JP2007098855A - 床用化粧材 - Google Patents

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篤 巻口
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Abstract

【課題】耐キャスター性、復元性などを有しつつも、用いる化粧シートがウェーブ状(巻き状態)での巻き取りが可能となる床用化粧材を提供すること。
【解決手段】木質系基材上に化粧シートを積層してなる床用化粧材において、前記化粧シートの木質系基材側に、厚み50〜200μmのポリトリメチレンテレフタレート樹脂の単層又は複層又は混合物からなる中間層を設けたこと、前記化粧シートと中間層の厚みの合計が200〜350μmであることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、住宅、店舗、事務所、体育館など用いられる床用化粧材に関する。更に詳しくは、合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木質系基材上に着色や絵柄印刷を設けた熱可塑性樹脂等からなる化粧シートを積層し、さらに表面に適宜表面保護層や凹溝部を設けてなる床用化粧材に関する。
木質系基材からなる板張り様の床用化粧材としては、合板に突き板を貼り、木工機械にて溝加工して溝部を設けこの溝部に着色樹脂などを埋め込み着色し、表面に透明紫外線硬化型塗料を塗布して表面から紫外線を照射して硬化させたものが知られている。
しかしながら、突き板が天然木のため、色がばらついたり、壁や天井、家具との色調の調和が困難であった。また、キャスター付き椅子等による傷付き耐性いわゆる耐キャスター性を出すことが困難であった。また、一度凹みが出来ると復元しにくいといった問題があった。
そこで、木質系基材上に木目柄などの印刷を施した化粧シートを積層してなる床用化粧材が考えられた。しかしながら耐キャスター性を出す為に前記化粧シートはある程度の厚みが必要となり、そのためウエーブ状(巻き状態)で巻き取りにくく、木質系基材との連続ラミネートでライン上でシートカットするといった製法は困難であった。そのため化粧シートと木質系基材とをラミネートする際には、予め木質系基材と同等の大きさにカットした化粧シートを製造し、枚葉方式で1枚1枚積層するなどの方法をとらなければならず、生産性に問題があった。
特開昭52−76409号公報 特開2004−17590号公報
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、耐キャスター性、復元性などを有しつつも、用いる化粧シートがウェーブ状(巻き状態)での巻き取りが可能となる床用化粧材を提供することにある。
本発明はこの課題を解決するものであり即ち請求項1記載の発明は、木質系基材上に化粧シートを積層してなる床用化粧材において、前記化粧シートの木質系基材側に、厚み50〜200μmのポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTとする。)樹脂の単層又は複層又は混合物からなる中間層を設けたことを特徴とする床用化粧材である。
またその請求項2記載の発明は、前記化粧シートと中間層の厚みの合計が200〜350μmであることを特徴とする請求項1記載の床用化粧材である。
またその請求項3記載の発明は、前記ポリトリメチレンテレフタレート樹脂の代わりにポリブチレンテレフタレート樹脂を用いたことを特徴とする請求項1記載の床用化粧材である。
本発明はその請求項1に記載の発明により、厚さ50〜200μmのPTTを含む中間層を設けることで、PTT樹脂の柔軟性により化粧材として積層した後に表面に耐キャスター性、復元性を持たせることが可能となる。またその厚さを50〜200μmとすることで化粧シートと積層後にウエーブ状(巻き状態)で巻き取る事が可能となり、ロールツーロールによる1ラインでの生産が容易となるという効果を奏する。
またその請求項2記載の発明により、化粧シートと前記中間層全体の厚みを50〜250μm程度に抑えることで、十分な耐キャスター性、復元性を持たせつつウエーブ状(巻き状態)で巻き取る事が可能となり、ロールツーロールによる1ラインでの生産が容易となるという効果を奏する。
またその請求項3記載の発明により、これらこうかをより容易に入手可能な樹脂により得ることが可能となる。
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1に本発明の床用化粧材の断面の構造を示す。木質系基材1の上に接着剤層2を介して中間層3と化粧シート4を設けてなる。更に適宜表面保護層5、U字溝10やV字溝11を設けてもよい。
本発明における木質系基材1としては、南洋材合板、パーティクルボード、中密度繊維板、日本農林規格に規定される普通合板が使用可能である。また、木紛添加オレフィン系樹脂からなる基材も使用可能である。厚みは3〜25mm程度が好適である。
接着剤層2に用いる接着剤としては、公知の2液のウレタン変性ビニル樹脂からなる水性接着剤や1液酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤等が使用可能である。また熱可塑性樹脂ホットメルト接着剤も使用可能である。塗布量は、乾燥後の重さが3〜20g/m程度が接着性の観点から好適である。
本発明における中間層3に用いる樹脂としては、PTT樹脂の単体やこれらの混合物が使用可能である。他に混合する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられる。また中間層3の厚みを50〜200μmとすることで耐衝撃性、表面強度、寸法安定性、化粧シートととしての巻き取り適性の各項目のバランスを取ることが可能となる。
本発明における化粧シート4としては、特に近年の環境問題を鑑みて塩化ビニル樹脂を用いないものとして、非晶状態の結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂、2軸延伸ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂などからなる単層あるいは複数の層からなるものが好適に用いられる。特には下層に着色熱可塑性樹脂層を設け、絵柄層を設けてから上面に透明熱可塑性樹脂を設ける方法が挙げられる。
本発明における化粧シート4の厚みは、耐キャスター性、耐衝撃性、耐傷付き性、ハンドリング性、刃物摩滅度などを考慮すると、50〜200μmが望ましい。本発明においては中間層と併せて200〜350μmとすることで本発明の効果を好適に発現することが可能となる。
化粧シート4中の絵柄層としては、図示しないが、公知の不透明な無機、有機顔料からなる2液のウレタン系樹脂バインダー、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂共重合体等からなるグラビアインキが使用可能である。
また、表面保護層5として、すべり性を考慮して公知の紫外線吸収剤、光安定剤、ガラスビーズなどが添加された紫外線硬化型樹脂や2液ウレタン樹脂を塗布量6〜15g/m塗布しても良い。この場合、耐衝撃性試験、耐キャスター性試験の復元性を考慮にいれて、表面硬度を調節することが望ましい。
また、熱可塑性樹脂化粧シート4に金属ロールなどからなるエンボス版を押し当てて、U字溝10、V字溝11等を施してもよい。凹部の溝部を着色をする場合、凹部着色インキ層は、公知の不透明な無機、有機顔料からなる1液、又は2液のウレタン系樹脂バインダーからなるグラビアインキが使用可能である。
<化粧シート>
厚さ70μmの着色ポリプロピレンフィルム(リケンテクノス(株)製「リベスターTPO」)の片面に、グラビアインキ(東洋インキ製造(株)製「ラミスター」)で木目柄をグラビア印刷機により印刷した。その後、印刷を施した面とは逆の面にシリカ粉末を含有する2液ウレタン系プライマー樹脂を乾燥後の厚みが1μmとなるようにグラビア塗工した。この印刷を施した面上に、アンカー剤としてポリエステルポリオールと硬化剤としてイソホロンジイソシアネートの2液ウレタン樹脂系接着剤を乾燥後の塗布量が1g/mになるように塗工し、さらにこの上に、ホモポリプロピレン50部、ランダムポリプロピレン50部の混合物に紫外線吸収剤0.5部、ヒンダードアミン系光安定剤0.5部、熱安定剤0.2部を添加してマレイン酸変成したポリプロピレン系樹脂を乾燥後の厚みが80μmとなるようにし、さらに同時にその上に接着性樹脂を乾燥後の厚みが10μmとなるようにして、オゾンガスを吹き付けながら共押出しラミネートした。その際押出同時エンボスにより表面にU字の溝部を形成した。以上により合計厚み161μmの化粧シートを得た。
<表面保護層>
前記化粧シートの接着性樹脂を設けた面上に、乾燥後の厚みが1g/mとなるように2液ウレタン樹脂からなるリコート層を設け、その後、ウレタンアクリレート(ダイセル・ユーシービ(株)製「Ebecryl4858」)100部とペンタエリスリトールテトラアクリレート(ダイセル・ユーシービ(株)製「PETA−K」)20部、ベンゾフェノン系光開始剤(ダイセル・ユーシービ(株)製「Ebecryl BZO」)0.5部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.5部、ヒンダードアミン系光安定剤0.5部、ガラスビーズ2部を添加した紫外線硬化型樹脂を厚さ5μmとなるように塗布し、メタルハライドランプによる紫外線照射により硬化させて表面保護層5を設けた。
<中間層>
この化粧シートの裏面に、2液ウレタン樹脂接着剤(東洋モートン(株)製「TM−593」)を乾燥後の塗布量が10g/mになるように塗工し、この面に中間層として厚み170μmのPTT樹脂フィルムを貼り合わせ、合計厚み331μmとして巻き取った。(巻き取れた)
<床用化粧材作成>
木質系基材として厚み12mmのラワン合板を用い、この表面に接着剤として2液水性エマルジョン接着剤(中央理化工業(株)製「リカボンド」(BA−10L/BA−11B=100/5」))をウエット状態で100g/mに塗工したあと、前記化粧シートの中間層側をラミネータにて張り合わせ、12時間養生し、床用化粧材を得た。
<比較例1>
実施例1のPTT樹脂をポリエチレン樹脂にした他は実施例1と同様にして床用化粧材を得た。
<比較例2>
実施例1の中間層の厚みを400μmにした以外は実施例1と同様にして床用化粧材を得た。
<比較例3>
実施例1の中間層3の厚みを30μmにした以外は実施例1と同様にして床用化粧材を得た。
<性能評価>
耐キャスター性試験として、ポリカーボネート製のダブルキャスター(直径40mm、1輪の幅9mm、2輪間の幅18mm)に25kgの重りで荷重をかけ(約245N)、1万回(1ストローク20cm以上、5千往復)、キャスターを速度20cm/秒で床用化粧材上で動かした。その後の痕について観察した。
耐衝撃性試験として、本来は、塗膜の評価法である、デュポン式落球試験(JIS K5400)に準拠して試験を行った。ただし、評価方法としては、高さ300mmから重りを落下させて、床材の凹み量の測定を行った。以上結果を表1に示す。
Figure 2007098855
本発明の床用化粧材は椅子や運動用器具など稼動する家具や器具を用いる住宅、店舗、事務所、体育館などの床用の化粧材として特に好適に用いられる。
本発明の床用化粧材の一実施例の断面の構造を示す説明図である。
符号の説明
1…木質系基材
2…接着剤層
3…中間層
4…化粧シート
5…表面保護層
10…U字溝
11…V字溝

Claims (3)

  1. 木質系基材上に化粧シートを積層してなる床用化粧材において、前記化粧シートの木質系基材側に、厚み50〜200μmのポリトリメチレンテレフタレート樹脂の単層又は複層又は混合物からなる中間層を設けたことを特徴とする床用化粧材。
  2. 前記化粧シートと中間層の厚みの合計が200〜350μmであることを特徴とする請求項1記載の床用化粧材。
  3. 前記ポリトリメチレンテレフタレート樹脂の代わりにポリブチレンテレフタレート樹脂を用いたことを特徴とする請求項1記載の床用化粧材。
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