JP7000690B2 - 樹脂積層フィルム及びその製造方法、並びにメラミン化粧板 - Google Patents
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Description
[1] アクリル樹脂組成物(A)又はフッ素系樹脂組成物(B)からなる樹脂層(I)と、反応性基含有アクリル樹脂(C-1)とコアシェルゴム(C-2)を含有する樹脂組成物(C)からなる樹脂層(II)とを備える積層フィルムであって、
反応性基含有アクリル樹脂(C-1)のガラス転移温度が60~120℃であり、
反応性基含有アクリル樹脂(C-1)がアミノ基又はメチロール基に対する反応性基を有する単量体単位を含有し、
反応性基を有する単量体単位の含有率が、反応性基含有アクリル樹脂(C-1)100質量%に対して4質量%以上である、積層フィルム。
[2] 前記反応性基が水酸基である、[1]の積層フィルム。
[3] 前記反応性基が2級水酸基である、[1]の積層フィルム。
[4] アクリル樹脂組成物(A)又はフッ素系樹脂組成物(B)からなる樹脂層(I)と、反応性基含有アクリル樹脂(C-1)とコアシェルゴム(C-2)を含有する樹脂組成物(C)からなる樹脂層(II)とを備える積層フィルムであって、
反応性基含有アクリル樹脂(C-1)のガラス転移温度が60~120℃であり、
反応性基含有アクリル樹脂(C-1)が水酸基を有する単量体単位を含有し、
樹脂組成物(C)の水酸基価が15~300mgKOH/gである、積層フィルム。
[6] 前記反応性基含有アクリル樹脂(C-1)中の芳香族ビニル単量体単位の含有率が、反応性基含有アクリル樹脂(C-1)100質量%に対して0~3質量%である、[1]~[5]のいずれかの積層フィルム。
[7] 前記樹脂組成物(C)のゲル分率が0~80%である、[1]~[6]のいずれかの積層フィルム。
[8] 厚さが100μm以下である、[1]~[7]のいずれかの積層フィルム。
[9] 前記樹脂層(II)の厚さが30μm以下である、[1]~[8]のいずれかの積層フィルム。
[10] 破断伸度が10%以上である、[1]~[9]のいずれかの積層フィルム。
[12] [1]~[10]のいずれかの積層フィルムの製造方法であって、塗工法により製造する、積層フィルムの製造方法。
[13] [1]~[10]のいずれかの積層フィルムを備える保護フィルム。
[14] [1]~[10]のいずれかの積層フィルムを備えるメラミン化粧板表面保護用フィルム。
[15] [1]~[10]のいずれかの積層フィルムと、メラミン基材とが、樹脂層(I)、樹脂層(II)、メラミン基材の順に積層されたメラミン化粧板。
本発明の積層フィルムは、アクリル樹脂組成物(A)又はフッ素系樹脂組成物(B)からなる樹脂層(I)と、樹脂組成物(C)からなる樹脂層(II)とを備える。
ここで、樹脂組成物(C)は、基材との接着性を発現するための反応性基を有している。このため、本発明の積層フィルムを貼合用途に用いる場合には、樹脂組成物(C)からなる樹脂層(II)を被貼合体側に向けて貼合層とし、アクリル樹脂組成物(A)又はフッ素系樹脂組成物(B)からなる樹脂層(I)を被貼合体とは反対側に向けて表面層とするのが好ましい。
本発明の樹脂層(I)は、アクリル樹脂組成物(A)又はフッ素系樹脂組成物(B)からなる。
樹脂層(I)の100℃における貯蔵弾性率は、1~500MPaが好ましく、10~200MPaがより好ましく、30~100MPaが更に好ましい。
メラミン化粧板は通常160℃以上の温度で熱プレスして作成するが、大面積の積層板を数多く同時に積層してプレスする際には、部位により温度が不均一となり100℃前後の低温部分が生じる場合がある。そのような場合でも、100℃における貯蔵弾性率が500MPa以下であれば良好な外観の積層板を得ることができる。
本発明のアクリル樹脂組成物(A)は、フィルム生産性及び取扱い性の点からコアシェルゴム(A-1)を含有することが好ましく、例えば、コアシェルゴム(A-1)と、熱可塑性重合体(A-2)と、添加剤(D-1)とを含有することができる。
特に、アクリル樹脂組成物(A)は、(A-1)と(A-2)との合計100質量%に対して、(A-1)を5.5~100質量%、(A-2)を0~94.5質量%含み、更に、(A-1)と(A-2)との合計100質量部に対して、添加剤(D-1)を0~20質量部含有することが好ましい。
コアシェルゴム(A-1)の含有率が5.5質量%以上であれば、樹脂層(I)に靭性がより付与され、積層フィルム生産時にフィルム切れが起こりにくく、生産性が良好である。また、積層フィルム使用時の取扱い性が良好である。
また、アクリル樹脂組成物(A)は、(A-1)と(A-2)との合計100質量部に対して、添加剤(D-1)を0.1~10質量部含有することがより好ましく、1~8質量部含有することが更に好ましい。尚、アクリル樹脂組成物(A)は、熱可塑性重合体(A-2)及び添加剤(D-1)を含まなくてもよい。
コアシェルゴム(A-1)は多層構造の粒子であればよく、内層としての弾性共重合体(a-1)を含む層上に、外層としての硬質重合体(a-2)を含む層が形成された2層以上の多層構造を有するゴム粒子であることが好ましい。
コアシェルゴムの材質としてはアクリルゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられるが、透明性や耐候性の点から、アクリルゴムが好ましい。アクリルゴムとしては、特許文献1に記載されているものと同様のものが挙げられる。
熱可塑性重合体(A-2)は、コアシェルゴム(A-1)以外の熱可塑性重合体であり、メタクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体を重合して得られる重合体であることが好ましい。
熱可塑性重合体(A-2)としては、例えば、特許文献1に記載されている熱可塑性重合体や高分子系の加工助剤が挙げられる。
添加剤(D-1)は、コアシェルゴム(A-1)及び熱可塑性重合体(A-2)以外の化合物であり、例えば、安定剤、滑剤、可塑剤、発泡剤、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤が挙げられる。
紫外線吸収剤の分子量は、300以上が好ましく、400以上がより好ましい。分子量が300以上であれば、射出成形金型内で真空成形又は圧空成形を施す際に紫外線吸収剤が揮発しにくく、金型汚れが発生しにくい。更に、成形後の紫外線吸収剤のブリードアウトが少なくなる。
紫外線吸収剤としては、分子量400以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、分子量400以上のトリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。長期の紫外線遮蔽能を保持させる点から、分子量400以上のトリアジン系紫外線吸収剤がより好ましい。
分子量400以上のトリアジン系紫外線吸収剤の市販品としては、例えば「チヌビン1577」(商品名、チバガイギー社製)が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル捕捉剤の市販品としては、例えば「アデカスタブLA-57」、「アデカスタブLA-62」、「アデカスタブLA-67」、「アデカスタブLA-63」、「アデカスタブLA-68」(以上いずれも商品名、(株)ADEKA製);「サノールLS-770」、「サノールLS-765」、「サノールLS-292」、「サノールLS-2626」、「サノールLS-1114」、「サノールLS-744」(以上いずれも商品名、三共ライフテック(株)製)が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アンチブロッキング剤の市販品としては、例えば「AEROSIL R976」(日本アエロジル(株)製)が挙げられる。
アンチブロッキング剤の添加量が0.01質量部以上であれば、充分なブロッキング防止効果を奏することができる。0.5質量部以下であれば、得られる積層フィルムの透明性の低下を抑制でき、且つ、フィッシュアイの発生を低減できる。
離型剤としては、シリコーン系化合物、フッ素系化合物、アルキルアルコール、アルキルカルボン酸が挙げられる。中でも、入手の容易さと経済性の面から、アルキルカルボン酸が好ましい。
アルキルカルボン酸としては、例えば、リノール酸、バクセン酸、ステアリン酸、オレイン酸、マルガリン酸、パルミトレイン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のフッ素系樹脂組成物(B)は、フッ素系樹脂(B-1)と、アクリル系樹脂(B-2)と、添加剤(D-2)とを含有することができる。
フッ素系樹脂組成物(B)は、(B-1)と(B-2)との合計100質量%に対して、(B-1)を60~100質量%、(B-2)を0~40質量%含み、更に、(B-1)と(B-2)との合計100質量部に対して、添加剤(D-2)を0~20質量部含有することが好ましい。
熱可塑性重合体(B-2)の含有率が40質量%以下であれば、樹脂層(I)に耐薬品性及び高い耐水性付与され、積層フィルム及び、積層フィルムを積層した成形品の耐薬品性及び耐水性が良好となる。
カール抑制の点からは、(B-2)の含有率が高いほどよい。
耐傷付き性の点からは、(B-2)の含有率が高いほどよい。
カールの点からは、フッ素系樹脂組成物(B)は、(B-1)と(B-2)との合計100質量%に対して、(B-1)を60~95質量%、(B-2)を5~40質量%含むことがより好ましく、(B-1)を60~85質量%、(B-2)を15~40質量%含むことが更に好ましい。(B-2)の含有率が5質量%以上であれば、カールが抑制され積層フィルムの取扱い性が良好となる。
フッ素系樹脂(B-1)としては、フッ素置換基を有する単量体のホモポリマー又はコポリマーであればよく、エチレン等の非フルオロポリマーを含んでもよい。
フッ素置換基を有する単量体としては、例えば、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、1,2-ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)等のパーフルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロ(1,3-ジオキソール)、パーフルオロ(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソール)、パーフルオロブチルエチレン、3,3,3-トリフルオロプロペン、トリフルオロエチルメタクリレート等のフルオロアルキルメタクリレート、トリフルオロエチルアクリレート等のフルオロアルキルアクリレートが挙げられる。
市販品としては、例えば「KYNAR720」、「KYNAR740」(以上いずれも商品名、アルケマ製);「KFポリマーT#850」、「KFポリマーT#1000」、「KFポリマーT#1100」(以上いずれも商品名、(株)クレハ製)が挙げられる。
以上は、いずれもフッ化ビニリデンホモポリマーである。
具体的には、「KYNAR720」、「KFポリマーT#850」が挙げられる。
アクリル系樹脂(B-2)は、フッ素系樹脂(B-1)以外の樹脂であり、前記コアシェルゴム(A-1)又は前記熱可塑性重合体(A-2)と同様のもの、またはそれらの混合物が挙げられる。
添加剤(D-2)は、フッ素系樹脂(B-1)及びアクリル系樹脂(B-2)以外の化合物であり、アクリル樹脂組成物(A)の調製に用いる添加剤(D-1)と同様のものを用いることができる。
但し、フッ素系樹脂は各種の添加剤と相溶性が不良な場合があり、それにより外観が悪化する可能性があるため、添加量は0でもよい。特に、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤はフッ素系樹脂(B-1)と反応して着色する場合があるため、添加量は0でもよい。
本発明の樹脂層(II)は、反応性基含有アクリル樹脂(C-1)、コアシェルゴム(C-2)、熱可塑性重合体(C-3)、添加剤(D-3)を含有する樹脂組成物(C)からなる。
本発明の樹脂組成物(C)は、以下の(1)又は(2)で表現される。
(1):反応性基含有アクリル樹脂(C-1)と、コアシェルゴム(C-2)との合計100質量%に対して、(C-1)を10~99質量%、(C-2)を1~90質量%含有し、更に、(C-1)と(C-2)との合計100質量部に対して、熱可塑性重合体(C-3)を0~50質量部、添加剤(D-3)を0~50質量部含有し、(C-1)はアミノ基又はメチロール基に対する反応性基を有する単量体単位を含有し、(C-1)100質量%に対する反応性基を有する単量体単位の含有率が4質量%以上であり、(C-1)のガラス転移温度(Tg)が60~120℃である。
また、(C-1)と(C-2)の合計100質量部に対して、(C-3)を0.1~10質量部、(D-3)を0.1~10質量部含有することが好ましく、(C-3)を1~5質量部、(D-3)を1~5質量部含有することがより好ましく、(C-3)を2~4質量部、(D-3)を2~4質量部含有することが更に好ましい。
フィルム取扱い性の点からは、(C-2)が多いほど好ましい。(C-2)が多いほど、アクリル樹脂層(II)の靭性が向上し、積層フィルムの取扱い性が良好となる。
耐傷付き性の点からは、(C-2)が少ないほど好ましい。(C-2)が少ないほど、鉛筆硬度が上昇し、耐傷付き性が向上する。
また、フィルム外観の点からは、(C-2)が少ないほど好ましい。(C-2)が少ないほど、溶融成形時の熱劣化によるゲル化物の生成が抑制され、異物が減少し、フィルム外観が良好となる。
より良好な接着性を得る点から、反応性基を有する単量体単位を5質量%以上含有することが好ましく、10質量%以上含有することがより好ましい。反応性基を有する単量体単位の含有率の上限は50質量%以下とすることができる。尚、この含有率は原料の仕込み量から算出した値である。
フィルム靭性の点からは、ゲル分率は45~80%がより好ましく、50~80%が更に好ましい。
また、フィルム外観の点からは、ゲル分率は5~30%がより好ましく、5~25%が更に好ましい。
反応性基含有アクリル樹脂(C-1)は、前記(1)又は(2)における特定の反応性基を有する単量体単位を含有する。
反応性基含有アクリル樹脂(C-1)は、例えば、反応性基を有する単量体単位、芳香族ビニル単量体単位、その他の単量体単位を含有することができる。
具体的には、反応性基含有アクリル樹脂(C-1)は、反応性基を有する単量体単位4~100質量%、芳香族ビニル単量体単位0~3質量%、その他の単量体単位0~96質量%の合計100質量%を含有することができる。
前記反応性基の反応温度は、触媒の有無やpH値等により異なるが、50~200℃が好ましく、110~170℃がより好ましい。メラミン化粧板は、通常110~170℃の温度で作製されるため、反応温度が110~170℃であれば、本発明の積層フィルムをメラミン基材と積層して加熱することで、メラミン化粧版の作製と同時に積層フィルムをメラミン基材と充分に接着させることができる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、酸無水物等の加水分解性部位を有さず、乳化重合、懸濁重合等の水系重合において効率的に重合体を製造することができる点から反応性基として水酸基、カルボキシル基、又はエポキシ基を有する単量体がより好ましい。
また、溶融成形時の架橋防止の点から、反応性基として水酸基を有する単量体が更に好ましい。
また、溶融成形時の架橋を特に低減する点から、反応性基として2級水酸基を有する単量体が特に好ましい。
溶融成形時の架橋反応によりフィルム外観が不良となることを防ぐ点で、2級水酸基を有する、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル又はアクリル酸2-ヒドロキシプロピルが好ましい。
また、メタクリル酸メチル等との共重合性が良好である点で、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピルがより好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
使用量が4質量%以上であれば、接着性がより良好となる。
また、反応性基を有する単量体が水溶性である場合、非水溶性の単量体を併用することで水への溶解を抑制することができ、乳化重合、懸濁重合等の水系重合において効率的に重合体を製造することができる。
反応性基の使用量を増加させると、(C-1)と(C-2)及び(C-3)との相溶性が低下し、積層フィルムの外観が悪化又は曇価が増大する場合がある。積層フィルムの外観及び曇価を低く保つ点からは、反応性基の量は少ないほど好ましい。
使用量は0~1質量%がより好ましく、0~0.1質量%が更に好ましい。尚、使用量は少ない方が好ましく、0質量%でもよい。
その他の単量体の使用量は、反応性基による架橋等の反応を抑制する点から、反応性基含有アクリル樹脂(C-1)に対して0~96質量%が好ましく、20~96質量%がより好ましい。尚、使用量は0質量%でもよい。
重合時には、連鎖移動剤、その他の重合助剤等を使用してもよい。連鎖移動剤としてはメルカプタン類が好ましい。
Tgが60℃以上であれば、本発明の積層フィルムを使用したメラミン化粧板の耐熱性、耐水性が良好となり、特に、65℃の温水に48時間浸漬する試験後の密着性と耐白化性が良好となる。また、フィルム及び原料樹脂のブロッキング性が低下するため、フィルムロールからの巻出しが容易で取扱い性に優れるほか、ブロッキング跡による外観不良を生じにくくなり、外観品位に優れる積層フィルムを得ることができる。
Tgが120℃以下であれば、本発明の積層フィルムを積層したメラミン化粧板を作成する際、より低温でプレス加工をしてもメラミン基材と積層フィルムとの接着性がより良好となる。即ち、積層フィルムを積層したメラミン化粧板を作成する際の加工条件が緩和される。
1/(273+Tg)=Σ(wi/(273+Tgi))
式中、Tgは共重合体(または、その混合物)のTg(℃)、wiは単量体iの質量分率、Tgiは単量体iを重合して得られる単独重合体のTg(℃)である。
コアシェルゴム(C-2)は、反応性基含有アクリル樹脂(C-1)以外のコアシェルゴムであればよく、コアシェルゴム(A-1)と同様のものが挙げられる。
熱可塑性重合体(C-3)としては、反応性基含有アクリル樹脂(C-1)及びコアシェルゴム(C-2)以外の樹脂であればよく、熱可塑性重合体(A-2)と同様のものが挙げられる。
添加剤(D-3)は、反応性基含有アクリル樹脂(C-1)、コアシェルゴム(C-2)及び熱可塑性重合体(C-3)以外の化合物であり、アクリル樹脂組成物(A)の調製に用いる添加剤(D-1)と同様のものを用いることができる。
分子量2000以上のヒンダードアミン系安定剤としては、Chimassorb2020(商品名、BASF製)が挙げられる。
本発明の積層フィルムの厚さは、10~100μmが好ましく、20~80μmがより好ましく、25~40μmが更に好ましい。
厚さが10μm以上であれば、積層フィルムの製造が容易であり、得られるメラミン化粧板に充分な耐候性を付与することができる。
厚さが100μm以下であれば、積層フィルムが適度な柔軟性を有するため、得られるメラミン化粧板を切断する際に剥離を防止することができる。また、単位面積あたりの質量の点で、経済的に有利である。更に、製膜性が安定して積層フィルムの製造が容易になる。更に、メラミン化粧板に積層した場合、化粧板の鉛筆硬度が上昇し、耐傷付き性が向上する。
樹脂層(I)の厚さが1μm以上であれば、得られるメラミン化粧板の耐候性及び耐水性が良好となる。また、樹脂層(I)の厚さが99.5μm以下であれば、単位面積あたりの質量の点で、経済的に有利である。
樹脂層(II)の厚さが0.5μm以上であれば、接着性が向上する。樹脂層(II)の厚さが99μm以下であれば、単位面積当たりの質量の点で、経済的に有利である。
樹脂層(I)の厚さが1μm以上であれば、得られるメラミン化粧板の耐薬品性及び耐水性が良好となる。
樹脂層(I)の厚さが50μm以下であれば、単位面積あたりの質量の点で、経済的に有利である。また、樹脂層(I)と樹脂層(II)との熱収縮率が大きい場合、樹脂層(I)が薄いほど積層フィルムのカールが抑制され、取扱い性に優れる。
樹脂層(II)の厚さが0.5μm以上であれば、接着性が向上する。樹脂層(II)の厚さが99.5μm以下であれば、単位面積あたりの質量の点で、経済的に有利である。
また、樹脂層(II)が厚いほど、低い紫外線吸収剤濃度で耐候性を付与することができ有利である。即ち、厚さがこれらの範囲内であれば、充分な耐薬品性と接着性、耐候性を確保することができ、工業的利用価値が高いフッ素系樹脂-アクリル樹脂積層フィルムが得られる。
本発明の積層フィルムを製造する方法としては、生産性の点から、フィードブロックダイ又はマルチマニホールドダイを介した共押出法により、樹脂層(I)及び(II)の積層構造を形成する方法が好ましい。また、樹脂層(I)及び(II)を、それぞれTダイを用いた溶融押出法等によりフィルム状に成形して、その2種のフィルムを熱ラミネート法により積層する方法を用いることもできる。
更に、一方の樹脂層をフィルム状にし、その後他方の樹脂層を溶融押出法により積層する押出ラミネーション法を用いることもできる。溶融押出を行なう場合には、表面欠陥の原因となる核や不純物を取り除くために、200メッシュ以上のスクリーンメッシュで溶融状態にある樹脂組成物を濾過しながら押出することもできる。
中でも、溶解力の点から、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドが好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の積層フィルムは優れた接着性を有し、各種の基材に接着することができるため、保護フィルムとして好適に使用できる。特に、本発明の積層フィルムはメラミン樹脂に対して優れた接着性を示すため、メラミン化粧板表面保護用フィルムとして好適に使用できる。
熱圧成形は、例えば、樹脂含浸コア紙及びメラミン樹脂含浸紙(メラミン基材)と、並びに本発明の積層フィルムとを積層し、温度110~170℃、圧力5~10MPa、時間10~90分の条件で行なうことができる。
これに対して本発明の積層フィルムを用いる場合、接着剤やプライマーの使用が不要であるため、工数の削減が可能であり、コストが削減できるため、工業的に有利である。
MA :メチルアクリレート
BA :ブチルアクリレート
HPMA :2-ヒドロキシプロピルメタクリレート
St :スチレン
AMA :アリルメタクリレート
BDMA :1,3-ブチレングリコールジメタクリレート
CHP :クメンヒドロペルオキシド
tBH :t-ブチルハイドロパーオキサイド
LPO :ラウリルパーオキサイド
nOM :n-オクチルメルカプタン
RS610NA:モノn-ドデシルオキシテトラオキシエチレン燐酸ナトリウム(商品名:「フォスファノールRS-610NA」、東邦化学工業(株)製)
LA31 :(株)ADEKA製、「アデカスタブLA-31RG」(商品名)
TV234:BASF製、「Tinuvin234」(商品名)
TV1577:BASF製、「Tinuvin1577」(商品名)
2020 :BASF製、「Chimassorb2020」(商品名)
R976 :日本アエロジル製、「AEROSIL R976」(商品名)
1076 :BASF製、「Irganox1076」(商品名)
S90V:(株)花王製、「ルナックS90V」(商品名)
T850 :(株)クレハ製、「KFポリマー T#850」(商品名)
VH :三菱レイヨン(株)製、「アクリペットVH001」(商品名)
反応性基含有アクリル樹脂(C-1)の酸価と水酸基価を以下の方法により求めた。まず、サンプルをアセトンに溶解し、フェノールフタレインを指示薬として、0.1mol/Lのエタノール性水酸化カリウム溶液で滴定した。また、サンプルを使用しない他は同様の操作で空試験を実施し、以下の式から酸価を求めた。
酸価=(A-B)×f×56.1×0.1/S
f:0.1mol/Lエタノール性水酸化カリウムの力価
S:サンプル量(g)
A:滴定に用いたエタノール性水酸化カリウム量(ml)
B:空試験に用いたエタノール性水酸化カリウム量(ml)
水酸基価=(B-A)×f×56.1×0.5/S+酸価
f:0.5mol/Lエタノール性水酸化カリウムの力価
S:サンプル量(g)
A:滴定に用いたエタノール性水酸化カリウム量(ml)
B:空試験に用いたエタノール性水酸化カリウム量(ml)
また、樹脂組成物(C)の水酸基価(計算値)は、樹脂組成物(C)中に占める反応性基含有アクリル樹脂(C-1)の質量比から算出した値である。
重合体をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた試料について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(機種名:「HLC-8200」、東ソー(株)製)、カラム(商品名:「TSK-GEL SUPER MULTIPORE HZ-H」、東ソー(株)製、内径4.6mm×長さ15cm×2本)、溶離液(THF)を用いて、温度40℃で測定した。
標準ポリスチレンによる検量線から、Mwを求めた。
重合体のガラス転移温度をポリマーハンドブック[Polymer HandBook(J.Brandrup,Interscience,1989)]に記載されている値又はモノマーメーカーのカタログ値を用いてFox式から算出した。
コアシェルゴムの平均粒子径は、乳化重合で得られた重合体のポリマーラテックスの最終粒子径を、光散乱光度計(製品名:「DLS-700」、大塚電子(株)製)を用い、動的光散乱法で測定した。
得られた樹脂組成物(C)について、メルトインデクサー(製品名「L243」、(株)テクノ・セブン製)を用いて、JIS K7210(A法)に従い、加熱時間4分でのMFRを測定した。
尚、MFRの測定条件は、温度を230℃、荷重を49Nとし、試料切り取り時間の間隔は、試料のMFR値に応じて60秒又は120秒とした。
得られた樹脂組成物(C)0.5gにアセトン50mlを加え、65℃で4時間撹拌した。その後、4℃、14000rpmで30分間遠心分離し、上澄みを取り除いた後に再度アセトンを50ml加え、再度同条件で遠心分離した。上澄みを除いた後、沈降したゲル部分を8時間真空乾燥して質量を測定し、以下の式によりゲル分を算出した。
ゲル分(%)=(ゲル部分の質量(g)/0.5)×100
積層フィルムを適当な大きさに切り出し、反射分光膜厚計 FE3000(商品名、大塚電子(株)製)を用いて、樹脂層(I)、(II)の厚さを測定した。
得られた積層フィルムを、20cm四方に切り出し、樹脂層(I)を上面として平滑なガラス板上に置いて、25℃、湿度50%にて6時間保持し、フィルム端部の状態を目視観察した。
端部がガラス面に接しているものを○、端部がガラス面から浮いているものを△、端部がカールして積層フィルム上面に接しているものを×とした。
得られた積層フィルムを、樹脂層(II)がアクリル樹脂板L001(商品名、三菱レイヨン(株)製)に接するように積層し、熱プレスで接着した。
得られた積層板を、JIS K-5600-5-4に従い、電動鉛筆引っかき硬度試験機553-M1(商品名、安田精機製作所製)及び、ユニ(商品名、三菱鉛筆(株)製)を用いて評価した。
得られた積層フィルムの全光線透過率はJIS K7361-1、曇価はJIS K7136、黄色度はJIS K7373、白度はJIS Z8715に準拠して評価した。
得られた積層フィルムを、製膜方向を長辺として150mm×15mmに切り出し、オートグラフ引張試験機(商品名、島津製作所(株)製)を用いて、チャック間距離100mm、引張速度50mm/分、にて引張試験を実施し、MD方向のフィルムの弾性率及び破断伸度を測定した。
DSC6200(製品名、SIIナノテクノロジー製)を用いて、メラミン基材を窒素気流下、25℃から200℃まで10℃/分で昇温した際の吸熱ピーク温度を測定して、第一吸熱ピーク温度をメラミン基材吸熱ピーク温度とした。
メラミン化粧板の表面にアセトンを滴下し、1分後に布で拭き取った後に外観を目視観察した。痕跡の無いものを「1」、微かに痕跡が見られたものを「2」、明確に痕跡があり、白化が見られたものを「3」、明確に痕跡があり、表面に僅かに凹凸が生じたものを「4」、表面に明確な凹凸が生じたものを「5」とした。
メラミン化粧板の表面を塗装スプレー(商品名:シリコンラッカースプレー 黒色、(株)カンペパピオ製)を用いて塗装した後、乾燥速度を調整するために、5分間塗装箇所にシャーレを裏向きに載せて密閉し、その後、室温で1時間以上乾燥させた。
その後、拭き取りスプレー(商品名:KSR-300、ABC商会製)を用いて塗装を除去した後に外観を目視観察した。痕跡の無いものを「1」、微かに痕跡が見られたものを「2」、明確に痕跡が見られたものを「3」とした。
得られたメラミン化粧板を用いて、CEN(欧州標準化委員会)規格、EN438-2に従い、100℃、2時間煮沸試験を実施し、煮沸試験前後の白度変化を測定した。
得られたメラミン化粧板を用いて、CEN(欧州標準化委員会)規格、EN438-2に従い、65℃、48時間、温水浸漬試験を実施し、温水試験前後の白度変化を測定した。
室温状態のメラミン化粧板に対し、カッターナイフにより1mm間隔で100マスの碁盤目の切り込みを入れ、セロハンテープ(ニチバン(株)製)で剥がれ性を確認した。
この試験を初期状態、前記煮沸試験後、前記温水試験後に行ない、マスが全く剥がれない場合を○、1~9個のマスが剥がれる場合を△、10個以上のマスが剥がれる場合を×と評価した。
スガ試験機 スーパーキセノンウェザーメーター SX75を用い、照射強度60W/m2(300-400nm)、フィルター#275にて、照射(63℃、50%RH)102分、照射+噴霧(95%RH)18分の、計120分を1サイクルとして試験を実施した。メラミン化粧板に対して試験を実施し、3000時間後での密着性を測定した。
攪拌機を備えた容器に脱イオン水8.5部を仕込んだ後、撹拌を行ないながら下記の成分(ii)を加え、20分間攪拌を実施して乳化液を調製した。
次に、冷却器付き重合容器内に脱イオン水191.5部、下記の成分(i)を投入し、70℃に昇温した。次いで、窒素下で攪拌しながら、調製した乳化液を8分間にわたって重合容器内に滴下した後、15分間反応を継続させた。
続いて、下記の成分(iii)を、90分間にわたって前記重合容器内に滴下した後、60分間反応を継続させ、弾性共重合体のラテックスを得た。尚、弾性共重合体単独のTgは-48℃であった。
続いて、下記の成分(v)を、140分間にわたって前記重合容器内に滴下した後、60分間反応を継続させ、中間重合体の上に硬質重合体を形成した。以上の工程により、コアシェルゴム(A-1A)100部を含むラテックスを得た。尚、硬質重合体単独のTgは84℃であった。また、重合後に測定したコアシェルゴム(A-1A)の平均粒子径は0.12μmであった。
このコアシェルゴム(A-1A)のラテックスを、目開き50μmのフィルターで濾過した。次いで、酢酸カルシウムを用いて凝析させ、濾過、水洗、乾燥してコアシェルゴム(A-1A)を得た。
ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.2部
硫酸第一鉄 0.0001部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.0003部
(ii)
MMA 0.3部
BA 4.5部
AMA 0.05部
BDMA 0.2部
CHP 0.025部
RS610NA 1.1部
(iii)
MMA 1.5部
BA 22.5部
AMA 0.25部
BDMA 1.0部
CHP 0.016部
(iv)
MMA 6.0部
BA 4.0部
AMA 0.075部
CHP 0.013部
(v)
MMA 55.2部
BA 4.8部
nOM 0.22部
tBH 0.075部
反応容器内に窒素置換したイオン交換水200部を仕込み、乳化剤としてオレイン酸カリウム1部、過硫酸カリウム0.3部を仕込んだ。続いてMMA40部、BA10部、nOM0.005部を仕込み、窒素雰囲気下65℃にて3時間撹拌し、重合を完結させた。
続いて、MMA48部及びBA2部からなる単量体混合物を2時間に亘り滴下し、滴下終了後2時間保持し、重合を完結させた。
得られたラテックスを0.25質量%硫酸水溶液に添加して凝析させ、濾過、水洗、乾燥し、熱可塑性重合体(A-2A)を得た。
得られた熱可塑性重合体(A-2A)のMwは1,000,000であった。
製造例3では、フッ素系樹脂(B-1)としてT850を75部、アクリル系樹脂(B-2)としてVHを25部用い、この混合物100部に対し、添加剤(D-2)として1076を0.1部加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。
次いで、これを35mmφのスクリュー型二軸押出機(L/D=26)を用いて、シリンダー温度200~240℃、ダイ温度240℃の条件下で溶融混練し、ペレット化して、樹脂層(I)用のフッ素系樹脂組成物(B2)を得た。
製造例5では、T850を80部、VHを20部に変更した以外は、製造例3と同様にして、フッ素系樹脂組成物(B4)を得た。
製造例6では、撹拌機、還流冷却器、及び窒素ガス導入口等の付いた反応容器内に、以下の成分の混合物を仕込んだ。
MMA 80部
BA 5部
HPMA 15部
nOM 0.25部
LPO 0.4部
メチルメタクリレート/メタクリル酸塩/メタクリル酸エチルスルホン酸塩の共重合体 0.02部
硫酸ナトリウム 0.3部
イオン交換水 145部
窒素雰囲気下、還流冷却器付き反応容器に脱イオン水153部を入れ、80℃に昇温した。下記の成分(i)を添加し、撹拌を行ないながら、下記の成分(ii)を添加した。その後1時間保持して重合を行ない、重合体ラテックスを得た。
続いて、重合体ラテックスにソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.1部を加えた。その後15分保持し、窒素雰囲気下80℃で撹拌を行ないながら、下記の成分(iii)を添加した。その後1時間保持して重合を行ない、コアシェルゴム(C-2A)のラテックスを得た。コアシェルゴム(C-2A)の平均粒子径は0.12μmであった。
このコアシェルゴム(C-2A)のラテックスを、目開き50μmのフィルターで濾過した。次いで、酢酸カルシウムを用いて凝析させ、濾過、水洗、乾燥してコアシェルゴム(C-2A)を得た。
ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.4部
硫酸第一鉄 0.00004部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.00012部
(ii)
BA 50.9部
St 11.6部
AMA 0.56部
tBH 0.19部
RS610NA 1.0部
(iii)
MMA 35.6部
MA 1.9部
tBH 0.056部
nOM 0.16部
RS610NA 0.25部
熱可塑性重合体(C-3)は、熱可塑性重合体(A-2A)と同様のものを使用した。
反応容器内に窒素置換したイオン交換水200部を仕込み、乳化剤としてオレイン酸カリウム1部、過硫酸カリウム0.3部を仕込んだ。続いてMMA80部、BA20部、nOM0.001部を仕込み、窒素雰囲気下65℃にて3時間撹拌し、重合を完結させた。
得られたラテックスを0.4質量%硫酸と2.5質量%硫酸アルミニウムを含む水溶液に添加して凝析させ、濾過、水洗、乾燥し、熱可塑性重合体(C-3B)を得た。
得られた熱可塑性重合体(C-3B)のMwは4,000,000であった。
製造例16では、コアシェルゴム(A-1A)100部に対し、熱可塑性重合体(A-2A)を4部、添加剤(D-1)としてLA31を2.36部、2020を0.45部、S90Vを0.25部、1076を0.1部用いたこと以外は、製造例3の手順と同様にして、樹脂組成物(A1)を得た。
表2に示す通りの材料を用いること以外は、製造例3の手順と同様にして、樹脂組成物(C1)~(C18)を得た。
実施例1では、製造例16で得た樹脂層(I)用のアクリル樹脂組成物(A1)と、製造例17で得た樹脂層(II)用の樹脂組成物(C1)を80℃で一昼夜乾燥した。
シリンダー温度を230℃に設定した30mmφの押出し機で(C1)を可塑化した。また、シリンダー温度を240℃に設定した400メッシュのスクリーンメッシュを設けた40mmφの押出し機でアクリル樹脂組成物(A1)を可塑化した。
次いで、240℃に設定した2種2層用フィードブロックダイで、厚さ50μmの樹脂積層フィルムに製膜した。樹脂層(I)及び(II)の厚さはそれぞれ45μm及び5μmであった。得られた積層フィルムのカール、鉛筆硬度、全光線透過率、曇価、黄色度、弾性率、破断伸度を表3に示す。
表3,4に示す通りの材料を使用し、樹脂層(I)及び(II)の厚さを表3,4に示す通りとしたこと以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム及びメラミン化粧板を作成した。得られたメラミン化粧板の評価結果を表3~6に示す。
また、比較例3で得られたフィルムは、樹脂層(II)にコアシェルゴム(C-2)を含有しないために、引張試験における破断伸度が10未満で取扱い性に劣る。更に、初期状態での密着性に若干劣り、煮沸試験及び温水試験後の密着性に劣る。
Claims (18)
- アクリル樹脂組成物(A)又はフッ素系樹脂組成物(B)からなる樹脂層(I)と、反応性基含有アクリル樹脂(C-1)とコアシェルゴム(C-2)と添加剤(D-3)とを含有する樹脂組成物(C)からなる樹脂層(II)とを備える積層フィルムであって、
反応性基含有アクリル樹脂(C-1)のガラス転移温度が60~120℃であり、
反応性基含有アクリル樹脂(C-1)が水酸基を有する単量体単位を含有し、
添加剤(D-3)がアンチブロッキング剤であり、
前記樹脂組成物(C)の水酸基価が15~300mgKOH/gである、積層フィルム。 - 前記水酸基が2級水酸基である、請求項1に記載の積層フィルム。
- 前記樹脂組成物(C)がさらに熱可塑性樹脂(C-3)を含有する、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
- 前記反応性基含有アクリル樹脂(C-1)と前記コアシェルゴム(C-2)との合計100質量%に対する前記反応性基含有アクリル樹脂(C-1)の割合が10~90質量%であり、前記コアシェルゴム(C-2)の割合が10~90質量%であり、前記反応性基含有アクリル樹脂(C-1)と前記コアシェルゴム(C-2)との合計100質量部に対する前記添加剤(D-3)の割合が0.1~10質量部である、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層フィルム。
- 前記反応性基含有アクリル樹脂(C-1)と前記コアシェルゴム(C-2)との合計100質量%に対する前記反応性基含有アクリル樹脂(C-1)の割合が40~90質量%であり、前記コアシェルゴム(C-2)の割合が10~60質量%であり、前記反応性基含有アクリル樹脂(C-1)と前記コアシェルゴム(C-2)との合計100質量部に対する前記添加剤(D-3)の割合が0.1~10質量部である、請求項1~4のいずれか1項に記載の積層フィルム。
- 前記反応性基含有アクリル樹脂(C-1)と前記コアシェルゴム(C-2)との合計100質量部に対する前記熱可塑性樹脂(C-3)の割合が0.1~10質量部である、請求項3~5のいずれか1項に記載の積層フィルム。
- 前記熱可塑性樹脂(C-3)がメタクリル酸アルキルエステルを主成分とする重合体である、請求項3~6のいずれか1項に記載の積層フィルム。
- 曇価が10未満である、請求項1~7のいずれか1項に記載の積層フィルム。
- 前記反応性基含有アクリル樹脂(C-1)中の芳香族ビニル単量体単位の含有率が、反応性基含有アクリル樹脂(C-1)100質量%に対して0~3質量%である、請求項1~8のいずれか1項に記載の積層フィルム。
- 前記樹脂組成物(C)のゲル分率が0~80%である、請求項1~9のいずれか1項に記載の積層フィルム。
- 厚さが100μm以下である、請求項1~10のいずれか1項に記載の積層フィルム。
- 前記樹脂層(II)の厚さが30μm以下である、請求項1~11のいずれか1項に記載の積層フィルム。
- 破断伸度が10%以上である、請求項1~12のいずれか1項に記載の積層フィルム。
- 請求項1~13のいずれか1項に記載の積層フィルムの製造方法であって、共押出法により製造する、積層フィルムの製造方法。
- 請求項1~13のいずれか1項に記載の積層フィルムの製造方法であって、塗工法により製造する、積層フィルムの製造方法。
- 請求項1~13のいずれか1項に記載の積層フィルムを備える保護フィルム。
- 請求項1~13のいずれか1項に記載の積層フィルムを備えるメラミン化粧板表面保護用フィルム。
- 請求項1~13のいずれか1項に記載の積層フィルムと、メラミン基材とが、樹脂層(I)、樹脂層(II)、メラミン基材の順に積層されたメラミン化粧板。
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