JP2006123235A - 非ハロゲン系化粧シート及び非ハロゲン系化粧材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなる化粧シート基材と表面保護層とが積層された複層構成の非ハロゲン(非塩化ビニル)系樹脂を用いた化粧シートにおいて、化粧材用基材の表面に貼着して丸鋸又はテノーナー、ルーダー等による切削加工を施した際に、切削部にバリやヒゲ、白化等を発生し難い、切削性を向上させた化粧シート及び化粧材を提供する。
【解決手段】少なくともポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなる化粧シート基材層5の表面に非塩化ビニル(非ハロゲン)系の熱可塑性樹脂からなる表面保護層7が積層形成された化粧シート10において、前記化粧シート基材層5がカレンダー成形によりシート成形されている非塩化ビニル系化粧シートであり、前記化粧シート基材層には、無機充填剤がポリオレフィン系熱可塑性樹脂100重量部に対して2〜60重量部含有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、住宅等の建築物の天井材や壁材や床材や腰壁材等の内装材や造作材、又は玄関ドア、テラス、カーポート等の外装材、建具などの建築資材、家具什器類、住宅設備機器、家電製品、車両内装材等の表面の化粧材に使用するためのポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなる化粧シートに関するものであり、特に、切削加工時におけるバリやヒゲ、白化等の切削不良の発生し難い、切削性に優れた、耐キャスター性と耐衝撃性に優れた非ハロゲン系化粧シート及び該化粧シートを用いた非ハロゲン系化粧材に関する。
従来より、上記化粧シートとしては、紙を素材とするものが耐水性や耐溶剤性、耐摩耗性等の表面物性や、層間密着強度、耐候性等の要請により、熱可塑性樹脂シートを素材とするものが最も広く用いられている。そして、建築内装材等に用いられている化粧材としては、表面装飾材として木目印刷等の装飾加工が施された化粧シートを木質基材等の化粧材用基材の表面に貼り合わせたものが広く用いられている。
上記化粧シートには、単一層の熱可塑性樹脂シートの表面又は裏面に、木目印刷等の装飾加工を施してなる、単層構成の化粧シートもあるが、化粧シートに要求される耐溶剤性や耐摩耗性の表面物性と、裏面の接着適性との両立や、表面へのエンボス加工による意匠性、耐候性などの要請により、透明又は不透明の熱可塑性樹脂からなる基材シート上に、木目印刷等の絵柄層を介して、透明な熱可塑性樹脂からなる表面シートを積層してなる、複層構成の化粧シートが採用される場合が多い。
上記熱可塑性樹脂シートとしては、安価で加工性に優れたポリ塩化ビニル樹脂シートを用いたものが、従来、最も一般的であった。しかし、近年になって、ポリ塩化ビニル樹脂は、燃焼時に塩化水素やダイオキシン等の有害物質を発生し易いことや、可塑剤として添加されているフタル酸エステル類等に内分泌攪乱性(所謂、環境ホルモン)の疑いがあることなどから、非ハロゲン系樹脂による代替が、社会的に強く要請されるようになっている。そして、この要請に応えるものとして、例えばポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等を素材とする化粧シートが各種開発され、ポリ塩化ビニル樹脂系の化粧シートに対する置き換えが急速に進行しつつある。
ところで、係る化粧材は、一般的に住宅建設等の施工時や、部材や家具等の製造時に、丸鋸、テノーナー、ルーター等の切削工具を使用して切削(切断を含む)加工が施される場合が多い。しかるに、上記の様に熱可塑性樹脂からなる化粧シートを表面装飾材とする化粧材は、切削加工時の摩擦熱によって熱可塑性樹脂が軟化することも相まって、切削刃から掛かる応力によって樹脂が引き延ばされ、切削端面にバリやヒゲを発生したり、切削端面付近の樹脂が白化したりして、加工後の化粧材の外観意匠を損なったり、切削部分における他の部材等との接合の障害となったりする場合がある。
上記問題は、従来のポリ塩化ビニル樹脂系の化粧シートを用いた化粧材の場合には、さほど顕著ではなかったが、近年、代替が進みつつある非ハロゲン系、特にポリオレフィン樹脂系やポリエステル樹脂系の化粧シートを用いた化粧材では無視できないものとなっており、意匠性や加工性の要請により切削加工後の研磨(バリ取り)作業の追加を余儀なくされ、施工性や生産性を著しく低下させる要因となっている。係る事情により、切削加工時にバリやヒゲ、白化等を発生し難い化粧シートの開発が急務となっている。
上記問題に関し、樹脂自体の改質の試みもあるが、切削性と強度や耐候性等との両立が
難しいことや、特殊グレードとなることから原価低減が困難であることなどから、顕著な成果を見るに至っていない。そこで、従来の樹脂を使用しつつ、化粧シートの構成面からの改良も検討されている(特許文献1、2、3、4)。具体的には、化粧シートの総厚を薄くする方法や、熱可塑性樹脂に無機充填剤を添加する方法などが挙げられるが、前者は化粧シートの生産性や各種物性、耐候性、意匠性等との両立が困難であり、後者は強度の低下や表面シートには適用できないこと等の問題があり、決定的な解決策が見出されるには至っていない。
以下に、公知の特許文献を記載する。
特開平09−096089号公報 特開平10−157025号公報 特開2003−191382号公報 特開平11−263889号公報
本発明は、従来技術における上記の様な問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなる基材シートと表面シートとが積層された複層構成の化粧シートにおいて、化粧材用基材の表面に貼着して丸鋸又はテノーナー、ルーダー等による切削加工を施した際に、切削部にバリやヒゲ、白化等を発生し難い、切削性を向上させた化粧シート及び化粧材を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、少なくともポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなる化粧シート基材層の表面に、非ハロゲン系(非塩化ビニル系)の熱可塑性樹脂からなる表面保護層が積層形成された非ハロゲン系(非塩化ビニル系)の化粧シートにおいて、前記化粧シート基材層がカレンダー成形によりシート成形されていることを特徴とする非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧シートである。
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る化粧シートにおいて、前記化粧シート基材層には、無機充填剤がポリオレフィン系熱可塑性樹脂100重量部に対して2〜60重量部含有していることを特徴とする非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧シートである。
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1又は2に係る非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧シートにおいて、前記表面保護層が、電離放射線硬化型樹脂又は二液硬化型ウレタン樹脂により積層形成されていることを特徴とする非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧シートである。
本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項1乃至3のいずれか1項に係る非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧シートにおいて、該化粧シートの裏面に、化粧材用基材に貼り合わせられるプライマー層が積層形成されていることを特徴とする非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧シートである。
本発明の請求項5に係る発明は、上記請求項4記載の非ハロゲン系(非塩化ビニル系)
化粧シートにおいて、前記プライマー層には、無機充填剤が含有していることを特徴とする非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧シートである。
本発明の請求項6に係る発明は、上記請求項1乃至5のいずれか1項に係る非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧シートが、木質材又は非ハロゲン系(非塩化ビニル系)熱可塑性樹脂材からなる化粧材用基材の表面に最表層として積層形成されていることを特徴とする非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧材である。
本発明の請求項1に係る発明の非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧シートによれば、少なくともポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなる化粧シート基材層の表面上に、非ハロゲン系(非塩化ビニル系)の熱可塑性樹脂からなる表面保護層が積層されてなる化粧シートにおいて、前記基材層がカレンダー成形によりシート化されており、化粧シートを切削加工した際に、基材層のケバ立ちやヒゲの発生が、カレンダー成形によるシート化によって抑制され、切削性が向上した非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧シートを提供することが可能となった。
また、本発明の請求項2に係る発明の非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧シートによれば、前記基材層には、無機充填剤がポリオレフィン系熱可塑性樹脂100重量部に対して2〜60重量部含有されているため、化粧シートを切削加工した際に、基材層のケバ立ちやヒゲの発生が無機充填剤によって抑制され、切削性が向上した非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧シートを提供することが可能となった。
また、本発明の請求項3に係る発明の非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧シートによれば、前記化粧シートの表面上に電離放射線硬化型樹脂、又は二液硬化型ウレタン樹脂からなる表面保護層を有するものであり、化粧シートを切削加工した際に、前記硬化した表面保護層によって、その化粧シートの切削性や耐キャスター性や耐衝撃性が向上した非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧シートを提供することが可能となった。
また、本発明の請求項4に係る発明の非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧材は、前記請求項1乃至3のいずれか1項に係る非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧シートを最表層とし、木質基材又は非ハロゲン系(非塩化ビニル系)熱可塑性樹脂材からなる化粧材用基材の表面に積層されているので、この化粧材に、丸鋸による切断加工や、端部のルーダー加工、テノーナー加工を施した際に、化粧材のケバ立ちやヒゲの発生が抑制され、切削性が向上した床材、腰壁等に使用する非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧材を提供することが可能となった。
また、本発明の請求項4に係る発明の非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧材は、上記請求項4に係る非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧材の表面上に、電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層を設けてあり、その表面保護層は化粧材の表面上に厚塗りすることができ、そのために表面に深みのある意匠性と表面物性(耐キャスター性、耐キズ性)に優れた非ハロゲン系(非塩化ビニル系)化粧材を提供できるものである。
このように、本発明の化粧シート及び化粧材は、住宅等の建築物の天井材や壁材や床材や腰壁材等の内装材や造作材、又は玄関ドア、テラス、カーポート等の外装材、建具などの建築資材、家具什器類、住宅設備機器、家電製品、車両内装材等の表面の化粧材に使用するためのポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなる非ハロゲン系や非塩化ビニル系樹脂により構成される化粧シートや化粧材であって、廃棄処理や燃焼時における塩化水素やダイオキシン等の有害物質の発生がなく、切削加工時におけるバリやヒゲ、白化等の切削不良の発生し難い、切削性に優れた耐キャスター性と耐衝撃性に優れた化粧シート及び該化粧
シートを用いた化粧材を提供することができる。
以下に、本発明の化粧シートを図面に基づき詳細に説明すれば、図1は、本発明の化粧シート10の一実施例の積層断面図であり、本発明の化粧シート10の基本構成としてはカレンダー法によってシート化されたポリオレフィン系樹脂からなる無色透明又は着色透明又は着色半透明又は着色不透明な熱可塑性樹脂層2と、非ハロゲン系(非塩化ビニル系)の熱可塑性樹脂からなる化粧シート基材層5とが少なくとも積層された複層構成の化粧シートである。
図1に示すように、本発明の化粧シート10は、前記熱可塑性樹脂層2と、熱可塑性樹脂からなる化粧シート基材層5以外にも、各種の層が積層された構成も可能であり、例えば、プライマー層1と、カレンダー法によってシート化されたポリオレフィン系樹脂からなる着色された彩色熱可塑性樹脂層2と、木目等の化粧絵柄層3と、接着剤層4と、透明な熱可塑性樹脂からなる化粧シート基材層5と、アンカー層6と、表面保護層7とから構成されていてもよい。
本発明の化粧シート10のポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂層2は、カレンダー法によってシート製造されているので、化粧シート10を切削加工時に、切削刃との間で発生する応力によって化粧シート基材層5を構成する熱可塑性樹脂が極端に引き延ばされたとしても、化粧シートの切削端部や切削端面には、バリやヒゲあるいは白化等の発生が効果的に抑制され、切削加工後において切削端面を研磨する必要がなく、外観意匠性や施工性の良好な各種化粧部材を、簡便且つ容易に製造することができる利点がある。
尚、何故、ポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂層2を、押出し法ではなく、カレンダー法で製造することにより切削性が良くなるか、その理由は定かではないが、恐らく、カレンダーロールでオレフィン系樹脂が練られることにより、また、該ポリオレフィン系樹脂に添加する無機系充填剤の影響によって、その樹脂自体が脆くなり、その結果として、カレンダー法で製造されたポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂層2の切削性が向上するものと推定される。
押出し法によってシート製造されたポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂層を熱可塑性樹脂層2として積層形成した従来の化粧シートの層間強度と、カレンダー法によってシート製造されたポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂層を熱可塑性樹脂層2として積層形成した本発明の化粧シート10の層間強度とを、それぞれ室温(約25℃)にて測定した際には下記のようになる。
即ち、厚み0.07mmにて押出し法にて押出し成形してシート製造したポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂層2(着色ポリエチレン樹脂(下台))と、該熱可塑性樹脂層2面に被着体として0.10mmにて押出し法にて押出し成形してシート製造した熱可塑性樹脂からなる化粧シート基材層5(透明ポリプロピレン樹脂(上台))とによる積層構成の押出しラミネート加工した従来の化粧シートのT型剥離力(層2と層5との間の層間剥離力)を測定した場合、30N/25mm程度のT型剥離力がある。
ところが、厚み0.07mmにてカレンダー法にてシート製造したポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂層2(着色ポリエチレン樹脂(下台))と、該熱可塑性樹脂層2面に被着体として0.10mmにてカレンダー法にてシート製造した熱可塑性樹脂からなる化粧シート基材層5(透明ポリプロピレン樹脂(上台))とによるカレンダー法によるラミネート加工した本発明の化粧シート10のT型剥離力(層2と層5との間の層間剥離力)を測定した場合、20N/25mm程度のT型剥離力となり、従来の化粧シートに比
較してT型剥離力が低下することが判っている。
このように、本発明の化粧シート10は、カレンダーロールによる混練においてポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂に添加する無機系充填剤の影響により、熱可塑性樹脂層2が脆くなるためにT型剥離力が低下するものと推定されるが、常温にて切削加工した際には、その熱可塑性樹脂層2の脆化によって、逆に化粧シートの切削性は良くなるものである。
また、本発明の化粧シートのように、熱可塑性樹脂層2をカレンダーロールを用いてカレンダー法にてシート成形する際に、カレンダーロールのロール面に対して樹脂のベト付きが生じないようにするために熱可塑性樹脂中に添加する無機系充填剤(シリカ、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)だけでなく、滑剤にも熱可塑性樹脂層2をシート成形するための樹脂を脆くさせ、切削性を向上させる作用がある。
本発明の化粧シートにおける熱可塑性樹脂層2をカレンダーロールを用いてカレンダー法にてシート成形する際のシート成形用のポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂中に添加する無機充填剤の添加量は、ポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂100重量部に対して2〜60重量部が望ましい。無機充填剤の添加量がこれ以下であると切削性の向上効果が薄れ、また、これ以上であるとカレンダー法にてシート成形された熱可塑性樹脂層2が脆くなり過ぎて、シートの平滑性や強度が実用的でなくなるものである。
本発明の化粧シートの切削加工性をさらに向上させるためには、図1に示すように、化粧シート10の最表面である熱可塑性樹脂による化粧シート基材層5(透明熱可塑性樹脂層)の表面に、二液硬化型のアクリルウレタン系樹脂又は電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層7を設けると効果的である。この表面保護層7が、下層の化粧シート基材層5の熱可塑性樹脂の表面側の伸びを抑制し、伸び率が一定以上に達したときに破断を容易にするので、切削加工時の応力によりバリやヒゲ、白化等の抑制に有効となる。
表面保護層7に使用するアクリルウレタン系樹脂としては、二液硬化型のポリオールとイソシアネートを使用することができる。電離放射線硬化型樹脂としては、電子線又は紫外線等の電離放射線の照射により架橋反応する性質を有する、例えば、(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合を有するプレポリマー、オリゴマー及び/又はモノマーを主成分とし、必要に応じて重合開始剤や増感剤等の添加剤を添加してなる組成物を使用することができる。
上記重合性不飽和結合を有するプレポリマー及び/又はプレポリマーとしては、例えばメラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の単官能モノマーや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート等の二官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノマー等を挙げることができる。
表面保護層7の厚みは、本発明において特に限定されるものではないが、薄過ぎると効
果に乏しく、厚過ぎると可撓性が低下して割れ易くなるので、一般的には1〜20μm程度が好適であり、中でも3〜10μm程度が最も好適である。
本発明の化粧材は、上記した本発明の化粧シート10のカレンダー法にてシート成形された熱可塑性樹脂層2側に、プライマー層1を設け、該プライマー層1を介して、該化粧シート10を木質材又は熱可塑性樹脂材からなる化粧材用基材の表面に最表層として貼り合わせ、積層したものである。
また、本発明の化粧材は、木質材又は熱可塑性樹脂材からなる化粧材用基材の表面に最表層として貼り合わせた化粧シート10の表面に、電離放射線硬化型樹脂による表面保護層7が積層されているものである。
本発明の化粧材は、図1に示す表面保護層7が積層された化粧シート10を化粧材用基材の表面に貼り合わせてもよいし、あるいは図1に示す化粧シート10のアンカー層6を持った表面保護層7が積層されていない化粧シート10を化粧材用基材の表面に貼り合わせた後に、該化粧シート10のアンカー層6を介して表面保護層7を設けるようにしてもよい。
表面保護層7は、例えば60μm〜130μm程度まで塗装することができる。なお、この表面保護層7は、化粧シート10及び化粧材の表面を保護する層や、艶調整層としての機能を兼ねて設けることができ、また必要に応じて例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、着色剤、充填剤、難燃剤、抗菌剤、防黴剤、帯電防止剤、滑剤、減摩剤、艶調整剤等の添加剤を適宜添加することもできる。或いは、必要に応じて表面保護層7上に別途、表面保護層又は艶調整層若しくはその両者の機能を兼ね備えた層を設けても差し支えない。なお、表面保護層7は透明乃至半透明とされるのが通例である。
本発明の化粧シートにおいて、熱可塑性樹脂による着色された熱可塑性樹脂層2や、熱可塑性樹脂による化粧シート基材層5に使用する熱可塑性樹脂の種類には特に制限はなく、基本的には従来の一般の化粧シートに使用されていたものと同様のものを使用することができる。
具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α一オレフィン共重合体等のポリオレフィン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体金属中和物(アイオノマー)等のオレフィン系共重合体樹脂などのポリオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、6−ナイロン、6,6一ナイロン、6,10−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体、エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂等、或いはそれらの2種以上の混合物、共重合体、複合体、積層体等を使用することができる。
なお、カレンダー法にてシート成形されたポリオレフィン系樹脂による熱可塑性樹脂層2(着色熱可塑性樹脂)や、透明熱可塑性樹脂による化粧シート基材層5の材質は、同一であっても良いし、相異なっていても良い。またカレンダー法にてシート成形される熱可塑性樹脂層2のシート成形用樹脂中には上記した熱可塑性樹脂を複数混合しても良い。
上記の各種熱可塑性樹脂の中でも、近年の環境問題に対する社会的な関心の高まりに鑑みれば、ポリ塩化ビニル樹脂等の様な塩素(ハロゲン)を含有する樹脂の採用は望ましいものではなく、非ハロゲン系の熱可塑性樹脂を採用することが望ましい。中でも各種物性や加工性、汎用性、経済性等の面からは、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の飽和ポリエステル系樹脂、非晶質又は二軸延伸)を使用することが最も望ましい。これらのうち、ポリオレフィン系樹脂は、従来よりポリ塩化ビニル樹脂を代替する化粧シート用材料として採用が進んでいたものの、切削加工性の悪さが目立つことが指摘されて来たが、本発明によって切削加工性の格段の改善が可能となり、本発明の効果が最も顕著に発現する素材となるものである。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、既に列挙したように多くの種類のものが知られており、それらの中から化粧シートの使用目的等に応じて適宜選択して使用すれば良いが、中でも一般的な用途に最も好適なのは、ポリプロピレン系樹脂、すなわちプロピレンを主成分とする単独又は共重合体であり、具体的には、例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂等を、単独又は適宜配合したり、それらに、さらにアタクチックポリプロピレンを適宜配合した樹脂等を使用することができる。またプロピレン以外のオレフィン系単量体を含む共重合体であってもよく、例えば、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィン、好ましくはエチレン、ブテン−1、4一メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1のコモノマーの1種又は2種以上を15モル%以上含有するプロピレン−α一オレフィン共重合体などを例示することができる。また、通常ポリプロピレン系樹脂の柔軟化に用いられている低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体又はその水素添加物等の改質剤を適宜添加することも可能である。
着色された熱可塑性樹脂層2や透明熱可塑性樹脂による化粧シート基材層5には、必要に応じて、例えば、着色剤、充填剤(シリカ、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム等)、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤(ステアリン酸、金属石けん等)、難燃剤、抗菌剤、防黴剤、減摩剤、光散乱剤、艶調整剤等の各種の添加剤から選ばれる1種以上が添加されていても良い。なお、表面保護層2は、透明乃至半透明とされるのが通例である。
一方、着色された熱可塑性樹脂2は、化粧材用基材の表面の色のばらつきや欠陥等を隠蔽するために、隠蔽性のある不透明に着色されたものが用いられる場合が多いが、化粧材用基材の表面の質感を活かすために、透明乃至半透明のものが用いられる場合もある。
絵柄層3は、本発明の化粧シートに絵柄による意匠性を付与するために、必要に応じて設けられるものであり、着色された熱可塑性樹脂層2自体の着色で代用できる場合等には省略も可能である。この絵柄層3は、染料又は顔料等の着色剤を適当なバインダー樹脂と共に適当な希釈溶媒中に溶解又は分散してなる印刷インキ又は塗料等を使用して、例えば、グラビア印刷法又はオフセット印刷法等の各種印刷法や、グラビアコート法、又はロールコート法等の各種塗工法などによって形成されるのが一般的である。
絵柄層3を形成する印刷インキ又は塗料等の前記バインダー樹脂としては、例えば、ウ
レタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリイミド系樹脂、硝化綿等、又は、それらの混合物等がよく使用されるが、勿論、これらに限定されるものではない。
絵柄の種類は、例えば木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学模様、文字又は記号、それらの組み合わせ等、所望により任意であり、単色無地であっても良い。また、化粧シートの隠蔽性を向上するために、絵柄層3の裏面側に、二酸化チタンや酸化鉄等の不透明顔料を多く含む不透明な印刷インキ又は塗料による隠蔽層が併設される場合もある。
接着剤層4は、着色された熱可塑性樹脂層2や透明熱可塑性樹脂からなる化粧シート基材5とを接着させるために必要に応じて設けられるものであり、他の層が有する接着性を利用可能な場合には省略も可能である。この接着層4に使用する接着剤の種類には、特に制限はないが、イソシアネート系硬化剤を使用する二液硬化型ウレタン系接着剤を使用することが最も望ましい。
具体的には、主剤としては、例えば、ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオール等、硬化剤としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を使用することができる。
なお、絵柄層3、接着剤層4は、図1に示す例では着色された熱可塑性樹脂層2側から透明熱可塑性樹脂層5側へ、この順に配列されているが、本発明は、これに限定されるものではなく、化粧シートの製造手順などに応じて、順不同に任意の配列とすることができる。
図1に示す例は、着色された熱可塑性樹脂層2上に絵柄層3を順次形成した後、接着剤層4を介して透明熱可塑性樹脂からなる化粧シート基材層5と積層する製造手順を主として想定したものであるが、それ以外にも、例えば、透明熱可塑性樹脂からなる化粧シート基材層5の裏面に絵柄層3を順次形成し、これを接着剤層4を介して着色された熱可塑性樹脂層2上に積層したり、透明熱可塑性樹脂からなる化粧シート基材層5の裏面に絵柄層3と接着剤層4とを積層して、該接着剤層4を介して着色された熱可塑性樹脂層2上に積層したりするなどの製造手順が考えられる。
また、図1に示す化粧シート10に立体的な意匠感を付与するために、化粧シート基材層5の表面に、必要に応じて適宜パターン形状の凹凸(図示せず)が設けられるものである。凹凸の形状は、所望により任意であり、例えば、木目導管状、石目状、布目状、抽象柄状、和紙状、スウェード状、皮革状、梨地状、砂目状、ヘアーライン状、平行直線群又は平行曲線群若しくはそれらの組み合わせ等の幾何学模様状等を挙げることができる。凹凸の形成は、化粧シート基材層5を着色された熱可塑性樹脂層2上に積層する前でも後でも良いし、ダブリングエンボス法又は押出ラミネート同時エンボス法等により、積層ラミネートと同時に形成することができる。
化粧シート10の裏面(最内面)側に積層したプライマー層1は、化粧シート10の各種化粧材用基材への接着に使用される接着剤との密着性を向上させるために、必要に応じて施されるものである。化粧材用基材として最も一般的な木質基材などへの接着剤としては、例えば、酢酸ビニルエマルジョン系や二液硬化型ウレタン系などの接着剤が汎用されているので、プライマー層1はこれら汎用接着剤に適合した樹脂設計とすることが望ましい。具体的には、例えば、ウレタン系、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、ポリエステル系等を挙げることができ、中でも、ポリエステルポリオールとイソシアネート化合物との配合による二液硬化型ウレタン系のプラ
イマー剤などが有効である。また、例えば、シリカや硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機質粉末を添加すると、巻取保存時のブロッキングの防止や、投錨効果による接着力の向上などに有効である。
以下に、本発明の化粧シート及び化粧材の具体的な実施例、及び比較例について説明する。
<実施例1>
図1に示すように、まず、着色された熱可塑性樹脂層2として、カレンダー法にて、着色ポリエチレン系樹脂を100重量部に対して無機充填剤(RIVEST TPO リケンテクノス株式会社製)を15重量部添加して製造した厚さ80μmの着色ポリエチレン系樹脂シートの表面に、ウレタン系印刷インキにて絵柄層3を印刷した後、該絵柄層3上より、二液硬化型ポリエステルウレタン系接着剤(二液硬化型ポリエステル系接着剤、又は二液硬化型ウレタン系接着剤)として、例えば二液硬化型ポリエステルポリオール系接着剤(硬化剤はヘキサメチレンジイソシアネート)を、乾燥後の塗布量5g/m2 にて塗布して接着剤層4を形成した。
次に、該熱可塑性樹脂層2の接着剤層4面に、厚さ80μmの透明ポリプロピレン系樹脂シートを加熱溶融押し出しラミネートし、化粧シート基材層5を積層形成して、着色された熱可塑性樹脂層2、絵柄層3、接着剤層4、化粧シート基材層5からなる積層シートを作製し、その積層シートの化粧シート基材層5表面に木目柄の凹凸エンボス加工を行った。
次に、その積層シートの化粧シート基材5表面の凹凸エンボス加工された面に、アクリルウレタン系樹脂(UCクリヤー;大日本インキ化学工業(株)製)を、乾燥後の塗布量5g/m2 にて塗布して表面保護層7(アンカー層6は省略)を形成し、さらに、該積層シートの該熱可塑性樹脂層2の表面に、シリカ粉末を添加したウレタン系樹脂を、乾燥後の塗布量1g/m2 にて塗布してプライマー層1を形成して、実施例1による本発明の化粧シートを作製した。
<実施例2>
図1に示すように、まず、着色された熱可塑性樹脂層2として、カレンダー法にて、着色ポリプロピレン系樹脂を100重量部に対して無機充填剤(RIVEST TPO リケンテクノス株式会社製)を55重量部添加して製造した厚さ80μmの着色ポリプロピレン系樹脂シートの表面に、ウレタン系印刷インキにて絵柄層3を印刷した後、該絵柄層3上より、二液硬化型ポリエステルウレタン系接着剤(二液硬化型ポリエステル系接着剤、又は二液硬化型ウレタン系接着剤)として、例えば二液硬化型ポリエステルポリオール系接着剤(硬化剤はヘキサメチレンジイソシアネート)を、乾燥後の塗布量5g/m2 にて塗布して接着剤層4を形成した。
次に、該熱可塑性樹脂層2の接着剤層4面に、厚さ80μmの透明ポリプロピレン系樹脂シートを加熱溶融押し出しラミネートし、化粧シート基材層5を積層形成して、着色された熱可塑性樹脂層2、絵柄層3、接着剤層4、化粧シート基材層5からなる積層シートを作製し、その積層シートの化粧シート基材層5表面に木目柄の凹凸エンボス加工を行った。
次に、その積層シートの化粧シート基材層5表面の凹凸エンボス加工された面に、アクリルウレタン系樹脂(UCクリヤー;大日本インキ化学工業(株)製)を、乾燥後の塗布量5g/m2 にて塗布して表面保護層7(アンカー層6は省略)を形成し、さらに、該積
層シートの該熱可塑性樹脂層2の表面に、シリカ粉末を添加したウレタン系樹脂を、乾燥後の塗布量1g/m2 にて塗布してプライマー層1を形成して、実施例1による本発明の化粧シートを作製した。
<実施例3>
図1に示すように、まず、着色された熱可塑性樹脂層2として、カレンダー法にて、着色ポリエチレン系樹脂を100重量部に対して無機充填剤(RIVEST TPO リケンテクノス株式会社製)を15重量部添加して製造した厚さ80μmの着色ポリエチレン系樹脂シートの表面に、ウレタン系印刷インキにて絵柄層3を印刷した後、該絵柄層3上より、二液硬化型ポリエステルウレタン系接着剤(二液硬化型ポリエステル系接着剤、又は二液硬化型ウレタン系接着剤)として、例えば二液硬化型ポリエステルポリオール系接着剤(硬化剤はヘキサメチレンジイソシアネート)を、乾燥後の塗布量5g/m2 にて塗布して接着剤層4を形成した。
次に、該熱可塑性樹脂層2の接着剤層4面に、厚さ80μmの透明ポリプロピレン系樹脂シートを加熱溶融押し出しラミネートし、化粧シート基材層5を積層形成して、着色された熱可塑性樹脂層2、絵柄層3、接着剤層4、化粧シート基材層5からなる積層シートを作製し、その積層シートの化粧シート基材層5の表面に木目柄の凹凸エンボス加工を行った。
次に、その積層シートの化粧シート基材層5表面の凹凸エンボス加工された面に、ウレタン系樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)を、乾燥後の塗布量2g/m2 にて塗工してアンカー層6を形成し、その積層シートの該熱可塑性樹脂層2の表面には、シリカ粉末を添加したウレタン系樹脂を、乾燥後の塗布量1g/m2 にて塗布してプライマー層1を形成した。
次に、その積層シートを、市販の酢酸ビニル系接着剤(例えば、変性酢酸ビニル系接着剤、塗布量80g/m2 wet)を介して、市販の厚さ12mmの合板の表面に重ね合わせて貼り合わせたた後、その積層シートの表面のアンカー層6面に、ポリエステル(メタ)アクリレート系の電離放射線硬化型樹脂を、塗布量100g/m2 にて塗布して表面保護層7を形成し、実施例3による化粧シートを作製した。
<比較例1>
上記実施例1において、着色された熱可塑性樹脂層2として、カレンダー法にて、着色ポリエチレン系樹脂を100重量部に対して無機充填剤(RIVEST TPO リケンテクノス株式会社製)を1重量部添加して厚さ80μmの着色ポリエチレン系樹脂シートを製造した以外は実施例1と同様にして比較例1の化粧シートを作製した。
<比較例2>
上記実施例1において、着色された熱可塑性樹脂層2として、カレンダー法にて、着色ポリエチレン系樹脂を100重量部に対して無機充填剤(RIVEST TPO リケンテクノス株式会社製)を70重量部添加して厚さ80μmの着色ポリエチレン系樹脂シートを製造した以外は実施例1と同様にして比較例2の化粧シートを作製した。
<比較例3>
上記実施例1において、着色された熱可塑性樹脂層2として、押出し成形法にて、着色ポリエチレン系樹脂を100重量部に対して無機充填剤(RIVEST TPO リケンテクノス株式会社製)を15重量部添加して厚さ80μmの着色ポリエチレン系樹脂シートを製造した以外は実施例1と同様にして比較例3の化粧シートを作製した。
<性能比較>
上記実施例1〜3により得られた各々化粧シートと、比較例1〜3により得られた各々化粧シートを、それぞれ化粧材用基材として市販の厚さ12mmの合板の表面に、市販の変性酢酸ビニル系接着剤(塗布量80g/m2 wet)を介して貼り合わせて、化粧材を作製し、性能比較用の各々化粧材サンプルを得た。
そして、図2に示すように上記実施例1〜3により得られた各々化粧材サンプル(化粧シート10、化粧材用基材20)と、図3に示すように上記比較例1〜3により得られたにより得られた各々化粧材サンプル(化粧シート10、化粧材用基材20)を、該化粧シート10の表面より、両側面同時に削り出す市販のテノーナー装置(例えば、ダブルエンドテノーナー;TRZ−1806EMS/3500;(株)平安コーポレーション製)と、面取りカッター刃としてテノーナー刃21(回転丸鋸状刃、刃物品番699−F466−400、外径275mm、刃厚3.0mm、座厚2.5mm、軸穴径50mm、鋸歯刃数40個、刃高さ0.5mm)を用いて、回転軸Oを中心に回転数1500rpmにて回転させて切削加工を行い、それぞれC面部(傾斜面)を面取りして、片胴付き柄(ホゾ)臍を削り出した。その時の各々化粧材サンプルにおける削り出した切削部の状態を目視にて比較評価した。その結果を下記に示す。
<性能比較結果>
実施例1…○
実施例2…○
実施例3…○
比較例1…×
比較例2…×
比較例3…×
切削性の評価 ○:切削良好
△:部分的切削不良(部分的にヒゲあり)
×:切削不良(著しいヒゲ、バリあり)
<評価結果>
上記実施例1〜3による化粧材は図2に示すように、C面部(切削面)にはヒゲ、バリの発生はなく切削良好であったが、上記比較例1〜3による化粧材は図3に示すように、C面部(切削面)には著しいヒゲ、バリ22の発生が観察され、切削不良となった。
本発明の切削性向上化粧シートの一実施例の断面構造を示す説明図。 本発明の切削性向上化粧シートを用いた実施例による化粧材をテノーナー刃にて切削加工した際におけるC面部(切削面部)の切削加工形状を説明する側面図。 従来の切削性向上化粧シートを用いた比較例による化粧材をテノーナー刃にて切削加工した際におけるC面部(切削面部)の切削加工形状を説明する側面図。
符号の説明
1…プライマー層
2…着色された熱可塑性樹脂層
3…絵柄層
4…接着剤層
5…熱可塑性樹脂による化粧シート基材層
6…アンカー層
7…表面保護層
10…化粧シート
20…化粧材用基板

Claims (6)

  1. 少なくともポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなる化粧シート基材層の表面に、非ハロゲン系熱可塑性樹脂からなる表面保護層が積層形成された化粧シートにおいて、前記化粧シート基材層が、カレンダー成形によりシート成形されていることを特徴とする非ハロゲン系化粧シート。
  2. 前記化粧シート基材層には、無機充填剤がポリオレフィン系熱可塑性樹脂100重量部に対して2〜60重量部含有していることを特徴とする請求項1記載の非ハロゲン系化粧シート。
  3. 請求項1又は2記載の化粧シートにおいて、前記表面保護層が電離放射線硬化型樹脂又は二液硬化型ウレタン樹脂により積層形成されていることを特徴とする非ハロゲン系化粧シート。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の化粧シートにおいて、該化粧シートの裏面に、化粧材用基材に貼り合わせられるプライマー層が積層形成されていることを特徴とする非ハロゲン系化粧シート。
  5. 請求項4記載の化粧シートにおいて、前記プライマー層には、無機充填剤が含有していることを特徴とする非ハロゲン系化粧シート。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載の化粧シートが、木質材又は非ハロゲン系熱可塑性樹脂材からなる化粧材用基材の表面に最表層として積層形成されていることを特徴とする非ハロゲン系化粧材。
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