JP2012036363A - 塗料及び化粧シート - Google Patents

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JP2012036363A JP2011010608A JP2011010608A JP2012036363A JP 2012036363 A JP2012036363 A JP 2012036363A JP 2011010608 A JP2011010608 A JP 2011010608A JP 2011010608 A JP2011010608 A JP 2011010608A JP 2012036363 A JP2012036363 A JP 2012036363A
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Akihiko Fujiwara
昭彦 藤原
Shuchi Sato
周知 佐藤
Taro Suzuki
太郎 鈴木
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Abstract

【課題】優れたアレルゲン抑制効果及び意匠性を有する化粧シートなどの内装材を製造することができる塗料を提供する。
【解決手段】線状高分子の側鎖として芳香環に少なくとも一つのスルホン酸又はスルホン酸塩を有する化合物、好ましくは、スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸塩単独重合体、スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体及びスチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を含むアレルゲン抑制剤と、硬化性化合物とを含有する塗料。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗料及び化粧シートに関する。
近年、我が国では3人に1人がアトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を患っているといわれている。アレルギー疾患の原因としては、ダニ、花粉、カビ、ペットの毛などのアレルゲンが挙げられる。特に室内から検出されるダニの70%以上を占めるチリダニのアレルゲン(以下「ダニアレルゲン」という)が問題となっている。このチリダニは、虫体、死骸、抜け殻、フンなどすべてがアレルゲンになると言われている。なかでもフン由来のアレルゲンは、アレルゲン活性が高く且つ非常に小さく舞い上がり易く人体に接触する機会が多いことが多いことから、最も問題とされている。
アレルギー疾患の症状を軽減し或いは新たなアレルギー症状を防止するためには、生活空間からアレルゲンを完全に取り除くか、アレルゲンを変性させるなどして不活性化させることが必要となる。
アレルゲンは蛋白質であるので、アレルゲンを熱、強酸又は強アルカリなどで変性させると、アレルゲンはアレルゲン活性を失うと考えられる。しかしながら、アレルゲンは非常に安定性が高く、家庭で安全に使用できる酸化剤、還元剤、熱、アルカリ、酸などでは容易に変性されない(非特許文献1参照)。
このため、アレルゲンの分子表面を比較的温和な条件で化学的に変性する方法が考えられてきた。例えば、生皮のなめし(タンニング)などに用いられているタンニン酸を用いてアレルゲンを抑制する方法(特許文献1)、茶抽出物などを用いてアレルゲンを抑制する方法(特許文献2)、ヒドロキシ安息香酸系化合物又はその塩を用いてアレルゲンを抑制する方法(特許文献3)などが提案され、アレルゲン抑制効果も確認されている。
又、近年では、室内においてフローリング床が多用されており、フローリング床においても、厚生労働省が示すガイドラインを大きく上回るダニアレルゲンが存在することが報告されている。
フローリング床に存在するダニアレルゲンは、非常に舞い上がりやすいことから、微量でもダニで汚染されたカーペットと同じぐらい人体にとって危険であることが報告されており、カーペット、床など含めて室内の内装材全体でアレルゲン活性を抑制することは、アレルギー疾患の予防に有効である。
そして、室内に用いられる内装材において、表面の保護又は装飾などを目的として木質板、合成樹脂板などからなる内装材本体の表面に化粧シートが貼着されており、このようにして得られた内装材は、各種の建材や家具などに広く用いられている。このような内装材自体にアレルゲン抑制効果を付与することができれば、室内に存在するアレルゲンのアレルゲン活性を有効に抑制することができるが、上述したアレルゲンの抑制方法では内装材が着色し、内装材の意匠性が損なわれるという問題点を有しており、優れたアレルゲン抑制効果を有し且つ意匠性に優れた化粧シートが所望されている。
特開昭61−44821号公報 特開平6−279273号公報 特開平11−292714号公報
The Journal of Immunology Vol.144:1353-1360
本発明は、優れたアレルゲン抑制効果及び意匠性を有する化粧シートなどの内装材を製造することができる塗料並びに優れたアレルゲン抑制効果及び意匠性を有する化粧シートを提供する。
本発明の塗料は、線状高分子の側鎖に一般式(1)で示される構造式の置換基を有する化合物を含むアレルゲン抑制剤と、硬化性化合物とを含有する。
Figure 2012036363

(R1〜R5はそれぞれ、水素、スルホン酸基又はスルホン酸基の塩の何れかであって、R1〜R5のうちの少なくとも一つはスルホン酸基又はスルホン酸基の塩である。)
又、一般式(1)において、R1〜R5はそれぞれ、水素(−H)、スルホン酸基(−SO3H)、スルホン酸基の塩の何れかであるが、R1〜R5のうちの少なくとも一つは、スルホン酸基又はスルホン酸基の塩であることが必要である。これは、一般式(1)において、置換基としてスルホン酸基又はスルホン酸基の塩を有していないと、アレルゲン抑制剤がアレルゲン抑制効果を発現しないからである。スルホン酸基の塩としては、例えば、−SO3Na、(−SO32Ca、(−SO32Mg、−SO3 NH4 +が挙げられる。
そして、一般式(1)において、スルホン酸基又はスルホン酸基の塩の数は、多いと、アレルゲン抑制効果がなくなるので、1〜3が好ましく、1がより好ましい。
又、一般式(1)において、立体障害が少ないことから、R3が、スルホン酸基又はスルホン酸基の塩であると共に、R1、R2、R4及びR5が水素であることが好ましい。
一般式(1)で示される構造式の置換基を側鎖に有する線状高分子としては、特に限定されず、例えば、ビニル重合体、ポリエステル、ポリアミドが好ましい。そして、線状高分子と、一般式(1)で示される構造式の置換基との間の化学結合は、炭素−炭素結合、エステル結合、エーテル結合、アミド結合などの何れであってもよい。
そして、線状高分子の側鎖に一般式(1)で示される構造式の置換基を有する化合物としては、アレルゲン抑制剤が光による変色を殆ど生じず、本発明の塗料が意匠性に優れた塗膜を形成するので、スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸塩単独重合体、スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体及びスチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物が好ましい。なお、線状高分子の側鎖に一般式(1)で示される構造式の置換基を有する化合物は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体としては、特に限定されず、例えば、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸カルシウム−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸アンモニウム−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸マグネシウム−スチレン共重合体などが挙げられ、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体が好ましく、p−スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体がより好ましい。なお、スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体中におけるスチレンスルホン酸塩成分の含有量は、少ないと、アレルゲン抑制剤のアレルゲン抑制効果が低下することがあり、多いと、アレルゲン抑制剤の耐水性が低下することがあるので、10〜99.9モル%が好ましく、50〜90モル%がより好ましい。
スチレンスルホン酸塩単独重合体としては、特に限定されず、例えば、スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体、スチレンスルホン酸カルシウム単独重合体、スチレンスルホン酸アンモニウム単独重合体、スチレンスルホン酸マグネシウム単独重合体などが挙げられ、スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体が好ましく、p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体がより好ましい。なお、スチレンスルホン酸塩単独重合体は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体としては、特に限定されず、例えば、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンスルホン酸共重合体、スチレンスルホン酸カルシウム−スチレンスルホン酸共重合体、スチレンスルホン酸アンモニウム−スチレンスルホン酸共重合体、スチレンスルホン酸マグネシウム−スチレンスルホン酸共重合体などが挙げられ、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンスルホン酸共重合体が好ましく、p−スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンスルホン酸共重合体がより好ましい。なお、スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体中におけるスチレンスルホン酸塩成分の含有量は、少ないと、スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体の酸性が強くなり、塗料の安定性が低下することがあるので、70〜99.9モル%が好ましく、80〜99.9モル%がより好ましい。
スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体としては、特に限定されず、例えば、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体、スチレンスルホン酸カルシウム−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体、スチレンスルホン酸アンモニウム−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体、スチレンスルホン酸マグネシウム−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体などが挙げられ、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体が好ましく、p−スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体がより好ましい。なお、スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体中におけるスチレンスルホン酸塩成分の含有量は、少ないと、アレルゲン抑制剤のアレルゲン抑制効果が低下することがあり、多いと、アレルゲン抑制剤の耐水性が低下することがあるので、10〜99.9モル%が好ましく、50〜90モル%がより好ましい。
スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体中におけるスチレンスルホン酸成分の含有量は、多いと、スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体の酸性が強くなり、塗料の安定性が低下することがあるので、0.05〜30モル%が好ましく、0.05〜20モル%がより好ましい。
スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体中におけるスチレン成分の含有量は、少ないと、アレルゲン抑制剤の耐水性が低下することがあり、多いと、アレルゲン抑制剤のアレルゲン抑制効果が低下することがあるので、0.05〜90モル%が好ましく、0.05〜50モル%がより好ましい。
アレルゲン抑制剤は、これを構成している化合物の単量体成分に応じて所定種類及び所定量の単量体を用意し、この単量体を汎用の要領で単独重合又は共重合させることによって得ることができる。又、アレルゲン抑制剤は、ポリスチレンをスルホン化し、導入されたスルホン酸基をアルカリ水溶液で中和することによっても得ることができる。例えば、ポリスチレンのベンゼン環の一部をスルホン化し、ベンゼン環に結合しているスルホン酸基の全てをアルカリ水溶液で中和してスチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体を得ることができる。ポリスチレンのベンゼン環の全てをスルホン化し、ベンゼン環に結合しているスルホン酸基の全てをアルカリ水溶液で中和してスチレンスルホン酸塩単独重合体を得ることができる。ポリスチレンのベンゼン環の全てをスルホン化し、ベンゼン環に結合しているスルホン酸基の一部をアルカリ水溶液で中和してスチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体を得ることができる。ポリスチレンのベンゼン環の一部をスルホン化し、ベンゼン環に結合しているスルホン酸基の一部をアルカリ水溶液で中和してスチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体を得ることができる。
ポリスチレンのスルホン化は、公知の要領で行うことができ、例えば、三酸化イオウや濃硫酸などを用いる方法などが挙げられる。アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アンモニウムなどが挙げられる。
線状高分子の側鎖に一般式(1)で示される構造式の置換基を有する化合物の平均粒子径は、特に限定されないが、塗料から形成された塗膜の意匠性の観点から、0.01〜30μmが好ましく、0.05〜10μmがより好ましい。なお、線状高分子の側鎖に一般式(1)で示される構造式の置換基を有する化合物の平均粒子径は、粒子径分布測定装置によって測定された値をいう。粒子径分布測定装置としては、HORIBA製作所から商品名「LA−950V2」にて市販されている装置を用いることができる。
又、線状高分子の側鎖に一般式(1)で示される構造式の置換基を有する化合物の平均粒子径は、小さいと、塗膜表面に存在するアレルゲン抑制剤の割合が少なくなって、塗膜のアレルゲン抑制効果が低下することがあり、大きいと、塗膜表面の凹凸が大きくなりすぎて、塗膜の意匠性が低下することがあるので、塗膜の厚みの30〜200%が好ましく、塗膜の厚みの50〜150%がより好ましく、塗膜の厚みの80%〜120%が特に好ましい。
塗料中におけるアレルゲン抑制剤の含有量は、少ないと、塗料から形成される塗膜のアレルゲン抑制効果が低いことがあり、多いと、塗料から形成される塗膜の強度が低下することがあるので、硬化性化合物100重量部に対して0.5〜25重量部が好ましく、1〜20重量部がより好ましい。
上記塗料に含有されている硬化性化合物としては、電離放射線硬化性化合物及び熱硬化性化合物が挙げられ、電離放射線硬化性化合物が好ましい。硬化性化合物は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。硬化性化合物は、電離放射線硬化性化合物が単独で用いられても二種以上が併用されてもよく、熱硬化性化合物が単独で用いられても二種以上が併用されてもよく、電離放射線硬化性化合物と熱硬化性化合物とが併用されてもよい。熱硬化性化合物とは、加熱することによって重合して合成樹脂を構成する化合物をいう。電離放射線硬化性化合物とは、可視光線、紫外線、電子線、α線、β線、γ線、X線、イオン線などの電離放射線を照射することによって重合して合成樹脂を構成する化合物をいう。熱硬化性化合物及び電離放射線硬化性化合物が重合して得られる合成樹脂は架橋されていることが好ましい。
なお、紫外線の光源としては、特に限定されず、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯などが挙げられる。紫外線の波長は190〜380nmの波長領域が好ましい。
電子線の光源としては、特に限定されず、例えば、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等などの各種電子線加速器が挙げられる。電子線の加速電圧は100〜1000kVが好ましく、100〜300kVが好ましい。電子線の塗料に対する照射量は20〜150kGyが好ましい。
電離放射線硬化性化合物としては、特に限定されず、例えば、分子中に重合性不飽和結合を有する重合性オリゴマー、分子中に重合性不飽和結合を有する単量体などが挙げられる。なお、本発明において、「重合性オリゴマー」とは、単量体を除く、ダイマー(二量体)、プレポリマー、数平均分子量が30000以下の重合体を包含する多量体をいう。
分子中に重合性不飽和結合を有するオリゴマーとしては、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリロイル基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル又は芳香族ビニルエーテルなどの分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどが挙げられる。なお、本発明において、(メタ)アクリは、アクリ又はメタクリを意味する。
エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環(エポキシ環)に、(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化することにより得ることができる。
又、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。
ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールと、ポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、又は、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
分子中に重合性不飽和結合を有する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、分子中にラジカル重合性不飽和結合を有する(メタ)アクリレート系単量体などが挙げられ、分子中にラジカル重合性不飽和結合を有する(メタ)アクリレート系単量体が好ましく、多官能性(メタ)アクリレートがより好ましい。
多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
多官能性(メタ)アクリレートは、分子内にエチレン性不飽和結合を3個以上有する(メタ)アクリレートを含有していることが好ましく、分子内にエチレン性不飽和結合を6個有する(メタ)アクリレート、分子内にエチレン性不飽和結合を2個有する(メタ)アクリレート及び分子内にエチレン性不飽和結合を3個有する(メタ)アクリレートを含有していることがより好ましい。
硬化性化合物として電離放射線硬化性化合物を用いる場合には、塗料中に光重合開始剤を含有されていることが好ましい。硬化性化合物が分子中にラジカル重合性不飽和結合を有する単量体又は重合性オリゴマーである場合には、光重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタールなどが挙げられる。なお、光重合開始剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
硬化性化合物が分子中にカチオン重合性官能基を有する単量体又は重合性オリゴマーである場合には、光重合用開始剤としては、特に限定されず、例えば、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。光重合開始剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
なお、塗料には光増感剤が含有されていてもよい。光増感剤としては、特に限定されず、例えば、p−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などが挙げられる。
熱硬化性化合物としては、特に限定されず、例えば、ビスマレイミド化合物などのような架橋性化合物が挙げられる。ビスマレイミド化合物としては、例えば、1,6−ビス(N−マレイミジル)−2,2,4−トリメチルヘキサン、m−ジ−N−マレイミジルベンゼン、ビス(4−N−マレイミジルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−N−マレイミジルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−N−マレイミジル2,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス〔(4−N−マレイミジルフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔(4−N−マレイミジル−2−メチル−5−エチルフェニル)プロパンなどの各種ビスマレイミド化合物が挙げられ、塗料から形成される塗膜が耐熱性に優れていることから、芳香環を有するビスマレイミド化合物が好ましい。ビスマレイミド化合物は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよく、各種樹脂との変性物として用いられてもよい。
又、硬化性化合物として熱硬化性化合物を用いる場合には、塗料に熱重合開始剤が含有されていることが好ましい。熱重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、有機過酸化物又はアゾ化合物などが挙げられる。有機過酸化物として、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、又はt−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどが挙げられる。アゾ化合物として、例えば2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、又はジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。
塗料には、アレルゲン抑制剤のアレルゲン抑制効果及び塗料を硬化させて得られる塗膜の意匠性を阻害しない範囲内において微粒子が含有されていてもよい。微粒子としては、特に限定されず、例えば、合成樹脂微粒子、シリカ微粒子などが挙げられる。微粒子の平均粒子径は、1〜30μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。なお、微粒子の平均粒子径は、粒子径分布測定装置によって測定された値をいう。粒子径分布測定装置としては、HORIBA製作所から商品名「LA−950V2」にて市販されている装置を用いることができる。
合成樹脂微粒子としては、特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂微粒子、ウレタン系樹脂微粒子、スチレン系樹脂微粒子、ポリエステル系樹脂微粒子などが挙げられ、アクリル系樹脂微粒子又はウレタン系樹脂微粒子の何れか一方或いは双方が好ましい。合成樹脂微粒子は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
合成樹脂微粒子の形状は、特に限定されず、例えば、球状、その他の形状であってもよい。合成樹脂微粒子は着色されていてもよい。塗料中における微粒子の含有量は、少ないと、微粒子を含有させた効果を発現しないことがあり、多いと、塗料から形成される塗膜の強度が低下することがあるので、硬化性化合物100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、5〜35重量部がより好ましい。
ここで、「アレルゲン抑制効果」とは、ヒョウヒダニのアレルゲン(Der1、Der2)、空気中に浮遊するスギ花粉アレルゲン(Cryj1、Cryj2)、犬や猫に起因するアレルゲン(Can f1、Fel d1)などのアレルゲンを変性し或いは吸着し、アレルゲンの特異抗体に対する反応性を抑制する効果をいう。このようなアレルゲン抑制効果を確認する方法としては、例えば、ニチニチ製薬社から市販されているELISAキットを用いてELISA法によりアレルゲン量を測定する方法、アレルゲン測定具(住化エンビロサイエンス社製 商品名「マイティーチェッカー」)を用いてアレルゲン性を評価する方法などが挙げられる。
本発明の塗料は、アレルゲン抑制剤と硬化性化合物とを混合することによって得ることができる。アレルゲン抑制剤と硬化性化合物とを混合する方法としては、特に限定されず、例えば、アレルゲン抑制剤と硬化性化合物とを混合して汎用の要領で撹拌する方法が挙げられる。又、アレルゲン抑制剤と硬化性化合物とを混合するにあたっては、アレルゲン抑制剤がアレルゲン抑制効果を発現し易いので、アレルゲン抑制剤を粉体状態にて硬化性化合物と混合し、或いは、アレルゲン抑制剤をメチルエチルケトンや酢酸ブチルなどの溶媒中に懸濁状態にて分散させた状態にて硬化性化合物と混合することが好ましい。
塗料から形成された塗膜にアレルゲン抑制剤のアレルゲン抑制効果を効率良く発揮させるためには、アレルゲン抑制剤を塗膜の表面に局在させるようにすればよい。塗膜の表面にアレルゲン抑制剤を局在化させる方法としては、特に限定されないが、例えば、塗料を構成している硬化性化合物の比重より軽い比重を有する、多孔質の炭酸カルシウムなどの担持体にアレルゲン抑制剤を担持させた上で、アレルゲン抑制剤と硬化性化合物とを混合して塗料を作製し、この塗料を所望箇所に塗布することによって硬化前の塗膜の表面にアレルゲン抑制剤を局在化させた上で塗膜を硬化させる方法、塗料を構成している硬化性化合物の比重をアレルゲン抑制剤の比重よりも重くした塗料を作製し、この塗料を所望箇所に塗布することによって硬化前の塗膜の表面にアレルゲン抑制剤を局在化させた上で塗膜を硬化させる方法、塗膜中のアレルゲン抑制剤がブリードアウトするように設計する方法などが挙げられる。なお、アレルゲン抑制剤を塗膜の表面に局在させる場合には、アレルゲン抑制剤を構成している共重合体の平均粒子径は、塗膜厚みの30%以下であってもよい。
上述の塗料から形成される塗膜はアレルゲン抑制効果を奏するので、最外層として表面保護層を有し、この表面保護層が本発明の塗料から形成された塗膜である化粧シートは、優れたアレルゲン抑制効果を奏し且つ優れた意匠性を有している。
このような化粧シートとしては、最外層となる表面保護層が上記塗料から形成された塗膜であれば特に限定されず、例えば、基材シート上に、絵柄層、接着剤層、合成樹脂層、プライマー層及び表面保護層がこの順序で積層一体化されてなる化粧シートが挙げられる。
基材シートとしては、例えば、熱可塑性樹脂シートなどが挙げられる。熱可塑性樹脂シートを構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルなどが挙げられる。なお、熱可塑性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
基材シートは着色されていてもよい。基材シートを着色するには、基材シート中に着色剤を含有させればよい。着色剤としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄などの無機顔料、フタロシアニンブルーなどの有機顔料、各種の染料などが挙げられる。なお、着色剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
基材シートには、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤などの添加剤が含有されていてもよい。
基材シートの厚みは、化粧シートの用途によって適宜調整されるが、20〜300μmが好ましい。
基材シートにおける絵柄層が積層一体化される面には絵柄層との密着性を向上させるためにコロナ放電処理が施されていてもよい。なお、基材シート表面のコロナ放電処理の方法及びその条件は、公知の方法及び条件に沿って適宜調整されればよい。
基材シートの一面には絵柄層が積層一体化されている。絵柄層は、化粧シートに所望の絵柄(意匠)を付与するものであり、絵柄の種類などは特に限定されない。絵柄としては、例えば、木目模様、レザー模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様などが挙げられる。
基材シートの一面に絵柄層を積層一体化させる方法としては、特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得られるインキを用いて汎用の印刷法を用いて基材シートの一面に所望図柄を印刷することによって絵柄層を一体的に形成することができる。なお、インキとしては使用環境を考慮して水性インキを用いることが好ましい。印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、ロールコート印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法などが挙げられる。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッドなどの無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料などの有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉などの金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマスなどの真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料などが挙げられる。着色剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。着色剤は、シリカなどのフィラー、有機微粒子などの体質顔料、中和剤、界面活性剤など併用してもよい。
結着材樹脂としては、親水性処理されたポリエステル系ウレタン樹脂のほか、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリレート共重合体、ロジン誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂などのアクリル系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂などのポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類などの水溶性天然高分子、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂を変性した樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂を変性した樹脂と天然ゴムとの混合物などが挙げられる。なお、結着材樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
絵柄層の厚みは、特に限定されず、1〜15μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましい。
又、基材シートと絵柄層との間には着色隠蔽層が介在していてもよい。着色隠蔽層は、化粧シートを被着体に貼着した状態において化粧シートを通して被着体が視認されないようにするための層である。着色隠蔽層は、絵柄層で用いられたと同様のインキを上述した汎用の印刷法を用いて基材シートの一面全面に塗布、乾燥させて形成することができる。なお、基材シートの一面に塗布するインキの量は2〜30g/m2が好ましい。又、着色隠蔽層の厚みは0.1〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
上記絵柄層上には接着剤層を介して合成樹脂層が積層一体化されている。接着剤層及び合成樹脂層は、接着剤層及び合成樹脂層を通して絵柄層が視認できる程度の透明性を有しておればよく、無色透明、着色透明、半透明などの何れも含む。
接着剤層を構成している接着剤は、化粧シートの分野で公知の接着剤を用いることができる。接着剤としては、例えば、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系接着剤などの熱可塑性接着剤、一液型ポリウレタン系接着剤、イソシアネート化合物を硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン系接着剤などの熱硬化性接着剤などが挙げられる。接着剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、絵柄層上に接着剤層を積層一体化する方法は、例えば、上述した公知の印刷法を用いて接着剤を絵柄層上に塗布することによって形成することができる。なお、接着剤層の厚みは、0.1〜30μmが好ましく、1〜20μmがより好ましい。
合成樹脂層を構成する合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アイオノマー、ポリメチルペンテン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリカーボネート系樹脂、セルローストリアセテートなどを挙げることができ、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。なお、合成樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
なお、合成樹脂層は、絵柄層が合成樹脂層を通して視認できる限り着色されていてもよいが、着色剤を含有していないことが好ましい。なお、着色剤は、絵柄層に用いられる着色剤と同様であるのでその説明を省略する。
接着剤層上に合成樹脂層を積層一体化する方法は、特に限定されず、例えば、合成樹脂層を構成する合成樹脂シートを予め製造し、この合成樹脂シートを接着剤層上に積層一体化させる方法、合成樹脂層を構成する合成樹脂シートを接着剤層上に押出ラミネートする方法、接着剤層上に合成樹脂層を構成する合成樹脂を汎用の方法で塗工し乾燥させて合成樹脂層を形成する方法などが挙げられる。
合成樹脂層の厚みは、化粧シートの用途に応じて適宜調整されればよいが、20〜200μmが好ましい。
合成樹脂層上にプライマー層を介して表面保護層が積層一体化されている。プライマー層は、合成樹脂層上に表面保護層の形成を容易にするために設けられている。プライマー層は、絵柄層をプライマー層を通じて視認可能に構成されておればよく、無色透明、着色透明、半透明等の何れも含む。
プライマー層は、汎用のプライマー剤を合成樹脂層上に塗布、乾燥させることによって、合成樹脂層上に積層一体化させることができる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ポリウレタン樹脂などからなるポリウレタン樹脂系プライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなるプライマー剤などが挙げられる。プライマー層としては架橋された合成樹脂から構成されていることが好ましい。なお、プライマー剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
プライマー層には艶消し剤としてシリカが含有されていてもよい。プライマー層中におけるシリカの含有量は、樹脂成分100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、10〜40重量部がより好ましい。
更に、プライマー層には、必要に応じて、プライマー剤に公知の添加剤が含有されていてもよい。添加剤としては、例えば、プライマー剤にヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤を含有させることにより、合成樹脂層と表面保護層とをプライマー層を介して更に密着した状態に積層一体化させることができる。
接着剤層上にプライマー層を積層一体化する方法としては、接着剤層上にプライマー剤を汎用の印刷法を用いて塗布、乾燥させた後、プライマー剤に必要に応じて電離放射線を照射してプライマー剤を架橋させることによってプライマー層を接着剤層上に積層一体化させることができる。なお、プライマー層の厚みは0.1〜100μmが好ましく、0.5〜15μmがより好ましい。なお、印刷法は、絵柄層を形成する際に用いられる印刷法と同様であるのでその説明を省略する。
そして、接着剤層上にはプライマー層を介して表面保護層が積層一体化されている。この表面保護層は、上述した塗料を硬化させて形成される塗膜から構成されている。この表面保護層は、塗料に含まれている硬化性化合物を重合させ好ましくは更に架橋されて得られる合成樹脂中にアレルゲン抑制剤が含有されてなる。従って、化粧シートの表面保護層は優れたアレルゲン抑制効果及び意匠性を有している。
表面保護層は、絵柄層が表面保護層を通して視認できる限り着色されていてもよいが、着色剤を含有していないことが好ましい。なお、着色剤は、絵柄層に用いられる着色剤と同様であるのでその説明を省略する。
表面保護層は、その耐擦傷性、耐水性及びアレルゲン抑制剤の保持の観点から、硬化性化合物を重合させて得られる合成樹脂は架橋されていることが好ましい。このように表面保護層を構成している合成樹脂が架橋されていることによって、合成樹脂中にアレルゲン抑制剤を確実に固定させることができ、表面保護層からのアレルゲン抑制剤の流出を防止し、表面保護層のアレルゲン抑制効果を長期間に亘って確実に維持することができる。
表面保護層中におけるアレルゲン抑制剤の含有量は、少ないと、化粧シートが充分なアレルゲン抑制効果を奏しないことがあり、多いと、化粧シートの強度が低下することがあるので、合成樹脂100重量部に対して0.5〜25重量部が好ましく、1〜20重量部がより好ましい。
プライマー層上に表面保護層を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、上記塗料をプライマー層上に汎用の印刷法によって塗布し、塗料を加熱し又は塗料に電離放射線を照射することによって硬化性化合物を重合させて合成樹脂とし、この合成樹脂中にアレルゲン抑制剤が含有されてなる表面保護層をプライマー層上に積層一体化する方法が挙げられる。なお、印刷法は、絵柄層を形成する際に用いられる印刷法と同様であるのでその説明を省略する。表面保護層の厚みは、厚いと、表面保護層の表面に存在しないアレルゲン抑制剤の量が多くなり、表面保護層の内部に含有されているアレルゲン抑制剤を充分に活かすことができないことがあるので、50μm以下が好ましいが、薄すぎると、表面保護層の強度が低下し、表面保護層からアレルゲン抑制剤が脱落する虞れがあるので、1〜20μmがより好ましい。塗料への電離放射線の照射は、空気中で行ってもよいが、副反応を防止するために、窒素などの不活性ガスの雰囲気下にて行うことが好ましい。
そして、化粧シートの表面保護層面にエンボス加工が施されていてもよい。エンボス加工は、例えば、加熱ドラムなどを用いて表面保護層を加熱して軟化させた上で表面保護層に赤外線輻射ヒーターなどを用いて140〜170℃に加熱した後、所望のエンボス模様を有するエンボス板を表面保護層に加圧して表面保護層にエンボス板のエンボス模様を転写し、表面保護層を冷却することによって、化粧シートの表面保護層にエンボス加工を施すことができる。なお、上記工程は、公知の枚葉又は輪転式エンボス機を用いて行うことができる。
エンボス模様としては、特に限定されず、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝などが挙げられる。
エンボス模様の凹部の深さは、化粧シートの厚みに応じて適宜設定すればよいが、1〜200μmが好ましく、10〜150μmがより好ましい。
上述のように構成され化粧シートは汎用の接着剤を用いて被着体に貼着させて用いられ、上記被着体はその表面に貼着された化粧シートによって優れアレルゲン抑制効果が付与されると共に優れた意匠も付与される。
上記接着剤は、被着体の種類などに応じて公知の接着剤から適宜選択されればよい。このような接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル接着剤、ポリ塩化ビニル接着剤、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体接着剤、エチレン−アクリル酸共重合体接着剤、アイオノマー接着剤、ブタジエン−アクリルニトリルゴム接着剤、ネオプレンゴム接着剤、天然ゴム接着剤が挙げられる。なお、接着剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
被着体としては、特に限定されず、例えば、壁、天井、床などの建築物の内装材を構成する内装材本体、窓枠、扉、手すりなどの建具、家具、家電、OA機器などが挙げられる。内装材本体としては、例えば、突板、木材単板、木材合板、パティクルボード、中密度繊維板(MDF)などが挙げられる。内装材本体の表面に化粧シートを貼着一体化してなる内装材は、優れた意匠性及びアレルゲン抑制効果を有しており、この内装材を用いることによって室内に存在するアレルゲンを効果的に抑制することができる。
被着体の材質は、特に限定されず、例えば、木質材料、金属、セラミックス、合成樹脂、ガラスなどが挙げられ、木質材料が好ましい。木質材料としては、特に限定されず、例えば、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピーなどが挙げられる。
本発明の塗料は、上述の如き構成を有しているので、この塗料を用いて形成された塗膜は優れたアレルゲン抑制効果を有している。本発明の塗料を用いて形成された塗膜が表面保護層として最外層を構成している化粧シートは優れたアレルゲン抑制効果を有しており、この化粧シートを被着体に貼着することによって被着体にアレルゲン抑制効果を付与することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
アレルゲン抑制化剤としてスチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体(アクゾノーベル社製 商品名「VERSA−TL 502」、スチレンスルホン酸ナトリウム成分の含有量:99モル%以上、重量平均分子量:68.5万、Z平均分子量:115.3万)1.56重量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学株式会社製 商品名「ライトアクリレートDPE−6A」)とトリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学株式会社製 商品名「ライトエステルTMP」)を1:2の重量比で混合した組成物20重量部、及び、電離放射線硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名「紫光 UV−7620EA」)30重量部を含む電離放射線硬化性化合物と、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン(和光純薬社製)2重量部とを均一に混合して塗料を作製した。
上記塗料をポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚みが40μmとなるように塗工し、ポリエチレンテレフタレートフィルム上の塗料に紫外線照射装置(オーク社製 商品名「JL−4300−3S」)を用いて窒素雰囲気下にて紫外線を照射して電離放射線硬化性化合物を重合させて合成樹脂とすると共にこの合成樹脂を架橋させて塗料を硬化させ、合成樹脂中にアレルゲン抑制剤が含有されてなる厚みが30μmの表面保護層をポリエチレンテレフタレートフィルムの一面全面に積層一体化させて化粧シートを作製した。
(実施例2)
厚みが60μmのポリプロピレンフィルムからなる基材シートの表裏面にコロナ放電処理を施した。次に、着色剤を結着材樹脂であるアクリル系樹脂中に含有させてなるインキを基材シートの一面全面にグラビア印刷法を用いて塗工し乾燥させて、基材シートの一面全面に厚みが2μmの着色隠蔽層を積層一体化した。
しかる後、着色剤を結着材樹脂であるアクリル系樹脂中に含有させてなるインキを用いて着色隠蔽層の一面にグラビア印刷法を用いて図柄を印刷して着色隠蔽層の一面に厚みが4μmの皮革調の絵柄層を積層一体化した。
次に、絵柄層の一面に一液型ポリウレタン系接着剤をグラビア法を用いて塗工して絵柄層の一面に厚みが3μmの接着剤層を積層一体化した。続いて、接着剤層上に厚みが80μmのポリプロピレンシートを重ね合わせて、絵柄層上に接着剤層を介してポリプロピレンシートを合成樹脂層として積層一体化した。
しかる後、アクリル系ウレタン樹脂100重量部、シリカ30重量部及びヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤20重量部を含む樹脂組成物をプライマー剤として用意した。このプライマー剤を合成樹脂層の一面全面にグラビア印刷法を用いて塗工し乾燥させて、合成樹脂層の一面に厚みが1μmのプライマー層を積層一体化した。
アレルゲン抑制化剤としてp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体を含む水溶液(p−スチレンスルホン酸ナトリウムホモポリマー)(東ソー有機化学社製 商品名「PS−100」、p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体の含有量:20重量%、重量平均分子量(Mw):52.9万、Z平均分子量(Mz):75.8万)を乾燥させた粉体5重量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学株式会社製 商品名「ライトアクリレートDPE−6A」)とトリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学株式会社製、 商品名「ライトエステルTMP」)を1:2の重量比で混合した組成物20重量部、及び、電離放射線硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名「紫光 UV−7620EA」)30重量部を含む電離放射線硬化性化合物と、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン(和光純薬社製)2重量部とを均一に混合して塗料を作成した。
そして、上記プライマー層の一面全面に上記塗料をグラビア印刷法により固形分が5g/m2となるように塗工、乾燥させて未硬化の塗膜を形成した。次に、未硬化の塗膜に窒素雰囲気下にて電子線を加速電圧125KV、50kGyの条件で照射して電離放射線硬化性化合物を重合させて合成樹脂とすると共に合成樹脂を架橋させて塗料を硬化させ、合成樹脂中にアレルゲン抑制剤が含有されてなる厚みが5μmの表面保護層をプライマー層の一面全面に積層一体化させて化粧シートを作製した。なお、化粧シートは、その絵柄層が表面保護層側から視認可能に構成されていた。
(実施例3)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体の代わりに、p−スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレンランダム共重合体(スチレンスルホン酸ナトリウム成分:50重量%、スチレン成分:50重量%、重量平均分子量(Mw):2万2千)を用いたこと以外は実施例2と同様にして化粧シートを作製した。
(実施例4)
電離放射線硬化性化合物として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学株式会社製 商品名「ライトアクリレートDPE−6A」)と1,9−ノナンジオールジメタクリレート(共栄社化学株式会社製 商品名「ライトエステル1,9ND」)を1:2の重量比で混合した組成物20重量部、及び、電離放射線硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学社製、商品名「紫光 UV−7620EA」)30重量部を含む電離放射線硬化性化合物を用いたこと以外は実施例2と同様にして化粧シートを作製した。
(実施例5)
p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体の代わりに、スチレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体(アクゾノーベル社製 商品名「VERSA−TL 502」、スチレンスルホン酸ナトリウム成分の含有量:99モル%以上、重量平均分子量:68.5万、Z平均分子量:115.3万)を用いたこと以外は実施例4と同様にして化粧シートを作製した。
(比較例1)
アレルゲン抑制化剤を用いなかったこと以外は実施例2と同様の方法により化粧シートを作製した。
(比較例2)
アレルゲン抑制化剤としてp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体を含む水溶液(p−スチレンスルホン酸ナトリウムホモポリマー)(東ソー有機化学社製 商品名「PS−100」、p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体の含有量:20重量%、重量平均分子量(Mw):52.9万、Z平均分子量(Mz):75.8万)30重量部を水100重量部中に溶解させてなるアレルゲン抑制剤水溶液中に、ポリエステル繊維80重量%と綿繊維20重量%からなる布を浸漬し、布にアレルゲン抑制剤水溶液を含浸させた後、布をアレルゲン抑制剤水溶液から引き上げた。次に、布を100℃にて10分間に亘って乾燥させてアレルゲン抑制布を作製した。
(比較例3)
アレルゲン抑制化剤としてp−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体を含む水溶液(p−スチレンスルホン酸ナトリウムホモポリマー)(東ソー有機化学社製 商品名「PS−100」、p−スチレンスルホン酸ナトリウム単独重合体の含有量:20重量%、重量平均分子量(Mw):52.9万、Z平均分子量(Mz):75.8万)30重量部を水100重量部中に溶解させ且つ特殊シリコーン系バインダー(北広ケミカル社製、商品名「TF−3500」)50重量部を含有してなるアレルゲン抑制剤水溶液中に、ポリエステル繊維80重量%と綿繊維20重量%からなる布を浸漬し、布にアレルゲン抑制剤水溶液を含浸させた後、布をアレルゲン抑制剤水溶液から引き上げた。次に、布を100℃にて10分間に亘って乾燥させてアレルゲン抑制布を作製した。
実施例及び比較例1で得られた化粧シート及び比較例2,3で得られたアレルゲン抑制布について、下記の要領にてアレルゲン抑制能及び耐水性を測定し、その結果を表1に示した。
(アレルゲン抑制能)
アレルゲンの冷結乾燥粉末(コスモ・バイオ社製商品名「MiteExtract−Df」)をリン酸バッファー(pH7.6)に溶解させて、タンパク量が20μg/ミリリットルのアレルゲン水溶液を調製した。
実施例1〜5及び比較例1で得られた化粧シート並びに比較例2,3で得られたアレルゲン抑制布を用意した。上記アレルゲン水溶液を3ミリリットルづつ供給した試験管を用意した。上記化粧シート及びアレルゲン抑制布をそれぞれ縦2cm×5cmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、これら試験片をそれぞれ別々の試験管に添加して37℃で24時間に亘って振盪した。
次に、試験管内のアレルゲン水溶液100マイクロリットルを、アレルゲン測定具(住化エンビロサイエンス社製商品名「マイティーチェッカー」)に添加し、アレルゲン測定具の発色度合いを目視観察して下記の基準により初期のアレルゲン抑制能を評価した。なお、アレルゲン測定具の発色が濃いほどアレルゲンが液中に濃い濃度で存在している。
5・・・濃く、太くはっきりとしたラインが観測された。
4・・・ラインであることがはっきりと分かる。
3・・・ライン状にうっすらと発色している。
2・・・うっすらと発色している。
1・・・全く発色していない。
(耐水性)
実施例1〜5及び比較例1で得られた化粧シート並びに比較例2,3で得られたアレルゲン抑制布を用意した。化粧シート及びアレルゲン抑制布をそれぞれ縦2cm×5cmの平面長方形状に裁断して試験片を作製した。
次に、各試験片を200ミリリットルの25℃の水に1分間に亘って浸漬して取り出し、各試験片を100℃にて10分間に亘って乾燥した。この試験片について、上述と同様の要領にて、水浸漬後のアレルゲン抑制能を測定した。
上記とは別に、実施例1〜5及び比較例1で得られた化粧シート並びに比較例2,3で得られたアレルゲン抑制布を用意した。化粧シート及びアレルゲン抑制布をそれぞれ縦2cm×5cmの平面長方形状に裁断して試験片を作製した。
次に、各試験片を200ミリリットルの50℃の水に3分間に亘って浸漬して取り出し、各試験片を100℃にて10分間に亘って乾燥した。この操作を3回に亘って繰返し行った。この試験片について、上述と同様の要領にて、湯浸漬後のアレルゲン抑制能を測定した。
Figure 2012036363

Claims (10)

  1. 線状高分子の側鎖に一般式(1)で示される構造式の置換基を有する化合物を含むアレルゲン抑制剤と、硬化性化合物とを含有することを特徴とする塗料。
    Figure 2012036363

    (R1〜R5はそれぞれ、水素、スルホン酸基又はスルホン酸基の塩の何れかであって、R1〜R5のうちの少なくとも一つはスルホン酸基又はスルホン酸基の塩である。)
  2. アレルゲン抑制剤が、スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸塩単独重合体、スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体及びスチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の塗料。
  3. 最外層として表面保護層を有し、この表面保護層は、線状高分子の側鎖に一般式(1)で示される構造式の置換基を有する化合物を含むアレルゲン抑制剤を含有していることを特徴とする化粧シート。
    Figure 2012036363

    (R1〜R5はそれぞれ、水素、スルホン酸基又はスルホン酸基の塩の何れかであって、R1〜R5のうちの少なくとも一つはスルホン酸基又はスルホン酸基の塩である。)
  4. アレルゲン抑制剤が、スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸塩単独重合体、スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体及びスチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とする請求項3に記載の化粧シート。
  5. 表面保護層は合成樹脂を含み、この合成樹脂は架橋されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の化粧シート。
  6. 表面保護層は、合成樹脂100重量部とアレルゲン抑制剤0.5〜25重量部とを含有していることを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れか1項に記載の化粧シート。
  7. 表面保護層は、線状高分子の側鎖に一般式(1)で示される構造式の置換基を有する化合物を含むアレルゲン抑制剤と、硬化性化合物とを含有する塗料を用いて形成されていることを特徴とする請求項3乃至請求項6の何れか1項に記載の化粧シート。
    Figure 2012036363

    (R1〜R5はそれぞれ、水素、スルホン酸基又はスルホン酸基の塩の何れかであって、R1〜R5のうちの少なくとも一つはスルホン酸基又はスルホン酸基の塩である。)
  8. アレルゲン抑制剤が、スチレンスルホン酸塩−スチレン共重合体、スチレンスルホン酸塩単独重合体、スチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸共重合体及びスチレンスルホン酸塩−スチレンスルホン酸−スチレン三元共重合体からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物であることを特徴とする請求項7に記載の化粧シート。
  9. 基材シート上に、絵柄層、接着剤層、合成樹脂層、プライマー層及び表面保護層がこの順序で積層一体化されてなることを特徴とする請求項3乃至請求項8の何れか1項に記載の化粧シート。
  10. 表面保護層の厚みが50μm以下であることを特徴とする請求項3乃至請求項9の何れか1項に記載の化粧シート。
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