JPH11240124A - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

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JPH11240124A
JPH11240124A JP4263298A JP4263298A JPH11240124A JP H11240124 A JPH11240124 A JP H11240124A JP 4263298 A JP4263298 A JP 4263298A JP 4263298 A JP4263298 A JP 4263298A JP H11240124 A JPH11240124 A JP H11240124A
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JP
Japan
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resin
sheet
decorative sheet
layer
olefin
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Application number
JP4263298A
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English (en)
Inventor
Toshitake Kobayashi
利武 小林
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】十分な表面保護機能と耐久性を有し、プレポリ
マー溶液の保存安定性に優れ、環境汚染や安全衛生上の
問題がない樹脂からなる上塗り保護層を有し、かつ、環
境衛生上問題のない非塩化ビニル系のエコロジーシート
である化粧シートを提供する。 【解決手段】基材シート上に上塗り保護層を有する化粧
シートであって、該上塗り保護層が1液硬化型アクリル
ウレタンエマルジョンから形成される樹脂からなること
を特徴とする化粧シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁面、天井、扉、
家電製品の表面装飾材料として有用な化粧シート、特
に、非塩化ビニル系のエコロジーシートである化粧シー
トに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、着色ポリオレフィン樹脂から
なる基材シートに、絵柄印刷等の装飾処理を施し、この
印刷シートと、ポリプロピレンからなる透明シート(表
面保護層)とを、ポリエステルウレタン系樹脂やアクリ
ルウレタン系樹脂等の汎用ドライラミネート接着剤で貼
り合わせ、さらにシート表面を保護するため、上塗り保
護層を有する化粧シートが知られている。かかる化粧シ
ートは、非塩化ビニル系のエコロジーシートとして環境
面で優れ、壁、天井、手摺、家電製品等の表面装飾材料
として広く用いられている。そして、これら従来の化粧
シートは、上塗り保護層を構成する樹脂として有機溶剤
を使用する2液硬化型ウレタン樹脂を用いるものが主で
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上塗り
保護層を2液硬化型ウレタン樹脂で構成する従来の化粧
シートには次のような問題があった。すなわち、この2
液硬化型ウレタン樹脂は、有機溶剤に溶かしたポリオー
ルと有機溶剤に溶かしたイソシアネートとを使用時に混
合して、ポリオールとイソシアネートが反応によるウレ
タン結合を生じせしめ、樹脂化させるものである。従っ
て、上塗り保護層を構成する樹脂として有機溶剤を使用
する2液硬化型ウレタン樹脂を用いる従来の化粧シート
では、製造時に有機溶剤を使用するため、有機溶剤の揮
散による環境汚染や、安全衛生上好ましいものとは言え
なかった。
【0004】また、ポリオールとイソシアネートは、混
合すればウレタン生成反応が開始し、時間の経過ととも
に硬化してしまう性質を有するため、混合液を長時間保
存することはできない。
【0005】通常、化粧シートの上塗り保護層を形成す
るには、調製した塗布前の上塗り保護層を形成する樹脂
の溶液(以下、「プレポリマー溶液」という。)をシー
ト表面に塗布、乾燥する工程による。しかし、プレポリ
マー溶液は、前述の理由から、一度調製すると限られた
時間内に調製したプレポリマーの溶液の全てを使用しな
ければならず、何らかの原因により製造ラインが長時間
ストップした場合等では、該プレポリマー溶液は使用す
ることができなくなる等作業上支障が生じる場合があ
る。
【0006】又、従来、これら化粧シートの耐候(光)
性を向上させる為、ベンゾトリアゾール系等の有機系紫
外線吸収剤を添加することが行われているが、屋外暴露
中に、経時的に樹脂シート中から紫外線吸収剤が表面に
ブリード(滲出)して失われ、期待しただけの耐候性が
得られないという問題もあった。この傾向は、特に、オ
レフィン系樹脂の場合は特に著しいことが研究の結果明
らかになってきた。従って、化粧シートの十分な表面保
護機能と耐久性を保持しつつ、プレポリマー溶液の長期
保存安定性に優れ、環境汚染や安全衛生上の問題がない
樹脂からなる上塗り保護層を有する化粧シートの開発が
要望されている。
【0007】本発明は、かかる実状から鑑みてなされた
ものであり、十分な表面保護機能と耐久性を有し、プレ
ポリマー溶液の保存安定性に優れ、環境汚染や安全衛生
上の問題がない樹脂からなる上塗り保護層を有する環境
に優しい非塩化ビニル系のエコロジーシートである化粧
シートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明は、基材シート上に上塗り保護層を有する化粧シ
ートであって、該上塗り保護層が1液硬化型アクリルウ
レタンエマルジョンから形成される樹脂からなることを
特徴とする化粧シートを提供する。
【0009】本発明の化粧シートは、好ましくは、前記
基材シートと前記上塗り保護層との間に、さらに透明樹
脂からなる表面シートを有し、さらに好ましくは、基材
シート又は表面シートのうち、最表面側のシートがオレ
フィン系熱可塑性樹脂からなり、分子中に水酸基を有す
る有機系紫外線吸収剤を含有する化粧シートである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の化粧シートに用いられる基材シートの材料は、
環境衛生面から、非塩化ビニル系樹脂であれば特に制限
はない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、エチレンテレフタレート−イソ
ブチレンテレフタレート共重合体等のポリエステル系樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテ
ン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフ
ィン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリア
ミド、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系
樹脂等の合成樹脂シートの単層体又は複数の積層体、或
いは上質紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙類を挙げること
ができる。これらの内、汎用性の点からポリオレフィン
系樹脂が特に好ましい。
【0011】前記ポリオレフィン系樹脂としては、例え
ば、オレフィン系熱可塑性エラストマーや非エラストマ
ーオレフィン系樹脂等が挙げられる。具体的には、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブ
テン−1共重合体、アイオノマー等の結晶質の非エラス
トマーポリオフィン系樹脂、或いは、オレフィン系熱可
塑性エラストマー等が用いられ得るが、化粧シートの成
形加工適性の点からは、オレフィン系熱可塑性エラスト
マーが特に好ましい。
【0012】オレフィン系熱可塑性エラストマーは、オ
レフィン系エラストマーと非エラストマーポリオレフィ
ン系樹脂とからなる複合材料の熱可塑性エラストマーで
あり、例えば、下記のものを例示することができる。す
なわち、(1)ソフトセグメントとしての非晶質のオレ
フィン系エラストマーとハードセグメントとしての結晶
質の非エラストマーオレフィン系樹脂との単純ブレン
ド、(2)オレフィン系エラストマーと非エラストマー
オレフィン系樹脂とを部分的に架橋させて複合化した架
橋タイプ、(3)オレフィン系エラストマーを架橋させ
て、それを非エラストマーオレフィン系樹脂に分散させ
たタイプ、等がある。
【0013】上記オレフィン系エラストマーとしては、
EPDM等に代表されるエチレン系ゴムが挙げられ、ま
た、非エラストマーオレフィン系樹脂としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等の結晶質重合体が挙げられ
る。また、上記組成物には必要に応じ、適宜、無機充填
剤、難燃剤、酸化防止剤等の通常のポリオレフィン系樹
脂に用いられる添加剤を添加することができる。
【0014】上記(2)のタイプとしては、例えば、
イ)特公昭53−21021号公報、特公昭53−34
210号公報等に記載されているもの、ロ)特公昭56
−15741号公報に記載されているもの等が挙げられ
る。
【0015】より具体的には、例えば、上記イ)として
は、60〜80重量部のモノポリオレフィン共重合エラ
ストマー(A)と、40〜20重量部の非エラストマー
ポリオレフィン系樹脂(B)、及びそれらの硬化剤とを
混合し、それらを硬化温度で、素練り中に硬化していな
いブレンド物の通常の溶剤に不溶にならない程度に部分
的に硬化させたものがある。前記オレフィン系共重合エ
ラストマーとしては、2種類又は3種類以上のオレフィ
ンと共重合しうるポリエンを少なくとも1種を加えた弾
性共重合体がある。
【0016】前記オレフィンとしては、エチレン、プロ
ピレン、ブテン−1、イソブチレン、α−ポリオレフィ
ン等が使用され、ポリエンとしては、1,4−ヘキサジ
エン、環状ジエン、ノルボネン等が使用される。
【0017】上記非エラストマーオレフィン系樹脂
(B)としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、
イソブチレン、ペンテン−1、4−メチルペンテン等の
ポリオレフィンを常法で重合して得られる結晶質熱可塑
性樹脂であり、例えば、高密度ポリエチレン等のポリエ
チレン、アイソタクチックポリプロピレン等のポリプロ
ピレン、ポリブテン−1等があり、高級α−ポリオレフ
ィンで変成したポリエチレン、ポリプロピレン等も含
む。
【0018】硬化剤乃至架橋剤としては、脂肪族有機過
酸化物、芳香族有機過酸化物等のパーオキサイド、アザ
イド型、アルデヒド−アミン反応生成物、置換ウレア、
キサンテート類、ジチオカーバメート類、イミダゾール
類、スルフォンアミド類、チウラムダイサルファイト
類、パラキノンジオキシム、ジベンゾパラキノンジオキ
シム、硫黄等を挙げることができる。
【0019】また、上記ロ)としては、エチレン−プロ
ピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン非共役ジエン
ゴム、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−
ブタジエン共重合体ゴム等のポリオレフィン系共重合体
ゴムと、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−
1−共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プ
ロピレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体等を、高
沸点石油留分、パラフィン系、ナフテン系、あるい芳香
族系等の鉱物油系軟化剤とともに、有機ペルオキシドと
ともに、溶融混練して部分的に架橋されたオレフィン系
熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0020】なお、本発明に用いられるポリオレフィン
系樹脂は、単独でも用いられ得るが、積層体でもよい。
また、前記(3)のタイプに於いて、ポリオレフィン系
樹脂に柔軟性、耐衝撃性、伸ばした時に局部的に応力が
集中し、非均一に伸びる所謂ネッキングの防止、及び易
接着性を付与するために、イソプレンゴム、スチレン−
ブタジエンゴム等のジエン系ゴム、水素添加ジエン系ゴ
ム、オレフィン系エラストマー等の各種ゴム類を用いる
こともできる。ゴムの添加量は、ポリオレフィン系樹脂
100重量部に対し、好ましくは、10〜90重量部、
更に好ましくは、10〜30重量部程度にする。
【0021】又、本発明の化粧シートの基材シートに
は、必要に応じて、耐クリープ変形性(主に、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー等の場合)、難燃性、易接着
性を付与する為、炭酸カルシウム、アルミナ、硫酸バリ
ウム、クレー、タルク等の無機充填剤を添加する。添加
量は、1〜60重量部、より好ましくは、5〜30重量
部程度である。
【0022】さらに、本発明の化粧シートの基材シート
には、必要に応じて他の発泡剤、難燃剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤等を添加することができる。発泡剤は、プ
ラスチックスの多孔性成形品をつくるために添加される
ものであり、例えば、アゾニトリル化合物、ベンゼンス
ルフォヒドラジン化合物、ジアゾアミド化合物等があ
る。難燃剤は、化粧シートに耐燃性を付与するために添
加されるものであり、例えば、塩化パラフィン、トリク
レジルホスフェート、塩素化油、テトラクロロ無水フタ
ル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラブロモビスフ
ェノールA、ジブロモプロピルホスフェート、トリ
(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、酸化アン
チモン、含水アルミナ、硼酸バリウム等がある。
【0023】酸化防止剤としては、化粧シート樹脂の酸
化分解を抑制するために添加されるものであり、例え
ば、アルキルフェノール類、アミン類、キノン類等があ
る。また、紫外線防止剤としては、後述の表面シートに
添加するものと同様の、ものが用いられる。
【0024】前記基材シート層の厚さは、通常、50〜
200μm程度であり、延伸シート、未延伸シートのい
ずれも使用可能であるが、Vカット加工時の成形適性上
は未延伸のものの方が良好である。
【0025】前記基材シートの表面は、必要に応じ、コ
ロナ放電処理、プラズマ処理、プライマー(アンカーと
もいう)コート処理、オゾン処理、酸処理、脱脂処理、
表面粗面処理、塩化第二銅等の薬品による活性化処理等
の公知の易接着処理を施すことができる。
【0026】アンカー剤(プライマー)層としては、塩
素化ポリオレフィン樹脂、ポリオールとイソシアネート
から形成される熱可塑性ウレタン樹脂、2液硬化型ウレ
タン樹脂の使用が好ましい。ウレタン樹脂の場合、好ま
しくは、イソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソ
シアネート(HMDI)を、ポリオールとしてはポリエ
ステルポリオール又はアクリルポリオールを使用するこ
とができるが、勿論、後述の接着剤層で例示するものと
同様のその他各種のものを用いてもよい。尚、アンカー
層の厚さは1〜10μm程度とする。
【0027】また、前記基材シートには、隠蔽性を付与
するために、適宜、顔料、染料等の着色剤をを添加する
ことができる。
【0028】添加する顔料としては、チタン白、亜鉛
華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄
鉛、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノ
ン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレ
ッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー
RS、アニリンブラック等の有機顔料(或いは染料も含
む)、アルミニウム、真鍮等の箔粉からなる金属顔料、
二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる
真珠光沢顔料等がある。
【0029】顔料添加による着色は、透明着色でも或い
は不透明(隠蔽性)着色でもよい。これらは、粉末ある
いは鱗片状箔片として添加、分散せしめられる。
【0030】本発明において、好ましくは前記基材シー
トの上に装飾層が設けられる。装飾層は、化粧シートの
装飾性を向上させる為に設けられる。装飾層の形成方法
として、例えば、顔料添加により前記基材シート自体を
着色したり、前記基材シートに絵柄を印刷等により設け
たり、前記基材シート上に金属薄膜層(全面又は一部
分)等を設けたり、前記基材シート表面に凹凸模様を形
成する方法等の1種またはこれらの2種以上の組み合わ
せを用いることができる。
【0031】模様印刷としては、グラビア印刷、オフセ
ット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転
写印刷等の公知の印刷法を用いて、インキ(或いは塗
料)にて模様を形成することができる。
【0032】模様としては、木目模様、石目模様、布目
模様、皮絞模様、幾何学模様、文字記号、或いは全面ベ
タ等がある。
【0033】インキ或いは塗料としては、バインダー、
顔料、染料などの着色剤、更に必要に応じて、体質顔
料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合
したものを用いることができる。バインダーとしては、
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離線硬化性樹脂等の中
から、必要な物性、印刷適性等に応じて適宜選択するこ
とができる。例えば、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化
ポリプロピレン樹脂等の塩素化ポリオレフィン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等を挙げ
ることができ、これらの1種又は2種以上を混合、又は
これに前記列挙した顔料を添加したものを用いる。
【0034】ポリオレフィン系樹脂に直接印刷する場合
には、バインダーとして塩素化ポリオレフィンウレタン
樹脂又はウレタン樹脂等が接着性の点で好ましい。易接
着性プライマーを適宜選択して層を形成すれば、その他
のバインダーを用いても十分な接着性を与えることがで
きる。
【0035】金属薄膜は、アルミニウム、クロム、金、
銀、銅、ニッケル、コバルト、亜鉛、真鍮、ステンレス
等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で
成膜することができる。或いは、これらの組み合わせで
もよい。該金属薄膜は、全面に設けることも、或いは、
部分的にパターン状に設けることもできる。
【0036】本発明の化粧シートは、好ましくは、前記
基材シート上あるいは装飾層を介して、透明なオレフィ
ン系熱可塑性樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等
の樹脂からなる表面シートを有する。表面シートは、基
材シートおよび/または装飾層を保護するために設けら
れる。透明の程度としては、無色透明、着色透明のいず
れでもよい。
【0037】前記オレフィン系熱可塑性樹脂としては、
ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−ブテン−1共重合体、ポリプロピレン、プロピレン
−ブテン−1共重合体、ポリブテン−1、ポリブテン−
2、ブテン−1−ヘキセン−オクテン−1−3元共重合
体、ポリメチルペンテン、特公平6−23278号公報
記載のアイソタクチックポリプロピレンをハードセグメ
ント、アタクチックポリプロピレンをソフトセグメント
とするポリプロピレン系のオレフィン系熱可塑性エラス
トマー、特開平5−77371号公報、特開平9−11
1055号公報等記載のエチレン−プロピレン−ブテン
−1−3元共重合体系のオレフィン系熱可塑性エラスト
マー等のオレフィン系熱可塑性エラストマーが使用でき
る。これらの樹脂は、単独でも2種以上混合してもよ
い。
【0038】これらの内、特に、成形性、透明性、耐候
性の点から良好なものとしては、前記特公平6−232
78号公報記載のポリプロピレン系のオレフィン系熱可
塑性エラストマーに於いては、ソフトグメントであるア
タクチックポリプロピレンの重量比を5重量%以上とす
ることによって、化粧シートを成形加工する際のシート
の亀裂、白化や絵柄の歪み等を解消することができる。
特に、アタクチックポリプロピレンの重量比が20重量
%以上の場合が良好である。一方、アタクチックポリプ
ロピレンの重量比が増加しすぎると、シート自体が変形
し易くなり、絵柄印刷の場合などにおいて、絵柄が歪ん
だり、多色刷りの見当併せにずれが生じるなどの不良が
発生し易くなる。また、成型時にも破れ易くなる。従っ
て、アタクチックポリプロピレンの重量比の上限は50
重量%以下、好ましくは40重量%以下である。
【0039】アクリル樹脂としては、ポリメチル(メ
タ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、
ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アク
リレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体等が用
いられる。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリ
レート及びメタアクリレートの意味で用いている。
【0040】また、ポリエステル樹脂としては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
のポリエステル系熱可塑性エラストマー等が用いられ
る。
【0041】前記オレフィン系熱可塑性樹脂の層の厚さ
は、50〜200μm程度であり、延伸シート、未延伸
シートのいずれも使用可能であるが、Vカット加工時の
成形適性上は未延伸のものが良好である。なお、前記オ
レフィン系熱可塑性樹脂は、下層の絵柄印刷等の装飾処
理を活かすために透明なものが好ましい。
【0042】また、本発明の化粧シートの前記オレフィ
ン系記熱可塑性樹脂等からなる表面シートには、化粧シ
ートの表面層として求められる機能を補強するために、
所望により、各種添加剤、補強材、充填剤、例えば、紫
外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃
剤等が添加することができる。
【0043】難燃剤は、化粧シートに耐燃性を付与する
ために添加されるものであり、例えば、塩化パラフィ
ン、トリクレジルホスフェート、塩素化油、テトラクロ
ロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラブ
ロモビスフェノールA、ジブロモプロピルホスフェー
ト、トリ(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、
酸化アンチモン、含水アルミナ、硼酸バリウム等があ
る。
【0044】酸化防止剤としては、化粧シート樹脂の酸
化分解を抑制するために添加されるものであり、例え
ば、オレフィン系熱可塑性樹脂の場合、アルキルフェノ
ール類、アミン類、キノン類等がある。。
【0045】紫外線吸収剤、光安定剤は、樹脂により良
好な耐候性(耐光性)の付与する目的で添加され、その
添加量は、紫外線吸収剤、光安定剤ともに、通常、0.
1〜5重量%程度である。
【0046】該紫外線吸収剤としては、公知のものか
ら、ポリオレフィンの劣化を引き起こす280〜450
nm領域の紫外線を吸収しうるものを任意に選択するこ
とができる。
【0047】前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベン
ゾフェノン系、サリチレート系、ベンゾトリアゾール
系、アクリロニトリル系等の各種紫外線吸収剤を挙げる
ことができる。特に好ましいものとして、可視光線に対
する透明性の点から、分子中に水酸基を有する有機系の
化合物を使用することができ、2−(2’−ヒドロキシ
−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール 、2−(2’−ヒドロキシ−3’−te
rt−アミル−5’−イソブチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’
−イソブチル−5’−プロピルフェニル)−5−クロロ
ベンゾトリアゾール等の2’−ヒドロキシフェニル−5
−クロロベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール等の2’−ヒドロキシフェニルベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤、2,2’−ジヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラ
ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベン
ゾフェノン等の等のヒドロキシベンゾフェノン系紫外線
吸収剤、サリチル酸フェノル、4−tert−ブチルフ
ェニルサリチレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸
収剤が用いられる。
【0048】その他に、ベンゾトリアゾール骨格にアク
リロイル基又はメタクリロイル基を導入した反応型紫外
線吸収剤等も用いることができる。さらに、粒径0.2
μm以下の酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無
機物を用いることもできる。これらの内、吸収波長と着
色性の問題を考慮して、ベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤の使用が特に好ましい。
【0049】光安定剤としては、ビス−(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等の
ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジ
カル捕捉剤等のラジカル捕捉剤を用いることができる。
一般には、オレフィンからのブリードしにくいラジカル
捕捉剤のみの使用が好ましい。
【0050】前記表面シートを基材シートに接着するに
は、(1)接着面に、必要に応じ、前記アンカー剤層を
施したのち接着剤層を形成し、予め製膜してなる前記樹
脂からなる表面シートを積層し、接着せしめる所謂ドラ
イラミネート法、(2)Tダイから前記樹脂からなるシ
ートを熔融押出し(エクストルージョン)法等により、
単層或いは多層共押出しした樹脂からなる表面シートを
相手側の基材シートと積層して加圧冷却する方法、より
好ましくは、基材シートと表面シートとの間にアンカー
剤層、或いは接着剤層を介する方法、(3)或いは、熱
可塑性樹脂からなる接着剤層を選択して基材シート上に
設け、その上に予め製膜した表面シートを積層し、加熱
加圧して接着する所謂熱ラミネート法等による。
【0051】また、本発明の化粧シートにおいては、前
記基材シートと前記表面シートとは、ドライラミネート
法、ウェットラミネート法等により直接ラミネートする
こともできるが、層間密着性を向上させるために基材シ
ートと、特にオレフィン系樹脂からなる表面シートとを
ラミネートする場合には、両シートとの間に接着剤層を
設けることもできる。
【0052】前記接着剤層の接着剤として用いることの
できる樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリアミド樹脂、酢酸ビニルーアクリレート
樹脂、カルボキシル基含有アクリル樹脂、酢酸ビニル−
エチレン系樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、シアノアク
リル系樹脂等の各樹脂を使用することができる。これら
の内、基材シート及びオレフィン系樹脂からなる表面シ
ートとの密着性(耐候密着性を含む)に特に優れるウレ
タン樹脂が特に好ましい。
【0053】ウレタン樹脂としては、熱可塑性ウレタン
樹脂、1液湿気硬化型ウレタン樹脂又は2液硬化型ウレ
タン樹脂を用いるのが好ましい。例えば、熱可塑性ウレ
ナン樹脂又は2液硬化型ウレタン樹脂は、ポリオールを
主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウ
レタン樹脂である。また、1液湿気硬化型ウレタン樹脂
は、イソシアネートと湿気(水分)のみで、ウレタン結
合させる方式のウレタン樹脂である。
【0054】前記ウレタン樹脂を構成するポリオールと
しては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例
えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、
ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール
等が用いられる。
【0055】また、イソシアネートとしては、分子中に
2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシネート
が用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、キシレンジイソシアネート、4,4−ジフェニル
メタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類、
或いはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、
水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族
(乃至は脂環族)イソシアネートが用いられる。或い
は、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用い
る事もできる。例えば、トリレンジイソシアネートの付
加体、トリレンジイソシアネートの3量体、或いは、分
子鎖中にウレタン結合、ポリカーボネート、脂肪族ポリ
エステル等の骨格を持ったイソシアネートプレポリマー
等がある。
【0056】尚、2液硬化型ウレタン樹脂の好ましい態
様として、イソシアネート中のイソシアネート基(−N
CO基)の数(モル数)を、それと反応させるポリオー
ルの水酸基(−OH基)の数(反応当量)よりも多く
し、ポリオールとイソシアネートとが反応した後でも未
反応のイソシアネート基を確実に、しかも多数残留させ
る態様がある。この場合、−NCO基/−OH基の比
は、最大1.4程度迄とする。前記アンカー剤層(接着
剤層)の膜厚は、接着力の確保、化粧シートの加工適性
の観点から、通常、1〜30μm、特に5〜15μmが
好ましい。
【0057】また、前記樹脂からなる表面シートの最表
面は、所望に応じ、エンボス加工、ヘアライン加工等に
よる凹凸模様を賦形することができる。該凹凸模様は、
シート表面の全面にわたっていてもあるいは部分的でも
いずれでもよい。エンボス加工は、化粧シートに木材表
面等所望のテクスチァーを付与するために行われる。例
えば、エンボス加工は、加熱ドラム上でアクリル系樹脂
を加熱軟化させ、更に赤外線輻射ヒーターで160〜1
80℃に加熱し、所望の形の凹凸模様を設けたエンボス
板で加圧、賦形し、冷却固定して形成するもので、公知
の枚葉或いは輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸模
様としては、例えば木目導管溝等が用いられる。
【0058】さらに、前記凹凸模様の凹部にワイピング
加工などにより着色インキを充填して化粧シートの意匠
性を高めることもできる。ワイピング加工は、特公昭5
8−14312号公報等により公知の方法であり、エン
ボス加工で設けた凹部にドクターブレードで表面をかき
ながらインキを充填する加工である。ワイピング加工に
用いられる着色インキ(ワイピングインキ)としては、
顔料ないしインキが用いられる。
【0059】例えば、セラック、コーパル、ダンマル、
ロジン、ロジンエステル等の天然樹脂又はその変成樹脂
類、ニトロセルロース、アセチルセルロース、エチルセ
ルロース、ベンジルセルロース等のセルロース誘導体
類、フェノール樹脂、尿素樹脂、フタル酸系樹脂、マレ
イン酸系樹脂、メラミン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルブチラール、エポキシ系樹
脂、シリコン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、その他の合成樹脂、その他
の塩素化ゴム、合成ゴム等をバインダーの構成材料とす
ることができる。これらのうち、2液硬化型ウレタン樹
脂、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂の使用が特に好まし
い。
【0060】前記ワイピングインキとして用いられる塗
料若しくはインキは、前記バインダー中には、カーボン
ブラック、弁柄等の着色剤、沈降性硫酸バリウム等の体
質顔料、可塑剤等を添加して製造することができる。ま
た、ワイピングインキとして、上記の塗料若しくはイン
キ中に紫外線硬化剤等を混入し、紫外線による硬化シス
テムを有する塗料あるいはインキを用いることもでき
る。
【0061】このワイピングインキを、ロールコートあ
るいはナイフコートにてシート表面のエンボス凹部に塗
工した後、ドクターブレードあるいはワイピングペーパ
ー等で掻きとることにより、エンボス凹部にのみワイピ
ングインキを残すようにして充填する。ここで、凹部に
のみワイピングインキが残るようにするためには、イン
キ組成物の粘度、ロールの回転数、ドクターの角度、厚
み、コートスピード等を調整する必要がある。
【0062】また、表面シートが前記オレフィン系熱可
塑性樹脂からなる場合には、上塗り保護層との接着力を
より向上せしめる為に、コロナ放電処理やオゾン処理等
の易接着処理を施すことも好ましい。
【0063】本発明の化粧シートは、その最表層に1液
硬化型アクリルウレタンエマルジョンから形成される樹
脂からなる上塗り保護層を有することを特徴とする。上
塗り保護層は、化粧シート表面の傷のつき易さをカバー
し、耐擦傷性を向上させたり、表面の光沢(艶)を調整
したり、或いはポレフィン系樹脂からなる表面シー中か
らの紫外線吸収剤のブリード(溶出)を防止するために
設けられる。前記上塗り保護層の膜厚は1〜100μm
程度が好ましい。
【0064】本発明に使用する前記1液硬化型アクリル
ウレタン樹脂は、アクリル成分のコアをウレタン成分の
シェルが包みこんだ、いわゆるコア−シェル構造を有す
るプレポリマーが架橋高分子化(樹脂化)したものであ
る。該プレポリマーは、エポキシ基、シリル基、アミノ
基等の反応性官能基を有するアクリルモノマーからなる
アクリル成分をコア層と、ウレタン成分をシェル層とか
らなる粒子が、水又は水−メタノール系溶媒(分散媒)
のエマルジョンの形で調製・保存される。
【0065】そして、前記プレポリマー分散液(乃至は
エマルジョン)をシート表面に塗布し、水分等が蒸発す
ることによって、粒子(エマルジョン粒子)が融着し、
シート表面に塗膜が形成される。その際に、反応性官能
基が架橋反応を起こし、−COO−CH2 CH(OH)
−(エポキシ基の場合)や、−Si−O−Si−(シリ
ル基の場合)結合を生成せしめ、3次元網目構造を有す
る上塗り保護層を形成するものである。
【0066】かかる1液硬化型アクリルウレタン樹脂の
プレポリマー溶液は、水分が蒸発しない限り架橋反応は
起こらないので、保存安定性に優れ、化粧シート製造時
に、機械トラブル等で長時間を経過した後であっても、
再度使用することができる。また、蒸発する溶媒は主に
水であるため、有機溶剤のような環境汚染や環境衛生上
の問題も生じない。しかも、常温で2液硬化型ウレタン
樹脂と同等以上の耐水性、耐薬品性、耐候性にすぐれた
樹脂層を形成することができ、熱に弱い基材を使用する
こともできる。
【0067】又、斯かる1液硬化型アクリルウレタン樹
脂のエマルジョンの乾燥塗膜は、表面シート、特にオレ
フィン系樹脂中にベンゾトリアゾール系等の分子中に水
酸基を有する有機系紫外線吸収剤を添加した場合、表面
シート中からの経時的な紫外線吸収剤のブリードによる
損失を防止し、表面シートの耐候性をより向上させるの
に好適である。
【0068】本発明の化粧シートの基材シートの下層に
は、所望に応じて、粘着剤層及び離型シートを設けるこ
とができる。この場合、化粧シートは、離型シートを化
粧シートから剥離して、粘着剤層を所望の被着体に接着
する形態で使用する。粘着剤層を有する場合には、離型
シートを剥離して使用することができ、化粧シートを簡
便に被着体に貼着することができる。
【0069】かかる粘着剤層を構成する樹脂としては、
例えば、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、
スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニト
リルゴム等のゴム系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル
系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系
樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩素化オレフィン系樹
脂、ポリビニルブチラール系樹脂等が挙げられる。
【0070】また、粘着付与剤として、ロジン、ダンマ
ル、重合ロジン、部分水添ロジン、エステルロジン、ポ
リテルペン系樹脂、テルペン変性体、石油系樹脂、シク
ロペンタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹
脂、フェノール系樹脂、クロマン−インデン系樹脂等を
添加することもできる。なお、必要に応じて、軟化剤、
充填剤、老化防止剤等も添加することができ、有機溶剤
により粘度を調節する。
【0071】前記粘着剤層は、ロールコーティング、ダ
イコーティング、ナイフコーティング、グラビアコーテ
ィング法等により形成することができる。
【0072】また、本発明の化粧シートは他の被着体に
積層することもできる。積層は、被着体に化粧シート自
体が(熱融着等で)接着可能な場合は、接着剤層は省略
することもできる。また、化粧シート自体では被着体と
接着しない場合は、適当な接着剤にて積層する。被着体
が最終製品であり、その表面化粧の為に化粧シートを積
層する場合もあれば、必要に応じ、化粧シートの力学的
強度の補強、或いは隠蔽性の付与の為、化粧シート裏面
に被着体を積層する場合もある。
【0073】被着体としては各種素材からなる。形状と
しては、平板、曲面板等の板材、立体形状物品、或いは
シート(或いはフィルム)等である。これら形状のいず
れにも用いられる素材としては、木材単板、木材合板、
パティクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木質
材、鉄、アルミニウム等の金属、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−ビニルアセテート共重合体、ポリエステル、ポリスチ
レン、オレフィン系樹脂、ABS樹脂、フェノール樹
脂、ポリ塩化ビニル、セルロース系樹脂、ゴム等の樹
脂、専ら板材、或いは立体形状物品として用いられる素
材としては、ガラス、陶磁器等のセラミックス、ALC
(発泡軽量コンクリート)等のセメント、珪酸カルシウ
ム、石膏等の非セメント窯業系材料、専らシート(或い
はフィルム)として用いられる素材としては、上質紙、
和紙等の紙、或いは炭素、石綿、チタン酸カリウム、ガ
ラス、合成樹脂等の繊維からなる不織布又は織布等があ
る。
【0074】これら各種被着体への積層方法としては、
例えば、接着剤を間に介して板状基材に加圧ローラー
で加圧して積層する方法、特公昭50−19132号
公報、特公昭43−27488号公報等に記載されるよ
うに、化粧シートを射出成形の雌雄両金型に挿入して、
両金型を閉じ、雄型のゲートから熔融樹脂を射出充填し
た後、冷却して樹脂成形品の成形と同時にその表面に化
粧シートを接着し積層する、いわゆる射出成形同時ラミ
ネート方法、特公昭56−45768号公報、特公昭
60−58014号公報等に記載されるように、成形品
の表面に化粧シートを間に接着剤層を介して対向乃至は
載置し、成形品からの真空吸引による圧力差により化粧
シートを成形品表面に積層する、いわゆる真空プレス積
層方法、特公昭61−5895号公報、特公平3−2
666号公報等に記載されるように、円柱、多角柱等の
柱状基材の長軸方向に、化粧シートを間に接着剤層を介
して供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、
柱状体を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接
着して積層してゆく、所謂ラッピング加工方法、実公
大15−31122号公報、特開昭48−47972号
公報等に記載されるように、先ず化粧シートを板状基材
に接着剤層を介して積層し、次いで板状基材の化粧シー
トとは反対側の面に、化粧シートと板状基材との界面に
到達する。断面がV字状、又はU字状の溝を切削し、次
いで、該溝内に接着剤を塗布した上で、該溝を折り曲げ
箱体、又は柱状体を成形する、所謂VカットまたはUカ
ット加工方法等がある。
【0075】以上説明した本発明の化粧シートは、壁、
床、天井、扉、手摺、窓枠等の建築物,箪笥等の家具、
自動車、電車等の車両内装、航空機、船舶の内装等の表
面装飾材料として、好適に使用することができる。
【0076】
【実施例】次に、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明する。実施例1 高密度ポリエチレン100重量部にスチレン−ブタジエ
ンゴム60重量部、炭酸カルシウム微粒子からなる無機
充填剤25重量部、チタン白、弁柄、黄鉛系5重量部か
らなる着色顔料2により着色した厚さ80μmのポリオ
レフィン系樹脂シート1を用意し、その片面にコロナ放
電処理を施し、その上に、ポリエステルポリオールとト
リレンジイソシアネートとからなる2液硬化型ウレタン
樹脂を、厚さ2μm(乾燥時)をグラビアコートし、ア
ンカー剤層9を形成し、さらにその上の一方の面にバイ
ンダーが、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体:アクリル
樹脂1:1重量比、顔料が弁柄からなるインキを用い
て、グラビア印刷により絵柄印刷3を施した。
【0077】一方、厚さ80μm程度のアイソタクチッ
クポリプロピレンのハードセグメントとアイソタクチッ
クポリプロピレンのソフトセグメントを50:50重量
比で混合してなるポリプロピレン系熱可塑性エラストマ
ーに、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(分子中に水
酸基を有する)を0.2重量%添加したオレフィン系熱
可塑性樹脂シート5上に、ヘキサメチレンジイソシアネ
ートとアクリルポリオールからなる2液硬化型ウレタン
樹脂の接着剤層(塗布量=16g/m2 )4を介して、
ドライラミネート法により貼り合わせた。同時に、前記
ポリオレフィン系樹脂シート層1の表面側に木目導管溝
のエンボス版により木目導管模様の凹凸模様を施した。
次いで、全面にアクリルポリオールとヘキサメチレンジ
イソシアネートからなる2液硬化型ウレタン樹脂を主材
とする着色インキを全面に塗布したのち、ドクターブレ
ードで表面を掻きとり、エンボス凹部のみに着色インキ
6を充填した(ワイピング加工)。
【0078】次に、前記ポリプロピレン系樹脂層表面
に、アクリルのコアの周囲をウレタンのシェルで包み込
み、水に分散してなる1液常温硬化型アクリルウレタン
エマルジョンを膜厚10μm(乾燥時)に塗布し、水分
を乾燥させ、室温で7日間養生させて上塗り保護層7を
形成し、図1に示す本発明の化粧シート8を得た。
【0079】比較例1 上塗り保護層7として、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体との8:2重量比の混合物を用い、こ
れを、トルエンと酢酸エチル1対1重量比の混合希釈剤
を用いて塗布、溶剤を乾燥させて、膜厚10μm(乾燥
時)としたこと以外は、実施例1と同様にして化粧シー
トを得た。
【0080】以上の様にして得られた化粧シートを用い
て、60℃で4時間紫外線照射、54℃で4時間湿潤の
サイクルを3,000時間繰り返す、耐候性及び耐水性
試験を行った。その結果、実施例1の化粧シート表面に
顕著な外観上の変化は見られなかった。一方、比較例1
の化粧シート表面は表面シートの白濁が見られた。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本実施形態の化粧
シートは、上塗り保護層が水系溶媒からなる1液硬化型
アクリルエマルジョンにより形成されていることを特徴
とする。従って、その製造時に有機溶媒等の揮散による
環境汚染、作業環境の悪化等のおそれがない。
【0082】また、一度準備したプレポリマー溶液は長
時間経過したのちであっても使用することができるた
め、製造コスト上、作業効率上有利である。さらに、本
発明の化粧シートは、1液常温硬化型アクリルウレタン
エマルジョンからなる上塗り保護層を有しているため、
耐水性、耐薬品性、耐候性にも優れた化粧シートであ
る。
【0083】また、化粧シートがオレフィン系熱可塑性
樹脂からなるため、成形加工性に優れている。さらに、
非塩化ビニル系の樹脂から構成されているため、化粧シ
ートを廃棄−焼却した場合に、有害な塩化水素等の塩素
化物ガスが発生することもなく、環境保護の面からも優
れている。
【0084】さらにまた、化粧シートがオレフィン系樹
脂に分子中に水酸基を有する有機系紫外線吸収剤を添加
したものを用いた場合には、オレフィン系樹脂との相溶
性の悪い該紫外線吸収剤の経時的なブリードによる損失
を防止し、紫外線吸収剤添加の効果を有効ならしめ、化
粧シートの耐候性を十分向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で作製した本発明の化粧シー
トの断面図である。
【符号の説明】
1…基材シート,2…着色顔料、3…装飾処理層、4…
接着剤層、5…オレフィン系熱可塑性樹脂層、6…ワイ
ピングインキ(着色インキ)、7…上塗り保護層、8…
実施例1で作製した化粧シート、9…アンカー剤層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材シート上に上塗り保護層を有する化粧
    シートであって、 前記上塗り保護層が1液硬化型アクリルウレタンエマル
    ジョンから形成される樹脂からなることを特徴とする化
    粧シート。
  2. 【請求項2】前記基材シートと前記上塗り保護層との間
    に、さらに、透明樹脂からなる表面シートを有する、 請求項1記載の化粧シート。
  3. 【請求項3】基材シート又は表面シートのうち、最表面
    側のシートがオレフィン系熱可塑性樹脂からなり、分子
    中に水酸基を有する有機系紫外線吸収剤を含有すること
    を特徴とする、 請求項1又は請求項2記載の化粧シート。
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