JP6471596B2 - 化粧材 - Google Patents

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本発明は、建築物の内装や付設家具等に使用する化粧材に関する。
近年、建築物の内装や付設家具等において、油汚れ等の汚染に対する防汚性や汚染の払拭性に対する要請が高くなっている。このような要請に対し、表面に撥水性や撥油性の被膜を形成した化粧板が提案されている(特許文献1参照)。
また、指紋等の油汚れが目立ちにくい化粧板として、凹凸面を有し、当該凹凸面上に更に微細粗面層が形成された化粧板が開示されている(特許文献2参照)。
特開2009−34984号公報 特開2011−152659号公報
これら化粧板は、撥油性の被膜や微細粗面により、油汚れの付着を抑制することで、指紋等の油汚れを目立たなくするものであり、一旦付着した油汚れの払拭性を向上させるものではなかった。また、指紋等の軽微な油汚れを目立たなくすることはできても、調理油や化粧品等による多量の油分の付着に対しては、効果が得られ難いものであった。このため、調理油や化粧品等の大量の油分が付着した際にも、好適に油分を除去可能な化粧材が求められていた。
さらに、艶や光沢を低減させた艶消表面を有する化粧材は、一般的に光沢のある化粧材に比べて油分による汚れが目立ちやすく且つ拭き取りにくいことから、艶消表面を有する化粧材においては、特に高い油払拭性が求められていた。
本発明は、上記のような課題の解決を図るものであり、付着した油分を好適に払拭可能な化粧材を提供することにある。
特に本発明においては、油分による汚れが目立ちやすい艶消表面を有する化粧材においても、付着した油分を好適に払拭可能で、払拭後にも油分によるテカリ等が視認され難く、好適な艶消表面状態を維持できる化粧材を提供することにある。
本発明は、凹凸表面を有し、表層に撥油層を有する化粧材であって、前記凹凸表面を形成する凸部の平均高さが5μm以上であり、前記凸部間の平均距離が20〜400μmであることを特徴とする化粧材により、上記課題を解決するものである。
本発明の化粧材は、調理油や化粧品等の多量の油分が付着した際にも好適に油分を払拭できることから、建築物の内装や付設家具等に好適に使用できる。特に、艶消表面を有する化粧材においても拭取り後の油分によるテカリ等が視認され難く、好適な艶消表面状態を維持できる。
さらに、本発明の化粧材は、シールやステッカーを貼付し難く、また貼付後も剥離が容易であることから、建築物の内装や付設家具等の用途に特に好適に適用できる。
本発明の化粧材は、凹凸表面を有し、表層に撥油層を有する化粧材であって、前記凹凸表面を形成する凸部の平均高さが5μm以上であり、前記凸部間の平均距離が20〜400μmの化粧材である。
[凹凸表面]
本発明の化粧材は、その表面に凹凸形状を有する。この凹凸形状は、撥油層と組み合わせることで優れた油払拭性を実現できる。当該凹凸形状は多数の離間した凸部から形成される凹凸形状であり、凸部の平均高さが5μm以上、凸部間の平均距離が20〜400μmである。本発明の化粧材は、表層の撥油層と当該凹凸表面を有することで、多量の油分が付着した際にも、好適な油払拭性を実現できる。
凸部の平均高さは5μm以上であり、好ましくは10〜100μm、より好ましくは10〜80μm、さらに好ましくは15〜60μmである。凸部の平均高さを当該範囲とすることで、油を払拭した際に凸部間に残存する油分が凸部頂部近傍に集まりやすく、再度の拭取りにより好適に油分の除去が可能となる。
凹凸形状における凸部間の平均距離は20〜400μmであり、好ましくは20〜300μm、より好ましくは20〜200μmである。本発明においては化粧板表面における凸部間距離を当該範囲とすることで、油を払拭した際に凸部間に残存する油分が凸部頂部近傍に集まりやすく、再度の拭取りにより好適に油分の除去が可能となる。また、拭取り後の凸部間への油分の残留を抑制でき、好適に油を払拭できる。
凸部の平均高さ及び凹凸形状は、レーザー顕微鏡を用いた表面プロファイル測定により測定することができる。本発明の化粧板における凹凸形状は、多数の離間した凸部から形成される凹凸形状であることから、当該隆起した山状の凸部の高さ及び凸部間距離を直接的に測定できる。レーザー顕微鏡による表面プロファイル測定としては、例えば、キーエンス社製超深度形状測定顕微鏡 VK−8510を用いて測定できる。
凸部の平均高さの具体的な測定手法としては、500μm×700μmの範囲にてレーザー顕微鏡観察を行い、当該範囲内の全凸部の高さを測定する。同様の測定を10箇所の範囲で測定し、全凸部の平均の高さを凸部の平均高さとする。なお、凸部高さの測定においては、各凸部の頂部(最も高い部分)を通過する縦方向及び横方向の断面高さプロファイルから該当する凸部高さを測定する。ノイズを除去するために高さスムージング(及び傾き補正)を行い、測定対象として選択した凸部の頂部の位置と、隣接する凸部との間の平坦部の最も低い位置の高さとの差を凸部高さとする。なお、表面凹凸中の3μm未満の凸部は明確な凸部とはみなさず、平均高さの算出には含めないものとする。また、選択した凸部と隣接する凸部が複数ある場合は、最も近接した凸部を隣接する凸部とする。
凹凸形状の凸部間の平均距離の測定手法は以下の手順にて行うことができる。化粧材上部から光を照射して、光の明暗にて凸部と平坦部の境界領域を明確化させた状態で、1.5mm×2.0mmの範囲にて、デジタルマイクロスコープによる観察を行って、凸部間の距離を測定する。当該凸部間の距離は、中心近傍の凸部粒子を一点選択し、当該凸部頂部から隣接する他の凸部頂部を結ぶ直線を引き、当該直線と凸部の境界線との交点間の距離を凸部間距離とする。当該凸部間距離の測定を、選択した凸部と隣接した凸部全てについて測定し、同様の測定を10箇所の範囲で測定して、測定された全ての凸部間の平均距離を凸部間の平均距離とする。なお、選択した凸部と隣接する凸部とは、頂部間の直線が他の凸部を横切らずに直線で結ぶことができる凸部とする。デジタルマイクロスコープによる凸部間の平均距離の測定としては、例えば、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−900を用いて測定できる。
上記凹凸表面の形成は、各種の手法にて形成できる。例えば、撥油層の下層に凹凸形状を形成した後、撥油層を積層する方法、撥油層を形成する塗料組成物を凹凸形状に印刷する方法、撥油層を形成した化粧材にプレス等により凹凸形状のエンボス加工を行う方法等、適宜の方法にて形成すればよい。なかでも、均質な撥油層を安定して形成させやすいことから、撥油層の下層に凹凸形状を形成した後、撥油層を積層する方法を好ましく使用できる。
[撥油層]
本発明の化粧材は、表層に撥油層を有する。上記凹凸表面を有し、表層に撥油層を有することで、油分の好適な払拭性を実現できる。当該撥油層は、樹脂と離型剤とを含有する樹脂組成物からなる撥油塗料の塗布等により形成できる。
撥油層の形成に使用する樹脂成分としては、耐摩耗性、耐汚染性及び透明性に優れた熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂等を挙げることができる。上記樹脂には必要に応じて、架橋剤等の硬化剤、重合開始剤、または、重合促進剤を添加して用いる。たとえば、硬化剤としては、イソシアネートまたは有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加され、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加され、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物やアゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤は不飽和ポリエステル樹脂に添加される。
上記の中では化粧シートの耐摩性、耐衝撃性、耐汚染性、耐擦傷性、耐候性等を高め易い点で、2液性ポリウレタン樹脂が好ましい。2液硬化型ウレタン系樹脂としては特に限定されないが、中でも主剤としてOH基を有するポリオール成分(アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール等)と、硬化剤成分であるイソシアネート成分(トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等)とを含むものが使用できる。特にアクリルポリオールとイソシアネート系硬化剤を用いた2液硬化型ポリウレタン樹脂が好ましい。
また、撥油層の形成に使用する樹脂成分としては、耐摩耗性、耐汚染性及び透明性に優れた電離放射線硬化型樹脂を使用することも好ましい。当該電離放射線硬化型樹脂としては、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系等を使用することができ、電離放射線硬化型樹脂自体が撥油性を有するシリコンアクリレート系等も使用することができる。なかでも、樹脂の透明性や表面性能が特に優れているウレタンアクリレート系が特に好ましい。
離型剤としては、一般に離型性の付与に使用されるシリコン系化合物やフッ素系化合物などが使用できる。特にシリコン系化合物は、性能・品質・コスト・安全及び環境面で好適に使用するこができ、併用する樹脂に合わせて官能基を持つ反応型を選択することもできる。具体的には、アミノ変性シリコンオイル、カルビノール変性シリコン、カルボキシル変性シリコン、フェノル変性シリコン等を使用することができるが、中でもアミノ変性シリコン、カルボキシル変性シリコンは反応性が良好で好ましく、アミノ変性シリコンオイルが最も好ましい。上記2液型ポリウレタン樹脂との組み合わせにより、優れた撥油性を有する撥油層を形成することができる。
撥油層に使用する離型剤の含有量は、使用する離形剤の種類や配合する樹脂種等に応じて適宜調整すればよいが、その有効成分が、撥油塗料の不揮発分中の0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜8質量%であることがより好ましく、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。
撥油層の形成に使用する樹脂組成物には、艶消性を高めるために、艶消材を含有することも好ましい。艶消材としては、例えば、不定形シリカ、球状シリカ、アルミナ、カオリナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硝子等の粒子からなる無機系艶消材、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド(ナイロン)樹脂、尿素樹脂、ケイ素系樹脂等の有機系艶消材等が使用できる。艶消材の粒子形状は、球状、多面体状、鱗片状等である。また、艶消材の粒径は1〜10μm程度が好ましい。本発明の化粧材は優れた油払拭性を有することから、このような艶消材を含有するような化粧材であっても、油拭取り後の油分によるテカリ等が視認され難く、好適な艶消表面状態を維持できる。
艶消材を使用する場合には、艶消材の含有量は、使用する配合する樹脂種等に応じて適宜調整すればよいが、撥油塗料の不揮発分中の1〜15質量%であることが好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
撥油層の厚さは、0.1μm〜100μmが好ましく、0.1〜50μmがより好ましい。特に撥油層の下層に凹凸形状を形成した後、撥油層を積層する場合には0.5〜20μmであることが更に好ましく、1μm〜10μmが特に好ましい。撥油層の厚さを当該範囲とすることで、撥油層の積層の際のピンホールなどの塗膜欠陥を生じにくくでき、また、撥油層、特に艶消材等の添加剤を有する撥油層による下地の着色の色味の阻害を抑制しやすくなる。
本発明に使用する撥油層は、当該撥油層を形成する撥油塗料をポリエチレンテレフタレートフィルム表面に乾燥塗布量3.3g/mで塗布して形成した表面のオレイン酸の静的接触角が、40°以上となる撥油塗料からなる撥油層であることが好ましく、42°以上であることがより好ましく、45°以上であることがさらに好ましい。静的接触角の測定は、形成した撥油層表面にオレイン酸を3μl滴下した後、1秒経過した際の化粧板表面と液滴の静的接触角を自動接触角計(協和界面化学社製CA−V型)を用い、θ/2法による自動測定にて測定される値である。
[化粧材]
本発明の化粧材は上記表面構成を有するものであればその態様は特に制限されず、化粧板、化粧シート等の各種の態様であってよい。化粧材の構成例としては、基材上に着色層(化粧層)を有し、当該着色層上に上記撥油層を有する構成を例示できる。
(基材)
化粧材に使用する基材としては、化粧板や化粧シートに使用される各種基材を使用できる。化粧板としては、例えば不燃化粧板であれば、不燃性能を向上させるために無機系基材を使用することが好ましい。当該無機系基材としては、樹脂含有量が少なく、略板状のものを使用することができる。窯業系無機質基材のほか骨材としての無機物や無機系繊維を有機系結合材により固めたものを使用することもできるが、無機物の総量が無機系基材の50質量%以上であることが好ましい。当該無機物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム等の結晶水を有する無機物を使用することが好ましい。不燃性向上のためには不燃性基材を使用することが好ましく、なかでも、耐熱性及び不燃性、また容易に入手できる等の観点から、窯業系無機質基材が好ましく、繊維補強珪酸カルシウム成形体、繊維補強セメント成形体、繊維補強セラミックス成形体、軽量気泡コンクリート(ALC)、ガラス、タイル、石材又はこれらの複合材等が挙げられる。これらのうち、特に珪酸カルシウム成形体、繊維補強珪酸カルシウム成形体や繊維補強セメント成形体が好ましい。
また、化粧シートとしては、一般的な内装用化粧シート用であるものを使用でき、例えば、薄葉紙、普通紙、強化紙、樹脂含浸紙等の紙質シート、チタン紙、ポリエチレンテレフタレートシート、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートシート(PETGシート)、ポリ塩化ビニルシート、ポリエチレンシート、アクリルニトリルブタジエンスチレンシート、ポリプロピレンシート等の樹脂シート、及びこれらの複合シート等を使用できる。複合シートを構成する各シートは接着剤層を介して接着することができ、接着剤層としてはウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等公知の接着剤からなるものを用いることができる。また各々の基材については、その表面に対して印刷インキとの密着性を上げるために、或いはその裏面に別の基材と接着剤を介して貼り合わせる際に十分な接着力を得るため、表面または裏面にコロナ処理やプライマー処理などを施してあってもよい。
(着色層)
化粧材に使用する着色層は、着色剤を含有する層であり、着色塗料の塗布、または転写用基材上に形成された着色層の転写によって形成され、基材の色調を隠蔽して、化粧板に対して任意の意匠性の高い色調の付与を行う層である。
着色層を形成するための着色層用塗料は樹脂、着色剤を含有し、さらに必要に応じて前記艶消材、及びその他付加機能を付与するための添加剤を含有することができる。着色層は、着色層用塗料をロールコーター法、スプレー法、フローコーター法、グラビアコーター法等の塗布手段による直接塗布、あるいは転写用基体上に塗布して転写することにより形成できる。
着色層に使用する樹脂としては、例えば塩化ビニル酢酸−ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、硝化綿、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、セルロース誘導体、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、等の樹脂の一種または二種以上の混合物が用いられる。尚、これらは硬化剤を用いていわゆる2液型とすることもできる。そのなかでも特にベースコート層表面に直接塗布されて形成される着色層形成用の塗料として使用される樹脂としては、二液ウレタン系樹脂が好ましく、例えばポリエステル、アクリル、アクリルアルキッド等のポリオールとイソシアネートを二液混合したもの等が例示できる。
着色層に使用する着色剤としては有機顔料及び無機顔料から選ばれた着色剤及び体質顔料を含むものである。着色剤を構成する無機顔料としては、たとえば、チタン白、カーボンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、弁柄、群青、及びアルミホワイト等を使用することができる。有機顔料としては、キナクリドン、レーキレッド、ベンジシンイエロー、イソインドリノン、フタロシアニンブルー、シンクレアレッド等を使用することができ、所望の色調に応じて上記以外にも任意の有機及び無機顔料が適宜使用できる。また、浸透促進剤として用いる体質顔料としては、無機質のものが好ましく、炭酸カルシウム、クレー、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、アルミナ等の粒子等を用いることができる。
艶消材としては、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物等の微粒子酸化物を挙げることができ、分散性を高める目的で、それらの表面にシリカ処理、アルミナ処理、カップリング処理等を施したものを使用することができる。
本発明の化粧材の表面凹凸を、撥油層の下層に凹凸形状を形成した後、撥油層を積層する方法にて形成する際には、着色層にて凹凸形状を形成し、当該凹凸形状が形成された着色層に撥油層を積層することで好適に表面凹凸形状を形成できる。
着色層にて凹凸形状を形成する場合には、凹凸形状を形成する微粒子を含有する着色層用塗料を基材等に塗布して形成することが好ましい。当該凹凸形成用微粒子としては、上記所望の凹凸形状を形成できるものであれば特に制限されないが、例えば、アクリルビーズやポリエチレンビーズあるいはポリプロピレンビーズ等の有機系微粒子、セラミックビーズやガラスビーズ等の無機系微粒子等を例示できる。なかでも、二次凝集により上記好適な範囲の凹凸を形成しやすいことから、有機系微粒子を使用することが好ましい。
凹凸形成用微粒子は、平均(一次)粒子径を10〜200μmとすることが好ましく、15〜50μmとすることがより好ましく、20〜40μmとすることがさらに好ましい。平均粒子径を当該範囲とすることで、上記凹凸形状を好適に形成しやすくなる。平均一次粒子径は、コールターカウンター法により測定される粒子径である。
また、塗料組成物中の当該凹凸形成微粒子の含有量は、着色層用塗料の不揮発分中の1〜30質量%とすることが好ましく、2〜25質量%とすることがより好ましく、3〜20質量%とすることがより好ましい。当該範囲とすることで、上記凹凸形状を好適に形成しやすくなる。
着色層の厚さは特に限定されないが、下地基材隠蔽しやすく、凹凸形状を得るための微粒子の脱落を抑制しやすいことから、5〜80μmとすることが好ましく、10〜50μmとすることがより好ましい。
[光沢度]
本発明の化粧材は、その表面の光沢度が30以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましい。光沢度の低い化粧材は油分の付着が目立ちやすいが、上記構成の本発明の化粧材によれば、好適に油分の払拭が可能となり、当該光沢度の低い化粧材において特に好適な効果を奏することができる。
[不燃性]
本発明の化粧材は、建築物屋内の内装や付設家具、壁面等に使用する場合には、不燃性を有することが好ましい。不燃性としては、ISO5660−1:2002に準拠したコーンカロリーメーター試験(区分:不燃材料)による化粧材の総発熱量が8MJ/m以下であることが好ましい。化粧材を不燃性とする際には、基材として上記したような無機系基材を使用し、化粧板中の当該基材以外の有機分含有量を200g/m以下とすることが好ましく、150g/m以下とすることがより好ましい。
[使用態様]
本発明の化粧材は、上記構成により、多量の油分が付着した際にも好適に油分を払拭できる。このため、調理油や油分を含む調味料、ベビーオイルやボディーオイル等の油分を含む化粧品等が使用される住宅の内装や付設家具、さらには、機械油等が使用される非住宅分野における内装材等、住宅・非住宅を問わず建築物の壁面、パーティション、家具、あるいはそれらに付設される、什器等、各種の用途に適用できる。
(実施例1)
厚さ6mmの珪酸カルシウム板を下地処理した後(下地処理後の珪酸カルシウム板を除く有機分含有量113g/m)、当該処理面に、アクリルポリオール系白色塗料(DIC社製UCカラーS DFD−023NT、NV(不揮発分):45質量%)100質量部、凹凸形成用微粒子のポリエチレンビーズ(平均粒子径30μm)5質量部、イソシアネート系硬化剤(NV:43質量%)20質量部を配合した着色塗料を、乾燥塗布量が30g/mとなるように塗工して、白色塗装板を得た。得られた白色塗装板上に、アクリルポリオール系クリア塗料(DICグラフィックス社製UC DFクリーン01、NV:38質量%)100質量部、シリカ系艶消材(平均粒子径3.0μm)3質量部、シリコン系離型剤(NV:46質量%)6質量部、イソシアネート系硬化剤(NV:80質量%)20質量部を配合した撥油層用塗料を乾燥塗布量3.3g/mとなるように塗工して、凹凸表面を有する化粧板を得た。
(実施例2)
着色塗料に使用したポリエチレンビーズの含有量を8質量部にした以外は、実施例1と同様にして凹凸表面を有する化粧板を得た。
(実施例3)
着色塗料に使用したポリエチレンビーズの含有量を10質量部にした以外は、実施例1と同様にして凹凸表面を有する化粧板を得た。
(実施例4)
着色塗料に使用したポリエチレンビーズの含有量を2質量部にした以外は、実施例1と同様にして凹凸表面を有する化粧板を得た。
(実施例5)
着色塗料に使用した凹凸形成用微粒子であるポリエチレンビーズを、アクリルビーズ(平均粒子径20μm)にした以外は実施例1と同様にして凹凸表面を有する化粧板を得た。
(実施例6)
着色塗料に使用した凹凸形成用微粒子であるポリエチレンビーズを、アクリルビーズ(平均粒子径20μm)にした以外は実施例3と同様にして凹凸表面を有する化粧板を得た。
(実施例7)
撥油層用塗料として、ウレタンアクリレート(DIC社製ポリメディックSK−283艶消、NV:100質量%)100質量部、シリカ系艶消材(平均粒子径3.0μm)8.7質量部、シリコン系離型剤(NV:46質量%)3.26質量部を配合した撥油層用塗料を使用した以外は、実施例1と同様にして凹凸表面を有する化粧板を得た。
(実施例8)
着色塗料に使用したポリエチレンビーズの含有量を8質量部にした以外は、実施例7と同様にして凹凸表面を有する化粧板を得た。
(実施例9)
着色塗料に使用したポリエチレンビーズの含有量を10質量部にした以外は、実施例7と同様にして凹凸表面を有する化粧板を得た。
(実施例10)
着色塗料に使用したポリエチレンビーズの含有量を2質量部にした以外は、実施例7と同様にして凹凸表面を有する化粧板を得た。
(実施例11)
着色塗料に使用した凹凸形成用微粒子であるポリエチレンビーズを、アクリルビーズ(平均粒子径20μm)にした以外は実施例7と同様にして凹凸表面を有する化粧板を得た。
(実施例12)
着色塗料に使用した凹凸形成用微粒子であるポリエチレンビーズを、アクリルビーズ(平均粒子径20μm)にした以外は実施例9と同様にして凹凸表面を有する化粧板を得た。
(比較例1)
着色塗料に凹凸形成用微粒子であるポリエチレンビーズを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして化粧板を得た
(比較例2)
撥油層用塗料を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。
上記実施例及び比較例にて得られた化粧板につき、以下の測定、評価を行った。得られた結果を下表に示した。なお表中の含有量は、塗料組成物に含まれる不揮発分中の含有量を表す。
[表面測定]
実施例及び比較例にて得られた化粧板の表面プロファイルを以下の方法にて測定した。
(凸部高さ)
実施例及び比較例にて得られた化粧板の任意の箇所を選定し、500μm×700μmの範囲にて、キーエンス社製超深度形状測定顕微鏡 VK−8510を用いて、当該範囲内の全凸部の高さを測定した。他の任意の箇所にて同様の測定を行い、合計10箇所で測定された全凸部の高さの平均値を凸部高さとした。凸部高さの測定においては、各凸部の頂部を通過する縦方向及び横方向の断面高さプロファイルにおいて、ノイズを除去するために高さスムージング(4μm)を行い、測定対象として選択した凸部の頂部の位置と、隣接する凸部との間の平坦部の最も低い位置との差を凸部高さとし、縦方向及び横方向の平均値を当該凸部の高さとした。なお、表面凹凸中の3μm未満の凸部は明確な凸部とはみなさず、平均高さの算出からは除外した。選択した凸部と隣接する凸部が複数ある場合は、最も近接した凸部を隣接する凸部とした。断面高さプロファイル中に隣接する凸部がない場合には、選択した凸部の頂部高さと断面高さプロファイル中の最も低い位置との差を凸部高さとした。
(凸部間距離)
実施例及び比較例にて得られた化粧板の任意の箇所を選定し、化粧板の上部から光を照射して、光の明暗にて凸部と平坦部の境界領域を明確化させた状態で、1.5mm×2.0mmの範囲にて、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−900により、凸部間距離を測定した。凸部間距離の測定においては、当該範囲内の中心近傍の凸部を一点選択し、当該凸部頂部から隣接する他の凸部頂部を結ぶ直線を引き、当該直線と凸部の境界線との交点間の距離を測定した。当該測定を、選択した凸部と隣接した凸部全てについて測定し、同様の測定を任意の10箇所の範囲で測定して、測定された全ての凸部間の平均距離を凸部間距離とした。なお、選択した凸部と隣接する凸部とは、頂部間の直線が他の凸部を横切らずに直線で結ぶことができる凸部とした。
(凸部面積)
凸部間距離の測定と同様にして、化粧板表面の凸部と平坦部の境界領域を明確化させた状態で、1.5mm×2.0mmの範囲にて、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−900により、凸部の占める面積(%)を測定した。同様の測定を任意の10箇所の範囲で測定して、各箇所にて測定された結果の平均を凸部面積とした。
[静的接触角]
実施例及び比較例にて得られた化粧板表面にシリンジでオレイン酸を3μl滴下した後、1秒経過した際の化粧板表面と液滴の静的接触角を自動接触角計(協和界面化学社製CA−V型)を用い、θ/2法による自動測定にて測定した。
[光沢値]
実施例及び比較例にて得られた化粧板を光沢計(HORIBA社製グロスチェッカーIG−320)にセットし、60°の角度で光沢値を測定した。
[意匠性]
実施例及び比較例にて得られた化粧板の外観を目視にて評価した。評価基準は以下のとおり。
○:化粧板表面の全面にて均一に下地の色味が確認される
×:化粧板表面の一部又は全面にて下地の色味が斑に見える
[不燃性]
ISO5660−1:2002に準拠したコーンカロリーメーター試験(区分:不燃材料)により、化粧材の総発熱量を測定した。総発熱量8MJ/m以下を合格とした。
○:総発熱量が8MJ/m以下
×:総発熱量が8MJ/mを超える
[油拭取り性評価1]
実施例及び比較例にて得られた化粧板の表面に、電子天秤で測量しながら食用油(日清オイリオグループ社製 日清サラダ油)0.01gをのせた。化粧板上の食用油をティシューペーパー(日本製紙クレシア社製 スコッティティシュー)に1kgの荷重をかけながら5秒間押し付けた。ティシューペーパーを交換して同様の操作を合計2回行った後、油分の残存状態をキーエンス社製デジタルマイクロスコープ VHX−S15(倍率150倍)にて観察した。評価基準は下記のとおり。
◎:油が確認されない
○:油がほとんど確認されない
△:小粒状の油が多数確認される
×:100μm以上の中〜大粒状の油、又は、表面全体に面状に残存する油が確認される。
[油拭取り性評価2]
実施例及び比較例にて得られた化粧板の表面に、食用油(日清オイリオグループ社製 日清サラダ油)1gを滴下した後、1kgの荷重にてティシューペーパー(日本製紙クレシア社製 スコッティティシュー)を10往復させて食用油の拭取りを行ない、拭取り後の化粧板表面を目視にて評価した。評価基準は以下のとおり。
◎:正面方向及び斜め方向のいずれにおいても油滴や油膜が視認できない
○:正面方向からは油滴や油膜は視認されないが、斜め方向から見た際に若干の油膜が視認される
△:正面方向からは油滴や油膜は視認されないが、斜め方向から見た際に明確な油膜が視認される
×:正面方向から油滴又は油膜が視認される
Figure 0006471596
Figure 0006471596
上記表から明らかなとおり、実施例1〜12の本発明の化粧材は、好適な油払拭性を有し、油分の残存が目立ちやすい艶消表面であっても拭取り後の油分がほとんど視認されないものであった。

Claims (5)

  1. 凹凸表面を有し、表層に撥油層を有する化粧材であって
    前記凹凸表面を形成する凸部の平均高さが5μm以上であり、
    前記凸部間の平均距離が20〜400μmであり、
    前記凹凸表面が、撥油層下層に設けられた着色層の凹凸表面により形成され、前記着色層の凹凸表面を形成する凸部がコールターカウンター法により測定される平均粒子径が10〜200μmの微粒子により形成された凹凸表面であることを特徴とする化粧材。
  2. 前記撥油層が、艶消材を含有する請求項1に記載の化粧材。
  3. 前記着色層中の凸部を形成する微粒子の含有量が、0.5〜30質量部である請求項1又は2に記載の化粧材。
  4. 前記凸部を形成する微粒子が、有機系樹脂ビーズである請求項1〜3のいずれかに記載の化粧材。
  5. 表面の光沢度が30以下である請求項1〜4のいずれかに記載の化粧材。
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