性とを有する化粧シートとなり得る。また、本実施形態の化粧シートにおいては、常温を想定する25℃だけでなく、直射日光が照射される環境において、化粧シートが上昇し得る温度条件に近い、60℃におけるクラック発生伸度が上記範囲内であることが肝要である。常温とともに化粧シートが用いられ得る高い温度条件において、本実施形態の化粧シートの表面保護層を、特定のクラック発生伸度の範囲内とすることで、温度変化が激しい、厳しい環境に晒される部材に用いられても、優れた耐候性、耐傷性及び成形加工性を有する化粧シートとすることが可能となる。また、表面保護層のクラック発生伸度が上記範囲内であると、表面保護層の硬度も確保されることとなるので、耐傷性が更に向上することとなる。かくして、本実施形態の化粧シートは、相反する耐候性とともに耐傷性、成形加工性を有するものとなる。
より優れた耐候性、耐傷性及び成形加工性を得る観点から、25℃における表面保護層のクラック発生伸度は、好ましくは45%以上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは70%以上、より更に好ましくは80%以上であり、上限として好ましくは125%以下、より好ましくは115%以下、更に好ましくは105%以下、特に好ましくは100%以下である。また、これと同様の観点から、60℃における表面保護層のクラック発生伸度は、好ましくは55%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上、より更に好ましくは110%以上であり、上限として好ましくは170%以下、より好ましくは155%以下、更に好ましくは140%以下、特に好ましくは130%以下である。
上記測定方法により測定される表面保護層のクラック発生伸度は、厚さ120μmの塩化ビニル樹脂シート上に表面保護層を設けたシートを用いて測定するものであり、実質的には本実施形態の化粧シートのクラック発生伸度と称してもよいといえるものである。すなわち、上記測定方法により測定される表面保護層のクラック発生伸度は、例えば実施例で得られる化粧シートを用いて測定するクラック発生伸度と実質的に等しいものといえる。
また、上記測定方法により測定される表面保護層のクラック発生伸度は、例えば塩化ビニル樹脂層を形成する塩化ビニル樹脂の種類(可塑剤の種類及び使用量)、表面保護層を形成する樹脂の種類等によって容易に調整可能であり、表面保護層を形成する樹脂の種類による調整によりクラック発生伸度の多少が大きく影響されることとなる。
以下、本発明の化粧シートを構成する各層について説明する。
(塩化ビニル樹脂層)
本実施形態の化粧シートの塩化ビニル樹脂層は、基材として機能する層である。塩化ビニル樹脂層を形成する塩化ビニル樹脂としては、塩化ビニルモノマーの単独重合体、また他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
塩化ビニルモノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;ブチルマレート、ジエチルマレート等のマレイン酸エステル類;ジブチルフマレート、ジエチルフマレート等のフマル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類;エチレン、プロピレン、ブチレン、スチレン等のオレフィン類;イソプレン、ブタジエン等のジエン類;塩化ビニリデン、臭化ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビニリデン、ハロゲン化ビニル類;ジアリルフタレート等のフタル酸アリル類、等が好ましく挙げられる。これらのモノマーは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
また、塩化ビニル樹脂として、塩化ビニルモノマーを下記重合体にグラフトしたグラフト共重合体を用いることもできる。
塩化ビニルモノマーがグラフトされる重合体として、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。
本発明において、塩化ビニル樹脂層は、60℃における引張弾性率が1MPa以上であることが好ましい。本発明における引張弾性率は、JIS K 7127−1:2014に準拠して測定される値である。
塩化ビニル樹脂層の引張弾性率が上記範囲であることにより、直射日光が照射されるなどの高い温度条件下で、塩化ビニル樹脂層と表面保護層などの他の層との膨張及び収縮の度合いの相違に起因する化粧シート内部の歪みを緩和することができる。この結果、クラックの発生を抑制することが可能となり、より優れた耐候性及び耐傷性を有する化粧シートを得ることができる。また、高温条件下での化粧シートの反りを抑制することもできる。更に、塩化ビニル樹脂層の引張弾性率が上記範囲であることにより、成形加工性の低下を抑制できる。
耐候性を考慮すると、塩化ビニル樹脂層の60℃における引張弾性率は、5MPa以上であることが好ましく、7MPa以上であることがより好ましく、10MPa以上であることが更に好ましい。また、上限としては、塩化ビニル樹脂層の適度な柔軟性を確保するなどの理由により、成形加工性を向上させるとの観点から、60MPa以下であることが好ましく、55MPa以下であることがより好ましく、50MPa以下であることが更に好ましい。
塩化ビニル樹脂層の60℃における引張弾性率は、塩化ビニル樹脂の平均重合度及び可塑剤の添加量により調整することができる。具体的に、塩化ビニル樹脂の平均重合度が高くなるほど、塩化ビニル樹脂層の引張弾性率が増加する傾向がある。また、添加する可塑剤の量が多くなるほど、塩化ビニル樹脂層の引張弾性率が低下する傾向がある。
塩化ビニル樹脂の平均重合度は、500〜4000が好ましく、700〜3900がより好ましく、1000〜3800が更に好ましい。平均重合度が上記範囲内であると、表面保護層との関係において、応力及び歪みの発生を低減し、より優れた耐候性及び耐傷性が得られやすくなり、また成形加工性も向上する。また、平均重合度が上記範囲内であると、塩化ビニル樹脂層の60℃における引張弾性率を上述した範囲内に調整しやすくなる。なお、平均重合度は、JIS K6721に準拠して測定される平均重合度である。
塩化ビニル樹脂には、応力及び歪みの発生を低減し、より優れた耐候性及び耐傷性を得るとともに、成形加工性を向上させる観点から、可塑剤を添加することが好ましい。
可塑剤としては、塩化ビニル系樹脂と相溶性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)等のフタル酸系可塑剤;アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ビスエチルヘキシル等のアジピン酸系可塑剤;リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル等のリン酸系可塑剤;トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル等のトリメリット酸系可塑剤;アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリオクチルシトレート等のクエン酸系可塑剤;等が好ましく挙げられる。中でも、フタル酸系可塑剤、アジピン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、クエン酸系可塑剤等のポリエステル系可塑剤が好ましく、フタル酸系可塑剤、アジピン酸系可塑剤がより好ましい。これらの可塑剤は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
可塑剤の添加量としては、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上であり、上限として好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下、更に好ましくは35質量部以下である。可塑剤の添加量を15質量部以上であれば、塩化ビニル樹脂を柔軟にすることができ、成形加工性が向上する。一方、50質量部以下であると可塑剤がブリードアウトすることがなく、効率的に添加剤の使用効果が得られる。また、可塑剤の添加量を上記範囲とすることで、塩化ビニル樹脂層の60℃における引張弾性率を上述した範囲に調整しやすくなる。
塩化ビニル樹脂層は、着色されていてもよいし、着色されていなくてもよく(透明でもよく)、着色されている場合、着色の態様には特に制限はなく、透明着色であってもよいし、不透明着色(隠蔽着色)であってもよく、これらは任意に選択できる。例えば、化粧シートを貼着する鋼板などの被着材の地色を着色隠蔽する場合には、不透明着色を選択すればよい。一方、化粧材に用いられる被着材の地模様を目視できるようにする場合には、透明着色を選択すればよい。
塩化ビニル樹脂層は、着色されている場合、着色剤としては、例えば、チタン白等の白色顔料、鉄黒、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、ニッケルアゾ錯体、フタロシアニンブルー、ペリレンブラック顔料、アゾメチンアゾ系黒色顔料等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等の着色剤が挙げられる。中でも、化粧シートを貼着する被着材の表面色相がばらついている場合に、表面色相を良好に隠蔽しやすく、より優れた意匠性が得られ、所望に応じて設けられる装飾層の色調の安定性を向上させることができることから、白色顔料等の無機顔料を含むことが好ましい。
白色顔料等の無機顔料を用いる場合、その含有量は、透明着色とするか、不透明着色(隠蔽着色)とするかに応じて適宜調整すればよく、例えば、塩化ビニル樹脂層を構成する樹脂100質量部に対し、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。また、上限として好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、特に好ましくは20質量部以下である。
塩化ビニル樹脂層には、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレーなどの無機充填剤、水酸化マグネシウムなどの難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。添加剤の配合量は、特に加工特性を阻害しない範囲であれば特に制限はなく、要求特性等に応じて適宜設定できる。
より優れた耐候性を得る観点から、上記添加剤の中でも、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤を用いることが好ましい。
塩化ビニル樹脂層は、化粧材とした場合に表面保護層と被着材との間に位置する層であるため、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤のブリードアウトによる耐候性の低下への影響は、他の層に比べて小さいものといえる。塩化ビニル樹脂層に用いられる紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。また、例えば、後述する表面保護層に特に好ましく用いられるものとして例示される特定のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤も好ましく用いることができる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましく、例えば、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル(メタ)アクリレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオシキ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)−2−n−ブチルマロネート等が挙げられる。これらの中でも、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオシキ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のデカン二酸(セバシン酸)由来のヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。
これらの紫外線吸収剤、光安定剤は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。また、紫外線吸収剤、光安定剤は、光安定剤の一つとして上記に例示するように、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する反応性官能基を有するものであってもよい。
塩化ビニル樹脂層中の紫外線吸収剤の含有量は、塩化ビニル樹脂層を構成する樹脂100質量部に対し、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.3質量部以上であり、上限として好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下である。また、塩化ビニル樹脂層中の光安定剤の含有量は、塩化ビニル樹脂層を構成する樹脂100質量部に対し、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上であり、上限として好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは6質量部以下である。塩化ビニル樹脂層中の紫外線吸収剤、光安定剤の含有量が上記範囲内であると、ブリードアウトしにくく、優れた添加効果が得られる。
塩化ビニル樹脂層は、単層、又は複層のいずれの構成であってもよい。
塩化ビニル樹脂層の厚さは、より優れた耐候性及び耐傷性と、成形加工性とを得る観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは40μm以上であり、上限として好ましくは250μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは180μm以下である。
塩化ビニル樹脂層は、塩化ビニル樹脂層と他の層との層間密着性の向上、各種の被着材との接着性の強化等のために、その片面又は両面に、酸化法、凹凸化法等の物理的表面処理、又は化学的表面処理等の表面処理を施すことができる。
酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン−紫外線処理法等が挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、一般にはコロナ放電処理法が、表面処理の効果及び操作性等の面から好ましく用いられる。
また、塩化ビニル樹脂層と他の層との層間密着性の向上、各種の被着材との接着性の強化等のために、塩化ビニル樹脂層にプライマー層、裏面プライマー層を形成する等の処理を施してもよい。これらのプライマー層については、後述する。
(表面保護層)
表面保護層は、硬化性樹脂組成物の硬化物で構成される層であり、上記のクラック発生伸度を有する層である。また、表面保護層は、塩化ビニル樹脂層上に直接、又は他の層、例えば、必要に応じて設けられる装飾層、塩化ビニル樹脂層又は装飾層と表面保護層との層間密着性を向上させるためのプライマー層等の上に設けられる、本実施形態の化粧シートの最表面に位置する層である。本実施形態の化粧シートは、このような表面保護層を有することで、より優れた耐候性及び耐傷性を有するものとなり、また優れた成形加工性を有するものとなる。
表面保護層は、硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物で構成される層である。
表面保護層の形成に用いられる硬化性樹脂としては、2液硬化型樹脂等の熱硬化性樹脂の他、電離放射線硬化性樹脂等が好ましく用いられ、これらの複数種を組み合わせた、例えば、電離放射線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とを併用する、又は硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを併用する、いわゆるハイブリッドタイプであってもよい。
硬化性樹脂としては、表面保護層のクラック発生伸度を特定の範囲内に調整しやすくし、より優れた耐候性及び耐傷性、更には成形加工性を得る観点から、電離放射線硬化性樹脂が好ましく、また、取り扱いが容易であることから、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂がより好ましく、紫外線硬化性樹脂が更に好ましい。また、紫外線硬化性樹脂を用いると、硬化の際における塩化ビニル樹脂層の劣化を抑制することができるため、より優れた耐候性及び耐傷性を得る点で有利である。
(電離放射線硬化性樹脂)
電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂のことであり、電離放射線硬化性官能基を有するものである。ここで、電離放射線硬化性官能基とは、電離放射線の照射によって架橋硬化する基であり、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などのエチレン性二重結合を有する官能基などが好ましく挙げられる。また、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も含まれる。
電離放射線硬化性樹脂としては、具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー、重合性オリゴマーの中から適宜選択して用いることができる。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好ましく、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系モノマーのうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子中に2つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ該官能基として少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーが挙げられ、クラック発生伸度を特定の範囲内に調整しやすく、優れた耐傷性と耐候性と成形加工性とを得る観点から、アクリロイル基を有するアクリレートモノマーが好ましい。
また、これと同様の観点から、官能基数は好ましくは2以上であり、上限として好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4以下、特に好ましくは3以下である。これらの多官能性(メタ)アクリレートは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよく、クラック発生伸度を特定の範囲内に調整しやすく、優れた耐傷性と耐候性と成形加工性とを得る観点から、特に官能基数2のものと3のものとを併用することが好ましい。
重合性オリゴマーとしては、例えば、分子中に2つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ該官能基として少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカプロラクトンウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカプロラクトンジオールウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
これらの重合性オリゴマーは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。クラック発生伸度を特定の範囲内に調整しやすく、より優れた耐傷性及び耐候性、さらに成形加工性を得る観点から、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカプロラクトンウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカプロラクトンジオールウレタン(メタ)アクリレートが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカプロラクトンウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカプロラクトンジオールウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーがより好ましく、クラック発生伸度を特定の範囲内に調整しやすく、優れた耐傷性と耐候性と成形加工性とを得る観点から、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく、特にウレタンアクリレートオリゴマーが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等のポリオールと、ポリイソシアネートとの反応により得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することで得られる、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられ、中でもポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく、ポリエーテル系ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリカーボネート系ウレタンアクリレートオリゴマーがより好ましい。
本実施形態においては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、上記好ましいウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、すなわちポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、更にはポリエーテル系ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリカーボネート系ウレタンアクリレートオリゴマーを含んでいることが好ましく、その全てが上記好ましいウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであることが好ましい。
クラック発生伸度を特定の範囲内に調整しやすく、優れた耐傷性と耐候性と成形加工性とを得る観点から、これらの重合性オリゴマーの官能基数は、好ましくは2以上であり、上限として好ましくは8以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4以下、特に好ましくは3以下である。これらの重合性オリゴマーは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよく、クラック発生伸度を特定の範囲内に調整しやすく、優れた耐耐傷性と耐候性と成形加工性とを得る観点から、特に官能基数2のものと3のものとを併用することが好ましい。
これらの重合性オリゴマーの重量平均分子量は、クラック発生伸度を特定の範囲内に調整しやすく、より優れた耐傷性と耐候性と成形加工性とを得る観点から、1,000以上が好ましく、1,500以上がより好ましく、2,000以上が更に好ましい。また、上限としては、15,000以下が好ましく、14,000以下がより好ましく、13,500以下が更に好ましい。ここで、重量平均分子量は、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された平均分子量である。
本実施形態の化粧シートにおいては、電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度を低下させる等の目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜併用することができる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
電離放射線硬化性樹脂としては、クラック発生伸度を特定の範囲内に調整しやすく、より優れた耐傷性及び耐候性を得る観点から、重合性オリゴマーを含むものであることが好ましい。電離放射線硬化性樹脂中の重合性オリゴマーの含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましく、100質量%が特に好ましい。
表面保護層を構成する硬化性樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含んでもよい。表面保護層が紫外線吸収剤を含むことにより、より優れた耐候性が得られ、また表面保護層の25℃及び60℃におけるクラック発生伸度を特定の範囲とすることで、紫外線吸収剤を表面保護層中に保持することができ、より優れた耐候性とともに耐傷性、成形加工性も得られる。
紫外線吸収剤としては、塩化ビニル樹脂層に含まれ得る紫外線吸収剤として例示した、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられ、トリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。より具体的には、トリアジン系紫外線吸収剤の中でも、トリアジン環に、ヒドロキシフェニル基、アルコキシフェニル基及びこれらの基を含む有機基から選ばれる少なくとも一つの有機基が三つ連結したヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤がより好ましく、下記一般式(1)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が更に好ましい。表面保護層は、化粧シートの最表面に位置する層であるため、層からブリードアウトしにくいものが好ましく、下記一般式(1)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤は分岐構造を有するため、ブリードアウトしにくくなることが期待され、耐候性能の観点から、表面保護層に用いられる紫外線吸収剤として特に好ましいものである。
一般式(1)中、R11は2価の有機基であり、R12は−C(=O)OR15で示されるエステル基、又は−O−R16で示されるオルガニルオキシ基であり、R13、R14、R15及びR16は各々独立して1価の有機基であり、n11及びn12は各々独立して1〜5の整数である。
11の2価の有機基としては、アルキレン基、アルケニレン基等の脂肪族炭化水素基が挙げられ、耐候性の観点から、アルキレン基が好ましく、その炭素数は、好ましくは1以上、上限として好ましくは20以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは8以下、特に好ましくは4以下である。アルキレン基、アルケニレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよいが、直鎖状、分岐状が好ましい。
炭素数1以上20以下のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、1,1−エチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン、1,2−プロピレン、2,2−プロピレン等の各種プロピレン基(以下、「各種」は、直鎖状、分岐状、及びこれらの異性体のものを含むものを示す。)、各種ブチレン基、各種ペンチレン基、各種ヘキシレン基、各種へプチレン基、各種オクチレン基、各種ノニレン基、各種デシレン基、各種ウンデシレン基、各種ドデシレン基、各種トリデシレン基、各種テトラデシレン基、各種ペンタデシレン基、各種ヘキサデシレン基、各種ヘプタデシレン基、各種オクタデシレン基、各種ノナデシレン基、各種イコシレン基が挙げられる。
13及びR14の1価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアリールアルキル基等が挙げられ、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基等の芳香族炭化水素基が好ましく、アルキル基、アリール基が好ましい。
アルキル基としては、炭素数が好ましくは1以上20以下のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ウンデシル基、各種ドデシル基、各種トリデシル基、各種テトラデシル基、各種ペンタデシル基、各種ヘキサデシル基、各種ヘプタデシル基、各種オクタデシル基、各種ノナデシル基、各種イコシル基が挙げられる。R13及びR14の1価の有機基のアルキル基の炭素数としては、16以下がより好ましく、8以下が更に好ましく、4以下がより更に好ましく、特に2以下が好ましい。すなわち、R13及びR14の1価のアルキル基としては、特にメチル基、エチル基が好ましい。また、入手容易性を考慮すると、メチル基であることが好ましい。
13及びR14のアリール基としては、炭素数が好ましくは6以上、上限として好ましくは20以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下のアリール基、例えば、フェニル基、各種メチルフェニル基、各種エチルフェニル基、各種ジメチルフェニル基、各種プロピルフェニル基、各種トリメチルフェニル基、各種ブチルフェニル基、各種ナフチル基等が挙げられる。アリールアルキル基としては、炭素数が好ましくは7以上、上限として好ましくは20以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下のアリールアルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、各種フェニルプロピル基、各種フェニルブチル基、各種メチルベンジル基、各種エチルベンジル基、各種プロピルベンジル基、各種ブチルベンジル基、各種ヘキシルベンジル基等が挙げられる。中でも、フェニル基が好ましい。
15及びR16の1価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアリールアルキル基等が挙げられ、アルキル基、アルケニル基等の脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。すなわち、R12としては、アルキルエステル基、アルケニルエステル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基が好ましく、アルキルエステル基、アルコキシ基がより好ましい。
アルキル基としては、上記R13及びR14の1価の有機基として例示したアルキル基が挙げられる。R13及びR14のアルキル基の炭素数は、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは6以上であり、上限として好ましくは20以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下である。
アルケニル基としては、炭素数が好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは6以上、上限として好ましくは20以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは12以下のアルケニル基、例えば、ビニル基、各種プロペニル基、各種ブテニル基、各種ペンテニル基、各種ヘキセニル基、各種オクテニル基、各種ノネニル基、各種デセニル基、各種ウンデセニル基、各種ドデセニル基、各種トリデセニル基、各種テトラデセニル基、各種ペンタデセニル基、各種ヘキサデセニル基、各種ヘプタデセニル基、各種オクタデセニル基、各種ノナデセニル基、各種イコセニル基が挙げられる。
上記のR11、R12、R13、R14、R15及びR16の基は、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、炭素数1以上4以下のアルキル基等の置換基を有していてもよい。
11及びn12は各々独立して1〜5の整数であり、好ましくは1〜3の整数、より好ましくは1〜2の整数である。n11及びn12が2以上の整数である場合、複数のR13及びR14は同じでもよく、異なっていてもよく、入手容易性の観点から、同じであることが好ましい。
一般式(1)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン化合物としては、より具体的には、R11が炭素数1以上20以下のアルキレン基であり、R12がR15及びR16が炭素数1以上20以下のアルキル基であるアルキルエステル基又はアルコキシ基であり、R13及びR14が炭素数6以上20以下のアリール基又は炭素数1以上20以下のアルキル基であり、n11及びn12が1又は2のヒドロキシフェニルトリアジン化合物が好ましく、R11が炭素数1以上12以下のアルキレン基であり、R12がR15及びR16が炭素数2以上16以下のアルキル基であるアルキルエステル基又はアルコキシ基であり、R13及びR14が炭素数6以上12以下のアリール基又は炭素数1以上8以下のアルキル基であり、n11及びn12が1又は2のヒドロキシフェニルトリアジン化合物がより好ましく、R11が炭素数1以上8以下のアルキレン基であり、R12がR15及びR16が炭素数6以上14以下のアルキル基であるアルキルエステル基又はアルコキシ基であり、R13及びR14が炭素数6以上10以下のアリール基又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、n11及びn12が1又は2のヒドロキシフェニルトリアジン化合物が更に好ましい。中でも、R11が炭素数1以上4以下の水酸基を有するアルキレン基であり、R12がR16が炭素数1又は2のアルキル基であるアルコキシ基であり、R13及びR14がメチル基であり、n11及びn12が2のヒドロキシフェニルトリアジン化合物、R11が炭素数1以上4以下のアルキレン基であり、R12がR15が炭素数8のアルキル基であるエステル基であり、R13及びR14がフェニル基であり、n11及びn12が1のヒドロキシフェニルトリアジン化合物が特に好ましい。
一般式(1)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン化合物としては、更に具体的には、下記化学式(2)で示される、R11が水酸基を有するプロピレン基(ヒドロキシプロピレン基)であり、R12がR16が炭素数12又は13のアルキル基であるアルコキシ基であり、R13及びR14がメチル基であり、n11及びn12が2のヒドロキシフェニルトリアジン化合物、すなわち2−(2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−[3−ドデシロキシプロポキシ]フェニル)−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−[3−トリデシロキシプロポキシ]フェニル)−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン又はこれらの混合物が好ましく、このヒドロキシフェニルトリアジン化合物は、例えば、市販品(TINUVIN400」、BASF社製)として入手可能である。
また、一般式(1)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン化合物としては、更に具体的には、下記化学式(3)で示されるR11がエチレン基であり、R12がR15がイソオクチル基であるエステル基であり、R13及びR14がフェニル基であり、n11及びn12が1のヒドロキシフェニルトリアジン化合物、すなわち2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジンも好ましく、このヒドロキシフェニルトリアジン化合物は、例えば、市販品(「TINUVIN479」、BASF社製)として入手可能である。
表面保護層を構成する硬化性樹脂組成物は、より優れた耐候性を得る観点から、光安定剤を含むことが好ましい。光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましく、塩化ビニル樹脂層に用い得る光安定剤として例示したヒンダードアミン系光安定剤を用いることができ、耐候性の観点から、デカン二酸(セバシン酸)由来のヒンダードアミン系光安定剤が好ましく、また、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル(メタ)アクリレート等のエチレン性二重結合を有する反応性官能基を有する光安定剤も好ましく挙げられる。
表面保護層において、これらの紫外線吸収剤、光安定剤は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。また、紫外線吸収剤、光安定剤は、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する反応性官能基を有するものであってもよい。表面保護層を構成する硬化性樹脂との相互作用により、ブリードアウトしにくくなるため、より多量に用いることができ、より優れた耐候性が得られる。なお、反応性官能基を有する紫外線吸収剤、光安定剤は、表面保護層だけでなく、他の層にも用い得ることは言うまでもない。
表面保護層中の紫外線吸収剤の含有量は、表面保護層を構成する硬化性樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上が更に好ましい。また上限としては、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下が更に好ましい。
表面保護層中の光安定剤の含有量は、表面保護層を構成する硬化性樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上が更に好ましい。また上限としては、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、5質量部以下が更に好ましく、3質量部以下が特に好ましい。表面保護層中の紫外線吸収剤、光安定剤の含有量が上記範囲内であると、ブリードアウトすることなく、また優れた成形加工性が得られ、かつ優れた添加効果が得られる。
表面保護層を形成する硬化性樹脂として、紫外線硬化性樹脂を用いる場合、光重合開始剤、光重合促進剤等の添加剤を用いることが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサントン等が挙げられる。
光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。
表面保護層に含まれる添加剤としては、意匠性向上の観点から、艶消し剤も好ましく挙げられる。艶消し剤としては、シリカ、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸塩、及びケイ酸微粉末等の無機フィラー;アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又は尿素系樹脂等の有機フィラー、等が挙げられる。
これらの艶消し剤の体積平均粒径は、好ましくは0.5〜25μmであり、より好ましくは1〜15μm、更に好ましくは3〜10μmである。
表面保護層に含まれる添加剤としては、意匠性向上の観点から、チタン白等の白色顔料、その他、塩化ビニル樹脂層に含み得る着色剤として例示した無機顔料等の着色剤も挙げられる。白色顔料等の無機顔料が表面保護層に含まれる場合、無機顔料の含有量は、表面保護層を構成する樹脂100質量部に対し、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上であり、上限として好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。無機顔料の含有量が上記範囲内であると、無機顔料の使用による優れた意匠性が得られ、より優れた耐候性及び耐傷性とともに、成形加工性も得られる。
また、表面保護層には、添加剤として、本発明の目的を損なわない範囲で、上記の紫外線吸収剤、光安定剤、光重合開始剤等の他、紫外線遮蔽剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、艶消し剤、充填剤、ブロッキング防止剤、滑剤、溶剤等を添加することができる。
表面保護層の厚さは、より優れた耐傷性及び耐候性を得る観点から、2μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、4μm以上が更に好ましい。また上限としては、15μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、8μm以下が更に好ましい。
(装飾層)
本実施形態の化粧シートは、意匠性を向上させる観点から、塩化ビニル樹脂層と表面保護層との間に装飾層を有することが好ましい。装飾層は、例えば、全面を被覆する着色層(いわゆるベタ着色層)であってもよいし、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される絵柄層であってもよいし、またこれらを組み合わせたものであってもよい。例えば、被着材の地色を着色隠蔽する場合には、ベタ着色層とすることで、着色隠蔽しつつ、意匠性を向上させることができるし、更に意匠性を向上させる観点から、ベタ着色層と絵柄層とを組み合わせてもよいし、一方、被着材の地模様を生かす場合は、ベタ着色層とせずに絵柄層のみを設ければよい。
装飾層に用いられるインキとしては、バインダーに顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を適宜混合したものが使用される。
バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ウレタン−アクリル共重合体、ポリカーボネート系ウレタン−アクリル共重合体(ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、末端、側鎖に2個以上の水酸基を有する重合体(ポリカーボネートポリオール)由来のウレタン−アクリル共重合体)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル共重合体樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等の樹脂が好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。また、1液硬化型の他、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPID)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等のイソシアネート化合物等の硬化剤を伴う2液硬化型など、種々のタイプの樹脂を用いることができる。
装飾層においては、例えば、チタン白等の白色顔料、鉄黒、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等の着色剤を用いることもできる。
装飾層は、より優れた耐候性を得る観点から、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤を含んでいてもよい。
紫外線吸収剤、光安定剤としては、塩化ビニル樹脂層、表面保護層に含まれ得るものとして例示した、紫外線吸収剤、光安定剤を挙げることができる。紫外線吸収剤及び光安定剤の含有量は、より優れた耐候性を得る観点から、表面保護層中の含有量と同じ範囲を例示することができる。
装飾層として絵柄層を有する場合、その模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
装飾層の厚さは、所望の絵柄に応じて適宜選択すればよいが、被着材の地色を着色隠蔽し、かつ意匠性を向上させる観点から、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、2μm以上が更に好ましく、また上限としては、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ましい。
(透明樹脂層)
透明樹脂層は、装飾層の保護、より優れた耐候性及び耐傷性を得る観点から、所望に応じて好ましく設けられる層である。
透明樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂等が好ましく挙げられる。中でも、より優れた耐候性及び耐傷性を得る観点、更には成形加工性の観点から、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂が好ましく、塩化ビニル樹脂、が更に好ましい。
透明樹脂層は塩化ビニル樹脂層と表面保護層との間に設けられていればよく、装飾層を有する場合、装飾層を保護する観点から、装飾層と表面保護層との間に設けられていることが好ましい。
透明樹脂層は無色透明であっても着色透明でもよく、装飾層と表面保護層との間に設けられる場合は、装飾層をより鮮明に視認できるようにする観点から、無色透明であることが好ましい。すなわち本明細書において、透明とは、無色透明の他、着色透明及び半透明も含むものである。また、着色されている場合、用いられる着色剤としては、上記の基材に用いられる着色剤と同様のものが好ましく挙げられる。
透明樹脂層は、必要に応じて、添加剤が配合されていてもよく、例えば、上記塩化ビニル樹脂層、表面保護層中に配合し得る添加剤として例示したものを用いることができる。より優れた耐候性を得る観点から、上記添加剤の中でも、紫外線吸収剤、光安定剤といった耐候剤を用いることが好ましい。
紫外線吸収剤、光安定剤としては、塩化ビニル樹脂層、表面保護層に用い得るものとして例示した、紫外線吸収剤、光安定剤を挙げることができる。これらの耐候剤の含有量は、より優れた耐候性を得る観点から、塩化ビニル樹脂層中の含有量と同じ範囲を例示することができる。
透明樹脂層の厚さは、装飾層の保護、より優れた耐候性及び耐傷性を得る観点から、10μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、50μm以上が更に好ましい。上限としては、150μm以下が好ましく、120μm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましい。また、同様の観点から、塩化ビニル樹脂層と同等、またはそれ以上の厚さとすることが好ましい。
透明樹脂層は、透明樹脂層と他の層との層間密着性の向上等のために、その片面又は両面に、酸化法、凹凸化法等の物理的表面処理、又は化学的表面処理等の表面処理を施すことができる。これらの物理的または化学的表面処理としては、上記の塩化ビニル樹脂層の表面処理と同じの方法が好ましく例示される。
また、透明樹脂層と他の層との層間密着性の向上のために、透明樹脂層の片面又は両面にプライマー層を形成する等の処理を施してもよい。このプライマー層については、後述する。
(プライマー層)
本実施形態の化粧シートは、所望に応じてプライマー層を設けることができる。プライマー層は、主に層間密着性の向上効果を得るために設けられる層であるが、各層の熱収縮の相違の緩和効果も得られるため、各層の熱収縮の多少に伴う艶の低下、クラックの発生等による外観の変化を抑制し、より優れた耐候性も得られる。また、プライマー層が、塩化ビニル樹脂層の表面保護層側とは反対側の面に設けられる場合(このような場合のプライマー層は、「裏面プライマー層」とも称される。)は、塩化ビニル樹脂層と被着材との層間密着性の向上効果の他、ブロッキング効果を得ることができる。
プライマー層は、塩化ビニル樹脂層と表面保護層との間、透明樹脂層を有する場合は透明樹脂層と表面保護層との間、また基材の表面保護層側とは反対側の面に設けられることが好ましい。
プライマー層の形成には、バインダーに硬化剤、また紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を適宜混合した樹脂組成物が用いられる。
バインダーとしては、例えば、上記の装飾層に用い得るバインダーとして例示したもの、すなわち、ウレタン樹脂、アクリルポリオール樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、ウレタン−アクリル共重合体、ポリカーボネート系ウレタン−アクリル共重合体(ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、末端、側鎖に2個以上の水酸基を有する重合体(ポリカーボネートポリオール)由来のウレタン−アクリル共重合体)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル共重合体樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ニトロセルロース樹脂(硝化綿)、酢酸セルロース樹脂等の樹脂が好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。例えば、ポリカーボネート系ウレタン−アクリル共重合体とアクリルポリオール樹脂との混合物をバインダーとして用いることができる。
また、1液硬化型の他、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPID)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等のイソシアネート化合物等の硬化剤を伴う2液硬化型など、種々のタイプの樹脂を用いることができる。
プライマー層は、より優れた耐候性を得る観点から、紫外線吸収剤、光安定剤等の耐候剤を含むことが好ましい。紫外線吸収剤、光安定剤としては、塩化ビニル樹脂層、表面保護層に含まれ得るものとして例示した、紫外線吸収剤、光安定剤を挙げることができる。
プライマー層における紫外線吸収剤の含有量は、プライマー層を構成する樹脂100質量部に対し、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上であり、また上限として好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは25質量部以下である。
また、プライマー層における光安定剤の含有量は、プライマー層を構成する樹脂100質量部に対し、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは1.5質量部以上、特に好ましくは2質量部以上であり、また上限として好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、特に好ましくは8質量部以下である。プライマー層中の紫外線吸収剤及び光安定剤の含有量が上記範囲内であると、プライマー層としての優れた性能とともに、より優れた耐候性が得られる。
また、プライマー層は、製造時及び保管時の化粧シート同士のブロッキング防止の観点から、ブロッキング防止剤を含むことが好ましい。ブロッキング防止剤としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩;ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸等のケイ酸塩;その他、カオリン、タルク、珪藻土等の無機化合物系のブロッキング防止剤;等が挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。が挙げられる。
上記の無機化合物系のブロッキング防止剤において、その平均粒子径としては、1μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましい。また、上限としては、8μm以下が好ましく、7μm以下がより好ましい。ブロッキング防止剤の平均粒子径が上記範囲内であると、ブロッキング防止効果が得られ、かつ化粧シート同士が擦れた際に傷がつきにくくなる。
ブロッキング防止剤の含有量は、プライマー層を構成する樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が更に好ましい。また、上限としては、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下が更に好ましい。
プライマー層の厚さは、層間密着性の向上効果、更には各層の熱収縮の相違の緩和効果を得る観点から、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましく、3μm以上が更に好ましい。また、上限としては、10μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましく、6μm以下が更に好ましい。
(接着層)
本実施形態の化粧シートは、必要に応じて接着層を有することができる。特に、本実施形態の化粧シートが透明樹脂層を有する場合、該透明樹脂層と装飾層との層間密着性を向上させるときに、接着層を設けることは有効である。接着層を構成する接着剤としては、通常化粧シートで用いられる接着剤を制限なく用いることができる。
接着剤としては、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等が挙げられ、中でも、ウレタン系接着剤が接着力の点で好ましい。なお、ウレタン系接着剤としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートジオール等の各種ポリオール化合物と、上記の各種イソシアネート化合物等の硬化剤とを含む2液硬化型ウレタン樹脂を利用した接着剤が挙げられる。また、アクリル−ポリエステル−塩酢ビ系樹脂等も加熱により容易に接着性を発現し、高温での使用でも接着強度を維持し得る好適な接着剤である。
接着層の厚さは、十分な接着性が得られる観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは2μm以上であり、上限として好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下である。
(凹部)
本実施形態の化粧シートは、表面保護層の塩化ビニル樹脂層側の面とは反対側の面(「表面側の面」とも称される。)に凹部を有することが好ましい。本実施形態の化粧シートは凹部を有することで、質感(触感)の向上に伴う高級感が得られ、意匠性が向上する。
凹部は、図2に示されるように、表面保護層の塩化ビニル樹脂層側とは反対側の面に存在していればよく、凹部の深さは表面保護層内に留まるものであってもよいし、また塩化ビニル樹脂層まで至るものがあってもよい。優れた質感(触感)を得る観点から、表面保護層内に留まるものだけでなく、透明樹脂層まで至るもの、装飾層まで至るもの、塩化ビニル樹脂層まで至るものが組み合わされていることが好ましい。
凹部の最大深さDと化粧シートの総厚さTとは、意匠性を向上させる観点から、0.15×T≦D≦Tの関係を有することが好ましい、すなわち、凹部の深さDと化粧シートの総厚Tとの比率D/Tが、0.15以上1以下が好ましい。また、これと同様の観点から、凹部の深さDと化粧シートの総厚さTとの関係は、0.2×T≦D≦0.9×Tがより好ましく、0.25×T≦D≦0.8×Tが更に好ましい。すなわち、凹部の深さDと化粧シートの総厚Tとの比率D/Tは0.2以上が好ましく、0.25以上がより好ましく、また0.9以下が好ましく、0.8以下が更に好ましい。
また、凹部の最大深さは、化粧シートの総厚さTに応じて相対的に変わり得るが、より具体的な深さとしては、10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、30μm以上が更に好ましく、上限としては、120μm以下が好ましく、110μm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましい。このような最大深さを有することで、凹部の加工、例えばエンボス加工の際に化粧シートが破断してしまうことがなく、凹部が潰れたように仕上がってしまうこともなく、質感(触感)の向上に伴う高級感が得られ、意匠性が向上する。
ここで、凹部の最大深さDの測定は、任意の30点の凹形状について、該凹部の最下点から表面保護層の表面までの高さを、表面粗さ形状測定機を用いて、カットオフ値:2.50mm、カットオフフィルタの種類:2RC、傾斜補正方法:直線の測定条件で測定し、最も深いものを最大深さとした。
凹部の模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。意匠性を向上させる観点から、凹部の模様は、装飾層の絵柄と同調させた模様であることが好ましい。例えば、絵柄層が木目模様の場合は、凹部の模様として木目板導管溝を選択し、かつ絵柄層の木目と凹部の木目とを同調させると、よりリアルで質感に溢れた、高級感のある化粧シート、化粧材が得られる。
(化粧シートの製造方法)
本実施形態の化粧シートの製造方法について、本実施形態の化粧シートとして好ましい態様の一つである、塩化ビニル樹脂層、装飾層、接着層、透明樹脂層、プライマー層、及び表面保護層を順に有する化粧シートを例にとって、その製造方法を説明する。
本実施形態の化粧シートは、例えば、塩化ビニル樹脂層、装飾層を設ける工程(1)、該装飾層上に透明樹脂層を設ける工程(2)、及び該透明樹脂層上に硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて表面保護層を形成する工程(3)を順に経ることにより製造することができる。
工程(1)は、塩化ビニル樹脂層上に装飾層を設ける工程である。装飾層は、塩化ビニル樹脂層上に装飾層の形成に用いられるインキを塗布して所望の着色層、絵柄層を設けることにより形成される。該インキの塗布は、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の公知の方式、好ましくはグラビア印刷法により行う。
また、塩化ビニル樹脂層に表面処理を施す場合は、装飾層を形成する場合であって、塩化ビニル樹脂層と装飾層との間にプライマー層を設ける場合、装飾層の形成前に設ければよく、また基材の装飾層側とは反対側の面(裏面)に裏面プライマー層を設ける場合は、装飾層の形成前後のいずれに設けてもよい。プライマー層の形成は、プライマー層を構成する樹脂組成物を、例えば、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法等の公知の方式で塗布して形成することができる。
工程(2)は、装飾層上に透明樹脂層を設ける工程である。透明樹脂層は、上記の装飾層を有する塩化ビニル樹脂層に必要に応じて接着剤を塗布して接着層を形成した後に、透明樹脂層を構成する樹脂組成物を用いて、透明樹脂層を押出ラミネーション、ドライラミネーション、ウエットラミネーション、サーマルラミネーション等の方法により接着及び圧着させて積層して形成することができる。
透明樹脂層に表面処理を施す場合は、透明樹脂層を設けた後に表面処理を行えばよい。
また、透明樹脂層と表面保護層との間にプライマー層を設ける場合、透明樹脂層を設けた後にプライマー層を構成する樹脂組成物を用いてプライマー層を設ければよい。
工程(3)は、透明樹脂層上に硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて表面保護層を形成する工程である。
表面保護層は、上記の電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を、透明樹脂層あるいは該透明樹脂層上に所望に応じて設けられたプライマー層の上に塗布し、硬化させて得られる。なお、透明樹脂層を設けない場合は、基材シートに装飾層を設けた後、硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させて表面保護層を形成すればよい。
表面保護層を形成するための、樹脂組成物の塗布は、硬化後の厚さが所定の厚さとなるように、好ましくはグラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式により、より好ましくはグラビアコートにより行う。
表面保護層の形成に電離放射線樹脂組成物を用いる場合、該樹脂組成物の塗布により形成した未硬化樹脂層は、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して硬化物とすることで、表面保護層となる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
電離放射線として紫外線を用いる場合、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射すればよく、紫外線放射量は、通常50〜500mJ/cm程度とすればよく、好ましくは100〜300mJ/cmである。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
また、電離放射線として電子線を用いる場合、電子線の照射線量は、電離放射線硬化性樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
また、表面保護層の形成に熱硬化性樹脂組成物を用いる場合は、使用する樹脂組成物に応じた熱処理を施して、硬化させて表面保護層を形成すればよい。
表面保護層に凹部を形成する場合、例えば、作業の容易さを考慮すると、エンボス加工を採用することが好ましい。エンボス加工は、公知の枚葉又は輪転式のエンボス機を使用する通常の方法により行えばよい。
エンボス加工を行う場合、例えば、化粧シートを好ましくは80℃以上260℃以下、より好ましくは85℃以上160℃以下、更に好ましくは100℃以上140℃以下に加熱し、化粧シートにエンボス版を押圧して、エンボス加工を行うことができる。
〔化粧材〕
本実施形態の化粧材は、被着材と上記の本実施形態の化粧シートとを有するものであり、具体的には、被着材の装飾を要する面と、化粧シートの塩化ビニル樹脂層側の面とを対向させて積層したものである。すなわち、本実施形態の化粧材は、少なくとも、被着材、塩化ビニル樹脂層、及び表面保護層を順に有するものである。図3に、本実施形態の化粧材の好ましい態様の一例の断面を示す模式図を示す。図3に示される本実施形態の化粧材20は、被着材21、接着剤層22、及び本実施形態の化粧シート10を順に有する。
(被着材)
被着材としては、各種素材の平板、曲面板等の板材、立体形状物品、シート(或いはフィルム)等が挙げられる。例えば、杉、檜、松、ラワン等の各種木材からなる木材単板、木材合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質繊維板等の板材や立体形状物品等として用いられる木質部材;鉄、アルミニウム等の板材や鋼板、立体形状物品、あるいはシート等として用いられる金属部材;ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、ALC(軽量気泡コンクリート)板等の非陶磁器窯業系材料等の板材や立体形状物品等として用いられる窯業部材;アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ゴム等の板材、立体形状物品、あるいはシート等として用いられる樹脂部材等が挙げられる。また、これらの部材は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
被着材は、上記の中から用途に応じて適宜選択すればよく、壁、天井、床、玄関ドア、屋根等の建築物の内装材又は外装用部材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具又は造作部材を用途とする場合は、木質部材、金属部材及び樹脂部材から選ばれる少なくとも一種の部材からなるものが好ましく、外壁、玄関ドア、屋根等の外装用部材、窓枠、扉等の建具又は造作部材を用途とする場合は、金属部材及び樹脂部材から選ばれる少なくとも一種の部材からなるものが好ましい。
被着材の厚さは、用途及び材料に応じて適宜選択すればよく、0.1mm以上10mm以下が好ましく、0.3mm以上5mm以下がより好ましく、0.5mm以上3mm以下が更に好ましい。
(接着剤層)
被着材と化粧シートとは、優れた接着性を得るため、接着剤層を介して貼り合わせられることが好ましい。すなわち、本発明の化粧材は、少なくとも被着材、接着剤層、基材、及び表面保護層を順に有する部材であることが好ましい。
接着剤層に用いられる接着剤としては、特に限定されず、公知の接着剤を使用することができ、例えば、感熱接着剤、感圧接着剤等の接着剤が好ましく挙げられる。この接着剤層を構成する接着剤に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。また、イソシアネート化合物等を硬化剤とする2液硬化型のポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤も適用し得る。
また、接着剤層には、粘着剤を用いることもできる。粘着剤としては、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤を適宜選択して用いることができる。
接着剤層は、上記の樹脂を溶液、あるいはエマルジョン等の塗布可能な形態にしたものを、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により塗布、乾燥して形成することができる。
接着剤層の厚さは特に制限はないが、優れた接着性を得る観点から、1μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましく、10μm以上30μm以下が更に好ましい。
(化粧材の製造方法)
化粧材は、化粧シートと被着材とを積層する工程を経て製造することができる。
本工程は、被着材と、本実施形態の化粧シートとを積層する工程であり、被着材の装飾を要する面と、化粧シートの塩化ビニル樹脂層側の面とを対向させて積層する。被着材と化粧シートとの積層する方法としては、例えば、接着剤を間に介して化粧シートを板状の被着材に加圧ローラーで加圧して積層するラミネート方法、接着剤を間に介して化粧シートを供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、被着材を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層していくラッピング加工、また、固定枠に固定した化粧シートが軟化する所定の温度になるまでシリコーンゴムシートを介してヒーターで加熱し、加熱され軟化した化粧シートに真空成形金型を押し付け、同時に真空成形金型から真空ポンプ等で空気を吸引し化粧シートを真空成形金型に密着させる真空成形加工等が好ましく挙げられる。
ラミネート加工やラッピング加工において、ホットメルト接着剤(感熱接着剤)を用いる場合、接着剤を構成する樹脂の種類にもよるが、加温温度は160℃以上200℃以下が好ましく、反応性ホットメルト接着剤では100℃以上130℃以下が好ましい。また、真空成形加工の場合は加熱しながら行うことが一般的であり、80℃以上130℃以下が好ましく、より好ましくは90℃以上120℃以下である。
以上のようにして得られる化粧材は、任意切断し、表面や木口部にルーター、カッター等の切削加工機を用いて溝加工、面取加工等の任意加飾を施すことができる。また、化粧シートを鋼板等に貼着した後、Vカット加工、ラッピング加工等の曲げ加工を施すこともできる。そして種々の用途、例えば、壁、天井、床、玄関ドア、屋根等の建築物の内装材又は外装用部材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具又は造作部材の他、キッチン、家具又は弱電製品、OA機器等のキャビネットの表面化粧板、車両の内装材又は外装用部材等に用いることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
(評価及び測定方法)
(1)耐候性の評価
各実施例及び比較例で得られた化粧材について、以下の試験条件下での促進耐候試験を、200時間又は300時間行い、耐候試験後の化粧材の外観を目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:外観変化は確認されなかった。
:「A」評価と比較してわずかな外観変化が確認されたが、実用上問題ない程度であった。
B:軽微な変色、艶変化の少なくともいずれかが確認されたが、実用上問題ない程度であった。
:「B」評価よりも変色、艶変化の程度が不良であったが、実用上問題ない程度であった。
C:顕著な変色、艶変化、クラックの少なくともいずれかが確認された。
(耐候性試験 試験条件)
超促進耐候性試験装置(「アイ スーパー UVテスター SUV−W261(商品名)」)を試験装置として用い、以下の照射条件による照射と、以下の結露条件による結露とを200時間、又は300時間経過するまで繰り返した。
照射条件
照度:100mW/cm
ブラックパネル温度:63℃
湿度:50%RH
時間:20時間
結露条件
照度:0mW/cm
湿度:98%RH
時間:4時間
(2)耐傷性の評価
実施例及び比較例で得られた化粧シートの表面に対して、100g/mの荷重でスチールウール(「ボンスター#0000」、日本スチールウール社製)を5往復させて、ラビング試験を行った。試験後の外観を以下の基準で評価した。
A:外観の変化は確認されなかった。
:わずかな艶変化が確認されたが、実用上問題ない程度であった。
B:軽微な傷付き、艶変化の少なくともいずれかが確認されたが、実用上問題ない程度であった。
C:著しい傷付きが確認され、艶変化も顕著であった。
(3)引張弾性率の測定
実施例及び比較例で用いた塩化ビニルシートを用いて、JIS K7127に準拠したダンベル型の試験片を用意した。試験片を、引張試験機を用いて、温度60℃、引張速度50mm/分、チャック間距離80mm、幅25mmの条件で、任意の伸度まで引っ張り、塩化ビニル樹脂シートの引張弾性率を得た。
実施例1
塩化ビニル樹脂シートA(厚さ:120μm)を塩化ビニル樹脂層とし、該塩化ビニル樹脂層の一方の面に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂との混合樹脂をバインダーとする印刷インキをグラビア印刷法で塗布して木目模様の装飾層(厚さ:3μm)を設けた。
次いで、下記のプライマー層形成用樹脂組成物100質量部と、ヘキサメチレンジイソシアネート(硬化剤)5質量部とを混合した組成物を、グラビア印刷法で塗布してプライマー層(乾燥後の厚さ:4μm)を形成した。
さらに、プライマー層上に、下記の電離放射線硬化性樹脂脂組成物をロールコート法により塗布して未硬化樹脂層を形成し、紫外線(放射量:200mJ/m)を放射して未硬化樹脂層を硬化させて、表面保護層(厚さ:5μm)を得た。その後、表面保護層側からエンボス加工を施して、最大深さ50μmの凹部を有する木目導管模様を形成し、化粧シートを得た。
得られた化粧シートの基材に、ポリウレタン系感熱接着剤を塗布して接着剤層(厚さ:20μm)を形成し、接着剤層が固化する前に、厚さ0.4mmの亜鉛メッキ鋼板に貼付し、化粧材を作製した。得られた化粧シート、及び化粧材について、上記の評価を行い、その評価結果を第1表に示す。
(プライマー層形成用樹脂組成物)
バインダー:ポリカーボネート系ウレタン−アクリル共重合体及びアクリルポリオール樹脂の混合物100質量部
紫外線吸収剤A:上記一般式(2)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン化合物(「TINUVIN400」、BASF社製)3質量部
紫外線吸収剤B:上記一般式(3)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン化合物(「TINUVIN479」、BASF社製)12質量部
光安定剤a:ヒンダードアミン光安定剤(ビス(1−オクチルオシキ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、「TINUVIN123」、BASF社製)3質量部
(電離放射線硬化性樹脂組成物)
紫外線硬化性樹脂(オリゴマーA):ウレタンアクリレートオリゴマー(「UV−7550B(商品名)」、日本合成化学工業株式会社製、重量平均分子量:2,400、官能基数:3)70質量部
紫外線硬化性樹脂(オリゴマーB):ウレタンアクリレートオリゴマー(「UV−3300B(商品名)」、日本合成化学工業株式会社製、エーテルタイプ、重量平均分子量:13,000、官能基数:2)30質量部
紫外線吸収剤A:上記一般式(2)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン化合物(「TINUVIN400」,BASF社製)0.5質量部
光安定剤a:ヒンダードアミン光安定剤(ビス(1−オクチルオシキ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、「TINUVIN123」、BASF社製)1質量部
光重合開始剤:アルキルフェノン系光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルーフェニルケトン、「IRGACURE 184」、IGM Resins B.V.社製)
その他添加剤:レベリング剤、艶消し剤
溶媒:酢酸エチル
実施例2、3、比較例1及び2
実施例1において、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物中の電離放射線硬化性樹脂(オリゴマーA)及び(オリゴマーB)の配合量を第1表に示される配合量とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2、3、比較例1及び2の化粧シート及び化粧材を作製した。
実施例4〜6
塩化ビニル樹脂シートB(厚さ:120μm)を塩化ビニル樹脂層とし、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物中の電離放射線硬化性樹脂(オリゴマーA)及び(オリゴマーB)の配合量を第1表に示される配合量とした以外は、実施例1と同様にして、実施例4〜6の化粧シート及び化粧材を作製した。
実施例7
塩化ビニル樹脂シートC(厚さ:120μm)を塩化ビニル樹脂層とし、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物中の電離放射線硬化性樹脂(オリゴマーA)及び(オリゴマーB)の配合量を第1表に示される配合量とした以外は、実施例1と同様にして、実施例7の化粧シート及び化粧材を作製した。
比較例3
実施例1において、表面保護層を設けなかった以外は実施例1と同様にして、比較例3の化粧シート及び化粧材を作製した。
上記実施例及び比較例で得られた化粧シート、及び化粧材について、上記の評価を行い、その評価結果を第1表に示す。
実施例1〜7の結果より、本実施形態の化粧シートは優れた耐候性と耐傷性とを有することが確認された。特に、塩化ビニル樹脂シートの60℃における引張弾性率が高い実施例1〜6で、より優れた耐候性と耐傷性が得られることが確認された。
一方、化粧シートの表面保護層の25℃及び60℃のクラック発生伸度が低い比較例1及び比較例1の化粧シートは、表面保護層が硬く、塩化ビニル樹脂層との熱による膨張及び収縮の度合いが大きくなりすぎるため、耐候性試験によりクラックが発生し、耐候性が劣るものとなった。25℃及び60℃のクラック発生伸度が高い比較例2の化粧シートは、表面保護層が柔らかすぎて、表面保護層の硬度が不足し、耐傷性が劣るものとなった。また、表面保護層を有しない比較例3の化粧シートは、耐候性及び耐傷性の点で劣るものとなった。
本実施形態の化粧シートは、優れた耐候性と耐傷性と成形加工性とを有するものであり、これを用いた化粧材は、該化粧シートと同様に優れた耐候性と耐傷性と成形加工性とを有するものである。よって、本実施形態の化粧シート及び化粧材は、壁、天井、床、玄関ドア、屋根等の建築物の内装材又は外装用部材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具又は造作部材の他、キッチン、家具又は弱電製品、OA機器等のキャビネットの表面化粧板、車両の内装材又は外装用部材に好適に用いられる。その優れた耐傷性と耐候性と成形加工性とをいかして、とりわけ、外壁、玄関ドア、屋根等の外装用部材、窓枠、扉等の建具又は造作部材といった直射日光に晒される環境で用いられる部材に好適に用いられる。
10.化粧シート
11.基材
12.装飾層
13.接着層
14.透明樹脂層
15.プライマー層
16.表面保護層
17.裏面プライマー層
19.凹部
20.化粧材
21.被着材
22.接着剤層

Claims (13)

  1. 塩化ビニル樹脂層と、硬化性樹脂組成物の硬化物で構成される表面保護層と、を有し、下記の方法で測定された該表面保護層の25℃におけるクラック発生伸度が30%以上140%以下であり、60℃におけるクラック発生伸度が35%以上180%以下である化粧シート。
    (クラック発生伸度の測定)
    塩化ビニル樹脂シート(厚さ:120μm、樹脂成分;塩化ビニル樹脂100質量部にポリエステル系可塑剤30質量部を配合)に、上記硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化(紫外線放射量:200mJ/cm)させてコーティング層(厚さ:5μm)を形成したシートを用いて、JIS K7127に準拠した短冊型の試験片を用意し、該試験片を、25℃又は60℃の温度環境下において、引張試験機を用いて引張速度50mm/分、チャック間距離80mm、幅25mmの条件で、任意伸度で引っ張った後、該試験片をホワイトボード用マーカーでチャック間内を着色し、該着色部を布でふき取り、クラックの発生によりふき取れなくなったときの伸度をクラック発生伸度とした。
  2. 前記塩化ビニル樹脂層の60℃における引張弾性率が1MPa以上である請求項1に記載の化粧シート。
  3. 更に装飾層及び透明樹脂層を有し、塩化ビニル樹脂層、装飾層、透明樹脂層及び表面保護層を順に有する請求項1または請求項2に記載の化粧シート。
  4. 前記硬化性樹脂組成物が、電離放射線硬化性樹脂組成物である請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
  5. 前記電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂が、重量平均分子量1,000以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む、請求項4に記載の化粧シート。
  6. 前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが、ポリエーテルウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及びポリカーボネートウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーから選ばれる少なくとも一種を含む請求項5に記載の化粧シート。
  7. 前記表面保護層が、紫外線吸収剤及び光安定剤を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の化粧シート。
  8. 前記紫外線吸収剤が、下記一般式(1)で示されるヒドロキシフェニルトリアジン化合物を含む請求項7に記載の化粧シート。

    (一般式(1)中、R11は2価の有機基であり、R12は−C(=O)OR15で示されるエステル基又は−OR16で示されるオルガニルオキシ基であり、R13、R14、R15及びR16は各々独立して1価の有機基であり、n11及びn12は各々独立して1〜5の整数である。)
  9. 前記ヒドロキシフェニルトリアジン化合物が、一般式(1)において、R11が炭素数1以上20以下のアルキレン基であり、R12及びR16が炭素数1以上20以下のアルキル基であるアルコキシ基であり、R13及びR14が炭素数1以上20以下のアルキル基であり、n11及びn12が1又は2の化合物である請求項8に記載の化粧シート。
  10. 前記光安定剤が、デカン二酸由来のヒンダードアミン系光安定剤である請求項7〜9のいずれか1項に記載の化粧シート。
  11. 前記表面保護層の厚さが、3μm以上10μm以下である請求項1〜10のいずれか1項に記載の化粧シート。
  12. 被着材と請求項1〜11のいずれか1項に記載の化粧シートとを有する化粧材。
  13. 被着材が、金属部材及び樹脂部材から選ばれる少なくとも一種の部材からなる請求項12に記載の化粧材。
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