JP3849411B2 - 化粧シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅等の建築物の内外装材や、造作材、建具等の建築資材、家具什器類、住設機器や家電製品等の表面化粧等に使用するための化粧シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、係る用途に使用するための化粧シートとしては、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムに木目等の印刷や表面エンボス加工等により装飾を施したものが、最も一般的に使用されて来た。しかし、近年になって、火災又は廃棄時の燃焼により塩化水素等の有毒ガスやダイオキシン類等の有毒物質を発生する場合があるという問題が指摘されるようになり、環境問題の観点から、ポリ塩化ビニル樹脂の使用は敬遠されるようになっている。そして、これに代わるものとして、塩素を含有しないオレフィン系樹脂からなる化粧シートが開発され、急速に置き換えが進行しつつある。
【0003】
このように、ポリ塩化ビニル樹脂からなる化粧シートを、オレフィン系樹脂からなる化粧シートで置き換えることにより、上記した環境問題は確かに解決することが出来た。しかしその一方で、ポリ塩化ビニル樹脂とオレフィン系樹脂との物理的・化学的特性の差により、従来のポリ塩化ビニル樹脂からなる化粧シートでは全く問題にならなかった事項でも、オレフィン系樹脂からなる化粧シートでは、無視し得ない問題が発生する場合があり、オレフィン系樹脂の改質等によりそれらを改善する試みもなされているが、従来のポリ塩化ビニル樹脂からなる化粧シートと完全に同等の特性を有するものは、現在なお得られていないのが実情である。
【0004】
係る問題点の一つとして、化粧シートの切削性を挙げることができる。すなわち、係る化粧シートは一般に、合板や中密度繊維板(MDF)等の木質系基材や、石膏板等の無機質系基材、発泡樹脂成形体や繊維強化樹脂(FRP)成形体等の合成樹脂系基材等、各種の基材の表面に接着剤等で貼着されて使用されるものであるが、こうして基材の表面に貼着された後に、例えばドリルによる穴開け加工や、鋸による正寸カット、ルーターによる溝加工等の、各種の切削加工が施される場合が多い。
【0005】
この様な切削加工の際に、従来のポリ塩化ビニル樹脂からなる化粧シートは、ポリ塩化ビニル樹脂の持つ優れた切削性により、容易に良好な製品を得ることができたのであるが、オレフィン系樹脂からなる化粧シートは、切削時の摩擦熱により軟化して切削部の周辺で伸び変形を起こし易く、熱で軟化した樹脂が切削部の端部からヒゲ状に伸びるバリや、切削部の周辺で樹脂が大きく変形することによる白化などの現象が発生し易いという問題がある。
【0006】
そして、係る問題を回避するために、オレフィン系樹脂からなる化粧シートの貼着品の切削加工の際には、切削時の摩擦熱を抑制するために切削工具の刃を頻繁に新しい刃に交換したり、切削加工後に切削部に発生したバリや白化部の除去作業(トリミング)を行ったり、切削部のバリや白化部が使用者の目に触れにくいように製品の仕様を変更するなどの対策を余儀なくされ、生産性の低下や製造原価の上昇、製品仕様の自由度の制約等、多くの問題を抱えたものであった。
【0007】
オレフィン系樹脂からなる化粧シートの他の問題点として、Vカット加工やラッピング加工等の折り曲げ加工適性の問題がある。すなわち、化粧シートは、各種の基材の表面に貼着された後に、該基材の裏面にVカット加工が施されて折り曲げられたり、或いは、表面に凹凸形状を有する長尺状の基材に、該凹凸形状の表面に沿って折り曲げながら貼着するラッピング加工に供せられる場合も多く、これらの折り曲げ加工の際に、オレフィン系樹脂はポリ塩化ビニル樹脂と比較して柔軟性に劣る為に、破断や亀裂、白化等の問題を発生する場合がある。
【0008】
この問題を解決するために、オレフィン系樹脂に軟質のゴム状物質をブレンド及び/又は共重合させることによって、オレフィン系樹脂を改質し、ポリ塩化ビニル樹脂と同等の柔軟性を持たせる試みもなされている。しかしながらこうした方法では、樹脂の耐熱性の低下や表面強度の低下等の物性面の問題に加え、汎用性の乏しい特殊な樹脂となることによる製造原価の上昇等の経済面の問題もあり、化粧シート用としてあらゆる面で理想的なオレフィン系樹脂が見出されるには至っていないのが実情である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、環境に優しいオレフィン系樹脂からなる化粧シートにおいて、各種の基材への貼着後の切削加工の際のバリや白化の問題を軽減することができ、Vカット加工やラッピング加工等の折り曲げ加工適性にも優れた化粧シートを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の化粧シートは、総厚が30μm以上100μm以下である表面側にエンボスによる凹陥部を有する化粧シートであって、該凹陥部における最深部の底面と化粧シートの裏面との間の距離で定義される凹陥部シート残厚が、20μm以上であり、かつ前記化粧シートは、少なくとも2層以上のオレフィン系樹脂層の積層体を有するものであって、最上層のオレフィン系樹脂層の厚さが、化粧シートの総厚の10%以上35%以下であることを特徴とするものである。
【0014】
また本発明の化粧シートは、前記化粧シートにおいて、表面に表面塗膜層を有し、該表面塗膜層が、該表面塗膜層の直下のオレフィン系樹脂よりも硬質であることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の化粧シートの実施の形態を、詳細に説明する。
【0017】
本発明の化粧シートは、オレフィン系樹脂からなる化粧シートの総厚を、従来は150〜300μm程度であったのに対し、これよりも薄い30〜100μmの範囲内としたことにより、厚い化粧シートよりも切削加工時に切れ易くなることに加えて、切削加工時の摩擦熱が速やかに基材へ伝達されて散逸し、シート内部への熱の蓄積による温度上昇が少ないために、化粧シートの樹脂の軟化が少なく引き延ばされにくいので、ヒゲ状のバリが発生しにくく、発生しても短くなる。
【0018】
また、上記したとおり、切削部の端部近傍で化粧シートが大きく引き延ばされる前に破断するために、切削部の周辺での白化も少なくなり、これに化粧シート自体が薄いことも相俟って、白化の極めて目立ちにくいものとなる。従って、バリや白化を抑制するための切削工具の刃の頻繁な交換作業や、切削部のバリや白化部のトリミング除去作業等の、煩雑な付帯作業も不要となる。
【0019】
さらに、Vカット加工やラッピング加工等の折り曲げ加工が施される場合にあっては、化粧シートの総厚が薄いことにより柔軟性が増し、無理な折り曲げによる割れや白化などの問題が発生しにくくなる。特に、化粧シートを加熱により軟化させつつ基材に貼付したり折り曲げたりする場合には、化粧シートの熱容量が小さく、裏面までの熱の伝達も速いことから、加熱不十分による失敗の危険は極めて少なくなり、高速度での加工が可能となって作業効率が向上する。
【0020】
また、本発明の化粧シートをラッピング加工に供する場合には、ラッピング加工時に各被ラッピング基材間の化粧シートを裁断する方法として、ラッピング貼着直後の被ラッピング基材間の化粧シートを熱風装置等による熱で軟化させ、被ラッピング基材を引張ることで化粧シートを破断させる、自動カットと言われる方法があるが、本発明の化粧シートは総厚が30〜100μmと薄いので、熱容量が小さいと共に、裏面まで熱が伝達し易いため、加熱不十分による失敗の危険性は極めて少なくなり、高速処理が可能となって作業効率が向上する。
【0021】
本発明の化粧シートには、既に言及したように、その表面側からエンボスによる導管溝模様状等の凹陥部を施すこともできる。この凹陥部により、化粧シートの表面に立体的な意匠感が付与されると共に、切削加工時には、切削部の近傍で引き延ばされた樹脂が該凹陥部をきっかけとして破断することにより、バリの発生や化粧シートの白化が抑制される。また、ラッピング貼着法における自動カット時には、加熱軟化した化粧シートに掛かる引張応力に対して、該凹陥部をきっかけとして化粧シート全体の引き裂きが発生し、より容易な自動カットが可能になるという効果がある。
【0022】
但し、凹陥部の深度が深すぎると、凹陥部における最深部の底面と化粧シートの裏面との間の距離で定義される凹陥部シート残厚が極端に薄くなり、この部分で化粧シートが極端に破断し易くなって、通常の取り扱い上の支障を発生したり、被貼着基材を外的な刺激、例えば紫外線や溶剤、薬品、磨耗等、から十分に保護することができないために、化粧シート貼着製品の耐候性や耐久性が悪化したりするので、凹陥部の深度は、前記した凹陥部シート残厚が20μm以上となる範囲内で設計することが望ましい。
【0023】
本発明の化粧シートにおける、オレフィン系樹脂からなる基材シート、絵柄印刷層、隠蔽ベタ印刷層、表面塗膜層等の構成材料には特に制約はなく、従来より同種の化粧シートの構成材料として使用されているものと同様の材料を任意に使用することができる。
【0024】
基材シートを構成するオレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等のホモポリマーやそれらの混合物等を使用することができ、ポリプロピレンであればホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等のいずれか若しくはそれらを適宜配合したものや、それらに更にアタクチックポリプロピレンを適宜配合した樹脂等を使用することができる。また、複数種類のオレフィン単量体の共重合体であっても良く、例えばポリプロピレン系共重合体であれば、プロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィン、好ましくはエチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1、のコモノマーの1種又は2種以上を15モル%以上共重合させたプロピレン−α−オレフィン共重合体や、これに更に例えばエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム等の改質剤を適宜添加した樹脂組成物等を使用することができる。
【0025】
基材シートを構成するオレフィン系樹脂には必要に応じて、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤、減摩剤、艶消剤、体質顔料等の従来公知の各種の添加剤の1種以上が添加されていても良い。また、裏面に絵柄印刷層が設けられていて透明性が要求される場合であっても、絵柄印刷層の模様が表面側から透視可能な程度の透明性を少なくとも備えていればよく、その範囲内で着色顔料等の着色剤が添加されていてもよい。
【0026】
絵柄印刷層及び隠蔽ベタ印刷層は、着色用の顔料等を適宜のバインダー樹脂中に分散してなる従来公知の各種の印刷インキ又は塗料等を使用して、例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、スクリーン印刷法、ロータリースクリーン印刷法、フレキソ印刷法、ドライオフセット印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、パッド印刷法、静電印刷法、電子写真法、感熱転写印刷法、インクジェット印刷法等の従来公知の任意の印刷方法や、例えばグラビアコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、リップコート法、コンマコート法、ダイコート法、キスコート法、ロッドコート法、スプレーコート法、フローコート法、ディップコート法等の従来公知の任意の塗布方法から選択した1種又は2種以上の組合せにより形成することができる。なお、化粧シートがその用途により隠蔽性を必要としない場合には、隠蔽ベタ印刷層は設けなくてもよい。
【0027】
表面塗膜層の構成材料にも特に制約はないが、その直下のオレフィン系樹脂よりも硬質の材料から構成することが望ましい。それは、切削加工時にその直下のオレフィン系樹脂からなる層の伸びを抑制すると共に、ある一定以上伸びた時にます表面塗膜層が破断し、それがきっかけとなってその直下のオレフィン系樹脂からなる層が破断し、化粧シートの破断が一気に進行することから、切削加工時におけるバリや白化の発生を抑制すると共に、ラッピング加工の際の自動カット法による化粧シートの裁断を容易にするからである。
【0028】
上記表面塗膜層の構成材料としては、上記の目的から、硬化型樹脂を使用することが望ましい。具体的には、例えばメラミン系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ウレタン系樹脂、アミノアルキド系樹脂等の熱硬型性樹脂や、(メタ)アクリレート系樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂、エステル(メタ)アクリレート系樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート系樹脂等の紫外線又は電子線等の照射により硬化する電離放射線硬化型樹脂等を使用することができる。
【0029】
本発明の化粧シートは、上記した如く、絵柄印刷層を基材シートの裏面側に形成した構成に限定されるものではなく、絵柄印刷層を基材シートの表面側に形成した構成とすることもできる。この構成の化粧シートは、隠蔽性が要求される場合であっても、基材シートに着色顔料等の着色剤を十分な量添加して、基材シート自体に隠蔽性を持たせることにより、隠蔽ベタ印刷層を省略することもできる。また特に、基材シートを木目における導管溝等の凹陥部に対応した色彩に着色しておき、エンボスにより導管溝模様等の凹陥部を施した後、凹陥部以外の平面部に木目等の絵柄模様層を形成すると、凹陥部に対応した絵柄の印刷や凹陥部へのワイピング加工による着色剤の充填等を施さずとも、凹陥部がそれに合致した色彩に着色された化粧シートを容易に得ることができる。
【0030】
また、本発明の化粧シートは、2層以上のオレフィン系樹脂層が積層されて構成されるものであっても良い。オレフィン系樹脂からなる基材シート上に、所望の柄の絵柄印刷層が施され、該絵柄印刷層上に、オレフィン系樹脂からなる透明樹脂層が積層され、該透明樹脂層の表面側からエンボスによる凹陥部が施され、該凹陥部を除く表面の平面部に表面塗膜層が設けられた構成の化粧シートである。この構成の化粧シートにあっても、絵柄印刷層の裏側に配置された基材シートを隠蔽性とすれば、隠蔽ベタ印刷層を省略しても十分な隠蔽性を具備させることができる。
【0033】
係る如く、2層以上のオレフィン系樹脂層が積層された構成の化粧シートにあっては、そのうち最上層のオレフィン系樹脂層の厚さ、すなわち透明樹脂層の厚さや、上層透明樹脂層の厚さを、化粧シートの総厚の10%以上35%以下の範囲内とすることが望ましい。
【0034】
この範囲内とすることによって、基材への貼着後の切削加工時には、切削工具の刃によって引き延ばされた切削部の化粧シートの内、最上層の薄い透明樹脂層において最初に破断が発生し、該破断部をきっかけとして下層の基材シート等へと破断が進行する結果、切削部近傍の化粧シートの全体としての伸びが抑制され、それに伴って切削部におけるバリや白化現象が抑制されるからである。なお、最上層のオレフィン系樹脂層の厚さが化粧シートの総厚の10%に満たない場合には、これが破断しても化粧シート全体の破断のきっかけとはなりにくくなり、上記した効果はあまり期待できなくなる。
【0035】
同様の効果は、2層以上のポリオレフィン系樹脂層の積層による化粧シートであれば、いかなる形態であっても奏されるものである。具体的には例えば、透明なオレフィン系樹脂からなる基材シートの裏面に、絵柄印刷層及び隠蔽ベタ印刷層を施し、前記基材シートの表面に透明なオレフィン系樹脂からなる透明樹脂層を積層し、該透明樹脂層の表面側からエンボスによる凹陥部を施し、該凹陥部を除く平面部に表面塗膜層を施してなるものである。
【0036】
また、着色された隠蔽性のオレフィン系樹脂からなる基材シートの表面に、隠蔽性又は透明のオレフィン系樹脂からなる透明樹脂層を積層し、該透明樹脂層の表面側からエンボスによる凹陥部を施し、該凹陥部を除く平面部に、絵柄印刷層及び表面塗膜層を施してなるものである。これらのいずれの形態の化粧シートにあっても、また例示はしないが3層以上のオレフィン系樹脂の積層構成の化粧シートにあっても、最上層のオレフィン系樹脂層である透明樹脂層の厚さを化粧シートの総厚の10%以上35%以下とすることによって、前記した効果を達成することができる。
【0037】
なお、係る積層構成の化粧シートにあっては、基材シートや透明樹脂層等の各オレフィン系樹脂層の相互間の積層方法は特に限定されるものではなく、例えば接着剤を介したウェットラミネート法若しくはドライラミネート法や、接着剤を介するか若しくは介さない熱ラミネート法、2層の間に他の熱可塑性樹脂を加熱溶融して押し出して接着させるサンドラミネート法、一方の層を加熱溶融してシート状に押し出すと同時に他方の層に積層して接着する押出ラミネート法等が任意に適用可能であり、また、複数の層をそれらの相互間に絵柄印刷層等を介在させずに積層する場合には、加熱溶融共押出法の採用も可能である。
【0038】
【実施例】
厚さ60μmの無延伸着色ランダムポリプロピレン樹脂シートの表面をコロナ放電処理後、まず隠蔽性の無機顔料(酸化鉄系、酸化チタン系)を含むウレタン樹脂系インキを使用してグラビア印刷法により隠蔽ベタ印刷層を形成し、次に通常の建材用ウレタン樹脂系インキを使用してグラビア印刷法により木目柄の絵柄印刷層を形成し、該印刷面にウレタン系感熱接着剤層を介して、厚さ25μmの両面コロナ放電処理済み透明ホモポリプロピレン樹脂シートを、該シートの融点以下の140〜150℃で熱ラミネートし、同時に最大深度50μmの木目導管柄のエンボスを施して凹陥部を形成し、さらに表面に2液ウレタン樹脂系トップコート樹脂をグラビアコート法により乾燥硬化後の厚さ5μmに塗工し、乾燥硬化させて、本発明の化粧シートを作製した。この化粧シートの総厚は約95μmである。
【0039】
上記化粧シートの裏面をコロナ放電処理後、ウレタン系プライマー剤をグラビアコート法で乾燥後の厚さ2μmに塗布した後、木工用の酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を介してMDF基材に貼着し、化粧板を作製した。この化粧板に対して、ルーター及びパネルソウによる切削加工を施したところ、切削加工時に発生する糸状のバリの発生や、切削部の近傍の白化が、従来品である総厚約180μmのオレフィン系化粧シートを使用した化粧板と比較して、著しく少なくなった。
【0040】
また、上記化粧シートを、表面に凹凸形状を有する長尺柱状の形状に切削加工されたMDF基材の表面に、ラッピング法により貼着したところ、MDF基材の凹凸表面に対する化粧シートの追従性は、従来品である総厚約180μmのオレフィン系化粧シートと比較して、遥かに滑らかであり、折り曲げ部の白化や貼着後のスプリングバック等も遥かに少なく、また貼着後の基材間の化粧シートの自動カットも円滑であり、全体として従来より高速度で進行することができた。
【0041】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明の化粧シートは、オレフィン系樹脂からなる化粧シートの総厚を、30μm以上100μm以下としたことにより、後加工において各種基材への貼着後の切削加工時に、切削部でのバリや白化を発生しにくく、また、Vカット加工やラッピング加工等の折り曲げ加工時にも、折り曲げ部での化粧シートの割れや白化を発生しにくく、最終製品の外観品質が安定すると共に、これらの後加工の生産効率を向上することができる。
【0042】
また特に、表面側に施したエンボスによる凹陥部において、その最深部の底面と化粧シートの裏面との間の距離で定義される凹陥部シート残厚を20μm以上としたことにより、化粧シートの取り扱い上必要とされる強度が十分に確保され、不慮の破断等の事故が防止されると共に、エンボスの凹陥部においても被貼着基材を紫外線や溶剤、薬品、磨耗等の外的刺激から十分に保護し、被貼着基材の劣化や損耗を防ぐことにより、耐候性や耐久性に優れた化粧シート貼着製品を得ることができる。
【0044】
また特に、化粧シートを2層以上のオレフィン系樹脂層の積層構成とし、最上層の厚さを総厚の10%以上35%以下としたことにより、切削加工時の切削部や自動カット時の裁断部で、厚さの薄い最上層がまず破断した衝撃で化粧シート全体が破断することにより、化粧シート全体の破断が容易となり、切削部でのバリや白化を更に抑制し、裁断部での裁断を更に円滑化することができる。
【0045】
また特に、最上層のオレフィン系樹脂層の表面にそれよりも硬質の表面塗膜層を設けたことにより、該表面塗膜層が化粧シートの予期せぬ破断を防止すると共に、破断時は表面塗膜層の破断がきっかけとなって化粧シート全体が速やかに破断することにより、切削加工時は切削部でのバリや白化を更に抑制し、自動カット時は裁断部での裁断を更に円滑化することができる。

Claims (2)

  1. 総厚が30μm以上100μm以下である表面側にエンボスによる凹陥部を有する化粧シートであって、該凹陥部における最深部の底面と化粧シートの裏面との間の距離で定義される凹陥部シート残厚が、20μm以上であり、かつ前記化粧シートは、少なくとも2層以上のオレフィン系樹脂層の積層体を有するものであって、最上層のオレフィン系樹脂層の厚さが、化粧シートの総厚の10%以上35%以下であることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記化粧シートは、表面に表面塗膜層を有し、該表面塗膜層が、該表面塗膜層の直下のオレフィン系樹脂層よりも硬質であることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
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