JP5343929B2 - 化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、家具、建具等の建材の表面装飾材料として効果的な絵柄が施された化粧シート及び当該化粧シートが積層された化粧板に関する。
化粧シートは、木質板等の被着材の表面保護、装飾等を目的とするものであって、これを被着材の表面に貼着することにより使用される。そして、これによって得られた化粧板は、各種の建材、家具等に使用されている。
化粧シートは、その最表面を保護すべく表面保護層が設けられている。従って、表面保護層は、耐摩耗性、耐擦傷性等に優れていることが必要である。また、表面保護層は、外部からの汚れに対して耐汚染性(防汚性)を有していることも必要である。
耐摩耗性、耐汚染性等に優れた化粧としては、例えば基材フィルム(1)の片面に、着色剤を含有する層(2)、合成樹脂層(3)、そして該合成樹脂層(3)とは異なる合成樹脂層(4)を、この順に積層してなることを特徴とする化粧シートが提案されている(特許文献1)。
また、基材上に防汚層が設けられてなる耐汚染化粧材において、前記防汚層が、アクリルウレタン樹脂の側鎖にオルガノポリシロキシ基が導入されたシリコーン変性アクリルウレタン樹脂からなることを特徴とする耐汚染化粧材も提案されている(特許文献2)。
特開平11−58614号公報 特開2004−17617
しかしながら、特許文献1の化粧シートでは、最表面の合成樹脂層として、表面張力が低いシリコーン樹脂、フッ素樹脂等が使用されている。このため、耐久性等の点で問題がある。
また、一般的に化粧シートはロール状又は積層状態で保管されるが、このときに化粧シート表面にブリードしたシリコーン樹脂が多いと、一方の化粧シートの裏面に付着しやすくなる。特許文献1でも、比較的多くのシリコーン樹脂がブリードするおそれがある。化粧シートの裏面がシリコーン樹脂で汚れると、その化粧シートを合板等に貼着する場合、所定の接着性が得られなくなるおそれがある。
特許文献2の化粧シートでは、防汚層としてシリコーン変性樹脂を使用し、化粧シート表面にシリコーン変性樹脂をブリードさせることによって耐汚染性(特に筆記具による汚れ、食べ物による汚れ等に対する抵抗性)を得るものである。従って、前記特許文献1と同様、シリコーン変性樹脂のブリードによる問題が生じる。
また、特許文献2では、化粧シートを汚したときの拭き取りによって、表面上に防汚層を形成しているシリコーン変性樹脂も同時に拭き取られるため、長期に亘り耐汚染性を維持することが困難になる。
従って、本発明の主な目的は、優れたはじき性能(耐汚染性)及び耐久性を有する化粧シートを効率的に提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の構成を有する積層体を化粧シートとして用いることによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の化粧シートに係る。
1. 被着材に積層して用いるための化粧シートであって、
(1)当該シートは、少なくとも基材シート、絵柄層、透明性樹脂層及び表面保護層を順に有し、
(2)当該表面保護層が、a)電離放射線重合性オリゴマー及びb)両末端反応性シリコーンアクリレートを含む組成物により形成されており、
(3)前記電離放射線重合性オリゴマーは、(A)1分子中に2個のラジカル重合性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー40〜80重量%及び(B)1分子中に3〜15個のラジカル重合性不飽和基を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー60〜20重量%からなる混合物である、
ことを特徴とする化粧シート。
2. 透明性樹脂層と表面保護層との間に少なくともプライマー層が形成されている上記項1に記載の化粧シート。
3. 前記表面保護層にマット剤が含まれる、上記項1又は2に記載の化粧シート。
4. 前記マット剤の一部又は全部がシリカ粒子である、上記項3に記載の化粧シート。
5. 前記マット剤が未処理のシリカ粒子を含む、上記項3又は4に記載の化粧シート。
6. 前記マット剤として、見かけ比重が0.05〜0.4g/cm、0.45〜1.0g/cmのシリカを併用する、上記項3〜5のいずれかに記載の化粧シート。
7. 前記表面保護層がエンボス加工による凹凸を有する、上記項1〜6のいずれかに記載の化粧シート。
8. 前記透明性樹脂層及び基材シートの少なくとも一方がポリオレフィン系樹脂である、上記項1〜7のいずれかに記載の化粧シート。
9. 上記項1〜8のいずれかに記載の化粧シートの表面保護層が最表面層となるように当該シートが被着材上に積層されてなる化粧板。
本発明の化粧シートによれば、表面保護層が電離放射線重合性オリゴマーと反応性シリコーンアクリレートとを含む組成物によって形成されているので、ブリードの問題を回避しつつ、優れたはじき性能(耐汚染性)及び耐久性を発揮することができる。
すなわち、本発明の化粧シートは、その表面保護層が特に汚染物がつきにくく(いわゆる、はじき特性に優れる)、その持続効果もあるため、長期に亘り優れた耐汚染性及び耐久性を発揮することができる。
また、本発明の化粧シートは、マット剤を使用する場合には、より優れた表面意匠性(特に、種々の艶レベル)を発揮することができる。
本発明の化粧シートは、被着材に積層して用いるための化粧シートであって、
(1)当該シートは、少なくとも基材シート、絵柄層、透明性樹脂層及び表面保護層を順に有し、
(2)当該表面保護層が、a)電離放射線重合性オリゴマー及びb)反応性シリコーンアクリレートを含む組成物により形成されており、
(3)前記電離放射線重合性オリゴマーは、(A)1分子中に少なくとも2個のラジカル重合性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー40〜80重量%及び(B)1分子中に3〜15個のラジカル重合性不飽和基を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー60〜20重量%からなる混合物である、
ことを特徴とする。以下、各層について説明する。
基材シート
基材シートとしては、例えば、紙、不織布、熱可塑性樹脂シート又はこれらの複合材料等が使用される。
紙としては、例えば薄葉紙、クラフト紙、上質紙、リンター紙、バライタ紙、硫酸紙、和紙等が挙げられる。
また、不織布としては、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、ビニロン、ガラス等の繊維からなる不織布が挙げられる。紙又は不織布の坪量は、通常20〜100g/m程度とすれば良い。また、紙又は不織布は、その繊維間乃至は他層との層間強度を強化したり、ケバ立ち防止のため、例えばアクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を添加(抄造後樹脂含浸、又は抄造時に内填)させたものでも良い。なお、基材シートに紙(或いは不織布も)を用いた化粧シートは、化粧紙となる。
熱可塑性樹脂シートとしては、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。より具体的には、下記の(1)〜(4)が挙げられる。
(1)ポリエチレン(高密度、中密度、或いは低密度)、ポリプロピレン(アイソタクチック型、或いはシンジオタクチック型)、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂
なお、上記オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、上記に例示の如き結晶質ポリオレフィン樹脂からなるハードセグメントとエチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アタクチックポリプロピレン、スチレン−ブタジエンゴム、水素添加スチレン−ブタジエンゴム等のエラストマーから成るソフトセグメントを混合して成る。ハードセグメントとソフトセグメントとの混合比は、〔ソフトセグメント/ハードセグメント〕=5/95〜40/60(質量比)程度である。必要に応じて、エラストマー成分は、硫黄、過酸化水素等の公知の架橋剤によって架橋する。
(2)ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等のアクリル樹脂〔但し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの意味〕。
(3)ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレン−テレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、非晶性ポリエステル等のポリエステル樹脂
なお、上記ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、ハードセグメントに高結晶で高融点の芳香族ポリエステル、ソフトセグメントにはガラス転移温度が−70℃以下の非晶性ポリエーテル等を使用したブロックポリマー等があり、該高結晶性で高融点の芳香族ポリエステルには、例えばポリブチレンテレフタレートが使用され、該非晶性ポリエーテルには、ポリテトラメチレングリコール等が使用される。また、上記非晶質ポリエステルとしては、代表的には、エチレングリコール−1,4−シクロヘキサンジメタノール−テレフタル酸共重合体がある。
(4)その他の樹脂
例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
基材シートの層構成としては、上述の紙、不織布、熱可塑性樹脂シート等を単層又は2層以上に積層して用いることができる。
基材シートの厚み(積層体の場合は総厚み)は限定されないが、一般的には25〜500μm程度とすれば良い。
絵柄層
絵柄層は、木目、節目等の天然素材が有する柄のほか、文字、記号、図等も表わすことができる。
絵柄層を設ける場合、絵柄層の形成方法、材料、絵柄の種類等は特に限定されない。絵柄層の形成は、通常はインキを用い、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷、インキジェットプリント等の公知の印刷法等で形成できる。絵柄は、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、布目模様、タイル調模様、煉瓦調模様、皮絞模様、文字、記号、幾何学模様又はこれら2種以上の組み合わせ等を採用できる。
絵柄層の形成に用いるインキは、1)バインダー等からなるビヒクル、2)顔料、染料等の着色剤、3)任意成分として適宜加えられる体質顔料、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等の各種添加剤から構成される。
バインダーの樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の公知のバインダーの中から、要求される物性、印刷適性等に応じて適宜選択すれば良い。例えば、ニトロセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル共重合体等のアクリル樹脂のほか、ウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等の単体又はこれらを含む混合物を用いることができる。
また、着色剤としては、チタン白、カーボンブラック、鉄黒、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔料、アニリンブラック、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料、二酸化チタン被覆雲母、アルミニウム等の箔粉等の光輝性顔料等のほか、各種の染料を使用することができる。
接着剤層
本発明化粧シートでは、好ましくは絵柄層と透明性樹脂層との間に接着剤層が介在する。
接着剤層で使用する接着剤は、公知又は市販の接着剤の中から、絵柄層又は透明性樹脂層を構成する成分等に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂のほか、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
この中でも、本発明では、耐熱性等をより高めることができるという点でウレタン系樹脂接着剤が好ましい。ウレタン系樹脂接着剤は、ポリオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とする2液硬化型ウレタン樹脂が挙げられる。
上記ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するものである。例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が用いられる。
また、上記イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシネートが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環族)イソシアネートが用いられる。また、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることもできる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネートの3量体等が挙げられる。
なお、必要に応じ、接着面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を施すこともできる。
接着方法としては、用いる接着剤の種類等に応じて公知の方法に従って実施すれば良い。例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を用い、溶融押出(エクストルージョンコート法)で絵柄層上に塗工する方法、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂にイソシアネート、アミン等の架橋剤、メチルエチルケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、アザビスイソブチロニトリル等の重合開始剤、ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリン等の重合促進剤等を必要により添加した接着剤を塗工し、ドライラミネートする方法を採用することができる。また、本発明では、熱圧着できる接着剤を使用し、熱圧着によって絵柄層と透明性樹脂層とを積層することもできる。
なお、本発明では、必要に応じ、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を接着面に施すこともできる。
接着剤層の厚さは、透明性保護層の種類、使用する接着剤の種類等に応じて異なるが、通常は0.1〜30μm程度とすれば良い。
透明性樹脂層
透明性樹脂層は、透明性のものであれば限定されない。従って、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。
透明性樹脂層としては、例えば熱可塑性樹脂により形成されたものを好適に使用することができる。具体的には、軟質、半硬質又は硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等を挙げることができる。本発明では、特に透明性樹脂層として、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
透明性樹脂層は、必要に応じて着色されていても良い。この場合は、上記のような熱可塑性樹脂に対して着色材(顔料又は染料)を添加して着色することができる。着色材としては、公知又は市販の顔料又は染料を適宜使用することができる。これらは、1種又は2種以上を選ぶことができる。また、着色材の添加量も、所望の色合い等に応じて適宜設定すれば良い。
透明性樹脂層には、必要に応じて充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えばゴム)等の各種の添加剤が含まれていても良い。
難燃剤は、耐燃性を付与するために添加される。例えば、塩化パラフィン、トリクレジルホスフェート、塩素化油、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラブロモビスフェノールA、ジブロモプロピルホスフェート、トリ(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、酸化アンチモン、含水アルミナ、ホウ酸バリウム等を好適に用いることができる。
酸化防止剤は、酸化分解を抑制ないしは防止するために添加される。例えば、アルキルフェノール類、アミン類、キノン類等が好適である。
紫外線吸収剤、樹脂(特にポリオレフィン系樹脂)の劣化を招く波長280〜450nmの領域の紫外線を吸収するものである。例えば、ベンゾフェノン系、サリチレート系、ベンゾトリアゾール系、アクリロニトリル系等の各紫外線吸収剤を挙げることができる。
ラジカル捕捉剤は、日光による変褪色、亀裂、白化、強度劣化等の防止して耐候性を向上させるために添加される。ラジカル捕捉剤としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートのほか、例えば特公平4−82625号公報に開示されている化合物等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジル系ラジカル捕捉剤等が使用される。
透明性樹脂層の形成方法は限定的でなく、例えば予め形成されたシート又はフィルムを隣接する層に積層する方法、透明性樹脂層を形成し得る樹脂組成物を溶融押出することにより隣接する層上に塗工する方法、隣接する層と一緒にラミネートする方法等のいずれも採用することができる。本発明では、特に溶融押出により透明性樹脂層を形成することが好ましい。とりわけ、透明性樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を溶融押出によって塗工することが望ましい。具体的には、絵柄層上に予め接着剤層を形成し、当該接着剤層上にポリプロピレン系熱可塑性エラストマーを溶融押出して塗工することにより透明性樹脂層を好適に形成することができる。溶融押出の方法は、例えばTダイ等を用いる公知の方法に従って実施すれば良い。
透明性樹脂層の厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般的には50〜250μm、特に20〜200μm程度とすることが好ましい。
透明性樹脂層の表面(おもて面)及び/又は裏面には、隣接する層との接着性を高めるために、必要に応じてコロナ放電処理を行うこともできる。コロナ放電処理の方法・条件は、公知の方法に従えば良い。
また、本発明では、透明性樹脂層の表面(おもて面)及び/又は裏面には、プライマー層を形成することが望ましい。プライマー層を形成するための材料としては、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ニトロセルロース樹脂等の樹脂類ほか、アルキルチタネート、エチレンイミン等の化合物も使用することができる。特に、プライマー層としては、2液硬化型のウレタン系樹脂の使用が好ましい。イソシアネートとしてヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等の脂肪酸イソシアネート(脂肪族イソシアネート)、ポリオールとしてアクリルポリオールをそれぞれ使用する場合には、より優れた耐候性、密着性等が得られるので好ましい。
プライマー層の形成は、これらをそのままで又は溶媒に溶解若しくは分散させた状態で用い、公知の印刷方法、塗布方法等に従ってプライマー層を形成することができる。
表面保護層
本発明において、表面保護層は最表面層として設けられている。表面保護層は、透明である限り、着色されていても良い。また、絵柄層が視認できる範囲内で半透明であっても良い。表面保護層の形成により、化粧シート表面の傷のつきやすさをカバーし、耐汚染性を向上させることができる。
本発明の化粧シートでは、表面保護層は、a)電離放射線重合性オリゴマー及びb)反応性シリコーンアクリレートを含む組成物により形成されている。
電離放射線重合性オリゴマーは、公知の電離放射硬化型樹脂に用いられているものを適用することができる。特に、本発明では、より具体的には、(A)1分子中に少なくとも2個のラジカル重合性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと(B)1分子中に3〜15個のラジカル重合性不飽和基を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとを含む。
上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)は、1分子中に2個のラジカル重合性不飽和基を有するもの(いわゆる2官能ウレタンアクリレートオリゴマー)である。これは、例えばa)ジイソシアネート、b)1分子中に水酸基を2個以上有する多価アルコール(好ましくは重量平均分子量が500〜2000)、c)末端に水酸基を有するとともにラジカル重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレート化合物が結合してなるオリゴマーが挙げられる。このオリゴマーは重量平均分子量が1000〜4000であることが好ましい。前記分子量が1000未満では、硬化後の樹脂層においてウレタン(メタ)アクリレートの持つ柔軟性を十分に発揮できなくなるおそれが生じ、Vカット加工、ラッピング加工等の曲げ加工及びエンボスに際しての加工性が低下する。また、前記分子量が4000を超える場合には、耐汚染性等の特性が低下するおそれがある。
上記ジイソシアネートa)は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する脂肪族、脂環式又は芳香族のイソシアネートであり、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
前記多価アルコールb)としては、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール等が例示される。上記ポリエステルポリオールとしては、(イ)芳香族又はスピロ環骨格を有するジオール化合物と、ラクトン化合物又はその誘導体又はエポキシ化合物との付加反応生成物、(ロ)多塩基酸とアルキレングリコールとの縮合生成物、及び(ハ)環状エステル化合物から誘導される開環ポリエステル化合物があり、これらを単独又は2種以上を混合して使用することができる。例えば、上記(ロ)の多塩基酸としてアジピン酸を用い、アルキレングリコールとの縮合生成物として得られる、両末端に水酸基を有するポリエステルジオール(特に重量平均分子量500〜2000)が、各種物性が良好であることから好ましく用いられる。上記ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
上記(メタ)アクリレートc)は、アクリル酸又はメタクリル酸あるいはこれらの誘導体のエステル化合物であって、末端に水酸基を有する。具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシシクロオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピルアクリレート等の重合性不飽和基を1個有する(メタ)アクリル酸エステル化合物、あるいはその他の1分子中に重合性不飽和基を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル化合物等が例示される。
本発明では、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)は、好ましくは、多価アルコール成分を、アルキレングリコールとアジピン酸から形成される重量平均分子量500〜2000のポリエステルポリオールとし、また、ジイソシアネート成分をイソホロンジイソシアネートとし、アクリレート成分をヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとし、これらを反応させて得られる重量平均分子量が1000〜3000のオリゴマーが望ましい。
上記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(B)は、1分子中に3個〜15個の(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性不飽和基を有するものである。これは、a)脂肪族ジイソシアネート、b)多官能ポリオール、c)末端に水酸基を有するとともにラジカル重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートとを反応させて得られる、多官能(3〜15官能)ウレタンアクリレートである。
上記脂肪族ジイソシアネートa)は、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
上記多官能ポリオールb)は、前記の多価アルコールを基本骨格とし、官能基を複数有するものを使用することができる。例えば、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール等がある。上記ポリエステルポリオールとしては、(イ)芳香族またはスピロ環骨格を有するジオール化合物と、ラクトン化合物またはその誘導体またはエポキシ化合物との付加反応生成物、(ロ)多塩基酸とアルキレングリコールとの縮合生成物、(ハ)環状エステル化合物から誘導される開環ポリエステル化合物等がある。これらは、単独又は2種以上を混合して使用することができる。上記ポリエーテルポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が例示される。上記(ロ)の多塩基酸としてアジピン酸を用い、アルキレングリコールと縮合生成物として得られる重量平均分子量500〜2000の、両末端に水酸基を有するポリエステルジオールが、各種物性が良好であることから好ましく用いられる。
上記(メタ)アクリレートc)は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシシクロオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピルアクリレート等の重合性不飽和基を1個有する(メタ)アクリル酸エステル化合物が挙げられる。
本発明の電離放射線重合性オリゴマーとしては、前記の(A)1分子中に少なくとも2個のラジカル重合性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと(B)1分子中に3〜15個のラジカル重合性不飽和基を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む混合物を用いる。特に、電離放射線重合性オリゴマーとして、(A)1分子中に少なくとも2個のラジカル重合性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー40〜80重量%及び(B)1分子中に3〜15個のラジカル重合性不飽和基を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー60〜20重量%からなる混合物を用いる。前記(A)が40重量%未満になると、硬化型樹脂層の可とう性、展性等が不十分となり、耐衝撃性が低下するおそれがある。また、前記(A)が70重量%を超える場合、耐汚染性が低下するおそれがある。なお、上記のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)と脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(B)の配合量は、硬化型樹脂層を形成する塗工組成物における、上記オリゴマー(A)とオリゴマー(B)の合計重量に対する、各成分の重量%を表す。
反応性シリコーンアクリレートとしては、特に限定されないが、前記の電子線放射線重合性オリゴマーと反応するものが好ましい。上記シリコーンアクリレートは、1分子中の側鎖、末端又はその両方に2個以上のアクリレート系の重合性不飽和基を有するもの使用できる。アクリレート系の重合性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基及び(メタ)アクリロイルオキシ基のいずれか1種以上のものが挙げられる。但し、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基、メタアクリロイル基の意味で用いる(以下同様に記載する)。なお、シリコーンアクリレートの平均分子量は、通常1000〜100000であることが好ましい。これらの反応性シリコーンアクリレートは、公知又は市販のものを使用することができる。
なお、本発明においては、上記のシリコーンアクリレートは、電子線硬化重合性オリゴマーとの混合物中にそのままの状態で存在していても良いが、ある程度上記オリゴマーとコポリマー化していてもよく、本発明はこのような態様も包含する。
反応性シリコーンアクリレートの含有量は、電離放射線重合性オリゴマーの種類等に応じて適宜決定できるが、通常は上記混合物中5重量%以下とし、さらには0.1〜3.0重量%が好ましく、特に0.5〜2.0の範囲がより好ましい。
マット剤は、表面保護層の表面をマット化できるものであれば良く、公知又は市販のものを使用することができる。例えば、シリカ、シリコーン樹脂(パウダー、ビーズ)等の無機粒子;架橋アルキル、架橋スチレン、インゾグアナミン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン、ナイロン等の有機材料パウダーないしビーズ等が挙げられる。この中でも、特にシリカを好適に用いることができる。また、未処理のシリカを使用するのが好ましい。ワックス処理された有機処理シリカは、撥液性のあるものと併用すると、シート表面からブリードする可能性があるが、上記未処理シリカではそのような問題を未然に回避することができる。
また、見かけ比重が0.05〜0.4g/cm、0.45〜1.0g/cmのシリカを併用することが好ましい。見かけ比重が小さいシリカは特に艶消し剤として使用し、見かけ比重が大きなシリカは特に減摩剤粒子として使用するのが好ましい。添加量の制限はないが、0.05〜0.4g/cmのシリカは、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して通常0.5〜40重量%、特に5〜30重量%とすることが好ましい。また、0.45〜1.0g/cmのシリカは、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して通常2.5〜10重量部とすることが好ましい。なお、0.05〜0.4g/cmのシリカは、上述した未処理のシリカとすることが望ましい。
マット剤の粒径も限定的でなく、用途等に応じて適宜決定することができる。一般的には、粒径0.1〜30μm程度とし、特に粒径3〜6μmの範囲とすることがより好ましい。
上記組成物は、これらの各成分を均一に混合することによって調製できる。この組成物による表面保護層の形成方法も公知の方法に従えば良く、例えば上記組成物による塗膜を形成し、公知の使用条件で電子線照射して塗膜を架橋硬化させれば良い。
電離放射線の電子線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100〜1000keV、好ましくは、200〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射するものが使用できる。また、紫外線源としては、例えば超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源を使用すれば良い。また、本発明では、予め下地としてプライマー層(特にウレタン系樹脂によるプライマー層)を透明性樹脂層上に設けることが望ましい。プライマー層としては、前記と同様のものを使用できる。
表面保護層(すなわち、化粧シートの最表面)には、好ましくはエンボス加工等により凹凸模様が施される。さらに好ましくは、前記エンボス凹部にインキを充填するワイピング加工を施し、その表面を2液硬化型ウレタン系樹脂(プライマー層)、電離放射線重合性オリゴマーで被覆(オーバーコート処理)した構造とする。
エンボス加工は、化粧シートに木材板表面等所望のテクスチァーを付与するために行われる。例えば、加熱ドラム上で化粧シート表面(オレフィン樹脂)を加熱軟化させた後、さらに赤外線輻射ヒーターで160〜180℃に加熱し、所望の形の凹凸模様を設けたエンボス板で加圧、賦形し、冷却固定して形成する。これは、公知の枚葉又は輪転式のエンボス機を使用すれば良い。凹凸模様としては、例えば木目導管溝、浮造模様(浮出した年輪の凹凸模様)、ヘアライン、砂目、梨地等が挙げられ、これらの中から所望の模様を適宜選択することができる。
ワイピング加工とは、エンボス加工で設けた凹部にドクターブレードで表面をかきながらインキを充填する加工をいう。ワイピングインキとしては、通常は2液硬化型のアクリルウレタン共重合体樹脂をバインダーとするインキを用いることができる。ワイピング加工では、特に木目導管溝凹凸に対して行うことによって、より実際の木目に近い意匠を表現することにより商品価値を高めることができる。
被着材
本発明化粧シートが適用される被着材は、限定的でなく、公知の化粧シートと同様のものを用いることができる。例えば、木質材、金属、セラミックス、プラスチックス、ガラス等が挙げられる。特に、本発明化粧シートは、木質材に好適に使用することができる。木質材としては、具体的には、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パティクルボード、中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。
被着材への積層
本発明の化粧シートは、各種の被着材等に積層され、化粧板として使用される。積層方法は限定的でなく、例えば接着剤により化粧シートを被着材に貼着する方法等を採用することができる。接着剤は、被着材の種類等に応じて公知の接着剤から適宜選択すれば良い。例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー等のほか、ブタジエン・アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等が挙げられる。
このようにして製造された化粧板は、例えば、壁、天井、床等の建築物の内装材、窓枠、扉、手すり等の建具の表面化粧板、家具又は弱電、OA機器等のキャビネットの表面化粧板等に好ましく用いることができる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確に説明する。ただし、本発明は、実施例の範囲に限定されない。
実施例1〜3
基材シートとして、ポリプロピレン系樹脂フィルム(厚み60μm、透過率10%)を用意した。この表面及び裏面にコロナ放電処理を施した後、表面に木目柄絵柄層をグラビア印刷により形成した。一方、裏面には、プライマー層をグラビア印刷により形成した。
次いで、前記絵柄層の上に2液硬化型ウレタン樹脂からなる塗液を塗工して接着剤層(厚み3μm)を形成した。さらに、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体からなるポリプロピレン系熱可塑性エラストマーをTダイで溶融押し出し塗工することによって、透明性樹脂層(厚み80μm)を形成した。
透明性樹脂層の上に、アクリル−ウレタンブロック重合体(主剤)と、ヘキサメチレンジイソシアネート(硬化剤)とからなる2液硬化型ウレタン系樹脂を塗工し、プライマー層(厚さ2μm)を形成した。
次に、表1に示す成分を含む組成物を用いて表面保護層を形成した。
Figure 0005343929
表1中の各成分は、下記のものをそれぞれ用いた。
・オリゴマー(A):1分子中に少なくとも2個のラジカル重合性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
・オリゴマー(B):1分子中に3〜15個のラジカル重合・性不飽和基を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
・シリカ:平均粒径5μm、表面未処理品(見かけ比重:0.1〜0.4)+平均粒径4μm(見かけ比重:0.45〜0.85)
・ハジキ成分(反応性シリコーンアクリレート):両末端反応性シリコーンアクリレート
表1に示す各組成物により塗膜を形成した後、175keV及び5Mrad(50kGy)の条件で電子線を照射して上記塗膜を架橋硬化させることにより、表面保護層(厚さ5μm)を形成した。
最後に、表面保護層側を赤外線非接触方式のヒーターで加熱し、基材シート及び透明性樹脂層を柔らかくした後、直ちに表面保護層の面から熱圧によるエンボス加工を行い、木目導管溝模様の凹凸模様を賦形することにより、所定の化粧シートを得た。
比較例1〜3
表1に示す組成により表面保護層を形成したほかは、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
試験例1
実施例及び比較例で得られた化粧シートの下記の物性についてそれぞれ調べた。その結果を表1に示す。
(1)はじき性能(初期)
太マジックインキ(内田洋行製油性インキ)を用い、化粧シートの表面保護層上に筆記したときのはじき特性を確認した。インキをはじく、つまりインキが液滴となった状態を「○」、インキがはじかず、良好なヌレ状態を「×」と評価した。
(2)はじき性能(拭き取り後の色)
前記(1)で筆記された筆跡をウエスにて拭き取った後、その残色を観察した。完全に拭取れた状態を「○」、インキを拭き取れず、拭取り前の状態と同じ状態を保持している状態を「×」と評価した。その結果を表1に示す。
(3)はじき性能(消しゴム)
化粧シートの表面保護層表面を消しゴムで10往復擦った後、その表面について上記(2)の試験を実施した。完全に拭取れた状態を「○」、インキが拭き取れず、拭取り前の状態と同じ状態を保持している状態を「×」と評価した。その結果を表1に示す。
(4)はじき性能(S−UV試験後)
化粧シートについて促進耐候性試験としてJIS−B−7350に準じて試験を実施した。サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機を用い、ブラックパネル温度63℃、照射量25.5mW/cm(365nm)、降雨時間が照射120分中18分の条件で合計200時間実施した。試験後において、その表面について上記(2)の試験を実施した。完全に拭取れた状態を「○」、インキが拭き取れず、拭取り前の状態と同じ状態を保持している状態を「×」と評価した。その結果を表1に示す。
以上の結果より、本発明の化粧シートは、優れたはじき性能(耐汚染性)及び耐久性を有していることがわかる。

Claims (9)

  1. 被着材に積層して用いるための化粧シートであって、
    (1)当該シートは、少なくとも基材シート、絵柄層、透明性樹脂層及び表面保護層を順に有し、
    (2)当該表面保護層が、a)電離放射線重合性オリゴマー及びb)両末端反応性シリコーンアクリレートを含む組成物により形成されており、
    (3)前記電離放射線重合性オリゴマーは、(A)1分子中に2個のラジカル重合性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー40〜80重量%及び(B)1分子中に3〜15個のラジカル重合性不飽和基を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー60〜20重量%からなる混合物である、
    ことを特徴とする化粧シート。
  2. 透明性樹脂層と表面保護層との間に少なくともプライマー層が形成されている請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記表面保護層にマット剤が含まれる、請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 前記マット剤の一部又は全部がシリカ粒子である、請求項3に記載の化粧シート。
  5. 前記マット剤が未処理のシリカ粒子を含む、請求項3又は4に記載の化粧シート。
  6. 前記マット剤として、見かけ比重が0.05〜0.4g/cm、0.45〜1.0g/cmのシリカを併用する、請求項3〜5のいずれかに記載の化粧シート。
  7. 前記表面保護層がエンボス加工による凹凸を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の化粧シート。
  8. 前記透明性樹脂層及び基材シートの少なくとも一方がポリオレフィン系樹脂である、請求項1〜7のいずれかに記載の化粧シート。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の化粧シートの表面保護層が最表面層となるように当該シートが被着材上に積層されてなる化粧板。
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