JP2008106591A - 床材用化粧シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐キャスター性、耐衝撃性等の特性が優れている床材用化粧シートの製造方法であって、他の特性を損なわない効率的な製造方法を提供する。
【解決手段】基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層を順に有し、基材シート裏面に合成樹脂製バッカー層を有する床材用化粧シートの製造方法であって、
(1)透明性樹脂層は、厚さが60〜250μmであり、
(2)床材用化粧シートは、厚さが300〜580μmであり、
(3)床材用化粧シートは、基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層が形成された中間体シートの基材シート裏面に対して、溶融樹脂を厚さ80〜250μmの範囲で押出し成形することによって合成樹脂製バッカー層を形成することにより得る、床材用化粧シートの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、床材用化粧シートの製造方法に関する。
床材用化粧シートは、床面に配置する基材(例えば合板などの木質基材)に貼着して、基材表面を装飾する用途に用いられる。このような床材用化粧シートは、装飾性能以外に、耐キャスター性、耐衝撃性等の特性が優れていることが要求される。耐キャスター性は、事務用イスなどのキャスター(車輪)が床材用化粧シートの表面に与える荷重に対する耐性を示す。
床材用化粧シートとしては、例えば、基材シート上に装飾層を設けて、基材シート裏面に合成樹脂製バッカー層を更に設けて、全体として耐キャスター性、耐衝撃性等の特性を発現させる床材用化粧シートが知られている(特許文献1など)。なお、バッカー層とは、木質基材などの表面凹凸の影響を緩和するとともに、上記特性の発現に有効となる、比較的厚みの大きな合成樹脂層である。
従来、バッカー層を有する上記床材用化粧シートは、ドライラミネーション等によって基材シート裏面にバッカー層を貼り付けることにより製造されているが、このような製造方法においては貼り付けに際して不良品が生じ易く、しかも貼り付けに時間がかかり、大量生産に向いていないという問題がある。
上記問題に鑑みて、バッカー層を形成せずに、基材シート上に比較的厚みのある透明性樹脂層を形成することによって床材用化粧シートとする試みがある(特許文献2など)が、厚みの大きな樹脂層を積層するため、はやり生産速度に限界があり、生産性の点において更なる改善の余地が有る。
上記以外には、バッカー層を形成する床用化粧シートの製造方法であってバッカー層を溶融樹脂の押出しによって形成するという試みも提案されている。しかしながら、かかる製造方法によると新たな問題が生じる。即ち、溶融樹脂が高温であるため基材シート側に高温の熱が伝わり、化粧シート表面のエンボス模様が熱で消失するという問題が生じる。
従って、耐キャスター性、耐衝撃性等の特性が優れている床材用化粧シートの製造方法であって、他の特性を損なわない効率的な製造方法の開発が望まれている。
特開2003−239517号公報 特開2005−290568号公報
本発明は、耐キャスター性、耐衝撃性等の特性が優れている床材用化粧シートの製造方法であって、効率的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、床材用化粧シートの厚さを特定の範囲とし、且つ、特定の方法によってバッカー層を積層する場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の床材用化粧シートの製造方法及び床用化粧材に関する。
1.基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層を順に有し、基材シート裏面に合成樹脂製バッカー層を有する床材用化粧シートの製造方法であって、
(1)透明性樹脂層は、厚さが60〜250μmであり、
(2)床材用化粧シートは、厚さが300〜580μmであり、
(3)床材用化粧シートは、基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層が形成された中間体シートの基材シート裏面に対して、溶融樹脂を厚さ80〜250μmの範囲で押出し成形することによって合成樹脂製バッカー層を形成することにより得る、
床材用化粧シートの製造方法。
2.透明性樹脂層及び合成樹脂製バッカー層の少なくとも1種は、樹脂成分として熱可塑性樹脂を含有する、上記項1に記載の製造方法。
3.透明性樹脂層は、樹脂成分としてポリプロピレンを含有する、上記項1又は2に記載の製造方法。
4.透明性樹脂層は、JIS K6734の規定に従って測定した引張り弾性率が600MPa以上である、上記項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
5.合成樹脂製バッカー層は、JIS K6734の規定に従って測定した引張り弾性率が1000MPa以上である、上記項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
6.透明性表面保護層は、樹脂成分として電離放射線硬化型樹脂を含有する、上記項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
7.基材シートは、樹脂成分としてポリオレフィン系樹脂を含有する、上記項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
8.上記項1〜7のいずれかに記載の製造方法によって製造された床材用化粧シートと被着材とを積層してなる床用化粧材。
以下、本発明について詳細に説明する。
床材用化粧シートの製造方法
本発明の床材用化粧シートの製造方法は、基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層を順に有し、基材シート裏面に合成樹脂製バッカー層を有する床材用化粧シートの製造方法であって、
(1)透明性樹脂層は、厚さが60〜250μmであり、
(2)床材用化粧シートは、厚さが300〜580μmであり、
(3)床材用化粧シートは、基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層が形成された中間体シートの基材シート裏面に対して、溶融樹脂を厚さ80〜250μmの範囲で押出し成形することによって合成樹脂製バッカー層を形成することにより得る、ことを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の製造方法によれば、合成樹脂製バッカー層を溶融樹脂の押出し成形によって形成するにも関わらず、化粧シート表面に形成されたエンボス模様を消失させることなく床材用化粧シートを製造することができる。また、上記(1)〜(3)に規定される厚さの条件を採用することにより、床材用化粧シートは耐キャスター性、耐衝撃性等の特性が良好である。
本発明の製造方法では、最初に基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層が形成された中間体シートを用意する。次に中間体シートの基材シート裏面に対して、溶融樹脂(溶融合成樹脂)を厚さ80〜250μmの範囲で押出し成形することによって合成樹脂製バッカー層を形成する。
中間体シートの構成は次の通りである。
(基材シート)
基材シートとしては限定的ではないが、樹脂成分としてポリオレフィン系樹脂を含む基材シートが好ましい。実質的には、ポリオレフィン系樹脂からなるシートを用いる。
ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されず、化粧シートの分野で通常用いられているものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの中でも、特にポリプロピレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が好ましい。
ポリプロピレンを主成分とする単独重合体又は共重合体も好ましく、例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及び、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられる。その他、エチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1のコモノマーを15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等も好ましい。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントにアイソタクチックポリプロピレン、ソフトセグメントにアタクチックポリプロピレンを重量比80:20で混合したものが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等によりフィルム状にすればよい。
基材シートの厚みは特に限定されず、製品特性に応じて設定できるが、通常40〜150μm、好ましくは50〜100μm程度である。
基材シートには、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、着色剤(下記参照)などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
着色剤としては特に限定されず、顔料、染料等の公知の着色剤を使用できる。例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む);アルミニウム、真鍮等の金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。基材シートの着色態様には、透明着色と不透明着色(隠蔽着色)があり、これらは任意に選択できる。例えば、被着材(化粧シートを貼着する基材、例えば木質基材等)の地色を着色隠蔽する場合には、不透明着色を選択すればよい。一方、被着材の地模様を目視できるようにする場合には、透明着色を選択すればよい。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。例えば、コロナ放電処理を行う場合には、基材シート表面の表面張力が30dyne以上、好ましくは40dyne以上となるようにすればよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、プライマー層(例えば、バッカー層の接着を容易とするための裏面プライマー層、絵柄模様層の形成を容易とするためのプライマー層)を設けてもよい。
プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートの片面又は両面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤等が挙げられる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜100g/m、好ましくは0.1〜50g/m程度である。
プライマー層の厚みは特に限定されないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1μm程度である。
(絵柄模様層)
基材シートの上(バッカー層を形成する面とは逆)には、絵柄模様層が形成されている。
絵柄模様層は、化粧シートに所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は特に限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄模様層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)させて得られる着色インキ、コーティング剤等を用いた印刷法などにより形成すればよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等がさらに配合してもよい。
結着材樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
絵柄模様層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄模様層を形成する場合には、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が挙げられる。その他、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法等を用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
絵柄模様層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は1〜15μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜10μm程度である。
(着色隠蔽層)
基材シートと絵柄模様層との間には、必要に応じて、さらに着色隠蔽層を形成してもよい。着色隠蔽層は、化粧シートのおもて面から被着材の地色を隠蔽したい場合に設けられる。基材シートが透明性である場合は勿論、基材シートが隠蔽着色されている場合でも、隠蔽性を安定化するために形成してもよい。
着色隠蔽層を形成するインクとしては、絵柄模様層を形成するインクであって隠蔽着色が可能なものが使用できる。
着色隠蔽層の形成方法は、基材シート全体を被覆(全面ベタ状)するように形成できる方法が好ましい。例えば、前記したロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等が好ましいものとして挙げられる。
着色隠蔽層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は0.2〜10μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜5μm程度である。
(透明性接着剤層)
絵柄模様層の上には、透明性接着剤層が形成されている。透明性接着剤層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。透明性接着剤層は、絵柄模様層と透明性樹脂層とを接着するために形成されている。
接着剤としては特に限定されず、化粧シートの分野で公知の接着剤が使用できる。
化粧シートの分野で公知の接着剤としては、例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂等の硬化性樹脂等が挙げられる。また、イソシアネートを硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂も適用し得る。
接着剤層は、例えば、接着剤を絵柄模様層の上に塗布し、透明性樹脂層を構成する塗工剤(接着剤)を塗工後、乾燥・硬化させることにより形成できる。乾燥温度・乾燥時間等の条件は特に限定されず、接着剤の種類に応じて適宜設定すればよい。接着剤の塗布方法は特に限定されず、例えば、ロールコート、カーテンフローコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、エアーナイフコート、キスコート、ブレードコート、スムースコート、コンマコート等の方法が採用できる。
接着剤層の厚みは特に限定されないが、乾燥後の厚みが0.1〜30μm、好ましくは1〜20μm程度である。
(透明性樹脂層)
透明性接着剤層の上には、厚さ60〜250μmの透明性樹脂層が形成されている。当該厚さ(好ましくは100〜250μm、より好ましくは150〜250μm)の範囲であれば、床材用化粧シートは優れた耐傷性を確保し易い。透明性樹脂層は、透明性である限り、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。
透明性樹脂層に含まれる樹脂成分は限定的ではないが、熱可塑性樹脂であれば好ましく、特にポリプロピレンが好ましく、ホモポリプロピレンがより好ましい。透明性樹脂層は、実質的に上記ポリプロピレン系樹脂によって形成されていることが好ましい。
透明性樹脂層は、その引張り弾性率が600MPa以上であれば好ましく、1000MPa以上であれば好ましい。引張り弾性率の上限は特に限定的ではないが、2000MPa程度とすればよい。なお、本明細書における引張り弾性率は、試料(例えば、ここでは透明性樹脂層)の引張り弾性率をJIS K6734「プラスチック−硬質ポリ塩化ビニルシート−寸法及び特性−第2部:厚さ1mm未満のシート」の規定に従って測定した値である。前記JIS(Japanese Industrial Standards)は日本工業規格を指す。詳細には、図1に示す形状に打ち抜かれた試料の両端(図1のA、B)を、引張り試験機(テンシロン万能試験機RTC−1250A)を用いて50mm/分の速度で引っ張った際に、試料が中央部分で切れたときの引張り弾性率(MPa)を読み取った値である。
透明性樹脂層は、例えば、上記ポリプロピレン系樹脂を、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等により形成する。また既成のフィルムを用いてもよい。
透明性樹脂層は、必要に応じて、耐候剤を含有してもよい。耐候剤としては、例えば、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等が好ましい。これらの耐候剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。特に透明性樹脂層がポリプロピレンを含有する場合には、耐候剤を含有することが好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が好適である。これらの耐候剤の含有量は限定されないが、紫外線吸収剤・光安定剤ともに、透明性樹脂層中1000〜10000重量ppm程度とすればよい。
透明性樹脂層の表面であって、後記する透明性表面保護層を形成する面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
また、必要に応じて、表面にプライマー層(表面保護層の形成を容易とするためのプライマー層)を設けてもよい。
プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートの片面又は両面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜100g/m、好ましくは0.1〜50g/m程度である。
プライマー層の厚みは特に限定されないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1μm程度である。
(透明性表面保護層)
透明性樹脂層の上には、透明性表面保護層が形成されている。透明性表面保護層は限定的ではないが、樹脂成分として電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂を含有することが好ましい。実質的には、これらの樹脂から形成されているものが好ましい。電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂により透明性表面保護層を形成する場合には、化粧シートの耐摩性、耐衝撃性、耐汚染性、耐擦傷性、耐候性等を高め易い。
電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
具体的には、前記プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量としては、通常250〜100000程度が好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。また、チオールとしては、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。ポリエンとしては、例えば、ジオール及びジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したものが挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を硬化させるために用いる電離放射線としては、電離放射線硬化型樹脂(組成物)中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常は紫外線又は電子線を用いればよいが、可視光線、X線、イオン線等を用いてもよい。
紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。紫外線の波長としては、通常190〜380nmが好ましい。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。その中でも、特に100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射できるものが好ましい。
2液硬化型ウレタン系樹脂としては特に限定されないが、中でも主剤としてOH基を有するポリオール成分(アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール等)と、硬化剤成分であるイソシアネート成分(トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート等)とを含むものが使用できる。
表面保護層は、必要に応じて、耐侯剤、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤等を含んでもよい。耐候剤を含有する場合の種類、含有量については、透明性樹脂層における説明と同様である。
表面保護層は、例えば、透明性ポリプロピレン系樹脂層の上に電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂をグラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法により塗工後、樹脂を硬化させることにより形成できる。電離放射線硬化型樹脂の場合には、電子線照射により樹脂硬化する。
表面保護層の厚さは特に限定されず、最終製品の特性に応じて適宜設定できるが、通常0.1〜50μm、好ましくは1〜20μm程度である。
表面保護層のおもて面(大気に露出している面)には、凹凸が形成されていてもよい。通常はエンボス加工により凹凸模様を形成する。エンボス加工方法は特に限定されず、例えば、透明性アクリル系樹脂層のおもて面を加熱軟化させてエンボス版により加圧・賦形後、冷却する方法が好ましい方法として挙げられる。エンボス加工には、公知の枚葉式又は輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
本発明の製造方法では、上記説明した中間体シートの基材シート裏面に対して、溶融樹脂を厚さ80〜250μmの範囲で押出し成形することによって合成樹脂製バッカー層を形成する。かかる範囲内で溶融樹脂を押出し成形することにより、中間体シート表面に形成されたエンボス模様を消失させることなく基材シート裏面に合成樹脂製バッカー層を形成することができる。
上記合成樹脂製バッカー層を溶融樹脂の押出し成形によって形成する際は、例えば、Tダイを用いた押出し成形が好適に利用できる。また、合成樹脂製バッカー層が多層である場合には、例えば、マルチマニホールドタイプやフィードブロックタイプのTダイを用いることにより、多層同時押出しを行えばよい。合成樹脂製バッカー層を多層とする場合は、例えば、基材シートの裏面と最も近い層を易接着樹脂層とすることが好ましい。この様な改良は、例えば、易接着樹脂層とする層に公知の熱可塑性エラストマーを配合することによって達成できる。熱可塑性エラストマーの種類は特に限定されず、バッカー層を構成する樹脂と相溶性が高く、基材シートとの密着性改善に寄与し得るものの中から広く選択できる。
なお、押し出し成形によって形成した合成樹脂製バッカー層が熱融着によるだけでは基材シート裏面と密着し難い場合には、必要に応じて、密着性を高めるために接着剤層を介してもよい。接着剤の種類は限定的ではないが、前記透明性接着剤層の欄で記載したものが使用できる。接着剤層の厚さは限定的ではないが、0.1〜30μm程度である。接着剤層を形成する場合には、この接着剤層の厚さも床材用化粧シートの厚さに含まれる。
バッカー層を形成する合成樹脂としては限定的ではないが、熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチレン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリイミド、ポリスチレン、ポリアミド、ABS等が挙げられる。
合成樹脂製バッカー層の厚さは80〜250μmであればよいが、100〜250μm程度が好ましく、150〜250μmがより好ましい。このように、80〜250μmの範囲内では条件が許す限り厚い方が望ましい。なお、合成樹脂製バッカー層は押出し成形によって形成される限り単層でも多層でもよい。合成樹脂は単独でも混合物でもよい。
合成樹脂製バッカー層は、その引張り弾性率が1000MPa以上であれば好ましく、1500MPa以上であれば好ましい。引張り弾性率の上限は特に限定的ではないが、2500MPa程度とすればよい。
上記方法により合成樹脂製バッカー層を形成して得られる本発明の床材用化粧シートは、厚さが300〜580μmであることを要する。なお、この厚さの範囲には、プライマー層などの任意層の厚さも含まれる。
床用化粧材
本発明の床材用化粧シートは、各種被着材と接合することにより、床用化粧材とできる。被着材の材質は特に限定されず、例えば、無機非金属系、金属系、木質系、プラスチック系等の材質が挙げられる。
具体的には、無機非金属系では、例えば、抄造セメント、押出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(ガラス繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木片セメント、石綿セメント、硅酸カルシウム、石膏、石膏スラグ等の非陶磁器窯業系材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス材料などが挙げられる。
金属系では、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属材料(金属鋼板)が挙げられる。
木質系では、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合板、パーティクルボード、繊維板、集成材等が挙げられる。
プラスチック系では、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
このような被着体の形状は特に限定されず、通常はフローリング等への設置を考慮して平板とすればよい。
被着材と接合後は、例えば、最終製品の特性に応じて、裁断、テノーナーを用いてサネ加工、V字形状の条溝付与、四辺の面取り等を施してもよい。
本発明の製造方法によれば、合成樹脂製バッカー層を溶融樹脂の押出し成形によって形成するにも関わらず、化粧シート表面に形成されたエンボス模様を消失させることなく床材用化粧シートを製造することができる。また、上記(1)〜(3)に規定される厚さの条件を採用することにより、得られる床材用化粧シートは耐キャスター性、耐衝撃性等の特性が良好である。
以下に実験例を示し、本発明をより具体的に説明する。
参考例1、実施例1〜3及び比較例1〜4
(床材用化粧シートの作製)
0.06mm厚の着色ポリプロピレン(基材シート)に絵柄模様層(2μm)を印刷により形成した。次いで絵柄模様層の上に0.08mm厚の透明性ポリプロピレン系樹脂フィルム(透明性樹脂層)をウレタン系ドライラミネート用接着剤を用いて接着した。なお、透明性接着剤層の厚さは3μmであった。次いで透明性樹脂層の上に電子線硬化型透明性表面保護層(15μm)を形成した。次いで透明性表面保護層側からエンボス加工を施して中間体シートを作製した。エンボス加工では、深さ30μm程度の木目導管模様を付与した。最後に中間体シートの裏面にウレタン系接着剤を塗布して、下記表1に記載の厚みの透明性ポリプロピレン系樹脂層(合成樹脂製バッカー層)を押出し同時ラミネートすることにより床材用化粧シートを作製した。溶融押出し時の樹脂温度は240℃であった。
(床用化粧材の作製)
作製した床材用化粧シートの裏面(合成樹脂製バッカー層側)に12mmラワン合板を貼着して床用化粧材を作製した。当該貼着にはウレタン変性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン接着剤(9g/尺wet)を利用した。
Figure 2008106591
〔表1中、参考例1の数値は、実施例の床用化粧材が満たすべき特性を示す〕
(エンボス状態)
作製した床用化粧材のエンボス模様が、合成樹脂製バッカー層のラミネート時の熱により消失しているか否かを肉眼観察によって確認した。
エンボス模様が明確に残っているものを○と評価した。エンボス模様が殆ど残っているものを○〜△と評価した。エンボス模様が殆ど消失しているものを△〜×と評価した。エンボス模様が完全に消失しているものを×と評価した。評価結果を表1に併記する。
(デュポン衝撃試験)
作製した床用化粧材の耐衝撃性をデュポン衝撃試験機(JIS K5600−5−3に準拠)を用いて評価した。具体的には、30cmの高さから規定重量の錘を化粧材表面に落下させて凹み量を測定することにより評価した。試験結果を表1に併記する。
(耐キャスター試験)
作製した床用化粧材の耐キャスター性を耐キャスター試験装置L6−04(浅野機械製作株式会社製)を用いて評価した。具体的には、床用化粧材上でキャスターを動かした後、肉眼観察により床用化粧材に付いた凹部の深さをデプスメータで測定した。試験結果を表1に併記する。
≪耐キャスター試験装置の仕様≫
・試料固定台:Φ80cm、厚み8mmのアクリル製
・3個のキャスター:ハンマーキャスター製420SA−N75(Φ75mmx25mm、車輪ナイロン製)
・キャスター固定台の回転速度:0〜60rpm(変速モータ駆動式)
・荷重部:40〜210kgに調節可能
・調節ハンドル:ウェイト台のハンドルを廻すことによりキャスターが上下する
・回転方向反転間隔:1〜12分(タイマーにより設定可能)
・プリセットカウンター:回転数の設定及び累積回転数を表示
・デジタルタコメーター:キャスター回転速度を表示
・試料大きさ:30cm×30cm
≪耐キャスター試験条件≫
耐キャスター試験装置において、試験対象である床用化粧材を試料固定台に固定した。床用化粧材の表面に3個のキャスターが接しないように調節ハンドルによりキャスター固定台を上げた後に、重さ70kgとなるように荷重台に重りを載せた。回転速度20rpmの速度、5分間毎に反回転、1000回転とセットし、調節ハンドルを回してキャスター固定台を試験対象である床用化粧材の表面上に降ろした。キャスター固定台の回転駆動装置の始動スイッチを入れ試験を開始した。試験終了後、調整ハンドルを回してキャスター固定台を浮かせて試験対象である床用化粧材を取り出して評価した。
(鉛筆硬度試験)
作製した床用化粧材の鉛筆硬度を、鉛筆硬度試験機を用いて行った。試験機が水平位置のときに鉛筆の先に対して1000gの荷重を与えるように試験機を設定した以外は、JIS K5600−5−4に準拠して試験を行った。試験結果を表1に併記する。
(クレメンス引掻き試験)
作製した床用化粧材に対してクレメンス引掻き試験を行った。具体的には、JIS K5600−5−5に準拠して試験を行った。化粧材表面を引掻く針としては、ダイヤモンド製のものを用いた。試験結果(白化傷が発生しない最大荷重:g)を表1に併記する。
(考 察)
表1からは、合成樹脂製バッカー層の厚さが300μm以上である場合に、エンボス模様の消失が顕著に生じることが分かる。
比較例5〜9
バッカー層の厚さを300μmに固定し、透明性樹脂層の厚さを下記表2に記載の厚みとした以外は、比較例3と同様にして床用化粧材を作製した。
作製した床用化粧材のエンボス模様が、合成樹脂製バッカー層のラミネート時の熱により消失しているか否かを肉眼観察によって確認した。評価方法・評価基準は前記の通りである。試験結果を表2に併記する。
Figure 2008106591
(考 察)
表2からは、合成樹脂製バッカー層の厚さが300μm以上である場合は、透明性樹脂層の厚さに関わらずエンボス模様の消失が顕著に生じることが分かる。
実施例4〜6及び比較例10〜11
バッカー層の厚さを80μmに固定し、透明性樹脂層の厚さを下記表3に記載の厚みとした以外は、比較例1と同様にして床用化粧材を作製した。また、エンボス状態、デュポン衝撃特性、耐キャスター性、鉛筆硬度及びクレメンス引掻き特性について、前記と同じ方法によって評価した。試験結果を表3に併記する。
Figure 2008106591
(考 察)
表3からは、合成樹脂製バッカー層の厚さが一定である場合は、透明性樹脂層の厚さが増大するほど耐擦傷性が向上することが分かる。また、衝撃試験特性は化粧シートの総厚さが要因となっていると考えられ、総厚さが300μm以上の場合には、要求特性を満たすことが分かる。
実施例7〜11及び比較例12
透明性樹脂層の厚さを150μmに固定し、合成樹脂製バッカー層の厚さを下記表4に記載の厚みとした以外は、実施例4と同様にして床用化粧材を作製した。また、エンボス状態、デュポン衝撃特性、耐キャスター性、鉛筆硬度及びクレメンス引掻き特性について、前記と同じ方法によって評価した。試験結果を表4に併記する。
Figure 2008106591
(考 察)
表4からは、合成樹脂製バッカー層の厚さが60μmの場合には、衝撃特性及び耐キャスター特性が不十分であることが分かる。
JIS K6734の規定に従って試料の引張り弾性率を測定する場合の、試料の形状を示す模式図(上面図)である。図中、R60は湾曲の程度を指す。

Claims (8)

  1. 基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層を順に有し、基材シート裏面に合成樹脂製バッカー層を有する床材用化粧シートの製造方法であって、
    (1)透明性樹脂層は、厚さが60〜250μmであり、
    (2)床材用化粧シートは、厚さが300〜580μmであり、
    (3)床材用化粧シートは、基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層が形成された中間体シートの基材シート裏面に対して、溶融樹脂を厚さ80〜250μmの範囲で押出し成形することによって合成樹脂製バッカー層を形成することにより得る、
    床材用化粧シートの製造方法。
  2. 透明性樹脂層及び合成樹脂製バッカー層の少なくとも1種は、樹脂成分として熱可塑性樹脂を含有する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 透明性樹脂層は、樹脂成分としてポリプロピレンを含有する、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 透明性樹脂層は、JIS K6734の規定に従って測定した引張り弾性率が600MPa以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 合成樹脂製バッカー層は、JIS K6734の規定に従って測定した引張り弾性率が1000MPa以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 透明性表面保護層は、樹脂成分として電離放射線硬化型樹脂を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 基材シートは、樹脂成分としてポリオレフィン系樹脂を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法によって製造された床材用化粧シートと被着材とを積層してなる床用化粧材。
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