JP2017013435A - 化粧シート及び化粧材 - Google Patents

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彩 明石
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Abstract

【課題】化粧シートを厚くすることなく、コストの上昇を抑えつつ、基材から拡散される揮発性有機物による変色を防ぐことができる化粧シートを提供する。【解決手段】樹脂製の基材シート9の一方の面側に絵柄層11と透明熱可塑性樹脂層15とがこの順に形成され、基材シート9の他方の面側にプライマー層4が形成され、基材シート9とプライマー層4との間に、SiO2が蒸着されたPETフィルムである蒸着フィルム層5を形成する。【選択図】 図1

Description

本発明は、化粧シート及び、これを利用した化粧材に関する。
化粧シートは、安価で加工性に優れた建材として、建築物の屋内、屋外及び家具や什器といった様々な用途に使用されている。化粧シートは、木質系基材に貼り付けられて化粧材となる。化粧シートが木質系の基材に貼り付けられる場合、木材で使用されるテルペンが化粧シートに拡散することが懸念される。特に、化粧シートのうち、淡色印刷用原反の絵柄が印刷されているものについては、テルペンとしてのβ‐カリオフィレンによる淡色印刷用原反の変色が懸念される。β‐カリオフィレンは、木質系の基材となる熱処理された圧縮木材から放出される揮発性有機化合物の一種である。
ところで、木質系の基材と化粧シートとの間に中間層を設ける技術が公知になっている。このような中間層によれば、基材から淡色印刷用原反へのテルペン等の拡散を抑え、化粧シートの変色を抑えることができる。
中間層は、バッカー層とも呼ばれており、化粧シートに適度な厚みを与えて巻取りを容易にする目的等のために設けられるものである。基材と化粧シートとの間にバッカー層を設ける化粧材は、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2007−98855号公報
しかしながら、バッカー層は、耐衝撃性、耐傷つき性及び耐キャスター性等を目的として設けられる部材であるから、このような目的に適うだけの厚みを有している。また、バッカー層は、化粧材を構成する層のうち比較的高コストの部材である。このため、バッカー層を使って木質系基材から淡色印刷用原反への揮発性有機物の拡散を防ぐ構成は、化粧シートの厚さを厚くし、コストを高めることになる。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、化粧シートを厚くすることなく、コストの上昇を抑えつつ、基材から拡散される揮発性有機物による変色を防ぐことができる化粧シート及び化粧材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様の化粧シートは、基材シートと絵柄層と透明熱可塑性樹脂層とがこの順に形成され、前記基材シートと前記プライマー層との間に、金属酸化物が蒸着された熱可塑性樹脂フィルムである蒸着フィルム層を設けることを特徴とする。
本発明によれば、化粧シートの厚さを厚くすることなく、コストの上昇を抑えつつ、基材から拡散される揮発性有機物による変色を防ぐことができる化粧シート及び化粧材を提供することができる。
本発明の一実施形態の化粧シート及び化粧材の断面図である。 本発明の一実施形態の化粧材と比較される比較例1の化粧シート及び化粧材の断面図である。 本発明の一実施形態の化粧材と比較される比較例2の化粧シート及び化粧材の断面図である。
以下、本発明の一実施形態の化粧シート及び化粧材について説明する。
図1は、本実施形態の化粧シート2を基材に貼り付けた状態を示した断面図である。本実施形態の化粧シート2は、蒸着フィルム層を有し、基材3から化粧シート2の側に拡散されてくるβ‐カリオフィレンによって化粧シートが変色することを防いでいる。このような化粧シート2を基材3に貼り付けることによって図1に示す化粧材1が構成される。
(化粧シート)
化粧シート2は、基材シート9と、絵柄層11と、透明熱可塑性樹脂層15とがこの順に形成され、基材シート9の絵柄層11の側と反対の側がプライマー層4を介して基材3に貼り付けられる。そして、本実施形態の化粧シート2は、基材シート9とプライマー層4との間に、金属酸化物が蒸着された熱可塑性樹脂フィルムである蒸着フィルム層5が、基材3の側に金属酸化物が蒸着された側を向けて設けられている。なお、本実施形態において、基材シート9は印刷用原反となっている。
本実施形態の蒸着フィルム層5は、熱可塑性樹脂フィルムとしてPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂からなるPETフィルム(蒸着フィルム層のPET原反)52に、金属酸化物としてシリコン酸化物を蒸着したものである。本実施形態では、PETフィルム52上にシリコン酸化物の層を形成し、SiO層(蒸着フィルム層の金属蒸着層)51として図1に示す。なお、本実施形態は、シリコン酸化物を用いる構成に限定されるものでなく、酸化珪素、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウムのうちのいずれか一つを含むものであってもよい。
また、化粧シート2は、基材シート9と蒸着フィルム層5とを貼り合わせる接着剤層7、絵柄層11上に設けられるアンカーコート(AC:Anchor Coat)層13、アンカーコート層13上に設けられる透明熱可塑性樹脂層15及び透明熱可塑性樹脂層15上に設けられる表面保護層17を有している。表面保護層17は、第1表面保護層171、第2表面保護層172の二層構造となっている。また、絵柄層11は、顔料111を含んでいる。
以下、化粧シート2の各層について説明する。
〈プライマー層〉
プライマー層4は、基材3と基材シート9とを接着するために設けられる。本実施形態のプライマー層4は、シリカが混入されたウレタン樹脂層である。ただし、プライマー層4は、シリカが混入されたウレタン樹脂を材料とすることに限定されるものでなく、基材3の材料と、基材シート9に用いられるポリエチレン(PE:PolyEthylene)を主剤とした樹脂とを接着可能できるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、ポリカーボネート樹脂、公知の2液のウレタン変性ビニル樹脂からなる水性接着剤や1液酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤及び湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤等が使用可能である。また、熱可塑性樹脂ホットメルト接着剤も使用可能である。
プライマー層4は、基材3の表面に接着剤を塗布することで設けることが可能である。また、プライマー層4は、化粧シートの基材シート9側に接着剤を塗布して設けてもよいし、基材3と基材シート9との両方に塗布してから貼り合わせることによって設けられるものでもよい。
接着剤の塗布量は、乾燥後の重さが3g/m〜20g/m程度が接着性の観点から好適である。
〈蒸着フィルム層〉
本実施形態の蒸着フィルム層5は、PETフィルム52の表面に酸化珪素、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウム等のうち、例えばシリコン酸化物を蒸着してSiO層51を設けることによって形成される。PETフィルム52は、前記したように、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる高分子フィルムである。SiO層51は、シリコン酸化物を真空中で気化させてPETフィルム52上に付着させたものである。本実施形態では、PETフィルム52の厚さを12μm、SiO層51の厚さを100nmとした。
ただし、SiO層51の厚さは、100nmに限定されるものでなく、30nm〜200nm程度の範囲が好適である。
SiO層51の形成は、物理的蒸着方法(PVD: Physical Vapor Deposition)または化学的蒸着方法(CVD:Chemical Vapor Deposition)によって行われる。SiO層51は、PVD法によっても、CVD法によっても同等の透明性やバリヤー性を得ることができる。
以下に、SiO層51の形成方法の一例を説明する。
SiOの蒸着は、減圧されたチャンバー内で行われる。チャンバー内には、SiOの蒸発源と、陽極とが互いに対向するように設置されていて、陽極の側にはPETフィルムが巻き回されたドラムが配置される。ドラムの周面は冷却されている。蒸発したSiOは陽極によってドラムの側に引き寄せられる。陽極に引き寄せられたSiOがPETフィルム上に堆積してSiO層51を形成する。
PETフィルムは、ドラムの回転によってドラムの周面を一定の速度で移動する。このため、SiO層51が形成された部位が順次送り出され、SiOが堆積されていないPETフィルム52の部位が順次蒸発源と対向する位置に来る。本実施形態は、このようにしてPETフィルム52の片面の全面にSiO層51を形成している。
なお、本実施形態は、蒸着フィルム層5の金属酸化物として、SiOを使用することに限定されるものでなく、例えば、酸化珪素、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウム等のうち、SiOやアルミナAl等、公知の金属酸化膜を適用することができる。
〈接着剤層〉
本実施形態の接着剤層7は、上記した蒸着フィルム層5と基材シート9とを接着するために設けられる。本実施形態では、接着剤層7をウレタン樹脂からなる接着剤を乾燥後の塗布量が5.5g/mとなるようにPETフィルム52上に塗布することによって形成する。ウレタン樹脂からなる接着剤としては、例えば、2液ウレタン樹脂接着剤等を用いることができる。ただし、本実施形態は、接着剤層7の接着剤として、基材シート9と蒸着フィルム層5とを接着することができるものであれば特に限定されるものではない。
〈基材シート〉
基材シート9は、化粧シート2の耐キャスター性を高める、あるいは巻取り適正を高めるために設けられる。本実施形態の基材シート9には、ポリエチレンを主剤とするシート状の樹脂が用いられる。基材シート9は、ポリエチレンを主剤とする樹脂に顔料等の着色剤が添加されることによって基材シートとなる。また、基材シート9では、主剤に対し、着色剤の他にも適宜無機フィラー、滑剤、熱可塑性エラストマー、相溶化剤等を添加することができる。
基材シート9の厚みは、透明熱可塑性樹脂層15と合わせて化粧材とした際の表面の各種耐性と、基材3に貼り合わせる前の化粧シート2としての巻き取り適性を考慮して決定される。本実施形態では、基材シート9の厚みを55μmとした。なお、本実施形態は、基材シート9の厚さを55μmに限定するものではなく、55μmから100μmの範囲で調整することが可能である。
〈絵柄層〉
絵柄層11は、所望の絵柄の意匠を付与するために設けられるものである。本実施形態では、絵柄層11を、ウレタン樹脂、塩酢ビニル樹脂及び顔料111によって形成した。絵柄層11の絵柄は、特に限定されるものではなく、例えば木目柄、石目柄、布目柄、砂目柄、抽象柄、幾何学図形、文字又は記号、あるいはそれらの組み合わせ等が考えられる。また、絵柄層11の色彩は特に限定されるものではない。
本実施形態は、基材シート9の変色を防ぐものであるから、白色に近い色彩の化粧シート2に適用した場合により効果が顕著になる。
なお、絵柄層11は、印刷インキを使った印刷によって設けることが可能である。印刷インキ等の種類は特に限定されず、化粧シート用として公知の印刷インキを使用することができる。具体的には、例えば、上記したウレタン樹脂の他、ブチラール系、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、アルキド系、ポリアミド系等のバインダー樹脂に、有機又は無機の染料又は顔料や、必要に応じて体質顔料、充填剤、粘着付与剤、分散剤、消泡剤、安定剤その他の添加剤を適宜添加し、適当な希釈溶剤で所望の粘度に調整したものがインキとして使用できる。
〈アンカーコート層〉
アンカーコート層13は、化粧シートの用途により必要に応じて設けられる層である。本実施形態は、ウレタン樹脂を乾いた状態で1.2g/mになるように塗布することによってアンカー層13を形成する。アンカーコート層13は、形成の目的に応じて、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤及び充填剤等の公知の添加剤の1種以上が添加されていてもよい。
〈透明熱可塑性樹脂層〉
透明熱可塑性樹脂層15は、基材シート9と共に化粧材1とした際の表面の各種耐性と、基材3に貼り合わされる以前の化粧シート2としての巻き取り適性とを高めるために設けられる。本実施形態の透明熱可塑性樹脂層15は、ポリオレフィン系樹脂を主剤とするものであり、用いるポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン樹脂を用いている。透明熱可塑性樹脂層15の厚さは80μmである。
また、本実施形態は、ポリプロピレン樹脂の他、ポリエチレン樹脂等を主剤とすることができる。また、本実施形態は、複数の種類の樹脂を主剤として透明熱可塑性樹脂層を形成することもできる。さらに、本実施形態は、透明熱可塑性樹脂層を単層とすることに限定されず、複数の層によって透明熱可塑性樹脂層を形成することができる。
透明熱可塑性樹脂層15の膜厚は、80μmに限定されるものではなく、表面の耐性や巻取り適正の観点から50〜100μmが望ましい。また、透明熱可塑性樹脂層15には、表面に木目の導管等の凹部(図字せず)を施してもよい。
〈表面保護層〉
表面保護層17は、化粧材1の表面耐性を向上させるために適宜設けられる。本実施形態は、表面保護層17を、第1表面保護層171及び第2表面保護層172を含む二層構造とした。第1表面保護層171及び第2表面保護層172は、共にウレタン樹脂を乾いた状態で3g/mとなるように塗布して形成されている。ただし、本実施形態は、表面保護層を二層にすることに限定されるものではなく、表面保護層を単層にしてもよい。
表面保護層17に用いられる樹脂としては、紫外線硬化型樹脂や2液ウレタン系樹脂が好適に用いられ、これらにすべり性を考慮して公知の紫外線吸収剤、光安定剤、ガラスビーズ等を適宜添加してよい。
第1表面保護層171及び第2表面層172を設ける方法としては、ウレタン樹脂等を、透明熱可塑性樹脂層15上に乾燥後の塗布量としてそれぞれ3g/mとなる程度に塗布するものが好適である。ただし、本実施形態は、このような方法によって表面保護層17を形成することに限定されるものでなく、耐衝撃性や耐キャスター性の観点から好適な表面硬度が得られる方法によって表面保護層を形成する。
また、本実施形態の化粧シート2には、適宜、その表面にエンボスロールによるエンボス加工等、凹凸模様(図示せず)を付与してもよい。またその凹部に着色樹脂を充填するワイピング処理等を行ってもよい。
(化粧材)
本実施形態の化粧材1は、以上説明した化粧シート2を基材3に貼り付けて構成される。以下、本実施形態の化粧材1を貼り付ける基材3を説明する。
〈基材〉
上記した化粧シート2が貼り付けられる基材3としては、南洋材合板、針葉樹合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、日本農林規格に規定される普通合板が使用可能である。また、木紛添加オレフィン系樹脂からなる基材も使用可能である。厚みは3〜25mm程度が好適である。
ただし、本実施形態の化粧シート2は、熱処理圧縮木材から拡散されてくるβ‐カリオフィレンによる変色を防ぐものである。このような本実施形態の効果は、基材3として熱処理圧縮木材を用いた場合に顕著となる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を上記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
また、実施形態中の図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は上記説明を参酌して判断すべきものである。
以上説明した本実施形態は、薄いPETフィルムにSiOの薄膜を蒸着した蒸着フィルム層5によって基材3からのβ−カリオフィレンの拡散を防ぐことができる。このため、β−カリオフィレンのバリア層を薄くすることができ、化粧シート2全体、ひいては化粧材1の厚さを薄型化することができる。
また、本実施形態は、β−カリオフィレンのバリア層を比較的低コストの蒸着フィルムによって形成したことにより、β−カリオフィレンの拡散を防いで化粧シート2の変色を防ぎ、かつコストの上昇を抑えることができる化粧材及び化粧シートを提供することができる。
〈実施例1〉
次に、本発明の実施例1を説明する。なお、実施例1の化粧シートは、図1に示した構成と同様の構成を有している。このため、実施例1の化粧シートの図示を省く。実施例1の化粧シートは、シリカを加えたウレタン樹脂製のプライマー層、プライマー層上に設けられた蒸着フィルム層、蒸着フィルム層上に接着剤層を介して貼り付けられた基材シートを有している。さらに、実施例1の化粧シートは、基材シート上に印刷によって形成された絵柄層、絵柄層上に塗布されたアンカーコート層、アンカーコート層上に形成された透明熱可塑性樹脂層及び透明熱可塑性樹脂層上に形成された二層の表面保護層を有している。実施例1の化粧シートは、基材に貼り合わされて化粧材となる。基材は厚さが25mmのパーティクルボードである。
蒸着フィルム層は、厚さが12μmのPET層上に100nmの厚さにSiO層を形成したものであり、SiO層が接着剤層の側に向くように積層される。接着剤層は、乾燥した状態において5.5g/mになるように塗布されたウレタン樹脂によって形成される。基材シート9は白色に着色されたポリエチレン樹脂であり、その厚さは55μmである。絵柄層はウレタン樹脂と塩酸ビニル樹脂によって形成される。アンカーコート層は、乾燥した状態において1.2g/mとなるように塗布されたウレタン樹脂である。透明熱可塑性樹脂層は、厚さが80μmのポリプロピレン樹脂であり、二層の表面保護層は、いずれも乾燥した状態で3g/mとなるように塗布されたウレタン樹脂である。
以下、実施例1の化粧シートによって得られる効果を、比較例1及び比較例2と比較しながら説明する。
〈比較例1〉
図2は、比較例1の化粧シートを説明するための図である。比較例1の化粧シート20は、プライマー層40、ポリブチレンテレフタレート(PBT:PolyButylene Terephthalate)樹脂製のバッカー層60、接着剤層81及びプライマー層82、基材シート90、絵柄層110、透明熱可塑性樹脂層150、表面保護層170を有している。化粧シート20は、基材30に貼り合わされて化粧材10となる。基材30は厚さが25mmのパーティクルボードである。
プライマー層40は、シリカが混入されたウレタン樹脂製である。バッカー層60は、厚さが100μmのPBT樹脂シートである。接着剤層81、プライマー層82は、いずれもウレタン樹脂製である。基材シート90は、厚さが70μmのポリエチレン樹脂である。絵柄層110は、ウレタン樹脂、塩酢ビニル樹脂及び顔料111によって形成される。透明熱可塑性樹脂層150は、厚さが55μmのポリプロピレン樹脂である。表面保護層170は、厚さが6μmのウレタン樹脂である。
このような比較例1の化粧シート20は、現行実用化されている化粧シートであり、化粧シートとして要求される条件を全て満たしている。
〈比較例2〉
図3は、比較例2の化粧シートを説明するための図である。図3において、図1に示した構成と同様の構成については同様の符号を付し、説明を一部略すものとする。比較例2の化粧シート21は、プライマー層4、基材シート91、絵柄層11、アンカーコート層13、透明熱可塑性樹脂層15及び表面保護層17を有している。基材シート91の厚さは70μmであって、基材シート9の厚さは55μmである。このような比較例2の化粧シート21は、図1に示した本実施形態の化粧シート2の基材シートを着色されたポリエチレン樹脂にし、かつ厚さを55μmから70μmにしたものである。化粧シート21は、基材3に貼り付けられて化粧材100になる。
このような比較例2の化粧シート21は、図1に示した本実施形態の化粧シート2から蒸着フィルム5を除き、基材シートの厚さを55μmから70μmにしたものである。
(試験)
以下、実施例1、比較例1及び比較例2の化粧シートの試験を行い、実施例1の化粧シートの効果を確認した。以下、試験の結果について説明する。
〈β−カリオフィレンの透過性〉
本発明の発明者らは、実施例1の化粧シートと、比較例1の化粧シート20及び比較例2の化粧シート21についてβ−カリオフィレンの透過性を比較した。
表1の二行目は、実施例1の化粧シートと化粧シート20及び化粧シート21とのβ−カリオフィレンの透過量を計測した結果を示している。
表1によれば、実施例1の化粧シートのβ−カリオフィレンの透過量が0.81g/m・24hであり、この値は比較例1及び比較例2の化粧シートよりも低い値であった。
なお、上記の透過性の比較は、次のように行った。即ち、本発明の発明者らは、開口部の直径が182mmのガラス製容器にβ−カリオフィレンを5ml滴下し、ガラス製容器の開口部を上記した透過性の測定対象となる化粧シートで密閉した。そして、このような状態の化粧シートを60℃の環境下で24時間放置し、放置の前後で重量を測定し、重量の増加分をβ−カリオフィレンの単位面積(m)当たりの透過量に変換した。本試験においては、放置の前後で化粧シートの重量の変化が大きいものほどβ‐カリオフィレンの透過量が大きいことを示す。
Figure 2017013435
〈他の試験〉
また、本発明の発明者らは、実施例1の化粧シートが化粧シートとして要求される他の条件についても試験を行い、いずれの条件についても実用に適するとの結果を得た。具体的には、実施例1の化粧材シートは、水蒸気透過量が0.3g/m・24h、酸素透過量が0.2g/m・24hであった。このような結果から、実施例1の化粧シートは、蒸着フィルム層によって高いバリア性を有することが分かる。
また、本発明の発明者らは、実施例1の化粧シートの不燃性を調べるため、ISO5660−1に準拠したコーンカロリ燃焼試験を行った。本発明の発明者らは、実施例1の化粧シートを金属基板に貼着して化粧材を作製し、この化粧材の時間に対する総発熱量及び時間に対する発熱速度を求めた。この結果、実施例1の化粧シートは、(i)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下であり、(ii)加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、かつ(iii)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないことを満たす不燃性を確保可能となることが分かった。
表2は、実施例1の化粧シートの、化粧シートとして要求される他の条件についてさらに試験を行った結果を示している。表2によれば、実施例1の化粧シートは、鉛筆硬度試験、コインスクラッチ試験、キャスター試験及び局部荷重試験において比較例1の化粧シートよりも良好な結果を得た。また、実施例1の化粧シートは、デュポン衝撃試験において500gの鉄球を30cmの高度から落とす条件以外の条件において、比較例1の化粧シートよりも良好な結果を得た。
さらに、実施例1の化粧シートは、汚染試験、溶剤ラビング試験、湿熱白化試験、二類浸漬試験及び環境試験において比較例1の化粧シートと同等の結果を得た。
Figure 2017013435
以上説明したように、実施例1は、現行の化粧シートよりもβ−カリオフィレンの透過量が少ない化粧材シート及びこの化粧シートを使った化粧材を提供することができる。また、実施例1の化粧シートは、β−カリオフィレンの透過の他、化粧シートに要求される他の条件についても満たすことができる。
また、実施例1は、蒸着フィルムによって基材から化粧シートへのβ−カリオフィレンの拡散を防いでいる。このため、実施例1は、比較例1のようにバッカー層を設けるよりも化粧シート全体の厚さを薄くすることができる。さらに、蒸着フィルムに係るコストはバッカー層を設けることに係るコストよりも低いため、実施例1は、化粧シート及び化粧材のコストの上昇を抑えることができる。
以上説明した本発明の化粧シート及び化粧基材は、揮発性有機化合物が発生し得る木質系基材が用いられる分野に好適である。
1 化粧材
2,20,21 化粧シート
3,30 基材
4,40,82 プライマー層
5 蒸着フィルム
7 接着剤層
9,90 基材シート
10 化粧材
11,110 絵柄層
13 アンカーコート層
15,150 透明熱可塑性樹脂層
17,170 表面保護層
52 PETフィルム
51 SiO
60 バッカー層
81 接着剤層
111 顔料
171 第1表面保護層
172 第2表面保護層

Claims (4)

  1. 樹脂製の基材シートの一方の面側に絵柄層と透明熱可塑性樹脂層とがこの順に形成され、
    前記基材シートの他方の面側にプライマー層が形成され、
    前記基材シートと前記プライマー層との間に、金属酸化物が蒸着された熱可塑性樹脂フィルムである蒸着フィルム層を有することを特徴とする化粧シート。
  2. 前記金属酸化物は、酸化珪素、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウムのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記蒸着フィルム層における前記金属酸化物の蒸着は、物理蒸着または化学蒸着によって行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化粧シート。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の化粧シートを木質系の基材に貼り合わせてなることを特徴とする化粧材。
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