JP5382934B2 - 装飾材 - Google Patents

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本発明は、新規な装飾材に関するものである。
近年、建築物の内装用建材として、天然石、自然石をイメージした比較的厚みがあり、様々な凹凸パターンを有する重厚感のある意匠性に優れるものへの人気が高まっている。
従来、このような建材としては、基材にアクリル樹脂エマルション等の結合材と天然骨材や人工骨材等が配合された組成物を積層し成形された建材が多くある。例えば、特開平4−347251号公報(特許文献1)には、合成樹脂に骨材を混合した吹付材の板状物の一方の面に合成樹脂織物より成る補強層を積層した装飾材が記載されている。また、特許第3980032号(特許文献2)には、鱗片状透明骨材を使用し、高輝度感を付与した装飾材が記載されている。
また、近年、室内環境においてはシックハウス問題等が社会的にクローズアップされている状況であり、各種有害ガスの拡散防止が求められている。このような材料として、特開2004−149686号公報(特許文献3)には、エマルションと光触媒活性を有する無機化合物を含む水性塗料組成物が記載されている。
特開平4−347251号公報 特許第3980032号 特開2004−149686号公報
上記特許文献1、特許文献2のような吹付材の板状物中に光触媒を添加すれば、意匠性と光触媒性を兼ね備えた装飾材が得られるものと期待できる。しかしながら、このような吹付材を成型した場合、骨材を多く含むため、成型体内部において効率的に光触媒作用が発揮できないおそれがある。
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、意匠性に優れるとともに、有機物の分解性等の光触媒作用において優れた性能を有する新規な装飾材を得ることを目的とするものである。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行なった結果、合成樹脂エマルション、有色骨材、及び光触媒金属酸化物を必須成分とする模様層の表面に特定の装飾粒子を埋設させた装飾材に想到し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の装飾材は、下記の特徴を有するものである。
1.合成樹脂(A)、平均粒子径0.01〜5mmの有色骨材(B)、及び平均粒子径0.3μm以下の光触媒金属酸化物(C)を必須成分とし、
合成樹脂(A)は、波長300〜500nmにおいて反射率が10%以上となる反射領域を有する被膜を形成するものであり、
光触媒金属酸化物(C)は、当該反射領域において、光触媒作用を示すものであり、
固形分重量比率で合成樹脂(A)100重量部に対して、有色骨材(B)を300〜2000重量部、光触媒金属酸化物(C)を0.5〜40重量部含む模様層の表面に、平均粒子径0.3〜5.0mmの透明粒子(D)が露出するように埋設されていることを特徴とする装飾材。
2.上記透明粒子(D)は、平均粒子径0.3〜5.0mmの球状透明粒子であることを特徴とする1.に記載の装飾材。
3.合成樹脂(A)は、アクリル樹脂及びシリコーン樹脂を含むことを特徴とする1.または2.に記載の装飾材。
本発明の装飾材は、合成樹脂エマルション、有色骨材、及び光触媒金属酸化物を必須成分とする模様層の表面に、特定の装飾粒子を埋設することにより、意匠性に優れ、有機物の分解性等の光触媒作用において優れた性能を有するものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の模様層は、合成樹脂エマルション(A)、有色骨材(B)、及び光触媒金属酸化物(C)を必須成分とする模様層用組成物(以下、単に「模様層用組成物」ともいう。)の硬化体である。
本発明の合成樹脂(A)(以下、「(A)成分」ともいう。)としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース及びその誘導体等の水分散型、水可溶型、NAD型、溶剤可溶型、無溶剤型等が挙げられ、1液タイプ、2液タイプ等特に限定せず用いることができる。
上記(A)成分のうち、本発明で好適なものとしては、波長300〜500nmにおいて反射率が好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上50%以下となる反射領域を有する被膜を形成するものが挙げられる。
本発明の模様層は、合成樹脂(A)、平均粒子径0.01〜5mmの有色骨材(B)(以下、「(B)成分」ともいう。)、及び光触媒金属酸化物(C)(以下、「(C)成分」ともいう。)を特定の比率で含むものであり、(B)成分及び(C)成分の隙間に(A)成分が存在するものと考えられる。(A)成分が上記反射率を有する場合は、模様層に照射された光が、模様層内の(A)成分によって拡散・反射され、その光が(C)成分に効率的に吸収されるため、光触媒活性を高めることができるものと推察される。
なお、上記反射率は、(A)成分を乾燥膜厚0.1mmにフィルム化したものを試料とし、該試料の背後に黒色板を重ね、分光光度計(株式会社島津製作所製、UV−3100)を用いて測定した値である。なお、試料の背後に重ねた黒色板をブランクとし、換算した値とする。具体的には、各波長において、試料の反射率から黒色板の反射率を差し引くことにより求められる。
本発明では、(A)成分として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂(a1)(以下、「(a1)成分」ともいう。)、及びシリコーン樹脂(a2)(以下、「(a2)成分」ともいう。)を含むものを使用することが好ましい。(A)成分におけるアクリル樹脂とシリコーン樹脂の固形分重量比率は、通常95:5〜30:70、好ましくは93:7〜40:60、さらに好ましくは90:10〜60:40である。このような比率で両成分を含むことにより、(C)成分の光触媒作用を高めることができる。このような態様の(A)成分では、波長300〜500nmにおいて適度な反射性を有する被膜が形成でき、また、アクリル樹脂とシリコーン樹脂の屈折率の差により、被膜内で光拡散効果が高まるため、(C)成分の光触媒活性をより向上することができると考えられる。
また、本発明では特に、(A)成分として合成樹脂エマルション(水分散型樹脂)を使用することが好ましい。このような(A)成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するアクリル樹脂エマルション、及びシリコーン樹脂エマルションを混合したものが使用できる。このような合成樹脂エマルションを使用することにより、反射率を高めることができ光触媒金属酸化物の光触媒作用を高めることができる。さらに、骨材本来の質感を活かしつつ、防火性、可とう性に優れた模様層を得ることが可能となる。
本発明では上記(A)成分として、特に(a1)成分、及び(a2)成分がエマルション粒子内に混在するアクリル―シリコーン合成樹脂エマルション(A−1)(以下、「(A−1)成分」ともいう。)を使用することが好適である。(A−1)成分における(a1)成分と(a2)成分の形態は特に限定されず、均一に混ざり合った形態であってもよいが、海島構造等により相互に分離した形態が好ましい。(A−1)成分における(a1)成分と(a2)成分の重量比率は、通常95:5〜30:70、好ましくは93:7〜40:60である。このような比率で両成分が混在することにより、光触媒金属酸化物の光触媒作用を高めることができる。さらに、骨材本来の質感を活かし、防火性、可とう性をさらに高めることができる。また、耐水性、耐候性、耐汚染性等の各物性においても有利な効果を得ることができる。
上記アクリル樹脂(a1)は、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする重合体であり、必要に応じその他のモノマーを共重合したものである。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量は、(A)成分を構成する全モノマーに対し、通常30重量%以上、好ましくは40〜99.9重量%、より好ましくは50〜99.5重量%である。
本発明では、(メタ)アクリル酸エステルとして、アルキル基の炭素数が6以上の(メタ)アクリル酸エステルを必須成分として含むことが好ましい。その中でも、特に、2−エチルへキシルアクリレートが好適である。本発明では、このようなアルキル基の炭素数が6以上の(メタ)アクリル酸エステルを、(A)成分を構成する全モノマーに対し、10重量%以上、好ましくは15重量%以上50重量%以下含むことが好ましい。この場合、得られた模様層の防火性を高めることができる。
その他のモノマーとしては、例えばカルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、ピリジン系モノマー、水酸基含有モノマー、ニトリル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、カルボニル基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー、芳香族モノマー等が挙げられる。これらモノマーの使用量は、(A)成分を構成する全モノマーに対し、通常0.1〜60重量%、好ましくは0.5〜50重量%である。
このうち、カルボキシル基含有モノマーを共重合して、カルボキシル基含有アクリル樹脂とした場合には、(A)成分の安定性を高めることができ、さらにカルボキシル基と反応可能な化合物を別途添加することにより、模様層の諸物性向上を図ることができる。カルボキシル基含有モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等が挙げられる。このうち、特にアクリル酸、メタクリル酸から選ばれる1種以上が好適である。カルボキシル基含有モノマーの使用量は、(A)成分を構成する全モノマーに対し、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%である。
また、カルボキシル基と反応可能な化合物としては、例えば、カルボジイミド基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基等から選ばれる1種以上の官能基を有する化合物が挙げられる。このうち、本発明では特にエポキシ基を有する反応性化合物が好適である。
エポキシ基を有する反応性化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル、ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。この他、エポキシ基含有モノマーの重合体(ホモポリマーまたはコポリマー)からなる水溶性樹脂やエマルションを使用することもできる。このような化合物の混合量は、通常(A)成分の樹脂固形分100重量部に対し0.1〜50重量部、好ましくは0.3〜20重量部である。
上記シリコーン樹脂(a2)は、シロキサン化合物を重合して得られるものである。シロキサン化合物としては、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シロキサン化合物等が挙げられる。このような環状シロキサン化合物を重合する際には、直鎖状シロキサン化合物、分岐状シロキサン化合物、アルコキシシラン化合物等を用いることもできる。このうち、アルコキシシラン化合物としては、分子中に1個以上のアルコキシル基を有するシラン化合物が使用でき、例えばテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等の他、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等が使用できる。シリコーン樹脂の平均分子量は、通常10000以上、好ましくは50000以上である。
さらに、本発明における(A−1)成分としては、上記の如きアクリル樹脂(a1)とシリコーン樹脂(a2)成分がエマルション粒子内に混在する合成樹脂エマルションであって、(a1)及び(a2)が混在する外層と、(a1)成分を含む内層を有する多層構造型合成樹脂エマルション(A−2)が好適である。また、多層構造型合成エマルション(A−2)のガラス転移温度は、通常−60〜30℃程度に設定すればよい。特に、外層におけるアクリル樹脂のガラス転移温度よりも内層におけるアクリル樹脂のガラス転移温度が低く設定されたものが好適である。Tgがこの範囲である場合、模様層の可とう性、耐汚染性に優れる。また、通常の合成樹脂エマルションを使用する場合に比べ、より少ない樹脂量で同等以上の可とう性、防火性、基材との密着性等の諸物性を具備する模様層が設計できる。また、骨材の質感向上の点においても有利である。(A−2)成分における外層と内層の重量比率は、通常80:20〜20:80、好ましくは70:30〜30:70である。
このような(A−2)成分は、例えば、内層を構成するアクリル樹脂を乳化重合により合成した後、外層を構成するアクリル樹脂及びシリコーン樹脂を乳化重合により合成する方法等によって得ることができる。(A−2)成分においては、内層を構成する樹脂として上述の如きシリコーン樹脂(a2)が含まれていてもよい。内層にシリコーン樹脂が含まれることにより、模様層の防火性、可とう性、耐汚染性等を高めることができる。
本発明では、(A−2)成分にカルボキシル基含有アクリル樹脂が含まれる場合、カルボキシル基と反応可能な化合物を別途配合することにより、膨れ防止性、剥れ防止性等の効果を高めることができる。さらに、模様層表面の粘着性が軽減され、耐汚染性が高まる。このような化合物としては、(A−1)成分と同様のものが挙げられる。
本発明では、上述の(A)成分に加え、平均粒子径0.01〜5mmの有色骨材(B)を必須成分とする。この(B)成分は、模様層表面へ微細な凹凸を付与し、陰影感有する立体的な意匠を表現することができる。また、粒子径の小さい着色顔料等を使用した場合と異なり、着色した粒子を混合して色調、質感等を変化させることができ、被膜表面に存在する(B)成分の小点が多彩模様として視認され、優れた装飾性を有する。本発明に好適な(B)成分としては、特に限定されず、天然品、人工品のいずれも使用することができる。具体的には、例えば、重質炭酸カルシウム、寒水石、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、バライト粉、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、寒水石、長石、珪石、珪砂等の粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、ガラスビーズ、ガラス粉砕物、樹脂ビーズ、樹脂粉砕物、金属粒等が挙げられる。これらに着色を施したものも使用することができる。
(B)成分の平均粒子径は、0.01〜5mmであることが望ましい。平均粒子径が0.01mm未満では骨材による自然石調の多彩感が低下し、5mm超では生産性が低下する傾向となる。
(B)成分の配合量は、(A)成分の固形分100重量部に対し、通常300〜2000重量部、好ましくは500〜1500重量部、さらに好ましくは800〜1300である。上記範囲のように(A)成分に対して(B)成分を多く含むことにより、骨材の質感を活かした優れた意匠性を得ることができ、さらに防火性を向上することができる。(B)成分が300重量部より少ない場合は、骨材による質感が得られず、また模様層の隠ぺい性が確保できなくなる。2000重量部より多い場合は、耐汚染性、耐水性、可とう性等が低下し、実用的でない。
さらに本発明では、光触媒金属酸化物(C)を必須成分とする。(C)成分は、本発明では光触媒作用を示すものであれば特に限定されないが、波長300〜500nmのうち(A)成分により形成された被膜の反射率が10%以上となる反射領域(以下、単に「反射領域」ともいう)において、光触媒作用を示すものであることが好ましい。このような(C)成分を含むことにより、模様層に照射された光が(A)成分により形成された被膜中で拡散・反射し、模様層内部まで行き渡り、効率的に(C)成分に吸収されるため、光触媒活性を高めることができるものと考えられる。なお、本発明の光触媒作用とは、触媒に光(紫外線及び/または可視光)が当たることにより、触媒が光を吸収・励起し、これにより生じた励起電子と正孔の酸化及び還元により水酸ラジカルと活性酸素が発生し、この水酸ラジカルと活性酸素が有機物等を分解する作用である。
このような(C)成分としては、例えば、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化第二鉄、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン等の金属酸化物、またはその複合酸化物等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を使用することができる。(C)成分の平均粒子径は0.3μm以下、好ましくは0.1μm以上0.25μm以下である。上記範囲の光触媒金属酸化物を使用した場合、優れた光触媒作用を有し、さらに模様層の骨材の質感を活かすことができる。
なお、ここで言う平均粒子径とは、遠心沈降法等による測定から得られるものである。
特に、本発明の(C)成分としては、酸化チタンを使用することが好ましい。酸化チタンとしては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンのいずれでもよいが、本発明では特に、アナターゼ型酸化チタンを使用することが好ましい。(C)成分として酸化チタンを使用した場合、光触媒作用に優れ、さらには、火災時の総発熱量を抑えることができ、防火性を高めることができる。その作用機構としては、酸化チタンは、輻射熱を遮断し装飾材の温度上昇を抑制することができるためと推察される。さらに、アナターゼ型酸化チタンを使用することで防火性がより向上する。その作用機構は明らかではないが、加熱によるアナターゼ型酸化チタンの触媒作用向上が関与しているものと考えられる。また、アナターゼ型酸化チタンの分解作用により排出ガスの量を低減することもできる。さらに、アナターゼ型酸化チタンはルチル型酸化チタンと比較した場合、塗膜の隠蔽効果が低いため、より骨材の質感を活かすことができる。
(C)成分の配合量は、(A)成分の固形分100重量部に対し、通常0.5〜40重量部、好ましくは5〜30重量部、さらに好ましくは15〜25重量部である。この範囲であれば、優れた光触媒作用、及び意匠性を得ることができる。
本発明においては、模様層の装飾性等を高める目的で、平均粒子径5mm超の骨材を混合することもできる。このような骨材としては、例えば、天然石、珪石、珪砂等の粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、マイカ、貝殻類、ガラス粉砕物、ガラスビーズ、樹脂粉砕物、樹脂ビーズ、ゴム類、プラスチック類、植物繊維、植物片等の植物類、アルミナフレーク等の金属類等や、それらの表面を着色コーティングしたもの等が挙げられる。
また、模様層には、本発明の効果を著しく損なわない限り、必要に応じ、公知の添加剤を混合することもできる。このような添加剤としては、例えば、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、湿潤剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、消臭剤、分散剤、消泡剤、吸着剤、難燃剤、着色顔料、体質顔料、繊維、撥水剤、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒等が挙げられる。さらに、装飾材の機能性を高める目的で、調湿性粉体等を添加することもできる。本発明模様層用組成物は、以上のような成分を常法により均一に混合することで製造することができる。
本発明の装飾材は、上記模様層の表面に、透明粒子(D)(以下、単に「(D)成分」ともいう。)が露出するように埋没されているものである。本発明(D)成分が、模様層の表面に露出していることにより模様層に輝度感を付与することができ、優れた意匠性を得ることができる。
さらに、(D)成分が模様層に埋設されていることにより、模様層内部の光触媒活性を高めることができる。その作用機構は明らかではないが、(D)成分に照射された光は(D)成分を通過する際、拡散・反射を繰り返し、模様層内部に拡散されるため、模様層内部においても光触媒活性を高めることができるものと考えられる。
本発明の透明粒子(D)としては、上述のような作用が発揮可能であればよく、例えば、透明ガラス粒子や透明樹脂粒子が使用できる。その形状としては、球状や楕円状、薄片状、板状、円盤状、半球状、星型状、花弁状、リボン状、ヒトデ状、不定形状、多角板状、楕円板状等の扁平状、その他に、棒状、円柱状、針状、紡錘状等のものが使用できる。中でも、球状や楕円状、不定形状のものが好ましく、特に球状のものが好ましい。具体的には、球状ガラスビーズ、ガラス破砕品、樹脂ビーズ等が挙げられる。この場合、模様層の表面に露出するように埋設され、模様層に輝度感を付与することができ優れた意匠性を有するとともに、照射された光を模様層内部に効率的に拡散することができ、光触媒活性を高めることもできる。(D)成分の平均粒子径は、0.3〜5.0mm(好ましくは0.5〜3.0mm)である。この範囲である場合、意匠性に優れ、さらに模様層内部まで光触媒活性を高めることができる。
(D)成分は、平均粒子径にもよるが、好ましくは全光線透過率が1.0%以上(より好ましくは3.0%以上、さらに好ましくは5.0%以上)である。この範囲である場合、意匠性、光触媒作用を高めることができる。また、このような範囲であれば、コーティング等により処理されたものであっても使用することができる。
なお、上記全光線透過率は、(D)成分を専用のセルに充填したものを試料とし、分光光度計(株式会社島津製作所製、UV−3100)を用いて測定した値である。
模様層の表面において(D)成分が占める面積の比率(以下、「占有面積比率」)は、本発明の効果が奏される範囲内で適宜設定すればよく、通常15%以上(好ましくは20〜60%)程度とすればよい。(D)成分の粒子径、光透過率等にもよるが、(D)成分が占める面積が大きすぎる場合は(D)成分に照射された光の多くが反射されるおそれがあり、模様層へ照射される光が弱く光触媒作用を低下させる場合がある。
なお、上記占有面積比率は、模様層表面(単位面積:S)に散布された(D)成分の個数(n)、及び(D)成分1つが占有する面積(s)より算出することができる。
占有面積比率(%)={(n×s)/S}×100
また、模様層表面(単位面積:S)に散布された(D)成分の個数(n)は、散布する(D)成分の重量より換算することができる。例えば、(D)成分の1個あたりの平均重量を(g)、単位面積あたりに散布させた(D)成分の総重量(g)とすると、(n)=(g)/(g)で求められる。
さらに、本発明装飾材は、模様層を基材に積層することもできる。このような基材としては、例えば、無機繊維を含む織布または不織布、ガラスメッシュ、ガラスクロス、石膏ボード、合板、珪酸カルシウム板、セメント板、タイル等が挙げられる。
本発明は、模様層の表面に透明粒子(D)が露出するように埋設される限り、その製造方法については特に限定されるものではなく、例えば以下の方法で製造することができる。この方法によれば、目的とする装飾材を安定して製造することができ、効果発現の点でも好適である。
(1)模様層用組成物を板状に成形する際に、透明粒子(D)を散布し、乾燥、硬化させる方法、
(2)透明粒子(D)を型枠内の底面に散在させた後、模様層用組成物を型枠内全体に塗付し、当該組成物を乾燥させた後に脱型する方法、
等が挙げられる。
上記(1)の模様層用組成物を板状に成形する方法としては、例えば、前述の基材に模様層用組成物を塗付する方法、型枠等によって成形する方法等が挙げられる。また、透明粒子(D)を散布した後、模様層表面に(D)成分が露出する程度にローラー、こて等で加圧してもよい。
上記(1)において、前述の基材を積層することができ、その方法としては、例えば、
(1−I)模様層用組成物を板状に成形する際に、透明粒子(D)を散布し加圧、乾燥、硬化させた後、その後接着剤等で基材を積層する方法、
(1−II)基材に模様層用組成物を塗付し、球状透明粒子(D)を散布し、乾燥、硬化させる方法、
等が挙げられる。
上記(2)において、使用する型枠としては、例えばシリコン樹脂製、ウレタン樹脂製、金属製等の型枠、あるいは離型紙を設けた型枠等が使用できる。
また、上記(2)においても、前述の基材を積層することができ、その方法としては、例えば、
(2−I)透明粒子(D)を型枠内の底面に散在させた後、型枠に模様層用成物を流し込み、乾燥、脱型して模様層を成型し、その後接着剤等で基材を積層する方法、
(2−II)透明粒子(D)を型枠内の底面に散在させた後、型枠に模様層用組成物を流し込み、該模様層用組成物が乾燥する前に基材を積層し、乾燥、脱型する方法、
等が挙げられる。
上記(1)(2)において、模様層用組成物を塗付する際には、例えば、スプレー、ローラー、こて、刷毛塗り、レシプロ、コーター、流し込み等の手段を用いた方法を採用することができる。ここで、模様層用組成物の粘度を5〜100Pa・s程度に設定しておけば、目的とする装飾材が容易に得られる。なお、ここに言う粘度は、BH型粘度計による20rpmにおける粘度であり、測定温度は23℃である。
また、(D)成分の散布等は、公知の散布方法を採用することができ、公知または市販の散布機等を用いることができる。
また、模様層に装飾性等を高める目的で凹凸模様を形成させたりすることもできる。例えば、上記(1)の方法で製造する場合、凹凸模様の形成は、模様層用組成物が硬化する前に行えばよく、凹凸模様の形成は、こて、型押し、ローラー等を用いた方法を採用することができ、また、上記(2)の方法で製造する場合は、凹凸模様の形成は、型枠側が装飾材表面となるため、型枠内側の形状を調整することで付与することができる。
上記(1)(2)において、模様層の厚みは、1.0mm以上5.0mm以下が好ましい。このような場合、光触媒作用に優れ、かつ彫りの深い凹凸パターンを形成することもできるため、陰影、重厚感のある優れた意匠性を得ることができる。なお、模様層の厚みとは、基材部分を除いたものである。模様層用組成物を乾燥させる際には、常温で行うこともできるが、本発明では特に、加熱することが好ましい。加熱温度としては40℃以上170℃を超えない程度とすることが好ましい。
また、本発明の効果を阻害しない限り、例えば、補強材(セラミックペーパー、合成紙、ガラスクロス、メッシュ等)を模様層内に積層することや、(D)成分以外の装飾粒子を散布することもできる。装飾粒子としては、例えば、有色骨材、マイカ、貝殻類、植物類、アルミナフレーク、ガラスフレーク、金属類、あるいはゴム類、プラスチック類等が挙げられる。
さらに、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内であれば、表面保護性、表面撥水性等を高める目的で、上塗層を積層することもできる。上塗層が透明である場合、模様層の色相をそのまま活かすことができ、光触媒作用も発揮できる。このような上塗層は、公知の水性型あるいは溶剤型塗料の塗付によって形成することができる。これらの塗装は、公知の塗装方法によれば良く、スプレー、ローラー、刷毛等の塗装器具を使用することができる。
本発明装飾材は、主に建築物の内装仕上げに適用できる。すなわち、流通時には、シート状成形体として取り扱い、これを建築物内装面の各部位に施工して内装仕上げを行うことができる。具体的には、住宅、マンション、学校、病院、店舗、事務所、工場、倉庫、食堂等における壁、間仕切り、扉、天井等に適用できる。このような部位を構成する基体としては、例えば、石膏ボード、合板、コンクリート、モルタル、タイル、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板等が挙げられる。これら基体は、その表面に既存塗膜を有するものや、既に壁紙が貼り付けられたもの等であってもよい。本発明装飾材は、このような基体に対し、透明粒子側が室内を向くようにして施工する。
また、本発明装飾材を施工する際には、接着剤、粘着剤、粘着テープ、釘、鋲等を用いて基体に貼着すればよい。その他、ピン、ファスナー、レール等を用いて固定化することもできる。中でも、本発明の装飾材は、接着剤を用いて基体に貼着することが好ましい。
装飾材を接着剤で貼り付ける際、隣接する装飾材どうしを突き合わせて貼りつけたり、装飾材間に目地を設けたりすることもできる。突き合わせて貼り付ける場合、接着剤がはみ出さないようにすることが好ましい。また、目地を設ける場合、装飾材を貼り付ける際の間隔は特には限定されないが、1mm〜30mm程度であればよい。この程度の間隔であれば、接着剤を装飾材の間で露出させることができ、容易に目地部を形成することができる。また、必要に応じて目地部の接着剤をへら等で平滑処理しても良い。接着剤を硬化させる際の雰囲気温度は、適宜設定することができるが、通常は常温でよい。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(A)成分
・合成樹脂A1〜A4
以下に示すアクリル樹脂とシリコーン樹脂を混合し合成樹脂1〜4とした。
アクリル樹脂エマルション;(Tg21℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート:n−ブチルアクリレート:2−エチルヘキシルアクリレート:メタクリル酸メチル=30:6:24:40)、固形分50重量%。
シリコーン樹脂エマルション(Tg−130℃、ジメチルシロキサン化合物の乳化分散液)、固形分50重量%
・合成樹脂A1;アクリル樹脂エマルション:シリコーン樹脂エマルション(固形分重量比)=99:1、
・合成樹脂A2;アクリル樹脂エマルション:シリコーン樹脂エマルション(固形分重量比)=90:10、
・合成樹脂A3;アクリル樹脂エマルション:シリコーン樹脂エマルション(固形分重量比)=70:30、
・合成樹脂A4;アクリル樹脂エマルション:シリコーン樹脂エマルション(固形分重量比)=50:50
・合成樹脂A5
外層;アクリル樹脂(Tg31℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸メチル)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)
内層;アクリル樹脂(Tg−33℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,メタクリル酸メチル)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、
外層と内層の重量比46:54、アクリル樹脂とシリコーン樹脂の重量比80:20、エマルション中のアクリル樹脂構成成分;t−ブチルメタクリレート:n−ブチルアクリレート:2−エチルヘキシルアクリレート:メタクリル酸メチル=19:25:24:32、固形分50重量%、Tg−46℃。
・合成樹脂A6
外層;アクリル樹脂(Tg39℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,メタクリル酸メチル)
内層;アクリル樹脂(Tg−30℃、構成成分;t−ブチルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,メタクリル酸メチル)、シリコーン樹脂(構成成分;ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン)、
外層と内層の重量比45:55、アクリル樹脂とシリコーン樹脂の重量比90:10、エマルション中のアクリル樹脂構成成分;t−ブチルメタクリレート:n−ブチルアクリレート:2−エチルヘキシルアクリレート:メタクリル酸メチル=29:29:19:23、固形分50重量%、Tg−25℃。
上記合成樹脂A1〜A6を、離型紙上に塗付、乾燥させ、膜厚0.1mmのフィルムを作製したものを試料とし、波長領域300nm〜500nmの全領域において反射率(%)を分光光度計(「UV−3100」:株式会社島津製作所製)で測定した。
その結果、合成樹脂A2〜A6は、波長領域300nm〜500nmにおいて紫外線反射率が10%以上となる反射領域を有するものであった。一方、合成樹脂A1は、当該反射領域において、紫外線反射率は10%未満であった。その代表値として、波長380nmでの紫外線反射率を表1に示す。
(模様層用組成物の製造)
表2に示す配合に従い、各原料を常法により混合・攪拌することによって模様層用組成物を製造した。なお、原料としては以下のものを使用した。
(B)成分
・骨材1:着色珪砂(淡黄色、平均粒子径80〜120μm)
・骨材2:重質炭酸カルシウム(平均粒子径50〜150μm)
(C)成分
・光触媒酸化物:紫外線応答性アナターゼ型酸化チタン(励起波長:200〜380nm、平均粒子径0.2μm)
・添加剤:増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース、ウレタン会合性増粘剤)、水
(D)成分
・透明粒子(D1):球状透明ガラスビーズ
(平均粒子径2.0〜2.8mm、全光透過率46%)
・透明粒子(D2):球状透明ガラスビーズ
(平均粒子径1.0〜1.4mm、全光透過率35%)
・透明粒子(D3):球状透明ガラスビーズ
(平均粒子径0.7〜1.0mm、全光透過率24%)
・透明粒子(D4):透明ガラス破砕品
(平均粒子径0.3〜0.5mm、全光透過率7.5%)
・透明粒子(D5):透明ガラス破砕品
(平均粒子径75〜150μm、全光透過率0.5%)
・透明粒子(D6):透明メチルメタクリレート樹脂粒子(円柱状)
(粒子長径3mm、全光透過率67%)
・透明粒子(D7):球状不透明ガラスビーズ
(平均粒子径1.0〜1.4mm、全光透過率0.07%)
(試験例1)
合成樹脂(A2)100重量部に対し、骨材1を700重量部、骨材2を400重量部、光触媒金属酸化物を10重量部、及び添加剤を20重量部、均一に混合した模様層用組成物を、離型紙上(50mm×50mm)に乾燥後の模様層の厚さが2.5mmとなるように塗付し、次いで、透明粒子(D1)の占める面積が30%となるように散布し、模様層へ(D1)を埋設、60℃下で60分間乾燥後、さらに80℃下で60分間乾燥後、装飾材1を得た。
装飾材1において、透明粒子(D1)が埋設された側を表面、その反対を裏面とした。得られた装飾材1の表面は、輝度感を有する意匠性に優れるものであった。
<光触媒作用>
上記装飾材の製造時、予め模様層用組成物に1%メチレンブルー水溶液を0.1%添加し、装飾材を製造したものを試験体とした。
太陽光(波長領域305〜4045nm)が射し込む屋内にて、試験体表面が上向きとなる状態で、試験体を14日間静置した。この場所の晴天時正午における紫外線強度は1.13mW/cm、照度は45600Luxであった。
この試験では、試験体の表面及び裏面におけるメチレンブルーの分解の程度を、△bに基づき評価した。なお、△bの測定は、色差計(CM−3700d、ミノルタ株式会社製)を用いて行った。
試験例1では、表面、裏面ともに「◎」の結果となった。
光触媒作用試験の評価基準は、以下の通りである。
◎:9<△b
○:8<△b≦9
△:7<△b≦8
×:△b≦7
(試験例2〜16)
表2に示す配合にて、試験例1と同様に、装飾材と試験体を作製し、同様の試験を行った。
得られた装飾材2〜13、16の表面は、輝度感を有する意匠性に優れるものであった。この中で、装飾材8はやや強い輝度感、装飾材9はやや弱い輝度感を有する意匠であった。一方、装飾材14、15は輝度感が少ないものであった。
光触媒作用試験において、試験体表面の評価は、試験例2〜15ではいずれも「◎」、試験体16では「×」となった。試験体裏面の評価は表2に示す結果となった。
さらに、試験例1〜6において以下の耐汚染性試験を行った。
<耐汚染性試験>
基材として、100mm×100mm×12.5mmの石膏ボードを用い、基材に模様層用組成物を乾燥膜厚が2.5mmとなるように塗付し、次いで、透明粒子(D1)の占める面積が40%となるように散布し、23℃、50±10%RH下で240時間養生したものを試験体とした。試験体を水平に置き、その塗膜表面に汚れ成分(黒色硅砂)を散布して2時間放置し、次いで試験板を垂直に立てた後、汚れ成分の残存の程度を確認した。その結果、試験例4及び試験例5が最も良好な結果(試験例4、5>試験例1、6>試験例2>試験例3)となった。
Figure 0005382934
Figure 0005382934

Claims (3)

  1. 合成樹脂(A)、平均粒子径0.01〜5mmの有色骨材(B)、及び平均粒子径0.3μm以下の光触媒金属酸化物(C)を必須成分とし、
    合成樹脂(A)は、波長300〜500nmにおいて反射率が10%以上となる反射領域を有する被膜を形成するものであり、
    光触媒金属酸化物(C)は、当該反射領域において、光触媒作用を示すものであり、
    固形分重量比率で合成樹脂(A)100重量部に対して、有色骨材(B)を300〜2000重量部、光触媒金属酸化物(C)を0.5〜40重量部含む模様層の表面に、平均粒子径0.3〜5.0mmの透明粒子(D)が露出するように埋設されていることを特徴とする装飾材。
  2. 上記透明粒子(D)は、平均粒子径0.3〜5.0mmの球状透明粒子であることを特徴とする請求項1に記載の装飾材。
  3. 合成樹脂(A)は、アクリル樹脂及びシリコーン樹脂を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装飾材。
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