JP3959825B2 - 化粧シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば壁装材、床材、天井材、扉材等の住宅内装材や、家具、住設機器等の表面装飾材として使用する為の化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、前記の用途に使用される化粧シートとしては、例えば薄葉紙又は樹脂含有紙等の建材用紙の表面に木目等の印刷を施し、必要に応じ更に透明樹脂フィルムを積層するか又は保護樹脂層を塗工形成した化粧紙や、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムを基材としてその表面に木目等の印刷を施し、更に透明なポリ塩化ビニル樹脂フィルムを積層するか又は保護樹脂層を塗工形成した化粧シート等が広く使用されていた。
【0003】
しかしながら、紙を基材とするものは強度に劣り、切れたり破れたりし易く、耐擦傷性や耐候性にも劣る。しかも、熱成形性を有しないので、熱プレスラミネート法や真空ラミネート法、射出成形同時ラミネート法等による三次元曲面への適用は不可能である。一方、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムを基材とするものは、上記の諸点に関しては優れているものの、焼却時に塩化水素等の有害物質を発生するので、環境保護の観点から社会的に問題視されるに至っている。
【0004】
そこで、近年になって、ポリ塩化ビニル樹脂以外の樹脂フィルムを基材とした化粧シートが各種開発され、一部でポリ塩化ビニル樹脂系化粧シートに対する置き換えが始まっている。具体的には、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等を基材とする化粧シート等が挙げられる。
【0005】
しかしながら、上記したポリ塩化ビニル樹脂以外の樹脂フィルムを基材とした化粧シートは、ポリ塩化ビニル樹脂に特有の柔軟性や熱変形性等の加工適性を兼ね備えたものではなく、Vカット加工やラッピング加工等の折り曲げ加工性や、真空成形等の三次元熱成形性等において大きく劣っており、しかもコスト面でもポリ塩化ビニル樹脂よりも高価である等、多くの問題点を抱えたものである。
【0006】
【0007】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記した問題点を解決するために、環境汚染等の問題のないポリ塩化ビニル樹脂以外の樹脂を使用しても、柔軟性や熱変形性に優れ、折り曲げ加工性や三次元加工性等において従来のポリ塩化ビニル樹脂系の化粧シートと同等の性能が得られ、しかも安価に製造可能な化粧シートを提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、発泡熱可塑性樹脂層と非発泡熱可塑性樹脂層とを少なくとも有する化粧シートであって、前記発泡熱可塑性樹脂層の発泡倍率が1.1倍以上5倍以下であり、前記発泡熱可塑性樹脂層の直接その表面上に前記非発泡熱可塑性樹脂層を有し、前記発泡熱可塑性樹脂層は粒度5〜100メッシュの木粉を1〜30重量%含有し、前記発泡熱可塑性樹脂層の発泡前における前記木粉の含水率が20〜40%である、ことを特徴とする化粧シートである。
【0015】
また本発明は、前記化粧シートにおいて、発泡熱可塑性樹脂層の厚さが15μm以上150μm以下である化粧シートである。
【0017】
また本発明は、前記化粧シートにおいて、発泡熱可塑性樹脂層及び非発泡熱可塑性樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂、オレフィン系共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系エラストマー樹脂、ウレタン系エラストマー樹脂又はアイオノマー樹脂から選ばれる1種以上からなる化粧シートである。
【0018】
また本発明は、前記化粧シートにおいて、最上層の発泡熱可塑性樹脂層の表面の非発泡熱可塑性樹脂層上に透明又は半透明の樹脂層を有する化粧シートである。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1〜12は、本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面図である。
【0028】
本発明の化粧シートは、例えば図1に示す様に、発泡熱可塑性樹脂層1と非発泡熱可塑性樹脂層2とを少なくとも積層して構成されるものである。発泡熱可塑性樹脂層1と非発泡熱可塑性樹脂層2とを構成する樹脂は同一であっても異なっていても良く、いずれも従来より化粧シートの材料として使用されている各種の熱可塑性樹脂の中から、印刷適性や後加工適性等を考慮しつつ、任意のものを適宜選択して使用することができる。
【0029】
但し、本発明の目的から、少なくともポリ塩化ビニル樹脂を含有しない熱可塑性樹脂を使用することが好ましく、具体的にはポリオレフィン系樹脂、オレフィン系共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系エラストマー樹脂、ウレタン系エラストマー樹脂又はアイオノマー樹脂から選ばれる樹脂を使用することが好ましい。
【0030】
発泡熱可塑性樹脂層1と非発泡熱可塑性樹脂層2との積層方法は任意であり、例えば、発泡熱可塑性樹脂層1と非発泡熱可塑性樹脂層2とを個別にシート成形した後、接着剤を介して、又は接着剤を介さずに熱融着法又は超音波融着法等の手段により積層する方法、発泡熱可塑性樹脂層1の表面に非発泡熱可塑性樹脂の溶液、分散液又は液状樹脂を塗工し乾燥、固化又は硬化させて非発泡熱可塑性樹脂層2を形成する方法、非発泡熱可塑性樹脂2の表面に発泡性樹脂組成物を塗工し加熱発泡して発泡熱可塑性樹脂層1を形成する方法、発泡熱可塑性樹脂層1の表面に非発泡熱可塑性樹脂層2を構成すべき樹脂を溶融押出しラミネートする方法、逆に非発泡熱可塑性樹脂層2の表面に発泡熱可塑性樹脂層1を溶融押出しラミネートする方法、発泡熱可塑性樹脂層1と非発泡熱可塑性樹脂層2との両者を同時に溶融共押出し成形する方法等を使用することができ、後述する多層構成のシートにあっては、それらの複数の方法を併用することもできる。中でも、溶融共押出し成形法は、成形されたシートの層間密着性に優れ、任意の厚みの積層シートを容易に成形可能であり、生産性にも優れるので、最も好適である。
【0031】
なお、発泡熱可塑性樹脂層1の発泡の時期は任意であり、非発泡熱可塑性樹脂層2との積層前であっても積層後であっても良く、また、熱接着法や非発泡熱可塑性樹脂層2上への溶融押出しラミネート法、溶融共押出し成形法等にあっては、非発泡熱可塑性樹脂層2との積層と同時に発泡させることもできる。
【0032】
発泡熱可塑性樹脂層1及び非発泡熱可塑性樹脂層2の厚さは、必要とされる化粧シート全体の厚さや強度、柔軟性・熱成形性、価格等を総合的に考慮して決定される。一般的には、化粧シートの総厚は20〜500μm程度であり、そのうち発泡熱可塑性樹脂層1の厚さは、薄すぎると本発明の効果が十分に得られず、厚すぎると抗張力や層間強度が低下するので、概ね15〜150μm程度の範囲とすることが好ましい。一方、非発泡熱可塑性樹脂層2の厚さは、柔軟性や熱成形性等の観点から、5〜50μm程度の範囲とすることが好ましい。
【0033】
また、発泡熱可塑性樹脂層1の発泡倍率(発泡後の厚さの、発泡前の厚さに対する比)は、あまり小さすぎても本発明の効果が十分に得られず、大きすぎると抗張力や層間強度が低下するので、1.1倍以上5倍以下の範囲とする。特に、図1に示す例の如く、発泡熱可塑性樹脂層1が外面に露出した構成にあっては、露出面の表面強度上、概ね1.1倍以上3倍以下の範囲とすることが好ましい。
【0034】
発泡熱可塑性樹脂層1と非発泡熱可塑性樹脂層2との積層順序は、図1に示す様に、耐磨耗性や耐擦傷性、耐溶剤性等の表面物性上、非発泡熱可塑性樹脂層2を表面側とすることが好ましい。
【0035】
こうして得られた発泡熱可塑性樹脂層1と非発泡熱可塑性樹脂層2との積層シートには、従来の化粧シートと同様に、意匠性の付与の目的で、例えば木目柄、石目柄、抽象柄等の所望の任意の図柄の絵柄層3が設けられる。絵柄層は、図1に示す様に、発泡熱可塑性樹脂層1と非発泡熱可塑性樹脂層2との積層シートの表面上に設けられるのが一般的である。
【0036】
絵柄層3を、発泡熱可塑性樹脂層1と非発泡熱可塑性樹脂層2との積層シートの表面上に設けた場合には、従来の化粧シートの場合と同様に、絵柄層3を保護して絵柄の耐磨耗性や耐擦傷性、耐溶剤性等を向上する目的で、絵柄層3上に表面保護層4を設けることができる。表面保護層4は、例えばポリウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、繊維素誘導体、電離放射線硬化性樹脂等の透明又は半透明の塗工剤を塗工し乾燥、固化又は硬化して形成される。またその厚さは、通常は3〜20μm程度である。
【0037】
ところで、発泡熱可塑性樹脂層1と非発泡熱可塑性樹脂層2との積層シートは、上述した様な2層構成に限定されることはなく、両者を交互に積層した3層以上から構成することもできる。図5は、発泡熱可塑性樹脂層1の表裏両面に非発泡熱可塑性樹脂層21、22を積層した3層構成の例を示すものである。この様に構成すると、2層構成の場合と比較して、表裏両面が非発泡熱可塑性樹脂層21、22で構成されるので、両面とも表面強度が高く、擦傷や破断が生じにくくなる他、温度変化や圧力変化による表裏両面の伸縮挙動の差が解消され、カールを防止することができる。
【0038】
また、発泡熱可塑性樹脂層1と比較して柔軟性や熱変形性に劣る非発泡熱可塑性樹脂層21、22の厚みが2層に分散されるので、非発泡熱可塑性樹脂層2が1層のみの場合と同等の抗張力等の機械的強度を維持しつつ、柔軟性や熱変形性を改善することができる利点がある。逆に言えば、柔軟性や熱変形性を維持しつつ、非発泡熱可塑性樹脂層21、22の総厚を増し、抗張力等の機械的強度を向上することも可能である。
【0039】
また更に、例えば図7に示す様に、発泡熱可塑性樹脂層1を複数層11、12に分割して、それらの層間にも非発泡熱可塑性樹脂層22を配置することもできる。この様に多層化すると、抗張力や層間強度等の機械的強度と、柔軟性や熱変形性等の加工適性とを、矛盾なく両立させることが更に容易になる。何故なら、発泡熱可塑性樹脂層11、12の1層当たりの厚さを減じつつ総厚を増加することができるので、層間強度を低下させずに柔軟性や熱変形性を向上することが可能であり、価格面でも有利である。一方、非発泡熱可塑性樹脂層21、22、23の1層当たりの厚さを減じつつ総厚を増加することができるので、柔軟性や熱変形性を低下させることなく抗張力を向上することが可能であるからである。
【0040】
係る如く、発泡熱可塑性樹脂層1と非発泡熱可塑性樹脂層2とを交互に積層した多層積層シートとする場合には、カール防止の観点から、略表裏対称な層構成とすることが好ましい。中でも、最表面の非発泡熱可塑性樹脂層の厚さと最裏面の非発泡熱可塑性樹脂層の厚さとに大幅な差があるとカールが発生し易くなるので、両者は略同一の厚さとすることが好ましく、他の何らかの目的によって両者を異ならせる場合にあっても、両者の比を2:3乃至3:2の範囲内とすることが好ましい。また、柔軟性・熱変形性及び層間強度の観点から、各発泡熱可塑性樹脂層11、12の厚みは、それぞれを15〜150μmの範囲内とすることが好ましい。一方、各非発泡熱可塑性樹脂層21、22、23の厚みは、それぞれを5〜50μmの範囲内とすることが好ましい。
【0041】
発泡熱可塑性樹脂層1又は非発泡熱可塑性樹脂層2には、必要に応じて染料又は顔料等の着色剤を添加して、所望の色の着色を施すこともできる。着色は、必ずしも全ての層に施す必要はなく、任意の層に施せば良い。但し、発泡熱可塑性樹脂層1は一般に隠蔽性を有しており、発泡熱可塑性樹脂層1の裏側の層に着色を施しても十分な着色効果が得られない場合が多いので、着色を施す場合には、最上層の発泡熱可塑性樹脂層1か、又はその表面側の非発泡熱可塑性樹脂層2(すなわち、図7に示す例であれば、発泡熱可塑性樹脂層12又は非発泡熱可塑性樹脂層23)に施すことが好ましい。
【0043】
また、上記着色剤に代えて、光輝性顔料又は木粉を添加することによって、例えばメタリック調や木肌調等の光沢感や照り感を付与することもできる。光輝性顔料としては、例えば金粉や銀粉、銅粉、アルミニウム粉、ステンレス粉等の金属粉や、魚鱗粉や塩基性炭酸鉛、砒酸水素鉛、酸塩化ビスマス、二酸化チタン被覆雲母等の真珠光沢顔料等が用いられ、その粒径は、所望の光沢感の程度にもよるが、一般に1〜150μm程度である。光輝性顔料の添加量は、少なすぎると光沢感が乏しく、一方多すぎると強度が低下するので、一般的には1〜40重量%の範囲である。
【0044】
一方木粉は、合板廃材等の木質系廃材を微粉砕して得られる粉体で、通常は粒度5〜100メッシュ程度のものが使用される。また、熱可塑性樹脂との良好な密着性を得てシートの強度を高める目的で、含水率10%以下に高度に乾燥して使用するのが一般的であるが、発泡熱可塑性樹脂層1に添加する場合には、逆に成形時等の熱による水蒸気の放出を発泡剤替わりに積極的に利用する目的で、含水率が20〜40%程度の湿潤状態のものを使用することも可能である。木粉の添加量は1〜30重量%の範囲が好適である。
【0045】
上述した発泡熱可塑性樹脂層1と非発泡熱可塑性樹脂層2との交互積層シートの表面に絵柄層3を形成後、更にその表面上に透明又は半透明の樹脂層5を設けることにより、表面の耐磨耗性や耐擦傷性、耐溶剤性等を更に向上すると共に、表面の意匠に深み感や塗装感を付与することもできる(図8)。また、透明又は半透明の樹脂層5の表面には、所望によりエンボス6やワイピング7を施したり、更に表面保護層4を設けても良い(図9)。
【0046】
透明又は半透明の樹脂層5の厚さには特に制限はないが、一般的には10〜100μm程度の範囲であることが好ましい。なお、透明又は半透明の樹脂層5と、最上層の発泡熱可塑性樹脂層1との間に、非発泡熱可塑性樹脂層22が存在する場合には、カール防止上、透明又は半透明の樹脂層5と、これに隣接する非発泡熱可塑性樹脂層22との厚みの和が、最裏面の非発泡熱可塑性樹脂層21の厚みと略等しくなる様に設計することが好ましく、少なくとも両者の比が2:3乃至3:2の範囲内となる様にすることが好ましい。
【0047】
透明又は半透明の樹脂層5の材質には特に制限はなく、例えば発泡熱可塑性樹脂層1や非発泡熱可塑性樹脂層2の材質として挙げた各種熱可塑性樹脂等を使用することができる。またその積層方法も非発泡熱可塑性樹脂層2等と同様に、例えば樹脂フィルムを接着剤を介して、又は接着剤を介さずに熱融着等の方法により接着積層する方法、溶融樹脂を押出しラミネートする方法等を用いることもできる。
【0048】
透明又は半透明の樹脂層5は、図10に示す様に、複数層51、52から構成されていても良い。この様にすると、各層の材料の選択によって、耐磨耗性や耐擦傷性、耐溶剤性等の表面物性と、下地との層間密着性や柔軟性等とのバランスの取れた化粧シートを容易に得ることができる。複数層の透明又は半透明の樹脂層51、52の積層方法としては、上記した方法の他、例えば下地印刷シートと表面用樹脂フィルム(透明又は半透明の樹脂層52)との間に透明又は半透明の樹脂を押出し一体化して透明又は半透明の樹脂層51を形成するサンドラミネート法や、複数種類の樹脂を共押出しラミネートする方法等を用いることができる。特に、後者の共押出しラミネート法は、層間密着性に優れると共に、積層と同時のエンボス6の賦型も容易であり、生産性にも優れるので非常に好適である。
【0049】
その他、本発明の化粧シートは、その要旨を逸脱しない範囲において種々構成を変更して実施することができる。例えば、図11に示す様に、複数層の発泡熱可塑性樹脂層11、12と非発泡熱可塑性樹脂層21、22、23を交互に積層した5層以上の積層シートに、上記した透明又は半透明の樹脂層5を組み合わせて構成することもできる。また例えば図12に示す様に、複数の透明又は半透明の樹脂層51、52の層間にも絵柄層32を設けることによって、立体的で深みのある意匠感を得ることもできる。
【0050】
【0051】
【0052】
【実施例】
<実施例1>
厚さ70μmの発泡着色ポリプロピレン樹脂層(発泡倍率:3倍)と、厚さ10μmの非発泡ポリプロピレン樹脂層とを2層同時に溶融共押出し製膜した積層フィルムの非発泡樹脂面をコロナ処理後、1液ウレタン樹脂系印刷インキを使用してグラビア印刷法により柄印刷を施し、2液硬化型ウレタン樹脂系塗料を使用してグラビア塗工法により乾燥後の塗布量5g/m2の表面保護層を塗工、硬化させて本発明の化粧シートを作製した。
【0053】
<実施例2>
厚さ70μmの発泡着色ポリプロピレン樹脂層(発泡倍率:3倍)と、その表裏の厚さ10μmの非発泡ポリプロピレン樹脂層とを3層同時に溶融共押出し製膜した積層フィルムの片面をコロナ処理後、1液ウレタン樹脂系印刷インキを使用してグラビア印刷法により柄印刷を施し、2液硬化型ウレタン樹脂系塗料を使用してグラビア塗工法により乾燥後の塗布量5g/m2の表面保護層を塗工、硬化させて本発明の化粧シートを作製した。
【0054】
<実施例3>
厚さ70μmの発泡着色ポリプロピレン樹脂層(発泡倍率:3倍)と、その表面側の厚さ10μmの非発泡ポリプロピレン樹脂層と、裏面側の厚さ40μmの非発泡ポリプロピレン樹脂層とを3層同時に溶融共押出し製膜した積層フィルムの表面をコロナ処理後、1液ウレタン樹脂系印刷インキを使用してグラビア印刷法により木目柄の印刷を施し、全面にウレタン系プライマー処理後その上に、厚さ10μmの透明ポリオレフィン系熱接着性樹脂層と、厚さ30μmの透明ポリプロピレン樹脂層とを2層同時にの溶融共押出しラミネートすると同時に、透明ポリプロピレン樹脂層の表面に導管柄のエンボスを施し、該エンボスの凹陥部にワイピング法にて着色剤を充填後、全面に2液ウレタン樹脂系塗料を乾燥後の塗布量5g/m2に施して表面保護層を形成し乾燥硬化させて、本発明の化粧シートを作製した。
【0055】
<実施例4>
平均粒径30μmの二酸化チタン被覆雲母を5重量%含有する厚さ70μmの発泡ポリプロピレン樹脂層(発泡倍率:3倍)と、その表面側の厚さ10μmの非発泡ポリプロピレン樹脂層と、裏面側の厚さ40μmの非発泡着色ポリプロピレン樹脂層とを3層同時に溶融共押出し製膜した積層フィルムの表面をコロナ処理後、1液ウレタン樹脂系印刷インキを使用してグラビア印刷法により柄印刷を施し、全面にウレタン系プライマー処理後その上に、厚さ10μmの透明ポリオレフィン系熱接着性樹脂の溶融押出し層を介して厚さ30μmの紫外線吸収剤含有透明アクリル系樹脂フィルムをサンドラミネートし、更に2液ウレタン樹脂系塗料を乾燥後の塗布量5g/m2に施して表面保護層を形成して、本発明の化粧シートを作製した。
【0056】
<実施例5>
平均粒径20μmのアルミニウム粉末を8重量%添加した厚さ70μmの発泡ポリプロピレン樹脂層(発泡倍率:3倍)とその表裏の厚さ10μmの透明非発泡ポリプロピレン樹脂層とを3層同時に溶融共押出し製膜した積層フィルムの表面をコロナ処理後、1液ウレタン樹脂系印刷インキを使用してグラビア印刷法により柄印刷を施し、2液硬化型ウレタン樹脂系塗料を使用してグラビア塗工法により乾燥後の塗布量5g/m2の表面保護層を塗工し乾燥硬化させて、本発明の化粧シートを作製した。
【0057】
<実施例6>
含水率5%以下に十分乾燥した60メッシュの木粉を20重量%添加した厚さ70μmの発泡ポリプロピレン樹脂層(発泡倍率:2倍)とその表裏の厚さ10μmの透明非発泡ポリプロピレン樹脂層とを3層同時に溶融共押出し製膜した積層フィルムの表面をコロナ処理後、1液ウレタン樹脂系印刷インキを使用してグラビア印刷法により柄印刷を施し、2液硬化型ウレタン樹脂系塗料を使用してグラビア塗工法により乾燥後の塗布量5g/m2の表面保護層を塗工し乾燥硬化させて、本発明の化粧シートを作製した。
【0058】
<実施例7>
厚さ25μmの透明ポリエステル樹脂フィルムの表面に艶消透明塗料を塗布し、裏面にウレタン系インキにて絵柄を印刷し、更にウレタン系プライマー処理した後、別途用意した裏面用の厚さ25μmのウレタン系プライマー処理済透明ポリエステル樹脂フィルムとの間に、表面側から順に厚さ70μmの発泡着色ポリプロピレン樹脂層と、厚さ10μmの非発泡ポリプロピレン樹脂層と、厚さ70μmの発泡ポリプロピレン樹脂層とを3層共押出し法にてサンドラミネートして、本発明の化粧シートを作製した。
【0059】
【0060】
【0061】
【発明の効果】
本発明の化粧シートは、発泡熱可塑性樹脂層と非発泡熱可塑性樹脂層とを少なくとも積層して構成したので、従来の非発泡熱可塑性樹脂層のみからなる化粧シートと比較して、発泡熱可塑性樹脂層がシートの変形を緩衝する作用を有すること、及び緩衝性のない非発泡熱可塑性樹脂層の厚さを薄くできることにより、ポリ塩化ビニル樹脂以外の環境汚染等の問題のない樹脂を使用しても、シート全体として十分に柔軟性に富むものが得られ、例えばラッピング加工やVカット加工等の折り曲げ加工適性や、真空成形等の熱成形加工適性に関して、従来のポリ塩化ビニル樹脂系化粧シートに匹敵する性能を有するものを容易に得ることができる。しかも、発泡熱可塑性樹脂層を設けたことにより、同一の厚みのシートであっても樹脂の使用量を削減することができるので、安価に製造することができる等の種々の優れた利点を有するものである。
【0062】
特に、発泡熱可塑性樹脂層の表面に非発泡熱可塑性樹脂層を有する構成とすると、機械的強度の劣る発泡熱可塑性樹脂層を、その表面の非発泡熱可塑性樹脂層が保護するので、表面の耐磨耗性や耐擦傷性が従来品より劣ることがない。また特に、発泡熱可塑性樹脂層の表裏に非発泡熱可塑性樹脂層を有する構成とすると、工程内における裏面の保護に寄与し、カール防止にも有効である他、非発泡熱可塑性樹脂層の厚みが分散されることにより、十分な抗張力と柔軟性・熱成形性とを兼ね備えた化粧シートを容易に得ることができる。
【0063】
また特に、発泡熱可塑性樹脂層を複数有し、各発泡熱可塑性樹脂層の層間、最上層の発泡熱可塑性樹脂層の表面、及び最下層の発泡熱可塑性樹脂層の裏面に、非発泡熱可塑性樹脂層を有する構成とすると、厚手の化粧シートにおいても、層間強度を著しく低下させることなく、シートの柔軟性に寄与する発泡熱可塑性樹脂層の総厚を十分にとることができ、また、非発泡熱可塑性樹脂層の厚みが3層以上に分散されることにより、十分な抗張力を維持しつつ柔軟性・熱成形性を更に向上した化粧シートを、容易且つ安価に得ることができる。
【0064】
【0065】
斯くして本発明は、環境汚染等の問題がなくしかも諸性能の優れ安価な化粧シートを提供し、建築資材の製造等の社会活動に何ら新たな負担を負わせることなく、地球環境問題の解決に寄与することができるという優れた利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面図である。
【図2】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面図である。
【図3】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面図である。
【図4】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面図である。
【図5】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面図である。
【図6】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面図である。
【図7】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面図である。
【図8】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面図である。
【図9】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面図である。
【図10】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面図である。
【図11】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面図である。
【図12】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面図である。
【符号の説明】
1、11、12…発泡熱可塑性樹脂層
2、21、22、23…非発泡熱可塑性樹脂層
3…絵柄層 4…表面保護層
5、51、52…透明又は半透明の樹脂層
6…エンボス 7…ワイピング
Claims (4)
- 発泡熱可塑性樹脂層と非発泡熱可塑性樹脂層とを少なくとも有する化粧シートであって、
前記発泡熱可塑性樹脂層の発泡倍率が1.1倍以上5倍以下であり、
前記発泡熱可塑性樹脂層の直接その表面上に前記非発泡熱可塑性樹脂層を有し、
前記発泡熱可塑性樹脂層は粒度5〜100メッシュの木粉を1〜30重量%含有し、
前記発泡熱可塑性樹脂層の発泡前における前記木粉の含水率が20〜40%である、ことを特徴とする化粧シート。 - 発泡熱可塑性樹脂層の厚さが15μm以上150μm以下である請求項1記載の化粧シート。
- 発泡熱可塑性樹脂層及び非発泡熱可塑性樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂、オレフィン系共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系エラストマー樹脂、ウレタン系エラストマー樹脂又はアイオノマー樹脂から選ばれる1種以上からなる請求項1、2のいずれかに記載の化粧シート。
- 最上層の発泡熱可塑性樹脂層の表面の非発泡熱可塑性樹脂層上に透明又は半透明の樹脂層を有する請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04212698A JP3959825B2 (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 化粧シート |
Applications Claiming Priority (1)
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