JP2000265586A - 建装部材用断熱性複合シートおよび断熱性建装部材 - Google Patents

建装部材用断熱性複合シートおよび断熱性建装部材

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JP2000265586A
JP2000265586A JP7320099A JP7320099A JP2000265586A JP 2000265586 A JP2000265586 A JP 2000265586A JP 7320099 A JP7320099 A JP 7320099A JP 7320099 A JP7320099 A JP 7320099A JP 2000265586 A JP2000265586 A JP 2000265586A
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heat
sheet
moisture
heat insulating
building
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JP7320099A
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Motohiro Oka
素裕 岡
Ryohei Nagata
良平 永田
Runa Nakamura
瑠奈 中村
Daisaku Haoto
大作 羽音
Kimiharu Sato
公治 佐藤
Kiyokazu Takeshita
清和 武下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム製等の熱伝導性の建装部材の表裏
の間をプラスチック等により遮断したり、あるいは建装
部材を二重または三重に使用して熱の伝導を抑制するこ
となく、熱の伝導、特に外気の低温を建造物の内部に伝
えることを極力解消すると共に、結露水分の吸放湿機能
を持たせようとするものである。 【解決手段】断熱性シート11を使用し、かつ、そのシ
ートにシリカゲル等を含有する吸放湿性層12を均一で
一様に積層形成するか、または模様状に形成することに
より、上記の課題の解決ができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建装部材に適用し
て、その表面に断熱性を与えると共に、吸放湿機能を与
えることが可能な建装部材用断熱性複合シートと、その
建装部材用断熱性複合シートを適用した断熱性建装部材
とに関する。
【0002】
【従来の技術】建築物は本来、居住者を外部環境から遮
蔽し保護することを目的としており、風雨を防ぎ、寒暖
の変化を緩和するものである。このため、建築物を構成
する素材としては、雨漏りせず、風を遮り、ある程度の
断熱性を備えたものが従来から使用されてきた。最近
は、季節的な暖冷房を行なうだけではなく、年間を通
じ、また1日中、空調が行なわれ、エネルギー消費が増
大していることから、エネルギー効率の向上が図られて
いる。
【0003】建築物の内外に貼られた仕上げ用の壁材の
間には、断熱材が充填されてはいるものの、ドア、ガラ
ス戸、および窓等の開口部材については、十分な断熱対
策が講じられていない。特にわが国は温帯に位置するた
め、年間の日照時間が長く、夏期においては通風を要す
るため、冬季の気温の低い欧米主要国にくらべて、建築
物の開口部が大きい特徴があり、エネルギー効率的に不
利な点となっている。
【0004】開口部材によく使われるガラスは、比較
的、熱の不良導体であるが、開口部材のパネル本体やガ
ラスを囲んで支える窓枠としては、一部に鉄製や塩ビ製
のものが使われているのを除けば、アルミニウム製のも
のが多用されており、アルミニウムが熱の良導体である
ために、熱を伝えやすい。アルミニウム製の建装部材
は、錆びにくい、腐らない、軽量で施工や使用が楽であ
る、清潔感がある、および塗装が不要である等の利点を
有する反面、熱の良導体であるために、暖冷房の効率を
悪くするだけでなく、寒い時期には、屋外の低温の影響
で室内側の表面に結露を生じ、やがて、流れ落ちること
もある。アルミニウム製のものを鉄製に変えても、鉄も
熱の不良導体というほどのものではないので、本質的に
は差がほとんど無いと言ってよい。
【0005】建装部材の断熱性を改善する観点で、建装
部材の表裏の間をプラスチック等の素材で充填する方法
や、建装部材を二重または三重に使用する方法もある
が、前者の方法によると、建装部材の強度を低下させ、
また、後者の方法によると、建装部材のうち、アルミニ
ウム等の金属素材を2倍または3倍使用するため、高価
になる不利が避けられない。
【0006】断熱性付与のための素材の強度や許容され
る厚みの点で、実現される断熱性の程度には限度があ
り、また、かなりの断熱性が付与されたとしても、温・
湿度の条件によっては、結露は起こり得るものであり、
完全には避け難い。そこで、結露により生じた水分を他
の手段、例えば吸収によって解消することが必要にな
る。なお、断熱性を与える手段と、生じた水分を取り除
く手段とは、互いに補完的関係にあることが望ましい。
断熱性が全く考慮されていない建装部材では、結露で生
じる水分量が多く、吸収では処理しきれないからであ
り、逆に、吸収の能力が高い手段が講じられていたとし
ても、断熱性が劣っていると、結露した水分量が累積的
に増加するため、吸収の能力の限度を越える恐れがある
からで、断熱性が付与されてなく、吸水性の機能のみが
与えられた建装部材は意味がない。
【0007】また、水分の吸収機能を備えると同時に吸
収した水分を放出する機能を持っているとなおよい。一
方向の水分の吸収だけの機能では、吸水量が限界を越え
ると吸水しなくなり、吸水性を有する部分を交換する必
要が生じるため、新たな面倒が生まれるからである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明におい
ては、アルミニウム製等の熱伝導性の建装部材の表裏の
間をプラスチック等により遮断したり、あるいは建装部
材を二重または三重に使用して熱の伝導を抑制するので
はなく、熱の伝導、特に外気の低温を建造物の内部に伝
えることを極力解消し、かつ、建装部材に結露で生じた
水分を吸収し、放出する機能を与えようとするものであ
る。
【0009】
【課題を解決する手段】そこで、関連のある素材を検討
したところ、断熱性のシート状物を使用し、かつ、その
シートに吸放湿性材料を含む層を形成することにより、
上記の課題が解決することが判明し、このことに基づい
て、本発明に到達した。
【0010】請求項1の発明は、断熱性シートの表面に
吸放湿性層を積層してあることを特徴とする建装部材用
断熱性複合シートに関するものである。
【0011】請求項2の発明は、請求項1において、断
熱性シートが、片面に低透湿性シートが積層してあるも
のであることを特徴とする建装部材用断熱性複合シート
に関するものである。
【0012】請求項3の発明は、請求項1において、断
熱性シートが、その両面に低透湿性シートが積層された
ものであって、さらに片面の低透湿性シート上に吸放湿
性層を積層してあることを特徴とする建装部材用断熱性
複合シートに関するものである。
【0013】請求項4の発明は、請求項1〜3いずれか
において、断熱性シートが、発泡した樹脂、中空粒子を
分散した樹脂、中空繊維を分散した樹脂、織布、不織
布、紙、またはフェルト等の繊維質シート、表面に微小
な凹凸を有するシート、または積層したフィルム間に多
数の低い円柱状等の気泡を密封したシートから選ばれた
ことを特徴とする建装部材用断熱性複合シートに関する
ものである。
【0014】請求項5の発明は、請求項1〜4いずれか
において、化粧が施されたことを特徴とする建装部材用
断熱性複合シートに関するものである。
【0015】請求項6の発明は、請求項5において、着
色、印刷、エンボス、またはワイピング塗装の少なくと
もいずれかにより化粧が施されたことを特徴とする建装
部材用断熱性複合シートに関するものである。
【0016】請求項7の発明は、請求項5または6にお
いて、化粧を保護する保護層がさらに積層された建装部
材用断熱性複合シートに関するものである。
【0017】請求項8の発明は、熱伝導性の素材からな
る板、またはパネルに、請求項1〜7いずれか記載の建
装部材用断熱性複合シートが積層されたことを特徴とす
る断熱性建装部材に関するものである。
【0018】請求項9の発明は、熱伝導性の素材からな
る押し出し型材に、請求項1〜7いずれか記載の建装部
材用断熱性複合シートが積層されたことを特徴とする断
熱性建装部材に関するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の建装部材用断熱性複合シ
ート10は、図1(a)を引用しながら説明すると、断
熱性シート11の片面(図1(a)では上面)に吸放湿
材料を含む吸放湿性層12が積層された構造とされたこ
とにより、断熱性に加えて、水分の吸収性および放出性
を有するものである。この構造のものは、通常、断熱性
シート11側が、断熱性を付与すべき対象側に向けら
れ、従って、吸放湿性層12は外側を向く。
【0020】図1(a)では吸放湿性層12は、均一で
一様な層として描かれているが、図1(b)に示すよう
に、均一で一様な構造でなく、吸放湿性層12が、間隔
を空けて形成されていてもよく、図1(c)〜(e)に
平面図で示すような、縦横の幅狭の線状の吸放湿性層1
2からなる方眼模様状(図1(c))、ストライプ模様
状(図1(d))、水玉模様状(図1(e))、あるい
は、これら以外の任意の模様状に形成することができ
る。また、これらの模様を断熱性シート11上に形成す
る際の角度も30°、45°、または90°等、自由に
決めてよい。なお、図1(d)に示すような水平方向の
ストライプ模様状の場合、模様の水平方向と、建装部材
を建造物に施工した際の水平方向が一致するように、模
様を形成すると、結露で生じた水滴が下方に流れる場合
に、各ストライプがその流れを阻止しやすい。
【0021】吸放湿性層12を構成する主成分である吸
放湿性材料とは、自身の表面にある毛細管により、環境
湿度が高くなると水蒸気を凝縮液化し、環境湿度が低く
なると凝縮水を蒸発させる吸放湿機能を有する材料を総
称する。在来工法で用いられてきた木材、畳、障子、土
壁等は、すべて大なり小なりこの吸放湿機能を持ってい
るが、これらは、建築物の洋風化、省力化、気密性の向
上等により、すたれた結果、新たに結露の問題が生じて
いるものである。この点を解決し、現在の建材、仕上げ
材にも適用可能な材料が、吸放湿性材料であり、具体的
には、活性炭、木炭、ゼオライト、高分子材料、不織布
等が使用可能であり、とりわけ、性能が高く、毒性が無
く安全で、かつ大量の入手が容易なシリカゲルが吸放湿
性材料として、より好ましい。
【0022】シリカゲルは、天然のケイ砂から得られる
二酸化ケイ素であり、純度99.5%以上の半透明ない
し白色の固体である。直径は数μm〜数mmの各種のも
のが入手可能だが、毛細管の直径が比較的細いA形と、
毛細管の直径が比較的太いB形とがある。A形のもの
は、低湿度における吸湿能力が大きく即効性である利点
を有する。また、B形のものは、低湿度よりも高湿度に
おいて吸湿能力が大きく、しかも、高湿度で吸湿し、低
湿度で放湿する能力があり、しかも寿命が半永久的であ
る利点を有する。
【0023】これらの吸放湿性材料は、必要に応じて、
バインダー樹脂、水または/および溶剤で溶解ないし分
散させて塗料ないしインキとして、公知の塗布方法、ま
たは印刷方法により断熱性シート11上(低透湿性シー
ト13を伴なう場合で、低透湿性シート13上に適用す
る場合もある。)に適用し、厚み5〜1000μm程度
の吸放湿性層12を形成する。なお、バインダー樹脂と
しては、皮膜形成性が高いものよりも、セルロース系樹
脂やポリビニルブチラール樹脂等の水分の透過性の高い
ものが好ましい。また、バインダー樹脂と吸放湿材料の
重量比はバインダー樹脂100重量部に対し、10〜5
00重量部が好ましい。なお、吸放湿性層12が吸湿し
た状態にあると、菌が増殖しやすく、不衛生な状態に陥
りやすいので、抗菌剤を適用しておくことが好ましい。
抗菌剤としては銀、銅、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、カド
ミウム、クロム、または水銀等の抗菌性金属材料を、ゼ
オライト、活性炭、シリカ、活性白土、酸性白土、アル
ミナ、活性ボーキサイト、骨炭、モレキュラーシーブ、
またはガラスビーズ等の担体に担持させたものが望まし
いが、これらの抗菌性材料、担体の種類およびそれらの
使用量等は、特に限定されるものではない。
【0024】本発明における断熱性シート11は、図2
(a)、または図2(b)に示すように、片面に低透湿
性シート13を積層したものであってもよいし、両面に
低透湿性シート13および13’を積層したものであっ
てもよい。断熱性シート11が、片面に低透湿性シート
13を有する場合(図2(a))には、吸放湿性層12
を積層する位置は、低透湿性シート13の上面、または
断熱性シート11の下面の2通り可能であるが、吸放湿
性層12を低透湿性シート13の上面に設ける場合に
は、断熱性シート11の吸湿を防止する意味で、均一で
一様な吸放湿性層12を形成することが望ましい。な
お、断熱性シート11の両面に低透湿性シート13、お
よび13’を積層した場合には、低透湿性シート13、
および13’の端部どうしを熱シールするか接着して、
断熱性シート12を2枚の低透湿性シート13、および
13’により密封すると、端面から断熱性シート11へ
の湿気の侵入を防止できる。
【0025】低透湿性シート13は、隣接する断熱性シ
ート11への透湿を抑制するか、実質上無くし、断熱性
シート11が湿気を吸収する等により、断熱性が低下す
ることを防止するものである。低透湿性シート13と断
熱性シート11との積層は、接着剤を使用するか、熱シ
ールによって行なう。ただし、建装部材用断熱性複合シ
ート10の表裏の両面に低透湿性シート13および1
3’を配置し、しかも、低透湿性シート13、13’の
端面どうしをシールする場合には、低透湿性シート13
と建装部材用断熱性複合シート10とを接着しないこと
もあり得る。一般的には、低透湿性シート13を積層し
ても、断熱性シート11の端面は、空気中に露出するた
め、端面からの吸湿が問題になる場合には、前記したよ
うに低透湿性シート13および13’の端面どうしをシ
ールするか、露出した端面に樹脂塗料を塗布するか、火
炎で素材を溶融させる等してシールするとよい。
【0026】低透湿性シート13、13’の素材として
は、例えば、プラスチックのフィルムが好ましく、プラ
スチックとしては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン
樹脂、ポリメチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポ
リ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニ
ルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート
樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン
ナフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリメタク
リル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリ
アクリル酸ブチル樹脂、ナイロン6又はナイロン66等
で代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、
セロファン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリアリレート樹脂、又はポリイミド樹脂等があ
る。
【0027】低透湿性シート13には、透湿性の低いポ
リ塩化ビニリデン樹脂等の樹脂バインダーを用いて調製
された別の塗料を塗布するか、金属ないし金属酸化物の
薄膜を形成して気体透過を抑制しておくとよい。これら
金属薄膜においては、一酸化ケイ素と二酸化ケイ素のよ
うに酸化数の異なる金属酸化物どうしの混合物であった
り、ケイ素化合物とアルミニウム酸化物との混合物であ
ってもよいし、無機酸化物を主体とした有機基と結合し
たものであってもよい。
【0028】薄膜の形成方法としては、例えば、イオン
ビーム法、電子ビーム法等の真空蒸着法、またはスパッ
タリング法等の物理気相成長法、もしくは、プラズマ化
学気相成長法、熱化学気相成長法、または光化学気相成
長法等の化学気相成長法が利用できる。薄膜の厚みは、
好ましくは、50〜3000Åであり、より好ましくは
100〜1000Åである。50Å未満では気体透過を
抑制する効果がほとんど無く、3000Åを越えると薄
膜にクラックが生じて気体透過性が低下する恐れがある
上、材料費も割高となる。なお、熱伝導性からすると若
干不利ではあるが、断熱性シート11が湿気を吸収する
のを防止する観点からは、金属箔を積層したり、上記の
合成樹脂シートを構成する合成樹脂と同様な樹脂をバイ
ンダーとする塗料の塗膜を形成して、低湿性シートに代
えることもできる。
【0029】本発明の建装部材用断熱性複合シート10
は、後に述べるように、建装部材の表面に積層するもの
であり、最外層に露出するものであるので、何らかの化
粧(装飾と言ってもよい)を施したものであることが望
ましい。化粧の施し方としては種々のものがあるが、着
色、印刷、エンボス、またはワイピング塗装が代表的で
あり、これらのうちから任意に選択して、1種または2
種以上が組み合わせて施されてあってもよい。
【0030】図3は化粧の様子を示すもので、図3
(a)は建装部材用断熱性複合シート10に着色を施し
た状態を示す。着色は、図3(a)にイメージ的に示す
ように、建装部材用断熱性複合シート10の厚み方向全
体に施されていても、観察側になる片側の表面のみに施
されていてもよい。また、着色しただけでもよいが、さ
らに、保護層2が積層してあってもよい。保護層2の積
層は任意であって、図3(b)〜図3(d)を引用して
行なう説明においても、その都度の説明は省くが、同様
である。図3(b)は、建装部材用断熱性複合シート1
0に印刷して模様を施した状態を示すもので、模様は着
色層3aと絵柄3bとからなっているが、着色層3aは
省いてもよい。図3(c)は、エンボス4を施した状態
を示し、図3(d)は、エンボス4の部分に、ワイピン
グ塗装により着色剤5を充填した様子を示す。
【0031】化粧を施す部位は、建装部材用断熱性複合
シート10の表裏のいずれの面でもよいが、化粧を施し
た側の面を外向きにするか、あるいは、そうでない場合
には、素材を通して化粧が透視できるように施す。保護
層2で化粧上を被覆する場合は、保護層2は下層の透視
性の確保の点から、無色透明または有色透明であること
が望ましい。
【0032】保護層2は、合成樹脂塗料の塗膜で構成す
るか、場合によっては、合成樹脂フィルムの積層によっ
て構成してもよい。合成樹脂塗料の塗膜としては、熱可
塑性樹脂を用いたものでもよいが、ポリウレタン樹脂等
の熱硬化性樹脂の硬化した塗膜が耐久性の点で優れてお
り、さらに電離放射線硬化性のポリマーまたはプレポリ
マーを用いて調製した電離放射線硬化性樹脂組成物の塗
布、および電離放射線の照射により架橋硬化させて得ら
れる塗膜で構成すると、なお、一層、下層の保護効果が
向上する。ただ、この保護層2が下層の吸放湿材層12
を完全に覆ってしまうと、吸放湿性を妨げるので、保護
層2は全面に形成せず、格子状や網の目状に形成すると
よく、あるいは、図1(b)〜図1(e)に示すような
場合には、吸放湿性層12上にのみ形成し、吸放湿性層
12の保護層2で被覆されていない垂直の立ち上がり部
分から吸水を行なわせるとよい。
【0033】着色は、建装部材用断熱性複合シート10
に直接に塗装、または含浸する等して施すか、断熱性シ
ート11、低透湿性シート13、または吸放湿材層12
のいずれか1つ、2つまたは全てを着色して施す。ある
いは、素材フィルム製造と同時に着色しておくか、シー
ト化した後、染色、塗装等により、シートを着色する。
なお、着色は、顔料、染料を必要に応じてバインダー樹
脂と混練して作った塗料組成物を使用して行なう。
【0034】印刷は、建装部材用断熱性複合シート10
に行なってもよいが、建装部材用断熱性複合シート10
の観察側の表面が凹凸形状を有する場合には、その面に
印刷を鮮明に行なうには支障がある。そのような場合に
は、直接印刷せず、転写した方が印刷効果が上がる。片
面が凹凸を有しない場合には、そこに印刷して観察側か
ら見える限り、凹凸のない側に印刷してもよい。印刷の
際に、模様のみを印刷してもよいが、下地色を整える意
味で、均一な着色層3aを形成しておいてから、模様3
bを印刷するとよい。なお、低透湿性シート13として
は、表面が平坦なものを使用することが普通なので、低
透湿性シート13が観察側になる限り、その表面に印刷
するとよく、低透湿性シート13が透明であれば、その
裏面への印刷を行なってもよい。吸放湿材層12上に印
刷を行なう場合には、印刷で吸放湿材層12を被覆する
割合が低ければ、特に考慮しない通常のインキを用いて
形成してもよいが、被覆する割合が高い場合には、水分
を透過するインキを使用するとよい。
【0035】エンボスは、通常、型ロールを使用する
か、平らな板状の型を使用して加熱・加圧することによ
り形成する。エンボスは積層した建装部材用断熱性複合
シート10、もしくはそれを構成する吸放湿性層12、
断熱性シート11、または低透湿性シート13のいずれ
にも行なえ、必ずしも、表面に凹凸を形成せず、内部に
形成することもある。建装部材用断熱性複合シート10
にエンボスの熱・圧力がかかった際に、建装部材用断熱
性複合シート10がつぶれてしまう懸念があるときは、
浅目に行なうのがよいが、断熱性シートの多くは、復元
性がある。エンボスの模様は種々あり、木目、石目、布
目、またはその他のものがある。
【0036】エンボスした後は、そのままでもよいが、
エンボスによって生じた凹部にインキ状のものを充填す
るワイピング塗装が行なえる。ワイピング塗装自体は、
エンボス4の部分にインキ状の着色剤5をたらして、ス
キージーのようなものでかき取ることにより簡便に行
え、印刷に類似した効果を与えるが、印刷よりも着色剤
の転移量が多いので、より深みが得られる。以上の着
色、印刷、エンボス、またはワイピング塗装等は、任意
に組み合わせて行ない、建装材用断熱性複合シート10
に、素材の持つ感じに加えて、外観の意匠を与える。
【0037】本発明の建装部材用断熱性複合シート10
は、各種の建装部材に貼る等して断熱材として使用する
ことができる。図4は、枠6の表裏に、板状体7および
7’を積層した熱伝導性のパネル8状の建装部材の片面
に建装部材用断熱性複合シート10を積層して断熱性お
よび吸放湿性とした例であり、積層は粘着剤、または接
着剤を介して行なうか、熱シール、あるいは、粘着テー
プ、釘、針金等で止め付けてもよい。このため、建装部
材用断熱性複合シート10には予め、粘着剤を適用して
おくとよく、次の図5を引用して説明する別のタイプの
建装部材においても同様である。図4のような構造とし
たものは、ドア、壁面、天井面、または床面等に、ある
いは、断熱の必要なキャビネット等に利用でき、ある程
度広い面積の断熱が行なえる。
【0038】図5は、アルミニウム等でできた、中空角
柱の一つの側面が長さ方向に沿って、中央付近を一定幅
で除去された形の熱伝導性の押し出し型材9の表面に、
本発明の建装部材用断熱性複合シート10を積層した断
熱性建装部材の例である。押し出し型材9の形状として
は、他のものであってもよい。積層は粘着剤、または接
着剤を介して行なうとよいが、他の方法も取ることかで
きる。ただし、単なる円柱や角柱の場合には、建装部材
用断熱性複合シート10を熱収縮性の素材を用いて構成
しておき、円柱や角柱よりも若干太めのチューブ状に作
製してこれに被せ、加熱することにより、必ずしも接着
剤を伴わない固着による積層も可能であり、また、これ
ら以外の積層の方法も取ることができる。なお、この図
5では、建装部材用断熱性複合シート10を押し出し型
材の表面の全面に積層しているが、必要に応じて、貼る
部分を変えてもよい。
【0039】
【実施例】基材として、厚み25μmの2軸延伸したポ
リエチンテレフタレート(=PET)樹脂フィルムの片
面に厚み0.1μmのアルミニウムの蒸着層を形成した
ものを2枚準備した。片方のPET樹脂フィルムのアル
ミニウム蒸着層側に印刷を施し(基材1)、他方のPE
T樹脂フィルムは印刷を施さず(基材2)、いずれのフ
ィルムもPET露出面にコロナ放電処理を行なった。印
刷してある基材1のPET樹脂露出面と、印刷してない
基材2のPET樹脂露出面とを向かい合わせ、その間
に、厚み1mm、発泡倍率30倍のポリエチレン発泡シ
ートを接着剤を使用して貼り合わせて、3層構造の防湿
された断熱性シートを作成した。
【0040】吸放湿性層を形成するためのインキ組成物
を次のようにして準備した。 (インキ組成物1、2) ・ポリビニルブチラール樹脂 5重量部 (積水化学社製、商品名;エスレックBX−L) ・シリカゲル 25重量部 (インキ組成物1ではA形、インキ組成物2ではB形を使用) ・エタノール 100重量部 上記の各成分を、まず、十分に攪拌してインキ組成物と
した後、スクリーン印刷法により、先に作成した防湿さ
れた断熱性シートの、印刷を施してある側の面上に上記
インキ組成物を均一一様に印刷して乾燥させ、厚み10
0μmの吸放湿性層を形成した。
【0041】得られた建装材用断熱性複合シートの断熱
性の評価方法は次のようにした。厚み1mmのアルミニ
ウム板で作った箱型の舟を準備し、舟底の一部に上記実
施例で得た試料の建装部材用断熱性複合シートを、両面
粘着テープで貼り合わせた後、室温(25℃)の環境下
で、氷水の入った水槽に舟を浮かべた。浮かべた後、3
0分間置いて、温度が平衡状態になったときの、建装材
用断熱性複合シートの吸放湿性樹脂層12のない部分の
表面温度(「試料温度T1」)と露出している部分の舟
の底板の温度(「アルミニウム温度T2」)とを測定し
て、両温度の差を温度差(「温度差T1−T2」)とし
て求めた結果を「表1」に示す。
【0042】また、得られた建装材用断熱性複合シート
の試料片を温度25℃、相対湿度50%の恒温恒湿層中
で平衡にさせた後、試料片を温度25℃、相対湿度90
%の恒温恒湿層中に24時間置いて吸湿させてから重量
を測定し、その後、再び、温度25℃、相対湿度50%
の恒温恒湿層中に24時間置いて放湿させてから重量を
測定することにより吸放湿量を測定した。次の方法で吸
放湿性を測定した結果を「表2」に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、建装部材に貼
る等して断熱性と共に結露して生じた水滴を吸収し、見
た目には水滴付着の抑制効果を与えることのできる建装
部材用断熱性複合シートを提供できる。
【0046】請求項2の発明によれば、低透湿性シート
を有している側からの断熱性シートへの透湿を防止で
き、かつ、断熱性シートの保護機能が付与された建装部
材用断熱性複合シートを提供できる。
【0047】請求項3の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加え、両面から、透湿を防止でき、かつ、断熱
性シートの保護ができる建装部材用断熱性複合シートを
提供できる。
【0048】請求項4の発明によれば、請求項1〜3い
ずれかの発明の効果に加え、入手が容易で加工しやすい
断熱性シートを用いて構成した建装部材用断熱性複合シ
ートを提供できる。
【0049】請求項5の発明によれば、請求項1〜4い
ずれかの発明の効果に加え、建装材用断熱性複合シート
に化粧が施されているので、人目に付く部分に使用して
も周囲の建装材との間に違和感が生じにくい。
【0050】請求項6の発明によれば、請求項5の発明
の効果に加え、確立された安定な手法により化粧が施さ
れた建装材用断熱性複合シートとすることができる。
【0051】請求項7の発明によれば、請求項5または
6いずれかの発明の効果に加え、化粧面に保護層を有し
ているので、化粧が摩耗、汚染して損なわれることを抑
制できる。
【0052】請求項8の発明によれば、建装材のうち、
板やパネル状のものに適用して、それらの断熱性、吸水
性を向上させることができる。
【0053】請求項9の発明によれば、押し出し型材に
建装材用断熱性複合シートを適用することによって、そ
の断熱性、吸水性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】建装材用断熱性複合シートの断面図、および平
面図である。
【図2】低透湿性シートを伴った断熱性シートの断面図
である。
【図3】化粧の態様を示す断面図である。
【図4】パネルに積層した状態の断面図である。
【図5】押し出し型材に積層した状態の断面図である。
【符号の説明】
2 保護層 3 印刷 4 エンボス 5 着色剤 6 枠 7 板状体 8 パネル 9 押し出し型材 10 建装部材用断熱性複合シート 11 断熱性シート 12 吸放湿性層 13 低透湿性シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 瑠奈 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 羽音 大作 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 佐藤 公治 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 武下 清和 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DB03 DD01 DH11 FA03 FA11 FA14 FA32 FA33 GA03 GA16 GA23 GA24 GA27 GA28 HB05 HB06 HB07 HC05 HC07 HD01 HD11 HD13 KA01 LA04 LA12 LA16 4F100 AA20 AB10 AK01A AK04 AK23 AK42 AP00E AR00B AR00C AR00D AT00A BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10B BA10C BA10E BA13 CA13 CB00 DD07A DE04A DG01A DG10A DG12A DG15A DJ01A EH46 EH66 EJ38 EJ55 GB07 HB00E HB21E HB31E JD04 JD04C JD04D JD15 JD15B JD16B JJ01E JJ02 JJ02A JK14 JL01 JL02 JL10E

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断熱性シートの表面に吸放湿性層を積層
    してあることを特徴とする建装部材用断熱性複合シー
    ト。
  2. 【請求項2】 断熱性シートが、片面に低透湿性シート
    が積層してあるものであることを特徴とする請求項1記
    載の建装部材用断熱性複合シート。
  3. 【請求項3】 断熱性シートが、その両面に低透湿性シ
    ートが積層されたものであって、さらに片面の低透湿性
    シート上に吸放湿性層を積層してあることを特徴とする
    請求項1記載の建装部材用断熱性複合シート。
  4. 【請求項4】 断熱性シートが、発泡した樹脂、中空粒
    子を分散した樹脂、中空繊維を分散した樹脂、織布、不
    織布、紙、またはフェルト等の繊維質シート、表面に微
    小な凹凸を有するシート、または積層したフィルム間に
    多数の低い円柱状等の気泡を密封したシートから選ばれ
    たことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の建装部
    材用断熱性複合シート。
  5. 【請求項5】 化粧が施されたことを特徴とする請求項
    1〜4いずれか記載の建装部材用断熱性複合シート。
  6. 【請求項6】 着色、印刷、エンボス、またはワイピン
    グ塗装の少なくともいずれかにより化粧が施されたこと
    を特徴とする請求項5記載の建装部材用断熱性複合シー
    ト。
  7. 【請求項7】 化粧を保護する保護層がさらに積層され
    た請求項5または6記載の建装部材用断熱性複合シー
    ト。
  8. 【請求項8】 熱伝導性の素材からなる板、またはパネ
    ルに、請求項1〜7いずれか記載の建装部材用断熱性複
    合シートが積層されたことを特徴とする断熱性建装部
    材。
  9. 【請求項9】 熱伝導性の素材からなる押し出し型材
    に、請求項1〜7いずれか記載の建装部材用断熱性複合
    シートが積層されたことを特徴とする断熱性建装部材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007322340A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Ohbayashi Corp 建具、結露発生の判定方法及び結露発生の判定システム
JP2013508587A (ja) * 2009-10-22 2013-03-07 サートゥンティード コーポレーション 屋根裏及び壁の乾燥剤を用いた断熱

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