JP2000129206A - 上塗り層用組成物及び化粧シート - Google Patents

上塗り層用組成物及び化粧シート

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JP2000129206A
JP2000129206A JP10299210A JP29921098A JP2000129206A JP 2000129206 A JP2000129206 A JP 2000129206A JP 10299210 A JP10299210 A JP 10299210A JP 29921098 A JP29921098 A JP 29921098A JP 2000129206 A JP2000129206 A JP 2000129206A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化粧シートのポリオレフィン系樹脂層面を、
耐候密着性の良い上塗り層で耐擦傷性を向上させる。 【解決手段】 装飾層2等で装飾処理された装飾シート
3のポリオレフィン系樹脂層1面に積層する上塗り層4
を、メチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、並びに脂肪
族及び/又は脂環式イソシアネートの架橋物とする。上
塗り層には、メチル(メタ)アクリレート−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート共重合体系アクリルポリオ
ールと、オクチル(メタ)アクリレート−シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート共重合体系アクリルポリオールの混合物と、
脂肪族及び/又は脂環式イソシアネートからなる上塗り
層用組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物内装材、建
具の表面化粧等と、各種化粧用途に用いる化粧シートに
関する。特に、非塩ビ系の化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧シートとしては、塩化ビニル
樹脂シートを基材シートとして使用し、これに印刷、エ
ンボス加工等で装飾を施した化粧シートが用いられてき
た。ところが、塩化ビニル樹脂シートを用いた化粧シー
トは、廃棄時に燃焼させると塩酸ガスを発生する為に、
地球環境問題の観点から、塩素を含まない他の樹脂を用
いた化粧シートが望まれる様になってきた。そこで、近
年ではこの様な塩ビ系の化粧シートに代わる非塩ビ系の
化粧シートとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、オ
レフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系
樹脂シートを使用したオレフィン系化粧シート(特開昭
54−62255号公報、特開平6−79830号公報
等参照)が登場してきた。例えばその層構成は、図3に
示す化粧シートSaの如く、下側から着色ポリオレフィ
ン系樹脂層31、絵柄層32、接着剤層33、透明ポリ
オレフィン系樹脂層34からなる構成である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図3に例示
の如き表面未コートで最表面層としてポリオレフィン系
樹脂層を有する化粧シートは、ポリオレフィン系樹脂が
耐擦傷性に劣る為に、表面を擦ると引っ掻き傷や艶が損
なわれる艶傷を生じ易かった。そこで、例えば特開平3
−243342号公報等に開示される如く、ポリオレフ
ィン系樹脂層の表面に、更にアクリル樹脂等からなる上
塗り層を設けた構成の化粧シートが提案されている。し
かし、アクリル樹脂からなる上塗り層は、耐候性は優れ
るが、ポリオレフィン系樹脂層と密着性が悪いという問
題があった。
【0004】これに対して、特開平6−16832号公
報では、2液硬化型ウレタン樹脂等からなる上塗り層を
形成した構成の化粧シートを開示している。たしかに、
表面をコロナ放電処理後、2液硬化型ウレタン樹脂から
なる上塗り層を塗工形成すれば、この様な上塗り層とポ
リオレフィン系樹脂層との密着性は向上する。例えば、
2液硬化型ウレタン樹脂としては、耐候性も考慮して、
主剤としてメチルメタクリレート−ヒドロキシエチルメ
タクリレート共重合体系のアクリルポリオールを用い、
硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートを用いた
上塗り層用組成物からなる塗液を塗工形成する。しか
し、上塗り層形成直後の密着性は良好だが、屋外暴露1
年未満相当の耐候性試験によって、密着性が低下してし
まう。例えば、碁盤目試験にてセロハン粘着テープを剥
がす時に該テープと共に上塗り層が剥離してしまう。ま
た、上記組成のウレタン樹脂で形成した上塗り層は、ポ
リオレフィン系樹脂よりは良いが、耐擦傷性が不十分
で、引っ掻き傷、艶傷等が発生し易い。また、同厚の化
粧シートで比較した場合、ポリオレフィン系樹脂シート
を基材シートとすると、塩化ビニル樹脂シートに比べ
て、硬さ(腰)が無い為に、化粧シートをラッピング用
接着剤で木質基材に貼り合わせた時に、180度ピーリ
ング強度も弱かった。一方、化粧シートには通常耐候性
を出す為に、上塗り層の下側のポリオレフィン系樹脂層
には、可視光透明度の高い有機系紫外線吸収剤を添加す
るが、紫外線吸収剤が経時的に滲み出て(ブリードアウ
ト)失われ、化粧シートとしての十分な耐候性が出なか
った。また、層間密着性も経時的にブリードにより低下
する耐候密着性の問題もあった。
【0005】そこで本発明の課題は、非塩ビ系の化粧シ
ートにおいて、表面のポリオレフィン系樹脂層上に形成
して、その耐擦傷性を向上させ、且つポリオレフィン系
樹脂層との密着性も経時的に良好で耐候密着性が良く、
また耐候性も良好な上塗り層用組成物を提供する事であ
る。また、該上塗り層用組成物を使用して得られる様
な、耐擦傷性、耐候密着性、耐候性に優れた化粧シート
を提供する事である。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
するために、本発明の上塗り層用組成物では、メチル
(メタ)アクリレート及びヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートからなる共重合体系アクリルポリオールと、
オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート及びヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートからなる共重合体系アクリルポリオールとの混合
物と、脂肪族及び/又は脂環式イソシアネートとからな
る構成とした。この様に、2種類の特定のアクリルポリ
オールと特定のイソシアネートとを用いる事で、非塩ビ
系の化粧シートの表面のポリオレフィン系樹脂層の上
に、該ポリオレフィン系樹脂層との耐候密着性及び耐擦
傷性に優れ、また耐候性も優れた上塗り層を形成でき
る。
【0007】また、本発明の化粧シートは、少なくとも
片面に於ける最表面がポリオレフィン系樹脂層からなる
装飾処理が施された装飾シートの該最表面に、メチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、並びに脂肪族及び/又は脂
環式イソシアネートの架橋物からなる上塗り層を積層し
た構成とした。この様に、上塗り層を、特定の各種(メ
タ)アクリレート、並びに脂肪族及び/又は脂環式イソ
シアネートとの架橋物から構成する事で、上塗り層が耐
擦傷性及びポリオレフィン系樹脂層との耐候密着性に優
れ、また耐候性も優れた化粧シートとする事ができる。
【0008】なお、上記化粧シートに於いて、上塗り層
中にイソシアネート基を有し、且つポリオレフィン系樹
脂層が水酸基を有する紫外線吸収剤を含有する構成も好
ましい。前記イソシアネート基によって、上塗り層の下
層であるポリオレフィン系樹脂層中の上記紫外線吸収剤
が、上塗り層にまでブリードした段階で、その分子中の
水酸基とイソシアネート基とが反応する為、上塗り層表
面にまで紫外線吸収剤がブリードアウトして、化粧シー
トの耐候性や層間密着性が低下するのを防げる。
【0009】また、上記各構成の化粧シートに於いて、
上塗り層がヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を含有す
る構成も好ましい。その結果、上塗り層を含む化粧シー
トの耐候性がより向上する。
【0010】また、上記各構成の化粧シートに於いて、
上塗り層が、シリコーン系スリップ剤を含有する構成も
好ましい。その結果、耐擦傷性がより向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の上塗り層用組成物及び化粧シートについて、実施の
形態を説明する。なお、図1は本発明の化粧シートの形
態例の幾つかを例示する断面図、図2は本発明の化粧シ
ートでシートを2層積層した場合の形態例の幾つかを例
示する断面図、図3は本発明の化粧シートの他の形態例
を例示する断面図、図4は本発明の化粧シートの他の形
態例を例示する断面図、図5は従来の或る化粧シートの
一例を示す断面図である。
【0012】〔概要〕先ず、本発明の化粧シートSは、
例えば図1(A)の化粧シートSの如く、少なくとも片
面の最表面を成す層がポリオレフィン系樹脂層1からな
り、例えば装飾層2を該ポリオレフィン系樹脂層1に対
して印刷等で形成する事で装飾処理が施された装飾シー
ト3に対して、前記ポリオレフィン系樹脂層1に対し
て、メチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、並びに脂肪
族及び/又は脂環式イソシアネートの架橋物からなる上
塗り層4を積層した構成である。上塗り層4のみを本発
明の化粧シートSから除外した構成の化粧シートが、本
発明で言う装飾シート3である。本発明の化粧シートは
上塗り層の構成材料、及び上塗り層形成面がポリオレフ
ィン系樹脂層である点に特徴が有り、この他の点では、
化粧シートとして従来公知の各種構成をとり得る。すな
わち、上記装飾シート3については、その上塗り層形成
面を成す層がポリオレフィン系樹脂層である事以外は、
従来公知の各種材料及び装飾処理が施された各種構成で
良い。
【0013】例えば、図1(A)の化粧シートSに於け
る装飾シート3は、ポリオレフィン系樹脂層1がポリオ
レフィン系樹脂シートからなり、このシートに印刷等に
よって装飾層2を形成して装飾処理を施した装飾シート
であった。しかし、装飾処理としては、印刷等による装
飾層形成の他に、例えば、樹脂シート自体への着色顔料
の練り込みにより着色等もある。図1(B)の化粧シー
トSに於ける装飾シート3は、着色顔料の練り込みによ
り着色することで装飾処理されたポリオレフィン系樹脂
層(シート)1である。また、化粧シートに使用するシ
ートは複数積層しても良い。例えば図1(C)の化粧シ
ートSに於ける装飾シート3は、図1(A)の構成の装
飾シートに対して、装飾層2の側に基材シート5を積層
した構成である。上塗り層を形成しない側の面を構成す
る基材シートは、ポリオレフィン系樹脂でも良いが、も
ちろん、他の樹脂や紙等からなるシートでも良い。な
お、ポリオレフィン系樹脂層1は、図1(A)や図1
(C)の様な構成に於いて、装飾層2を該ポリオレフィ
ン系樹脂層を通して見る場合は透明(着色又は無着色)
とするが、装飾層が無い場合、例えば図1(B)の様な
構成では透明(着色又は無着色)の他に、隠蔽性の有る
不透明でも良い。
【0014】そして、本発明の上塗り層用組成物はその
塗液等を塗工形成する等して、上記の様な化粧シートに
於ける特定の上塗り層を形成できる組成物である。すな
わち、本発明の上塗り層用組成物は、メチル(メタ)ア
クリレート及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
からなる共重合体系アクリルポリオールと、オクチル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレートから
なる共重合体系アクリルポリオールとの混合物と、脂肪
族及び/又は脂環式イソシアネートとからなる組成物で
ある。この組成物を上塗り層形成面に塗工或いは印刷等
で施して、アクリルポリオールとイソシアネートとを架
橋硬化させれば、三次元網状高分子構造を有する硬化性
樹脂(の硬化物)の上塗り層が得られる。
【0015】〔装飾シート〕図1の如く、装飾シート3
は、少なくとも片面に於ける最表面がポリオレフィン系
樹脂層1からなる装飾処理が施されたシートである。装
飾処理とは、印刷等で絵柄等を表現する装飾層の形成、
凹凸模様の賦形等である。装飾シートは1層のシートか
らなる形態の他に〔図1(A)及び(B)参照〕、シー
トを2層以上積層した積層体の形態もある〔図1
(C)、図2及び図4参照〕。1層のシートからなる場
合には、該シート自体がポリオレフィン系樹脂層からな
る装飾シートとなる〔図1(A)及び(B)参照〕。ま
た、例えばシートを2層積層した構成では、通常は少な
くとも片方のシートがポリオレフィン系樹脂層1であれ
ば良く、他のシートは、ポリオレフィン系樹脂でも良い
が、ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂或いは紙等からな
るシートでも良い〔図1(C)、図2参照〕。本発明で
は、ポリオレフィン系樹脂に限定されない該他のシート
を基材シートと呼ぶ。
【0016】ここで更に、シートを2層積層した場合の
形態例の幾つかを図2の断面図で例示しておく。図2
(A)に示す化粧シートSに於ける装飾シート3は、ポ
リオレフィン系樹脂層1に接着剤層6を介して、着色処
理された基材シート5aが積層された構成の装飾シート
3である。そして、化粧シートSとしては、ポリオレフ
ィン系樹脂層1の表面に前記特定組成からなる上塗り層
4が形成された構成である。基材シート5aは、もちろ
ん、ポリオレフィン系樹脂からなるシートでも良い。基
材シート5aもポリオレフィン系樹脂からなるシートと
する構成は、基材シートも非塩ビ製とする点等で好まし
い構成の一つである。また、図2(B)の化粧シートS
に於ける装飾シート3は、図2(A)の構成に対して、
接着剤層6と基材シート5a間に装飾層2を設けた構成
である。また、図2(C)の化粧シートSに於ける装飾
シート3は、図2(B)の構成の装飾シート3に対し
て、ポリオレフィン系樹脂層1の表面に凹凸模様8が賦
形された構成である。また、図2(C)の化粧シートS
に於ける装飾シート3は、図2(C)の構成の装飾シー
ト3に対して、その凹凸模様8の凹部内に着色部9が形
成された構成の装飾シート3である。これらに於いて、
基材シート5aは、通常は隠蔽着色である。なお、これ
らに図2(A)〜(D)の全てに於いて、着色処理され
た基材シート5aは基本的には単層の樹脂シートである
が、該(着色処理さた)樹脂シートの表裏両面に、着色
剤や充填剤を無添加の樹脂層を積層した3層構造のシー
トを、着色処理された基材シート5aとしても良い。な
お、樹脂層は、溶融押出塗工、多層溶融押出法等で形成
する。
【0017】〔ポリオレフィン系樹脂層〕ポリオレフィ
ン系樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂としては、
ポリエチレン(低密度、又は高密度)、ポリプロピレ
ン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体等の高結
晶質の非エラストマーポリオレフィン系樹脂、或いは各
種のオレフィン系熱可塑性エラストマーが使用できる。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば下
記のものが使用できる。
【0018】特公平6−23278号公報記載の、
(A) ソフトセグメントとして、数平均分子量Mnが2
5,000以上、且つ、重量平均分子量Mwと数平均分
子量Mnとの比Mw/Mn≦7の沸騰ヘプタンに可溶な
アタクチックポリプロピレン10〜90重量%と、(B)
ハードセグメントとして、メルトインデックスが0.1
〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性のアイソタクチッ
クポリプロピレン90〜10重量%、との混合物からな
る軟質ポリプロピレン。この種のオレフィン系熱可塑性
エラストマーの中でも、所謂「ネッキング」を生じ難
く、加熱、加圧により各種形状に成形したりエンボス加
工する場合に、適性良好なものとしては、アイソタクチ
ックポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンとの
混合物に於いて、アイソタクチックポリプロピレンとア
タクチックポリプロピレンとの混合割合が、アタクチッ
クポリプロピレンの重量比で5重量%以上50重量%以
下のものである。
【0019】ポリプロピレン系のオレフィン系熱可塑性
エラストマー自体は既に公知のものであるが、包装容器
等従来公知の用途に用いられる場合は、強度を重視する
為に、ソフトセグメントとなるアタクチックポリプロピ
レンの重量比が5重量%未満のものが専ら使用されてい
た。しかしながら、三次元形状、乃至凹凸形状に成形し
たり、エンボス加工する場合には、前記の如くネッキン
グを生じて良好な加工が不可能であった。そこで、従来
の組成の設計とは逆に、ポリプロピレン系のオレフィン
系熱可塑性エラストマーに於いて、アタクチックポリプ
ロピレンの重量比を5重量%以上とする、エンボス加工
したり、三次元形状、乃至凹凸形状の物品表面形状に成
形する際のネッキングによる不均一なシートの変形、及
びその結果としての皺、絵柄の歪み等の欠点を解消する
事ができる。特にアタクチックポリプロピレンの重量比
が20重量%以上の場合が良好である。一方、アタクチ
ックポリプロピレンの重量比が増加し過ぎると、シート
自体が変形し易くなり、また、成形時にも破れ易くなる
為に好ましくない。アタクチックポリプロピレンの重量
比の上限としては、シートのエンボス加工、シートの真
空成形、Vカット加工、射出成形同時ラミネート等を採
用する場合は50重量%以下、より好ましくは40重量
%以下である。
【0020】エチレン−プロピレン−ブテン共重合体
樹脂からなる熱可塑性エラストマー。ここで、そのブテ
ンとして、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレンの3
種の構造異性体のいずれも用いることができる。共重合
体としては、ランダム共重合体で、非晶質の部分を一部
含む。上記エチレン−プロピレン−ブテン共重合体の好
ましい具体例としては次の(i) 〜(iii) が挙げられる。 (i) 特開平9−111055号公報記載のもの。これ
は、エチレン、プロピレン及びブテンの三元共重合体に
よるランダム共重合体である。単量体成分の重量比はプ
ロピレンが90重量%以上とする。メルトフローレート
は、230℃、2.16kgで1〜50g/10分のも
のが好適である。そして、このような三元ランダム共重
合体100重量部に対して、燐酸アリールエステル化合
物を主成分とする透明造核剤を0.01〜50重量部、
炭素数12〜22の脂肪酸アミド0.003〜0.3重
量部を熔融混練してなるものである。 (ii)特開平5−77371号公報記載のもの。これは、
エチレン、プロピレン、1−ブテンの三元共重合体であ
って、プロピレン成分含有率が50重量%以上の非晶質
重合体20〜100重量%に、結晶質ポリプロピレンを
80〜0重量%添加してなるものである。 (iii) 特開平7−316358号公報記載のもの。これ
は、エチレン、プロピレン、1−ブテンの三元共重合体
であって、プロピレン及び/又は1−ブテンの含有率が
50重量%以上の低結晶質重合体20〜100重量%に
対して、アイソタクチックポリプロピレン等の結晶質ポ
リオレフィン80〜0重量%を混合した組成物に対し
て、N−アシルアミノ酸アミン塩、N−アシルアミノ酸
エステル等の油ゲル化剤を0.5重量%添加してなるも
のである。
【0021】なお、エチレン−プロピレン−ブテン共重
合体樹脂は、単独で用いても良いし、上記(i) 〜(iii)
に必要に応じ更に他のポリオレフィン系樹脂を混合して
用いても良い。
【0022】特公昭53−21021号公報記載の如
き、(A) ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペ
ンテン等のオレフィン重合体(結晶性高分子)をハード
セグメントとし、これに(B) 部分架橋したエチレン−プ
ロピレン共重合体ゴム、不飽和エチレン−プロピレン−
非共役ジエン三元共重合体ゴム等のモノオレフィン共重
合体ゴムをソフトセグメントとし、これらを均一に配合
し混合してなるオレフィン系エラストマー。なお、モノ
オレフィンゴム/オレフィン重合体=50/50〜90
/10(重量比)の割合で混合する。
【0023】特公昭53−34210号公報等に記載
の如き、(B) 未架橋モノオレフィン共重合体ゴム(ソフ
トセグメント)と、(A) オレフィン系共重合体(結晶
性、ハードセグメント)と架橋剤とを混合し、加熱し剪
断応力を加えつつ動的に部分架橋させてなるオレフィン
系エラストマー。なお、(B) モノオレフィンゴム/(A)
オレフィン系共重合体=60/40〜80/20(重量
比)である。
【0024】特公昭56−15741号公報等に記載
の如き、(A) アイソタクチックポリプロピレン、プロピ
レン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重
合体等のペルオキシドと混合・加熱すると分子量を減
じ、流動性を増すペルオキシド分解型オレフィン重合体
(ハードセグメント)と、(B) エチレン−プロピレン共
重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元
共重合体ゴム等のペルオキシドと混合・加熱することに
より、架橋して流動性が減じるペルオキシド架橋型モノ
オレフィン共重合体ゴム(ソフトセグメント)、(C) ポ
リイソブチレン、ブチルゴム等のペルオキシドと混合・
加熱しても架橋せず、流動性が不変の、ペルオキシド非
架橋型炭化水素ゴム(ソフトセグメント兼流動性改質成
分)、及び(D) パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等
の鉱物油系軟化剤、とを混合し、有機ペルオキシドの存
在下で動的に熱処理してなるオレフィン系エラストマ
ー。なお、(A) が90〜40重量部、(B) が10〜60
重量部で、(A) +(B) =100重量部として、これに、
(C) 及び/又は(D) が5〜100重量部の配合比とな
る。
【0025】特開平2−139232号公報に記載の
如き、エチレン−スチレン−ブチレン共重合体からなる
オレフィン系熱可塑性エラストマー。
【0026】極性基として水酸基又は/及びカルボキ
シル基を持たせた、上記からのオレフィン系熱可塑
性エラストマー。例えば、エチレン−ビニルアルコール
共重合体等のグラフト重合で水酸基を、また、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸等のの共重合体でカルボキシ
ル基を導入したオレフィン系熱可塑性エラストマーを用
いる。これら水酸基、カルボキシル基はどちらか一方、
又は両方を併用してもよく、これら極性基は、装飾層、
接着剤層等の他の層との接着性を向上させる作用を持
つ。
【0027】(各種添加剤)なお、ポリオレフィン系樹
脂層中には、必要に応じ適宜、各種添加剤を添加する。
添加剤は、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の無機粉
末等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防
止剤、発泡剤、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤等であ
る。
【0028】特に、耐候(光)性向上が要求される用途
では、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ヒンダ
ードアミン系ラガシル捕捉剤等の光安定剤のいずれか片
方又は好ましくは両方を耐光剤として添加して、耐候
(光)性を向上させる事が好ましい。添加量は通常0.
1〜5重量%の範囲である。なお、ポリオレフィン系樹
脂層を着色透明とする場合には、後述する装飾層用の印
刷インキにおいて列記する様な公知の着色剤を、樹脂中
に練り混む等しておけば良い。なお、これら耐光剤は、
もちろん、基材シートに用いる樹脂シートにも使用でき
る。
【0029】上記添加剤の中でも、紫外線吸収剤として
は、水酸基を有する紫外線吸収剤を使用し、更に上塗り
層中にイソシアネート基を含有させる事で、紫外線吸収
剤のブリードアウトによる耐候密着性及び層間密着性
(特に上塗り層とポリオレフィン系樹脂層との間)の経
時低下を効果的に防ぎ、より優れた耐候密着性と耐候性
が得られる。
【0030】上記の水酸基を有する紫外線吸収剤として
は、分子中に水酸基を有する有機系の化合物を使用でき
る。例えば、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−
ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert
−アミル−5′−イソブチルフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イ
ソブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブ
チル−5′−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール等の、2′−ヒドロキシフェニル−5−クロ
ロベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、2−(2′−
ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の、2′
−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤類等の、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2,
2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾ
フェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベン
ゾフェノン等の、2,2′−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等
の、2ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、等
のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニ
ル、4−tert−ブチル−フェニル−サリシレート等
のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤が用いられる。そ
の他に、ベンゾトリアゾール骨格にアクリロイル基又は
メタクリロイル基を導入した反応性紫外線吸収剤等も用
いられる。なお、これら紫外線吸収剤の添加量は、樹脂
分に対して、通常、0.1〜10重量%程度である。
【0031】(ポリオレフィン系樹脂の成膜法)ポリオ
レフィン系樹脂層をシートとして成膜された物を使用し
て、これに印刷等する場合には、上記したポリオレフィ
ン系樹脂を成膜するには、従来公知の成膜方法によれば
良い。例えば、Tダイによる熔融押出法、カレンダー法
等で成膜する。なお、ポリオレフィン系樹脂のシート
は、延伸シート、未延伸シートのいずれでも使用可能で
あるが、Vカット加工等の成形適性は未延伸シートの方
が良好である。ポリオレフィン系樹脂層の厚みは、該層
単独でシートとする場合、或いは基材シート上に熔融塗
工で積層する場合等で異なるが、20〜300μm程
度、シートとする場合は通常50〜200μm程度であ
る。
【0032】(易接着処理)なお、ポリオレフィン系樹
脂層(シート又は塗工層)に、直接印刷したり他の層
(例えば基材シート)を積層する場合等で接着性向上が
望まれる場合では、必要に応じ適宜、その面に公知の易
接着処理を行う事が好ましい。易接着処理としては、コ
ロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、或いは塗布
又は印刷による易接着層(図4の符号7参照)の形成で
ある。また、接着剤層を使用しても良い(図2及び図4
の符号6参照)。易接着層や接着剤層は、対象層の材料
等に応じて、公知のプライマー剤等の中から適宜なもの
を選べば良い。易接着層や接着剤層は例えば、熱硬化型
等の2液硬化型ウレタン樹脂等からなる層を、塗工法或
いは印刷法等で形成すれば良い。
【0033】〔装飾処理〕ポリオレフィン系樹脂層を着
色する事自体が既に装飾処理の一種であり、またポリオ
レフィン系樹脂層を透明層とする事も塗装感付与等にな
り得るので、これも装飾処理の一種とも言える。もちろ
ん装飾処理としては、これら以外の従来公知の各種装飾
処理で良く特に限定されない。各種の装飾処理は、用途
に応じて適宜組み合わせても使用する。
【0034】装飾処理は、既に概説したが、例えば、図
1(A)及び図2(B)〜(D)で示した様な、印刷等
による模様等を表現する装飾層2の付与、図1(B)で
示した様な、ポリオレフィン系樹脂層1に着色顔料を含
有させて着色する処理、或いは、図2や図4の着色され
た基材シート5aの如く、基材シートを着色する処理、
或いはまた、図2(C)及び(D)或いは図4に示す様
なエンボス加工(加熱プレス)やヘアライン加工等によ
る凹凸模様8の賦形等でも良い。
【0035】(ポリオレフィン系樹脂層や基材シートの
着色処理)先ず、装飾処理としてポリオレフィン系樹脂
層や樹脂シートの樹脂層に対する着色処理は、使用する
樹脂中に染料や顔料等の着色剤を練り込む等して行えば
良い。着色剤としては、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、
群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラ
ック等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザイエロー
A、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシ
アニンブルー、インダスレンブリーRS、アニリンブラ
ック等の有機顔料(或いは染料も含む)、アルミニウ
ム、真鍮、等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基
性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等を
用いる。これらは、粉末、或いは鱗片状箔片等として、
基材シート中に添加、分散せしめられる。着色は透明着
色でも良いし、隠蔽着色でも良い。但し、装飾層の上側
の層を着色する場合は透明着色である。
【0036】(装飾層)装飾層2は、例えば、グラビア
印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シ
ートからの転写印刷等公知の印刷法(或いは塗工法)、
或いは手描き法等を用いインキ(或いは塗料)にて形成
する。装飾層の模様としては、木目模様、石目模様、布
目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、或いは全
面ベタ等がある。装飾層はポリオレフィン系樹脂層(シ
ート)の上塗り層形成面とは反対面側であるが、基材シ
ートも使用する場合は、ポリオレフィン系樹脂層側にで
は無く、基材シート側に印刷等で形成してから、ポリオ
レフィン系樹脂層と基材シートとを積層する事もある。
【0037】上記インキ(或いは)塗料としては、バイ
ンダーとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピ
レン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ウレタ
ン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、等を用い、一
種又は二種以上混合して用いる。これに前記に列挙した
様な公知の顔料等の着色剤を添加した物を用いる。
【0038】また、装飾層は金属薄膜層でも良い。金属
薄膜層の形成は、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等
の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で製
膜する。或いはこれらの組み合わせでも良い。該金属薄
膜層は、全面に設けても、或いは、部分的にパターン状
に設けても良い。
【0039】(凹凸模様の賦形)凹凸模様としては、木
目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面
テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等で
ある。凹凸模様は、エンボス加工、ヘアライン加工等に
よって形成する。例えば、エンボス加工としては、積層
する前のポリオレフィン系樹脂層となるシートや、或い
は基材シートとポリオレフィン系樹脂層とを積層後の積
層シート等を加熱軟化させ、エンボス版で加圧、賦形
し、冷却固定して形成するもので、公知の枚葉、或いは
輪転式のエンボス機が用いられる。なお、凹凸模様は通
常は表側面だが、層間、裏側面の場合もある。図2
(D)に例示する如く、更に必要に応じて、凹凸模様8
の凹部に公知のワイピング法(特公昭58−14312
号公報等参照)によって、着色インキを充填して着色部
9を形成することもできる。着色インキは前記装飾層と
同様の物が可能である。但し、耐磨耗性の点で、2液硬
化型ウレタン樹脂をバインダーとする物が好ましい。
【0040】〔基材シート〕基材シート5は、ポリオレ
フィン系樹脂層と積層するシートである。基材シートと
しては、基材シートの材質は特に制限は無く、樹脂や金
属のフィルム(シート)や紙、布等の単体又はこれらの
積層体が使用される。例えば樹脂の場合は、前述した各
種ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS(ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹
脂、セルロース系樹脂等が使用され、金属ではアルミニ
ウム、銅、ステレンレス、鉄等が使用され、紙では、薄
葉紙、クラフト紙、チタン紙、上質紙、コート紙等が使
用され、布ではポリエステル繊維等の有機繊維やガラス
繊維等の無機繊維を用いた織布、不織布等が使用され
る。基材シートの厚さは特に制限は無いが、通常は20
〜500μm程度である。なお、基材シートも、必要に
応じ適宜、上記ポリオレフィン系樹脂層に対して列記し
た様な同様に、易接着処理を行っても良い。
【0041】〔ポリオレフィン系樹脂層と基材シートと
の積層〕ポリオレフィン系樹脂層と基材シートとを積層
する方法としては、既に成膜された基材シートに対する
ポリオレフィン系樹脂層の熔融押出塗工(エクストルー
ジョンコート)によるシート成膜と同時の積層法があ
る。また、どちらも既に成膜された基材シート及びポリ
オレフィン系樹脂層(シート)を用いて、熱プレスによ
る融着、或いは、2液硬化型等のポリウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂等の接着剤を用いたドライラミネート等
の公知の積層法で積層しても良い。
【0042】〔上塗り層及び上塗り層用組成物〕上塗り
層は、耐擦傷性、耐溶剤性等の化粧シートの表面物性を
向上させる他、必要に応じて適宜、艶調整、塗装感等の
意匠感を付与する事もできる。本発明では上塗り層は、
メチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、並びに脂肪族イソ
シアネート及び/又は脂環式イソシアネートの架橋物か
ら構成する。架橋物は三次元網状高分子構造を有する硬
化性樹脂である。なお、本発明に於いて、(メタ)アク
リレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味
する。上記の上塗り層は、上塗り層用組成物からなる塗
液の塗工等で形成すれば良い。この様な用途に用いるに
適したものが本発明の上塗り層用組成物である。すなわ
ち、本発明の上塗り層用組成物は、メチル(メタ)アク
リレート及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレートか
らなる共重合体系アクリルポリオールと、オクチル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレートからなる
共重合体系アクリルポリオールとの混合物と、脂肪族イ
ソシアネート及び/又は脂環式イソシアネートとからな
る。この組成物は、アクリルポリオールとイソシアネー
トとからなる、硬化性のアクリルウレタン樹脂である。
【0043】アクリルポリオールとして本発明では、メ
チル(メタ)アクリレート及びヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートからなる共重合体系アクリルポリオー
ルと、オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート及びヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートからなる共重合体系アクリルポリオールと
の、主鎖骨格構造の異なる2種類のアクリルポリオール
を併用する。これらアクリルポリオールを比べた場合
は、ガラス転移温度は前者が高く、後者が低い。そし
て、前者のアクリルポリオールの水酸基価の高いものを
多くすると、耐擦傷性、耐溶剤性、耐ブロッキング性の
点で有利であり、後者のアクリルポリオールの水酸基価
の低いものを多くすると、耐候性、折曲加工性に有利で
ある。そして、前者(A)及び後者(B)のアクリルポ
リオール同士の比率は、これらの物性と要求物性等を考
慮して適宜比率する。
【0044】使用するイソシアネートとしては、脂肪族
及び脂環式イソシアネートが耐候性の点で好ましい。従
って、本発明ではイソシアネートとして、脂肪族及び/
又は脂環式イソシアネートを用いる。該脂肪族又は脂環
式イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシ
アネート基を有するポリイソシアネートが用いられる。
例えば、脂肪族イソシアネートとしては、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート等が使用され、脂環式イソシアネー
トとしては、イソホロンジイソシアネート、水素添加ト
リレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジ
イソシアネート等が用いられる。また、これら各種イソ
シアネートの付加体、又は3量体(trimer)等の
多量体を用いる事もできる。使用するイソシアネート
は、脂肪族イソシアネートを1種又は2種以上用いても
良いし、脂環式イソシアネートを1種又は2種以上用い
ても良いし、或いは脂肪族イソシアネートと脂環式イソ
シアネートとを併用しても良い。
【0045】なお、アクリルポリオールとイソシアネー
トとの配合比の好ましい形態とてしは、イソシアネート
中のイソシアネート基(−NCO基)の数(モル数)
を、それと反応させるポリオールの水酸基(−OH基)
の数(反応当量数)よりも多くし、ポリオールとイソシ
アネートとが反応した後でも未反応のイソシアネート基
を確実に、しかも多数残留させる形態がある。この場
合、−NCO基/−OH基の比は最大1.4程度までと
する。この様にしてイソシアネート基を上塗り層中に残
存させる事で、上塗り層を形成するポリオレフィン系樹
脂層中に、分子中に水酸基を有する紫外線吸収剤を含有
させた場合に、該紫外線吸収剤が上塗り層にブリードし
て来た場合に、イソシアネート基と紫外線吸収剤とが反
応して、紫外線吸収剤が上塗り層表面にまでブリードア
ウトするのを防げる。その結果、紫外線吸収剤による耐
候性向上効果が経時的に低下するのを防ぎ、また、上塗
り層とポリオレフィン系樹脂層との層間密着性が経時的
に低下するのを防ぐ。なお、この様に上塗り層中にイソ
シアネートを含有させて、紫外線吸収剤をトラップして
そのブリードアウトを防ぐ場合は、上塗り層は厚い程効
果がトラップ効果が大きい。また、上塗り層は厚くする
程、その上塗り層を設けた化粧シートをラッピング用接
着剤で木質基材等の被着体に貼り合わせた時に、180
度ピーリング強度も強くなり密着強度も向上する。
【0046】なお、上塗り層の形成方法は特に限定され
ないが、上記の上塗り層用組成物を通常は希釈溶剤が添
加された組成物として塗液(又はインキ)の形態で、グ
ラビアコート、ロールコート等の塗工法(又はグラビア
印刷、スクリーン印刷等の印刷法)等の従来公知の形成
法で形成すれば良い。上塗り層の形成は、ポリオレフィ
ン系樹脂層を樹脂シートから形成し、基材シートも積層
された構成の化粧シートの場合では、ポリオレフィン系
樹脂層と基材シートとを積層する前のポリオレフィン系
樹脂層(シート)の他に、これらが積層された積層体に
対して、形成しても良い。上塗り層の厚さは、用途にも
よるが通常1〜20μm程度とする。薄すぎると表面物
性向上効果、紫外線吸収剤のブリードアウト防止効果等
が十分に得られず、また厚すぎると化粧シートの可撓性
が低下したり、コスト高となる。
【0047】また、上塗り層の耐候性、ひいては化粧シ
ートの耐候性を向上させる必要がある場合は、上塗り層
中に耐光剤を含有させると良い。耐光剤としては、ヒン
ダードアミン系ラジカル捕捉剤が好ましい。例えば、ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等が好ま
しい。この耐光剤は、経時的に化粧シート表面にブリー
ドアウトする事が無く、性能が安定しており好ましい。
含有量は樹脂分100重量部に対して、0.1〜5重量
部程度である。これによって、化粧シートの耐候性は通
常1.5倍程度(耐候時間)向上する。
【0048】また、上塗り層は、三次元網状高分子であ
る為にそれ自体でポリオレフィン系樹脂層よりは耐擦傷
性に優れるが、更に耐擦傷性をより向上させる必要があ
る場合は、上塗り層中には、シリコーン系スリップ剤を
含有させる事が好ましい。シリコーン系スリップ剤とし
ては、ジメチルシロキサン骨格のシリコーン系スリップ
剤やシリコーン変性スリップ剤等を用いる。ジメチルシ
ロキサン骨格のシリコーン系スリップ剤は、リコート性
(後塗装適性)やセロハンテープ密着性(化粧シート使
用時にその表面に粘着テープ等を貼る事が出来る)が悪
化するが、少量でも大きなスリップ効果が得られる点で
好ましい。一方、シリコーン変性スリップ剤は、ジメチ
ルシロキサン骨格のシリコーン系スリップ剤に対して、
リコート性やセロハンテープ密着性は良好だが、スリッ
プ効果は劣る。なお、シリコーン系スリップ剤の含有量
は、樹脂分100重量部に対して0.01〜1重量部程
度である。
【0049】なお、上塗り層は、その表面の光沢をパタ
ーン状に形成しても良い。例えば、図3の化粧シートS
で例示する如く、高光沢の上塗り層4aを全面に形成し
た上に、低光沢の上塗り層4bを部分的に形成する。高
光沢(グロス)と低光沢(マット)とによるパターンに
よって、グロス・マット柄を表現できる。低光沢の上塗
り層4bにはマット剤(艶消し剤)を添加すれば良い。
一方、高光沢の上塗り層4aにはマット剤を添加しな
い。マット剤は、例えばシリカ、アルミナ、炭酸カルシ
ウム等の粉末からなる公知のマット剤で良い。マットで
表現する低光沢の上塗り層の柄は、例えば木目導管溝柄
等である。なお、もちろん事、上塗り層は一層のみを設
ける場合でも、全面を高光沢、或いはマット等の低光沢
にしても良い。
【0050】〔接着剤層〕なお、化粧シートには、必要
に応じ適宜、化粧シートを被着体に貼着する為の接着剤
層やプライマー層を貼着面側に設けても良い。接着剤層
やプライマー層には、用途に応じ、ポリアミド等の熱可
塑性樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化等による硬化性樹脂
等の従来公知の接着剤を使用すれば良い。接着形態には
熱融着や粘着等がある。なお、既に述べたが、図1
(C)、図2〜図4で例示した様に、ポリオレフィン系
樹脂層と基材シート間に必要に応じて適宜設ける接着剤
層6は、接着する層材質に応じて、2液硬化型等のウレ
タン樹脂等の樹脂を使用する。
【0051】〔化粧シートの被着体〕なお、本発明で得
られる化粧シートの用途は特に限定されず、各種被着体
の表面に積層して表面を化粧する用途に用いる。被着体
は各種素材の平板、曲面板等の板材、立体形状物品、シ
ート(或いはフィルム)等である。例えば、木材単板、
木材合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維
板)等の木質繊維板等の板材や立体形状物品等として用
いられる木質板素材、鉄、アルミニウム等の板材、立体
形状物品或いはシート等として用いられる金属素材、ガ
ラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯
業系材料、ALC(軽量気泡コンクリート)板等の非陶
磁器窯業系材料等の板材や立体形状物品等として用いら
れる窯業系素材、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系
樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体)樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、
セルロース系樹脂、ゴム等の板材、立体形状物品或いは
シート等として用いられる樹脂素材、或いは、専らシー
トとして用いられる上質紙、和紙等の紙、炭素、石綿、
ガラス、合成樹脂等の繊維からなる不織布または織布が
挙げられる。
【0052】〔化粧シートの被着体への積層方法〕これ
らの各種被着体への化粧シートの積層方法としては、例
えば接着剤を間に介して板状基材に加圧ローラーで加
圧して積層する方法、特公昭50−19132号公
報、特公昭43−27488号公報等に記載される様
に、化粧シートを射出成形の雌雄両金型間に配置した
後、熔融樹脂を型内に射出充填し、樹脂成型品の成形と
同時にその表面に化粧シートを接着積層する、所謂射出
成形同時ラミネート方法、特公昭56−45768号
公報、特公昭60−58014号公報等に記載される様
に、成形品等の立体形状物品の表面に化粧シートを、間
に接着剤を介して対向又は載置し、立体形状物品側から
の真空吸引による圧力差により化粧シートを立体形状物
品の表面に積層する、所謂真空プレス積層方法、特公
昭61−5895号公報、特公平3−2666号公報等
に記載されるように、円柱、多角柱等の柱状基材の長軸
方向に、化粧シートを間に接着剤を介して供給しつつ、
複数の向きの異なるローラーにより、柱状基材を構成す
る複数の側面に順次化粧シートを加圧接着して積層して
ゆく、所謂ラッピング加工方法が有る。
【0053】なお、化粧シートを積層して化粧板とした
物に対する更なる加工法としては、実公大15−311
22号公報、特開昭48−47972号公報に記載され
る様に、まず化粧シートを板状基材に間に接着剤を介し
て積層して化粧板とし、化粧シートとは反対側の面に、
化粧シートと板状基材との界面に到達する、断面がV字
状、又はU字状溝を切削し、次いで該溝内に接着剤を塗
布した上で該溝を折り曲げ箱体又は柱状体を成形する所
謂、Vカット又はUカット加工法等がある。
【0054】〔化粧シート及びその積層物の用途〕本発
明で得られる化粧シートは各種被着体に積層し、必要に
応じて所定の成形加工等を施して、各種用途に用いる。
例えば、壁、天井、床等建築物の内装、窓枠、扉、手摺
等の建具の表面化粧、家具又は弱電・OA機器のキャビ
ネットの表面化粧、自動車、電車、航空機、船舶等の乗
物内装、窓硝子の化粧等である。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に説明する。
【0056】〔実施例〕図4の如き層構成の化粧シート
を次の様にして作製した。
【0057】隠蔽性の有る着色された基材シート5aと
して、厚さ80μmのポリプロピレン系熱可塑性エラス
トマー(ポリプロピレンランダム共重合体からなるハー
ドセグメントに、水素添加スチレンブタジエンゴムから
なるソフトセグメントを混合し、着色顔料として、弁
柄、チタン白、カーボンブラック、及び黄鉛を含む)か
らなるシートの表裏両面に、コロナ放電処理を臨界表面
張力が38〔dyn/cm〕となる様に施し、その片面
に、ポリエステルポリオールとヘキサメチレンジイソシ
アネートとからなるプライマー層7を塗工により厚さ2
μmに形成し、その上に、バインダーの樹脂がメチルメ
タクリレート−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合
体系アクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネ
ートとからなり、着色顔料が弁柄を主体とする着色イン
キを用いて、木目柄の装飾層2をグラビア印刷法で形成
した。
【0058】この装飾層の上に、更にメチルメタクリレ
ート−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体系アク
リルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとか
らなる2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤を固形分基準塗
布量15g/m2 となる様に塗工して接着剤層7を設
け、該接着剤層を介して、ポリオレフィン系樹脂層1と
して、アイソタクチックポリプロピレンからなるハード
セグメント80重量部とアタクチックポリプロピレンか
らなるソフトセグメント20重量部との混合物に、ベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤8000ppm、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)
セバケートのラジカル捕捉剤4000ppm、エルカ酸
アミドからなる滑剤500ppmを含む透明な厚さ60
μmのポリプロピレン系熱可塑性エラストマーシートを
積層し、ポリオレフィン系樹脂層の表面に熱プレスによ
るエンボス加工で木目導管溝の凹凸模様8を賦形して、
装飾処理が施された装飾シート3とした。
【0059】次いで、上記装飾シートの凹凸模様が形成
されている表面に、下記組成の上塗り層用組成物からな
る塗液をグラビアコート法で塗布後、加熱乾燥し、上塗
り層を架橋硬化させ、厚さ3μmの上塗り層4を形成し
て、化粧シートSを得た。
【0060】上塗り層用組成物 ・メチルメタクリレート−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体系の アクリルポリオール 50重量部 ・オクチルアクリレート−シクロヘキシルアクリレート−ヒドロキシエチメタク リレート共重合体系のアクリルポリオール 50重量部 ・ヘキサメチレンジイソシアネート 8重量部 ・ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート 0.4重量部 ・ジメチルシロキサン骨格シリコーン系スリップ剤 1重量部 ・希釈溶剤 適量
【0061】〔性能評価〕得られた化粧シートについ
て、下記の方法で耐擦傷性及び耐候密着性について性能
評価した。
【0062】耐擦傷性:指先の爪を立てて、化粧シー
トの試験片の表面を10往復擦った後の外観を目視で観
察し評価した。爪の後が残らず擦り傷、艶傷が目立たな
いものは良好、爪の後が残り擦り傷、艶傷が目立つもの
は不良とした。 耐候密着性:先ず、化粧シートの試験片を、紫外線耐
候性試験機(岩崎電気株式会社製、スーパーUVテスタ
ー、型式SUV−W13)を用いてブラックパネル温度
63℃、湿度70%RHで、紫外線照射量60mW/c
2 の照射時間20時間と、非照射で結露した状態下で
の4時間とを1サイクルとして繰り返す条件下で、試験
時間を50時間(屋外暴露1年に相当)、100時間、
及び120時間の3種類変えて促進耐候試験を行った。
次いで、試験片の表面(上塗り層面)に、2mm間隔で
碁盤目状に縦横に、深さが直下のポリオレフィン系樹脂
層にまで達する切り込みを入れて、縦横で10×10個
の合計100個の枡目を作った後、セロハン粘着テープ
(ニチバン株式会社製、「セロテープ」(登録商標)2
4mm幅、産業用)を20℃に於いて貼着後、勢い良く
剥がして、上塗り層がポリオレフィン系樹脂層から剥離
してテープと共に剥がれるか否かで評価した。剥がれ無
きものを良好、剥がれ有りのものを不良とした。
【0063】その結果、耐擦傷性は擦り傷、艶傷とも目
立たず良好であった。また、耐候密着性は、耐候促進試
験時間50時間、及びその倍の100時間でも良好であ
った。但し、120時間では全枡目で上塗り層が剥離し
て不良となった。
【0064】〔比較例1〕実施例で用いた上塗り層用組
成物に於いて、アクリルポリオールをメチルメタクリレ
ート−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体系アク
リルポリオール(100重量部)の一種のみとし、且つ
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ル)セバケートを除いた組成物とした他は、実施例同様
に化粧シートを作製した。そして、実施例同様に耐候密
着性を評価した結果、耐候促進試験時間50時間、10
0時間及び120時間の全ての条件にて、全枡目で上塗
り層が剥離して不良となった。
【0065】〔比較例2〕実施例に用いた上塗り層用組
成物に於いてスリップ剤を除外した組成物とした他は、
実施例と同様にして化粧シートを作製した。そして、実
施例同様に耐擦傷性を評価した。その結果、擦り傷と艶
傷が認められ、ポリオレフィン系樹脂面の場合よりは耐
擦傷性は改善されているが不良であった。
【0066】
【発明の効果】本発明の上塗り層用組成物によれば、
2種類の特定のアクリルポリオールと特定のイソシアネ
ートとを用いる事で、非塩ビ系の化粧シートの表面のポ
リオレフィン系樹脂層の上に、該ポリオレフィン系樹脂
層との耐候密着性及び耐擦傷性に優れ、また耐候性も優
れた上塗り層を形成できる。 また、本発明の化粧シートによれば、上塗り層を、特
定の各種(メタ)アクリレート及び特定のイソシアネー
トの架橋物とする事で、上塗り層が耐擦傷性及びポリオ
レフィン系樹脂層との耐候密着性に優れ、また耐候性も
優れた化粧シートとする事ができる。 なお、化粧シートの上塗り層中にイソシアネート基を
有し、且つポリオレフィン系樹脂層が水酸基を分子中に
有する紫外線吸収剤を含有する構成とすれば、前記イソ
シアネート基によって、上塗り層の下層であるポリオレ
フィン系樹脂層中の上記紫外線吸収剤が、上塗り層にま
でブリードした段階で、その分子中の水酸基とイソシア
ネート基とが反応する為、上塗り層表面にまで紫外線吸
収剤がブリードアウトして、化粧シートの耐候性や層間
密着性が低下するのを防げる。 また、化粧シートの上塗り層がヒンダードアミン系ラ
ジカル捕捉剤を含有する構成とすれば、上塗り層を含む
化粧シートの耐候性がより向上する。 また、化粧シートの上塗り層がシリコーン系スリップ
剤を含有する構成とすれば、耐擦傷性がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの形態例の幾つかを例示す
る断面図。
【図2】本発明の化粧シートでシートを2層積層した場
合の形態例の幾つかを例示する断面図。
【図3】本発明の化粧シートの他の形態例を例示する断
面図。
【図4】本発明の化粧シートの他の形態例を例示する断
面図。
【図5】従来の化粧シートの或る一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 ポリオレフィン系樹脂層 2 装飾層 3 装飾シート 4 上塗り層 4a 高光沢の上塗り層 4b 低光沢の上塗り層 5 基材シート 5a 着色処理された基材シート 6 接着剤層 7 プライマー層 8 凹凸模様 9 着色部 31 着色ポリオレフィン系樹脂層 32 絵柄層 33 接着剤層 34 透明ポリオレフィン系樹脂層 S、Sa 化粧シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK03B AK07 AK25A AK51A AK51G AK51J AK52J AK62B AK66B AK73 AL01A AL05A AL09 AT00C BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C CA07B CA13 CA19A CA30A CB02 CC00A EH46 GB08 HB00 HB00C HB01 HB31 JK01 JK06 JL09 4J038 CG141 CG142 CH031 CH032 CH041 CH042 CH071 CH072 CH121 CH122 CJ131 CJ132 DL032 GA03 GA11 JB18 KA02 KA03 KA07 KA12 NA03 NA11 NA12 PB05 PC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチル(メタ)アクリレート及びヒドロ
    キシエチル(メタ)アクリレートからなる共重合体系ア
    クリルポリオールと、オクチル(メタ)アクリレート、
    シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びヒドロキシエ
    チル(メタ)アクリレートからなる共重合体系アクリル
    ポリオールとの混合物と、脂肪族及び/又は脂環式イソ
    シアネートとからなる、上塗り層用組成物。
  2. 【請求項2】 少なくとも片面に於ける最表面がポリオ
    レフィン系樹脂層からなる装飾処理が施された装飾シー
    トの該最表面に、メチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
    キシエチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)ア
    クリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、並
    びに脂肪族及び/又は脂環式イソシアネートの架橋物か
    らなる上塗り層を積層してなる化粧シート。
  3. 【請求項3】 上塗り層中にイソシアネート基を有し、
    且つポリオレフィン系樹脂層が水酸基を有する紫外線吸
    収剤を含有する、請求項2記載の化粧シート。
  4. 【請求項4】 上塗り層が、ヒンダードアミン系ラジカ
    ル捕捉剤を含有する、請求項2又は3記載の化粧シー
    ト。
  5. 【請求項5】 上塗り層が、シリコーン系スリップ剤を
    含有する、請求項2〜4のいずれかに記載の化粧シー
    ト。
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