JP2017013436A - 化粧シート及び化粧材 - Google Patents

化粧シート及び化粧材 Download PDF

Info

Publication number
JP2017013436A
JP2017013436A JP2015134586A JP2015134586A JP2017013436A JP 2017013436 A JP2017013436 A JP 2017013436A JP 2015134586 A JP2015134586 A JP 2015134586A JP 2015134586 A JP2015134586 A JP 2015134586A JP 2017013436 A JP2017013436 A JP 2017013436A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
decorative sheet
sheet
decorative
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015134586A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6720479B2 (ja
Inventor
彩 明石
Aya Akashi
彩 明石
賢吾 穂積
Kengo Hozumi
賢吾 穂積
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2015134586A priority Critical patent/JP6720479B2/ja
Publication of JP2017013436A publication Critical patent/JP2017013436A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6720479B2 publication Critical patent/JP6720479B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】化粧シートを厚くすることなく、かつコストの上昇を抑えつつ、基材から拡散される揮発性有機物による変色を防ぐことができる化粧シートを提供する。
【解決手段】樹脂製の基材シート9の一方の面側に絵柄層11と透明熱可塑性樹脂層15とがこの順に形成され、基材シート9の他方の面側にプライマー層4が形成される。基材シート9は、顔料及びポリブチレンテレフタレート樹脂を含むように構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、化粧シート及び、これを利用した化粧材に関する。
化粧シートは、安価で加工性に優れた建材として、建築物の屋内、屋外及び家具や什器といった様々な用途に使用されている。化粧シートは、木質系基材に貼り付けられて化粧材となる。化粧シートが木質系の基材に貼り付けられる場合、木材で使用されるテルペンが化粧シートに拡散することが懸念される。特に、化粧シートのうち、淡色印刷用原反の絵柄が印刷されているものについては、テルペンとしてのβ‐カリオフィレンによる淡色印刷用原反の変色が懸念される。β‐カリオフィレンは、木質系の基材となる熱処理された圧縮木材から放出される揮発性有機化合物の一種である。
ところで、木質系の基材と化粧シートとの間に中間層を設ける技術が公知になっている。このような中間層によれば、基材から淡色印刷用原反へのテルペン等の拡散を抑え、化粧シートの変色を抑えることができる。
中間層は、バッカー層とも呼ばれており、化粧シートに適度な厚みを与えて巻取りを容易にする目的等のために設けられるものである。基材と化粧シートとの間にバッカー層を設ける化粧材は、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2007−98855号公報
しかしながら、バッカー層は、耐衝撃性、耐傷つき性及び耐キャスター性等を目的として設けられる部材であるから、このような目的に適うだけの厚みを有している。また、バッカー層は、化粧材を構成する層のうち比較的高コストの部材である。このため、バッカー層を使って木質系基材から淡色印刷用原反への揮発性有機物の拡散を防ぐ構成は、化粧シートの厚さを厚くし、コストを高めることになる。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、化粧シートを厚くすることなく、コストの上昇を抑えつつ、基材から拡散される揮発性有機物による変色を防ぐことができる化粧シート及び化粧材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様の化粧シートは、樹脂製の基材シートの一方の面側に絵柄層と透明熱可塑性樹脂層とがこの順に形成され、前記基材シートの他方の面側にプライマー層が形成され、前記基材シートは、顔料及びポリブチレンテレフタレート樹脂を含むことを特徴とする。
本発明によれば、化粧シートの厚さを厚くすることなく、コストの上昇を抑えつつ、基材から拡散される揮発性有機物による変色を防ぐことができる化粧シート及び化粧材を提供することができる。
本発明の一実施形態の化粧シート及び化粧材の断面図である。 本発明の一実施形態の化粧材と比較される比較例1の化粧シート及び化粧材の断面図である。 本発明の一実施形態の化粧材と比較される比較例2の化粧シート及び化粧材の断面図である。
以下、本発明の一実施形態の化粧シート及び化粧材について説明する。
図1は、本実施形態の化粧シート2を基材に貼り付けた状態を示した断面図である。本実施形態の化粧シート2は、基材シート9を、顔料を含んだポリブチレンテレフタレート(以下、「PBT」と記す、Poly Butylene Terephtalate)樹脂とすることにより、基材3から化粧シート2の側に拡散されてくるβ‐カリオフィレンによって化粧シートが変色することを防いでいる。このような化粧シート2を基材3に貼り付けることによって図1に示す化粧材1が構成される。
(化粧シート)
化粧シート2は、基材シート9と、絵柄層11と、透明熱可塑性樹脂層15とがこの順に形成され、基材シート9の絵柄層11の側と反対の側がプライマー層4を介して基材3に貼り付けられる。本実施形態の化粧シート2は、基材シート9が顔料を含むPBT樹脂である。なお、本実施形態において、基材シート9は印刷用原反となっている。
また、化粧シート2は、絵柄層11上に設けられるアンカーコート(AC:Anchor Coat)層13、アンカーコート層13上に設けられる透明熱可塑性樹脂層15及び透明熱可塑性樹脂層15上に設けられる表面保護層17を有している。表面保護層17は、第1表面保護層171、第2表面保護層172の二層構造となっている。また、絵柄層11は、顔料111を含んでいる。
以下、化粧シート2の各層について説明する。
〈プライマー層〉
プライマー層4は、基材3と基材シート9とを接着するために設けられる。本実施形態のプライマー層4は、シリカが混入されたウレタン樹脂層である。ただし、プライマー層4は、シリカが混入されたウレタン樹脂を材料とすることに限定されるものでなく、基材3の材料と、基材シート9に用いられるポリエチレン(PE:PolyEthylene)を主剤とした樹脂とを接着可能できるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、ポリカーボネート樹脂、公知の2液のウレタン変性ビニル樹脂からなる水性接着剤や1液酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤及び湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤等が使用可能である。また、熱可塑性樹脂ホットメルト接着剤も使用可能である。
プライマー層4は、基材3の表面に接着剤を塗布することで設けることが可能である。また、プライマー層4は、化粧シートの基材シート9側に接着剤を塗布して設けてもよいし、基材3と基材シート9との両方に塗布してから貼り合わせることによって設けられるものでもよい。
接着剤の塗布量は、乾燥後の重さが3g/m〜20g/m程度が接着性の観点から好適である。
〈基材シート〉
基材シート9は、基本的に化粧シート2の耐キャスター性を高める、あるいは巻取り適正を高めるために設けられる。本実施形態は、このような基材シートにβ−カリオフィレンの拡散防止機能を付与するものである。
本実施形態の基材シート9は、厚さが60μm、比重が1.43、質量が85.8g/mに形成されている。その組成は、PBT樹脂が78.9質量%、その他の有機物の組成物が0.2質量%、無機顔料としての酸化チタンが20.5質量%、その他の無機物の組成が0.4質量%となっている。
ただし、本実施形態の基材シート9は、上記厚さ及び組成に限定されるものではない。基材シート9は、厚さが厚いほどβ‐カリオフィレンのバリア層としての機能が高くなる。ただし、基材シート9の厚さは、印刷や巻取り適正の観点から制限される。本実施形態では、基材シート9の厚さを55μmから100μm程度にしている。また、組成においてPBT樹脂の割合が多いほどβ‐カリオフィレンのバリア層としての機能が高くなる。ただし、PBT樹脂の割合が少ない方が化粧シートの難燃性が高まるため、本実施形態では、PBT樹脂の割合を70%以上とした。
また、基材シート9は、元々透明のPBT樹脂に酸化チタン等の顔料を入れて白色に着色されている。基材シート9を白色にすることにより、木質系の基材3表面の色や木目が化粧シート2の表面から見えなくなり、絵柄層11の色が淡色の場合にも基材3の色や木目が印刷層11に影響を与えることを防ぐことができる。このような効果は、酸化チタンの含有量が多いほど高くなる。ただし、酸化チタンは比較的重い部材であるため、基材シート9における含有量が多いと化粧シートの重量が大きくなる。このため、本実施形態では、酸化チタンの割合を、基材3の色を抑える効果と、化粧シートのコストや難燃性及び重量を考慮して調整している。
〈絵柄層〉
絵柄層11は、所望の絵柄の意匠を付与するために設けられるものである。本実施形態では、絵柄層11を、ウレタン樹脂、塩酢ビニル樹脂及び顔料111によって形成した。絵柄層11の絵柄は、特に限定されるものではなく、例えば木目柄、石目柄、布目柄、砂目柄、抽象柄、幾何学図形、文字又は記号、あるいはそれらの組み合わせ等が考えられる。また、絵柄層11の色彩は特に限定されるものではない。
本実施形態は、絵柄層11が形成される印刷原反の変色を防ぐものであるから、白色に近い色彩の印刷原反を有する化粧シート2に適用した場合により効果が顕著になる。
なお、絵柄層11は、印刷インキを使った印刷によって設けることが可能である。印刷インキ等の種類は特に限定されず、化粧シート用として公知の印刷インキを使用することができる。具体的には、例えば、上記したウレタン樹脂の他、ブチラール系、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、アルキド系、ポリアミド系等のバインダー樹脂に、有機又は無機の染料又は顔料や、必要に応じて体質顔料、充填剤、粘着付与剤、分散剤、消泡剤、安定剤その他の添加剤を適宜添加し、適当な希釈溶剤で所望の粘度に調整したものがインキとして使用できる。
〈アンカーコート層〉
アンカーコート層13は、化粧シートの用途により必要に応じて設けられる層である。本実施形態は、ウレタン樹脂を乾いた状態で1.2g/mになるように塗布することによってアンカー層13を形成する。アンカーコート層13は、形成の目的に応じて、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤及び充填剤等の公知の添加剤の1種以上が添加されていてもよい。
〈透明熱可塑性樹脂層〉
透明熱可塑性樹脂層15は、基材シート9と共に化粧材1とした際の表面の各種耐性と、基材3に貼り合わされる以前の化粧シート2としての巻き取り適性とを高めるために設けられる。本実施形態の透明熱可塑性樹脂層15は、ポリオレフィン系樹脂を主剤とするものであり、用いるポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン樹脂を用いている。透明熱可塑性樹脂層15の厚さは80μmである。
また、本実施形態は、ポリプロピレン樹脂の他、ポリエチレン樹脂等を主剤とすることができる。また、本実施形態は、複数の種類の樹脂を主剤として透明熱可塑性樹脂層を形成することもできる。さらに、本実施形態は、透明熱可塑性樹脂層を単層とすることに限定されず、複数の層によって透明熱可塑性樹脂層を形成することができる。
透明熱可塑性樹脂層15の膜厚は、80μmに限定されるものではなく、表面の耐性や巻取り適正の観点から50〜100μmが望ましい。また、透明熱可塑性樹脂層15には、表面に木目の導管等の凹部(図字せず)を施してもよい。
〈表面保護層〉
表面保護層17は、化粧材1の表面耐性を向上させるために適宜設けられる。本実施形態は、表面保護層17を、第1表面保護層171及び第2表面保護層172を含む二層構造とした。第1表面保護層171及び第2表面保護層172は、共にウレタン樹脂を乾いた状態で3g/mとなるように塗布して形成されている。ただし、本実施形態は、表面保護層を二層にすることに限定されるものではなく、表面保護層を単層にしてもよい。
表面保護層17に用いられる樹脂としては、紫外線硬化型樹脂や2液ウレタン系樹脂が好適に用いられ、これらにすべり性を考慮して公知の紫外線吸収剤、光安定剤、ガラスビーズ等を適宜添加してよい。
第1表面保護層171及び第2表面層172を設ける方法としては、ウレタン樹脂等を、透明熱可塑性樹脂層15上に乾燥後の塗布量としてそれぞれ3g/mとなる程度に塗布するものが好適である。ただし、本実施形態は、このような方法によって表面保護層17を形成することに限定されるものでなく、耐衝撃性や耐キャスター性の観点から好適な表面硬度が得られる方法によって表面保護層を形成する。
また、本実施形態の化粧シート2には、適宜、その表面にエンボスロールによるエンボス加工等、凹凸模様(図示せず)を付与してもよい。またその凹部に着色樹脂を充填するワイピング処理等を行ってもよい。
(化粧材)
本実施形態の化粧材1は、以上説明した化粧シート2を基材3に貼り付けて構成される。以下、本実施形態の化粧材1を貼り付ける基材3を説明する。
〈基材〉
上記した化粧シート2が貼り付けられる基材3としては、南洋材合板、針葉樹合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、日本農林規格に規定される普通合板が使用可能である。また、木紛添加オレフィン系樹脂からなる基材も使用可能である。厚みは3〜25mm程度が好適である。
ただし、本実施形態の化粧シート2は、熱処理圧縮木材から拡散されてくるβ‐カリオフィレンによる変色を防ぐものである。このような本実施形態の効果は、基材3として熱処理圧縮木材を用いた場合に顕著となる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を上記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
また、実施形態中の図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は上記説明を参酌して判断すべきものである。
以上説明した本実施形態は、基材シートにPBTを用いることによって基材3からのβ−カリオフィレンの拡散を防ぐことができる。このため、基材シートにさらにバッカー層を形成する構成の化粧シートよりも化粧シート2を薄くすることができ、化粧シート2全体、ひいては化粧材1の厚さを薄型化することができる。
また、本実施形態は、PBT樹脂製の基材シート9を使ってβ−カリオフィレンの拡散を防ぐことにより、バッカー層によってβ−カリオフィレンの拡散を防ぐ構成よりも低コストで化粧シート2の変色を防ぎ、化粧シートのコストの上昇を抑えることができる化粧材及び化粧シートを提供することができる。
〈実施例1〉
次に、本発明の実施例1を説明する。なお、実施例1の化粧シートは、図1に示した構成と同様の構成を有している。このため、実施例1の化粧シートの図示を省く。実施例1の化粧シートは、シリカを加えたウレタン樹脂をプライマー層と、プライマー層上に形成された基材シートを有している。さらに、実施例1の化粧シートは、基材シート上印刷によって形成された絵柄層と、絵柄層上に塗布されたアンカーコート層と、アンカーコート層上に形成された透明熱可塑性樹脂層と、透明熱可塑性樹脂層上に形成された二層の表面保護層と、を有している。実施例1の化粧シートは、基材に貼り合わされて化粧材となる。基材は厚さが25mmのパーティクルボードである。
基材シートは、酸化チタンによって白色に着色されたPBT樹脂であって、その厚さは60μmである。絵柄層はウレタン樹脂と塩酸ビニル樹脂によって形成される。アンカーコート層は、乾燥した状態において1.2g/mとなるように塗布されたウレタン樹脂である。透明熱可塑性樹脂層は、厚さが80μmのポリプロピレン樹脂であり、二層の表面保護層は、いずれも乾燥した状態で3g/mとなるように塗布されたウレタン樹脂である。
以下、実施例1の化粧シートによって得られる効果を、比較例1及び比較例2と比較しながら説明する。
〈比較例1〉
図2は、比較例1の化粧シートを説明するための図である。比較例1の化粧シート20は、プライマー層40、PBT樹脂製のバッカー層60、接着剤層81及びプライマー層82、基材シート90、絵柄層110、透明熱可塑性樹脂層150、表面保護層170を有している。化粧シート20は、基材30に貼り合わされて化粧材10となる。基材30は厚さが25mmのパーティクルボードである。
プライマー層40は、シリカが混入されたウレタン樹脂製である。バッカー層60は、厚さが100μmのPBT樹脂シートである。接着剤層81、プライマー層82は、いずれもウレタン樹脂製である。基材シート90は、厚さが70μmのポリエチレン樹脂である。絵柄層110は、ウレタン樹脂、塩酢ビニル樹脂及び顔料111によって形成される。透明熱可塑性樹脂層150は、厚さが80μmのポリプロピレン樹脂である。表面保護層170は、厚さが6μmのウレタン樹脂である。
このような比較例1の化粧シート20は、現行実用化されている化粧シートであり、化粧シートとして要求される条件を全て満たしている。
〈比較例2〉
図3は、比較例2の化粧シートを説明するための図である。図3において、図1に示した構成と同様の構成については同様の符号を付し、説明を一部略すものとする。比較例2の化粧シート21は、プライマー層4、基材シート91、絵柄層11、アンカーコート層13、透明熱可塑性樹脂層15及び表面保護層17を有している。基材シート91の厚さは70μmであって、基材シート9の厚さは60μmである。
このような比較例2の化粧シート21は、図1に示した本実施形態の化粧シート2の基材シートを着色されたポリエチレン樹脂にし、かつ厚さを60μmから70μmにしたものである。化粧シート21は、基材3に貼り付けられて化粧材100になる。
(試験)
以下、実施例1、比較例1及び比較例2の化粧シートの試験を行い、実施例1の化粧シートの効果を確認した。以下、試験の結果について説明する。
〈β−カリオフィレンの透過性〉
本発明の発明者らは、実施例1の化粧シートと、比較例1の化粧シート20及び比較例2の化粧シート21についてβ−カリオフィレンの透過性を比較した。
表1の二行目は、実施例1の化粧シートと化粧シート20及び化粧シート21とのβ−カリオフィレンの透過量を計測した結果を示している。
表1によれば、実施例1の化粧シートのβ−カリオフィレンの透過量が0.96g/m・24hであり、この値は比較例1及び比較例2の化粧シートよりも低い値であった。
なお、上記の透過性の比較は、次のように行った。即ち、本発明の発明者らは、開口部の直径が182mmのガラス製容器にβ−カリオフィレンを5ml滴下し、ガラス製容器の開口部を上記した透過性の測定対象となる化粧シートで密閉した。そして、このような状態の化粧シートを60℃の環境下で24時間放置し、放置の前後で重量を測定した。そして、重量の増加分をβ−カリオフィレンの単位面積(m)当たりの透過量に変換した。本試験においては、放置の前後で化粧シートの重量の変化が大きいものほどβ‐カリオフィレンの透過量が大きいことを示す。
Figure 2017013436
〈他の試験〉
また、本発明の発明者らは、実施例1の化粧シートが化粧シートとして要求される他の条件についても試験を行い、いずれの条件についても実用に適するとの結果を得た。具体的には、実施例1の化粧材シートは、水蒸気透過量が15.9g/m・24h、酸素透過量が40.7g/m・24hであった。このような結果から、実施例1の化粧シートは、水蒸気透過量においては現在実用化されている比較例1の化粧シートと同程度であり、酸素透過量においては現在実用化されている比較例1の化粧シート以下であることが分かった。
また、本発明の発明者らは、実施例1の化粧シートの不燃性を調べるため、ISO5660−1に準拠したコーンカロリ燃焼試験を行った。本発明の発明者らは、実施例1の化粧シートを金属基板に貼着して化粧材を作製し、この化粧材の時間に対する総発熱量及び時間に対する発熱速度を求めた。この結果、実施例1の化粧シートは、(i)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下であり、(ii)加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、かつ(iii)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないことを満たす不燃性を確保可能となることが分かった。
表2は、実施例1の化粧シートを用いた化粧材の、化粧材として要求される他の条件についてさらに試験を行った結果を示している。表2によれば、実施例1の化粧材は、鉛筆硬度試験及びキャスター試験において比較例1の化粧材よりも良好な結果を得た。また、実施例1の化粧材は、デュポン衝撃試験において1000gの鉄球を30cmの高度から落とす条件以外の条件において、比較例1の化粧材よりも良好な結果を得た。
さらに、実施例1の化粧シートは、コインスクラッチ試験、汚染試験、溶剤ラビング試験、湿熱白化試験、局部荷重試験、二類浸漬試験及び環境試験において比較例1の化粧シートと同等の結果を得た。
Figure 2017013436
以上説明したように、実施例1は、現行の化粧シートよりもβ−カリオフィレンの透過量が少ない化粧材シート及びこの化粧シートを用いた化粧材を提供することができる。また、実施例1の化粧シートは、β−カリオフィレンの透過の他、化粧シートに要求される他の条件についても満たすことができる。
また、実施例1は、基材シートそのものにβ−カリオフィレンの拡散防止機能を持たせている。このため、実施例1は、比較例1のように基材シートとは別にバッカー層を設けるよりも化粧シート全体の厚さを薄くすることができる。さらに、60μmの厚さを有するPBT樹脂を設けるコストはバッカー層を設けることに係るコストよりも低いため、実施例1は、化粧シート及び化粧材のコストの上昇を抑えることができる。
以上説明した本発明の化粧シート及び化粧基材は、揮発性有機化合物が発生し得る木質系基材が用いられる分野に好適である。
1 化粧材
2,20,21 化粧シート
3,30 基材
4,40,82 プライマー層
9,90 基材シート
11,110 絵柄層
13 アンカーコート層
15,150 透明熱可塑性樹脂層
17,170 表面保護層
60 バッカー層
81 接着剤層
111 顔料
171 第1表面保護層
172 第2表面保護層

Claims (3)

  1. 樹脂製の基材シートの一方の面側に絵柄層と透明熱可塑性樹脂層とがこの順に形成され、
    前記基材シートの他方の面側にプライマー層が形成され、
    前記基材シートは、顔料及びポリブチレンテレフタレート樹脂を含むことを特徴とする化粧シート。
  2. 前記顔料は、酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 請求項1または2に記載の化粧シートを木質系の基材に貼り合わせてなることを特徴とする化粧材。
JP2015134586A 2015-07-03 2015-07-03 化粧シート及び化粧材 Active JP6720479B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015134586A JP6720479B2 (ja) 2015-07-03 2015-07-03 化粧シート及び化粧材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015134586A JP6720479B2 (ja) 2015-07-03 2015-07-03 化粧シート及び化粧材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017013436A true JP2017013436A (ja) 2017-01-19
JP6720479B2 JP6720479B2 (ja) 2020-07-08

Family

ID=57828432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015134586A Active JP6720479B2 (ja) 2015-07-03 2015-07-03 化粧シート及び化粧材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6720479B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017013435A (ja) * 2015-07-03 2017-01-19 凸版印刷株式会社 化粧シート及び化粧材

Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002337291A (ja) * 2001-05-17 2002-11-27 Toyo Kohan Co Ltd 化粧フィルム素材、化粧フィルム、それらの製造方法、および化粧フィルムを積層した化粧板
JP2004237546A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 積層シート及びこれを用いた樹脂被覆金属板
JP2004262105A (ja) * 2003-03-03 2004-09-24 Toppan Printing Co Ltd ピーチスキン調化粧シート
JP2005238498A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート及びそれを用いた化粧鋼板
JP2006297758A (ja) * 2005-04-20 2006-11-02 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 金属板被覆用積層シートおよび積層シート被覆金属板
JP2007098855A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Toppan Cosmo Inc 床用化粧材
JP2008183830A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Toppan Cosmo Inc 化粧材
JP2008221693A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Dainippon Printing Co Ltd 賦型シート、樹脂化粧板及びその製造方法
JP2009066969A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Toppan Cosmo Inc 化粧シート
JP2009297896A (ja) * 2008-06-10 2009-12-24 Toppan Cosmo Inc 床用化粧材
JP2010285417A (ja) * 2009-05-15 2010-12-24 Dainippon Jochugiku Co Ltd 害虫忌避積層シート状物
JP2011073221A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Toppan Cosmo Inc 床用化粧材
JP2011202422A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Toppan Cosmo Inc 床用化粧シート
JP2012030527A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート及びその化粧シートを用いた化粧鋼板
JP2013078941A (ja) * 2011-09-22 2013-05-02 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート及びその製造方法

Patent Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002337291A (ja) * 2001-05-17 2002-11-27 Toyo Kohan Co Ltd 化粧フィルム素材、化粧フィルム、それらの製造方法、および化粧フィルムを積層した化粧板
JP2004237546A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 積層シート及びこれを用いた樹脂被覆金属板
JP2004262105A (ja) * 2003-03-03 2004-09-24 Toppan Printing Co Ltd ピーチスキン調化粧シート
JP2005238498A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート及びそれを用いた化粧鋼板
JP2006297758A (ja) * 2005-04-20 2006-11-02 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 金属板被覆用積層シートおよび積層シート被覆金属板
JP2007098855A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Toppan Cosmo Inc 床用化粧材
JP2008183830A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Toppan Cosmo Inc 化粧材
JP2008221693A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Dainippon Printing Co Ltd 賦型シート、樹脂化粧板及びその製造方法
JP2009066969A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Toppan Cosmo Inc 化粧シート
JP2009297896A (ja) * 2008-06-10 2009-12-24 Toppan Cosmo Inc 床用化粧材
JP2010285417A (ja) * 2009-05-15 2010-12-24 Dainippon Jochugiku Co Ltd 害虫忌避積層シート状物
JP2011073221A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Toppan Cosmo Inc 床用化粧材
JP2011202422A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Toppan Cosmo Inc 床用化粧シート
JP2012030527A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート及びその化粧シートを用いた化粧鋼板
JP2013078941A (ja) * 2011-09-22 2013-05-02 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017013435A (ja) * 2015-07-03 2017-01-19 凸版印刷株式会社 化粧シート及び化粧材

Also Published As

Publication number Publication date
JP6720479B2 (ja) 2020-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007245442A (ja) 積層体及びシート
JP2016144927A (ja) 不燃性化粧シート及び不燃性化粧部材
JP6631129B2 (ja) 化粧シート及び化粧板
JP2018043428A (ja) 化粧シート及び化粧板
JP6720479B2 (ja) 化粧シート及び化粧材
JP2016168789A (ja) 化粧シート及び化粧材
JP2012051203A (ja) 防湿化粧シート及び防湿化粧材
JP2017080910A (ja) 化粧シート及び化粧板
JP2018043427A (ja) 化粧シート及び化粧板
WO2022209957A1 (ja) 化粧シート、化粧材、化粧シートの製造方法
JP2017013435A (ja) 化粧シート及び化粧材
JP6586749B2 (ja) 化粧シート及び化粧材
JP2009255420A (ja) 化粧シート
JP6511843B2 (ja) 化粧シート及び金属化粧部材
JP5754529B2 (ja) 防湿化粧シート及び防湿化粧材の製造方法
JP6610308B2 (ja) 化粧シート及び化粧板
JP4470527B2 (ja) 化粧シート
JP7027703B2 (ja) 木目意匠壁紙
JP6586748B2 (ja) 化粧シート及び化粧材
JP2016168787A (ja) 化粧シート及び化粧材
JP4619255B2 (ja) 優れた耐汚染性を有する化粧シート
JP6589303B2 (ja) 化粧シート及び化粧材
JP2011073221A (ja) 床用化粧材
JP2016188496A (ja) 床材及びその製造方法
JP6746955B2 (ja) 化粧シート、化粧材及び化粧シートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160603

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160622

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190319

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200519

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200601

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6720479

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250