JP2008080551A - 発泡壁紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な工程により作製でき、しかも表面特性(耐スクラッチ性)が良好である発泡壁紙を提供する。
【解決手段】紙質基材上に少なくとも非発泡樹脂層A、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Bが順に積層されている発泡壁紙であって、
(1)前記発泡壁紙は、紙質基材上に少なくとも非発泡樹脂層A、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Bを同時溶融押出しにより積層後、発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層とすることにより形成され、
(2)前記非発泡樹脂層Aは、エチレン−メチルメタクリレート共重合体を含有する樹脂組成物から形成され、
(3)前記発泡剤含有樹脂層は、エチレン−メチルメタクリレート共重合体を含有する樹脂組成物から形成され、
(4)前記非発泡樹脂層Bは、エチレン−メタクリル酸共重合体を含有する樹脂組成物から形成される、ことを特徴とする発泡壁紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、壁面の装飾に有用な、発泡壁紙に関する。
従来、発泡壁紙(発泡化粧シート)としては、紙質基材(裏打紙)に塩化ビニル樹脂の発泡樹脂層を形成したものが知られている。近年では、環境に配慮して発泡樹脂層には、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、アクリル樹脂、オレフィン系樹脂などの、ハロゲンを含有しない樹脂が用いられてきている(特許文献1〜3等)。
発泡壁紙の層構成としては、例えば、紙質基材上に非発泡樹脂層A、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Bを順に積層したものが知られている。このような発泡壁紙は、例えば、非発泡樹脂層A、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Bを同時溶融押出しにより紙質基材上に積層後、発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより作製する。
上記層構成の発泡壁紙において、発泡樹脂層の樹脂成分として、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)及び/又はEVAを含有するものが知られている。特に樹脂成分としてのEMAAは、発泡壁紙の表面強度(耐スクラッチ性など)を向上させ易いために好ましい。表面強度の向上効果は、EVAよりもEMAAの方が優れている。
しかしながら、発泡樹脂層にEMAAを用いた発泡壁紙は、発泡剤含有樹脂層を発泡し、発泡壁紙とする際に高温(240℃程度)の熱処理をしなければならず、それに起因して、発泡工程に相当の時間を要したり紙質基材に焼けを生じさせたりする問題がある。
上記高温の熱処理を要する原因としては、熱分解型発泡剤とともに使用され、その発泡工程の加熱温度を低下させるために用いられる亜鉛系発泡助剤がEMAA樹脂のもとでは十分に効果を発揮しないことが考えられる。
特開平6−47875号公報 特開2000−255011号公報 特開2001−347611号公報
本発明は、紙質基材上に少なくとも非発泡樹脂層A、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Bを順に積層した発泡壁紙であって、発泡壁紙の耐スクラッチ性が良好であり、しかも、同時溶融押出し・加熱発泡を含む工程を経て発泡壁紙を作製する場合であっても、発泡樹脂層にEMAAを樹脂成分として用いる場合よりも加工性が良好な発泡壁紙を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、発泡樹脂層に特定の樹脂成分を採用する場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の発泡壁紙に関する。
1. 紙質基材上に少なくとも非発泡樹脂層A、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Bが順に積層されている発泡壁紙であって、
(1)前記発泡壁紙は、紙質基材上に少なくとも非発泡樹脂層A、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Bを同時溶融押出しにより積層後、発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層とすることにより形成され、
(2)前記非発泡樹脂層Aは、エチレン−メチルメタクリレート共重合体を含有する樹脂組成物から形成され、
(3)前記発泡剤含有樹脂層は、エチレン−メチルメタクリレート共重合体を含有する樹脂組成物から形成され、
(4)前記非発泡樹脂層Bは、エチレン−メタクリル酸共重合体を含有する樹脂組成物から形成される、ことを特徴とする発泡壁紙。
2. 前記発泡剤含有樹脂層は、発泡剤としてアゾジカルボンアミド系発泡剤を含有し、更に亜鉛系発泡助剤を含有する、上記項1に記載の発泡壁紙。
3. 前記同時溶融押出しは、Tダイによる同時溶融押出しである、上記項1又は2に記載の発泡壁紙。
4. 発泡壁紙の最表面層の上からエンボス加工が施されている、上記項1〜3のいずれかに記載の発泡壁紙。
5. 下記工程を有する、発泡壁紙の製造方法:
(1)紙質基材上に、少なくとも、エチレン−メチルメタクリレート共重合体を含有する非発泡樹脂層A、エチレン−メチルメタクリレート共重合体を含有する発泡剤含有樹脂層及びエチレン−メタクリル酸共重合体を含有する非発泡樹脂層Bを同時溶融押出しにより積層する工程1、並びに、
(2)前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより発泡樹脂層とする工程2。

以下、本発明の発泡壁紙について詳細に説明する。
1.発泡壁紙
本発明の発泡壁紙は、紙質基材上に少なくとも非発泡樹脂層A、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Bが順に積層されている発泡壁紙であって、
(1)前記発泡壁紙は、紙質基材上に少なくとも非発泡樹脂層A、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Bを同時溶融押出しにより積層後、発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層とすることにより形成され、
(2)前記非発泡樹脂層Aは、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)を含有する樹脂組成物から形成され、
(3)前記発泡剤含有樹脂層は、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)を含有する樹脂組成物から形成され、
(4)前記非発泡樹脂層Bは、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)を含有する樹脂組成物から形成される、ことを特徴とする。
紙質基材
紙質基材の材質は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
具体的には、繊維質シートの中でも、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
紙質基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m程度が好ましく、50〜80g/m程度がより好ましい。
非発泡樹脂層A(接着剤層)
紙質基材上には非発泡樹脂層Aが積層されている。非発泡樹脂層AはEMMAを含有する樹脂組成物から形成する。つまり、本発明では、EMMAを含有する樹脂組成物を溶融押出しすることにより製膜し、非発泡樹脂層Aを形成する。
樹脂成分としては、実質的にEMMAのみでよいが、必要に応じて、EMMAを主成分とし、更に他の樹脂成分(EVA等)を添加してもよい。
その他、公知の添加剤を含めてもよい。但し、その場合には樹脂成分の含有量が70〜100重量%となるように配合することが好ましい。
非発泡樹脂層Aの厚みは限定的ではないが、10〜50μm程度が好ましく、特に10〜20μm程度がより好ましい。
発泡樹脂層
発泡樹脂層は、溶融押出しにより製膜された発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成される。
本発明では、発泡剤含有樹脂層は、EMMAを含有する樹脂組成物から形成する。即ち、本発明では、EMMAを含有する樹脂組成物を溶融押出しすることにより製膜し、発泡剤含有樹脂層を形成する。なお、本発明の効果を損なわない範囲において、他の樹脂成分を含めてもよい。
EMMAのメチルメタクリレート含有量(MMA含有量)は限定的ではないが、特に25重量%以下が好ましく、10〜20重量%がより好ましい。
樹脂成分のメルトフローレート値(MFR)は特に限定されないが、15〜60g/10分程度が好ましく、20〜40g/10分程度がより好ましい。
なお、本明細書のMFRは、JIS K 7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)記載の試験方法により測定した値である。試験条件は、JIS K 6922記載の「190℃、21.18N(2.16kgf)」の温度を120℃としたものである。
上記樹脂組成物には、熱分解型発泡剤が含まれる。熱分解型発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)系発泡剤が好ましい。また、樹脂組成物には各種添加剤を含めてもよい。例えば、樹脂組成物は、EMMA、無機充填剤、顔料、ADCA系発泡剤、発泡助剤及びセル調整剤を含めることができる。その他、安定剤、滑剤等も添加できる。
発泡樹脂層の発泡状態(例えば、発泡セルの大きさ、発泡セル密度等)は限定されず、発泡壁紙の種類、用途等に応じて適宜設計することができる。
発泡剤の含有量は、所望の発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率の観点からは、1.5倍以上、好ましくは3〜7倍程度であり、発泡剤は、樹脂成分100重量部に対して、1〜20重量部程度とすることが好ましい。
本発明では、発泡助剤として亜鉛系発泡助剤を用いることが好ましい。亜鉛系発泡助剤は、上記ADCA系発泡剤の発泡温度の低下に寄与する。また、亜鉛系発泡助剤はEMMAのもとで失活せず、発泡温度を有意に低減することができる。このことは、発泡壁紙の生産性向上に寄与する。発泡助剤の含有量は限定的ではないが、樹脂成分100重量部に対して1〜10重量部程度が好ましく、3〜8重量部程度がより好ましい。
セル調整剤は、例えばステアリン酸亜鉛等の金属石鹸等を使用することができる。セル調整剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して、0.3〜10重量部程度が好ましく、1〜5重量部程度がより好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して0〜100重量部程度が好ましく、20〜70重量部程度がより好ましい。
顔料については、例えば酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等の無機顔料;例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等の有機顔料が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100重量部に対して10〜50重量部程度が好ましく、15〜30重量部程度がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層を発泡させる方法としては、後記の製造方法に記載された方法に従って実施すれば良い。
非発泡樹脂層B
非発泡樹脂層(非発泡樹脂層B)は、主として発泡樹脂層を保護するものである。本発明では、非発泡樹脂層BはEMAAを含有する樹脂組成物から形成する。つまり、本発明では、EMAAを含有する樹脂組成物を溶融押出しすることにより製膜し、非発泡樹脂層Bを形成する。このように樹脂成分としてEMAAを用いることにより、発泡壁紙の耐スクラッチ性を高めることができる。
樹脂成分としては、EMAAのみでよいが、必要に応じて、EMAAを主体としつつ、更に他の樹脂成分を添加してもよい。その他、公知の添加剤を含めてもよい。但し、その場合には樹脂成分の含有量が70〜100重量%となるように配合することが好ましい。
前記共重合体におけるメタクリル酸の含有量は15重量%以下が好ましく、10〜15重量%程度がより好ましい。
前記樹脂成分のメルトフローレート値は、用いる樹脂成分の種類等によるが、一般に15g/10分以上の範囲内で適宜設定すれば良い。通常は20〜100g/10分、特に25〜90g/10分、さらに30〜70g/10分の範囲にあることが好ましい。このような数値範囲のものを使用することにより、より優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等を得ることができる。
非発泡樹脂層Bの厚みは限定的ではないが、10〜50μm程度が好ましく、特に10〜20μm程度がより好ましい。
絵柄模様層
本発明では、非発泡樹脂層Bのおもて面に必要に応じて絵柄模様層を有してもよい。
絵柄模様層は、発泡壁紙に意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、発泡壁紙の種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、非発泡樹脂層Bのおもて面に絵柄模様を印刷することで形成できる。なお、絵柄模様層を形成する際には、必要に応じてあらかじめプライマー層を形成しても良い。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤(又は分散媒)を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用しても良い。
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
結着材樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
表面保護層(オーバーコート層)
本発明では、絵柄模様層の表面に艶調整及び/又は絵柄模様層の保護を意図して表面保護層を有してもよい。表面保護層の種類は限定的ではない。艶調整を目的とする表面保護層であれば、例えば、シリカなどの既知フィラー(平均粒子径:3〜30μm程度が好ましく、5〜20μm程度がより好ましい)を含む表面保護層がある。表面保護層の形成方法としては、グラビア印刷などの公知の方法が採用できる。なお、絵柄模様層と表面保護層との密着性が十分に得られない場合には、絵柄模様層の表面を易接着処理(プライマー処理)した後に表面保護層を設けることもできる。
発泡壁紙の表面強度(耐スクラッチ性など)、耐汚染性、絵柄模様層の保護等を目的として表面保護層を形成する場合には、電離放射線硬化型樹脂を樹脂成分として含有するものが好適である。電離放射線硬化型樹脂としては、電子線照射によってラジカル重合(硬化)するものが好ましい。
表面保護層の厚みは限定的ではないが、0.1〜15μm程度が好ましい。
エンボス
本発明では、適宜エンボス模様を付してもよい。この場合、発泡壁紙の最表面層(紙質基材と反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版の押圧等、公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が表面保護層である場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
2.発泡壁紙の製造方法
本発明では、少なくとも非発泡樹脂層A、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Bを紙質基材上に積層後、発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層とすることにより製造する。
各層を形成するための樹脂(樹脂組成物)は、例えば、Tダイを用いることにより同時溶融押出しする。特に多層同時押出しであるため、マルチマニホールドタイプのTダイが好ましい。具体的には、各樹脂組成物を別個のシリンダー中に入れ、3種3層を同時に押出し成膜・積層すればよい。この方法では、同時押出し積層体は、紙質基材上に同時積層(成膜)する。紙質基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため紙質基材と接着される。
なお、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合であって、発泡剤含有樹脂層を押出し成形により形成する場合には、押出し成形機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これがシート表面の異物となり易い。しかしながら、本発明では発泡剤含有樹脂層を挟む態様で非発泡樹脂層A及びBも同時溶融押出しするため、前記目やにの発生は抑制されている。
紙質基材上に同時積層後は、発泡剤含有樹脂層を加熱することにより発泡樹脂層を形成する。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は230〜240℃程度が好ましく、加熱時間は30〜80秒程度が好ましい。また、ADCA系発泡剤とともに亜鉛系発泡助剤を併用する場合には、有意に加熱温度を低減させることができる。例えば、上記加熱温度を210℃程度にまで低減させることができる。本発明では、発泡剤含有樹脂層にEMMAを樹脂成分として含有するため上記加熱温度の低減により生産性を高めることができる。
前記加熱処理の前に、電子線照射を行ってもよい。これにより樹脂成分を架橋できるため、発泡壁紙の表面強度、発泡程度等を制御することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましい。照射量は、1〜7Mrad程度が好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。なお、架橋は、化学架橋剤(架橋剤又は架橋助剤ともいう。)を用いて実施することもできる。
電子線照射を行う場合には、前記組成物中に架橋剤を含有してもよい。架橋剤としては、電子線照射による架橋を促進するものであればよい。例えば、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能性モノマー、オリゴマーなどが挙げられる。架橋剤は、樹脂成分100重量部に対して0〜10重量部程度とすることが好ましく、特に1〜4重量部とすることがより好ましい。
電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層を形成した場合には、電子線照射によって表面保護層を硬化させることができる。このような電子線照射は、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂を架橋させるために行う電子線照射と同時(同処理)とできる。つまり、発泡剤含有樹脂層、非発泡樹脂層、絵柄模様層及び電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層を順に形成後、電子線照射を行って、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂を架橋するとともに表面保護層に含まれる樹脂を硬化させることができる。
絵柄模様層を有する発泡壁紙を製造する場合には、上記加熱処理前に非発泡樹脂層の表面に絵柄模様層を形成することが好ましい。絵柄模様層の形成方法は、前記の通りとすれば良い。
本発明によれば、紙質基材上に少なくとも非発泡樹脂層A、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Bを順に積層した発泡壁紙であって、発泡壁紙の耐スクラッチ性が良好であり、しかも、同時溶融押出し・加熱発泡を含む工程を経て発泡壁紙を作製する場合であっても、EMAAを樹脂成分として用いる場合よりも加工性が良好な発泡壁紙を提供できる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて、非発泡樹脂層B/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Aの順に厚み10μm/100μm/10μmになるように裏打紙に押出し製膜した。これにより、非発泡樹脂層B/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層A/裏打紙からなる積層体を得た。
裏打紙としては、「NI−65A(日本製紙製)」を用意し、これを90℃に加熱した後、上記3層を押出し製膜した。
押出し条件は、非発泡樹脂層Bを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は115℃とし、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物を収容したシリンダー温度は110℃とし、非発泡樹脂層Aを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は100℃とした。また、ダイス温度はいずれも110℃とした。
上記積層体に対して、非発泡樹脂層Bの側から電子線(200KV,3Mrad)を照射して特に発泡剤含有樹脂層と非発泡樹脂層Aとを樹脂架橋した。また、非発泡樹脂層A上にコロナ放電処理を行った。
次に、非発泡樹脂層B上にEVA系水性エマルジョンを塗布(2g/m)してプライマー層を形成し、更に水性インキ「ハイドリック」(大日精化工業製)により布目絵柄を印刷した。
次に、布目絵柄を印刷した積層体をギアオーブンで加熱(220℃)し、発泡倍率が4倍以上となるまで発泡剤含有樹脂層を発泡させた。
最後に、上記発泡体に対して布目パターンの凹凸エンボスを施して発泡壁紙を得た。
各層は、それぞれ以下の成分を用いて形成した。
非発泡樹脂層Bは、EMAA「ニュクレルN1560、三井・デュポンポリケミカル製」により形成した。
発泡剤含有樹脂層は、EMMA「アクリフトWH401、住友化学製」80重量部、EMMA「アクリフトCM5021、住友化学製」20重量部、炭酸カルシウム「ホワイトンH、東洋ファインケミカル製」40重量部、二酸化チタン「タイピュアR−108、デュポン製」20重量部、ADCA発泡剤「ビニホールAC#3、永和化成工業製」4.5重量部及び発泡助剤「MFX−50E、大協化成工業製」3重量部、「アデカスタブOF−101、ADEKA製」5重量部からなる樹脂組成物により形成した。
非発泡樹脂層Aは、EMMA「アクリフトWK402、住友化学製」により形成した。
比較例1
実施例1の発泡剤含有樹脂層のEMMA樹脂をEMAA樹脂「ニュクレルN035C、三井・デュポンポリケミカル製」80重量部、「ニュクレルN1050H、三井・デュポンポリケミカル製」20重量部とした。後は同じ。
比較例2
実施例1の発泡剤含有樹脂層のEMMA樹脂をEVA樹脂「エバフレックスV406、三井・デュポンポリケミカル製」90重量部、「エバフレックスV577、三井・デュポンポリケミカル製」10重量部とした。後は同じ。
試験例1
実施例及び比較例で作製した発泡壁紙の表面特性(耐スクラッチ性)及び生産性(発泡工程での生産性)を評価した。評価方法及び結果(表1)を下記に示す。
<耐スクラッチ性>
壁紙製品規格協議会制定の表面壁紙強化性能規定に準拠して摩擦子を10往復させて実施した。具体的には次の手順で行った。学振摩耗試験機(JIS L0849 摩耗試験機II型)に試験片(発泡壁紙)を取り付けた。試験機の摩擦子として同部会指定の金属製爪を用いて、金属爪先端に200g荷重をかけて試験片上を規定回数往復させた。試験片の試験後の表面状態を肉眼観察した。
前記規定における耐スクラッチ性の評価は、5級:変化なし、4級:表面に少し変化あり、3級:表面が破けて見える、2級:表面が破けて紙等の裏打材が見える(長さ1cm未満)、1級:表面が破けて紙等の裏打材が見える(長さ1cm以上)の5段階とした。
表1では、◎:5級、○:4級、△:3級、×:(2級、1級)とした。
<生産性>
220℃の雰囲気下で発泡倍率が4倍以上になる時間で判定した。
○:40秒未満
×:40秒以上
Figure 2008080551

Claims (5)

  1. 紙質基材上に少なくとも非発泡樹脂層A、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Bが順に積層されている発泡壁紙であって、
    (1)前記発泡壁紙は、紙質基材上に少なくとも非発泡樹脂層A、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Bを同時溶融押出しにより積層後、発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層とすることにより形成され、
    (2)前記非発泡樹脂層Aは、エチレン−メチルメタクリレート共重合体を含有する樹脂組成物から形成され、
    (3)前記発泡剤含有樹脂層は、エチレン−メチルメタクリレート共重合体を含有する樹脂組成物から形成され、
    (4)前記非発泡樹脂層Bは、エチレン−メタクリル酸共重合体を含有する樹脂組成物から形成される、ことを特徴とする発泡壁紙。
  2. 前記発泡剤含有樹脂層は、発泡剤としてアゾジカルボンアミド系発泡剤を含有し、更に亜鉛系発泡助剤を含有する、請求項1に記載の発泡壁紙。
  3. 前記同時溶融押出しは、Tダイによる同時溶融押出しである、請求項1又は2に記載の発泡壁紙。
  4. 発泡壁紙の最表面層の上からエンボス加工が施されている、請求項1〜3のいずれかに記載の発泡壁紙。
  5. 下記工程を有する、発泡壁紙の製造方法:
    (1)紙質基材上に、少なくとも、エチレン−メチルメタクリレート共重合体を含有する非発泡樹脂層A、エチレン−メチルメタクリレート共重合体を含有する発泡剤含有樹脂層及びエチレン−メタクリル酸共重合体を含有する非発泡樹脂層Bを同時溶融押出しにより積層する工程1、並びに、
    (2)前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより発泡樹脂層とする工程2。
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