JP6746955B2 - 化粧シート、化粧材及び化粧シートの製造方法 - Google Patents

化粧シート、化粧材及び化粧シートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、化粧シート、この化粧シートを備えた化粧材及び化粧シートの製造方法に関する。
現在、化粧シートの基材と接着される基材シートや印刷層を保護するクリアフィルムには、ポリオレフィン系の樹脂を使用したものと、塩化ビニルを使用したものとがある。なお、このような基材シートは「下台」、クリアフィルムは「上台」とも呼ばれている。ポリオレフィン系の樹脂は、燃焼時に水素ガスやダイオキシンが発生しない等の地球環境にとって好ましい特性を持つ。一方、塩化ビニルは、安価であり、難燃性や自己消化性に優れるという特性がある。このため、ポリオレフィン系樹脂を使った化粧シートと、塩化ビニルを使った化粧シートとを適宜使い分けることが望ましい。
ところで、化粧シートには、導管印刷層を形成し、表面に物理的な凹凸を形成することなく視覚的に凹凸を形成する「グロスマット印刷」と呼ばれる手法がある。グロスマット印刷の公知技術としては、例えば、特許文献1がある。特許文献1に記載の化粧シートは、下台となる塩化ビニルやポリオレフィン等の熱可塑性シートにエンボス加工を施し、加工後の熱可塑性シートに塗工硬化後の光沢の異なる第1の電離放射線硬化型塗工液と、第2の電離放射線硬化型塗工液とを塗布することが記載されている。
また、引用文献2には、下台上に艶消層と艶向上層とを設け、艶向上層に含まれる樹脂の分子量や組成を規定することによって化粧シートの表面硬度、耐傷つき性及び意匠効果を高めることが記載されている。
特開2000−326446号公報 特開2014−188842号公報
しかしながら、エンボス加工には、熱可塑性シートを加熱する工程が含まれる。塩化ビニルは、オレフィン系樹脂よりも耐熱性が低くエンボス加工に不向きであるとものと言える。また、光沢の異なる樹脂層によって凹凸を表現するために樹脂層の分子量等を規定することは、樹脂層の艶の選択の範囲を制限してグロスマット印刷の意匠性を充分高めることができない可能性がある。
本発明は、このような点に鑑みて行われたものであり、塩化ビニルを用いて意匠性の高いグロスマット印刷の化粧シート、この化粧シートを備えた化粧材及び化粧シートの製造方法を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明の一態様の化粧シートは、塩化ビニルを含む基材シートと、当該基材シートの一方の面側に絵柄層及び塩化ビニルを含む透明フィルム層と、がこの順に形成され、前記透明フィルム層の側に第1の樹脂を塗工して形成され導管層と、前記透明フィルム層と前記導管層との間に第2の樹脂を塗工して形成される表面保護層と、を有し、前記表面保護層は、前記透明フィルム層の全面に形成され、前記導管層は、前記表面保護層の表面の一部に形成され、前記導管層の光沢は、前記透明フィルム層及び前記表面保護層よりも低く、前記第1の樹脂及び前記第2の樹脂は、ウレタン樹脂を含み、前記第1の樹脂は、マットインキとしてのアクリル系樹脂と、硬化剤としてのイソシアネート樹脂と、を含む紫外線硬化樹脂であり、前記第2の樹脂は、グロス樹脂としてのアクリル変性樹脂及びマット樹脂としてのアクリル変性樹脂と、硬化剤としてのイソシアネート樹脂と、を含む紫外線硬化樹脂である
本発明の一態様の化粧材は、上記態様に記載の化粧シートと、前記化粧シートの前記基材シートの前記絵柄層とは反対の面に設けられる接着剤層と、前記接着剤層によって前記基材シートに接着される基材と、を備える。
発明の一態様の化粧シートの製造方法は、上記態様に記載の化粧シートの製造方法であって、塩化ビニル製の前記基材シートの一方の面側に前記絵柄層を形成する工程と、前記絵柄層の上に塩化ビニルを含む前記透明フィルム層を形成する工程と、前記透明フィルム層の側に前記第1の樹脂を塗工して前記導管層を形成する工程と、前記透明フィルム層と前記導管層との間に前記第2の樹脂を塗工して前記表面保護層を形成する工程と、を含む。
このような発明によれば、塩化ビニルを用いて意匠性の高いグロスマット印刷の化粧シート、この化粧シートを備えた化粧材及び化粧シートの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態の化粧材及び化粧シートを説明するための断面図である。 本発明の一実施形態の化粧シートの製造方法を説明するための工程図である。 本発明の第2実施例の化粧シートを説明するための断面図である。 本発明の第1比較例の化粧シートを説明するための断面図である。 本発明の第2比較例の化粧シートを説明するための断面図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(化粧材)
<基材層>
図1は、本発明の一実施形態の化粧材及び化粧シートを説明するための断面図である。本実施形態は、化粧材を板状の化粧ボードとして構成した。ただし、本実施形態の化粧材は、板状の化粧ボードに限定されるものでなく、曲面に化粧シートを貼り付けたものであってもよい。
図1に示した化粧材1は、基材層21と、基材層21上に形成された接着剤層22及び化粧シート10と、を有している。基材層21としては、南洋材合板、針葉樹合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、日本農林規格に規定される普通合板が使用可能である。厚みは3μm以上、25mm以下程度が好適である。
<接着剤層>
接着剤層22は、基材層21と化粧シート10の裏面とを接着するために使用される。本実施形態では、接着剤に水性ビニルレタン樹脂を用いている。なお、本実施形態は、接着剤層22に水性ビニルレタン樹脂を用いることに限定されるものではない。本実施形態の接着層は、化粧シート10の裏面となる塩化ビニルの下台と基材層21とを接着できるものであればどのようなものであってもよい。
(化粧シート)
次に、化粧シート10について説明する。化粧シート10は、塩化ビニルを含む基材シートを有している。本実施形態では、以降、基材シートを下台層11と記す。また、化粧シート10は、この下台層11の一方の面側に絵柄層13及び透明フィルム層と、がこの順に形成されている。本実施形態では、以降、透明フィルム層を上台層15と記す。
また、化粧シート10は、上台層15の側に樹脂を塗工して形成され、上台層15及び表面保護層17よりも光沢が低いマット導管層19を有している。
さらに、本実施形態の化粧シート10では、絵柄層13とマット導管層19との間に樹脂を塗工して形成される表面保護層17を有している。マット導管層19の光沢は、表面保護層17よりも低くなっている。
本実施形態の化粧シート10は、表面をグロスシート印刷処理したものである。グロスシート印刷は、印刷によって化粧シートの表面に光沢の異なるパターンを形成することにより、表面に凹凸があるような印象を観察者に与える手法である。本実施形態では、表面保護層17上にマット導管層19を形成すると共に、マット導管層19の光沢を表面保護層17よりも低くしている。
また、本実施形態は、表面保護層17を絵柄層13の全面に形成し、マット導管層19を表面保護層17の表面の一部に形成した。このため、化粧シート10の表面では、表面保護層17の一部とマット導管層19が同時に視認される。
上記本実施形態の化粧シート10では、光沢の相対的に高い表面保護層17が突出して見え、光沢が相対的に低いマット導管層19が窪んで見える。このため、化粧シート10は、表面においてマット導管層19のパターンの凹部とマット導管層19から見える表面保護層17の凸部が形成されているような視覚的効果を生じる。
なお、本実施形態は、光沢が相対的に高い層上に光沢が相対的に低い層のパターンを設ける構成に限定されるものではない。例えば、光沢が相対的に低い層上に光沢が相対的に高い層のパターンを設けてもよい。また、上台層15上に表面保護層17のパターンとマット導管層19のパターンとを各々形成してもよい。このような構成は、いずれも光沢が相対的に高い層が突出し、光沢が相対的に低い層が窪んでいるように観察者に視認される。
以下、図1に示した化粧シート10の各層について具体的に説明する。
<下台層>
下台層11は、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)製のシートである。ポリ塩化ビニルは、難燃性や自己消火性及びコストの点で例えばポリオレフィンよりも優れた熱可塑性樹脂である。下台層11は、ポリ塩化ビニルに適宜他の樹脂を組み合わせたものであってもよい。
ポリ塩化ビニルは透明であるが、下台層11として用いる場合には顔料または染料を添加して着色することができる。着色材としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料のほか、各種の染料も使用することができる。これらは、公知または市販のものから1種または2種以上を選ぶことができる。また、着色材の添加量も、所望の色合い等に応じて適宜設定すれば良い。
更に、下台層11には、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤を添加してもよい。
下台層11の厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般には20μm以上、300μm以下程度が好ましい。
下台層11は、必要に応じて、絵柄層13を形成するインキの密着性を高めるために表面にコロナ放電処理を施してもよい。コロナ放電処理の方法、条件は、公知の方法に従って実施すれば良い。また、必要に応じて、基材シートの裏面にコロナ放電処理を施したり、後述する裏面プライマー層を形成したりしてもよい。
<絵柄層>
絵柄層13は、化粧シートに所望の絵柄(意匠)を付与する層である。絵柄としては、例えば、木目模様、レザー模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、幾何学図形、文字、記号及び抽象模様等が挙げられる。
絵柄層13は、例えば、公知の着色剤を結着材樹脂とともに溶剤(または分散媒)中に溶解(または分散)して得られるインキを用いた印刷法によって下台層11上に形成される。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独または2種以上を混合して使用できる。また、これらの着色剤は、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等とともに用いてもよい。
結着材樹脂としては、親水性処理されたアクリル樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂の他、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリレート共重合体、ロジン誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂なども併用できる。より具体的には、例えば、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂、その他の水溶性合成樹脂;ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等の水溶性天然高分子;等も使用することができる。また、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂等が変性したものないし前記天然ゴム等の混合物、その他の樹脂を使用することもできる。上記結着材樹脂は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
絵柄層13の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、インキの塗工時の層厚は1μm以上、15μm以下程度、乾燥後の層厚は0.1μm以上、10μm以下程度が好ましい。
<上台層>
上台層15は、透明の塩化ビニル樹脂製のシートである。上台層15の厚みに特に制限はないが、50μm以上、300μm以下程度の範囲が好ましい。
<表面保護層>
表面保護層17は、ウレタン樹脂によって形成されている。このウレタン樹脂は、アクリル変性樹脂のグロス樹脂とマット樹脂及び硬化剤を含んでいる。また、本実施形態は、ウレタン樹脂に紫外線硬化剤としてのイソシアネート樹脂を添加している。本実施形態は、このようなウレタン樹脂を二液ウレタン樹脂とした。グロス樹脂及びマット樹脂の組成や分量は、表面保護層17に要求される光沢に応じて適宜決定される。
本実施形態は、紫外線硬化樹脂を使った印刷法によって表面保護層17を形成している。このため、本実施形態は、表面保護層17の形成にあたって下台層11及び上台層15に熱が加わることがなく、塩化ビニル製の下台層11及び上台層15を損なうことがない。
表面保護層17の厚さは、特に限定されものではないが、一般的に0μm以上、6μm以下程度の範囲が好ましい。
<マット導管層>
マット導管層19は、ウレタン樹脂によって形成されている。このウレタン樹脂は、マットインキとしてのアクリル系樹脂と、硬化剤としてのイソシアネート樹脂と、を含んでいる。マットインキの組成及び分量は、マット導管層19に要求される光沢に応じて適宜決定される。
本実施形態は、表面保護層17と同様に、マット導管層19を紫外線硬化樹脂を使った印刷法によって形成している。このため、本実施形態は、表面保護層17の形成にあたって下台層11及び上台層15に熱が加わることがなく、塩化ビニル製の下台層11及び上台層15を損なうことがない。
(化粧シートの製造方法)
次に、本実施形態の化粧シート10の製造方法について説明する。
図2(a)から図2(d)は、本実施形態の化粧シート10の製造方法を説明するための工程図である。本実施形態の化粧シート10の製造方法では、先ず、図2(a)に示すように、下台層11上に絵柄層13が印刷によって形成される。絵柄層13を形成する際の印刷は、例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、凸版印刷法、インクジェット印刷法及び転写印刷法等によって実現することができる。また、絵柄が層の絵柄が一色の所謂ベタ印刷である場合、絵柄層13は、グラビアコート法等によって実現することができる。
次に、図2(b)に示すように、絵柄層13上に上台層15が形成される。上台層15は、塩化ビニル製であるために、加熱することによって接着剤を使用せず絵柄層13に接着することができる。なお、当然のことながら、上台層15を絵柄層13に接着するために行う加熱は、上台層15が損なわれるような温度を加えるものではない。
次に、図2(c)に示すように、上台層15上に表面保護層17が形成される。表面保護層17は、上述したグロス樹脂、マット樹脂及び硬化剤を含む二液型のウレタン樹脂を塗布し、紫外線を照射して硬化させることによって形成される。上台層に絵柄はなく、絵柄層13の意匠が視認できるように透明である。このため、ウレタン樹脂の塗布は、ベタ印刷によって可能になる。
次に、図2(d)に示すように、表面保護層17の表面にマット導管層19を印刷する。マット導管層19の印刷では、表面保護層17の一部を覆うパターンが形成される。パターン形成の印刷は、例えば、絵柄層13の形成に使用される例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、凸版印刷法、インクジェット印刷法及び転写印刷法等によって実現することができる。
前述したように、マット導管層19は、上台層15よりも光沢が低い。また、マット導管層19は、直接の下層である表面保護層17よりも光沢が低くなっている。このため、マット導管層19として印刷されたパターンが表面よりも窪んで見え、相対的に表面保護層17が突出して見える。このような視覚効果により。本実施形態の化粧シートは、表面に凹凸が形成されているように見える。そして、本実施形態は、塩化ビニル製の下台層11を設けた後、表面保護層17及びマット導管層19を印刷によって形成した。このため、本実施形態は、塩化ビニル製の下台層11及び上台層15を熱によって損なうことなくグロスマット印刷の化粧シートを形成することができる。
本発明の発明者は、以上説明した化粧シート及び化粧材を作製し、その効果を検証する実験を行った。以下、本実施形態の化粧シート及び化粧材の第1実施例、第2実施例を説明する。
<第1実施例>
第1実施例の化粧シートは、図1に示した化粧シート10と同様の構成を有している。このため、第1実施例では化粧シートの図示を省く。第1実施例の化粧シートの各層の作製条件は、以下の通りである。
基板層:合板、厚さ5mm
接着剤層:水性のビニルレタン樹脂、塗布量 6g/m(乾燥後)
下台層:着色塩化ビニル樹脂、厚さ 80μm、組成 可塑材17PHR
絵柄層:アクリル樹脂,塩酢ビ樹脂,有機顔料、合計塗布量 3g/m(乾燥後)
上台層:塩化ビニル樹脂、厚さ 80μm、組成 可塑材20PHR
表面保護層:二液ウレタン樹脂、塗布量 2.24g/m(乾燥後)
マット導管層:二液ウレタン樹脂、塗布量 1.46g/m(乾燥後)
また、透明樹脂層の二液ウレタン樹脂の組成は、グロス樹脂20重量部、マット樹脂80重量部、硬化剤10重量部である。さらに、グロス樹脂は、イソシアネート反応型のアクリル変性樹脂24.5%(固形分)有機溶剤69%、紫外線吸収型等の有機添加剤6.5%を含み、その比重は0.95である。マット樹脂は、イソシアネート反応型のアクリル変性樹脂23.5%(固形分)有機溶剤65%、紫外線吸収型等の有機添加剤4%、シリカ7.5%を含み、その比重は1.0である。硬化剤は、イソシアネート樹脂であって、固形分75%、比重は1.10である。
また、マット導管層の二液ウレタン樹脂の組成は、マットインキ100重量部、硬化剤16重量部である。さらに、マットインキはアクリルマットインキであり、固形分が36%、比重が1.01である。アクリルマットインキの組成は、アクリル系樹脂25%、有機添加剤4%、シリカ7%である。硬化剤の組成は、イソシアネート樹脂、固形分75%、比重が1.10である。
<第2実施例>
図3は、本発明の第2実施例の化粧材3及び化粧シート30を説明するための断面図である。第2実施形態の化粧シート30は、本発明の実施形態の化粧シート10から表面保護層17を除いた構成を有している。このため、図3に示した化粧シート30の説明においては、各層の説明を略す。
図3に示した化粧シート30は、塩化ビニル製の上台層15を絵柄層13に加熱、圧着し、マット導管層19を印刷によって形成している。このような第2実施例は、化粧シート30に下台層11を損なうような高温を印加することがない。また、第2実施例のマット導管層19は、上台層15よりも光沢が低く、上台層15上にあって観察者には窪んだように見える。
また、本発明の発明者らは、第1実施例、第2実施例の化粧シートによって得られる効果を検証するため、本発明の範囲外の化粧シートを比較例として作製した。比較例の化粧シートは、現状で化粧シートに要求される基本的な機能を備えて実用化されているものである。以下、第1比較例、第2比較例の化粧シートについて説明する。
<第1比較例>
図4は、第1比較例の化粧材4及び化粧シート40を説明するための図である。第1比較例の化粧シート40は、第2実施例の化粧シート30からマット導管層19を除いた構成である。このため、図4に示した化粧シート40の説明にあっては、各層の説明を省くものとする。化粧シート40は、表面に上台層15が形成されていて、上台層15上に上台層15と光沢の異なる層が設けられていない。このような構成は、上台層15上に窪みが見られず、表面に凹凸があるように見える化粧シートを提供することはできない。
<第2比較例>
図5は、第2比較例の化粧材5及び化粧シート50を説明するための図である。第2比較例の化粧シート50は、実施形態の化粧シート10のマット導管層19を除き、上台層15と表面保護層17との間にワイピング層53を設けたものである。ワイピング層51は、上台層15上に塩化ビニルシートにエンボス加工を施したワイピング層53を設け、エンボ加工が施された前面にインク51を塗布した後に拭き取ることによってエンボスの凹部にインク51を埋め込んで形成される。このような処理によれば、インク51部分の光沢が下面にある上台層15よりも低くなる。
<効果>
表1は、第1実施例、第2実施例、第1比較例及び第2比較例によって得られる視覚的な効果を説明するための図である。表1に示したように、本発明の発明者らは、第1実施例、第2実施例、第1比較例及び第2比較例について化粧シートの外観観察と、化粧シートとして一般的に必要とされる他の基本的な性能とを確認した。
Figure 0006746955
(a)耐薬品性
化粧シートに必要とされる基本的な性能として、本発明の発明者らは、耐薬品性及び耐汚染性を調べた。耐薬品性の実験は、対象となる薬品の溶液を裁断した化粧シート表面に滴下し、時経皿にて6時間被覆することによって行った。そして、6時間が経過した後、発明者らは、化粧シートの被覆を解いて水洗し、拭き取りを行って化粧シート表面を観察した。あるいは被覆が解かれた化粧シートを乾燥した部材で拭き取って水洗した。
本実施例では、表面の観察結果を「〇」、「△」、「×」によって行った。「〇」は化粧シートの外観に変化がなかったと判断されたことを示す。「△」は化粧シート表面の艶に変化が見られたと判断されたことを示す。「×」は化粧シート表面に艶以外の変化が見られたと判断されたことを示す。
耐薬品性の実験に使用される薬品は、10%の塩酸水溶液(図中10%塩酸)、n−ヘキサン、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、10%のアンモニア水溶液(図中10%アンモニア水)、10%の苛性ソーダ水溶液(図中10%苛性ソーダ)及びアセトンである。
耐薬品性の実験の結果では、10%塩酸、n−ヘキサン、10%アンモニア水及び10%苛性ソーダにおいては、第1実施例、第2実施例、第1比較例及び第2比較例のいずれもが「〇」の評価を得ている。このような結果は、第1実施例及び第2実施例の化粧シートが第1比較例及び第2比較例と同等の耐薬品性を有していることを表している。なお、「〇」の評価を得た実験ではいずれも化粧シート表面を水洗した後に拭き取っているが、他の実験ではいずれも乾式で化粧シート表面を拭き取って水洗いしている。
(b)耐汚染性
耐汚染性の実験は、耐薬品性と同様に、対象となる試料を裁断した化粧シート表面に滴下し、時経皿にて6時間被覆することによって行った。そして、6時間が経過した後、発明者らは、化粧シートの被覆を解いて水洗または洗剤やアルコールで拭き取り、化粧シート表面を観察した。あるいは被覆が解かれた化粧シートを乾燥した部材で拭き取って水洗した。
本実施例では、表面の観察結果を「◎」、「〇」、「△」によって行った。「◎」は化粧シートに付着した試料が中性洗剤によって拭き取れたことを示す。「〇」は化粧シートに付着した試料がアルコールによって拭き取れたことを示す。「△」は化粧シートに付着した試料を拭き取っても若干のシミが残ることを示している。
耐汚染性の実験に使用される試料は、紅茶(リプトンイエローラベルのティーバックを熱湯で45秒抽出した後に常温に冷まして使用)、食酢(ミツカン製穀物酢原液)、10%のクエン酸水溶液(10%クエン酸)、靴墨(株式会社コロンブス製、ナイトリキッド(黒))、水性マーカーペン(ぺんてる株式会社製、品番S520−AD、黒)、染毛剤(ホーユー株式会社、ビゲン、クリームトリートメント3G)である。
耐汚染性の実験の結果では、第1実施例、第2実施例、第1比較例及び第2比較例のいずれにおいても、靴墨と染毛剤がアルコールを使用しなければ拭き取ることができなかった。また、他の試料については、第1実施例、第2実施例、第1比較例及び第2比較例のいずれにおいても中性洗剤で拭き取ることができた。このような結果から、第1実施例及び第2実施例の化粧シートは、第1比較例及び第2比較例と同様の化粧シートとしての機能を備えているといえる。
(c)外観観察
次に、第1実施例、第2実施例、第1比較例及び第2比較例の外観観察の結果について説明する。外観観察は、観察者の目視によって行われ、化粧シートの意匠が表面に凹凸があるように感じられるか否かを判断するものである。外観観察において、観察者が化粧シートの表面に凹凸がある(グロスマット感がある)ように感じた場合には「〇」、凹凸があるように感じられなかった(グロスマット感がない)場合には「×」と評価される。
表1に示すように、第1実施例、第2実施例の化粧シートは、グロスマット感がある意匠であるとして「〇」の評価を得ている。しかし、比較例1及び比較例2は、表面にグロスマット感が感じられず、「×」と評価された。
(d)総合評価
以上のことから、第1実施例、第2実施例の化粧シートは、化粧シートとして必要な基本的機能と、グロスマット感との両方において必要な条件を満たすことが分かった。一方、第2比較例の化粧シートは、ワイピングによって上台層15表面に光沢が相違する層を設けたにも関わらずグロスマット感を得ることができなかった。
以上説明した本発明の化粧シートは、壁紙や外壁、床材に貼り付けて建材に利用することができる。また、本発明の化粧材は、壁紙や外壁等の建材や家具に利用することができる。
1、3、4、5 化粧材
11 下台層
13 絵柄層
15 上台層
17 表面保護層
19 マット導管層
21 基材層
22 接着剤層

Claims (7)

  1. 塩化ビニルを含む基材シートと、当該基材シートの一方の面側に絵柄層及び塩化ビニルを含む透明フィルム層と、がこの順に形成され、
    前記透明フィルム層の側に第1の樹脂を塗工して形成され導管層と、
    前記透明フィルム層と前記導管層との間に第2の樹脂を塗工して形成される表面保護層と、を有し、
    前記表面保護層は、前記透明フィルム層の全面に形成され、
    前記導管層は、前記表面保護層の表面の一部に形成され、
    前記導管層の光沢は、前記透明フィルム層及び前記表面保護層よりも低く、
    前記第1の樹脂及び前記第2の樹脂は、ウレタン樹脂を含み、
    前記第1の樹脂は、マットインキとしてのアクリル系樹脂と、硬化剤としてのイソシアネート樹脂と、を含む紫外線硬化樹脂であり、
    前記第2の樹脂は、グロス樹脂としてのアクリル変性樹脂及びマット樹脂としてのアクリル変性樹脂と、硬化剤としてのイソシアネート樹脂と、を含む紫外線硬化樹脂である
    ことを特徴とする化粧シート。
  2. 前記基材シートの厚さは、20μm以上300μm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記絵柄層の厚さは、0.1μm以上10μm以下である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化粧シート。
  4. 前記透明フィルムの厚さは、50μm以上300μm以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の化粧シート。
  5. 前記表面保護層の厚さは、6μm以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の化粧シート。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか項に記載の化粧シートと、
    前記化粧シートの前記基材シートの前記絵柄層とは反対の面に設けられる接着剤層と、
    前記接着剤層によって前記基材シートに接着される基材と、
    を備えることを特徴とする化粧材。
  7. 請求項1に記載の化粧シートの製造方法であって、
    塩化ビニル製の前記基材シートの一方の面側に前記絵柄層を形成する工程と、
    前記絵柄層の上に塩化ビニルを含む前記透明フィルム層を形成する工程と、
    前記透明フィルム層の側に前記第1の樹脂を塗工して前記導管層を形成する工程と、
    前記透明フィルム層と前記導管層との間に前記第2の樹脂を塗工して前記表面保護層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする化粧シートの製造方法。
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