JP2007070789A - 発泡壁紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層が形成されている発泡壁紙であって、(1)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、(2)発泡剤含有樹脂層が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層である、
ことを特徴とする発泡壁紙に係る。
【選択図】なし
Description
1. 紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層が形成されている発泡壁紙であって、
(1)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)発泡剤含有樹脂層が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層である、
ことを特徴とする発泡壁紙。
2. 前記重合体が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種のモノマーとエチレンとの組み合わせにより得られる共重合体である、前記項1に記載の発泡壁紙。
3. 前記重合体が、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体及びアイオノマー樹脂の少なくとも1種である、前記項1に記載の発泡壁紙。
4. 前記重合体が、水素結合を有する、前記項1に記載の発泡壁紙。
5. 前記重合体が、メルトフローレート値0.1〜60g/10分(190℃,2.16kg)である、請求項1〜4のいずれかに記載の発泡壁紙。
6. 前記重合体が、樹脂組成物中70〜100重量%含有する、前記項1〜5のいずれかに記載の発泡壁紙。
7. さらに非発泡樹脂層を有し、前記非発泡樹脂層は、紙質基材から順に発泡樹脂層及び非発泡樹脂層となるように形成されている、前記項1〜6のいずれかに記載の発泡壁紙。
8. 紙質基材と発泡樹脂層との間にさらに非発泡樹脂層が形成されている、前記項1〜7のいずれかに記載の発泡壁紙。
9. シート最表面層の上からエンボス加工がなされている、前記項1〜8のいずれかに記載の発泡壁紙。
本発明の発泡壁紙は、紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層が形成されている発泡壁紙であって、
(1)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)発泡剤含有樹脂層が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層である、
ことを特徴とする。
紙質基材の材質は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
本発明では、必要に応じて紙質基材と発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層(非発泡樹脂層B)が形成されていても良い。特に、非発泡樹脂層Bが接着剤層として形成される場合は、優れた密着性を得ることができる。非発泡樹脂層Bとしては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体等を好適に用いることができる。非発泡樹脂層Bは樹脂成分以外に公知の添加剤を含んでもよいが、樹脂成分の含有量が70〜100重量%となるように配合することが好ましい。
発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層が発泡することにより形成された層である。発泡剤含有樹脂層は、アクリル酸(CH2=CHCOOH)及びメタクリル酸(CH2=C(CH3)COOH)の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層である。
本発明では、発泡樹脂層上に(紙質基材と反対側に)必要に応じて非発泡樹脂層(非発泡樹脂層A)を設けることもできる。非発泡樹脂層は、特に発泡樹脂層を保護する等の効果がある。従って、非発泡樹脂層の形成には、発泡樹脂層を保護するために用いられている公知の樹脂組成物を採用することができる。
本発明の発泡壁紙は、非発泡樹脂層(非発泡樹脂層A)のおもて面に必要に応じて絵柄模様層を有してもよい。
本発明の発泡壁紙は、絵柄模様層の表面に艶調整及び/又は絵柄模様層の保護を意図して表面保護層を有してもよい。表面保護層の種類は限定的ではない。艶調整を目的とする表面保護層であれば、例えば、シリカなどの既知フィラーを含む表面保護層がある。表面保護層の形成方法としては、グラビア印刷などの公知の方法が採用できる。なお、絵柄模様層と表面保護層との密着性が十分に得られない場合には、絵柄模様層の表面を易接着処理(プライマー処理)した後に表面保護層を設けることもできる。
本発明の発泡壁紙は、適宜エンボス模様を付してもよい。この場合、発泡壁紙の最表面層(紙質基材と反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版の押圧等、公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が表面保護層である場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
本発明の発泡壁紙の製造方法は特に限定されない。特に、2層以上の層構成とする場合は、例えばTダイ押出し機による同時押出しが好適である。例えば、紙質基材から順に発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Aを積層する場合、2つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより2層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いる。この場合、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物及び非発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。この方法では、同時押出し積層体は、紙質基材上に同時積層(成膜)する。紙質基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため紙質基材と接着される。
エチレン−メタクリル酸共重合体「ニュクレルN1535(MFR=35、MAA=15%):三井・デュポン ポリケミカル製」100重量部、二酸化チタン「R−108:デュポン製」25重量部、発泡剤「ビニホールAC#3-K2:永和化成工業製」5重量部及び安定剤「アデカスタブOF−102:旭電化工業製」5重量部を含む樹脂組成物を発泡剤含有樹脂層の形成に用いた。前記樹脂組成物を120℃で10分間混練した後、厚みが100μmになるように製膜し、裏打紙と貼り合わせた。発泡剤含有樹脂層上にグラビア印刷により絵柄層を形成した。次に、ギアオーブンにて加熱(240℃×35秒)し、発泡剤含有樹脂層に含有する発泡剤を発泡させた。さらに、その発泡体に対して布目パターンの凹凸エンボスを施し、所望の発泡壁紙を得た。
エチレン−メタクリル酸共重合体に代えてエチレン−酢酸ビニル共重合体「エバテートD4010(MFR=10):住友化学製」を用いたほかは、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
実施例及び比較例で得られた発泡壁紙(シート)について、耐スクラッチ性等について調べた。その結果を表1に示す。
(1)コインスクラッチ
「水平な面に試験片を置き、10円硬貨を用い、45°の角度で試験片上を荷重2kgで引き掻き、表面を観察する。」という測定方法により測定した。試験表面に傷がない場合は「◎」、表面が僅かに傷付いた場合は「○」、発泡層まで傷が達した場合は「△」、大きく傷付いた場合は「×」と評価した。
(2)テーバー摩耗試験
JIS K6902の耐摩耗試験に規定された摩耗試験機を用い、軟質摩耗輪:CS−17 荷重:1kg 回転数:200回転の条件で試験後の試験片の表面を観察した。摩耗が発泡層まで達しない場合は「◎」、発泡層まで達するが表面のケバ立ちのない場合は「○」、表面が僅かにケバ立つ場合は「△」、表面が大きくケバ立つ場合は「×」と評価した。
(3)耐スクラッチ試験
日本ビニル工業会ビニル建装部会制定の「表面強化壁紙性能規定」に準拠して行った。すなわち、学振摩耗試験機(JISL0849 摩耗試験機II型)に試験片を取り付け、その試験機の摩擦子に同部会指定の金属製爪を用いて、金属爪先端に200g荷重をかけ、試験片上を5往復させて、試験片の試験後の表面状態を観察し、表面の傷付き具合で判断した。上記規定によれば、1級〜5級の5段階で評価され、5級:変化なし 4級:表面に少し変化あり 3級:表面が破けて見える 2級:表面が破けて紙等の裏打材が見える(長さ1cm未満) 1級:表面が破けて紙等の裏打材が見える(長さ1cm以上)とされている。本評価においては、それを◎、○、△、×で示し、◎:5級 ○:4級 △:3級 ×:2〜1級とした。
Claims (9)
- 紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層が形成されている発泡壁紙であって、
(1)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)発泡剤含有樹脂層が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層である、
ことを特徴とする発泡壁紙。 - 前記重合体が、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種のモノマーとエチレンとの組み合わせにより得られる共重合体である、請求項1に記載の発泡壁紙。
- 前記重合体が、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体及びアイオノマー樹脂の少なくとも1種である、請求項1に記載の発泡壁紙。
- 前記重合体が、水素結合を有する、請求項1に記載の発泡壁紙。
- 前記重合体が、メルトフローレート値0.1〜60g/10分(190℃,2.16kg)である、請求項1〜4のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 前記重合体が、樹脂組成物中70〜100重量%含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の発泡壁紙。
- さらに非発泡樹脂層を有し、前記非発泡樹脂層は、紙質基材から順に発泡樹脂層及び非発泡樹脂層となるように形成されている、請求項1〜6のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 紙質基材と発泡樹脂層との間にさらに非発泡樹脂層が形成されている、請求項1〜7のいずれかに記載の発泡壁紙。
- シート最表面層の上からエンボス加工がなされている、請求項1〜8のいずれかに記載の発泡壁紙。
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