JP2000085072A - 化粧シ―トおよび木質化粧板 - Google Patents

化粧シ―トおよび木質化粧板

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JP2000085072A
JP2000085072A JP11198167A JP19816799A JP2000085072A JP 2000085072 A JP2000085072 A JP 2000085072A JP 11198167 A JP11198167 A JP 11198167A JP 19816799 A JP19816799 A JP 19816799A JP 2000085072 A JP2000085072 A JP 2000085072A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】木質板との密着性、製造時の耐ブロッキング
性、印刷塗工適性及び耐候性に優れる化粧シート、並び
に該化粧シートを木質板上に貼着してなる木質化粧板を
提供する。 【解決手段】高密度ポリエチレン又はアイソタクチック
ポリプロピレン及びゴムを含有する樹脂組成物から形成
された透明基材シートと、前記透明基材シート上に積層
された透明アクリル系樹脂シートと、前記透明基材シー
ト又は前記透明アクリル樹脂シートの少なくとも一方の
シート表面に裏面が透視可能に設けられた木目絵柄層と
を有する化粧シートであって、前記透明基材シートと木
目絵柄層との間に、アクリルウレタン系樹脂を含有する
プライマー層をさらに有する化粧シート、及び該化粧シ
ートを木質板に貼着してなる木質化粧板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具、建具等の建
材の表面装飾材料として有用な木目絵柄が施された化粧
シート及び該化粧シートが木質合板等の被着体上に貼着
された木質化粧板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、木質化粧シートとして、着色
透明ポリ塩化ビニル(PVC)フィルムに,必要に応じ
て木目絵柄印刷層や木目導管エンボス加工、ワイピング
加工等が施された化粧シートが知られている。
【0003】しかしこの種の化粧シートは耐候性が劣る
ものであり、特に陽の当たる場所で内装材として使用す
る場合や準外装用途には適さないものであった。またポ
リ塩化ビニルを用いるものであるため、廃棄、焼却時に
塩素系ガスが発生するという環境上の問題もあった。
【0004】そこで、非ポリ塩化ビニル系フィルムであ
る透明ポリオレフィン系フィルム上に、ウレタン樹脂か
らなるプライマー層を介して、透明アクリルフィルムを
積層し、必要に応じて絵柄印刷層、エンボス加工、ワイ
ンピング加工等を施した化粧シートが登場してきた。
【0005】一方、木質化粧板としては、ムク、突板あ
るいは集成材等にウレタン塗装が施された木質化粧板等
が知られている(実開昭63−93132号公報等)。
しかし、この化粧板は耐候性に劣るものであり、また製
造時の歩留りが悪く、製造上の問題があった。
【0006】そこで、かかる問題を解決すべく、木質合
板等の被着体上にポリオレフィン系樹脂からなる化粧シ
ートを接着剤を用いて貼着する木質化粧板が提案されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記ポリオレ
フィン系樹脂を用いる化粧シート及び該化粧シートを用
いる木質化粧板には、次のような問題が残った。
【0008】即ち、ポリオレフィン系樹脂を用いる化粧
シートは、非ポリ塩化ビニル系樹脂であり、廃棄、焼却
により塩化水素等の塩素系ガスの発生の少ないものであ
るが、耐候性に劣るものであるため、特に陽の当たる場
所で内装材として使用する場合や準外装材として用いる
場合には問題となる。
【0009】また、ポリオレフィン系樹脂の化粧シート
を用いる化粧板の場合には、該化粧シートを木質合板に
貼着するときに、酢酸ビニル系樹脂の水分散エマルジョ
ン等からなる塩化ビニル樹脂用の接着剤では密着しにく
いという問題がある。
【0010】そこで、予めポリオレフィン系樹脂シート
の裏面に、コロナ放電処理の上、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体からなる易接着プライマー層(易接着処理
層)を設けた化粧シートが試作された。
【0011】しかしながら、塩化ビニル樹脂用の接着剤
を用いることにより、易接着プライマー層と木質合板と
の密着性は良くなるものの、ポリオレフィン系樹脂シー
トと易接着プライマー層との密着力が乏しく、結局、被
着体(木質合板)との十分な密着性が得られなかった。
その上、絵柄印刷を施す際に、印刷して巻き取った化粧
シートの裏面と印刷面とが癒着する現象(ブロッキン
グ)しやすいという新たな問題も生じた。
【0012】この為、このブロッキング防止を目的とし
て、易接着プライマー層中に体質顔料を添加したとこ
ろ、シリカが最も効果的であるが、その粒径が大きい為
にシリカを多量に添加すると印刷塗工適性が不良とな
り、また層間強度、即ち接着力も低下してしまうこと、
その一方、シリカの添加量が少ない場合には、耐ブロッ
キング性が十分に得られないことがわかった。
【0013】そこで、シリカの代替として沈降性硫酸バ
リウムや炭酸カルシウムを用いることが試みられた。し
かし、沈降性硫酸バリウムや炭酸カルシウムはシリカに
比してその粒径が小さい為に、耐ブロッキング性の向上
効果に乏しく、また、これを解決するために沈降性硫酸
バリウムや炭酸カルシウムを多量に添加すると、やはり
密着不良をおこすという問題が発生した。
【0014】このように、ポリオレフィン系樹脂シート
を用いる化粧シートは、木質合板等の被着体との密着性
に乏しい為に、易接着性プライマー層を裏面に形成した
構成が望ましいことがわかったが、密着性と耐ブロッキ
ング性、及び印刷塗工適性等をすべて満足させることは
困難であった。
【0015】本発明は、かかる実状からなされたもので
あり、その目的とするところは、ポリオレフィン系樹脂
を用いる化粧シートであって、木質板との密着性に優
れ、かつ、製造時の耐ブロッキング性、印刷塗工適性及
び耐候性に優れる化粧シート、並びに該化粧シートを木
質板上に貼着してなる木質化粧板を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明は、第1に、ポリオレフィン系樹脂シートとし
て、特に高密度ポリエチレン又はアイソタクチックポリ
プロピレン及びゴムを含有する透明基材シートを用い、
該透明基材シート上に積層された透明アクリル系樹脂シ
ートと、前記透明基材シート又は前記透明アクリル樹脂
シートの少なくとも一方のシート表面に裏面が透視可能
に設けられた木目絵柄層とを有する化粧シートであっ
て、前記透明基材シートと木目絵柄層との間に、アクリ
ルウレタン系樹脂を含有するプライマー層をさらに有す
る化粧シートを提供する。
【0017】また、本発明の化粧シートは、前記透明基
材シートの裏面に易接着処理層を有しているのが好まし
く、前記易接着処理層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体系樹脂をバインダーとして、かつ体質顔料を含有し
ているのがより好ましい。
【0018】また、本発明の化粧シートは、前記木目絵
柄層とアクリル樹脂シートの間の、感熱接着剤剤層をさ
らに有していてもよい。
【0019】また、本発明は、第2に、木質板上に前記
化粧シートが貼着された木質化粧板を提供する。
【0020】本発明の化粧シートは、木質板との密着性
に優れ、かつ耐候性に優れるものであるので、内装用途
は勿論のこと、準外装用途或いは外装用途としても用い
ることができる。また、本発明の化粧シートは、製造時
の耐ブロッキング性、印刷塗工適性に優れるものであ
り、高品質なものを歩留り良く製造することができる。
【0021】また、本発明の木質化粧板は、本発明の化
粧シートを木質板上に貼着してなる。従って、密着性及
び耐候性に優れ、内装用は勿論のこと、準外装用或いは
外装用としても用いることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の化粧シート及び木
質化粧板を詳細に説明する。本発明の化粧シートの透明
基材シート材料は、透明性の高いものであって、高密度
ポリエチレン及びゴム、又はアイソタクチックポリプロ
ピレン及びゴムを含有する樹脂組成物から形成されてな
る。
【0023】高密度ポリエチレンはエチレン重合体であ
って、比重が0.941〜0.965程度のものであ
る。また、アイソタクチックポリプロピレンは、アイソ
タクチック構造を有し、結晶性が高く、密度0.92g
/cm3 程度、2次転移点160〜170℃のプロピレ
ン重合体をいう。例えば、プロピレンをチーグラー・ナ
ッタ触媒を用い、n−ヘプタン中で重合させることによ
り得ることができる。これら高密度ポリエチレン及びア
イソタクチックポリプロピレンは、非塩化ビニル系樹脂
であり、透明性、成形性、折り曲げ加工性に優れる。
【0024】前記樹脂組成物には、柔軟性、耐衝撃性、
易接着性を付与するために、各種ゴム類をさらに添加す
る。
【0025】添加するゴム類としては、ジエン系ゴム、
水素添加ジエン系ゴム、オレフィン系エラストラマー等
があるが、中でも、水素添加ジエン系ゴムが好ましい。
水素添加ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム分子の二重結合
の少なくとも一部分に水素原子を付加させてなるもの
で、本発明においては、高密度ポリエチレン及びアイソ
タクチックポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の結晶
化を抑え、柔軟性、透明性を向上させる役割を有する。
【0026】また、一般に、前記オレフィン系樹脂にジ
エン系ゴムを添加するとジエン系ゴムの二重結合の為、
耐候性、耐熱性はジエン系ゴム無添加のポリオレフィン
系樹脂より低下するが、ジエン系ゴムの二重結合を水素
で飽和させたものを用いる場合には、前記高密度ポリエ
チレン及びアイソタクチックポリプロピレン等のオレフ
ィン系樹脂の耐候性、耐熱性の低下もなく、良好なもの
となる。
【0027】ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、
ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン−ブタジエン
ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンンゴム、アクリロ
ニトリル−イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム
等がある。本発明の目的からは、特に、スチレン−ブタ
ジエンゴムが好ましい。
【0028】ゴムの添加量は、高密度ポリエチレン又は
アイソタクチックポリプロピレン100重量部に対し、
1〜90重量部が好ましく、5〜70重量部程度がより
好ましい。1重量部未満では、ゴム添加による弾性、伸
び率、衝撃性が不足し、Vカット加工、絞り加工等の折
り曲げ加工時に亀裂、割れを生じ易くなる。又、90重
量部超過の場合には、弾性、及び伸び率が大きくなりす
ぎ、印刷等の見当合わせが不良となる。
【0029】前記樹脂組成物中には、無機充填剤がさら
に添加されてもよい。無機充填剤としては透明性の高い
もの、例えば、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、アル
ミナ、雲母、石英又はシリカ、ガラス等の平均粒径0.
1〜10μm程度の微粒子を挙げることができる。
【0030】無機充填剤は添加しない方が、透明性に優
れた基材シートが得られるので、天然木からなる木質板
上に化粧シートを貼着した際に天然木の照り等の意匠性
を発現させ易くなる点で好ましいが、無機充填剤を添加
する場合には、基材シートの耐クリープ変形性、易接着
性等の物性を改良する効果を得ることができる。
【0031】目的で前記無機充填剤の添加量は、高密度
ポリエチレン又はアイソタクチックポリプロピレン10
0重量部に対し、5〜50重量部程度が好ましい。5重
量部未満では、耐クリープ変形性、易接着性等の効果が
不十分であり、又、50重量部超過の場合には、引張強
度、耐衝撃性及び伸度が不足し、又透明性が低下する。
【0032】また、前記樹脂組成物中には、必要に応
じ、他の充填剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、各種着色顔料
を添加することもできる。着色顔料としては、形成する
基材シートの透明性が維持される限りにおいて、後述す
る物の中から選択、使用することができる。
【0033】本発明の化粧シートの透明基材シートは、
上記樹脂組成物を用いて、カレンダー法、インフレーシ
ョン法、Tダイ押出し法などの公知の製膜方法によっ
て、形成することができる。前記透明基材シート層の厚
さは20〜300μm程度が好ましい。
【0034】透明基材シートとしては、延伸シート、未
延伸シートのいずれも使用可能であるが、Vカット加工
時の成形適性上は未延伸のものの方が良好である。
【0035】また、前記透明基材シートのいずれか一方
若しくは両面には、好ましくは、コロナ放電処理、プラ
ズマ処理、オゾン処理等を行って、基材シート表面に水
酸基、カルボキシル基等の活性水素を持った極性官能基
を付与することにより、プライマー層或いはその他の層
との接着性を向上させるのが好ましい。
【0036】特に、プライマー層中には、後述するよう
にイソシアネート基を含ませる為、このような構成とす
ることにより、プライマー層中のイソシアネート基と透
明基材シート表面の極性官能基の活性水素とがウレタン
結合によって結合し、プライマー層と透明基材シート間
の密着性を高めることができる。
【0037】本発明の化粧シートにおいては、前記透明
基材シート上に、基材シートと木目絵柄層間の密着性を
向上させる為にプライマー層を形成する。
【0038】前記プライマー層は、アクリルウレタン系
樹脂を主成分とする樹脂からなるのが好ましい。アクリ
ルウレタン樹脂は、アクリルポリオールを主剤とし、イ
ソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂で
ある。一般的に、アクリルウレタン樹脂は、他のポリエ
ステルポリオール、ポリエーテルポリオールを用いるウ
レタン樹脂よりも耐化学薬品性及び耐候性に優れてい
る。
【0039】アクリルポリオールは、水酸基を持つアク
リル単量体とアクリル酸エステルとの共重合アクリル樹
脂である。一般にラジカル溶液重合で合成され、水酸基
価、分子量、ガラス転移温度(Tg)のそれぞれをかな
り自由に調節できる。
【0040】イソシアネートとしては、分子中に2個以
上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用
いられる。かかるイソシアネートとして、例えば、2,
4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネ
ート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の
芳香族イソシアネート類、或いはヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ト
リレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジ
イソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環族)イソシアネ
ートが用いられる。或いは、上記各種イソシアネートの
付加体又は多量体を用いる事もできる。例えば、トリレ
ンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネー
トの3量体等がある。
【0041】アクリルウレタン樹脂としては、ポリオー
ルに過剰のジイソシアネートを反応させて末端に有利の
イソシアネート基を残し、湿気(空気中の水分など)に
よりイソシアネート基が反応し硬化する1液硬化型アク
リルウレタン樹脂、アクリルポリオールとイソシアネー
トとを使用時に、適当な触媒を加えて硬化させる2液硬
化型アクリルウレタン樹脂、室温でもイソシアネート基
を適当な化合物で保護(ブロックイソシアネート)して
おき、加熱によりイソシアネート基が再生して、硬化さ
せる熱硬化1液アクリルウレタン樹脂等がある。
【0042】これらの内、特に2液硬化型のアクリルウ
レタン系樹脂の使用が好ましい。即ち、イソシアネート
としてヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等
の脂肪酸(乃至は脂肪族)イソシアネートを、ポリオー
ルとしてアクリルポリオールを使用すると、耐光密着性
に優れたものを得ることができる。
【0043】尚、2液硬化型ウレタン樹脂の場合のより
好ましい態様として、イソシアネート中のイソシアネー
ト基(−NCO基)の数(モル数)をそれと反応させる
ポリオールの水酸基(−OH基)の数(反応当量)より
も多くし、ポリオールとイソシアネートとが反応した後
でも未反応のイソシアネート基を確実に、しかも多数残
留させるものがある。この場合、−NCO基/−OH基
の比は、最大1.4程度迄とする。
【0044】前記プライマー層の厚みは、1μm〜10
μm程度が好ましい。1μm未満では、プラマー層を形
成する効果に乏しく、一方、あまりに厚くなりすぎる
と、化粧シートの加工性に問題が生じたり、剥がれが生
じ易くなる。
【0045】なお、本発明の化粧シートにおいては、前
記基材シート上に、基材シートと絵柄印刷層間の密着性
を向上させる為に、該プライマー層の上に、さらにベタ
インキ層を設けることもできる。前記ベタインキ層は、
下地の色を調整するために全面に着色透明層として設け
るもので、透明インキで着色を施すことが好ましい。
【0046】本発明の化粧シートは、前記プライマー層
の上に、木目絵柄層を介しあるいは直接に透明アクリル
系樹脂シート(又は、透明アクリル系樹脂からなる層)
を有する。透明アクリル系樹脂としては、メタクリル酸
エステル又はアクリル酸エステル(以下、両方を包括し
て、「(メタ)アクリル酸エステル」と表記する)の重
合体を例示することができる。
【0047】前記(メタ)クリル酸エステルとしては、
例えば、(メタ)クリル酸メチル、(メタ)クリル酸エ
チル、(メタ)クリル酸プロピル、(メタ)クリル酸イ
ソプロピル、(メタ)クリル酸ブチル等がある。
【0048】前記アクリル系樹脂シートを構成するアク
リル系樹脂としては、これらから選んだ1種以上の単量
体(又はそのプレポリマー)の単独重合体、又はこれら
2種以上の共重量体からなるものを用いことができる。
アクリル系樹脂は、耐候性、透明性、対衝撃性に優れて
いる。
【0049】アクリル系樹脂シートの厚さは、好ましく
は25〜100μm程度であり、延伸シート、未延伸シ
ートのいずれも使用可能であるが、Vカット加工時の成
形適性上は未延伸のものの方が良好である。
【0050】本発明の化粧シートは、前記透明基材シー
ト又は前記透明アクリル樹脂シートの少なくとも一方の
シート表面に、裏面が透視可能に設けられた木目絵柄層
を有する。木目絵柄層は、化粧シートの表面、裏面、表
裏両面、或いは層間に設けることができる。
【0051】木目絵柄層を設ける方法としては、例え
ば、必要に応じて木目の基調色になる様に、顔料(又は
染料)添加により着色された前記透明基材シートに木目
絵柄を設け、公知の印刷法で設ける方法等がある。
【0052】添加される顔料としては、チタン白、亜鉛
華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カー
ボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザ
イエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、
フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニ
ンリンブラック等の有機顔料(或いは染料を含む。)、
アルミニウム、真鍮等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲
母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)
顔料等がある。顔料添加による着色の場合は、透明着色
である必要がある。その為、これらの中から適当な添加
量及び材料を選定する。
【0053】木目絵柄は、グラビア印刷、オフセット印
刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷
等の公知の印刷法を用いてインキ(或いは塗料)にて形
成することができる。
【0054】木目絵柄としては、杉、檜、欅、松等所望
の樹種の木目板の絵柄を選ぶが、裏面を透視可能である
様に形成する。その為には、例えば透明性の高いインキ
で印刷する、或いは木目のうち一部分(例えば冬材部分
のみ、導管溝のみ等)のみ印刷する等の手段による。木
目絵柄は、あくまでの木質板自体の木目意匠の不足分を
補うだけの絵柄があれば良い。
【0055】インキ或いは塗料としては、バインダーと
して、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の
塩素化ポリオレフィン、ポリエステル樹脂、ウレタン樹
脂、アクリル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、
セルロース系樹脂等を用いることができ、これらの一種
又は二種以上を混合して使用する。これに、前記列挙し
た顔料を添加したものを使用することができる。
【0056】基材シート表面に直接木目絵柄を印刷する
場合には、バインダーとして塩素化ポリオレフィン、ウ
レタン樹脂等が接着性の点で好ましいが、易接着プライ
マーを適当に選択して層を形成すれば、その他のバイン
ダーを用いても十分な接着性を付与することができる。
【0057】また、本発明の化粧シートにおいては、透
明アクリル樹脂シートは、前記基材シート上に直接ラミ
ネートすることもでき、その場合には、木目絵柄層上に
感熱接着剤層を設けるのが好ましい。感熱接着剤層は、
アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等を用
いて、グラビア印刷法、或いはロールコート法等の既存
の方法で形成することができる。また、層間密着性を向
上させるために、基材シート上に、さらに接着剤層を形
成して積層することもできる。
【0058】該接着剤の樹脂系及び接着法としては、
接着剤を熔融押出(エクストルージョンコート法)で基
材シートと透明アクリル樹脂シートの層間に塗工し、冷
却前に両者を積層する方法、或いは、ポリエステル系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化
性樹脂に、必要に応じて、イソシアネート、アミン等の
架橋剤、メチルエチルケトンパーオキサイド、ハイドロ
パーオキサイド、アザビスイソブチロニトリル等の重合
開始剤、ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリン等の重
合促進剤等を添加した接着剤を、基材シートと透明アク
リル樹脂シートの層間にロールコータ等で塗工し、両層
をドライラミネートする方法等を採用することができ
る。接着剤層の厚さは通常10〜30μm程度とする。
【0059】これらのうち、耐熱性を改良する意味で、
ポリウレタンをベースに、イソシアネート基を付与した
タイプの接着剤、即ち、非結晶性のポリエステルポリオ
ールに、過剰のポリイソシアネートを反応させ、末端が
イソシアネート基となっているプレポリマーを主成分と
するものが好ましい。
【0060】前記ウレタン系樹脂接着剤は、例えば、ポ
リオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化
剤)とするウレタン樹脂を主成分とするものである。
【0061】ポリオールとしては、分子中に2個以上の
水酸基を有するもので、例えば、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、
ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポ
リカーボネートポリオール等が用いられる。また、イソ
シアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネー
ト基を有する多価イソシネートが用いられる。
【0062】本発明の化粧シートにおいては、透明アク
リル系樹脂シート(又は透明アクリル系樹脂層)、プラ
イマー層或いは接着剤層中に、耐候性の向上を図る目的
で紫外線吸収剤を含有させることができる。該紫外線吸
収剤としては、公知のものの中から、より紫外線で劣化
し易いポリオレフィンの劣化を引き起こす280〜45
0nm領域の紫外線を吸収しうるものを任意に選択する
ことができる。
【0063】前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベン
ゾフェノン系、サリチレート系、ベンゾトリアゾール
系、アクリロニトリル系等の各紫外線吸収剤を挙げるこ
とができる。例えば、分子中にOH基を有する有機系の
化合物として、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−
ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert
−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ter
t−アミル−5’−イソブチルフェニル)−5−クロロ
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−
イソブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソ
ブチル−5’−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール等の2’−ヒドロキシフェニル−5−クロ
ロベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、
【0064】2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ
−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール等の2’−ヒドロキシフェニルベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤等のベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤、
【0065】2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン、2、2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジ
メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラ
ヒドロキシ−4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン等の2−ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤等
のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニ
ル、4−tert−ブチルフェニルサリチレート等のサ
リチル酸エステル系紫外線吸収剤等を用いることができ
る。
【0066】また、その他に、吸収波長と着色性の問題
を考慮して、ベンゾトリアゾール骨格にアクリロイル基
又はメタクリロイル基を導入した反応型紫外線吸収剤等
を用いることも好ましい。
【0067】さらに、本発明の化粧シートの基材シー
ト、アクリル系樹脂シート、接着剤層等には、耐候性の
付与(又は向上)、即ち、日光による変褪色、亀裂、白
化、強度劣化等の防止のため、各種のアミン系ラジカル
捕捉剤を添加することができる。
【0068】ラジカル捕捉剤としては、例えば、ビス−
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)
セバケート、特公平4−82625号公報に開示されて
いる化合物等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピ
ペリジル系ラジカル捕捉剤等を用いることができる。
【0069】本発明の化粧シートの最表面には、エンボ
ス加工等により凹凸模様を施すこともできる。また、前
記エンボス凹部にインキを充填するワイピング加工を施
すことも好ましい。
【0070】前記エンボス加工は、化粧シートに木材板
表面等所望のテクスチァーを付与するために行われる。
例えば、エンボス加工は、加熱ドラム上でアクリル系樹
脂を加熱軟化させ、更に赤外線輻射ヒーターで160〜
180℃に加熱し、所望の形の凹凸模様を設けたエンボ
ス板で加圧、賦形し、冷却固定して形成するもので、公
知の枚葉或いは輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸
模様としては、木目導管溝、浮造模様(浮出した年輪の
凹凸模様)、ヘアライン、砂目、梨地等が用いられる。
【0071】ワイピング加工とは、エンボス加工で設け
た凹部にドクターブレードで表面をかきながらインキを
充填する加工をいう。ワイピングインキとしては、通
常、2液硬化型のウレタン樹脂を用いることができる。
ワイピング加工は、特に木目導管溝凹凸に対して行うこ
とによって、より実際の木目に近い意匠を表現する事に
より商品価値を高めるために施される。
【0072】さらに、本発明の化粧シートの最表面に
は、オーバコート加工(OP加工)を施すことにより、
オーバーコート層(表面保護層)を形成することが好ま
しい。OP加工は、化粧シート表面の傷のつきやすさを
カバーし、耐擦傷性を向上させるために施される。OP
加工に用いられる樹脂としては、例えば、2液硬化型の
ウレタン系樹脂を挙げることができる。2液硬化型のウ
レタン系樹脂は、ポリオールを主剤とし、イソシアネー
トを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂である。ポリ
オール、及びイソシアネートとしては、前記に列記した
もの全てを好ましく使用することができる。
【0073】用いるイソシアネート化合物中のイソシア
ネート基は、該塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中の極
性官能基とウレタン結合によって架橋し、易接着処理層
自体の凝集破壊強度を向上させ、又、加熱時のクリープ
変形によるシートや接着剤層との剥離を防止する。
【0074】更に、イソシアネート基は、ポリオレフィ
ン系樹脂シート表面の極性官能基ともウレタン結合し
て、シートとプライマー層との強度をも向上させる。イ
ソシアネート化合物としては、後述のアンカー剤層の所
で列記するものと同様のものから選択することができ
る。これらの中でも、耐熱性、耐候性の点から、脂肪族
イソシアネート(脂環式)のものが好ましい。
【0075】本発明の化粧シートの裏面には易接着処理
層を形成するのが好ましい。易接着処理層は、ポリオレ
フィン系樹脂シートと、木質板と貼着するための接着剤
層との層間密着性を高め、且つ耐ブロッキング性及び印
刷塗工適性を付与するために設けられる。
【0076】前記易接着処理層を構成する材料として
は、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体をバイン
ダー樹脂として、該樹脂中に、シリカ及び沈降性硫酸バ
リウム又はシリカ及び炭酸カルシウムのいずれかの組み
合わせからなる体質顔料を含有させた樹脂組成物を使用
するのが好ましい。
【0077】化粧シートを被着体に接着させる場合に使
われる通常の接着剤は、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹
脂、1液又は2液硬化型ウレタン樹脂からなる。バイン
ダーとして用いる塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、
一般的に広く使用されている汎用性接着剤との接着性に
優れる。
【0078】塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、その
共重合比が塩化ビニル/酢酸ビニル=1/9〜9/1
(モル比)の範囲の中のものから、用途等に応じて選択
することができる。
【0079】また、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体中
に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体1分子当たり、少
なくとも2個以上の割合で、水酸基、カルボキシル基等
の活性水素を持った極性官能基を有するビニル−酢酸ビ
ニルグラフト共重合体をバインダーとして用いるのも好
ましい。
【0080】かかるビニル−酢酸ビニルグラフト共重合
体は、例えば、塩化ビニル及び酢酸ビニル以外に、マレ
イン酸、フマル酸、ビニルアルコール等の極性官能基と
なるモノマーを添加したものをグラフト重合(又は変
成)させることにより得ることができる。
【0081】体質顔料の1成分であるシリカは、組み合
わせるもう一方の体質顔料(沈降性硫酸バリウム又は炭
酸カルシウム)よりも耐ブロッキング性に関しては効果
的である。シリカの含有量は、樹脂分100重量部に対
する重量比で5〜80重量部の範囲が好ましい。80重
量部を越えると印刷適性や塗工適性、接着適性が不良と
なり、5重量部未満だと他方の体質顔料を多量に入れた
としても耐ブロッキング性の効果が十分に得られない。
なお、シリカ含有量の前記5〜80重量部は、後述表1
に従い体積比で表すと、0.03〜0.51に相当す
る。
【0082】少なくとも一方の体質顔料としてシリカを
用い、他方の体質顔料として沈降性硫酸バリウム又は炭
酸カルシウムを用いる2種の体質顔料の組み合わせから
なる2種の体質顔料の含有総量は、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体の体積を1としたときに、該重合体に対す
る体積比(体質顔料総量/塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体)で、0.50〜1.00程度が好ましい。
【0083】但し、耐ブロッキング性の向上を重視する
場合は、上記体積比は0.75〜1.00が好ましい。
また、密着性の向上を考慮する場合には、上記体積比は
0.50〜0.75が好ましい。体質顔料の総量がこれ
らの範囲を越える場合には密着性が低下し、これらの範
囲より少ないと耐ブロッキング性が悪化する。
【0084】また、基本的には、沈降性硫酸バリウムや
炭酸カルシウムよりも大きい粒径のシリカを使用する
と、耐ブロッキング性等で良好な結果を得ることができ
る。本発明の化粧シートの易接着処理層に使用される各
材料の物性値を、下記表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】易接着処理層は、グラビア印刷、シルクス
クリーン印刷等の公知の印刷方法や、グラビア塗工等の
公知の塗工方法により形成することができるが、予め基
材シートの形成面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、
オゾン処理などの易接着処理を施した上で形成するの
が、基材シートと易接着処理層との密着性が良好となる
のでより好ましい。易接着処理層の膜厚は、通常1〜1
0μm程度である。
【0087】また、易接着処理層は、通常は化粧シート
の片面、それも通常は裏面に形成するが、化粧シートを
貼着する被着体の少なくとも一方が透明の場合には、易
接着プライマー層が化粧シートの両面に形成されていて
もよい。
【0088】易接着処理層を以上のような構成とするこ
とにより耐ブロッキング性を向上させ、且つ被着体との
密着性も良好となり、また易接着処理層形成の為の印刷
や塗工時のインキの印刷適性や、塗液の塗工適性を良好
に維持することができる。
【0089】また、上記易接着処理層は、凹凸模様賦形
時にエンボス加工工程を経ても劣化しない等の耐熱性を
も有する。この為、装飾層等を印刷等による形成する前
に基材シートに易接着処理層を別工程にて形成しておく
こともできる。この場合には、シートロスの発生を低減
させることができ、製造コストを低廉化する効果も得ら
れる。
【0090】また、基材シート表面に予めコロナ放電処
理を施した後に、易接着処理層を形成する場合には、こ
れらを一工程で行った後に、連続して別工程で他の基材
との積層や印刷等による装飾処理を行うことができる。
この場合には、コロナ放電処理効果の経時的低下を防止
することができる。さらに、前記の如くエンボス加工に
おける耐熱性を有するので、エンボス加工速度の向上に
よる生産性向上も図ることができる。
【0091】本発明の化粧シートは、各種木質板に貼着
して木質化粧板として使用される。化粧シートの木質板
上への貼着は、通常、本発明の化粧シートの前記易接着
処理層上に適当な接着剤層を介して行うことができる。
例えば、本発明の化粧シートの裏面に接着剤層を形成
し、木質板を貼着する等の方法による。
【0092】被着体となる木質板としては、杉、檜、
欅、松、ラワン、チーク、メラピー等各種素材の突板、
木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維
板(MDF)等の木質材等がある。
【0093】以上のようにして製造される木質化粧板
は、種々の用途、例えば、壁、天井、床等の建築物の内
装材、窓枠、扉、手すり等の建具の表面化粧板、家具又
は弱電、OA機器等のキャビネットの表面化粧板等に好
ましく用いることができる。
【0094】
【実施例】次に、実施例により、本発明の化粧シート及
び木質化粧板を更に詳細に説明する。なお、以下に示す
のは本発明の化粧シート及び木質化粧板の一実施例であ
り、本発明の化粧シート及び木質化粧板は、本発明の主
旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更することができる。
【0095】実施例1 ポリプロピレンランダム共重合体のハードセグメント6
0重量部と水素添加スチレン−ブタジエンゴム30重量
部の混合物中に、ベンゾトリアゾールベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤を8000ppm、及びヒンダードア
ミン系ラジカル捕捉剤を4000ppmの濃度となるよ
うにそれぞれ添加してなる樹脂組成物から形成した透明
ポリプロピレン熱可塑性エラストマーシート(厚み0.
08mm,幅1320mm)1の表裏両面に、コロナ放
電処理を施し、臨界面張力が38dyne/cmとなる
ようにした。
【0096】次いで、その表面にポリエステルアクリレ
ートとヘキサメチレンジイソシアネートからなるウレタ
ン系2液硬化型インクを2μm塗工して、プライマー層
2を形成した。さらに、アクリルウレタン系バインダー
に、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー、イソ
インドリンイエロー及びカーボンブラックからなる顔料
を添加したインキにて、着色ベタ層3及び木目絵柄層4
を下地を透視可能に形成した。
【0097】次に、この印刷シートの印刷面に、ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤を含むポリメチルメタクリ
レート系透明アクリルフィルム(鐘淵化学(株)製、厚
さ50μm)5を熱融着させた。
【0098】その後、最表面に、アクリルポリオールと
ヘキサメチレンジイソシアネートにシリカの艶消し剤を
添加してなる2液硬化型アクリルウレタン系インキを用
いて、木目導管パターンにグラビア印刷7を施した。
【0099】次いで、得られたシートの印刷面と反対側
の面上に、マレイン酸をグラフト重合してなる塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体及びヘキサメチレンジイソシア
ネートからなるバインダー100重量部に、平均粒径
3.5μmのシリカ粉末23重量部と平均粒径0.5μ
mの沈降性硫酸バリウム192重量部をそれぞれ添加し
てなる樹脂組成物を厚さ2μmで塗工することにより、
易接着処理層8を形成して、図1に示すような化粧シー
トを作製した。
【0100】実施例2 実施例1で作製した化粧シートの易接着処理層8側と厚
さ5mmのラワン合板10とを、酢酸ビニル系エマルジ
ョンからなる接着剤を40g/m2 で塗工して形成した
接着剤層9を介して接着せしめることにより、図2に示
すような木質化粧板を作製した。
【0101】耐候性試験 実施例1で作製した化粧シートを用いて耐候性試験を行
った。即ち、化粧シートにサンシャインカーボンアーク
型ウェザーオメータを用い、ブラックパネル温度63
℃、降雨時間が120分中18分の条件で、1,000
時間人工光を照射し、500時間経過後及び1000時
間経過後の化粧シートの各層間の剥離及び変褪色を目視
にて観察した。その結果、500時間経過後、1,00
0時間経過後においても、実施例1の化粧シートの各層
間の剥離及び変褪色は見られなかった。従って、実施例
1の化粧シートは優れた耐候性を有していることがわか
った。
【0102】化粧シート/木質合板の密着性試験 実施例2で作製した木質化粧板を用いて、化粧シート/
木質合板の密着性試験を以下のように行った。即ち、木
質化粧板の化粧シートと木質合板との20℃における剥
離強度を、180°引っ張り試験にて評価したところ、
2.2(kg/25mm幅)であった。従って、実施例
2で作製した木質化粧板は、十分な化粧シート/木質合
板の密着強度を有していることがわかった。
【0103】耐ブロッキング試験 実施例1と同様にして化粧シートを作製時におけるシー
ト裏面の易接着処理層を形成する工程において、該易接
着処理層を塗工し、接触乾燥させた直後に、4枚の化粧
シートを鉄製の平滑平坦な水平台上に同じ向きで重ね、
上から5kg/cm2 の荷重をかえ、40℃で48時間
放置した。その後、4枚の化粧シートを剥離した。易接
着処理層(化粧シートの裏面)に隣接する別の化粧シー
トの印刷面(表面)への転移付着は見られなかった。従
って、実施例1の化粧シートは、優れた耐ブロッキング
性を有していることがわかった。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の化粧シー
トは、透明性に優れるので、天然木からなる木質板上に
貼着した際に、天然木の照り等の高い意匠性を発揮する
ものである。また、木質板との密着性及び耐候性に優れ
ている。
【0105】また、本発明の化粧シートは、裏面に特定
の材料から構成される易接着処理層を有しているので、
化粧シートの巻取り工程において、いわゆるブロッキン
グといった生産トラブルの発生がない。従って、歩留り
良く化粧シートを製造することができる。
【0106】本発明の木質化粧板は、化粧シート裏面に
特定の材料から構成される易接着処理層を介して、木質
合板を貼着したものである。従って、化粧シートと木質
合板との密着性及び耐候性に特に優れている。
【0107】また、本発明の木質化粧板は、木質板固有
の表面光沢等を活かし、且つ、天然木で不足している木
目模様を化粧シートの木目絵柄で補っている木質化粧板
である。
【0108】さらに、本発明の化粧シート及び木質化粧
板は、非塩化ビニル樹脂系の材料で構成されるため、廃
棄・焼却時に塩素系ガスの発生もなく、環境上の問題が
少ないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの断面図である。
【図2】本発明の木質化粧板の断面図である。
【符号の説明】
1…透明基材シート、2…プライマー層、3…着色ベタ
層、4…木目絵柄層、5…透明アクリルフィルム、6…
OPコート、7…導管パターン、8…易接着処理層、9
…接着剤層、10…木質板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高密度ポリエチレン又はアイソタクチック
    ポリプロピレン及びゴムを含有する樹脂組成物から形成
    された透明基材シートと、 前記透明基材シート上に積層された透明アクリル系樹脂
    シートと、 前記透明基材シート又は前記透明アクリル樹脂シートの
    少なくとも一方のシート表面に、裏面が透視可能に設け
    られた木目絵柄層とを有する化粧シートであって、 前記透明基材シートと木目絵柄層との間に、アクリルウ
    レタン系樹脂を含有するプライマー層をさらに有する、 化粧シート。
  2. 【請求項2】前記透明基材シートの裏面に易接着処理層
    をさらに有する、 請求項1記載の化粧シート。
  3. 【請求項3】前記木目絵柄層とアクリル樹脂シートの間
    に、感熱接着剤層をさらに有する、 請求項1記載の化粧シート。
  4. 【請求項4】前記易接着処理層は、塩化ビニル−酢酸ビ
    ニル共重合体系樹脂及び体質顔料を含有する樹脂組成物
    から形成されている、 請求項3記載の化粧シート。
  5. 【請求項5】請求項1〜4に記載の化粧シートを木質板
    上に貼着してなる木質化粧板。
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