JPH11147292A - 積層シート及びそれを用いた化粧シート - Google Patents

積層シート及びそれを用いた化粧シート

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JPH11147292A
JPH11147292A JP33234897A JP33234897A JPH11147292A JP H11147292 A JPH11147292 A JP H11147292A JP 33234897 A JP33234897 A JP 33234897A JP 33234897 A JP33234897 A JP 33234897A JP H11147292 A JPH11147292 A JP H11147292A
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layer
sheet
decorative sheet
laminated
ultraviolet absorber
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JP33234897A
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Kazuhiko Shimizu
和彦 清水
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン系樹脂を用いた化粧シート
は、紫外線による劣化防止のために紫外線吸収剤を添加
した表面保護層を設けているが、エンボス加工時に化粧
シートが高温に加熱されると、化粧シート表面に紫外線
吸収剤がブリードアウトしてエンボス版を汚染し、品質
が低下したり、作業能率が低下する。 【解決手段】 化粧シートの表面保護層として、透明な
ポリオレフィン系樹脂に、ラジカル捕捉剤を添加した表
面層11と、ラジカル捕捉剤及び紫外線吸収剤の両方を添
加した中間層12からなる2層の積層シート1 を作製し、
該積層シート1 と絵柄印刷層14を形成した基材シート15
をドライラミネーション法等により接着剤層13を介して
積層して、化粧シート3 を作製する。化粧シート3 はエ
ンボス加工の際、高温に加熱されても紫外線吸収剤は表
面へブリードアウトされない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック、
紙、木材、金属板、無機系素材等あらゆる基材の表面に
貼り合わせて意匠性を付与するために使用する化粧シー
ト、及びその化粧シートの表面保護層に用いる透明な積
層シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物の壁、天井等の内装、家
具、キャビネット等の表面装飾材として用いられる化粧
シートは、その基材シートにポリ塩化ビニルシートが多
く使用されている。例えば、ポリ塩化ビニルシートに木
目模様等を印刷し、これに透明なポリ塩化ビニルシート
を積層したものや、更に、透明なポリ塩化ビニルシート
にエンボス加工を施したものがある。また、ポリ塩化ビ
ニルシートに代わるものとして、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン系樹脂シートを使用した化
粧シートが提案されている(特開昭54ー62255号
公報参照)。更に、前記ポリオレフィン系樹脂シートの
改良仕様として、極性官能基をグラフト重合させたポリ
オレフィン系樹脂に、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーを混合させたもの(特開平6ー21080号公報、特
開平4ー504384号公報)、或いは、ポリオレフィ
ン系樹脂に相溶化剤を用いてポリウレタン樹脂を混合さ
せたもの(特開平7ー26038号公報)、等も提案さ
れている。
【0003】また、ポリオレフィン系樹脂シートを使用
した化粧シートは、紫外線により絵柄印刷層が変色した
り、経時的にポリオレフィン系樹脂シートが劣化し、基
材シート又は被着体との接着強度が低下して剥離が生じ
たり、曲げ加工等の後加工適性に問題が発生することが
ある。そのため、紫外線吸収剤を添加した透明なトップ
コート層を形成して、紫外線による印刷層等の劣化を防
止しているものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリオレフィ
ン系樹脂シートを用いた化粧シートに透明なトップコー
ト層を形成し、そのトップコート層に単に通常の紫外線
吸収剤を添加したた場合、エンボス加工等のように化粧
シートが高温に加熱されると、化粧シート表面から紫外
線吸収剤がブリードアウトしてエンボス版を汚染し、化
粧シートの表面の艶が低下したり、耐候性が低下したり
する問題がある。また、紫外線吸収剤のブリードアウト
を防止するために、紫外線吸収剤として反応性のものを
使用したり、側鎖に紫外線吸収剤を付けた樹脂を使用し
たりする方法もある。しかし、これらの紫外線吸収剤を
使用する場合、エンボス版の汚染については改良効果が
認められるが、使用できる紫外線吸収剤が制限されると
共に、エンボス版の汚染防止は未だ完全ではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、化粧シートの表面に保護層を形成し、その保護層の
構成を以下のような2層又は3層の透明な積層シートと
した。即ち、表面保護層をラジカル捕捉剤を含有する透
明なオレフィン系樹脂層とラジカル捕捉剤及び紫外線吸
収剤の両方を含有する透明なオレフィン系樹脂層からな
ることを特徴とする2層の積層シートにした。また、表
面保護層をラジカル捕捉剤及び紫外線吸収剤の両方を含
有する透明なオレフィン系樹脂層の両面にラジカル捕捉
剤を含有する透明なオレフィン系樹脂層を積層したこと
を特徴とする3層の積層シートにした。更に、前記透明
なポリオレフィン系樹脂層がポリプロピレン系樹脂であ
ることを特徴とする積層シートとした。
【0006】そして、上記透明な積層シートを用いて化
粧シートを作製し、その化粧シートの構成を以下のよう
にした。即ち、絵柄印刷層を形成した基材シートの上
に、前記積層シートのラジカル捕捉剤を含有する透明な
オレフィン系樹脂層が表面になるように積層したことを
特徴とする化粧シートとした。また、前記化粧シート
が、ドライラミネーション法、多層共押し出しラミネー
ション法、又はその他の接着剤を用いたラミネーション
法により積層したことを特徴とする化粧シートとした。
更に、前記2層の積層シートのラジカル捕捉剤及び紫外
線吸収剤の両方を含有する透明なオレフィン系樹脂層
側、又は前記3層の積層シートの片側に絵柄印刷層を形
成したことを特徴とする化粧シートとした。そして、前
記ラジカル捕捉剤がヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤
であることを特徴とする化粧シートとした。
【0007】以上のように、本発明は、ポリオレフィン
系樹脂シートを用いた化粧シートの表面に、表面保護層
として透明な積層シートを積層し、その積層シートを2
層又は3層にして紫外線吸収剤のブリードアウトを防止
し、エンボス加工におけるエンボス版の汚染を防止した
ものである。即ち、その積層シートの第1層の表面層に
は、ブリードし易い紫外線吸収剤は添加せず、ラジカル
捕捉剤だけを添加して、表面層の紫外線による劣化を防
止し、第2層の中間層にはラジカル捕捉剤及び紫外線吸
収剤の両方を添加して、その下に貼り合わせる印刷シー
トを紫外線から保護するようにしたものである。また、
表面保護層として、ラジカル捕捉剤及び紫外線吸収剤の
両方を添加した中間層の両面に、紫外線吸収剤は添加せ
ず、ラジカル捕捉剤だけを添加した層を形成して3層の
積層シートとすることもある。
【0008】上記のように、ブリードし易い紫外線吸収
剤は中間層に添加し、その外側に紫外線吸収剤は添加せ
ず、ラジカル捕捉剤だけを添加した層を形成して、表面
保護層を2層構造にすることにより、これを用いた化粧
シートがエンボス加工により加熱された場合でも、ブリ
ードし易い紫外線吸収剤はその外側に存在する表面層に
より表面へのブリードが抑制されるので、表面へのブリ
ードアウトには時間的な制限を受けることになる。その
ため、エンボス加工の際に化粧シートが加熱されても、
紫外線吸収剤が表面へブリードアウトする前に、エンボ
ス加工が終了し、化粧シートが冷却されれば、紫外線吸
収剤が表面へブリードアウトしなくなる。
【0009】上記積層シートを用いて化粧シートを作製
するには、基材シートの片面に印刷により木目柄等の絵
柄層を形成し、その絵柄層の上に、上記積層シートのラ
ジカル捕捉剤だけを添加した層を外側にして接着剤を介
して貼り合わせて方法が使用される。また、積層シート
がラジカル捕捉剤及び紫外線吸収剤の両方を添加した中
間層の両面に、ラジカル捕捉剤だけを添加した樹脂層を
設けた3層の積層シート場合は、その積層シートの片側
に、接着剤を介して絵柄層を印刷した基材シートを貼り
合わせて化粧シートを作製する。上記のように作製した
化粧シートは、エンボス版を用いて表面にエンボス加工
を施しても、エンボス版の表面を汚染することがないの
で、作業能率が向上し、安定したエンボス化粧シートを
作製することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照にしながら本
発明を詳細に説明する。図1は化粧シートの表面保護層
として用いる本発明の積層シートの一例で、2層構成の
模式断面図である。図2は本発明の積層シートの別の態
様で、3層構成の模式断面図である。図3は本発明の積
層シートを印刷した基材シートに貼り合わせて作製した
化粧シートの模式断面図である。図4及び図5は本発明
の積層シートに直接絵柄印刷層を設けて化粧シートとし
たときの模式断面図である。図6は本発明の化粧シート
の表面にエンボス模様を形成したときのの模式断面図で
ある。図7は本発明の積層シートを用いて化粧シートを
作製するときの説明図である。図8は実施例2により化
粧シートを作製するときの説明図であり、図9は実施例
3により化粧シートを作製するときの説明図であり、図
10は実施例4により化粧シートを作製するときの説明
図である。図11は比較例により化粧シートを作製する
ときの説明図である。
【0011】本発明の化粧シートの表面保護層として用
いる積層シートは、図1に示すように、基本的には、ラ
ジカル捕捉剤を添加したポリオレフィン樹脂からなる表
面層11とラジカル捕捉剤及び紫外線吸収剤の両方を添
加したポリオレフィン系樹脂からなる中間層12の2層
から構成される積層シート1である。(以下この積層シ
ートを2層の積層シート1とする) また、積層シートの別の態様として、図2に示すよう
に、ラジカル捕捉剤及び紫外線吸収剤の両方を添加した
ポリオレフィン系樹脂からなる中間層12の両面に、ラ
ジカル捕捉剤を添加したポリオレフィン系樹脂からなる
表面層11を積層して3層構成の積層シート2としたも
のである。(以下この積層シートを3層の積層シート2
とする)更に、本発明の化粧シートは、図3に示すよう
に、上記2層の積層シート1を絵柄印刷層14を形成し
た基材シート15に、接着剤層13を介して貼り合わせ
て表面保護層を形成して化粧シート3としたものであ
る。
【0012】即ち、本発明の化粧シートは、図3に示す
ように、ラジカル捕捉剤を添加したポリオレフィン樹脂
からなる表面層11とラジカル捕捉剤及び紫外線吸収剤
の両方を添加したポリオレフィン樹脂からなる中間層1
2の2層からなる積層シート1が、絵柄印刷層14を形
成した基材シート15の表面保護層を形成している。そ
のため、エンボス加工時やジャケットローラー等により
化粧シート3が高温に加熱された場合でも、中間層12
に添加された紫外線吸収剤は加熱によりポリオレフィン
系樹脂内を移動し易くなるが、表面層11によって移動
が阻害されて表面へのブリードアウトには時間的な制限
を受けることになる。即ち、紫外線吸収剤が表面へブリ
ードアウトする前に、エンボス加工が終了して化粧シー
ト表面が冷却されれば、中間層12の紫外線吸収剤は化
粧シート表面にブリードアウトすることができなくな
る。従って、化粧シートの表面保護層を2層構造にする
ことにより、紫外線吸収剤のブリードアウトによるエン
ボス版の汚染がなくなり、安定した品質の製品を得るこ
とができるので、生産能率が向上し、製品のコストダウ
ンを図ることができる。
【0013】また、表面保護層を2層構造にすることに
より、中間層12に添加された紫外線吸収剤及びラジカ
ル捕捉剤は、エンボス加工時の加熱によってもロスが少
なくなり、紫外線吸収剤及びラジカル捕捉剤としての性
能が維持されるので、化粧シートを建築物の壁、天井等
の内装、家具、キャビネット等の表面装飾材として用い
たとき、長期間に渡って紫外線による印刷層の変色を防
止することができると共に、ポリオレフィン系樹脂から
なる基材シートの経時的な劣化を防止することができ
る。
【0014】本発明の化粧シートは、上記の他に、図4
に示すように、上記2層構成の積層シート1の中間層1
2側に直接絵柄印刷層14を形成して化粧シート3とす
ることもできる。また、図5に示すように、上記3層の
積層シート2の一方の表面層11に、絵柄印刷層14を
形成して化粧シート3とすることもできる。更に、図6
に示すように、上記化粧シート3に、エンボス模様16
を形成して、エンボス化粧シート4とすることもある。
【0015】以上のように、上記積層シートを用いて化
粧シートを作製する際に、印刷した基材シートの上に積
層シートを貼り合わせて保護層を形成する場合は、積層
シートを2層構成にして3層構成にする必要はないが、
積層シートに直接絵柄印刷層を形成して化粧シートとす
る場合は、3層構成にした方が、印刷層の接着性や耐候
性の点で優れている。
【0016】以下に、本発明の化粧シートの製造方法に
ついて説明する。先ず、ラジカル捕捉剤を添加したポリ
オレフィン系樹脂とラジカル捕捉剤及び紫外線吸収剤の
両方を添加したポリオレフィン系樹脂をTダイ共押し出
し法により2層に押し出して、図7(a)に示すよう
に、表面層11と中間層12からなる2層の積層シート
1を作製する。この2層の積層シート1は、ラジカル捕
捉剤を添加したポリオレフィン系樹脂層を表面層11に
し、ラジカル捕捉剤及び紫外線吸収剤の両方を添加した
ポリオレフィン系樹脂層を中間層12とする。上記2層
の積層シートは、多層のインフレーション法によっても
作製することができる。
【0017】一方、上記積層シートとは別に、図7
(b)に示すように、ポリオレフィン系樹脂からなる基
材シート15に、プライマー層16を形成後、グラビア
印刷等により木目柄等の絵柄印刷層14を形成して印刷
基材シート5を作製する。更に、その絵柄印刷層14の
上に、前記積層シートとの接着性を向上させるために、
プライマー層16を形成する。
【0018】次に、図7(c)に示すように、前記絵柄
印刷層14を形成した印刷基材シート5の絵柄印刷層1
4側と、前記2層の積層シート1の中間層12側を、ド
ライラミネーション法等により接着剤13を介して貼り
合わせて化粧シート3を作製する。前記絵柄印刷層14
を設けた印刷基材シート5と2層の積層シート1を積層
する方法としては、上記ドライラミネーション法の他
に、印刷基材シート5に、多層共押し出しラミネーショ
ン法によりラジカル捕捉剤を添加したポリオレフィン系
樹脂と、ラジカル捕捉剤及び紫外線吸収剤の両方を添加
したポリオレフィン系樹脂を2層に共押し出してラミネ
ートする方法がある。また、ウエットラミネーション法
などその他の接着剤を使用して、印刷基材シート5と2
層の積層シート1を積層する方法もある。
【0019】更に、上記化粧シート3は、図7(d)に
示すように、表面にエンボス模様17を形成し、その上
にオーバープリント層(以下OP層とする)を設けてエ
ンボス化粧シート4とする。エンボス模様は、公知の方
法によりエンボス版を用いて形成する。エンボス加工の
際、化粧シート3は加熱されて中間層に添加されている
紫外線吸収剤はブリードし易くなるが、上記構成の化粧
シートは、前述したように、表面に紫外線吸収剤を含有
しない表面層11が形成されているため、紫外線吸収剤
は表面にブリードアウトすることができない。そのた
め、エンボス加工中に、エンボス版が汚染されることが
ないので、製品の品質が安定すると共に、生産能率が向
上する。
【0020】本発明に用いられるラジカル捕捉剤として
は、一般にHALSと呼ばれているヒンダードアミン系
化合物が使用される。ヒンダードアミン系化合物は紫外
線吸収剤に比較して表面劣化防止効果が大きく、且つ着
色も少ないことからポリオレフィン系樹脂には好適であ
る。ヒンダードアミン系化合物の安定機構については、
ラジカル捕捉説が一般的に受入れられているが、それだ
けでは説明のできない場合もあり、ヒドロペルオキシド
とのコンプレックスの生成、酸素(O2 )の消光機構も
提案されている。ヒンダードアミン系化合物の具体的な
例としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)セバケート、ビス−(N−メチル−
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバ
ケート、〔コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエ
チル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン〕重縮合物、ポリ{〔6−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)イミノ〕−1,3,5−トリ
アジン−2,4−ジイル〔(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン
〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノール〕}等が挙げられる。ヒンダードアミン系ラ
ジカル捕捉剤の添加量としては、ポリオレフィン系樹脂
に対して0.5〜5.0重量%程度が効果的である。添
加量が0.5重量%未満では、紫外線に対する防止効果
が十分でなく、また、添加量が5.0重量%超では、添
加量をこれ以上にしても効果があまり向上しない。
【0021】本発明に用いられる紫外線吸収剤として
は、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリシ
ラート系、アクリルニトリル系、金属錯塩等の公知の紫
外線吸収剤が挙げられる。紫外線吸収剤は波長280〜
380μmの範囲の紫外線を吸収して、分子内で無害な
熱エネルギーへと変換し、高分子中の光劣化開始の活性
種が励起されるのを防ぐものである。紫外線吸収剤の添
加量としては、ポリオレフィン系樹脂に対して0.1〜
5重量%程度が効果的である。紫外線吸収剤の添加量が
0.1重量%未満では、紫外線に対する防止効果が十分
でない。
【0022】本発明に用いられる透明なポリオレフィン
系樹脂としては、ポリエチレン、エチレン・プロピレン
共重合体、エチレン・ブテンー1共重合体、ポリプロピ
レン、プロピレン・ブテンー1共重合体、ポリブテン一
1、ブテンー1・プロピレン・エチレン・3元共重合
体、ブテンー1・ヘキセンー1・オクテンー1・3元共
重合体、ポリメチルペンテン等の樹脂単独又は2種以上
混合したものが挙げられる。
【0023】また、柔軟性、加工性を向上させる目的
で、上記樹脂にエラストマー成分を併用して用いること
ができる。エラストマー成分としては、ポリオレフィン
系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラスト
マー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどの熱可
塑性エラストマーが挙げられる。尚、この内、ポリオレ
フィン系熱可塑性エラストマーは、単独でも透明なポリ
オレフィン系熱可塑性樹脂として使用できる。
【0024】エラストマーとしては各種ゴム類が挙げら
れ、ゴム類としては、ジエン系ゴム、水素添加ジエンゴ
ム、オレフィン系共重合体ゴム等であるが、中でも水素
添加ジエン系ゴムが好ましい。水素添加ジエン系ゴム
は、ジエン系ゴム分子の二重結合の少なくとも一部分に
水素原子を付加させてなるもので、ポリオレフィン系樹
脂の結晶化を抑え、柔軟性、透明性をアップさせる役割
がある。また、一般にポリオレフィン系樹脂にジエン系
ゴムを添加するとジエン系ゴムの二重結合の為、耐候
性、耐熱性はジエン系ゴム無添加のポリオレフィン系樹
脂より低下するが、本発明では、ジエン系ゴムの二重結
合を水素で飽和させる為、ポリオレフィン系樹脂の耐候
性、耐熱性の低下も無く良好なものとなる。
【0025】ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、
ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブタジエン
ゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニ
トリル・イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム等
がある。オレフィン系共重合体ゴムは2種類又は3種類
以上のオレフィンと共重合しうるポリエンを少なくとも
1種加えた弾性共重合体であり、オレフィンとしては、
エチレン、プロピレン、α−オレフィン等が使用され、
ポリエンとしては、1,4ヘキサジエン、環状ジエン、
ノルボルナンなどが使用される。好ましいオレフィン系
共重合体ゴムとしては、例えばエチレンープロピレン共
重合体ゴム、エチレンープロピレン非共役ジエンゴム、
エチレンーブタジエン共重合体ゴム等のオレフィンを主
成分とする弾性共重合体が挙げられる。本発明の目的か
らは特にスチレン・ブタジエンゴムが好ましい。
【0026】ゴム類の添加量としては、ポリオレフィン
樹脂100重量部に対し、1〜90重量部程度とする。
1重量部未満だと、ゴム添加による弾性、伸び率、耐衝
撃性が不足し、Vカット加工、絞り加工等の折り曲げ加
工時に亀裂、割れを生じ易くなる。又、90重量部以上
だと、弾性、及び伸び率が大きくなりすぎ、印刷時の検
討合わせが不良になり好ましくない。 厚さは50〜5
00μm程度、より好ましくは50〜200μm、延
伸、未延伸シートのいづれも使用可であるが、Vカット
加工等の成形適性上は、未延伸シートの方が良好であ
る。
【0027】ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレ
ン(以下PPとする)を使用する場合は、アイソタクチ
ックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンとの
混合系からなる、複合立体構造を有する無色又は着色透
明な軟質ポリプロピレン系樹脂が好ましい。上記複合立
体構造を有する軟質ポリプロピレン樹脂からなる2層又
は3層の積層シートは、化粧シートとして要求される性
能、すなわち、耐クリープ変形性、耐有機溶剤性、
破断時伸度、耐衝撃強度、適度な曲げ弾性率、
良好な透明性、エンボス加工等にともなう加熱と冷却
が加わっても、再結晶による白化、濁りを生じない、
耐候性、等を満足するものが得られる。
【0028】この軟質ポリプロピレン系樹脂としては、
(A)アタクチックポリプロピレンが10〜90重量%
と、(B)アイソタクチックポリプロピレンが90〜1
0重量%とからなる軟質ポリプロピレンが使用される。
(A)成分のアタクチックポリプロピレンとしては、
(イ)マグネシウム、チタン、ハロゲン原子及び電子供
与体を必須成分として含有する固体触媒成分、(ロ)有
機アルミニウム化合物、及び(ハ)一般式〔化1〕
【化1】 (式中のR1 は炭素数l〜20のアルキル基、R2 は炭
素数1〜10の炭化水素基、水酸基又はニトロソ基、m
は1〜6の整数、nは0又は1〜(6−m)の整数であ
る)で表されるアルコキシ基含有芳香族化合物、の組み
合わせからなる触媒の存在下でプロピレンを重合させる
ことにより得られる、数平均分子量(Mn)が25,0
00以上で、且つ重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn)が7以下の沸騰ヘプタ
ン可溶性ポリプロピレンが用いられる。また、(B)成
分のアイソタクチックポリプロピレンとしては、メルト
インデックスが0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不
溶性ポリプロピレンが用いられる。
【0029】上記軟質ポリプロピレン樹脂は、破断伸び
(Tb )が400%以上、好ましくは500〜700
%、100%伸長後の残留伸び(PS1oo )が80%以
下、好ましくは50〜75%、及び破断時応力(MB
と降伏時応力(MY )との比(MB /MY )が1.0以
上、好ましくはl.5〜3.5の範囲にあることが望ま
しい。
【0030】上記軟質ポリプロピレン樹脂においては、
(A)成分のアタクチックポリプロピレンとして、沸騰
ヘプタンに可溶性であって、数平均分子量(Mn)が
2,5000以上、好ましくは30,000〜60,0
00の範囲にあり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が7以下、好ま
しくは2〜6の範囲にあるものが用いられる。このMn
が25,000未満のものやMw/Mn比が7を超える
ものでは、得られる樹脂における該アタクチックポリプ
ロピレンの力学特性への寄与効果が十分に発揮されず、
得られる樹脂の破断時応力(MB )と降伏時応力
(MY )との比が1.0未満になったり、100%伸長
後の残留伸び(PS100 )が80%を超えたりして、望
ましくない。
【0031】上記(A)成分のアタクチックポリプロピ
レンはプロピレンの単独重合体であってもよいし、プロ
ピレン単位と40重量%以下、好ましくは30重量%以
下の他の炭素数2〜30のα−オレフィン単位とを含有
するプロピレン共重合体であってもよい。また、このア
タクチックポリプロピレンは1種用いてもよいし、2種
以上組み合わせて用いてもよい。このような(A)成分
のアタクチックポリプロピレンは公知の方法(特公平6
−23278号公報等)によって製造することができ
る。
【0032】上記軟質ポリプロピレン樹脂においては、
(B)成分として、メルトインデックス(MI)が0.
1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性の結晶性アイソ
タクチックポリプロピレンが用いられる。このメルトイ
ンデックスが0.1g/10分未満では溶融特性が低
く、シート成形が困難になるし、4g/10分を超える
と機械的強度が不充分となってVカット加工が良好に行
えなくなる虞れがある。上記(B)成分のアイソタクチ
ックポリプロピレンは、アイソタクチックの立体規則性
を有するプロピレン単独重合体であってもよいし、該立
体規則性を有するプロピレンと他のα−オレフィンとの
共重合体であってもよい。このα−オレフィンとしては
炭素数2〜8のもの、例えばエチレン、ブテン−1ペン
テン−1、へプテン−1、オクテン−1などが好まし
く、中でもエチレン及びブテン−1が好適である。また
該共重合体としては、前記のα−オレフィン単位を通常
40重量%以下、好ましくは30重量%以下含有するブ
ロック共重合体やランダム共重合体が用いられる。
【0033】この(B)成分のアイソタクチックポリプ
ロピレンの好ましいものとしては、プロピレン単独重合
体、及びエチレン単位1〜30重量%、好ましくは3〜
25重量%を含有するプロピレンとエチレンとのランダ
ム共重合体又はブロック共重合体が挙げられる。このよ
うなアイソタクチックポリプロピレンの製造は従来の結
晶性ポリプロピレンの製造と同様に行うことができる。
上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物においては、この
(B)成分のアイソタクチックポリプロピレンは1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。また、
前記(A)成分のアタクチックポリプロピレンと(B)
成分のアイソタクチックポリプロピレンは、(A)成分
の含有量が10〜90重量%、好ましくは25〜80重
量%で、(B)成分の含有量が90〜l0重量%、好ま
しくは75〜20重量%になるような割合で用いられ
る。
【0034】該(A)成分の含有量が10重量%未満で
は、樹脂の降伏時応力(MY )が大きくなりすぎて、破
断時応力(MB )と降伏時応力(MY )との比MB /M
Y 比が1.0未満となり、かつ100%伸長後の残留伸
び(PS100 )も80%より大きくなってしまう。一方
含有量が90重量%を超えると破断時応力(MB )が小
さくなりすぎて、該MB /MY 比が1.0未満となり、
かつ機械的強度が低下する虞れがある。また、(B)成
分の比率を高くすることにより、得られる軟質ポリプロ
ピレンのヤング率は高くなる。(A)成分と(B)成分
の特に好ましい比率は1:1である。
【0035】ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレ
ン(PP)を使用する場合は、PPは不安定な樹脂であ
るため酸化防止剤の添加は必須であり、フェノール系で
は、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノール)、Irganox1010(テトラキス−〔メ
チレン3−3(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオナート〕メタン)が主に使用
される。また、硫黄系では、DLTDP(ジラウリル−
3−3′−チオジプロピオナート)、DMTDP(ジミ
リスチル−3−3′−チオジプロピオナート)、リン系
ではTNP(トリスノニルフェニルホスファイト)、P
−EPQ(テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)−4,4′−ビフェニレンホスホナイト)、耐熱性
が要求される場合はペンタエリスリトールタイプが使用
される。
【0036】酸化防止剤の添加量は、使用される酸化防
止剤の種類、樹脂の種類等によって異なり、使用に際し
て適宜選定される。例えば、樹脂としてPPを使用し、
酸化防止剤としてBHTを使用する場合はその添加量は
0.01〜0.5重量%、Irganox1010を使
用する場合は0.01〜0.5重量%添加される。ま
た、樹脂として高密度ポリエチレン(以下HDPEとす
る)を使用する場合は、BHTでは0.01〜0.5重
量%、Irganox1010では0.01〜0.5重
量%添加される。
【0037】本発明に用いられる基材シートとしては、
高密度ポリエチレン樹脂に熱可塑性エラストマ一、着色
剤、及び無機充填剤を添加してシート化したものが好適
である。基材シートとしては、化粧シートとして要求さ
れる下記の性能を満足する必要がある。即ち、ポリ塩
化ビニル並みの熱成形性、耐クリープ変形性、耐寒
折り曲げ強度、耐有機溶剤性、破断時伸度、耐衝
撃強度、適度な曲げ弾性率を持つ、易接着性、等を
満足する性能が必要である。
【0038】上記高密度ポリエチレン樹脂としては、比
重が0.94〜0.96のポリエチレンであって、低圧
法で得られる結晶化度が高く分子に枝別れ構造の少ない
高分子を用いるのがより好ましい。また、上記熱可塑性
エラストマーとしては、ジエン系ゴム、水素添加ジエン
ゴム、オレフィン系共重合体ゴム等が挙げられる。熱可
塑性エラストマーの添加量としては基材シート中に10
〜60重量%、好ましくは30重量%程度である。10
重量%より少ないと、一定荷重時伸度の変化が急峻にな
り過ぎ、また、破断時伸度、耐衝撃性の低下が生じ、6
0%より多いと透明性、耐侯性及び耐クリープ性の低下
が生じる。上記無機充填剤は、基材シート中に5〜60
重量%程度、好ましくは30重量%程度添加される。添
加量が5重量%より少ないと耐クリープ変形性及び易接
着性の低下が生じ、60%より多いと破断時伸度及び耐
衝撃性の低下が生じる。
【0039】基材シートと積層シート(ラジカル捕捉剤
を添加したポリオレフィン樹脂層とラジカル捕捉剤及び
紫外線吸収剤の両方を添加したポリオレフィン樹脂層を
積層したシート)の貼り合わせを、ドライラミネーショ
ン法で行う場合、2液硬化型ウレタン樹脂からなる接着
剤が用いられる。また、基材シートと積層シートをドラ
イラミネーション法以外の方法で積層する場合、その接
着剤として以下のような接着剤が用いられる。例えば、
反応性ホットメルト接着剤、紫外線硬化型接着剤、電子
線硬化型接着剤等が挙げられる。
【0040】本発明の基材シートとしてポリオレフィン
系樹脂シートを用いる場合、その基材シートの表面に
は、印刷インキや積層シートとの接着性を向上させるた
めに、コロナ放電処理、プラズマ処理、易接着層の形成
等の易接着性処理が施される。易接着層(プライマー層
或いはアンカー層ともいう)としては、アクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体
系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化
ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の樹脂を溶媒に
溶解した塗工液が使用されるが、特にポリウレタン樹脂
が望ましい。上記樹脂を溶媒に溶解した塗工液を、公知
の方法で塗布、乾燥して易接着層とすることにより、ポ
リオレフィン系樹脂の基材シートと印刷層や積層シート
との接着力を強力なものにできる。
【0041】基材シートに設ける絵柄印刷層としては、
グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印
刷、転写シートからの転写印刷等公知の印刷法を用いイ
ンキ(或いは塗料)にて模様を形成する。模様として
は、木目模様、石目模様、皮絞模様、幾何学図形、文
字、記号、或いは前面べ夕等がある。模様はシートの表
面、裏面、表裏両面或いは層間に設ける。また、前記積
層シートに直接絵柄印刷層を形成する場合も同様に行う
こおとができる。
【0042】インキとしては、バインダーとして、塩素
化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリ
オレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、
酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、セルロ
ース系樹脂、等を用い、一種又は二種以上混合した用い
る。これに公知の顔料を添加したものを用いる。ポリオ
レフィン系樹脂シートに直接印刷する場合は、バインダ
ーとして塩素化ポリオレフィン、ポリウレタン等は接着
性の点で好ましいが、前述のように、易接着性プライマ
ーを適当に選択して層形成すれば、この他のバインダー
を用いても十分な接着性を得ることができる。
【0043】基材シートには、装飾層としてアルミニウ
ム、クロム等の金属を真空蒸着して金属の薄膜層を形成
することもできる。しかる金属薄膜層は基材シートの前
面に形成してもよく、また、模様が得られるようにパタ
ーン状に形成してもよい。パターン状に形成するには金
属層が不要部分には水溶性インキにより除去層を所望の
パターンで設けた上から全面に金属を蒸着させ、しかる
後水洗いして上記除去層とともにその直上の金属層を除
去する等の公知の方法が用いられる。また、基材シート
の装飾処理として、基材シートへの着色剤の練込みによ
る着色、絵柄や金属層からなる模様形成、エンボス加工
(加熱プレス)、ヘアライン加工等による凹凸模様形成
等がある。
【0044】着色剤は、基材シートに化粧シートとして
必要な色彩を持たせるためのものであり、有機系又は無
機系の着色顔料や染料が用いられる。着色剤としては、
チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、
チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインド
リノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネン
トレッド4R、フタロシアニンブルー等の有機顔料或い
は染料、アルミニウム、真鍮等の金属顔料、二酸化チタ
ン被覆雲母、塩基性炭酸亜鉛等の箔粉からなる真珠光沢
顔料等が用いられる。着色は透明着色、不透明(隠蔽)
着色いずれでも可能であるが、一般的には、被着体を隠
蔽するために不透明着色が好ましい。
【0045】本発明の化粧シートは、各種被着体に積層
し、所定の成形加工等を施して、各種用途に用いること
ができる。例えば、壁、天井、床等の建築物の内装、窓
枠、扉、手すり等の建具の表面化粧、家具又は弱電・O
A機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電車等の車
両の内装、航空機の内装、窓硝子の化粧等に利用でき
る。そのために、化粧シートが直接素材等に接着できな
い場合は、適当な易接着層又は接着剤層を介して被着体
に接着する。しかし、化粧シートが熱融着等で被着体に
接着可能な場合は、易接着層又は接着剤層は省略しても
よい。
【0046】被着体としては各種素材の平板、曲面板等
の板材、シート(或いはフィルム)、或いは各種立体形
状物品(成形品)が対象となる。例えば、射出成形品等
の曲面を有する成形品に対しても、本発明の化粧シート
を接着することができる。
【0047】被着体として、板材或いはシート(フィル
ム)のいずれにも用いられる素材としては、木材単板、
木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MD
F)等の木材板、木質繊維板等の水質板、鉄、アルミニ
ウム等の金属、アクリル、ポリカーボネート、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアセテート、ポ
リエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ABS、
フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、セルロース系樹脂、
ゴム等の樹脂が挙げられる。
【0048】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細
に説明する。 (実施例1)透明ポリオレフィン系樹脂として、出光石
油化学(株)製「E−2900」を用い、これに、光安
定剤として、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(チバ
ガイギー社製「HALS3050」)を0.8重量%添
加して表面層用樹脂とし、また、出光石油化学(株)製
「E−2900」に、「HALS3050」を0.4重
量%とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(旭電化工業
(株)製「アデカスタブLA−36」)を0.4重量%
添加して中間層用樹脂として、この両方の樹脂を用い
て、Tダイ法の2層共押し出しにより製膜し、図7
(a)に示すように、表面層20μ/中間層60μの2
層構成の積層シート1を作製した。更に、この2層の積
層シート1の両面には、公知の方法によりコロナ処理を
施した。
【0049】他方、基材シート15として、コロナ処理
した厚さ100μのポリオレフィン系樹脂のシート(タ
ツノ化学(株)製「タフパー」)のコロナ処理面に、図
7(b)に示すように、54線/インチ、版深40μの
グラビア版を用いて、(株)昭和インク工業所製「AF
Sメジューム(マット1)」をコーティングしてプライ
マー層16を形成後、(株)昭和インク工業所製「EC
O」を用いてグラビア印刷して木目柄印刷層14を形成
して印刷基材シート5を作製した。更に、その木目柄印
刷層14の上に、(株)昭和インク工業所製「L−1プ
ライマー」を70線/インチ、版深40μのグラビア版
を用いて、コーティングしてプライマー層16を形成し
た。
【0050】次に、前記2層の積層シート1と絵柄印刷
層を設けた印刷基材シート5を2液硬化型の接着剤(大
日精化工業(株)製「E−295L」)を用いて、ドラ
イラミネーション法により積層して、図7(c)に示す
ような化粧シート3を作製した。次いで、図7(d)に
示すように、化粧シート3の表面層11側からエンボス
版を用いてエンボス模様17を形成し、その上に、
(株)昭和インク工業所製「OP−A4」をコーティン
グしてOP層18を形成してエンボス化粧シート4を得
た。上記化粧シートはエンボス加工において、エンボス
版やジャケットロールへの紫外線吸収剤の付着がなく、
品質の安定したエンボス化粧シートを得ることができ
た。
【0051】(実施例2)シート基材として、高密度ポ
リエチレンをベースにして、これに熱可塑性エラストマ
ーとしてスチレン・ブタジエンゴムを30重量%、無機
充填剤として炭酸カルシウム10重量%、着色顔料とし
て弁柄とカーボンブラックを5重量%、を添加したブレ
ンド物をカレンダー製膜法によって製膜し、厚さ100
μmの不透明な着色ポリオレフィン系樹脂シート(以下
着色POシートとする)を得た。前記着色POシート
(基材シート)15aの表面に、図8(a)に示すよう
に、ウレタン系2液硬化型プライマー液((株)昭和イ
ンク工業所製)を塗布してプライマー層16を形成後、
その上に、塩化ビニル・酢酸ビニル系インキ((株)昭
和インク工業所製) を用いて、柾目柄をグラビア印刷し
て絵柄印刷層14を設けて印刷基材シート5を作製し
た。
【0052】次に、実施例1で用いた表面層用樹脂と中
間層用樹脂を使用して、Tダイの2層共押し出し法によ
り、前記印刷基材シート5の絵柄印刷層14面にエクス
トルージョンコーティングして、図8(b)に示すよう
に、化粧シート3を作製した。次いで、実施例1と同様
に、この化粧シート3にエンボス模様17及びOP層1
8を形成して図8(c)に示すように、エンボス化粧シ
ート4を得た。この場合も、実施例1と同様に、エンボ
ス版やジャケットロールへの紫外線吸収剤の付着がな
く、品質の安定したエンボス化粧シートが得られた。
【0053】(実施例3)実施例1と同様に、ヒンダー
ドアミン系ラジカル捕捉剤(チバガイギー社製「HAL
S3050」)0.8重量%添加した透明ポリオレフィ
ン系樹脂(出光石油化学(株)製「E−2900」)
と、「HALS3050」を0.4重量%及びベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤(旭電化工業(株)製「アデ
カスタブLA−36」)を0.4重量%添加した透明ポ
リオレフィン系樹脂(出光石油化学(株)製「E−29
00」)を用いて、Tダイの3層共押し出し法により製
膜し、図9(a)に示すように、表面層20μ/中間層
60μの/表面層20μの3層の積層シート2を作製し
た。
【0054】次に、前記3層の積層シート2の片面に、
図9(b)に示すように、ウレタン系2液硬化型プライ
マー液((株)昭和インク工業所製)を塗布してプライ
マー層16を形成後、その上に、塩化ビニル・酢酸ビニ
ル系インキ((株)昭和インク工業所製) を用いて、柾
目柄をグラビア印刷して絵柄印刷層14を設けて化粧シ
ート3を作製した。次いで、実施例1と同様に、この化
粧シート3の表面層11側にエンボス模様17とOP層
18を形成して、図9(c)に示すように、エンボス化
粧シート4を得た。この場合も、実施例1と同様に、エ
ンボス版やジャケットロールへの紫外線吸収剤の付着が
なく、品質の安定したエンボス化粧シートが得られた。
【0055】(実施例4)透明ポリオレフィン系樹脂と
して、住友化学工業(株)製ランダムポリプロピレンを
用い、これにヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(チバ
ガイギー社製「HALS3050」)を0.5重量%と
酸化防止剤(旭電化工業(株)製フェノール系抗酸化剤
「AO−60」)を0.3重量%添加して表面層用樹脂
とし、一方、出住友化学工業(株)製ランダムポリプロ
ピレンに、「HALS3050」を0.4重量%、ベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤(旭電化工業(株)製
「アデカスタブLA−36」)を0.4重量%、及び酸
化防止剤(旭電化工業(株)製フェノール系抗酸化剤
「AO−60」)を0.3重量%添加して中間層用樹脂
とし、この両方の樹脂を用いて、実施例1と同様に、T
ダイ法の2層共押し出しにより製膜し、図10(a)に
示すように、表面層20μ/中間層60μの2層のPP
積層シート1aを作製した。更に、この2層のPP積層
シート1aの両面には、公知の方法によりコロナ処理を
施した。
【0056】シート基材として、高密度ポリエチレンを
ベースにして、これに熱可塑性エラストマーとしてスチ
レン・ブタジエンゴムを30重量%、無機充填剤として
炭酸カルシウム10重量%、着色顔料として弁柄とカー
ボンブラックを5重量%、を添加したブレンド物をカレ
ンダー製膜法によって製膜し、厚さ100μmの不透明
な着色POシート15aを得た。前記着色POシート1
5aの表面に、図10(b)に示すように、ウレタン系
2液硬化型プライマー液((株)昭和インク工業所製)
を塗布してプライマー層16を形成後、その上に、塩化
ビニル・酢酸ビニル系インキ((株)昭和インク工業所
製) を用いて、柾目柄をグラビア印刷して絵柄印刷層1
4を設けた。更に、絵柄印刷層14の上に、前記と同様
にプライマー層16を形成した。
【0057】次に、前記着色POシート15aと前記2
層のPP積層シート1aを、実施例1と同様に、ドライ
ラミネーション法により積層して、図10(c)に示す
ように、化粧シート3を作製した。次いで、実施例1と
同様に、この化粧シート3の表面層11側にエンボス模
様17とOP層18を形成して、図10(d)に示すよ
うに、エンボス化粧シート4を得た。この場合も、実施
例1と同様に、エンボス版やジャケットロールへの紫外
線吸収剤の付着がなく、品質の安定したエンボス化粧シ
ートが得られた。
【0058】(比較例)実施例2と同様に、着色POシ
ート15aにグラビア印刷して、図11(a)に示すよ
うに、印刷基材シート5を作製した。次に、実施例1で
用いた透明なポリオレフィン系樹脂に、実施例1で用い
たヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤と紫外線吸収剤を
それぞれ0.4重量%添加し、この樹脂を用いて、Tダ
イ法により前記印刷基材シート5の印刷面にエクストル
ージョンコーティングして、図11(b)に示すよう
に、厚さ60μのヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤と
紫外線吸収剤を含有するポリオレフィン系樹脂からなる
単層のPO層12aを形成して化粧シート3を作製し
た。次いで、実施例1と同様に、この化粧シート3にエ
ンボス模様17を形成して図11(c)に示すように、
エンボス化粧シート4を得た。この場合は、紫外線吸収
剤がエンボス版やジャケットロールへ付着して、エンボ
ス工程中に、エンボス版やジャケットロールから紫外線
吸収剤を拭き取る作業が必要となり、生産効率が低下し
た。また、エンボス版やジャケットロールの汚染により
品質は安定しなかった。
【0059】
【発明の効果】本発明の化粧シートは、表面保護層とし
て、ラジカル捕捉剤を添加したポリオレフィン樹脂から
なる表面層とラジカル捕捉剤及び紫外線吸収剤の両方を
添加したポリオレフィン樹脂からなる中間層の2層から
なる積層シートが、絵柄印刷層を形成した基材シートに
接着剤層を介して積層されている。そのため、エンボス
加工時やジャケットローラー等により化粧シートが高温
に加熱された場合でも、中間層に添加された紫外線吸収
剤は、表面層によって移動が阻害されて表面へのブリー
ドアウトに時間的な制限を受けることになる。更に、紫
外線吸収剤が表面へブリードアウトする前に、エンボス
加工が終了して化粧シート表面が冷却されるので、中間
層の紫外線吸収剤は化粧シート表面にブリードアウトす
ることができなくなる。従って、紫外線吸収剤のブリー
ドアウトによるエンボス版の汚染がなくなり、安定した
品質の製品を得ることができるので、生産能率が向上
し、製品のコストダウンを図ることができる。また、表
面保護層を2層構造にすることにより、中間層に添加さ
れた紫外線吸収剤及びラジカル捕捉剤は、エンボス加工
時の加熱によってもロスが少なくなり、紫外線吸収剤及
びラジカル捕捉剤としての性能が長期間維持されるの
で、化粧シートを建築物の壁、天井等の内装、家具、キ
ャビネット等の表面装飾材として用いたとき、長期間に
渡って紫外線による印刷層の変色を防止することができ
ると共に、ポリオレフィン樹脂からなる基材シートの経
時的な劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化粧シートの表面保護層として用いる本発明の
積層シートの一例で、2層構成の模式断面図である。
【図2】本発明の積層シートの別の態様で、3層構成の
模式断面図である。
【図3】本発明の積層シートを印刷した基材シートに貼
り合わせて化粧シートを作製したときの模式断面図であ
る。
【図4】本発明の2層構成の積層シートに直接絵柄印刷
層を設けて化粧シートとしたときの模式断面図である。
【図5】本発明の3層構成の積層シートに直接絵柄印刷
層を設けて化粧シートとしたときの模式断面図である。
【図6】本発明の化粧シートの表面にエンボス模様を形
成したときのの模式断面図である。
【図7】本発明の積層シートを用いて化粧シートを作製
するときの説明図である。
【図8】実施例2により本発明の化粧シートを作製する
ときの説明図である。
【図9】実施例3により本発明の化粧シートを作製する
ときの説明図である。
【図10】実施例4により本発明の化粧シートを作製す
るときの説明図である。
【図11】比較例により化粧シートを作製するときの説
明図である。
【符号の説明】
1 2層の積層シート 1a 単層のPP積層シート 2 3層の積層シート 3 化粧シート 4 エンボス化粧シート 5 印刷基材シート 11 表面層 12 中間層 12a 単層のPOシート 13 接着剤層 14 絵柄印刷層 15 基材シート 15a 着色POシート 16 プライマー層 17 エンボス模様 18 OP層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル捕捉剤を含有する透明なオレフ
    ィン系樹脂層とラジカル捕捉剤及び紫外線吸収剤の両方
    を含有する透明なオレフィン系樹脂層からなることを特
    徴とする積層シート。
  2. 【請求項2】 ラジカル捕捉剤及び紫外線吸収剤の両方
    を含有する透明なオレフィン系樹脂層の両面にラジカル
    捕捉剤を含有する透明なオレフィン系樹脂層を積層した
    ことを特徴とする積層シート。
  3. 【請求項3】 前記透明なポリオレフィン系樹脂層がポ
    リプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1及
    び請求項2に記載の積層シート。
  4. 【請求項4】 絵柄印刷層を形成した基材シートの上
    に、前記積層シートのラジカル捕捉剤を含有する透明な
    オレフィン系樹脂層が表面になるように積層したことを
    特徴とする化粧シート。
  5. 【請求項5】 前記化粧シートが、ドライラミネーショ
    ン法、多層共押し出しラミネーション法、又はその他の
    接着剤を用いたラミネーション法により積層した化粧シ
    ートであることを特徴とする請求項4に記載の化粧シー
    ト。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の積層シートのラジカル
    捕捉剤及び紫外線吸収剤の両方を含有する透明なオレフ
    ィン系樹脂層側、又は請求項2に記載の積層シートの片
    側に絵柄印刷層を形成したことを特徴とする化粧シー
    ト。
  7. 【請求項7】 前記ラジカル捕捉剤がヒンダードアミン
    系ラジカル捕捉剤であることを特徴とする請求項1乃至
    請求項6に記載の化粧シート。
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