JP2018176484A - 樹脂含浸化粧板用化粧紙及び樹脂含浸化粧板 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストを抑えつつ、グロスマット表現を具備した樹脂含浸化粧板用化粧紙および樹脂含浸化粧板を提供する。【解決手段】少なくとも原紙、絵柄模様層、撥液性硬化膜をこの順に積層した樹脂含浸化粧板用化粧紙において、前記撥液性硬化膜が絵柄模様層の全面に積層され、かつ部分的に艶差を有してなるグロスマット表現を有することを特徴とする樹脂含浸化粧板用化粧紙、ならびに前記樹脂含浸化粧板用化粧紙と、化粧板基材とが一体化されていることを特徴とする樹脂含浸化粧板。【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の床面、壁面、天井等の内装、家具並びに各種キャビネット等の表面装飾材料、建具の表面化粧、車両内装等に用いる樹脂含浸化粧板に関するものであり、特には表面のグロスマット表現を有する樹脂含浸化粧板用化粧紙および樹脂含浸化粧板に関するものである。
従来、メラミン化粧板等の樹脂含浸化粧板は建築物や家具等の表面材として広く使用されてきている。樹脂含浸化粧板の製造は多孔質原紙に木目や石目、抽象柄などの絵柄模様を印刷した後にメラミン樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸、乾燥させ、パーティクルボードやMDF(中密度繊維板)などの木質基材もしくはフェノール樹脂等を含浸させたコア紙などと積層し、金属板にて加熱加圧成型することで熱硬化性樹脂を硬化させ、さらに木質基材とも一体化させることで得られる。
加熱加圧成型時に用いる金属板には所望のエンボス形状を設けることで仕上がった樹脂含浸化粧板表面にテクスチャー表情を付与することもできる(例えば、特許文献1)。また、さらにそのエンボス形状の粗密度合いを調整することでグロスマット調の表現をすることも出来るようになりつつある。
さらには木目や石目、抽象柄の絵柄模様と表面のテクスチャーやグロスマット表現を同調させる試みも行われてきている。表面のテクスチャーやグロスマット表現と絵柄模様を同調させるためには、含浸、乾燥後の化粧紙の絵柄模様と金属板のエンボス形状を一致させて積層し加熱加圧成型する必要がある。
しかしながら、含浸、乾燥後の化粧紙自体の含水率によって縦方向、横方向に縮みや伸びが発生し常に一定のサイズに仕上げることが困難であり、故に金属板のエンボス形状と絵柄模様を完全一致させることは非常に難しいものであった。
これに対し、金属板のエンボス形状と絵柄模様がずれることを前提として、ある程度「逃げ」を設けることで完全一致していないことを誤魔化す手法もあるが、意匠的にリアリティに欠けるものとなってしまうことがある。また、絵柄模様の点数毎に金属板を用意しなければならず製造コストも多く掛かることが課題として指摘されている。
一方、上記のような機械的な賦形法(メカニカルエンボス法)ではなく、特許文献2で提案されているような化学作用を利用したケミカルエンボス法も検討されている。これは、絵柄模様を印刷するインキに熱硬化性樹脂の硬化速度を遅らせる作用を有する硬化抑制剤を含有させ、そのインキを部分的に使用することで、加熱加圧成型後の仕上がりが通常インキ使用部分と硬化抑制剤含有インキ使用部分とでツヤ差として発現する効果を狙ったものである。
この方法によれば絵柄毎に金属板を作製する必要もなく従来通りの方法で生産することが可能となる。しかしながら硬化抑制剤含有インキ使用部分に含浸された熱硬化性樹脂が金属板の表面に付着して残ってしまうことがあり、その除去作業は非常に手間が掛かるため、生産性が上がらないという課題があり、同じく製造コストが余計に掛かってしまうことになる。
特開昭60−122149号公報 特開平2−299844号公報
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、製造コストを抑えつつ、グロスマット表現を具備した樹脂含浸化粧板用化粧紙および樹脂含浸化粧板を提供することである。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、本発明の請求項1の発明は、少なくとも原紙、絵柄模様層、撥液性硬化膜をこの順に積層した樹脂含浸化粧板用化粧紙において、前記撥液性硬化膜が絵柄模様層の全面に積層され、かつ前記撥液性硬化膜が部分的に艶差を有してなるグロスマット表現を有することを特徴とする樹脂含浸化粧板用化粧紙である。
本発明の請求項2の発明は、前記絵柄模様層の絵柄模様と前記撥液性硬化膜のグロスマット表現が同調してなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂含浸化粧板用化粧紙である。
本発明の請求項3の発明は、前記撥液性硬化膜は、シリコーンオイルを0.05質量%以上10質量%以下、含有してなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂含浸化粧板用化粧紙である。
本発明の請求項4の発明は、前記撥液性硬化膜に含有されるシリコーンオイルがアミノ変性シリコーンオイルであることを特徴とする請求項3に記載の樹脂含浸化粧板用化粧紙である。
本発明の請求項5の発明は、前記撥液性硬化膜のグロスマット表現が、絵柄模様層の全体を覆う第1撥液性硬化膜と、その上に、部分的に設けられた第2撥液性硬化膜とからなり、前記第1撥液性硬化膜と、前記第2撥液性硬化膜とで、艶性が異なる事を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の樹脂含浸化粧板用化粧紙である。
本発明の請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の樹脂含浸化粧板用化粧紙と、化粧板基材とが一体化されていることを特徴とする樹脂含浸化粧板である。
本発明はその請求項1記載の発明により、従来の樹脂含浸化粧板生産方法と変えることなく、グロスマット表現が可能な樹脂含浸化粧板用化粧紙及び樹脂含浸化粧板を提供することが可能となった。
本発明の実施形態に係る樹脂含浸化粧板用化粧紙の断面構成例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る樹脂含浸化粧板の断面構成例を示す断面図である。
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。なお、各図において、同様または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。また、
各図面は本発明の実施形態の1例を示すもので、これらに限定されるものではない。
図1に本発明の実施形態に係る樹脂含浸化粧板用化粧紙の断面構成例を示す。樹脂含浸化粧板用化粧紙1は原紙11上に絵柄模様層12、撥液性硬化膜15を設けた構成となっているが、撥液性硬化膜15は、少なくとも絵柄模様層の全体を覆う第1撥液性硬化膜13と、その上の一部に設けられた第2撥液性硬化膜14とからなっている。
ここで、少なくとも第2撥液性硬化膜14の絵柄パターンは、絵柄模様層12に同調した絵柄パターンとして設けられていることが望ましい。
本発明における原紙11としては、後に樹脂の含浸が可能な吸水性の良い紙等の繊維質シート状体であれば良く、例えば薄葉紙、チタン紙、上質紙、晒又は未晒クラフト紙等が使用可能である。中でも印刷適性と樹脂含浸適性の両面で優れたチタン紙が最も好適である。
また、化粧板基材21の表面の質感を活かしたい場合等には、樹脂の含浸により透明化する性質を有する所謂透明紙を使用することもできる。原紙11の厚さには特に制約はないが、一般的には坪量20〜200g/m程度の範囲内のものが使用される。
本発明において、絵柄模様層12や撥液性硬化膜15がなす絵柄模様の種類には特に制約はなく、例えば木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学図形、文字、記号等、或いはそれらの2種以上の組み合わせ等、所望により任意である。撥液性硬化膜15は、所望の絵柄模様の中で、艶消状あるいは艶状の質感を表現したい箇所等に形成する。なお、撥液性硬化膜15は無色であっても良いし、着色であっても構わない。
絵柄模様層12は、撥液性を有しない通常の印刷インキを使用して通常の印刷方法で設けることができる。印刷インキの種類には特に制約はなく、油性インキであっても良いが、樹脂含浸適性を考慮すると水性インキを使用することが望ましい。それは、水性インキの方が油性インキと比較して含浸樹脂の水溶液との馴染みが良く、後の含浸工程において迅速且つ均一に含浸可能であり、しかも含浸樹脂との一体化によって優れた強度を発現することができるからである。
上記水性インキの種類にも特に制約はないが、特にそのバインダ樹脂がカゼイン、エマルジョン樹脂を主成分とするものを使用することが最も望ましい。これらのバインダ樹脂は、インキの印刷後に乾燥工程を経ることによって難水溶化する性質を有しており、後の樹脂含浸工程において含浸樹脂の水溶液に再溶解しにくいので、絵柄模様を損なうことがなく、且つ含浸樹脂の汚染のおそれもないからである。
上記エマルジョン樹脂としては、例えばアクリル系、酢酸ビニル系、スチレン系、ウレタン系等、上記ラテックス樹脂としては、例えばスチレン− ブタジエン系、アクリロニトリル−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等を使用することができる。
また、これらカゼイン、エマルジョン樹脂及の他に、インキの安定性の向上を目的として、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の水溶性樹脂や、多糖類、セルロース誘導体等の水溶性高分子等を併用したものであっても良い。
絵柄模様層12の形成方法にも特に制約はなく、例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、凸版印刷法、インクジェット印刷法等の任意の印刷方法によることができる。また、下地着色を目的としてベタインキ層を設ける場合
には、該ベタインキ層の形成方法として、上記各種の印刷方法の他、例えばロールコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、スプレーコート法、リップコート法、ダイコート法等の任意のコーティング方法によることもできる。
撥液性硬化膜15を形成するための樹脂は例えば2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン結合を持つ熱硬化型樹脂や電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂が望ましい。係る硬化性樹脂としては、例えばメラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素系樹脂、フェノール系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アミノアルキド系樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性樹脂や、( メタ) アクリレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等の電離放射線硬化性樹脂等を使用することができる。
第1撥液性硬化膜13と第2撥液性硬化膜14とは、それぞれ同一の樹脂が用いられていても良いし、またそれぞれ異なる樹脂が用いられていても何ら問題はない。
また、第1撥液性硬化膜13と第2撥液性硬化膜14とは、それぞれ異なる艶性を有することが望ましく、これにより、優れた意匠性を付与することができる。
この様な艶性に変化を与える方法としては、例えば、表面の光沢を調整し得る艶調整剤(マット剤あるいは艶消剤とも呼称される)を添加あるいは無添加とした組成物を塗布する方法などが例示できる。
艶調整剤としては、従来公知の材料をいずれも用いることができるが、例えば、シリカ、アルミナ(α−アルミナ等)、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリナイト、アルミナシリケート等の無機物、あるいはポリカーボネート、ナイロン、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂等の有機物からなる微粒子などを挙げることができる。
このような艶調整剤の平均粒子径は、1〜10μm程度のものが好ましく用いられ、添加量は所望の光沢、即ち艶性に応じて、適宜選択することができる。
艶調整剤の添加または無添加、あるいは艶調整剤の添加量の差によって、艶性の異なる第1の撥液性硬化膜13と第2の撥液性硬化膜14を形成することにより、撥液性硬化膜15のグロスマット表現を形成することが可能となる。
また、第1撥液性硬化膜13と第2撥液性硬化膜14とからなる撥液性硬化膜15には、撥液性を付与するために、シリコーンオイルが添加されていることが望ましい。
撥液性硬化膜15に添加するシリコーンオイルは、0.05〜10質量%が最も好適であるが、0.01〜15質量%であっても良い。シリコーンオイルとしては、無変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイルを用いることができる。
撥液性硬化膜15において、第1撥液性硬化膜13と第2撥液性硬化膜14とによって形成される絵柄の種類には特に制約はなく、絵柄模様層12と同調していても非同調であっても良いが、一般的には同調させた方がより意匠性に優れた樹脂含浸化粧板を得ることができる。
第1の撥液性硬化膜13ならびに第2撥液性硬化膜14の膜厚みは0.5μmから100μm程度の厚みであれば良いが、0.5μm以下であると熱硬化性樹脂を含浸させた際に弾き切れずに染み込んでしまうことがあり、30μmを超えると印刷後にロール上に巻き取った際に膜割れが発生することがある。より好適なのは1μmから30μmである。
この様にして、絵柄模様層12や撥液性硬化膜15を形成した原紙11に含浸する樹脂としては、従来係る樹脂含浸化粧板の製造用に使用されている公知の任意の熱硬化性樹脂を採用することができる。
具体的には例えばメラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂等である。これらは一般に、水中に溶解又は分散した水系含浸液の形で樹脂含浸化粧板用化粧紙に含浸される。
熱硬化性樹脂の含浸は、絵柄模様層や撥液性硬化膜を形成した原紙の撥液性硬化膜面側から行っても良いし、反対面側から行っても良い。
また、片面ずつ2回に分けて含浸させる方法や、両面から同時に含浸させる方法が取られても良い。また、予め樹脂を含浸、乾燥させた樹脂含浸オーバーレイシートを原紙11として使用しても良い。熱硬化性樹脂の含浸率( 含浸後の重量に占める含浸樹脂の重量の比率) は、通例20〜80% 程度であり、中でも40〜70% 程度の範囲内が最も望ましい。また、物性に優れた樹脂含浸化粧板を得る為には、原紙の全体に均一に樹脂が含浸されることが重要である。
図2は、本発明の実施形態に係る樹脂含浸化粧板2の断面構成例を示す断面図である。
上述の様にして作製された樹脂含浸化粧板用化粧紙1を化粧板基材21に載置し、樹脂含浸化粧板用化粧紙1の表面に金属板( 鏡面板)を載置して加熱加圧成形することによって、樹脂含浸化粧板2が得られる。
ここで使用する化粧板基材21の種類には特に制約はなく、目的とする樹脂含浸化粧板2の用途に応じて任意であり、例えば木材単板、合板、集成材、パーティクルボード、中密度繊維板、硬質繊維板等の木質基材や、板紙、織布、不織布、樹脂含浸紙、樹脂含浸布等の繊維質基材、石膏ボード、スレート板、珪酸カルシウム板、スラグ石膏板、木毛セメント板、スラグセメント板、軽量気泡コンクリート板、ガラス繊維強化コンクリート板等の無機質基材、鋼板、真鍮板、アルミニウム板、ジュラルミン板、ステンレス板等の金属基材、アクリル樹脂板、スチロール樹脂板、ABS樹脂板、ポリカーボネート樹脂板、ナイロン樹脂板、ポリスチレン樹脂板、ポリプロピレン樹脂板、ポリエステル樹脂板、ガラス繊維強化プラスチック板等の合成樹脂基材等、或いはこれらから選ばれる2種以上の複合体又は積層体等を適宜使用することができる。
化粧板基材21上に樹脂含浸化粧板用化粧紙1を積層する際には、必要に応じて適宜の接着剤を介して積層しても良いし、接着剤等を介さずに直接積層しても良い。また、必要に応じて、従来のメラミン樹脂化粧板等におけると同様、コア紙を介して積層することもできる。
上記コア紙とは、例えばチタン紙、晒又は未晒クラフト紙、ガラス繊維不織布等の適宜のコア紙用原紙に未硬化状態の熱硬化性樹脂が含浸されているものであり、該熱硬化性樹
脂としては、例えばメラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂等、任意であり、目的の樹脂含浸化粧板に要求される物性等に応じて適宜選択すれば良い。具体例を挙げれば、従来メラミン樹脂化粧板用のコア紙として広く採用されているフェノール樹脂含浸クラフト紙等を使用することができる。
樹脂含浸化粧板用化粧紙1を化粧板基材21上に積層し、接着するための加熱加圧成形方法としては、上述した金属板を当接して平圧プレスする方法の他、円圧式の連続ラミネート方式を採用することもできる。
特に、金属製無端ベルトを使用した連続ラミネート方式を採用すると、表面の反りや波打ち等がなく、しかも層間密着性良く稠密に硬化一体化された高品質の樹脂含浸化粧板を、高速度で連続的に製造できる利点がある。
加熱加圧成形の工程において、必要に応じて、所望の任意の艶消状やテクスチャー状の金属板や金属製無端ベルト硬化型樹脂等で作製されたエンボスシートを使用することによって、所望の任意の表面仕上げ状態の樹脂含浸化粧板2を得ることも可能である。
本発明の樹脂含浸化粧板は、以上に詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形を加えて実施することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これにより本発明が限定的に解釈されるものではない。
(実施例1)
吸水性の良い坪量80g/mの化粧紙用チタン紙に、カゼインを主成分とした水性インキを使用して、ダイレクトグラビア印刷方式によって木目模様を印刷し、更にインラインで、シリコーンオイルを2.5質量%含有した熱硬化型ウレタン樹脂系インキを使用して、ダイレクトグラビア印刷方式によって前記木目模様の全面に第1撥液性硬化膜を塗工した。更にその上に木目模様と同調した導管模様状に、先に塗工した第1撥液性硬化膜よりも光沢を上げた第2撥液性硬化膜を印刷形成し、本発明の樹脂含浸化粧板用化粧紙を得た。
しかる後、該撥液性硬化膜によって撥かれる性質を有する水性メラミン系樹脂液を浸漬し、撥液性硬化膜上の含浸樹脂被覆層を十分に撥かせた後、十分に乾燥させることで、含浸ならびに乾燥済み樹脂含浸化粧板用化粧紙を作製した。その際、含浸乾燥後の樹脂含浸模様紙の坪量が200g/mとなる様に樹脂含浸量を調節した。
得られた含浸・乾燥済み樹脂含浸化粧板用化粧紙を、パーティクルボード基材上に載置し、樹脂含浸化粧板用化粧紙の表面に鏡面板を当接させて加熱加圧成形硬化させて、樹脂含浸化粧板を得た。
(比較例1)
シリコーンオイルを0質量%とした以外は実施例1と同様にして樹脂含浸化粧板用化粧紙を得、さらに熱硬化性樹脂を含浸、乾燥させ含浸・乾燥済み樹脂含浸化粧板用化粧紙を得、さらに加熱加圧成型し樹脂含浸化粧板を得た。
(比較例2)
シリコーンオイルを0.03質量%含有させたこと以外は実施例1と同様にして樹脂含
浸化粧板用化粧紙を得、さらに熱硬化性樹脂を含浸、乾燥させ含浸・乾燥済み樹脂含浸化粧板用化粧紙を得、さらに加熱加圧成型し樹脂含浸化粧板を得た。
(比較例3)
シリコーンオイルを12.5質量%含有させたこと以外は実施例1と同様にして樹脂含浸化粧板用化粧紙を得、さらに熱硬化性樹脂を含浸、乾燥させ含浸・乾燥済み樹脂含浸化粧板用化粧紙を得、さらに加熱加圧成型し樹脂含浸化粧板を得た。
(比較例4)
シリコーンオイルを17.5質量%としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂含浸化粧板用化粧紙を得、さらに熱硬化性樹脂を含浸、乾燥させ含浸・乾燥済み樹脂含浸化粧板用化粧紙を得、さらに加熱加圧成型し樹脂含浸化粧板を得た。
(性能評価)
以上の実施例1、比較例1〜4に対し、以下に示す性能評価を行なった
〔熱硬化性樹脂はじき性〕
熱硬化性樹脂を含浸・乾燥後の樹脂含浸化粧板用化粧紙にて撥液性硬化膜上にはじかれずに残ってしまう熱硬化性樹脂の程度について評価した。
〔シリコーンオイル化粧紙裏面裏移り性〕
樹脂含浸化粧板用化粧紙をグラビア印刷法にて印刷しロール状に巻き取った状態で静置させ、表面側と重なり合った裏面側のシリコーンオイルの転移量を測定しその程度を評価した。
〔マジックはじき性〕
樹脂含浸化粧板用化粧紙をグラビア印刷法にて印刷し、その表面の一部をマジックで塗り潰し、撥液性硬化膜のマジックのはじきの程度を評価した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2018176484
実施例1と比較例1の結果から、撥液性硬化膜中に、シリコーンオイルを添加しない場合には、シリコーンオイルの裏移りは無いものの、含浸させた熱硬化性樹脂が、撥液性硬化膜上にはじかれずに残ってしまい、意匠性を損なうと共に、マジックに対するはじき性も得られないことが判る。
また、実施例1と比較例2の結果から、シリコーンオイルの添加量を硬化性バインダ樹脂に対して、0.05質量%よりも小さい値となる0.03質量%とした場合には、含浸させる熱硬化樹脂のはじき性と、シリコーンオイルの裏移りについては、比較的良好な結果が得られるものの、マジックに対するはじき性は不十分であることが判った。
比較例3の結果より、シリコーンオイルの添加量を硬化性バインダ樹脂に対して、10質量%よりも大きい値となる12.5質量%添加した場合には、含浸させる熱硬化性樹脂に対するはじき性とマジックに対するはじき性は良好であるものの、シリコーンオイルの裏移りが目立ち始める結果となった。
さらに、比較例4の結果より、シリコーンオイルの添加量を硬化性バインダ樹脂に対して、過剰の17.5質量%とした場合には、シリコーンオイルの裏移りがひどいものとなった。
以上の結果より、撥液性硬化膜におけるシリコーンオイルの添加量は、硬化性バインダ樹脂に対して、0.05質量%以上10質量%以下であることが望ましいことが判った。
この範囲で、撥液性硬化膜中にシリコーンオイルを添加することにより、簡便で、製造コストをかけずに、意匠性の高く、撥液性硬化膜を有する樹脂含浸化粧板を作製することが可能となる。
本発明の化粧シートは、建築物の床面、壁面、天井等の内装、家具並びに各種キャビネット等の表面装飾材料、建具の表面化粧、車両内装等に用いる表面化粧用として利用可能である。
1 … 樹脂含浸化粧板用化粧紙
11 … 原紙
12 … 絵柄模様層
13 … 第1撥液性硬化膜
14 … 第2撥液性硬化膜
15 … 撥液性硬化膜
2 … 樹脂含浸化粧板
21 … 化粧板基材

Claims (6)

  1. 少なくとも原紙、絵柄模様層、撥液性硬化膜をこの順に積層した樹脂含浸化粧板用化粧紙において、
    前記撥液性硬化膜が絵柄模様層の全面に積層され、かつ前記撥液性硬化膜が部分的に艶差を有してなるグロスマット表現を有することを特徴とする樹脂含浸化粧板用化粧紙。
  2. 前記絵柄模様層の絵柄模様と前記撥液性硬化膜のグロスマット表現が同調してなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂含浸化粧板用化粧紙。
  3. 前記撥液性硬化膜は、シリコーンオイルを0.05質量%以上10質量%以下、含有してなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂含浸化粧板用化粧紙。
  4. 前記撥液性硬化膜に含有されるシリコーンオイルがアミノ変性シリコーンオイルであることを特徴とする請求項3に記載の樹脂含浸化粧板用化粧紙。
  5. 前記撥液性硬化膜のグロスマット表現が、絵柄模様層の全体を覆う第1撥液性硬化膜と、その上に、部分的に設けられた第2撥液性硬化膜とからなり、
    前記第1撥液性硬化膜と、前記第2撥液性硬化膜とで、艶性が異なる事を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の樹脂含浸化粧板用化粧紙。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の樹脂含浸化粧板用化粧紙と、化粧板基材とが一体化されていることを特徴とする樹脂含浸化粧板。
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