JP2019077158A - 化粧シート、化粧板、化粧シートの製造方法、化粧板の製造方法 - Google Patents

化粧シート、化粧板、化粧シートの製造方法、化粧板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019077158A
JP2019077158A JP2017208284A JP2017208284A JP2019077158A JP 2019077158 A JP2019077158 A JP 2019077158A JP 2017208284 A JP2017208284 A JP 2017208284A JP 2017208284 A JP2017208284 A JP 2017208284A JP 2019077158 A JP2019077158 A JP 2019077158A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base paper
decorative sheet
decorative
sublimable substance
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017208284A
Other languages
English (en)
Inventor
隆弘 伊瀬谷
Takahiro Iseya
隆弘 伊瀬谷
一 播摩
Hajime Harima
一 播摩
直樹 徳本
Naoki Tokumoto
直樹 徳本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2017208284A priority Critical patent/JP2019077158A/ja
Publication of JP2019077158A publication Critical patent/JP2019077158A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】製造コストの増加を抑制するとともにグロスマット表現が可能な、化粧シート、化粧シートの製造方法、化粧板、化粧板の製造方法の提供。【解決手段】熱硬化性樹脂を含浸している原紙2と、原紙2の一方の面に積層され、少なくとも一部が昇華性物質を含む絵柄模様層4を備え、更に表面を被覆する樹脂層8を備える化粧シート1と、加熱加圧成形により原紙2の他方の面に一体化された基材6を備え、絵柄模様層4は昇華性物質保有部4aと昇華性物質非保有部4bを有し、昇華性物質非保有部4bが形成する模様の位置と、昇華性物質保有部4aが形成する模様の位置とが同調している化粧板10。【選択図】図2

Description

本発明は、建築物の床面、壁面、天井等の内装、家具、各種キャビネット等の表面装飾材料、建具の表面化粧、車両内装等に用いられる化粧板、化粧板の製造方法、化粧板を製造するための化粧シート、化粧シートの製造方法に関する。
化粧板の製造方法としては、特許文献1に開示されているように、絵柄模様を印刷した原紙に熱硬化性樹脂を含浸させ、樹脂を含浸させた原紙を基材と積層し、金属板を用いて加熱加圧成形することで、化粧板を形成する技術が知られている。
特許第3915357号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている技術では、加熱加圧成形時に用いる金属板を、グロスマット表現毎、すなわち、化粧板のデザイン毎に用意する必要があり、製造コストが増大するという問題点がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、製造コストの増大を抑制するとともにグロスマット表現が可能な、化粧シート、化粧シートの製造方法、化粧板、化粧板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、原紙と、前記原紙の一方の面に積層された絵柄模様層と、を備える化粧シートであって、前記絵柄模様層の少なくとも一部は、昇華性物質を含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様は、化粧シートと、加熱加圧成形により前記原紙の他方の面に一体化された基材と、を備えることを特徴とする化粧板である。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様は、原紙と、前記原紙の一方の面に積層された絵柄模様層と、を備える化粧シートの製造方法であって、前記絵柄模様層の少なくとも一部に、昇華性物質を印刷する昇華性物質印刷工程を含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様は、原紙と、前記原紙の一方の面に積層された絵柄模様層と、前記原紙の他方の面に一体化された基材と、化粧板の製造方法であって、前記原紙に熱硬化性樹脂を含浸させる熱硬化性樹脂含浸工程と、前記熱硬化性樹脂含浸工程で熱硬化性樹脂を含浸させた原紙を前記基材に積層して加熱加圧成形して、前記原紙と前記基材とを一体化する一体化工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、化粧シートを基材に積層して加熱加圧成形する際に、昇華性物質が昇華することで、成形された化粧板の上に、表面凹凸がある部分と、表面凹凸がない部分とを設けて、グロスマット表現を行うことが可能となる。
このため、製造コストの増加を抑制するとともにグロスマット表現が可能な、化粧シート、化粧シートの製造方法、化粧板、化粧板の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の第一実施形態の化粧シートを表す断面図である。 本発明の第一実施形態の化粧板を表す断面図である。
図面を参照して、本発明の第一実施形態を以下において説明する。以下の説明で参照する図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係や、各層の厚さの比率等は、現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚さや寸法は、以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
さらに、以下に示す第一実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質や、それらの形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」になり、「右」が「左」になることは勿論である。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(化粧シートの構成)
図1を用いて、化粧シート1の構成について説明する。
図1中に表すように、化粧シート1(化粧板用化粧紙)は、原紙2と、絵柄模様層4を備えている。
(原紙2の構成)
図1を参照して、原紙2の詳細な構成を説明する。
原紙2は、樹脂の含浸が可能な、吸水性の良い紙等の繊維質シート状体を用いて形成されている。
原紙2の材料としては、例えば、薄葉紙、チタン紙、上質紙、晒クラフト紙、未晒クラフト紙等を用いることが可能である。特に、印刷適性と樹脂含浸適性の両面で優れたチタン紙が、原紙2の材料としては最も好適である。また、後述する基材6の表面の質感を活用する場合等には、樹脂の含浸により透明化する性質を有する紙として、透明紙を用いることが可能である。
原紙2の厚さは、特に制約するものではないが、例えば、坪量20[g/m]以上200[g/m]以下の範囲内に設定する。
また、原紙2は、熱硬化性樹脂を含浸している。
原紙2に含浸する熱硬化性樹脂としては、化粧シート1の製造用として使用されている公知の樹脂を用いることが可能である。すなわち、原紙2に含浸する熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂等を用いることが可能である。これらの熱硬化性樹脂は、一般に、水中に溶解、または、水中に分散した水系含浸液の形で、原紙2に含浸する。
原紙2に対する熱硬化性樹脂の含浸は、絵柄模様層4を形成した原紙2に対し、原紙2の一方の面の側から行っても良いし、原紙2の他方の面の側から行っても良い。
なお、原紙2の一方の面とは、図1中における原紙2の上側の面である。また、原紙2の他方の面とは、図1中における原紙2の下側の面である。
また、原紙2に対する熱硬化性樹脂の含浸は、原紙2の片面のそれぞれに対して、二回に分けて含浸させてもよく、また、原紙2の両面から同時に含浸させても良い。また、予め樹脂を含浸・乾燥させた樹脂含浸オーバーレイシートを使用しても良い。
原紙2に対する熱硬化性樹脂の含浸率(含浸後の重量に占める含浸樹脂の重量の比率)は、例えば、20[%]以上80[%]以下の範囲内とすることが可能であり、中でも、40[%]以上70[%]以下の範囲内が最も望ましい。また、物性に優れた化粧シート1を得るためには、原紙2の全体に対し、均一に熱硬化性樹脂が含浸されることが重要である。
(絵柄模様層4の構成)
図1を参照して、絵柄模様層4の詳細な構成を説明する。
絵柄模様層4は、化粧シート1に絵柄を付与する層であり、図1中に表すように、原紙2の一方の面に積層されている。
絵柄模様層4が形成する絵柄模様の種類には、特に制約はなく、例えば、木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学図形、文字、記号等を単独で、または、二種類以上を組み合わせて形成してもよい。
また、絵柄模様層4は、昇華性物質を含む昇華性物質保有部4aと、昇華性物質を含まない昇華性物質非保有部4bを有する。すなわち、絵柄模様層4の少なくとも一部は、昇華性物質を含む。
昇華性物質保有部4aは、昇華性物質非保有部4bの上に配置されている。
また、昇華性物質保有部4aは、所望の絵柄模様の中で、艶消状、または、艶状の質感を表現する箇所等に形成する。なお、昇華性物質保有部4aは、無色であっても着色であってもよい。
昇華性物質保有部4aが形成する絵柄模様の種類には、特に制約は無く、昇華性物質非保有部4bが形成する絵柄模様と同調していても非同調であっても良いが、一般的には、同調させた方が、より意匠性に優れた化粧シート1を得ることが可能である。
第一実施形態では、一例として、昇華性物質保有部4aが形成する絵柄模様と、昇華性物質非保有部4bが形成する絵柄模様とが同調している場合について説明する。
昇華性物質保有部4aに添加する昇華性物質(昇華性固体)としては、例えば、ナフタレン系、アントラセン系、トリアゾール系、トリアジン系等を使用することが可能である。
昇華性物質保有部4aに添加する昇華性物質の添加量は、0.05質量[%]以上40質量[%]以下の範囲内に設定することが、最も好適である。
また、昇華性物質保有部4aに添加する昇華性物質は、100[℃]以上290[℃]以下の範囲内で昇華する結晶体を含有している。
昇華性物質非保有部4bは、原紙2の一方の面に配置されている。
また、昇華性物質非保有部4bは、撥液性を有しない通常の印刷インキを使用して、通常の印刷方法で形成することが可能である。
昇華性物質非保有部4bを形成する印刷インキの種類には、特に制約は無く、油性インキであっても水性インキであっても良いが、樹脂含浸適性を考慮すると、水性インキを使用することが望ましい。これは、水性インキは、油性インキと比較して含浸樹脂の水溶液との馴染みが良く、後の含浸工程において、迅速且つ均一に含浸可能であり、さらに、含浸樹脂との一体化によって、優れた強度を発現することが可能であることに起因する。
昇華性物質非保有部4bを形成する水性インキの種類には、特に制約は無いが、特に、含有するバインダー樹脂が、カゼイン、エマルジョン樹脂を主成分とするものを使用することが最も望ましい。これは、カゼイン、エマルジョン樹脂を主成分とするバインダー樹脂は、インキの印刷後に乾燥工程を経ることによって難水溶化する性質を有しており、後の樹脂含浸工程において、含浸樹脂の水溶液に再溶解しにくいため、絵柄模様を損なうことがなく、且つ含浸樹脂の汚染のおそれも無いことに起因する。
エマルジョン樹脂としては、例えば、アクリル系、酢酸ビニル系、スチレン系、ウレタン系等を用いることが可能である。
また、カゼイン、エマルジョン樹脂を主成分とするバインダー樹脂の他に、インキの安定性の向上を目的として、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の水溶性樹脂や、多糖類、セルロース誘導体等の水溶性高分子等を併用したものを用いてもよい。
また、昇華性物質非保有部4bを形成する水性インキとしては、例えば、ラテックス樹脂を主成分とするバインダー樹脂を用いてもよい。この場合、ラテックス樹脂としては、例えばスチレン−ブタジエン系、アクリロニトリル−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等を用いることが可能である。
昇華性物質非保有部4bの形成方法には、特に制約はなく、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、凸版印刷法、インクジェット印刷法等の任意の印刷方法を用いることが可能である。
また、下地着色を目的としてベタインキ層を設ける場合には、ベタインキ層の形成方法として、上記各種の印刷方法の他に、例えば、ロールコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、スプレーコート法、リップコート法、ダイコート法等、任意のコーティング方法を用いることが可能である。
(化粧板の構成)
図1を参照しつつ、図2を用いて、化粧板10の製造方法を説明する。
図2中に表すように、化粧板10(樹脂含浸化粧板)は、化粧シート1と、基材6と、樹脂層8を備えている。
基材6は、化粧シート1のうち、原紙2の他方の面に一体化されている。
基材6を原紙2に一体化する際には、例えば、化粧シート1を基材6に載置し、化粧シート1の表面に金属板(鏡面板)を載置して、加熱加圧成形する。
基材6の種類には、特に制約は無く、目的とする化粧板10の用途に応じて任意である。したがって、基材6としては、例えば、木質基材、繊維質基材、無機質基材、金属基材、合成樹脂基材等を単独で、または、二種以上の複合体または積層体等を適宜使用することが可能である。
木質基材としては、木材単板、合板、集成材、パーティクルボード、中密度繊維板、硬質繊維板等を用いることが可能である。
繊維質基材としては、板紙、織布、不織布、樹脂含浸紙、樹脂含浸布等を用いることが可能である。
無機質基材としては、石膏ボード、スレート板、珪酸カルシウム板、スラグ石膏板、木毛セメント板、スラグセメント板、軽量気泡コンクリート板、ガラス繊維強化コンクリート板等を用いることが可能である。
金属基材としては、鋼板、真鍮板、アルミニウム板、ジュラルミン板、ステンレス板等を用いることが可能である。
合成樹脂基材としては、アクリル樹脂板、スチロール樹脂板、ABS樹脂板、ポリカーボネート樹脂板、ナイロン樹脂板、ポリスチレン樹脂板、ポリプロピレン樹脂板、ポリエステル樹脂板、ガラス繊維強化プラスチック板等を用いることが可能である。
基材6上に化粧シート1を積層する際には、必要に応じて適宜選択した接着剤を介して積層しても良いし、接着剤等を介さずに直接積層しても良い。また、必要に応じて、メラミン樹脂化粧板等における構成と同様、コア紙を介して積層することも可能である。
コア紙とは、例えば、チタン紙、晒クラフト紙、未晒クラフト紙、ガラス繊維不織布等、適宜選択した原紙に、未硬化状態の熱硬化性樹脂が含浸されているものである。未硬化状態の熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂等を用いることが可能であり、化粧板10に要求される物性等に応じて、適宜選択すれば良い。具体例としては、メラミン樹脂化粧板用のコア紙として広く採用されている、フェノール樹脂含浸クラフト紙等を使用することが可能である。
化粧シート1を基材6上に積層して接着するための加熱加圧成形方法としては、金属板を当接して平圧プレスする方法の他に、円圧式の連続ラミネート方式を用いることも可能である。特に、金属製無端ベルトを使用した連続ラミネート方式を用いると、表面の反りや波打ち等が無く、さらに、層間の密着性が良く、稠密に硬化一体化された高品質の化粧板10を、高速度で連続的に製造可能な利点が有る。
加熱加圧成形の工程において、成形後の表面形状は、使用する金属板、金属製無端ベルト、硬化型樹脂等で作製されたエンボスシートの表面形状が、そのまま賦形されたものとなる。このため、金属板、金属製無端ベルト、硬化型樹脂等で作製されたエンボスシートとして、表面が鏡面状等の平滑面に研磨されたものを使用することで、表面の光沢度や平滑性に優れた化粧板10を得ることが可能である。
もっとも、必要に応じて、所望する任意の艶消状、テクスチャー状の金属板、金属製無端ベルト硬化型樹脂等で作製されたエンボスシートを使用することによって、所望する任意の表面仕上げ状態である化粧板10を得ることも可能である。
(化粧シート1の製造方法)
図1を参照して、化粧シート1の製造方法を説明する。
化粧シート1の製造方法は、原紙2と、原紙2の一方の面に積層された絵柄模様層4を備える化粧シート1を形成する方法であり、昇華性物質印刷工程を含む。
昇華性物質印刷工程は、絵柄模様層4の少なくとも一部に、昇華性物質を印刷する工程である。
昇華性物質印刷工程では、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等、任意の印刷方法を用いて、絵柄模様層4の少なくとも一部に、昇華性物質を印刷する。
(化粧板10の製造方法)
図2を参照して、化粧板10の製造方法を説明する。
化粧板10の製造方法は、原紙2と、原紙2の一方の面に積層された絵柄模様層4と、原紙2の他方の面に一体化された基材6を備える化粧板10を形成する方法であり、熱硬化性樹脂含浸工程と、一体化工程を含む。
熱硬化性樹脂含浸工程は、原紙2に熱硬化性樹脂を含浸させる工程である。
一体化工程は、熱硬化性樹脂含浸工程の後工程であり、熱硬化性樹脂含浸工程で熱硬化性樹脂を含浸させた原紙2を、基材6に積層して加熱加圧成形して、原紙2と基材6とを一体化する工程である。
なお、上述した第一実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第一実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第一実施形態の効果)
第一実施形態の化粧シート1であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)原紙2と、原紙2の一方の面に積層された絵柄模様層4を備え、絵柄模様層4の少なくとも一部が、昇華性物質を含む。
このため、化粧シート1を基材6に積層して加熱加圧成形する際に、昇華性物質が昇華することで、成形された化粧板10の上に、表面凹凸がある部分と、表面凹凸がない部分とを設けて、グロスマット表現を行うことが可能となる。
その結果、製造コストの増加を抑制するとともにグロスマット表現が可能な、化粧シート1を提供することが可能となる。
また、第一実施形態の化粧板10であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(2)原紙2が熱硬化性樹脂を含浸している化粧シート1と、加熱加圧成形により原紙2の他方の面に一体化された基材6を備える。
このため、化粧シート1を基材6に積層して加熱加圧成形する際に、昇華性物質が昇華することで、成形された化粧板10の上に、表面凹凸がある部分と、表面凹凸がない部分とを設けて、グロスマット表現を行うことが可能となる。
その結果、製造コストの増加を抑制するとともにグロスマット表現が可能な、化粧板10を提供することが可能となる。
また、第一実施形態の化粧シート1の製造方法であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(3)絵柄模様層4の少なくとも一部に、昇華性物質を印刷する昇華性物質印刷工程を含む。
このため、化粧シート1を基材6に積層して加熱加圧成形する際に、昇華性物質が昇華することで、成形された化粧板10の上に、表面凹凸がある部分と、表面凹凸がない部分とを設けて、グロスマット表現を行うことが可能となる。
その結果、製造コストの増加を抑制するとともにグロスマット表現が可能な、化粧シート1の製造方法を提供することが可能となる。
また、第一実施形態の化粧板10の製造方法であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(4)原紙2に熱硬化性樹脂を含浸させる熱硬化性樹脂含浸工程と、熱硬化性樹脂含浸工程で熱硬化性樹脂を含浸させた原紙2を基材6に積層して加熱加圧成形して、原紙2と基材6とを一体化する一体化工程を含む。
このため、化粧シート1を基材6に積層して加熱加圧成形する際に、昇華性物質が昇華することで、成形された化粧板10の上に、表面凹凸がある部分と、表面凹凸がない部分とを設けて、グロスマット表現を行うことが可能となる。
その結果、製造コストの増加を抑制するとともにグロスマット表現が可能な、化粧板10の製造方法を提供することが可能となる。
第一実施形態を参照しつつ、以下に記載する実施例により、実施例1から実施例4の化粧板10と、比較例1及び比較例2の化粧板について説明する。
(実施例1)
実施例1の化粧板10は、以下の構成を有する(図2を参照)。
原紙2は、吸水性の良い坪量80[g/m]の化粧紙用チタン紙を用いて形成した。
昇華性物質非保有部4bは、カゼインを主成分とした水性インキを使用して、ダイレクトグラビア印刷方式によって木目模様を印刷することで形成した。
昇華性物質保有部4aは、昇華性物質非保有部4bを形成した後に、インラインで昇華性物質である水性インキを使用し、ダイレクトグラビア印刷方式によって、昇華性物質非保有部4bの木目模様と同調した導管模様状に塗工して形成した。昇華性物質保有部4aに使用した水性インキには、140[℃]で昇華するアミノトリアゾール系物質を、10.0質量[%]含有するインキを用いた。
そして、昇華性物質保有部4a及び昇華性物質非保有部4bを形成した後に、原紙2に水性メラミン系樹脂液を浸漬含浸し、十分に乾燥させることで、化粧シート1を作製した。その際、化粧シート1の坪量が200[g/m]となるように、水性メラミン系樹脂液の含浸量を調節した。
さらに、化粧シート1を、パーティクルボードを用いて形成した基材6の上に載せ、化粧シート1の表面に鏡面板を当接させて加熱加圧成形硬化させることで、化粧板10を形成した。
(実施例2)
実施例2の化粧シート1は、昇華性物質保有部4aが含む昇華性物質を、200[℃]で昇華するベンゾトリアゾール系物質とした点を除き、実施例1の化粧シート1と同様の構成である。
(実施例3)
実施例3の化粧シート1は、昇華性物質保有部4aが含む昇華性物質を、100[℃]で昇華する安息香酸系物質とした点を除き、実施例1の化粧シート1と同様の構成である。
(実施例4)
実施例4の化粧シート1は、昇華性物質保有部4aが含む昇華性物質を、290[℃]で昇華するトリアジン系物質とした点を除き、実施例1の化粧シート1と同様の構成である。
(比較例1)
比較例1の化粧シートは、昇華性物質保有部が含む昇華性物質を、60[℃]で昇華するヨウ素とした点を除き、実施例1の化粧シート1と同様の構成である。
(比較例2)
比較例2の化粧シートは、昇華性物質保有部が含む昇華性物質を、320[℃]で昇華するテレフタル酸系物質とした点を除き、実施例1の化粧シート1と同様の構成である。
(性能評価)
実施例1から実施例4の化粧板10と、比較例1及び比較例2の化粧板に対し、それぞれ、加熱加圧成形後に表面凹凸の艶差によって発現されるグロスマット表現の程度について、性能評価を行った。評価結果は、表1中に表す。
Figure 2019077158
(評価結果)
表1中に表されるように、実施例1はグロスマット表現が良好(表中に「◎」で示す)であり、実施例2は軽微なグロスマット表現が可能(表中に「○」で示す)であることが確認された。また、実施例3及び実施例4は、極軽微なグロスマット表現が可能(表中に「△」で示す)であることが確認された。
一方、比較例1は、昇華性物質保有部が含む昇華性物質が、印刷工程、または、乾燥工程で昇華したため、グロスマット表現が不可能(表中に「×」で示す)であることが確認された。また、比較例2は、昇華性物質保有部が含む昇華性物質が、いずれの工程でも昇華せず、グロスマット表現が不可能(表中に「×」で示す)であることが確認された。
したがって、実施例1から実施例4の化粧板10は、比較例1及び比較例2の樹脂含浸化粧よりも、グロスマット表現の程度が良好であることが確認された。
本発明の化粧シート及びその製造方法と、化粧板及びその製造方法は、建築物の床面、壁面、天井等の内装、家具、各種キャビネット等の表面装飾材料、建具の表面化粧、車両の内装等に用いる表面化粧用として利用が可能である。
1…化粧シート、2…原紙、4…絵柄模様層、4a…昇華性物質保有部、4b…昇華性物質非保有部、6…基材、8…樹脂層、10…化粧板

Claims (7)

  1. 原紙と、
    前記原紙の一方の面に積層された絵柄模様層と、を備える化粧シートであって、
    前記絵柄模様層の少なくとも一部は、昇華性物質を含むことを特徴とする化粧シート。
  2. 前記絵柄模様層は、前記昇華性物質を含む昇華性物質保有部と、前記昇華性物質を含まない昇華性物質非保有部と、を有し
    前記昇華性物質非保有部が形成する模様の位置と、前記昇華性物質保有部が形成する模様の位置と、が同調していることを特徴とする請求項1に記載した化粧シート。
  3. 前記昇華性物質は、100℃以上290℃以下の範囲内で昇華する結晶体を含有していることを特徴とする請求項2に記載した化粧シート。
  4. 前記原紙は、熱硬化性樹脂を含浸していることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載した化粧シート。
  5. 請求項4に記載した化粧シートと、加熱加圧成形により前記原紙の他方の面に一体化された基材と、を備えることを特徴とする化粧板。
  6. 原紙と、前記原紙の一方の面に積層された絵柄模様層と、を備える化粧シートの製造方法であって、
    前記絵柄模様層の少なくとも一部に、昇華性物質を印刷する昇華性物質印刷工程を含むことを特徴とする化粧シートの製造方法。
  7. 原紙と、前記原紙の一方の面に積層された絵柄模様層と、前記原紙の他方の面に一体化された基材と、化粧板の製造方法であって、
    前記原紙に熱硬化性樹脂を含浸させる熱硬化性樹脂含浸工程と、
    前記熱硬化性樹脂含浸工程で熱硬化性樹脂を含浸させた原紙を前記基材に積層して加熱加圧成形して、前記原紙と前記基材とを一体化する一体化工程と、を含むことを特徴とする化粧板の製造方法。
JP2017208284A 2017-10-27 2017-10-27 化粧シート、化粧板、化粧シートの製造方法、化粧板の製造方法 Pending JP2019077158A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017208284A JP2019077158A (ja) 2017-10-27 2017-10-27 化粧シート、化粧板、化粧シートの製造方法、化粧板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017208284A JP2019077158A (ja) 2017-10-27 2017-10-27 化粧シート、化粧板、化粧シートの製造方法、化粧板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019077158A true JP2019077158A (ja) 2019-05-23

Family

ID=66626279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017208284A Pending JP2019077158A (ja) 2017-10-27 2017-10-27 化粧シート、化粧板、化粧シートの製造方法、化粧板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019077158A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024045662A1 (zh) * 2022-08-31 2024-03-07 荣耀终端有限公司 电子设备、壳体及其制作方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4870783A (ja) * 1971-12-27 1973-09-25
JPS4835441B1 (ja) * 1970-03-20 1973-10-27
JPS5371911A (en) * 1976-12-04 1978-06-26 Toppan Printing Co Ltd Decorative plate and method of producing same
JPS53110678A (en) * 1977-03-08 1978-09-27 Dainippon Printing Co Ltd Manufacture of decorative board
JP3915357B2 (ja) * 2000-01-12 2007-05-16 凸版印刷株式会社 熱硬化性樹脂化粧板の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4835441B1 (ja) * 1970-03-20 1973-10-27
JPS4870783A (ja) * 1971-12-27 1973-09-25
JPS5371911A (en) * 1976-12-04 1978-06-26 Toppan Printing Co Ltd Decorative plate and method of producing same
JPS53110678A (en) * 1977-03-08 1978-09-27 Dainippon Printing Co Ltd Manufacture of decorative board
JP3915357B2 (ja) * 2000-01-12 2007-05-16 凸版印刷株式会社 熱硬化性樹脂化粧板の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024045662A1 (zh) * 2022-08-31 2024-03-07 荣耀终端有限公司 电子设备、壳体及其制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014524368A (ja) 装飾された壁、天井または床板の製造方法
KR102693750B1 (ko) 수지 함침 화장판용 화장지, 수지 함침 화장지 및 수지 함침 화장판
JP7000700B2 (ja) 樹脂含浸化粧板用化粧紙及び樹脂含浸化粧板
JP6953959B2 (ja) 微細柄凹凸模様賦型シートの製造方法及び該製造方法で作製された賦型シート
WO2021235122A1 (ja) 樹脂含浸化粧紙、及び樹脂含浸化粧板
JP2019059143A (ja) 微細柄凹凸模様を賦型する賦型シートの製造方法及び該製造方法で作製された賦型シート
JP4269513B2 (ja) 熱硬化性樹脂化粧板の製造方法
RU2588624C1 (ru) Способ получения декорированного листа и его применение
JP2019077158A (ja) 化粧シート、化粧板、化粧シートの製造方法、化粧板の製造方法
JP2018126904A (ja) 樹脂含浸化粧板用化粧紙、樹脂含浸化粧板及び樹脂含浸化粧板の製造方法
JP7383228B2 (ja) 樹脂含浸化粧紙、及び樹脂含浸化粧板
EP3403847B1 (de) Verfahren zur herstellung einer mehrschichtigen materialbahn mit dekorsynchron strukturierter oberfläche sowie die verwendung derselben
JP3915357B2 (ja) 熱硬化性樹脂化粧板の製造方法
JP4269446B2 (ja) 熱硬化性樹脂化粧板及びその製造方法
JPS602989B2 (ja) 剥離シ−ト及びその製造方法
JP7127348B2 (ja) 印刷用チタン紙及び化粧板
JP2019123188A (ja) 化粧シート、化粧板、化粧シートの製造方法及び化粧板の製造方法
RU2790127C1 (ru) Пропитанный смолой декоративный бумажный лист и пропитанная смолой декоративная панель
JP4270672B2 (ja) 化粧シート、該化粧シートを使用した化粧材、及び該化粧シートの製造方法
JP2006231769A (ja) 内部エンボス化粧板
JP2626762B2 (ja) 着色塗装した硬化型樹脂化粧板の製造方法
JP4372913B2 (ja) 化粧材
JP2006088506A (ja) 内部エンボス化粧板
JPH0570584B2 (ja)
JPH04348944A (ja) 化粧板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210823

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220224

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220224

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20220308

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220315

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20220401

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20220405

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20230104

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20230307

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20230322

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20230425

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20230425