JP2004250863A - 内装材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2種類以上の繊維を含んだ短繊維集合体からなる内装材であって、該短繊維集合体が、20℃、40%RHにおける吸湿率R1と、20℃、95%RHにおける吸湿率R2の差(R2−R1)が40%以上である吸放湿性繊維、および熱接着性繊維を少なくとも含み、目付けが50〜2000g/m2であることを特徴とする調湿性に優れた軽量内装材。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内装材として使用される調湿性を有する軽量内装材に関し、特に室内の湿度を適正に調整する優れた調湿性と結露の発生を抑制する優れた防露性を有し、さらには軽量で施工性にも優れた壁、天井に好適に用いられる内装材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の日本の家屋は、その構成材料として木あるいは土を用いていたため、材料自体の持つ吸放湿性により防露性の良い建築物を実現してきた。しかし、近年、建築物の高気密化が進められ、耐火性、気密性を重視した材料が用いられるようになってきた。これらの材料は木あるいは土が持つような吸放湿機能が無いため、室内外の温度差で結露が発生する。さらに、このように発生した水分はカビやダニの繁殖を促進し、人体や居住環境に悪影響をもたらす原因となる。
【0003】
これらの問題を解決するため、室内の湿度調整を行ない、防露性を得ることができる調湿性建材の開発が行なわれている。例えば、特開平3−109244号公報には吸湿剤として高温活性化処理したゼオライトを用いセメント等を使用して成形した調湿性建材が記載されている。また、特許第2652593号公報には吸湿剤として珪藻土を用い焼成した調湿性材料が記載されている。さらには、これらの欠点である吸放湿速度を改善するために調湿建材の比表面積、細孔の半径および細孔の容積を規定したものが特許第2948133号公報に記載されている。
【0004】
しかし、これらは調湿性能は有していても、材料自体の重量が重いため壁あるいは天井に貼り付ける時にはその重量にも耐えることのできる強力な接着剤あるいは糊材が必要であり、このような接着剤あるいは糊材は一般には入手困難なため施工の際には施工業者に依頼する必要があった。
【0005】
また、軽量で調湿機能を有したパネルが特開平9−136383号公報、特開2001−73497号公報等に記載されている。しかしこれらはいずれも軽量とは言うものの3000g/m2以上の重量があり消費者自らが施工するには十分な軽さではなかった。さらに軽量化のために調湿性能を有する材料の使用量も減らす必要があり調湿性能も十分ではなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−109244号公報
【特許文献2】
特許第2652593号公報
【特許文献3】
特許第2948133号公報
【特許文献4】
特開平9−136383号公報
【特許文献5】
特開2001−73497号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の調湿性建材においては軽量で消費者自らの手で施工が可能で、かつ十分な調湿性を有したものはなかった。
【0008】
本発明は上記従来技術の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は優れた調湿性と防露性を有し、かつ軽量で消費者自らの手で施工が可能な施工性に優れた内装材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の内装材は、前記課題を解決するために以下のような構成を有する。
【0010】
すなわち、本発明は、2種類以上の繊維を含んだ短繊維集合体からなる内装材であって、該短繊維集合体が、20℃、40%RHにおける吸湿率R1と、20℃、95%RHにおける吸湿率R2の差(R2−R1)が40%以上である吸放湿性繊維、および熱接着性繊維を少なくとも含み、目付けが50〜2000g/m2であることを特徴とする調湿性に優れた軽量内装材を要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
本発明に用いる熱接着性繊維とは数十℃から百数十℃の温度で溶融または軟化する繊維のことである。このような繊維を用いることにより接着剤を使用することなく繊維同士を接着し、短繊維集合体を形成することができる。
【0013】
また、このような熱接着性繊維には単一成分からなる単一型熱接着性繊維と、低融点成分と高融点成分からなる複合型熱接着性繊維がある。単一型熱接着性繊維の例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等からなる繊維が挙げられる。一方、複合型熱接着性繊維の例としては、イソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレート(PET)とホモPETからなる複合繊維、ポリオレフィンとPETからなる複合繊維等が挙げられる。本発明に使用する熱接着性繊維としては複合型のものが好ましい。複合型熱接着繊維を用いることにより熱接着後も高融点成分が溶融せずに残るため、繊維形態を保持し短繊維集合体としての強度も保持することができるためである。これらの繊維は単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。
【0014】
短繊維集合体の成形方法は特に限定しない。もっとも一般的な方法は、繊維を混綿後、カーディングによりウェブを作製し、このウェブを熱風による加熱後プレスし成形する方法である。ウェブを作製後、クロスレイ、ニードルパンチを行なった後、熱処理し成形することもできる。また、熱処理の方法としては、上述した熱風による加熱の他に、熱板プレス、熱ロール、遠赤外線加熱等が挙げられる。
【0015】
熱接着性繊維の含有率は任意であるが、短繊維集合体の形態保持性や強度の観点から10〜90重量%の範囲が好ましい。さらに好ましくは15〜70重量%である。
【0016】
本発明に用いる吸放湿性繊維は、20℃、40%RHにおける吸湿率R1と20℃、95%RHにおける吸湿率R2の差(R2−R1)が40%以上のものを用いる必要がある。R1とR2の差が40%未満では、急激な湿度変化が生じた場合に迅速な吸放湿が行なわれず、ひどい時には結露が発生する虞がある。R1とR2の差が40%以上の場合は急激な湿度変化に対しても迅速に吸放湿が行なわれ、室内を適度な湿度に調湿することができる。好ましくはR1とR2の差が60%以上である。
【0017】
なお、上記「吸湿率」とは、各条件下で繊維を24時間放置して吸湿させた時の重量とその繊維の絶乾重量との差をその繊維の絶乾重量で除したときの値である。また、「RH」とは「相対湿度」の意味である。
【0018】
上記特性を備えた吸放湿性繊維の例としては、架橋ポリアクリル酸ナトリウム塩系繊維、アクリル繊維を後加工によりその表面を加水分解させた繊維などが挙げられる。これらの繊維は単独でまたは2種以上を併用してもよい。
【0019】
これらの吸放湿性繊維の市販品としては、例えばカネボウ合繊(株)製、商品名「ベルオアシス」や東洋紡績(株)製、商品名「モイスケア」が挙げられる。特にベルオアシスは20℃、40%RHにおける吸湿率が22%、95%RHにおける吸湿率が140%で、その差が100%を超えている。さらに該繊維は吸湿速度と放湿速度がほぼ同じであり、急激な湿度変化においても十分に対応することができる。
【0020】
吸放湿性繊維の含有率は任意であり、部屋の広さや施工面積に合わせて使用することができるが、短繊維集合体の形態保持性や強度の観点から1〜80重量%の範囲が好ましい。さらに好ましくは5〜50重量%である。
【0021】
吸放湿性繊維の含有量は任意であり、部屋の広さや施工面積に合わせて使用することができるが、10〜800g/m2の範囲内であれば安定した調湿性能を発揮することができるため好ましい。さらに好ましくは20〜500g/m2である。
【0022】
本発明に用いる短繊維集合体の目付けは50〜2000g/m2である必要がある。この範囲内であると軽量で扱いやすく、施工性にも優れたものとなる。目付けが50g/m2未満であると吸放湿性繊維の含有量が少なくなり十分な調湿性能を発揮できないばかりか、短繊維集合体の強度も低くなる。一方、2000g/m2を超えると軽量性が損なわれ、施工方法が限られてくる。
【0023】
本発明に用いる短繊維集合体の厚さは0.2〜15mmであることが好ましい。この範囲内であると適度な空隙により吸放湿速度の低下がなく、さらに壁面等に貼り付けた際にじゃまになることもない。0.2mm未満では短繊維集合体内の空隙が少なくなり、吸放湿性繊維の表面積が減少し、吸放湿速度が低下する。一方、15mmを超えると部屋の容積に占める内装材の割合が増加し、内装材として好ましくないものとなる。さらに好ましい範囲は0.5〜10mmである。
【0024】
施工方法は特に限定しない。従来品は重量が重く壁あるいは天井に施工する際には落下を防ぐために強力な接着性を有する接着剤を使用する必要があったため、大抵の場合は業者に依頼して施工していた。本発明の内装材も当然、従来品と同様に業者に依頼して施工することもできるが、本発明の特徴である軽量性を生かして消費者自らが市販の接着剤、両面テープあるいは糊材を使用して施工することも可能であり、この場合、業者に依頼する必要がないため施工費用を節約でき経済的である。
【0025】
本発明に用いる短繊維集合体には熱接着性繊維と吸放湿性繊維以外の繊維も使用することができる。これらの繊維の種類は特に限定しない。合成繊維、天然繊維、再生繊維等、全ての繊維を使用することができる。しかし、長期間使用することを考慮すると腐敗、虫食い等の心配のない合成繊維を使用することが好ましい。また、中空繊維、難燃繊維、消臭繊維、防カビ繊維等の機能性繊維を使用することにより、それぞれの機能を付与することもできる。
【0026】
本発明に用いる短繊維集合体には必要に応じて、例えば粉末あるいは粒状の難燃剤、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤等の各種の添加剤を添加することもできる。
【0027】
本発明の内装材は吸放湿性繊維を含まない基材層と吸放湿性繊維を含んだ吸放湿層の2層構造としてもよい。吸放湿性繊維を含まない基材層を設けることにより、内装材の強度が上がり、また、基材層側を壁と接着させることにより接着性も向上する。
【0028】
さらに、本発明の内装材は、その表面に透湿性を有する表皮材を積層してもよい。表皮材の素材は特に限定しない。紙、布帛、不織布、孔を開けたフィルム等、透湿性を有するものであれば使用可能である。あるいはこれらの積層体も使用できる。
【0029】
該表皮材は、内装材を基材層と吸放湿層の2層構造とした場合は、吸放湿層側に積層することが好ましい。
【0030】
表皮材としては透湿性に加え、防水性および/または撥水性を有するものが好ましい。防水性および/または撥水性を有することにより、誤って水が付着した場合でも短繊維集合体内部まで水が浸入することを防止できる。短繊維集合体の内部に水が入るとカビやダニが発生する原因となるためである。
【0031】
また、表皮材に難燃性、防汚性、耐磨耗性、抗菌性、防カビ性等を有した材料を使用することにより、それぞれの機能を付与することもできる。
【0032】
さらには、表皮材に文字や図柄を印刷あるいは転写し、意匠性を持たせることにより、内装材として見栄えもよくすることもできる。
【0033】
また、本発明の内装材には、その片面に粘着剤からなる接着層とこの接着層を覆う離型紙を積層してもよい。粘着層と離型紙を積層することにより施工をより容易に行なうことが可能となる。
【0034】
接着層は内装材を基材層と吸放湿層の2層構造とした場合は、基材層側に積層することが好ましい。また、表皮材を積層した場合には表皮材と反対側の面に積層することが好ましい。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】
(実施例1)
ユニチカファイバー(株)製熱接着性繊維「メルティー(タイプ4080)」(4.4dtex、51mm)60重量%と20℃、40%RHにおける吸湿率が22%、95%RHにおける吸湿率が140%であるカネボウ合繊(株)製吸放湿性繊維「ベルオアシス」(10dtex、51mm)40重量%を混綿し、カーディングを行なってウェブを作製し、通常の熱風循環による均一な加熱処理を短繊維集合体全体に施した後プレスし、目付け500g/m2、厚さ5mmの内装材を得た。さらに、この内装材をカットし450mm×450mmの大きさとした。この内装材は軽量で扱いやすく、市販の両面テープを使用して容易に施工することができ、施工性にも優れたものであった。また、優れた吸放湿性も有していた。
【0037】
(実施例2)
ユニチカファイバー(株)製熱接着性繊維「メルティー(タイプ4080)」(4.4dtex、51mm)50重量%とレギュラーポリエステル繊維(5.6dtex、51mm)50重量%を混綿し、カーディングを行なって、目付け500g/m2の基材層ウェブを作製した。また、ユニチカファイバー(株)製熱接着性繊維「メルティー(タイプ4080)」(4.4dtex、51mm)60重量%と20℃、40%RHにおける吸湿率が22%、95%RHにおける吸湿率が140%であるカネボウ合繊(株)製吸放湿性繊維「ベルオアシス」(10dtex、51mm)40重量%を混綿し、カーディングを行なって、目付け400g/m2の吸放湿層ウェブを作製した。
【0038】
基材層ウェブと吸放湿層ウェブを積層後、通常の熱風循環による均一な加熱処理を短繊維集合体全体に施した後プレスし、目付け900g/m2、厚さ7mmの内装材を得た。さらに、この内装材をカットし450mm×450mmの大きさとした。この内装材は軽量で扱いやすく、市販の両面テープを使用して容易に施工することができ、施工性にも優れたものであった。また、優れた吸放湿性も有していた。
【0039】
(実施例3)
ユニチカファイバー(株)製熱接着性繊維「メルティー(タイプ4080)」(4.4dtex、51mm)40重量%とレギュラーポリエステル繊維(5.6dtex、51mm)30重量%およびカネボウ合繊(株)製高機能アクリル繊維「ビオセーフ」(3.3dtex、51mm)30重量%を混綿し、カーディングを行なって、目付け500g/m2の基材層ウェブを作製した。
【0040】
この基材層ウェブと実施例2と同様の方法で作製した吸放湿層ウェブを積層後、通常の熱風循環による均一な加熱処理を短繊維集合体全体に施した後プレスし、目付け900g/m2、厚さ7mmの内装材を得た。さらに、この内装材をカットし450mm×450mmの大きさとした。この内装材は軽量で扱いやすく、市販の両面テープを使用して容易に施工することができ、施工性にも優れたものであった。また、優れた吸放湿性も有していた。さらには優れた消臭性能も有していた。
【0041】
(実施例4)
ユニチカファイバー(株)製熱接着性繊維「メルティー(タイプ4080)」(4.4dtex、51mm)50重量%と原着ポリエステル繊維(5.6dtex、51mm、緑)50重量%を混綿し、カーディングを行なって、目付け100g/m2の表皮材ウェブを作製した。この表皮材ウェブを実施例2と同様の方法で作製した内装材の吸放湿層側に積層し、熱風循環による均一な加熱処理を施した後プレスし、目付け1000g/m2、厚さ7mmの内装材を得た。さらに、この内装材をカットし450mm×450mmの大きさとした。この内装材は軽量で扱いやすく、市販の両面テープを使用して容易に施工することができ、施工性にも優れたものであった。また、優れた吸放湿性も有していた。さらに、表皮材が薄い緑色をしていたため見た目もよかった。
【0042】
(実施例5)
実施例2と同様の方法で作製した内装材の吸放湿層側に目付け100g/m2の撥水加工を施したスパンボンドを熱接着バインダーを用いて通気性を損なわないように接着し、目付け1000g/m2、厚さ8mmの内装材を得た。さらに、この内装材をカットし450mm×450mmの大きさとした。この内装材は軽量で扱いやすく、市販の両面テープを使用して容易に施工することができ、施工性にも優れたものであった。また、優れた吸放湿性も有していた。さらに、撥水加工を施したスパンボンドを表皮材に使用したため表面に水が付着しても内装材に吸水されることがなかった。
【0043】
(実施例6)
ユニチカファイバー(株)製熱接着性繊維「メルティー(タイプ4080)」(4.4dtex、51mm)40重量%とレギュラーポリエステル繊維(5.6dtex、51mm)30重量%および帝人(株)製難燃ポリエステル繊維「トレビラ」(3.3dtex、51mm)30重量%を混綿し、カーディングを行なって、目付け500g/m2の基材層ウェブを作製した。
【0044】
また、ユニチカファイバー(株)製熱接着性繊維「メルティー(タイプ4080)」(4.4dtex、51mm)30重量%と20℃、40%RHにおける吸湿率が23%、95%RHにおける吸湿率が68%である東洋紡績(株)製吸放湿性繊維「モイスケア」(4.4dtex、50mm)40重量%および帝人(株)製難燃ポリエステル繊維「トレビラ」(3.3dtex、51mm)30重量%を混綿し、カーディングを行なって、目付け500g/m2の吸放湿層ウェブを作製した。基材層ウェブと吸放湿層ウェブを積層後、通常の熱風循環による均一な加熱処理を短繊維集合体全体に施した後プレスし、目付け1000g/m2、厚さ8mmの内装材を得た。
【0045】
さらにこの内装材の吸放湿層側に目付け150g/m2のガラス繊維からなる織物を熱接着バインダーを用いて通気性を損なわないように接着し、目付け1150g/m2、厚さ9mmの内装材を得た。この内装材をカットし450mm×450mmの大きさとした。この内装材は軽量で扱いやすく、市販の両面テープを使用して容易に施工することができ、施工性にも優れたものであった。また、優れた吸放湿性も有していた。さらに、短繊維集合体に難燃繊維および表皮材にガラス繊維からなる織物を使用したため難燃性にも優れていた。
【0046】
(比較例1)
ユニチカファイバー(株)製熱接着性繊維「メルティー(タイプ4080)」(4.4dtex、51mm)60重量%とレギュラーポリエステル繊維(5.6dtex、51mm)40重量%を混綿し、カーディングを行なってウェブを作製し、通常の熱風循環による均一な加熱処理を短繊維集合体全体に施した後プレスし、目付け500g/m2、厚さ8mmの内装材を得た。さらに、この内装材をカットし450mm×450mmの大きさとした。この内装材は軽量で扱いやすく、市販の両面テープを使用して容易に施工することができたが、吸放湿性はまったくなかった。
【0047】
(比較例2)
ユニチカファイバー(株)製熱接着性繊維「メルティー(タイプ4080)」(4.4dtex、51mm)50重量%とレギュラーポリエステル繊維(5.6dtex、51mm)50重量%を混綿し、カーディングを行なって、目付け1500g/m2の基材層ウェブを作製した。また、ユニチカファイバー(株)製熱接着性繊維「メルティー(タイプ4080)」(4.4dtex、51mm)70重量%と20℃、40%RHにおける吸湿率が22%、95%RHにおける吸湿率が140%であるカネボウ合繊(株)製吸放湿性繊維「ベルオアシス」(10dtex、51mm)30重量%を混綿し、カーディングを行なって、目付け1500g/m2の吸放湿層ウェブを作製した。
【0048】
基材層ウェブと吸放湿層ウェブを積層後、通常の熱風循環による均一な加熱処理を短繊維集合体全体に施した後プレスし、目付け3000g/m2、厚さ10mmの内装材を得た。さらに、この内装材をカットし450mm×450mmの大きさとした。この内装材は優れた吸放湿性を有していたものの、重量が重く、市販の両面テープを使用して施工しても剥がれ落ちた。
【0049】
(比較例3)
ユニチカファイバー(株)製熱接着性繊維「メルティー(タイプ4080)」(4.4dtex、51mm)50重量%と20℃、40%RHにおける吸湿率が22%、95%RHにおける吸湿率が140%であるカネボウ合繊(株)製吸放湿性繊維「ベルオアシス」(10dtex、51mm)50重量%を混綿し、カーディングを行なってウェブを作製し、通常の熱風循環による均一な加熱処理を短繊維集合体全体に施した後プレスし、目付け40g/m2、厚さ0.3mmの内装材を得た。
【0050】
さらにこの内装材に目付け30g/m2の撥水加工を施したスパンボンドを熱接着バインダーを用いて通気性を損なわないように接着し、目付け70g/m2、厚さ0.4mmの内装材を得た。この内装材をカットし450mm×450mmの大きさとした。この内装材は非常に薄く、壁紙と同等に取り扱うことができたが、目付けが低く、吸放湿繊維の含有量が少ないため、吸放湿性に乏しいものであった。
【0051】
(比較例4)
吸放湿性繊維を20℃、40%RHにおける吸湿率が9%、95%RHにおける吸湿率が31%であるビスコースレーヨンに変えた以外は、実施例1と同様の繊維組成および製造方法により、目付け500g/m2、厚さ5mmの内装材を得た。さらに、この内装材をカットし450mm×450mmの大きさとした。この内装材は軽量で扱いやすく、市販の両面テープを使用して容易に施工することができたが、R1とR2の差の小さいレーヨンを使用したため、吸放湿性に乏しいものであった。
【0052】
(比較例5)
天然鉱物「珪藻土」を使用した市販の吸放湿性建材(目付け5000g/m2、厚さ6mm、450mm×450mm)を入手し、その性能を測定した。この吸放湿性建材は高い吸放湿性能を有していたが、重量が非常に重く、市販の両面テープでは施工することができなかった。さらにこの吸放湿性建材は硬く、割れやすいものであった。
【0053】
次に本発明の短繊維集合体からなる内装材の吸放湿性能の評価結果を表1に示す。
【0054】
なお、吸放湿性能の測定は、200mm×200mmの試料を20℃×50%RHの環境下に一昼夜放置し調湿した後、試料を30℃×90%RHの環境下に移し、8時間吸湿させた後の重量(W1)を測定する。次に試料を再度20℃×50%RHの環境下に移し、3時間放湿させた後の重量(W2)を測定する。最後に試料を120℃で3時間乾燥し、絶乾状態の重量(W0)を測定する。下式より単位面積あたりの吸湿量および放湿量を算出する。
吸湿量(g/m2)=(W1−W0)/0.04
放湿量(g/m2)=(W2−W0)/0.04
【0055】
【表1】
【0056】
次に実施例1、実施例4および比較例1で得られた内装材の調湿性能を測定した。測定方法は、あらかじめ内壁面に400mm×200mmの大きさにカットした試料を2枚張り付けた300mm(縦)×500mm(横)×350mm(高)の大きさの密閉容器を30℃×80%RHに調整した恒温恒湿槽内に蓋を開けたまま6時間放置する。その後、密閉容器中に湿度記録計を入れて容器を密閉し、6時間放置する。次いで、密閉容器の周辺温度を10℃としてさらに6時間放置する。さらに、30℃と10℃を6時間ずつ繰返し、密閉容器内の相対湿度の変化を測定する。測定結果を図1に示す。
【0057】
表1から次のことが明らかである。比較例1では、吸湿量と放湿量の差がなく、吸放湿性はまったくない。これに対して、吸放湿性繊維を使用した実施例1〜実施例6では吸湿量と放湿量の差が大きく、優れた吸放湿性を有している。
【0058】
また、図1からは次のことが明らかである。比較例1では、周辺温度の変化とともに容器内の湿度も大きく変化し、周辺温度10℃では相対湿度が100%RHを超え、容器内に結露が発生した。これに対し、実施例1および実施例3では、周辺温度を10℃に下げても本発明の内装材が素早く湿気を吸収し湿度の上昇を抑制した。さらに、周辺温度を30℃に上げると本発明の内装材が吸湿していた湿気を素早く放湿し、容器内の湿度低下を抑制した。再度、周辺温度を10℃にしても本発明の内装材を使用していると容器内の湿度をほぼ一定湿度に保つことができた。
【0059】
(実施例7)
実施例4と同様の方法で作製した内装材の基材層側にアクリル系粘着剤からなる接着層を積層し、さらにこの接着層を覆う離型紙を積層して内装材を作製した。この内装材は実施例4と同等の優れた吸放湿性を有するとともに、離型紙を剥がすだけで容易に施工が可能であり、市販の両面テープ等の接着剤の購入する必要もなく、さらに施工性に優れたものであった。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、吸放湿速度が速いため急激な湿度の変化に対しても素早く応答し、優れた調湿性および防露性を有した内装材を得ることができる。さらに本発明の内装材は吸湿剤および構成材料として繊維を用いているため、従来用いられていた無機材料と比較し非常に軽量であり、そのためその施工方法も非常に容易で、消費者自らが簡単に施工できる施工性にも優れ、さらには柔らかく無機材料のように落としても割れることがない取扱性にも優れた内装材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、実施例4および比較例1の調湿性能試験結果である。
【図2】(a)は本実施形態にかかる内装材の断面図であり、(b)は本実施形態の請求項4にかかる内装材の断面図であり、(c)および(d)は本実施形態の請求項5にかかる内装材の断面図の一例であり、(e)は本実施形態の請求項7にかかる内装材の断面図の一例である。
【符号の説明】
1 内装材
2 吸放湿性繊維を含んだ短繊維集合体(吸放湿層)
3 基材層
4 表皮材
5 接着層
6 離型紙
Claims (8)
- 2種類以上の繊維を含んだ短繊維集合体からなる内装材であって、該短繊維集合体が、20℃、40%RHにおける吸湿率R1と、20℃、95%RHにおける吸湿率R2の差(R2−R1)が40%以上である吸放湿性繊維、および熱接着性繊維を少なくとも含み、目付けが50〜2000g/m2であることを特徴とする内装材。
- 前記短繊維集合体の厚さが0.2〜15mmであることを特徴とする請求項1に記載の内装材。
- 前記吸放湿性繊維の含有率が1〜80重量%である請求項1または請求項2に記載の内装材。
- 前記吸放湿性繊維の含有量が10〜800g/m2であることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の内装材。
- 前記短繊維集合体が吸放湿性繊維を含まない基材層と吸放湿性繊維を含む吸放湿層の2層構造からなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の内装材。
- 請求項1〜5いずれかに記載の内装材の表面に透湿性を有する表皮材を積層したことを特徴とする内装材。
- 前記透湿性を有する表皮材が防水性および/または撥水性を有するものである請求項6に記載の内装材。
- 請求項1〜7いずれかに記載の内装材の片面に粘着剤からなる接着層を積層し、さらにこの接着層を覆う離型紙を積層したことを特徴とする内装材。
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