JP5266409B1 - 窓用遮光・断熱パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】 建物の窓ガラスの内側に粘着テープ等で貼り付けて装着して冷暖房負荷を軽減する省エネルギー対策として用いる窓用遮光・断熱パネルを提供することにある。
【解決手段】 多数の貫通穴を穿設した断熱性基材層の両面にフィルム層を設けた複層構造体からなり窓の内側に装着して遮光性、断熱性並びに透視性を備えた遮光・断熱パネルにおいて、前記断熱性基材の厚みが2〜7mm、貫通穴の穴径が2〜7mm及び開口率が45%以上であって、且つ、穴径:穴の奥行きの比率が2:1〜1:1の範囲に設定される。離形紙付き粘着両面テープ、片面がミクロ吸盤層で他面が粘着層からなる離形紙付き粘着両面テープ又は前記各粘着両面テープに穴を穿設してなる穴有粘着両面テープの何れかを粘着層面が前記合成樹脂層側に向くように予め貼着してある。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の窓ガラスの内側に粘着テープ等で貼り付けて装着して冷暖房負荷を軽減する省エネルギー対策として用いる窓用遮光・断熱パネルに関するものである。
従来の窓用遮光断熱具としては、例えば、窓ガラスに断熱フィルムを貼り付けたりブラインドや遮光カーテンが用いられている。しかし、ブラインドや遮光カーテンは窓ガラスとブラインド等との間に隙間が生じこの隙間の空気が温められると対流によって室温を上昇させることとなる。また、素人が窓ガラスにしわや空気を巻き込まずに断熱フィルムを貼ることはかなり困難な作業を強いられるばかりでなく仕上がりに不満を有する場合が往々にしてある。一方、ブラインドや遮光カーテンは遮光効果はあるものの透視性に欠けるために室内からの眺望が失われ部屋が全体に暗くなる不具合があった。そこで、かかる不具合を解決する手段として特許文献1記載のルーバーの発明が開示されている。この発明によれば、ルーバーを構成する羽根片に透孔をまんべんなく穿設し太陽光の入射方向と略直面する配置関係で窓際に設置するように構成される。前記透孔は口径が0.5〜3.0mmで表面積に対し10〜70%の開口率からなるとの記載があるものの、前記羽根板に穿設される透孔の口径と奥行きの関係については一切記載されておらず、夏の暑い日射熱の透過を断熱性基材層の両面にフィルム層を設けた複層構造体でブロックする本願発明の技術的思想とは全く異なるものである。
特開2000−154688号公報
本願発明者は、前記の問題点を解消するために鋭意研究した結果、多数の貫通穴を有する断熱性基材層の両面にフィルム層を設けた複層構造体を窓ガラスに密着させることにより断熱性基材層内の空気の対流を防いで室内への熱の侵入を抑制するするとともに、貫通穴の断面と太陽高度(日射角)との関係から貫通穴の穴径と奥行き(基材の厚み)を適切に設定することにより夏場の日射熱を効率よくブロックすることができることを知見して本願発明に至ったものであり、本願発明の主たる目的は、断熱性基材層に穿設する貫通穴の穴径と奥行きを適切に設定し或いは断熱性基材層の両面にフィルム層を設けて静止空気層を備える複層構造とすることによって、日射熱の透過をブロックし環流熱を軽減するとともに透視性を有し、離形紙を剥がして簡単に窓に密着できる窓用遮光・断熱パネルを提供することにある。
前記の課題を解決するために、本発明は、多数の貫通穴を穿設した断熱性基材層の片面又は両面にフィルム層を設けた複層構造体からなる窓の内側に装着する遮光・断熱パネルにおいて、
前記断熱性基材層が少なくとも不織布、フェルト、三次元織物又は熱可塑性樹脂製発泡体の何れかからなり、該断熱性基材層の厚みが2mm以上で、
貫通穴の穴径が2〜7mm及び開口率が45%以上であって、且つ、穴径:穴の奥行きの比率が2:1〜1:1の範囲に設定されてなることを特徴とする窓用遮光・断熱パネルとする。
また、前記の課題を解決するために、本発明は、多数の貫通穴を穿設した断熱性基材層の片面又は両面にフィルム層を設けた複層構造体からなる窓の内側に装着する遮光・断熱パネルにおいて、
前記断熱性基材層が少なくとも不織布、フェルト、三次元織物又は熱可塑性樹脂製発泡体の何れかからなり、該断熱性基材層の厚みが2mm以上で、
貫通穴の穴径が2〜7mm及び開口率が45%以上であって、且つ、
貫通穴の穴径Dと、貫通穴の奥行きLと、使用する場所で想定される春分・秋分における太陽高度αとが、下式
D/L≦tanα
を満足していることを特徴とする窓用遮光・断熱パネルとする。
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記断熱性基材層が、ガラス繊維とポリプロピレン繊維を同量ずつ混合して結節点を熱融着したスパンボンド不織布、或いは、発砲ポリスチレンの両面に合成樹脂製フィルム、合成紙又はその他の紙類の何れか一種の膜条を設けたサンドイッチ構造体の何れかからなることを特徴とする前記の窓用遮光・断熱パネルとすることが好ましい。
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記複層構造体は、断熱性基材層の全面にフィルム層を設けたもの、或いは、貫通穴を除く断熱性基材層面のみにフィルム層を設けたものの何れか一種からなることを特徴とする前記の窓用遮光・断熱パネルとすることが好ましい。
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記窓用遮光・断熱パネルの片面に、直径1μm〜300μmの凹状陥没穴からなる微細吸盤を1平方センチメートル当たり約1万個、平面的に並べたミクロ吸盤層であって、他面が粘着層からなる離形紙付き粘着両面テープを粘着層面が前記複層構造体側に向くように予め貼着してなることを特徴とする前記の窓用遮光・断熱パネルとすることが好ましい。
本願発明に係る窓用遮光・断熱パネルは、前記のように断熱性基材層に穿設する貫通穴の穴径と奥行きを適切に設定し且つ断熱性基材層の両面にフィルム層を設けた複層構造からなり以下の効果を奏する。
(1)日射熱の透過を効率よくブロックするとともに断熱基材の両面にフィルム層を設けることによって静止空間を作って環流熱を軽減することから冷暖房負荷を軽減し省エネルギーに役立つ。
(2)透視性を具備するによって室内から屋外の眺望を得ることがでるとともに遮光カーテンのように部屋が暗くなることを防止し明るい環境空間を創造するばかりでなく無駄な照明による負荷を軽減し更なる省エネルギー対策に役立つ。
(3)開口率によってレースカーテンのような室内の目隠し効果を得ることが可能であり、フィルム層を着色したり模様を印刷すれば特殊な装飾効果が得られる。
(4)両面テープの離形紙を剥がすだけで簡単に窓に着脱できて手間が掛からないので利用範囲の拡大に寄与する。穴有両面テープを使用すれば空気の巻き込み、しわを防止できてより見栄えがよい。
(5)片面がミクロ吸盤層で他面が粘着層からなる離形紙付き粘着両面テープを用いることにより繰り返し着脱可能となる。
(6)断熱性基材層の全面にフィルム層を設けたものと貫通穴を除く断熱性基材層トップ面にフィルム層を設けたものの両方を準備しておき、断熱性、透視性並びに経済性等の使用目的によって選択が可能である。
(7)窓枠寸法に合わせた裁断品としてプレカット出荷により工事が不要となりより便利である。
(8)構造がシンプルで故障による修理やメンテナンスも不要なので経済的にも極めて有利である。
(a)は本実施の形態に係る窓用遮光・断熱パネルの断面図であり、(b)は(a)の窓用遮光・断熱パネルを窓ガラスに装着した断面図であり、(c)は本実施の形態に係る他の窓用遮光・断熱パネルの断面図であり、(d)は(c)の窓用遮光・断熱パネルを窓ガラスに装着した断面図である。 太陽高度(日射角)αと穴径D及び穴の奥行きLの関係を示す説明図である。 (b)は穴有粘着両面テープの正面図であり、(a)は穴有粘着両面テープを窓用遮光・断熱パネルの片面に貼り付けた正面図である。 実施例に係る窓用遮光・断熱パネルを窓ガラスに装着した状態で屋外を眺望した写真図である。
本発明を実施するための形態(以下「実施の形態」と称する)について、以下に詳細に説明する。しかし、本発明は、かかる実施の形態に限定されるものではない。本発明の実施の形態に係る窓用遮光・断熱パネルは、多数の貫通穴を穿設した断熱性基材層の片面又は両面にフィルム層を設けた複層構造体からなる窓の内側に装着する遮光・断熱パネルにおいて、貫通穴の穴径が2〜7mm及び開口率が45%以上であって、且つ、穴径:穴の奥行きの比率が2:1〜1:1の範囲に設定されてなることを特徴とする。
図1に示す本発明の実施の形態において、1は窓用遮光・断熱パネルであり、11は断熱性基材層であり、12a,12bはフィルム層であり、13は貫通穴であり、14は粘着両面テープであり、15は離形紙である。前記断熱性基材層11には全面に多数の貫通穴13が穿設してある。断熱性基材層11の材質は断熱性を有する限りにおいて特に限定するものではないが、天然繊維、合繊繊維、無機質繊維、若しくはこれらを混合した繊維からなる、織物、編物、不織布又はフェルト、例えば、ニードルパンチ法、スパンボンド法、ステッチボンド法、サーマルボンド法又はケミカルボンド法等の乾式法或いは湿式法による不織布又はフェルト等が用いられる。ガラス繊維とポリプロピレン繊維(以下「PP繊維」と略称する)を同量ずつ混合して結節点を熱融着した不織布、フェルト又は三次元織物等が軽量かつ適度な剛性を有することから好ましい。例えば日本グラスファイバー工業社製のNGPシートが好ましい。
また、前記繊維系不織布等の他に熱可塑性樹脂を発泡剤と混合して加熱下において発泡剤を熱分解させ、その分解ガスで樹脂を発泡させる発泡体、例えば連続気泡体からなるフォーム類又は独立気泡体からなるスポンジ類等を用いることも可能である。熱可塑性樹脂としては、例えばポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)等がある。連続気泡体と独立気泡体は必ずしも明確に分別できない場合もあるが断熱性を目的とする場合は独立気泡体が空気の流動性を抑制できる点で好ましい。更に、熱可塑性樹脂製発泡体を単体または両面に膜条(前記フィルム、合成紙、その他の紙類を含む)を貼り合わせたサンドイッチ構造体、例えばポリスチレン発泡体の両面に各種機能紙を貼り合わせた積水化成品工業社製エスレン(登録商標)ウッドパネルが好ましい。貫通穴の形状は特に限定されず、例えば、円形、角形、キャラクターの模様等を規則的に或いは散点状等に配置してもよい。貫通穴の穿穴方法は特に限定されないが、例えば、通常多数の打ち抜き刃を植えたプレス板と受け板との間に基材を挟んでプレスにより打ち抜くパンチング法又は打ち抜き法によって穿設するのが好ましい。他に回転する熱針ロールとバックアップロールの間に挟んで穿設する方法等でもよい。
前記断熱性基材の厚みは断熱性ないし遮光性を有する限り特に限定されないが、2mm以上で貫通穴の奥行き以上に設定することが好ましい。2mmよりも薄いと充分な断熱効果が得られない場合がある。貫通穴の穴径が2〜7mmが好ましい。開口率が45%以上が好ましい。開口率が45%を切ると透視性が充分でない可能性がある。逆に開口率を高くすることは透視性が向上するので断熱性が維持できる範囲において好ましい。ここで、開口率とは、単位面積当たりの合計穴面積の百分率で表される数値を言う。穴径:穴の奥行きの比率が2:1〜1:1の範囲に設定することが好ましい。この穴径と穴の奥行きの比率について表1と図2に基づいて以下に説明する
表1は地域別、歴日別の太陽高度(日射角)を示し、図2は太陽高度(日射角)と穴断面、即ち穴径と穴の奥行き乃至断熱性基材の厚みとの関係を示すものである。
α:太陽高度(日射角)、D:穴径、L:穴の奥行き、
G:夏至、SN:春分・秋分、T:冬至 とするとき、
春分又は秋分(SN)における太陽高度(日射角)αと穴径D及び穴の奥行きLの関係は、 D/L=tanα (1)
となる。
D/L<tanα (2)
即ち、(1)若しくは(2)の関係を満足するように貫通穴の穴径と穴の奥行きを設定すれば夏の暑い太陽光(熱)を断熱性基材でブロックするとともに冬の暖かい太陽光(熱)を貫通穴を透過して室内に導入することができることとなる。
表1から春分・秋分(SN)における太陽高度αは、沖縄では63.0、東京では54.1、札幌では46.6となる。図2は、前記数値を(1)のαに代入し、穴径Dが7.0mmに対する穴の奥行きLを求め、沖縄(a)、東京(b)、札幌(c)における奥行きLを概数にて図示したものである。(1)のαに数値を代入して求めたtanα=D/Lの値はそれぞれ1.96,1.38,1.05となるので、穴径:穴の奥行きの比率(D:L)を2:1〜1:1の範囲に設定し国内あまねく対応可能とした。而して、本願発明の窓用遮光・断熱パネルの適用範囲は国内に限定されるものではなく、穴径D及び穴の奥行きLが(1)又は(2)の関係を満足する限りにおいてあらゆる太陽高度αに対応可能である(請求項2)。また、貫通穴の形状が円形以外の穴の場合に穴径Dは穴の垂直方向の長さを基準とする。
フィルム層を構成する熱可塑性樹脂製フィルムは、特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、一般用ポリスチレン(GP−PS)フィルム、耐衝撃性ポリエチレン(HI−PS)フィルム、二軸延伸ポリスチレン(OPS)フィルム、ポリエステル(PET)フィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、アイオノマーフィルム、セルロース系プラスチックフィルム、熱可塑性エラストマーフィルム等から使用目的に応じて選択することができる。更に、前記のような単一フィルムの他に共押出しフィルムや接着用樹脂層を介したドライラミネーション又はサンドラミネーションで貼り合わせた多層フィルムであってもよい。フィルム層は通常、断熱基材層の両面に設けられるが、例えば図1の12aのみ設けてもよい。或いは、遮光性と部分的な断熱効果が得られる限りフィルム層を設けなくてもよい。また、本発明における「フィルム」には、厚さに関係なくシート、その他の膜条が広く含まれるものとする。
前記フィルム層を前記断熱基材層に積層する方法は特に限定されないが、例えば、フィルム層と断熱基材層が同じ材料か或いは類似した材料であれば加熱した加圧ロールとバックアップロールの間を通過させて溶着可能であり、PVCのようにカレンダー法によりトッピング乃至ダブリング法で積層可能である。また、SP値が近い接着剤を介在させて積層してもよい。接着剤としては溶剤タイプ、エマルジョンタイプ、ホットメルトタイプの何れでもよい。更に、離形紙上にロールコーターやナイフコーター等で被膜を形成したものを転写してもよい。また、断熱機材層の貫通穴を除く断熱性基材層面のみにフィルム層を設けるには、予め穴を穿設する以前に断熱性基材層の両面にフィルム層を形成しておき、係る複層構造体に前記穿穴法にて貫通穴を穿設すればよい。更に、前記複層構造体の片面側に前記離形紙付き両面粘着テープを貼り付けた後に貫通穴を穿設すれば穴有粘着両面テープができるのでより効率的である(図1,3参照)。或いは穴を穿設した断熱性基材層の両面トップ部にコーターで樹脂をコートして穴あきフィルム層を形成してもよい。
次に、本発明の実施の形態において使用される粘着両面テープは、両面に粘着層を有する合成樹脂製フィルムからなり、通常は該粘着層面を覆う離型紙を重ね合わせた長尺ロール状にして供給される。合成樹脂製フィルムの素材等は特に限定されないが、例えば、ポリエチレン乃至ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、各種エラストマー、又はこれらの共重合体ないし混合物が使用される。離型紙は紙にシリコーン樹脂やポリオレフィン系樹脂などの離型剤を塗布したものが好ましい。
また、片面がミクロ吸盤層で他面が粘着層からなる離形紙付き粘着両面テープは、例えば、支持体に直径が1μm〜300μm位の凹状陥没穴を1平方センチメートル当たり約1万個の微細吸盤を安定的に並べたミクロ吸盤層を形成してあり、簡単に貼って剥がせることができるばかりでなく一定の凹凸面への吸着も可能である。更に、吸盤面への印刷も可能であり、熱に強く摂氏80℃までの吸着、200℃の耐熱性を有する。
次に、実施例について説明する。前記実施の形態に基づいて窓用遮光・断熱パネルを作成した。断熱性基材層は、ガラス繊維とPP繊維を同量ずつ混合して結節点を熱融着した4mm厚のスパンボンド不織布(日本グラスファイバー工業社製のNGPシート)に穴径が4mmの貫通穴を開口率が50%になるようにパンチング法により打ち抜いて形成したものを用いた。前記断熱性基材の両面に0.05mm厚の透明ポリエステルフィルムを透明ポリエステル系接着剤を介して貼り合わせて複層構造体を作成し、前記複層構造体を窓ガラスの大きさに合わせてカットし、汎用粘着両面テープ、片面がミクロ吸盤層で他面が粘着層からなる粘着両面テープ、穴有粘着両面テープの3種類の離形紙付き粘着両面テープを前記複層構造体の片側周辺に貼り付けた窓用遮光・断熱パネルのサンプルをそれぞれ複数枚作成した。
次に、前記の各サンプルを窓ガラスに貼り付けて、窓用遮光・断熱パネルを装着した場合と装着しない場合の室内温度を測定した。その結果、外気温が約25℃の時に、窓用遮光・断熱パネルを装着しない場合の室内温度が外気温とほぼ同じ25℃であったのに対して、遮光・断熱パネルを装着した場合の室内温度が約20〜19℃あり、その差約5〜6℃の断熱効果が認められた。また、粘着両面テープの種類によるパネルの貼りやすさについては汎用の粘着両面テープに比較して穴有粘着両面テープは空気を巻き込まず、しわになり難いので扱いやすく、片面がミクロ吸盤層の粘着両面テープの場合は複数回着脱を繰り返しても吸着性が低下しないことが確認された。更に、透視性については窓用遮光・断熱パネルを装着した窓から外の景色が眺望できることが確認された(図4参照)。
本発明に係る窓用遮光・断熱パネルは、前記のように断熱性基材層に穿設する貫通穴の穴径と奥行きを適切に設定し且つ断熱性基材層の両面にフィルム層を設けた複層構造からなり、建物の窓ガラスの内側に粘着テープ等で貼り付けて装着して冷暖房負荷を軽減する省エネルギー対策として並びに経済的に極めて有用である。
1:窓用遮光・断熱パネル、11:断熱性基材層、12a,12b:フィルム層、13:貫通穴、14:粘着両面テープ、15:離形紙、
S:太陽、G:窓ガラス

Claims (5)

  1. 多数の貫通穴を穿設した断熱性基材層の片面又は両面にフィルム層を設けた複層構造体からなる窓の内側に装着する遮光・断熱パネルにおいて、
    前記断熱性基材層が少なくとも不織布、フェルト、三次元織物又は熱可塑性樹脂製発泡体の何れかからなり、該断熱性基材層の厚みが2mm以上で、
    貫通穴の穴径が2〜7mm及び開口率が45%以上であって、且つ、穴径:穴の奥行きの比率が2:1〜1:1の範囲に設定されてなることを特徴とする窓用遮光・断熱パネル。
  2. 多数の貫通穴を穿設した断熱性基材層の片面又は両面にフィルム層を設けた複層構造体からなる窓の内側に装着する遮光・断熱パネルにおいて、
    前記断熱性基材層が少なくとも不織布、フェルト、三次元織物又は熱可塑性樹脂製発泡体の何れかからなり、該断熱性基材層の厚みが2mm以上で、
    貫通穴の穴径が2〜7mm及び開口率が45%以上であって、且つ、
    貫通穴の穴径Dと、貫通穴の奥行きLと、使用する場所で想定される春分・秋分における太陽高度αとが、下式
    D/L≦tanα
    を満足していることを特徴とする窓用遮光・断熱パネル。
  3. 前記断熱性基材層が、ガラス繊維とポリプロピレン繊維を同量ずつ混合して結節点を熱融着したスパンボンド不織布、或いは、発砲ポリスチレンの両面に合成樹脂製フィルム、合成紙又はその他の紙類の何れか一種の膜条を設けたサンドイッチ構造体の何れかからなることを特徴とする請求項1又は2記載の窓用遮光・断熱パネル。
  4. 前記複層構造体は、断熱性基材層の全面にフィルム層を設けたもの、或いは、貫通穴を除く断熱性基材層面のみにフィルム層を設けたものの何れか一種からなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の窓用遮光・断熱パネル。
  5. 前記窓用遮光・断熱パネルの片面に、直径1μm〜300μmの凹状陥没穴からなる微細吸盤を1平方センチメートル当たり約1万個、平面的に並べたミクロ吸盤層であって、他面が粘着層からなる離形紙付き粘着両面テープを粘着層面が前記複層構造体側に向くように予め貼着してなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の窓用遮光・断熱パネル。
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