JP4619255B2 - 優れた耐汚染性を有する化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、優れた耐汚染性を有する化粧シートに関する。
化粧シートは、木質板等の被着材の表面保護、装飾等を目的とするものであって、これを被着材の表面に貼着することにより使用される。そして、これによって得られた化粧板は、各種の建材、家具等に使用されている。
化粧シートは、その最表面を保護すべく表面保護層が設けられている。従って、様々な液体又は固形物と接触し得る表面保護層は、耐汚染性(防汚性)を有する必要がある。
従来、化粧シートにおいて、樹脂含有層は、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の脂肪族溶剤などを含む溶剤系塗工剤から形成されている(例えば、特許文献1参照)。
上記した芳香族溶剤、脂肪族溶剤等は、いずれも揮発性有機化合物(VOC)であり、特にトルエン、キシレン等の芳香族溶剤はPRTR法の指定化学物質及び室内空気中化学物質の指針値策定物質として挙げられている。また、化粧シート製造時における溶剤系塗工剤に含まれるVOCの揮発による作業環境の問題、化粧シート使用時における残存VOCが一般の生活空間に拡散される環境安全性の問題等が指摘されている。そのため、化粧シート中のVOC使用量を低減することが最近の課題となっている。
従って、上記VOCの使用量を低減するために水性組成物の使用が図られているが、溶剤系塗工剤を用いる場合に比して各種性能が劣る傾向にある。
特開平11−198309号公報
本発明は、水性組成物からなる透明性表面保護層を有する化粧シートであって、優れた耐汚染性を有する化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、特定の水性組成物から形成される表面保護層を形成する場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シートに関する。
1.水性組成物から形成される透明性表面保護層を有する化粧シートであって、
(1)水性組成物は、(メタ)アクリル系樹脂組成物の水性エマルションとイソシアネートの水分散体とを含み、
(2)(メタ)アクリル系樹脂組成物は、酸価が10mgKOH/g以下であり、且つ、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メタクリル酸及びスチレンの共重合体であり、
(3)イソシアネートは、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、芳香族イソシアネート及び芳香脂肪族イソシアネートの少なくとも1種である、
ことを特徴とする化粧シート。
2.2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと、メチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートと、メタクリル酸との共重合比率は、重量比で順に5〜20:78.5〜95:0.001〜1.5である、上記項1に記載の化粧シート。
3.水性組成物が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤の少なくとも1種を含有する、上記項1又は2に記載の化粧シート。
4.水性組成物が、シリコーン系撥水剤を含有する、上記項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
5.上記項1〜4のいずれかに記載の化粧シートの透明性表面保護層が最表面層となるように当該シートが被着材上に積層されてなる化粧板。
以下、本発明の化粧シートについて詳細に説明する。
本発明の化粧シートは、水性組成物から形成される透明性表面保護層を有し、
(1)水性組成物は、(メタ)アクリル系樹脂組成物の水性エマルションとイソシアネートの水分散体とを含み、
(2)(メタ)アクリル系樹脂組成物は、酸価が10mgKOH/g以下であり、
(3)イソシアネートは、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、芳香族イソシアネート及び芳香脂肪族イソシアネートの少なくとも1種である、
ことを特徴とする。
透明性表面保護層
本発明の化粧シートの透明性表面保護層は、水性組成物から形成される。
前記水性組成物は、(メタ)アクリル系樹脂組成物の水性エマルションとイソシアネートの水分散体とを含む。
(メタ)アクリル系樹脂組成物は、少なくとも(メタ)アクリレートとカルボン酸含有ビニルモノマーとを共重合成分とする水性アクリルポリオールである。ここで、(メタ)アクリレートは、ヒドロキシ含有(メタ)アクリレートとそれ以外の(メタ)アクリレートに大別でき、これらの(メタ)アクリレートは併用される。
ヒドロキシ含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシ含有(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。
カルボン酸含有ビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸及びこれらのアルキルハーフエステル等が挙げられる。
上記必須の共重合成分以外に、スチレンを共重合成分に加えることが好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂組成物としては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メタクリル酸及びスチレンの共重合体が好適である。
水性組成物における、(1)ヒドロキシ含有(メタ)アクリレートと(2)それ以外の(メタ)アクリレートと(3)カルボン酸含有ビニルモノマーとの共重合比率は特に限定されないが、(1):(2):(3)=(5〜20):(95〜78.5):(1.5以下:下限値は0.001程度)が好適である。
本発明では、上記(メタ)アクリル系樹脂組成物としては、酸価が10mgKOH/g以下のものを用いる。具体的には、酸価0〜10mgKOH/gのものを使用し、中でも4〜10mgKOH/gが好ましく、4〜8mgKOH/gがより好ましい。
酸価測定方法は、JIS K0070−1992に準拠し、(メタ)アクリル系樹脂組成物の固形分1g中に含まれる遊離カルボキシル基を中和するのに要するKOHのmg数から求める。
水性エマルションは、上記(メタ)アクリル系樹脂組成物が水又は水系分散媒に分散しているものである。水としては、公知の水系塗工剤に使用されるグレードの工業用水が使用できる。水系分散媒としては、水といわゆる有機溶媒との混合物が使用できる。有機溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等の低級アルコールのほか、グリコール類、グリコールエステル類等の水溶性有機溶剤を好適に使用できる。水と有機溶媒との割合は限定的ではないが、一般に水:有機溶媒20:80〜100:0(重量比)の範囲内で適宜調整できる。
イソシアネートとしては限定的ではないが、例えば、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、芳香族イソシアネート、芳香脂肪族イソシアネート等が挙げられる。
脂肪族イソシアネートとしては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタンー1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式イソシアネートとしては、例えば、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族イソシアネートとしては、例えば、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
これらのイソシアネートは単独又は2種以上で使用できる。上記分類の中では、脂肪族イソシアネートが、水性組成物から形成される塗膜が変色し難い観点から好ましい。
水分散体は、上記イソシアネートを水に分散させることにより得られる。
水性組成物における(メタ)アクリル系樹脂組成物の水性エマルションとイソシアネートの水分散体との割合は特に限定的ではないが、通常は前者:後者=1/1.1〜1/1.8程度(モル比)の範囲内において適宜調整できる。
水性組成物は、水又は水系分散媒の使用量が、水性組成物中の固形分含有量が20〜80重量%となるような範囲内から適宜決定すればよい。
水性組成物には、耐候性向上を目的として、紫外線吸収剤を添加することができる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤の少なくとも1種が好適である。
水性組成物には、塗膜のはじき効果の向上を目的として、撥水剤を添加できる。撥水剤としては、例えば、シリコーン系撥水剤が好適である。
水性組成物には、耐ブロッキング性、エンボス加工時の耐熱性の向上、アンカー効果による接着力の向上等の少なくとも1つを目的として、体質顔料を添加することができる。
体質顔料としては、公知又は市販のものを使用でき、特に限定はない。例えば、白土、タルク、クレー、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナホワイト、シリカ、カオリン、マイカ、水酸化アルミニウム等の無機系顔料、ポリアクリル酸エステル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリシロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機系顔料、あるいはこれらの共重合体からなる有機系顔料が利用できる。これらは、通常は粒子の形態で使用することが望ましい。
水性組成物を基材(例えば、後記する基材シート、透明性樹脂層など)に塗布し、透明性表面保護層を形成する方法は限定的ではなく、公知の塗布装置、例えば、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター等を用いて行われる。
塗布量は、目的に応じて適宜選択することができる。
透明性表面保護層の厚みは限定されないが、通常は0.1〜50μm、特に1〜20μmとすることが望ましい。
化粧シートの具体的構成
本発明の化粧シートは、上記(1)〜(3)の要件を具備している限り、その層構成は特に限定されない。即ち、上記水性組成物により形成された透明性表面保護層が最表面に設けられる限り特に限定されない。例えば、基材シート上に絵柄層、接着剤層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層を有する化粧シートが好適な実施態様として挙げられる。
化粧シートを構成する各層は、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、転写印刷等による印刷;スプレー、ローラー、刷毛等による塗工液の塗布;シートの積層等により形成する。本発明では、特に各層は、水性組成物による塗膜によって形成されていることが望ましい。
各層の厚みは限定的でなく、最終製品の用途、特性等に応じて適宜決定できる。通常は、0.1〜500μm程度の範囲内とできる。
以下、上記実施形態の化粧シートを例に挙げて、各層について説明する。
≪基材シート≫
基材シートは、その表面(おもて面)には絵柄層等が順次積層される。
基材シートとしては、例えば、熱可塑性樹脂により形成されたものが好適である。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。
基材シートは、着色されていても良い。この場合は、上記のような熱可塑性樹脂に対して着色材(顔料又は染料)を添加して着色することができる。着色剤としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料のほか、各種の染料も使用することができる。これらは、公知又は市販のものから1種又は2種以上を選ぶことができる。また、着色剤の添加量も、所望の色合い等に応じて適宜設定すれば良い。
基材シートには、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤が含まれていても良い。
基材シートの厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般には50〜250μmが好ましい。
基材シートは、必要に応じて、絵柄層を形成するインキの密着性を高めるために表面(おもて面)にコロナ放電処理を施してもよい。コロナ放電処理の方法・条件は、公知の方法に従って実施すれば良い。
≪裏面プライマー層≫
基材シートの裏面には、被着材との密着性を高めるために、コロナ放電処理を施したり、プライマー層を形成したりできる。
プライマー層を形成する材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂(特にポリアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等とイソシアネート化合物との2液硬化型樹脂)、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等の樹脂類ほか、アルキルチタネート、エチレンイミン等の化合物も使用できる。これらをそのままで又は溶媒に溶解若しくは分散させた状態で塗工液とし、それを公知の印刷方法、塗布方法等に従ってプライマー層とできる。
≪絵柄層≫
絵柄層は、化粧シートに所望の絵柄(意匠)を付与するものであり、絵柄の種類等は限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得られるインキを用いた印刷法により、基材シート表面に形成すればよい。インキとしては、化粧シートのVOCを低減する観点からは水性組成物を用いることが望ましい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等がさらに配合してもよい。
結着材樹脂としては、親水性処理されたポリエステル系ウレタン樹脂のほか、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリレート共重合体、ロジン誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂なども併用できる。より具体的には、例えば、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂、その他の水溶性合成樹脂;ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等の水溶性天然高分子;等も使用することができる。また、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂変性ないし混合樹脂、その他の樹脂を使用することもできる。上記結着材樹脂は、単独又は2種以上で使用できる。
絵柄層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄模様層を形成する場合には、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が挙げられる。その他、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法等を用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
絵柄層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は1〜15μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜10μm程度である。
≪接着剤層≫
接着剤層は、絵柄層と透明性樹脂層との間に存在する。接着剤層で使用する接着剤は、絵柄層又は透明性樹脂層を構成する成分等に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂等を含む各種接着剤を使用できる。また、反応硬化タイプのほか、ホットメルトタイプ、電離放射線硬化タイプ、紫外線硬化タイプ等の接着剤でもよい。
なお、本発明では、熱圧着できる接着剤を使用し、熱圧着によって絵柄層と透明性樹脂層とを積層することもできる。
接着剤層は、化粧シートのVOCを低減できる点で水性組成物により形成されることが望ましい。水性組成物としては、水性バインダーを含む組成物を使用することができる。上記水性バインダーは、樹脂水溶液、水性樹脂エマルジョン等のいずれの形態であっても良い。これらに使用される樹脂は、前記の絵柄層の形成に使用される水性組成物の水性バインダーと同様のものを使用することができる。
塗工方法は限定的ではなく、例えば、ロールコート、カーテンフローコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、エアーナイフコート、キスコート、ブレードコート、スムーズコート、コンマコート、スプレーコート、かけ流しコート、刷毛塗り等の方法を使用できる。
なお、本発明では、必要に応じ、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を接着面に施すこともできる。
接着剤層の厚みは、透明性保護層、使用する接着剤の種類等によって異なるが、一般的には0.5〜30μm程度が好ましく、1〜5μmがより好ましい。
≪透明性樹脂層≫
透明性樹脂層は透明である限り着色されていてもよく、絵柄層が視認できる範囲内で半透明であってもよい。
上記樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリメチルペンテン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等を挙げることができる。透明性樹脂層は、特に、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。より好ましくは、立体規則性を有するポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系樹脂を用いる場合は、溶融させたポリオレフィン系樹脂を押し出し法により透明性樹脂層を形成することが望ましい。
透明樹脂層には、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えばゴム)等の各種の添加剤が含まれていても良い。
透明性樹脂層の厚みは特に限定されないが、一般的には10〜150μm程度とすれば良い。
≪エンボス≫
透明性表面保護層は化粧シートの最表層である。本発明の化粧シートは、当該透明性表面保護層側にエンボス模様を有してもよい。
エンボス加工は、化粧シートに木材板表面等所望のテクスチァーを付与するために行われる。例えば、加熱ドラム上で化粧シートを加熱軟化させた後、さらに赤外線輻射ヒーターで160〜180℃に加熱し、所望の形の凹凸模様を設けたエンボス板で加圧、賦形し、冷却固定して形成する。これは、公知の枚葉又は輪転式のエンボス機を使用すれば良い。凹凸模様としては、例えば、木目導管溝、浮造模様(浮出した年輪の凹凸模様)、ヘアライン、砂目、梨地等が挙げられ、これらの中から所望の模様を適宜選択することができる。
化粧板
本発明の化粧板は、本発明の化粧シートが基材(被着材)上に積層されたものである。より具体的には、化粧シートの透明性表面保護層が最表面層となるように積層される。
被着材としては、限定的でなく、公知の化粧シートと同様のものを用いることができる。例えば、木質材料、金属、セラミックス、プラスチックス、ガラス等が挙げられる。特に、本発明化粧シートは、木質材に好適に使用することができる。木質材料としては、具体的には、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パティクルボード、中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。
化粧シートの被着材への積層は、公知の化粧シートの積層と同様にすることができる。例えば、接着剤を用いて化粧シートを被着材上に貼着によって好適に積層することが可能である。
使用できる接着剤としては、例えば熱可塑性樹脂系、熱硬化性樹脂系、ゴム系等のどのタイプの接着剤も使用することができる。
熱可塑性樹脂系接着剤としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー等が例示される。
熱硬化性樹脂系接着剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等が例示される。
ゴム(エラストマー)接着剤としては、天然ゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SBS,SIS,SEBS等)等が例示される。
本発明の化粧シートは、水性組成物から形成される透明性表面保護層を有し、
(1)水性組成物は、(メタ)アクリル系樹脂組成物の水性エマルションとイソシアネートの水分散体とを含み、
(2)(メタ)アクリル系樹脂組成物は、酸価が10mgKOH/g以下であり、
(3)イソシアネートは、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、芳香族イソシアネート及び芳香脂肪族イソシアネートの少なくとも1種であるため、優れた耐汚染性を発揮する。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1〜2及び比較例1〜2
水性組成物から乾燥塗膜を形成した。具体的には、下記表1に示す各成分を重合させた後、水に分散してなる(メタ)アクリル系樹脂組成物の水性エマルションとHDI水分散体とを混合することにより、本発明の水性組成物を調製した。次いで、水性組成物からなる乾燥塗膜(以下「試験片」と言う)を作製した。
(メタ)アクリル系樹脂組成物の水性エマルションとHDI水分散体との割合は、OH/NCO=1/1.5となるように設定した。
Figure 0004619255
表1中、成分の数値は重量比を示す。酸価は(メタ)アクリル系樹脂組成物の酸価を示す。
試験例1
実施例及び比較例で作製した試験片の表面の耐汚染性試験を行った。
試験方法は、下記表2に示す汚染物質を試験片に塗布し、24時間放置後、水→エタノールで拭き取り、拭き取り面の状態を下記基準で評価した。なお、水で汚染物質が全て落ちないものはエタノールを用いて拭き取った後で評価した。評価は、◎:塗布前に比して変化なし、○:塗布前に比して軽微変化あり、△:塗布前に比して変化あり、×:塗布前に比して著しい変化あり、とした。評価結果を表2に併せて示す。
Figure 0004619255

Claims (5)

  1. 水性組成物から形成される透明性表面保護層を有する化粧シートであって、
    (1)水性組成物は、(メタ)アクリル系樹脂組成物の水性エマルションとイソシアネートの水分散体とを含み、
    (2)(メタ)アクリル系樹脂組成物は、酸価が10mgKOH/g以下であり、且つ、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メタクリル酸及びスチレンの共重合体であり、
    (3)イソシアネートは、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、芳香族イソシアネート及び芳香脂肪族イソシアネートの少なくとも1種である、
    ことを特徴とする化粧シート。
  2. 2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと、メチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートと、メタクリル酸との共重合比率は、重量比で順に5〜20:78.5〜95:0.001〜1.5である、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 水性組成物が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤の少なくとも1種を含有する、請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 水性組成物が、シリコーン系撥水剤を含有する、請求項1〜のいずれかに記載の化粧シート。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の化粧シートの透明性表面保護層が最表面層となるように当該シートが被着材上に積層されてなる化粧板。
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