JP2000240182A - 建装部材用断熱性複合シートおよび断熱性建装部材 - Google Patents

建装部材用断熱性複合シートおよび断熱性建装部材

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JP2000240182A
JP2000240182A JP11043803A JP4380399A JP2000240182A JP 2000240182 A JP2000240182 A JP 2000240182A JP 11043803 A JP11043803 A JP 11043803A JP 4380399 A JP4380399 A JP 4380399A JP 2000240182 A JP2000240182 A JP 2000240182A
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heat
sheet
building
heat insulating
composite sheet
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JP11043803A
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English (en)
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Ryohei Nagata
良平 永田
Runa Nakamura
瑠奈 中村
Daisaku Haoto
大作 羽音
Kimiharu Sato
公治 佐藤
Kiyokazu Takeshita
清和 武下
Motohiro Oka
素裕 岡
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】アルミニウム製等の熱伝導性の建装部材の表裏
の間をプラスチック等により遮断したり、あるいは建装
部材を二重または三重に使用して熱の伝導を抑制するこ
となく、熱の伝導をできるだけ遮断することを課題とし
ている。 【解決手段】ポリエチレン等の2枚のフィルム22、2
4の間に背丈の低い円柱状の気泡23が密封された構造
の気泡シート1を断熱性素材として使用すると、これら
の素材は、圧縮にも強く、従って、使用中に経時的に断
熱性が低下することがない、良好な断熱性が維持できる
ことができ、建装部材に貼るのに最適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建装部材に適用し
て、その表面に断熱性を与えることにより、建装部材の
断熱性を向上させることが可能な建装部材用断熱性複合
シートと、その建装部材用断熱性複合シートを適用した
断熱性建装部材とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】元来の建築物の目的は、居住者を外部環
境から遮蔽して保護することであり、風雨を防ぎ、また
極端な寒暖の変化を緩和することにある。このため、建
築物を構成する各種建築材料としては、古くから、雨漏
りせず、風を遮り、ある程度の断熱性を備えたものを使
用してきた。しかしながら、最近は、季節的な暖房、冷
房に止まらず、年間を通じ、また24時間、快適な居住
環境を維持する機器を備えた住居も多くなっており、エ
ネルギーの消費が増大していることから、エネルギー効
率の向上が図られている。
【0003】このため、住宅の壁の外壁と内壁との間に
は、断熱材が充填され、室内が過度に昇温・降温しない
よう対策が講じられているが、開口部材である、ドア、
ガラス戸、および窓等については、壁ほど、断熱対策が
講じられていない。特にわが国では、東北以北を除け
ば、比較的温暖な気候帯に存在するため、年間を通じて
太陽光が十分得られ、かつ、夏期においては通風に有利
な構造とする方式が伝統的に行なわれ、冬季の気温の低
い欧米主要国にくらべて、開口部を多く取ることが一般
的である。
【0004】開口部材であるドアのパネルやガラス引き
戸、窓等において使用されるガラスは比較的、熱の不良
導体であるが、パネル本体やガラスを囲んで支える窓枠
には、一部に鉄製や塩ビ製のものが使われているのを除
けば、ほとんどにおいてアルミニウム製のものが使用さ
れ、熱の良導体(=熱伝導性)である。アルミニウム製
のような熱伝導性の建装部材は、錆びにくい、腐らな
い、軽量で施工や使用が楽である、清潔感がある、およ
び塗装が不要である等の利点がある一方、熱の良導体で
あるために、冬季等においては、屋外の低い温度を伝
え、室内側の表面が低温になる。このため、室内の空気
中の水分がアルミニウム製建装1の表面で結露し、甚だ
しいときは、水滴となって付着し、やがて、流れ落ちる
こともある。アルミニウム製のものを鉄製に変えると、
幾分、熱を伝えにくくはなるが、熱の不良導体というほ
どのものではなく、本質的には差がほとんど無いと言っ
てよい。
【0005】従って、建装部材の表裏の間をプラスチッ
ク等により遮断したり、二重または三重に使用して熱の
伝導を抑制する方法もあるが、前者の方法によると、建
装部材の強度を低下させることにつながり、後者の方法
によると、建装部材のうち、アルミニウム等の熱伝導性
の金属の占める厚みが増す不利がある上、素材を2倍ま
たは3倍使用することにより高価になる不利が避けられ
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明において
は、アルミニウム製等の熱伝導性の建装部材の表裏の間
をプラスチック等により遮断したり、あるいは建装部材
を二重または三重に使用して熱の伝導を抑制することな
く、従って、建装部材の強度を低下させたり、素材の厚
みが増す不利を生じることなく、熱の伝導をできるだけ
遮断することを課題としている。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明においては、種々の断熱
性素材を検討したところ、ポリエチレン等の2枚のフィ
ルムの間に背丈の低い円柱状の気泡が密封された構造の
気泡シートを断熱性素材として使用すると、これらの素
材は、圧縮にも強く、従って、使用中に経時的に断熱性
が低下することがなく、良好な断熱性が維持でき、さら
に複雑な凹凸形状を表面に有する対象に対しても、その
形状に沿って柔軟に追従させて接着できるなどの長所も
見られることが判明し、本発明に至った。
【0008】請求項1の発明は、複数の薄いフィルム
が、間に密封された多数の空気室を有して積層されてな
る気泡シートの少なくとも片側に低透湿性シートが積層
されたことを特徴とする建装部材用断熱性複合シートに
関するものである。
【0009】請求項2の発明は、複数の薄いフィルム
が、間に密封された多数の空気室を有して積層されてな
る気泡シートの両側に低透湿性シートが積層されたこと
を特徴とする建装部材用断熱性複合シートに関するもの
である。
【0010】請求項3の発明は、請求項1または2にお
いて、気泡シートが二重構造である建装部材用断熱性複
合シートに関するものである。
【0011】請求項4の発明は、請求項1〜3いずれか
において、気泡シートの個々の気泡の大きさが、直径が
0.5〜3mm、高さが0.5〜2mmであることを特
徴とする建装部材用断熱性複合シートに関するものであ
る。
【0012】請求項5の発明は、請求項1〜3いずれか
において、化粧が施されたことを特徴とする建装部材用
断熱性複合シートに関するものである。
【0013】請求項6の発明は、請求項5において、着
色、印刷、エンボス、またはワイピング塗装の少なくと
もいずれかにより化粧が施されたことを特徴とする建装
部材用断熱性複合シートに関するものである。
【0014】請求項7の発明は、請求項5または6にお
いて、化粧を保護する保護層がさらに積層された建装部
材用断熱性複合シートに関するものである。
【0015】請求項8の発明は、熱伝導性の素材からな
る板、またはパネルに、請求項1〜7いずれかの建装部
材用断熱性複合シートが積層されたことを特徴とする断
熱性建装部材に関するものである。
【0016】請求項9の発明は、請求項1〜7いずれか
記載の熱伝導性の素材からなる押し出し型材に、建装部
材用断熱性複合シートが積層されたことを特徴とする断
熱性建装部材に関するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】まず、図を引用しながら、本発明
の建装部材用断熱性複合シートおよび断熱性建装部材の
構造について説明する。図1(a)は本発明の建装部材
用断熱性複合シートに用いる断熱性シート21の構造例
を示す断面図であり、2枚のポリエチレン樹脂製等の薄
い合成樹脂フィルム22、24どうしが熱シール等によ
り積層され、かつ、それらの間に、密封された空気を含
む互いに独立した空気室23を多数有する気泡シートで
ある。このような構造の断熱性シート21は、2枚のう
ち片側の、例えば上層のフィルム22をエンボスや真空
成形の手段で所定の形とし、他方のフラットな(この場
合下層の)フィルムと重ねて、空気室23となる区域以
外を熱シールすることにより製造することができる。こ
の形のものは、片側が平らなのが扱いやすいが、両側の
フィルムが成形されていてもよい(図示せず。)。上
層、および下層の両フィルムは薄いため、上層用のフィ
ルム22単独を成形しただけの状態では、自身の形を保
つことが難しく、下層のフィルム24と積層し、空気室
23に空気が入ることにより、初めて形が保たれる点
で、段ボール紙の内層にあるジグザグに成形されたコル
ゲート紙やプラスチックのエンボスシートとは相違す
る。
【0018】包装用の緩衝材の場合、空気室は直径が1
0mmで、高さが4mm程度であり、形は円柱形である
ものが普通であるが、本発明の断熱性シート21におけ
る空気室23は、形は同様に円柱形で、ただし、直径が
0.5〜3mm、高さが0.5〜2mmと小さいものが
好ましい。包装用の緩衝材にくらべ、断熱性シートとし
ては薄いものが望まれるため、高さが低いものであるこ
とが必要で、また、直径も小さい方がつぶれにくいから
である。なお、形状としては、上面から見たときに円形
となるもの(=円柱形)が、圧力がかかったときに、破
れにくく、適しているが、平面形状が円形、楕円形等の
曲線で構成されたものの他に多角形のものでもよい。
【0019】上記の断熱性シート21は、そのままの状
態で断熱を必要とする対象に貼ることにより、断熱性を
付与することができるが、長期間使用したり、人や物が
接触しやすい部位で使用するには、強度が弱く、破損し
て断熱性を損なう恐れが少なくない。このため、断熱性
シート21を適当なシートで被覆することが好ましく、
被覆するシートとしては、用途を考慮すると湿気を通さ
ない、低透湿性シートを使用することが好ましい。図1
(b)〜(d)は、いずれも、断熱性シート21に低透
湿性シートを被覆した構造例を示す断面図で、図1
(b)、(c)に示すように、断熱性シート21の片側
に低透湿性シート31を積層した構造(符号1a、また
は1b)のものや、図1(d)に示すように、断熱性シ
ート21の両面に低透湿性シート31、および31’を
積層した構造(符号1’)のものである。図1(d)に
示す構造の場合には、低透湿性シート31、および3
1’の端部どうしを熱シールするか接着して、断熱性シ
ート21を2枚の低透湿性シート31、および31’に
より密封すると、端面からの湿気の侵入を防止できるの
で好ましい。
【0020】図2に示すように、断熱性シート21’
は、3枚のフィルム22、24、および22’とが積層
され、22と24の間、および24と22’の間にそれ
ぞれ空気室23、および23’を有する二重構造の気泡
シートであってもよく、複数のフィルム間に、空気室が
密封された構造のものであればよい。この断熱性シート
21’も、上記の断熱性シート21と同様、単独でも使
用できるが、片面または両面を低透湿性シートにより被
覆して使用することが好ましい。
【0021】本発明の建装部材用断熱性複合シート1
a、1b、または1’(以降、符号1で代表させる。)
は、後に述べるように、建装部材の表面に積層するもの
であり、最外層に露出するものであるので、何らかの化
粧(装飾と言ってもよい)を施したものであることが望
ましい。化粧の施し方としては種々のものがあるが、着
色、印刷、エンボス、またはワイピング塗装が代表的で
あり、これらのうちから任意に選択して、1種または2
種以上が組み合わせて施されてあってもよい。
【0022】図3は化粧の様子を示すもので、図3
(a)は断熱性シート1に着色を施した状態を示す。こ
こで断熱性シート1は、図1(a)〜(d)、ならび
に、図2およびその片面または両面被覆タイプを意味す
る。着色は、図3(a)にイメージ的に示すように、断
熱性シート1の厚み方向全体に施されていても、観察側
になる片側の表面のみに施されていてもよい。また、着
色しただけでもよいが、さらに、保護層5が積層してあ
ってもよい。保護層2の積層は任意であって、図3
(b)〜図3(d)を引用して行なう説明においても、
その都度の説明は省くが、同様である。図3(b)は、
断熱性シート1に印刷して模様を施した状態を示すもの
で、模様は着色層3aと絵柄3bとからなっているが、
着色層3aは省いてもよい。図3(c)は、エンボス4
を施した状態を示し、図3(d)は、エンボス4の部分
に、ワイピング塗装により着色剤5を充填した様子を示
す。以下に、各層を構成する素材、形成方法等について
説明する。
【0023】建装材用断熱性複合シート1を構成する断
熱性シート21は、空気室23が膨張したり、収縮しな
い程度に空気を透過しない材料で構成されていることが
必要で、断熱性シート21全体としては、建装部材の種
々の形状に合わせて貼る必要上、フレキシブルであるこ
とが望まれる。このため、断熱性シート21は、プラス
チックフィルムを素材として構成されたシートであるこ
とが好ましく、プラスチックフィルムとしては、次のよ
うな合成樹脂からなるフィルムを使用することができ
る。即ち、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポ
リメチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコ
ール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレー
ト−イソフタレート共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチ
ル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリアクリル酸
ブチル樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表され
るポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファ
ン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
リレート樹脂、又はポリイミド樹脂等からなるフィルム
である。
【0024】低透湿性シート31は、隣接する断熱性シ
ート21への透湿を抑制するか、実質上無くすもので、
断熱性シート21自身が湿気を吸収する等により、断熱
性が低下することを防止するものである。低透湿性シー
ト31は、断熱性シート21の片面にのみ積層する場合
と、両面に積層する場合とがあるが、片面にのみ積層し
てある場合で、吸湿の程度が大きい懸念のある環境下で
使用する場合、あるいは外力のかかることが予想される
場合には、低透湿性シート31の積層してない側が、断
熱性を付与すべき対象側になるよう、向きを考慮して適
用することが好ましい。低透湿性シート31と断熱性シ
ート21との積層は、接着剤を使用するか、熱シールに
よって行なうが、断熱性シート21の表裏の両面に低透
湿性シート31を配置し、しかも、低透湿性シート31
どうしの端面をシールする場合には、低透湿性シート3
1と断熱性シート21とを接着しないこともあり得る。
一般的には、低透湿性シート31を積層しても、断熱性
シート21の端面は、空気中に露出するため、端面から
の吸湿が問題になる場合には、端面に樹脂塗料を塗布す
るか、火炎で素材を溶融させる等してシールするとよ
い。
【0025】低透湿性シート31の素材としては、断熱
性シートの素材として前記したものと同様なものが使用
できる。必要に応じて、透湿性の低いポリ塩化ビニリデ
ン樹脂等の樹脂バインダーの塗料を塗布するか、アルミ
ニウム等の金属や、アルミニウム、ケイ素、またはチタ
ン等の金属酸化物を使用して薄膜を形成し、より低透湿
性として使用することが好ましい。なお、熱伝導性から
すると若干不利ではあるが、断熱性シート21が湿気を
吸収するのを防止する観点からは、金属箔を積層した
り、上記の合成樹脂シートを構成する合成樹脂と同様な
樹脂をバインダーとする塗料の塗膜を形成して、低湿性
シートに代えることもできる。
【0026】本発明の建装部材用断熱性複合シート1
は、人目に触れない建装部材の内部に適用されるとき
は、必ずしも外観を改善する必要がないが、建装部材の
最外面に適用される場合には、素材そのものの外観だけ
ではなく、何らかの化粧の手段を講じておく。化粧に
は、先に図3を引用して説明したように、着色、印刷、
エンボス、またはワイピング塗装等があり、化粧に加え
て、保護層がさらに積層されることがある。
【0027】化粧を施す部位は、建装部材用断熱性複合
シート1の表裏のいずれの面でもよいが、化粧を施した
側の面を外向きにするか、あるいは、そうでない場合に
は、素材を通して化粧が透視できるように施す。保護層
で化粧上を被覆する場合は、保護層は下層の透視性の確
保の点から、無色透明または有色透明であることが望ま
しい。
【0028】保護層は、合成樹脂塗料の塗膜で構成する
か、場合によっては、合成樹脂フィルムの積層によって
構成してもよい。合成樹脂塗料の塗膜としては、熱可塑
性樹脂を用いたものでもよいが、ポリウレタン樹脂等の
熱硬化性樹脂の硬化した塗膜が耐久性の点で優れてお
り、さらに電離放射線硬化性のポリマーまたはプレポリ
マーを用いて調製した電離放射線硬化性樹脂組成物の塗
布、および電離放射線の照射により架橋硬化させて得ら
れる塗膜で構成すると、なお、一層、下層の保護効果が
向上する。
【0029】着色は、建装部材用断熱性複合シート1に
直接に塗装、または含浸する等して施すか、断熱性シー
ト21や低透湿性シート31の片方又は両方を構成する
素材を予め着色しておく。あるいは、素材フィルム製造
と同時に着色しておくか、シート化した後、染色、塗装
等により、シートを着色する。なお、着色は、顔料、染
料を必要に応じてバインダー樹脂と混練して作った塗料
組成物を使用して行なう。
【0030】印刷は、建装部材用断熱性複合シート1に
行なってもよいが、建装部材用断熱性複合シート1の観
察側の表面が凹凸形状を有する場合には、その面に印刷
を鮮明に行なうには支障がある。そのような場合には、
直接印刷せず、転写した方が印刷効果が上がる。片面が
凹凸を有しない場合には、そこに印刷して観察側から見
える限り、凹凸のない側に印刷してもよい。印刷の際
に、模様のみを印刷してもよいが、下地色を整える意味
で、均一な着色層3aを形成しておいてから、模様3b
を印刷するとよい。なお、低透湿性シート31として
は、表面が平坦なものを使用することが普通なので、低
透湿性シート31が観察側になる限り、その表面に印刷
するとよく、低透湿性シート31が透明であれば、その
裏面への印刷を行なってもよい。
【0031】エンボスは、通常、型ロールを使用する
か、平らな板状の型を使用して加熱・加圧することによ
り形成する。エンボスは積層した建装部材用断熱性複合
シート1、断熱性シート21、または低透湿性シート3
1のいずれにも行なえ、必ずしも、表面に凹凸を形成せ
ず、内部に形成することもある。断熱性シートにエンボ
スの熱・圧力がかかった際に、断熱性シート21がつぶ
れてしまう懸念があるときは、浅目に行なうのがよい
が、断熱性シートの多くは、復元性がある。エンボスの
模様は種々あり、木目、石目、布目、またはその他のも
のがある。
【0032】エンボスした後は、そのままでもよいが、
エンボスによって生じた凹部にインキ状のものを充填す
るワイピング塗装が行なえる。ワイピング塗装自体は、
エンボス4の部分にインキ状の着色剤5をたらして、ス
キージーのようなものでかき取ることにより簡便に行
え、印刷に類似した効果を与えるが、印刷よりも着色剤
の転移量が多いので、より深みが得られる。以上の着
色、印刷、エンボス、またはワイピング塗装等は、任意
に組み合わせて行ない、建装材用断熱性複合シート1
に、素材の持つ感じに加えて、外観の意匠を与える。
【0033】本発明の建装部材用断熱性複合シート1
は、各種の建装部材に貼る等して断熱材として使用する
ことができる。図4は、枠6の表裏に、板状体7および
7’を積層した熱伝導性のパネル8状の建装部材の片面
に建装部材用断熱性複合シート1を積層して断熱性とし
た例であり、積層は粘着剤、接着剤を介して行なうか、
熱シール、あるいは、粘着テープ、釘、針金等で止め付
けてもよい。このため、建装部材用断熱性複合シート1
には予め、粘着剤を適用しておくとよく、次の図5を引
用して説明する別のタイプの建装部材においても同様で
ある。図4のような構造としたものは、ドア、壁面、天
井面、または床面等に、あるいは、断熱の必要なキャビ
ネット等に利用でき、ある程度広い面積の断熱が行なえ
る。
【0034】図5は、アルミニウム等でできた、中空角
柱の一つの側面が長さ方向に沿って、中央付近を一定幅
で除去された形の熱伝導性の押し出し型材11の表面
に、本発明の建装部材用断熱性複合シート1を積層した
断熱性建装部材の例である。押し出し型材11の形状と
しては、他のものであってもよい。積層は粘着剤、また
は接着剤を介して行なうとよいが、他の方法も取ること
かできる。ただし、単なる円柱や角柱の場合には、建装
部材用断熱性複合シート1を熱収縮性の素材が構成して
おき、円柱や角柱よりも若干太めのチューブ状に作成し
て被せ、加熱することにより、必ずしも接着剤を伴わな
い積層も可能であり、また、これら以外の積層の方法も
取ることができる。図5に示すような構造のものは、押
し出し型材11の用途にもよるが、柱、幅木、鴨居、敷
居等や引き戸や開き戸等の戸自身の枠、戸を取り付ける
ための枠等に利用できる。
【0035】
【実施例】2軸延伸したポリエチレンテレフタレート
(=PET)樹脂フィルムの片面に防湿層として、厚み
0.1μmのアルミニウム蒸着層を形成したものを2枚
準備し、片方のフィルムにはアルミニウム蒸着層上に印
刷して絵柄を形成し、もう一方のフィルムは絵柄を形成
せず、両フィルムのPET樹脂面が露出した方の面にコ
ロナ放電処理を行なった。別に、気泡シートとして、図
1(a)に示す断面構造を持ち、直径が2mm、高さが
1mmの円柱形の空気室を多数有するものを準備し、上
記の、2枚のPET樹脂フィルムのコロナ放電処理した
面どうしを内側にして、向かい合わせ、間に気泡シート
をはさんで、接着剤を用いて貼り合わせを行ない、建装
部材用断熱性複合シートを得た。
【0036】得られた建装材用断熱性複合シートの断熱
性の評価方法は次のようにした。厚み1mmのアルミニ
ウム板で作った箱型の舟を準備し、舟底の一部に上記実
施例で得た試料の建装部材用断熱性複合シートを、両面
粘着テープで貼り合わせた後、室温(25℃)の環境下
で、氷水の入った水槽に舟を浮かべた。浮かべた後、3
0分間置いて、温度が平衡状態になったときの、建装材
用断熱性複合シートの表面温度(表中の「試料温度」)
および露出している部分の舟の底板の温度(表中の「ア
ルミニウム温度」)を、測定する部分を変えて3点ずつ
測定した結果を「表1」に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、建装部材の表
裏の間をプラスチック等により遮断したり、あるいは建
装部材を二重または三重に使用して熱の伝導を抑制する
ことなく、気泡シートを断熱性シートとして使用するこ
とにより、建装部材に適用して熱伝動、および透湿を抑
制する効果の大きい建装部材用断熱性複合シートを提供
できる。
【0039】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
とほぼ同様な効果を有し、かつ表裏に低透湿性シートを
有しているので、透湿を抑制する効果が確実である。
【0040】請求項3の発明によれば、請求項1の発明
の効果とほぼ同様な効果を有し、かつ気泡シートが二重
構造を有しているので、断熱性がより高く発揮される。
【0041】請求項4の発明によれば、請求項1〜3い
ずれかの発明の効果に加え、気泡シートの個々の気泡の
大きさを限定した範囲では、建装部材用断熱性複合シー
トが過剰に厚くなることなく、断熱性が確保された建装
部材用断熱性複合シートを提供できる。
【0042】請求項5の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加え、建装材用断熱性複合シートに化粧が施さ
れているので、人目に付く部分に使用しても周囲の建装
材との間に違和感が生じにくい。
【0043】請求項6の発明によれば、請求項5の発明
の効果に加え、確立された安定な手法により化粧が施さ
れた建装材用断熱性複合シートとすることができる。
【0044】請求項7の発明によれば、請求項5または
6いずれかの発明の効果に加え、化粧面に保護層を有し
ているので、化粧が摩耗、汚染して損なわれることを抑
制できる。
【0045】請求項8の発明によれば、建装材のうち、
板やパネル状のものに適用して、それらの断熱性を向上
させることができる。
【0046】請求項9の発明によれば、押し出し型材に
建装材用断熱性複合シートを適用することによって、そ
の断熱性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】建装材用断熱性複合シートの断面図である。
【図2】別の建装材用断熱性複合シートの断面図であ
る。
【図3】化粧の種々の態様を示す断面図である。
【図4】パネルに積層した状態の断面図である。
【図5】押し出し型材に積層した状態の断面図である。
【符号の説明】
1 建装部材用断熱性複合シート 2 保護層 3 印刷 4 エンボス 5 着色剤 6 枠 7 板状体 8 パネル 11 押し出し型材 21 断熱性シート 31 低透湿性シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽音 大作 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 佐藤 公治 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 武下 清和 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 岡 素裕 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DD01 FA03 FA11 FA14 FA33 GA17 GA22 GA23 GA24 GA42 HB04 HD11 HD13 HD14 HE07 LA04 LA05 LA12 LA13 LA16 4F100 AB10 AK01A AK42 AT00D BA02 BA03 BA04 CB00 DD21A DD22A DJ01A EC18 EH17D EH46 EH66 EJ91 GB07 HB00 HB21 HB31 JD04 JD04B JD04C JJ01 JJ02 JK09 JL06 JL10 YY00A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の薄いフィルムが、間に密封された
    多数の空気室を有して積層されてなる気泡シートの少な
    くとも片側に低透湿性シートが積層されたことを特徴と
    する建装部材用断熱性複合シート。
  2. 【請求項2】 複数の薄いフィルムが、間に密封された
    多数の空気室を有して積層されてなる気泡シートの両側
    に低透湿性シートが積層されたことを特徴とする建装部
    材用断熱性複合シート。
  3. 【請求項3】 気泡シートが二重構造を有する請求項1
    または2記載の建装部材用断熱性複合シート。
  4. 【請求項4】 気泡シートの個々の気泡の大きさが、直
    径が0.5〜3mm、高さが0.5〜2mmであること
    を特徴とする請求項1〜3いずれか記載の建装部材用断
    熱性複合シート。
  5. 【請求項5】 化粧が施されたことを特徴とする請求項
    1〜3いずれか記載の建装部材用断熱性複合シート。
  6. 【請求項6】 着色、印刷、エンボス、またはワイピン
    グ塗装の少なくともいずれかにより化粧が施されたこと
    を特徴とする請求項5記載の建装部材用断熱性複合シー
    ト。
  7. 【請求項7】 化粧を保護する保護層がさらに積層され
    た請求項5または6記載の建装部材用断熱性複合シー
    ト。
  8. 【請求項8】 熱伝導性の素材からなる板、またはパネ
    ルに、請求項1〜7いずれか記載の建装部材用断熱性複
    合シートが積層されたことを特徴とする断熱性建装部
    材。
  9. 【請求項9】 熱伝導性の素材からなる押し出し型材
    に、請求項1〜7いずれか記載の建装部材用断熱性複合
    シートが積層されたことを特徴とする断熱性建装部材。
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