JP2002127345A - 積層シート及びその製造方法 - Google Patents

積層シート及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002127345A
JP2002127345A JP2000323696A JP2000323696A JP2002127345A JP 2002127345 A JP2002127345 A JP 2002127345A JP 2000323696 A JP2000323696 A JP 2000323696A JP 2000323696 A JP2000323696 A JP 2000323696A JP 2002127345 A JP2002127345 A JP 2002127345A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
sheet
thermoplastic resin
layer
thermoplastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000323696A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5073131B2 (ja
Inventor
Masahiro Yamazoe
眞宏 山添
Hitoshi Suzuki
仁 鈴木
Yumiko Tsuruta
由美子 鶴田
Tsutomu Saito
努 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2000323696A priority Critical patent/JP5073131B2/ja
Publication of JP2002127345A publication Critical patent/JP2002127345A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5073131B2 publication Critical patent/JP5073131B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂
等のポリ塩化ビニル代替熱可塑性樹脂を使用した積層シ
ートにあっても、ダブリングエンボス法等の熱ラミネー
ト法により安定して十分な層間密着性を得ることができ
る積層シート及びその製造方法を提供する。 【解決手段】第1の熱可塑性樹脂シート11に、ポリエ
ステル系ウレタン樹脂からなる第1の中間樹脂層12
と、ウレタン系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
樹脂との混合樹脂からなる第2の中間樹脂層13と、ポ
リエステル系ウレタン樹脂からなる第3の中間樹脂層1
4とを順次介在させて、第2の熱可塑性樹脂シート15
を積層して構成した積層シートである。3層の中間樹脂
層の内の一つ以上を絵柄層とすることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の熱可塑性樹
脂シートをそれらの層間に中間樹脂層を介在させて積層
してなる積層シート及びその製造方法に関するものであ
り、特に、住宅などの建築物の内装や、造作材、建具等
の建築資材、家具什器類、住設機器や家電製品等の表面
化粧のための化粧シートなどとして好適に使用される積
層シートであって、熱ラミネート法により簡便に製造可
能であり、しかも層間密着性に優れた積層シート及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上述した化粧シートを始め、包装
用シート、金属保護用シート、粘着テープ用基材シー
ト、文具や衣料品、衛生用品等の日用品、輸液バッグ等
の医療用品、電気部品や機械部品等の工業用材料などと
して、同種又は異種の熱可塑性樹脂シートを積層してな
る積層シートは、幅広い用途に大量に使用されている。
係る積層シートの製法としては、同種又は異種の熱可塑
性樹脂を加熱溶融して押し出すと同時に溶融状態におい
て積層後に冷却する共押出製膜法や、既に成形された熱
可塑性樹脂シートの片面に、それと同種又は異種の熱可
塑性樹脂を加熱溶融押出して積層する押出ラミネート法
などもあるが、これらは大量生産には適するものの特定
用途向けの少量生産には不利であるので、一般的には、
既にシート状に成形された市販の熱可塑性樹脂シート
を、複数枚貼り合わせることで製造する場合が多い。
【0003】その際の貼り合わせ方法としては、複数枚
の熱可塑性樹脂シートの相互間に接着剤を介在させて貼
り合わせるウェットラミネート法又はドライラミネート
法や、別途用意した熱可塑性樹脂を加熱溶融して押し出
した溶融状態の層を介在させて貼り合わせるサンドラミ
ネート法などもあるが、これらの方法は貼り合わせの際
に、接着剤又は溶融押出用の樹脂などの特別な材料と、
接着剤の塗工装置又は樹脂の押出装置等の特殊な設備と
を必要とし、しかも接着剤の塗布量や乾燥状態、溶融押
出用の樹脂の温度や押出速度等の工程条件によって層間
密着性が大きく左右されることから、工程管理も煩雑で
あることなどが難点である。
【0004】これに対し、特殊な材料や設備を必要とせ
ず、工程条件によって層間密着性が大きく左右されるこ
となく、より簡便且つ安定的に製造可能な方法として、
複数枚の熱可塑性樹脂シートを熱可塑化(軟化)により
相互に接着性を帯びる程度の温度に加熱しつつ加圧して
接着させる熱ラミネート法も、広く用いられている。こ
の熱ラミネート法には、上記の利点に加えて、製造する
積層シートの片面若しくは両面にエンボスによる凹凸形
状を賦形したい場合には、加圧用の押圧板若しくは押圧
ロールとして、積層シートの表面に賦形すべき凹凸形状
を反転した凹凸形状が表面に形成されたエンボス版若し
くはエンボスロールを使用することによって、複数枚の
熱可塑性樹脂シートの積層とエンボスによる凹凸模様の
賦形とを同一の工程で同時に行うことができる利点もあ
る。
【0005】例えば、従来の汎用の化粧シートとして
は、熱可塑性樹脂シートとしてポリ塩化ビニル樹脂シー
トを使用したものが最も一般的であったが、このポリ塩
化ビニル樹脂シートは熱ラミネート適性や熱エンボス適
性に優れていたことから、一枚のポリ塩化ビニル樹脂シ
ートの表面に木目等の所望の絵柄の印刷を施した後、該
印刷面に透明なもう一枚のポリ塩化ビニル樹脂シートを
重ね合わせ、印刷シートの裏面側の平滑な押圧ロールと
透明シートの表面側のエンボスロールとの間を通しなが
ら加熱加圧することにより、熱ラミネートすると同時に
エンボスを施す、いわゆるダブリングエンボス法による
ポリ塩化ビニル樹脂製化粧シートの製造が広く行われて
来た。
【0006】しかしながら近年になって、ポリ塩化ビニ
ル樹脂は火災時や焼却処分時等の燃焼時に塩化水素ガス
やダイオキシン等の有害物質を発生する可能性があるこ
とが問題視される様になっており、係る問題の発生の虞
のない塩素を含有しない樹脂による代替が、社会的に強
く要請される様になっている。上記した化粧シートの場
合も例外ではなく、上記社会的要請を受けて、ポリ塩化
ビニル樹脂を代替する熱可塑性樹脂として、例えばポリ
オレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂等を使用した化
粧シートが開発され、ポリ塩化ビニル樹脂系の化粧シー
トに対する置き換えが進行しつつある。
【0007】しかしながら、上記したポリ塩化ビニル代
替熱可塑性樹脂、特にその最有力候補であるポリオレフ
ィン系樹脂は、ポリ塩化ビニル樹脂と比較して熱ラミネ
ート適性に劣っており、熱ラミネート法では十分な層間
密着性を得ることが困難である場合が多い。熱可塑性樹
脂シートの熱ラミネート適性を補う意味で、貼り合わせ
ようとする2枚の熱可塑性樹脂シートの一方の貼り合わ
せ面に予めヒートシール剤などのアンカー剤を塗工した
後に熱ラミネートを行う方法もあるが、ヒートシール剤
の内部凝集力、熱接着力(ホットタック性)、熱可塑性
樹脂シートとの接着力(耐剥離性)、耐候性等の種々の
要求物性をバランスよく満足するものはなかなか得られ
ていないのが実情である。
【0008】従って、ポリオレフィン系樹脂等のポリ塩
化ビニル代替熱可塑性樹脂を使用した化粧シート等の積
層シートの製造にあたっては、ドライラミネート法や押
出ラミネート法等の採用を余儀なくされており、ラミネ
ート工程における材料面、設備面、工程管理面での負担
が大きいほか、前者のドライラミネート法にあっては、
エンボス加工を必要とする場合に、ラミネート工程とエ
ンボス工程との2工程となって、製造時間増大、収率低
下、コスト増大などをもたらすこと等、後者の押出ラミ
ネート法にあっては、機械の制約上、使用可能な樹脂の
選択の幅が狭く、材料設計の自由度が低いことや、連続
方式の製法であるために多品種少量生産への対応が困難
であること等の問題があり、ダブリングエンボス法等の
熱ラミネート法により安定して十分な層間密着性を得る
手法の開発が待望されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記した問題点を解決する目的でなされたもの
であり、その課題とするところは、ポリオレフィン系樹
脂又はポリエステル系樹脂等のポリ塩化ビニル代替熱可
塑性樹脂を使用した積層シートにあっても、ダブリング
エンボス法等の熱ラミネート法により安定して十分な層
間密着性を得ることができる積層シート及びその製造方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の積層シートは、
第1の熱可塑性樹脂シートに、ポリエステル系ウレタン
樹脂からなる第1の中間樹脂層と、ウレタン系樹脂と塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂との混合樹脂からな
る第2の中間樹脂層と、ポリエステル系ウレタン樹脂か
らなる第3の中間樹脂層とを順次介在させて、第2の熱
可塑性樹脂シートを積層してなることを特徴とするもの
である。
【0011】また本発明の積層シートは、上記積層シー
トにおいて、前記第1、第2及び第3の中間樹脂層の内
の少なくとも一つが、顔料を含有し絵柄状に形成された
絵柄層であることを特徴とするものである。
【0012】また本発明の積層シートは、上記積層シー
トにおいて、前記第1及び第2の熱可塑性樹脂シートの
それぞれが、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系
樹脂からなることを特徴とするものである。
【0013】また本発明の積層シートは、上記積層シー
トにおいて、前記第1及び第2の熱可塑性樹脂シートの
内の少なくとも一方の外表面に、エンボスによる凹凸模
様が施されていることを特徴とするものである。
【0014】本発明の積層シートの製造方法は、第1の
熱可塑性樹脂シートの片面にポリエステル系ウレタン樹
脂からなる第1の中間樹脂層を設け、第2の熱可塑性樹
脂シートの片面にポリエステル系ウレタン樹脂からなる
第3の中間樹脂層を設けると共に、第1の熱可塑性樹脂
シートの片面の第1の中間樹脂層上及び/又は第2の熱
可塑性樹脂シートの片面の第3の中間樹脂層上に、ウレ
タン系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂との
混合樹脂からなる第2の中間樹脂層を設け、しかる後、
第1の熱可塑性樹脂シートの第1の中間樹脂層側の面
と、第2の熱可塑性樹脂シートの第3の中間樹脂層側の
面とが接する様に重ね合わせて熱ラミネートすることを
特徴とするものである。
【0015】また本発明の積層シートの製造方法は、上
記積層シートの製造方法において、前記第1、第2及び
第3の中間樹脂層の内の少なくとも一つが、顔料を含有
し絵柄状に形成された絵柄層であることを特徴とするも
のである。
【0016】また本発明の積層シートの製造方法は、上
記積層シートの製造方法において、前記第1及び第2の
熱可塑性樹脂シートのそれぞれが、ポリオレフィン系樹
脂又はポリエステル系樹脂からなることを特徴とするも
のである。
【0017】また本発明の積層シートの製造方法は、上
記積層シートの製造方法において、前記第1及び第2の
熱可塑性樹脂シートの熱ラミネートと同時に、前記第1
及び第2の熱可塑性樹脂シートの内の少なくとも一方の
外表面に、エンボスにより凹凸模様を施すことを特徴と
するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の積層シート1は、図1に
示す様に、第1の熱可塑性樹脂シート11と第2の熱可
塑性樹脂シート15とが少なくとも積層されて構成され
たものであって、上記第1の熱可塑性樹脂シート11と
第2の熱可塑性樹脂シート15との層間に、上記第1の
熱可塑性樹脂シート側から順に、第1の中間樹脂層1
2、第2の中間樹脂層13及び第3の中間樹脂層14が
設けられて構成されており、上記第1の中間樹脂層12
はポリエステル系ウレタン樹脂からなり、上記第2の中
間樹脂層13はウレタン系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂との混合樹脂からなり、且つ、上記第3
の中間樹脂層はポリエステル系ウレタン樹脂からなるこ
とを特徴とするものである。
【0019】本発明の積層シート1において、第1の熱
可塑性樹脂シート11及び第2の熱可塑性樹脂シート1
5を構成する熱可塑性樹脂の種類は特に限定されるもの
ではなく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
メチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレ
ン−α−オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニル
アルコール共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸
(エステル)共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸共
重合体金属中和物等のオレフィン系共重合体樹脂、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタ
レート−イソフタレート共重合体、ポリアリレート、ポ
リカーボネート等のポリエステル系樹脂、ポリアクリロ
ニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリメチルメタク
リレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタ
クリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアク
リレート、ポリブチルアクリレート、ポリアクリルアミ
ド等のアクリル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロ
ン、6,10−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリス
チレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸
ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール
等のビニル系樹脂等、或いはそれらの2種以上の混合
物、共重合体、複合体、積層体等を使用することができ
る。なお、第1の熱可塑性樹脂シート11及び第2の熱
可塑性樹脂シート15の材質は同一であっても良いし、
相異なっていても良い。
【0020】なお、ポリ塩化ビニル樹脂に関しては、前
述した様に、元来優れた熱ラミネート適性(熱接着性)
を有する樹脂であるから、特に本発明を適用する必要性
は通常発生しないと考えられるが、敢えて本発明を適用
しても特に問題はない。但し、近年の環境問題に対する
社会的な関心の高まりに鑑みれば、ポリ塩化ビニル樹脂
の様な塩素(ハロゲン)を含有する樹脂の採用は望まし
いものではなく、上記に列挙した様な非塩素系(非ハロ
ゲン系)の熱可塑性樹脂を採用することが望ましい。中
でも最も汎用性に富む熱可塑性樹脂として、ポリオレフ
ィン系樹脂及びポリエステル系樹脂を挙げることができ
る。
【0021】第1及び/又は第2の熱可塑性樹脂シート
11、15の第1又は第3の中間樹脂層12、14との
密着性が不足する場合には、第1及び/又は第2の熱可
塑性樹脂シート11、15の第1又は第3の中間樹脂層
12、14との接触面に予め例えばコロナ放電処理、プ
ラズマ処理、オゾン処理、火炎処理、酸処理、アルカリ
処理等の表面処理を施すことで密着性を向上することも
できる。例えば、ポリオレフィン系樹脂は特に密着性が
不足しがちであり、密着性の向上の為にはコロナ放電処
理等が有効である。
【0022】第1の熱可塑性樹脂シート11及び第2の
熱可塑性樹脂シート15は、共に無色透明であっても良
いし、その一方又は両方が半透明や着色透明、着色不透
明などであっても良い。但し、後述する様に第1、第2
及び第3の中間樹脂層の内の少なくとも一つを顔料を含
有し絵柄状に形成された絵柄層とする場合には、第1の
熱可塑性樹脂シート11及び第2の熱可塑性樹脂シート
15の一方又は両方を、無色又は着色の透明又は半透明
とする必要がある。これらのシートの着色の為には、熱
可塑性樹脂に有機顔料又は無機顔料等の着色剤が添加さ
れる。
【0023】その他、必要に応じて例えば紫外線吸収
剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、充填剤、滑剤、
帯電防止剤、減摩剤、艶調整剤、抗菌剤、防黴剤等の各
種の添加剤の1種以上が添加されていても良い。紫外線
吸収剤としてはベンゾトリアゾール系又はベンゾフェノ
ン系等、光安定剤としてはヒンダードアミン系等、酸化
防止剤としてはフェノール系又はリン系若しくはそれら
の混合系等が通常使用される。
【0024】本発明の積層シート1を化粧シートとして
使用する場合には、樹脂の加工性や耐久性、柔軟性、廃
棄性(焼却容易性)、経済性等を考慮すると、熱可塑性
樹脂としてポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹
脂を採用することが最も好ましい。ポリオレフィン系樹
脂であれば、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リブテンやこれらの共重合樹脂、変性樹脂などが挙げら
れ、柔軟性の向上の為に例えば低密度ポリエチレン、ア
タクチックポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、
オレフィン系熱可塑性エラストマー等の軟質成分ないし
ゴム成分を添加した樹脂を使用することもできる。
【0025】また、化粧シートの木質基材などへの積層
を考え、基材の表面に対する隠蔽性を付与する為に、基
材への積層面側となる第1の熱可塑性樹脂シート11を
隠蔽性に着色しても良い。但し、基材の表面の質感を活
かしたい場合はこの限りではなく、第1の熱可塑性樹脂
シート11及び第2の熱可塑性樹脂シート15を共に透
明又は半透明とすることもできる。
【0026】ポリエステル系ウレタン樹脂からなる第1
及び第3の中間樹脂層12、14は、第1及び第2の熱
可塑性樹脂シート11、15の表面に十分に密着すると
共に、後述する第2の中間樹脂層13を構成するウレタ
ン系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂との混
合樹脂ともよく密着することで両者の橋渡しをする、い
わばアンカー剤としての機能を担う層である。
【0027】これらの層を構成するポリエステル系ウレ
タン樹脂としては、ジカルボン酸とジオールとの縮合重
合反応で得た2官能性ポリエステルジオールをジイソシ
アネート化合物で鎖延長することでポリエステル骨格中
にウレタン結合を導入した線状の熱可塑性ポリエステル
系ウレタン樹脂や、ジカルボン酸とジオールとの縮合重
合体からなるポリエステル骨格の両末端及び/又は側鎖
にイソシアネート基を導入したプレポリマーを湿気等の
作用により自己架橋させる湿気硬化型ポリエステル系ウ
レタン樹脂、ジカルボン酸とジオールとの縮合重合体か
らなるポリエステル骨格の両末端及び/又は側鎖に水酸
基を有するポリエステルポリオールを主剤とし、硬化剤
としてポリイソシアネート化合物を配合してウレタン結
合により架橋させる2液硬化型ポリエステル系ウレタン
樹脂などがある。
【0028】これらのポリエステル系ウレタン樹脂の中
でも、本発明の目的には、硬化後の樹脂の凝集力や、第
1及び第2の熱可塑性樹脂シート11、15への密着
性、塗工剤組成物の安定性や塗工適性などの種々の観点
から、後者の2液硬化型ポリエステル系ウレタン樹脂を
採用することが特に望ましい。なお、硬化剤のポリイソ
シアネート化合物の種類は特に限定されないが、耐候性
(耐黄変性)の面では例えばイソホロンジイソシアネー
ト(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(H
MDI)等の脂肪族又は脂環族のポリイソシアネート化
合物を採用することが望ましい。
【0029】ウレタン系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体樹脂との混合樹脂からなる第2の中間樹脂層1
3は、熱ラミネート時に加熱により溶融又は軟化して接
着力を発現するヒートシール剤としての機能を有するも
のであり、第1及び第2の熱可塑性樹脂シート11、1
5を熱ラミネートにより接着させる役割を果たす層であ
る。この樹脂に配合される塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体樹脂は優れたヒートシール性を有しており、樹脂設
計によりガラス転移点を種々に変化させてヒートシール
性能を調整することが可能であるが、本発明の目的には
100〜150℃程度で接着性を発現する樹脂設計とす
ることが適切である。
【0030】一方、ウレタン系樹脂は、第1及び第2の
熱可塑性樹脂シート11、15との間に介在するポリエ
ステル系ウレタン樹脂からなる第1及び第3の中間樹脂
層12、14との密着性を確保する役割を果たすもので
ある。このウレタン系樹脂は、前述した第1及び第3の
中間樹脂層12、14を構成するものと同様のポリエス
テル系ウレタン樹脂であっても良いし、その他のウレタ
ン樹脂、例えばポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリエー
テルエステル系ウレタン樹脂、アクリル系ウレタン樹
脂、ハイドロカーボン系ウレタン樹脂等であっても良い
が、中でも凝集力や耐熱性、耐候性等の観点からはポリ
エステル系ウレタン樹脂又はアクリル系ウレタン樹脂を
使用することが望ましい。ウレタン系樹脂の配合比率
は、混合樹脂100重量部中5〜30重量部程度とする
ことが望ましい。
【0031】本発明の積層シート1は、第2の中間樹脂
層13の必須構成成分として塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体樹脂を使用しているため、微量ながらも塩素を含
有していることは明白である。しかしながら、第1、第
2及び第3の中間樹脂層12、13、14はそれぞれ一
般に10μm以下、好ましくは0.5〜5μm程度の極
薄層に形成されるから、第1及び第2の熱可塑性樹脂シ
ート11、15として非塩素系の熱可塑性樹脂を使用し
た場合には、従来の塩素を含有するポリ塩化ビニル樹脂
シートを使用した積層シートとの比較において、塩素の
含有量は桁違いに少なく、燃焼時の塩化水素ガスやダイ
オキシン等の有害物質の発生量も著しく少ないから、焼
却などにおける環境負荷の軽減には大きく寄与すること
ができる。
【0032】これら第1、第2及び第3の中間樹脂層1
2、13、14の形成方法としては、例えばグラビア印
刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、
フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ドライオフセット
印刷法、凸版印刷法、インクジェット印刷法、静電印刷
法、転写印刷法等の従来公知の各種印刷法や、グラビア
コート法、マイクログラビアコート法、ロールコート
法、ロッドコート法、キスコート法、ナイフコート法、
エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート
法、コンマコート法、フローコート法、スプレーコート
法、ディップコート法等の従来公知の各種塗工法等の中
から任意に選択して実施することができる。
【0033】本発明の積層シート1においては、上記し
た第1、第2及び第3の中間樹脂層12、13、14の
内の少なくとも一つを、顔料を含有し絵柄状に形成され
た絵柄層とすることもできる。顔料としては通常の絵柄
印刷用の印刷インキ又は塗料等に配合されている通常の
顔料を使用することができ、絵柄状に形成する方法とし
ても、例えば上記した様な従来公知の各種の印刷法から
任意に選択して実施することができる。絵柄の種類にも
特に制限はなく、例えば木目柄、石目柄、布目柄、抽象
柄、幾何学模様、写真、絵画、文字又は記号等、或いは
それらの2種以上の組み合わせ等、所望により任意であ
る。
【0034】上記絵柄層は、第1、第2及び第3の中間
樹脂層12、13、14から選ばれる1つのみによって
構成されていても良いし、第1、第2及び第3の中間樹
脂層12、13、14から選ばれる2層ないし3層にそ
れぞれ別の色彩や柄を割り当てて全体として一つの絵柄
を構成する様にすることもできる。但し、これら各層の
内に面積率の極端に小さい層が存在すると、得られる積
層シート1に十分な層間密着性が得られなくなるので、
各層の面積率がいずれも少なくとも50%以上、より好
ましくは70%以上となる様に設計することが望まし
い。
【0035】具体的には、絵柄層とする層は黄・紅・藍
等の各色の印刷インキの刷り重ねによりほぼ全面を埋め
尽くす様にするか、或いは、柄としての面積率が低い層
には透明ベタ印刷(柄としての最下層であれば背景色と
しての着色ベタ印刷であっても良い)を併用する等の対
策が有効である。なお、これら3層の内の一部のみ(例
えば第1の中間樹脂層12のみ)を絵柄層とする場合に
は、その層より表面側に存在する層(例えば第2及び第
3の中間樹脂層13、14)は無色透明の層とすべきこ
とは言うまでもない。
【0036】以上の構成の本発明の積層シート1を製造
するに当たっては、第1及び第3の中間樹脂層12、1
4が第1及び第2の熱可塑性樹脂シート11、15と十
分に良く密着する様に、第1及び第3の中間樹脂層1
2、14は、第1及び第2の熱可塑性樹脂シート11、
15の積層前に、予めそれぞれの積層面に設けておくこ
とが望ましい。中間樹脂層13は、第1の熱可塑性樹脂
シート11の片面に設けた第1の中間樹脂層13上に設
けておいても良い(図3)し、逆に、第2の熱可塑性樹
脂シート12の片面に設けた第3の中間樹脂層14上に
設けておいても良く、また、両者を併用することで、更
に優れた層間密着性を得ることもできる。
【0037】斯くして予め各中間樹脂層12、13、1
4を片面に形成した第1及び第2の熱可塑性樹脂シート
11、15の積層方法としては、図3に示す様に、両者
をその各中間樹脂層12、13、14の形成面同士を向
けて重ね合わせて加熱しつつ押圧ロール21、22の間
を通すことによる、連続方式のロールラミネート法が、
生産性に優れており最も好適であるが、勿論本発明はこ
れに限定されるものではなく、第1及び第2の熱可塑性
樹脂シート11、15を平行平板状の熱盤間に挟んで押
圧する平圧プレス法や、第1及び第2の熱可塑性樹脂シ
ート11、15を平面状の定盤の上に載置した状態でそ
の上を円筒状の押圧ロールを転動させることで押圧する
円圧プレス法等、従来公知のあらゆる加圧方法を採用す
ることができる。
【0038】本発明の積層シート1を化粧シートとして
使用する場合には、通常の化粧シートにおける態様に準
じ、図2に示す様に、基材への積層面側とは反対側の第
2の熱可塑性樹脂シート15の表面にエンボスによる凹
凸模様16を施したり、第2の熱可塑性樹脂シート15
の保護や表面物性の向上、表面の艶調整等を目的として
トップコート層17を設けたり、基材への接着のための
接着剤との接着性を向上する目的で第1の熱可塑性樹脂
シート11の裏面にプライマー層18を設けておくこと
もできる。
【0039】エンボスによる凹凸模様16は、意匠性を
向上させることを目的とするものであり、所望により様
々な形状のものを施すことが可能である。具体的な形状
としては、例えば木目導管状、石目状、布目状、抽象柄
状、和紙状、スウェード状、皮革状、梨地又は砂目等の
艶消状、ヘアーライン状、平行直線群又は平行曲線群若
しくはそれらの組み合わせ等の幾何学模様状等を例示す
ることができる。なお、図2に示す例では、エンボスに
よる凹凸模様16は第2の熱可塑性樹脂シート15の表
面に施されているが、第1の熱可塑性樹脂シート11の
裏面に施しても良く、両者を併用することも勿論可能で
ある。
【0040】エンボスによる凹凸模様16は、第1及び
第2の熱可塑性樹脂シートの積層前に施しても積層後に
施しても良いが、それらの熱ラミネート時に、第2の熱
可塑性樹脂シート15側及び/又は第1の熱可塑性樹脂
シート11側の押圧ロール22及び/又は21又は押圧
板に代えて、エンボスロール23又はエンボス版を使用
することによって、熱ラミネートと同時にエンボス加工
を行う、いわゆるダブリングエンボス法(図4)による
と、エネルギーの無駄も少なくしかも生産性良く効率的
に製造することができる利点がある。
【0041】トップコート層17は、表面保護及び耐候
性の向上のために施されるものであって、必要不可欠と
いうものではない。その材質としては、例えばウレタン
系樹脂、アルキド系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系
樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等の熱硬化性樹脂や、
不飽和ポリエステル系樹脂又は(メタ)アクリレート系
樹脂等の電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂が使用さ
れる場合が多く、中でも、アクリルポリオールを主成分
とし、イソシアネート硬化剤を配合して硬化させる2液
硬化型アクリルウレタン系樹脂などが、耐傷付き性、耐
候性、可撓性等の面で好ましく用いられる。また必要に
応じて、例えば紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸
化防止剤等を添加して耐候性を向上させたり、アルミナ
又は炭化珪素等の硬質粒子からなる減摩剤を添加して耐
傷付き性や耐磨耗性を向上させたり、滑剤を添加して表
面の滑り性や耐粘着テープ性を向上させるなど、種々の
添加剤の添加により機能向上を図ることも任意である。
【0042】プライマー層18は、各種の化粧材用基材
への接着のための接着剤との密着性を向上させるために
施すものであり、特に不可欠というものではない。例え
ば化粧材用基材として最も一般的な木質系基材などへの
接着剤としては、酢酸ビニル系等のエマルジョン系接着
剤やウレタン系等の有機溶剤系接着剤などが挙げられる
が、プライマー層18の主体樹脂はその用途に応じた接
着剤に合わせて設計すれば良いものである。具体的に
は、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合体系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。また、
例えばシリカや硫酸バリウム等の無機質粉末を添加する
と、巻取保存時のブロッキングの防止や、投錨硬化によ
る接着力の向上などに有効である。
【0043】
【実施例】<実施例1>まず、厚さ0.07mmのポリ
プロピレン系樹脂製クリヤーシート(OWクリヤー;理
研ビニル工業株式会社製)の片面にコロナ放電処理後、
イソシアネート硬化型ポリエステル系ウレタン樹脂(U
RLSメジウム;東洋インキ製造株式会社製)をグラビ
ア塗工法にて乾燥後の塗布量1g/m2に塗工した。次
に、厚さ0.07mmのポリプロピレン系樹脂製着色シ
ート(OW;理研ビニル工業株式会社製)の両面にコロ
ナ放電処理後、片面にイソシアネート硬化型ポリエステ
ル系ウレタン樹脂をバインダーとし着色顔料を含有する
印刷インキ(URLSインキ;東洋インキ製造株式会社
製)を使用しグラビア印刷法にて下地着色ベタ層を含む
木目柄を印刷し、該印刷面に、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体樹脂80重量部とウレタン系樹脂20重量部と
の混合樹脂をグラビア塗工法にて乾燥後の塗布量1.5
g/m2に塗工し、更に他面に、シリカ粉末を含むウレ
タン系プライマー剤をグラビア塗工法にて乾燥後の塗布
量2g/m2に塗工してプライマー層を形成した。こう
して得られた2枚のシートを、クリヤーシートの樹脂塗
工面と着色シートの印刷面とを向かい合わせて、ダブリ
ングエンボス法(温度120℃)にて熱ラミネートする
と同時にクリヤーシート側の表面に木目導管模様のエン
ボスによる凹凸模様を施し、更に該エンボス面にコロナ
放電処理後、イソシアネート硬化型ウレタン系樹脂(U
Cクリヤー;大日本インキ化学工業株式会社製)を乾燥
後の塗布量5g/m2に塗工して、本発明の積層シート
である化粧シートを作製した。
【0044】<実施例2>まず、厚さ0.07mmのオ
レフィン系樹脂製クリヤーシート(出光石油化学株式会
社製のオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂を製膜)
の片面にコロナ放電処理後、イソシアネート硬化型ポリ
エステル系ウレタン樹脂(URLSメジウム;東洋イン
キ製造株式会社製)をグラビア塗工法にて乾燥後の塗布
量1g/m 2に塗工した。次に、厚さ0.09mmのポ
リプロピレン系樹脂製着色シート(OW;理研ビニル工
業株式会社製)の両面をコロナ放電処理後、片面にイソ
シアネート硬化型ポリエステル系ウレタン樹脂をバイン
ダーとし着色顔料を含有する印刷インキ(URLSイン
キ;東洋インキ製造株式会社製)を使用しグラビア印刷
法にて下地着色ベタ層を含む木目柄を印刷し、該印刷面
に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂80重量部と
ウレタン系樹脂20重量部との混合樹脂をグラビア塗工
法にて乾燥後の塗布量1.5g/m2に塗工し、更に他
面に、シリカ粉末を含むウレタン系プライマー剤をグラ
ビア塗工法にて乾燥後の塗布量2g/m 2に塗工してプ
ライマー層を形成した。こうして得られた2枚のシート
を使用して、以下、前記実施例1と同一の要領にてダブ
リングエンボス及びトップコート層の形成を行って、本
発明の化粧シートを作製した。
【0045】<実施例3>まず、厚さ0.07mmのポ
リプロピレン系樹脂製クリヤーシート(OWクリヤー;
理研ビニル工業株式会社製)の片面にコロナ放電処理
後、イソシアネート硬化型ポリエステル系ウレタン樹脂
(URLSメジウム)をグラビア塗工法にて乾燥後の塗
布量1g/m2に塗工した。次に、厚さ0.12mmの
アクリル樹脂製着色シートの片面に、イソシアネート硬
化型ポリエステル系ウレタン樹脂をバインダーとし着色
顔料を含有する印刷インキ(URLSインキ;東洋イン
キ製造株式会社製)を使用しグラビア印刷法にて下地着
色ベタ層を含む木目柄を印刷し、該印刷面に、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体樹脂90重量部とウレタン系樹
脂10重量部との混合樹脂をグラビア塗工法にて乾燥後
の塗布量1.5g/m2に塗工し、更に他面に、シリカ
粉末を含むウレタン系プライマー剤をグラビア塗工法に
て乾燥後の塗布量1g/m2に塗工してプライマー層を
形成した。こうして得られた2枚のシートを、クリヤー
シートの樹脂塗工面と着色シートの印刷面とを向かい合
わせて、ダブリングエンボス法(温度120℃)にて熱
ラミネートすると同時にクリヤーシート側の表面に木目
導管模様のエンボスによる凹凸模様を施し、更に該エン
ボス面にコロナ放電処理後、イソシアネート硬化型ウレ
タン系樹脂(URV;東洋インキ製造株式会社製)を乾
燥後の塗布量5g/m2に塗工して、本発明の積層シー
トである化粧シートを作製した。
【0046】<実施例4>まず、厚さ0.07mmのオ
レフィン系樹脂製クリヤーシート(出光石油化学株式会
社製のオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂を製膜)
の片面にコロナ放電処理後、イソシアネート硬化型ポリ
エステル系ウレタン樹脂(URLSメジウム;東洋イン
キ製造株式会社製)をグラビア塗工法にて乾燥後の塗布
量1g/m 2に塗工した。次に、厚さ0.07mmのポ
リエチレン系樹脂製着色シートの両面をコロナ放電処理
後、片面にイソシアネート硬化型ポリエステル系ウレタ
ン樹脂をバインダーとし着色顔料を含有する印刷インキ
(URLSインキ;東洋インキ製造株式会社製)を使用
しグラビア印刷法にて下地着色ベタ層を含む木目柄を印
刷し、該印刷面に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹
脂90重量部とウレタン系樹脂10重量部との混合樹脂
をグラビア塗工法にて乾燥後の塗布量1.5g/m2
塗工し、更に他面に、シリカ粉末を含むウレタン系プラ
イマー剤をグラビア塗工法にて乾燥後の塗布量1g/m
2に塗工してプライマー層を形成した。こうして得られ
た2枚のシートを使用して、以下、前記実施例1と同一
の要領にてダブリングエンボス及びトップコート層の形
成を行って、本発明の化粧シートを作製した。
【0047】<実施例5>まず、厚さ0.07mmのオ
レフィン系樹脂製クリヤーシート(出光石油化学株式会
社製のオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂を製膜)
の片面にコロナ放電処理後、イソシアネート硬化型ポリ
エステル系ウレタン樹脂(URLSメジウム;東洋イン
キ製造株式会社製)をグラビア塗工法にて乾燥後の塗布
量1g/m 2に塗工した。次に、厚さ0.07mmのポ
リプロピレン系樹脂製着色シート(OW;理研ビニル工
業株式会社製)の両面にコロナ放電処理後、片面にイソ
シアネート硬化型ポリエステル系ウレタン樹脂(URL
Sメジウム;東洋インキ製造株式会社製)をグラビア塗
工法にて乾燥後の塗布量1g/m2に塗工し、該樹脂塗
工面に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂80重量
部とウレタン系樹脂20重量部との混合樹脂をバインダ
ーとし着色顔料を含む印刷インキを使用しグラビア印刷
法にて下地着色ベタ層を含む木目柄を印刷し、更に他面
に、シリカ粉末を含むウレタン系プライマー剤をグラビ
ア塗工法にて乾燥後の塗布量1g/m2に塗工してプラ
イマー層を形成した。こうして得られた2枚のシートを
使用して、以下、前記実施例1と同一の要領にてダブリ
ングエンボス及びトップコート層の形成を行って、本発
明の化粧シートを作製した。
【0048】<実施例6>まず、厚さ0.07mmの非
結晶性1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリ
エステル樹脂製クリヤーフィルム(リベスター;理研ビ
ニル工業株式会社製)の片面に、イソシアネート硬化型
ポリエステル系ウレタン樹脂(URLSメジウム;東洋
インキ製造株式会社製)をグラビア塗工法にて乾燥後の
塗布量1g/m2に塗工した。次に、厚さ0.07mm
のポリプロピレン系樹脂製着色シート(OW;理研ビニ
ル工業株式会社製)の両面にコロナ放電処理後、片面に
イソシアネート硬化型ポリエステル系ウレタン樹脂をバ
インダーとし着色顔料を含有する印刷インキ(URLS
インキ;東洋インキ製造株式会社製)を使用しグラビア
印刷法にて下地着色ベタ層を含む木目柄を印刷し、更に
該印刷面に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂90
重量部とウレタン系樹脂10重量部との混合樹脂をグラ
ビア塗工法にて乾燥後の塗布量1.5g/m2に塗工し
た。こうして得られた2枚のシートを、クリヤーシート
の樹脂塗工面と着色シートの印刷面とを向かい合わせ
て、ダブリングエンボス法(温度120℃)にて熱ラミ
ネートすると同時にクリヤーシート側の表面に木目導管
模様のエンボスによる凹凸模様を施し、更に該エンボス
面にイソシアネート硬化型ウレタン系樹脂(UCクリヤ
ー;大日本インキ化学工業株式会社製)を乾燥後の塗布
量5g/m2に塗工して、本発明の積層シートである化
粧シートを作製した。
【0049】<比較例1>前記実施例1において、クリ
ヤーシートの片面へのイソシアネート硬化型ポリエステ
ル系ウレタン樹脂の塗工と、着色シートの印刷面への塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂とウレタン系樹脂と
の混合樹脂の塗工とを省略し、その他は前記実施例1と
全く同一の要領にて積層シートである化粧シートを作製
した。
【0050】<比較例2>前記実施例1において、クリ
ヤーシートの片面へのイソシアネート硬化型ポリエステ
ル系ウレタン樹脂の塗工を省略し、その他は前記実施例
1と全く同一の要領にて積層シートである化粧シートを
作製した。
【0051】<比較例3>前記実施例1において、着色
シートの印刷面への塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹
脂とウレタン系樹脂との混合樹脂の塗工を省略し、その
他は前記実施例1と全く同一の要領にて積層シートであ
る化粧シートを作製した。
【0052】<性能比較>上記実施例1〜6及び比較例
1〜3の化粧シートについて、剥離強度試験及び耐熱ク
リープ試験を行い、性能を比較した。但し、剥離強度試
験は、引張試験機を使用し剥離速度50mm/minの
条件にてクリヤーシートと着色シートとの180度剥離
強度を測定し、耐熱クリープ試験は、70℃雰囲気中で
の500g荷重で1時間経過後、着色シートからのクリ
ヤーシートのT字型剥離距離を測定した。
【0053】
【0054】以上のように、本発明によれば、オレフィ
ン系樹脂を中心とした非塩化ビニル系の熱可塑性樹脂か
らなる積層シートに、熱ラミネート法によって十分な密
着性及び耐熱密着性を発現させることができることが示
された。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の積層シート
及びその製造方法によれば、ポリ塩化ビニル樹脂以外の
熱ラミネート適性に劣る熱可塑性樹脂からなる積層シー
トであっても、十分な密着性を確保しつつ熱ラミネート
法により簡便に製造することが可能となり、以てポリ塩
化ビニル代替熱可塑性樹脂製の積層シート製品を、多品
種少量生産への対応も容易な簡便な製造方法により、生
産性良く効率的且つ安価に製造することができるので、
地球環境保護への対応が強く要請される現代にあって
は、産業界の発展に貢献するところ頗る大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層シートの実施の形態を示す模式断
面図である。
【図2】本発明の積層シートの実施の形態を示す模式断
面図である。
【図3】本発明の積層シートの製造方法の実施の形態を
示す概略工程図である。
【図4】本発明の積層シートの製造方法の実施の形態を
示す概略工程図である。
【符号の説明】
1・・・積層シート 11・・第1の熱可塑性樹脂シート 12・・第1の中間樹脂層 13・・第2の中間樹脂層 14・・第3の中間樹脂層 15・・第2の熱可塑性樹脂シート 16・・エンボスによる凹凸模様 17・・トップコート層 18・・プライマー層 21・・押圧ロール 22・・押圧ロール 23・・エンボスロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 努 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01E AK03A AK03E AK07A AK15C AK15J AK22C AK22J AK41A AK41E AK51B AK51C AK51D AL01C AL05C BA05 BA07 BA15 CA13B CA13C CA13D EC032 EG001 EH461 EJ192 EJ402 EJ422 EJ551 EJ861 GB08 GB48 GB81 HB00B HB00C HB00D HB21A HB21E JB16A JB16E JK06 4J002 BD08X CK03W CK04W CK05W FD096 GC00 GF00 GL00 GQ00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の熱可塑性樹脂シートに、ポリエステ
    ル系ウレタン樹脂からなる第1の中間樹脂層と、ウレタ
    ン系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂との混
    合樹脂からなる第2の中間樹脂層と、ポリエステル系ウ
    レタン樹脂からなる第3の中間樹脂層とを順次介在させ
    て、第2の熱可塑性樹脂シートを積層してなることを特
    徴とする積層シート。
  2. 【請求項2】前記第1、第2及び第3の中間樹脂層の内
    の少なくとも一つが、顔料を含有し絵柄状に形成された
    絵柄層であることを特徴とする請求項1に記載の積層シ
    ート。
  3. 【請求項3】前記第1及び第2の熱可塑性樹脂シートの
    それぞれが、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系
    樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    積層シート。
  4. 【請求項4】前記第1及び第2の熱可塑性樹脂シートの
    内の少なくとも一方の外表面に、エンボスによる凹凸模
    様が施されていることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の積層シート。
  5. 【請求項5】第1の熱可塑性樹脂シートの片面にポリエ
    ステル系ウレタン樹脂からなる第1の中間樹脂層を設
    け、第2の熱可塑性樹脂シートの片面にポリエステル系
    ウレタン樹脂からなる第3の中間樹脂層を設けると共
    に、第1の熱可塑性樹脂シートの片面の第1の中間樹脂
    層上及び/又は第2の熱可塑性樹脂シートの片面の第3
    の中間樹脂層上に、ウレタン系樹脂と塩化ビニル−酢酸
    ビニル共重合体樹脂との混合樹脂からなる第2の中間樹
    脂層を設け、しかる後、第1の熱可塑性樹脂シートの第
    1の中間樹脂層側の面と、第2の熱可塑性樹脂シートの
    第3の中間樹脂層側の面とが接する様に重ね合わせて熱
    ラミネートすることを特徴とする積層シートの製造方
    法。
  6. 【請求項6】前記第1、第2及び第3の中間樹脂層の内
    の少なくとも一つが、顔料を含有し絵柄状に形成された
    絵柄層であることを特徴とする請求項5に記載の積層シ
    ートの製造方法。
  7. 【請求項7】前記第1及び第2の熱可塑性樹脂シートの
    それぞれが、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系
    樹脂からなることを特徴とする請求項5又は6に記載の
    積層シートの製造方法。
  8. 【請求項8】前記第1及び第2の熱可塑性樹脂シートの
    熱ラミネートと同時に、前記第1及び第2の熱可塑性樹
    脂シートの内の少なくとも一方の外表面に、エンボスに
    より凹凸模様を施すことを特徴とする請求項5〜7のい
    ずれかに記載の積層シートの製造方法。
JP2000323696A 2000-10-24 2000-10-24 積層シート及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5073131B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000323696A JP5073131B2 (ja) 2000-10-24 2000-10-24 積層シート及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000323696A JP5073131B2 (ja) 2000-10-24 2000-10-24 積層シート及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002127345A true JP2002127345A (ja) 2002-05-08
JP5073131B2 JP5073131B2 (ja) 2012-11-14

Family

ID=18801333

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000323696A Expired - Fee Related JP5073131B2 (ja) 2000-10-24 2000-10-24 積層シート及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5073131B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013177002A (ja) * 2008-03-25 2013-09-09 Three M Innovative Properties Co 多層物品並びにその多層物品の製造及び使用方法
JP2018149732A (ja) * 2017-03-13 2018-09-27 凸版印刷株式会社 化粧シート及び化粧板
JP2020070040A (ja) * 2018-10-30 2020-05-07 凸版印刷株式会社 包装材、包装材の製造方法、包装袋、包装体の製造方法、及びメジューム層形成用組成物

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05148379A (ja) * 1991-11-27 1993-06-15 C I Kasei Co Ltd 化粧シート用ポリエステルフイルム
JPH11240124A (ja) * 1998-02-24 1999-09-07 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
JP2000177063A (ja) * 1998-12-21 2000-06-27 Dainippon Printing Co Ltd ブロー成形同時加飾用シート及び加飾ブロー成形品

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05148379A (ja) * 1991-11-27 1993-06-15 C I Kasei Co Ltd 化粧シート用ポリエステルフイルム
JPH11240124A (ja) * 1998-02-24 1999-09-07 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
JP2000177063A (ja) * 1998-12-21 2000-06-27 Dainippon Printing Co Ltd ブロー成形同時加飾用シート及び加飾ブロー成形品

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013177002A (ja) * 2008-03-25 2013-09-09 Three M Innovative Properties Co 多層物品並びにその多層物品の製造及び使用方法
US8992718B2 (en) 2008-03-25 2015-03-31 3M Innovative Properties Company Multilayer articles and methods of making and using the same
JP2018149732A (ja) * 2017-03-13 2018-09-27 凸版印刷株式会社 化粧シート及び化粧板
JP2020070040A (ja) * 2018-10-30 2020-05-07 凸版印刷株式会社 包装材、包装材の製造方法、包装袋、包装体の製造方法、及びメジューム層形成用組成物
JP7215082B2 (ja) 2018-10-30 2023-01-31 凸版印刷株式会社 包装材、包装材の製造方法、包装袋、包装体の製造方法、及びメジューム層形成用組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP5073131B2 (ja) 2012-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106660300B (zh) 压花的和热熔层压的多层复合膜
KR100876787B1 (ko) 바닥재용 화장 시트 및 이를 이용한 바닥용 화장재
EP2739485B1 (en) Graphic article
JP2000289162A (ja) 化粧シート
JP2006321241A (ja) 化粧シート
JP3864456B2 (ja) 化粧シート
JP2000326458A (ja) 化粧シート
JP3633367B2 (ja) 化粧シート
JP2000085076A (ja) 化粧シート
JP2003181996A (ja) 化粧シート及び化粧材
JP6413699B2 (ja) 同調グロスマット化粧シート、同調グロスマット化粧材および同調グロスマット化粧シートの製造方法
JP2002113834A (ja) 化粧シート及び化粧材
JP2002127345A (ja) 積層シート及びその製造方法
JPH08230113A (ja) 化粧シート及びその製造方法
JP3641946B2 (ja) 化粧シート
JP4329277B2 (ja) 化粧シート
JP4918933B2 (ja) 化粧シート
JP4857455B2 (ja) 耐候性に優れた化粧材
JP4992564B2 (ja) 化粧シート
JP4248728B2 (ja) 化粧シートの製造方法
JP4154767B2 (ja) 化粧シート
JP3802265B2 (ja) 化粧材
JP2008033331A (ja) 広告用シート
JP2001287324A (ja) 化粧シート
JP2002113995A (ja) 化粧シート及び化粧材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100420

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120507

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees