JP2018187851A - 車両ウインドウ用積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】有色膜層側においてウレタン系接着剤を用いて自動車等の車体に固定した際に、優れた耐水性を発揮する車両ウインドウ用積層体の提供。【解決手段】板状の透明樹脂製基材12の一方の面上に、アクリル系樹脂材料からなるハードコート層14が設けられ、ハードコート層14上の少なくとも一部の部位に、アクリルポリオールを主成分とする主剤と、ジイソシアネートを主成分とする硬化剤との組合せからなる二液反応型アクリルポリウレタン系塗料の塗膜で、厚さが3〜80μmである有色膜層16が設けてなる車両ウインドウ用積層体10。前記アクリル系樹脂材料が、シリコン系化合物を含有する紫外線硬化型アクリル系樹脂材料であり、前記アクリルポリオールがメチルメタクリレートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの共重合体であり、前記ジイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアートであることが、好ましい、車両ウインドウ用積層体60。【選択図】図2

Description

本発明は、車両ウインドウ用積層体に係り、特に、より優れた耐水性が求められる高級車において好適に採用される車両ウインドウ用積層体に関するものである。
近年、自動車等の車両の軽量化を図るべく、車両における種々のウインドウガラスの樹脂化、即ち、樹脂ガラスの採用が検討されてきており、自動車の一部の車種においては既に採用されている。
そのような車両に採用される樹脂ガラス及びこれに関連する技術については、従来より、様々なものが提案されている。
例えば、特許文献1(特開2015−33788号公報)においては、車体と合成樹脂製積層パネルとの接着構造が提案されている。そこに開示の接着構造にあっては、合成樹脂製積層パネルは、透明合成樹脂板の少なくとも一つの面に、ハードコート層、有色スクリーン印刷層がこの順で形成されてなり、かかる有色スクリーン印刷層部分で、合成樹脂製積層パネルと車体とが、接着用プライマーおよび弾性接着剤によって接着固定されて、構成されている。そして、そのような構成に係る接着構造は、ハードコート塗料中に印刷成分が溶け出すことを防止でき、且つ、ハードコート層に凸部(塗装ブツ)が形成されることを防止でき、しかも、接着剤中などの可塑剤によりハードコート層にクラックが発生することを防止できると、特許文献1に記載されている。
特開2015−33788号公報
上記の如き状況の下、本発明者は、透明合成樹脂板の一方の面上に、アクリル系樹脂材料からなるハードコート層と、有色膜層とがこの順で形成されてなる車両ウインドウ用積層体を、その有色膜層側において、ウレタン系接着剤(及びウレタン系プライマー)を用いて自動車の車体に固定(接着)する技術について、鋭意、研究を進めた。その結果、特許文献1に開示の如き従来の技術にあっては、車体に固定(接着)された状態にある積層体を、高湿度環境下に長期間に亘って載置する等の過酷な条件に晒すと、ハードコート層と有色膜層との間において、及び/又は有色膜層とウレタン系プライマー層(又はウレタン系接着剤層)との間において、剥がれ(層間剥離)が発生する恐れがあるという問題を内在していることが、判明したのである。
すなわち、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、透明合成樹脂板の一方の面上に、アクリル系樹脂材料からなるハードコート層と、有色膜層とがこの順で形成されてなる車両ウインドウ用積層体であって、その有色膜層側においてウレタン系接着剤(及びウレタン系プライマー)を用いて自動車等の車体に固定(接着)せしめた際に、従来品と比較して格段に優れた耐水性を発揮する車両ウインドウ用積層体を提供することにある。
そして、本発明は、そのような課題を解決すべく、板状の透明樹脂製基材の一方の面上に、アクリル系樹脂材料からなるハードコート層が設けられ、かかるハードコート層上における少なくとも一部の部位に、有色膜層が設けられてなる車両ウインドウ用積層体にして、前記有色膜層が、アクリルポリオールを主成分とする主剤と、ジイソシアネートを主成分とする硬化剤との組合せからなる二液反応型アクリルポリウレタン系塗料の塗膜であって、厚さが3〜80μmのものにて構成されていることを特徴とする車両ウインドウ用積層体を、その要旨とするものである。
なお、本発明に従う車両ウインドウ用積層体においては、好ましくは、前記アクリル系樹脂材料が、シリコン系化合物を含有する紫外線硬化型アクリル系樹脂材料である。
また、本発明に係る車両ウインドウ用積層体にあっては、有利には、前記アクリルポリオールが、メチルメタクリレートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの共重合体であり、前記ジイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネートである。
このように、本発明に従う車両ウインドウ用積層体にあっては、板状の透明樹脂製基材の一方の面上に設けられたアクリル系樹脂材料からなるハードコート層上に、所定の二液反応型アクリルポリウレタン系塗料の塗膜からなる、厚さが3〜80μmの有色膜層が形成されて、構成されるものである。このような構成に係る本発明の車両ウインドウ用積層体を、その有色膜層側において、自動車等の車体に対してウレタン系接着剤(及びウレタン系プライマー)を用いて固定(接着)せしめ、かかる状態の積層体を、高湿度環境下に長期間に亘って載置しても(例えば、積層体と車体との接着部近傍に長期間に亘って水分を直接、接触せしめても)、ハードコート層がアクリル系樹脂材料にて構成されていると共に、有色膜層が、所定の厚さからなるアクリルポリウレタン系塗料の塗膜にて構成されているところから、ハードコート層と有色膜層との間における層間剥離の発生、並びに、有色膜層とウレタン系プライマー層(又はウレタン系接着剤層)との間における層間剥離の発生が、何れも効果的に抑制されるのであり、以て、従来の車両ウインドウ用積層体と比較して格段に優れた耐水性を発揮することとなるのである。
本発明に従う車両ウインドウ用積層体の一例を示す平面図である。 図1のA−A面における部分拡大断面図である。 図1の車両ウインドウ用積層体を自動車の車体に固定せしめた状態を示す、図1のA−A面における部分拡大断面図である。
以下において、本発明の代表的な実施形態について、図面を適宜に用いて、詳細に説明する。
先ず、図1及び図2には、本発明に従う車両ウインドウ用積層体の一実施形態として、自動車のリアクォーターウインドウ用の積層体10が示されている。具体的に、図1は、積層体10の平面図であり、図2は、積層体10を、図1に示すA−A面にて切断した断面を部分的に拡大した説明図である。
それら図1及び図2からも明らかなように、積層体10は、平面視にて略三角形状(正確には四角形状だが、一つの角が180度に近い鈍角であるため、形状としては三角形状に近い。)を呈する板状の基材12と、基材12の一方の面側(図1において、紙面垂直方向の手前側)に、基材12側より順にハードコート層14と有色膜層16とが形成されて、構成されている。ハードコート層14は、板状の基材12における一方の面上の全面に亘って形成されており、かかるハードコート層14における一部の部位上に、より詳細には、ハードコート層14を平面視した際に看取される周縁部上に、有色膜層16が形成されているのである。
ここで、基材12は透明樹脂材料にて形成されているところ、かかる透明樹脂材料としては、従来より樹脂ガラスとして用いられている透明樹脂材料であれば、如何なるものであっても使用することが可能である。そのような透明樹脂材料としては、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオレフィン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)等を例示することが出来、それら公知の各種透明樹脂材料の中から、車両ウインドウ用積層体の具体的な用途に応じたものが適宜に選択されて、使用されることとなる。また、基材12の厚さにあっても、車両ウインドウ用積層体の具体的な用途に応じた厚さが適宜に採用可能であり、例えば、車両ウインドウ用積層体に要求される力学的特性(機械的強度等)を有利に発揮させるためには、基材12の厚さは2〜10mm程度とされる。
また、上述の如き透明樹脂材料からなる基材12の一方の面上には、その全面に亘ってハードコート層14が形成されている。このハードコート層14は、従来の車両ウインドウ用積層体と同様に、基材12の保護等を目的とするものである。
本発明に従う車両ウインドウ用積層体(10)においては、ハードコート層(14)は、アクリル系樹脂材料にて構成されている。ハードコート層(14)をアクリル系樹脂材料にて構成すると共に、その表面上に、アクリルポリウレタン系塗料の塗膜からなる有色膜層(16)を形成せしめていることにより、本発明の車両ウインドウ用積層体(10)にあっては、自動車等の車体に対してウレタン系接着剤(及びウレタン系プライマー)を用いて固定(接着)せしめると、長期間に亘って優れた耐水性を発揮し続けることとなるのである。
本発明の車両ウインドウ用積層体(10)におけるハードコート層(14)を構成するアクリル系樹脂材料としては、車両ウインドウ用積層体のハードコート層を構成するアクリル系樹脂材料として従来より公知の材料であれば、如何なるものであっても使用することが出来るが、本発明においては、基材(12)に対する保護効果を有利に享受することが出来、また、後述する所定の二液反応型アクリルポリウレタン系塗料との密着性に優れている等の観点より、シリコン系化合物を含有する紫外線硬化型アクリル系樹脂材料が、有利に用いられる。ここで、本発明において有利に用いられる、シリコン系化合物を含有する紫外線硬化型アクリル系樹脂材料とは、紫外線が照射されることによって硬化して、層として形成された際に、かかる層の内部にシリコン系化合物が分散した状態で存在することとなる材料であれば、如何なるものであっても用いることが出来る。また、そこに含まれるシリコン系化合物としては、シリカ微粒子を例示することが出来るが、これに限定されるものではない。本発明においては、紫外線の照射によって、最終的にシリカ微粒子がアクリル樹脂に化学的に結合した状態の硬化物が得られる、シリコン系化合物を含有する紫外線硬化型アクリル系樹脂材料が、特に有利に使用される。
なお、本発明の車両ウインドウ用積層体(10)におけるハードコート層(14)は、車両ウインドウ用積層体の具体的な用途や、ハードコート層(14)に要求される特性等に応じて、その厚さが適宜に設定されることとなるが、例えば、積層体10のように、自動車に使用される場合には、一般にハードコート層(14)の厚さは3〜15μm程度とされる。
そして、上述したハードコート層14における一部の部位上に(ハードコート層14を平面視した際に看取される周縁部上に)、有色膜層16が形成されているのであるが、本発明に従う積層体10においては、かかる有色膜層16が、所定の二液反応型アクリルポリウレタン系塗料の塗膜にて構成されていると共に、その厚さが3〜80μmとされているところに、大きな技術的特徴が存しているのである。
すなわち、本発明の如く、有色膜層16を、所定の二液反応型アクリルポリウレタン系塗料の塗膜にて構成した積層体10にあっては、自動車の車体に対して、かかる有色膜層16側においてウレタン系接着剤(及びウレタン系プライマー)を用いて固定(接着)せしめ(図3を参照)、かかる状態の積層体を、高湿度環境下に長期間に亘って載置しても(例えば、積層体と車体との接着部近傍に長期間に亘って水分を直接、接触せしめても)、アクリル系樹脂材料からなるハードコート層14と有色膜層16との間における層間剥離の発生、並びに、有色膜層16とウレタン系プライマー層(又はウレタン系接着剤層)との間における層間剥離の発生の何れについても、効果的に抑制されるのであり、以て、従来の車両ウインドウ用積層体と比較して格段に優れた耐水性を発揮することとなるのである。
本発明において有色膜層(16)を形成するために用いられるアクリルポリウレタン系塗料は、アクリルポリオールを主成分とする主剤と、ジイソシアネートを主成分とする硬化剤との組合せからなる二液反応型アクリルポリウレタン系塗料である。二液反応型アクリルポリウレタン系塗料の中でも、特に、硬化剤としてジイソシアネートを主成分とするものを用いて、有色膜層(16)を所定の厚さにおいて形成せしめることにより、本発明に従う車両ウインドウ用積層体(10)にあっては、従来のものと比較して格段に優れた耐水性を発揮することとなるのである。
ここで、本発明において用いられる二液反応型アクリルポリウレタン系塗料について、その硬化剤の主成分たるジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートを例示することが可能であり、それらの中でも、特に、ヘキサメチレンジイソシアネートが有利に用いられる。一方、主剤の主成分たるアクリルポリオールとしては、従来より二液反応型アクリルポリウレタン系塗料において使用されているアクリルポリオールであれば、如何なるものであっても使用可能であり、例えば、a)重合性不飽和結合を有するが水酸基を有さない、アクリル系モノマー及びスチレン系モノマーから選択される一種以上のものと、b)分子中に1以上の水酸基と重合性不飽和結合とを有する水酸基含有アクリル系モノマーとの共重合体であって、有機溶媒に溶解乃至は分散せしめることが可能なものを、挙げることができる。そのようなアクリルポリオールの中でも、本発明においては、メチルメタクリレートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの共重合体や、n−ブチル(メタ)アクリレートとヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとの共重合体、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートとポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの共重合体等が、有利に用いられる。上述した、硬化剤の主成分たるジイソシアネート、及び主剤の主成分たるアクリルポリオールは、何れも、所定の有機溶媒に溶解乃至は分散せしめた状態において、硬化剤及び主剤として用いられる。
本発明においては、有色膜層(16)を、上述した所定の二液反応型アクリルポリウレタン系塗料の塗膜にて構成することに加えて、かかる塗膜(有色膜層16)の厚さを3〜80μmとすることも、重要な技術的事項である。アクリルポリウレタン系塗料の塗膜からなる有色膜層(16)の厚さが3μm未満では、有色膜層(16)の透過率が高くなり、後述する有色膜層に要求される機能(遮光機能)を効果的に発揮し得ない恐れがある。その一方、有色膜層(16)の厚さが80μmを超えると、有色膜層(16)における熱収縮の変化量が大きくなり、アクリル系樹脂材料からなるハードコート層(14)と有色膜層(16)との間における層間剥離の発生や、有色膜層(16)とウレタン系プライマー層(又はウレタン系接着剤層)との間における層間剥離の発生を、惹起する恐れがある。
なお、本発明に係る積層体(10)における有色膜層(16)には、従来の車両ウインドウ用積層体における有色膜層と同様に、太陽光による接着剤層の劣化防止のための遮光機能、並びに、積層体と車体との接合部を隠蔽するための機能が求められる。そのため、有色膜層(16)を構成する二液反応型アクリルポリウレタン系塗料の塗膜の色は、基材(12)及びハードコート層(14)を透過した光線が、車体等との接着部(固定部)に対して照射されないようにするために、濃色、例えば黒色であることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
ところで、上述してきた積層体10にあっては、従来より公知の種々の製造技術を適宜に組み合わせることにより、製造することが可能である。
すなわち、先ず、図1及び図2に示される如き平面形状を有する板状の基材12を、ポリカーボネート等の透明樹脂材料を用いて、射出成形法等の種々の成形法に従って成形する。次いで、アクリル樹脂のプレポリマー等からなる液状材料を、フロー塗装法やディップ塗装法に従って基材12の一方の面上に塗布することによって、かかる液状材料からなる塗膜を形成し、液状材料の種類に応じた手法により、塗膜を乾燥させ、硬化させる。例えば、シリコン系化合物を含有する、液状の紫外線硬化型アクリル系樹脂材料を用いた場合には、塗膜に対して紫外線を照射することにより、塗膜を硬化せしめて、ハードコート層14を形成せしめる。その後、図1及び図2に示されるように、ハードコート層14における平面視した際に看取される周縁部上に、公知の印刷手法や塗布手法等に従い、二液反応型アクリルポリウレタン系塗料(主剤と硬化剤との混合物)を印刷(塗布)し、かかる塗料からなる塗膜を乾燥せしめることにより、目的とする積層体10が有利に得られるのである。
以上のようにして製造される積層体10は、図3に示されるように、有色膜層16の表面における少なくとも一部の部位上と、自動車の車体18との間に、二つのウレタン系プライマー層20a、20b及びウレタン系接着剤層22を介在せしめることによって、車体18に接着(固定)されるのである。そして、図3に示すように車体18に接着(固定)せしめられた積層体10にあっては、例えば、積層体10と車体18との接着部近傍に長期間に亘って水分を直接、接触せしめる等の、高湿度環境下において長期間に亘って載置しても、ハードコート層14がアクリル系樹脂材料にて構成されていると共に、有色膜層16が、所定の厚さからなるアクリルポリウレタン系塗料の塗膜にて構成されているところから、ハードコート層14と有色膜層16との間における層間剥離の発生、並びに、有色膜層16とウレタン系プライマー層20aとの間における層間剥離の発生が、何れも効果的に抑制されるのであり、以て、従来の車両ウインドウ用積層体と比較して格段に優れた耐水性を発揮することとなるのである。
以上、本発明に従う車両ウインドウ用積層体の一つの実施形態について詳述してきたが、本発明が、上述した形態に係るものに限定されるものでないことは、言うまでもないところである。
例えば、上述した積層体10において、有色膜層16は、ハードコート層14上の周縁部に形成されているが、本発明における有色膜層は、ハードコート層上であれば、如何なる部位上にも形成することが可能である。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
先ず、100mm×25mmの大きさを有し、厚さが3mmである矩形板状のポリカーボネート製基板(PC製基板)を準備した。このPC製基板上に、シリコン系化合物を含有する紫外線硬化型アクリル系樹脂材料を用いて、ハードコート層を設けた。なお、ハードコート層は、シリカ微粒子がアクリル樹脂に化学的に結合した状態の硬化物にて構成されており、その厚さは7μmであった。次いで、ハードコート層表面の全面に亘って、以下に示す3種類の二液反応型塗料のうちの一つを塗布し、乾燥させることにより、各塗料の乾燥塗膜からなる黒色の有色膜層を有する3種類の積層体を作製した。なお、何れの塗料を用いた場合でも有色膜層(乾燥塗膜)の厚さが8μmとなるように、塗料毎にハードコート層に対する塗布量を変化させた。
・塗料a:以下に示す化合物をそれぞれ主成分とする主剤及び硬化剤からなるアクリ ルポリウレタン系塗料。
主剤:メチルメタクリレートと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー トとの共重合体
硬化剤:ヘキサメチレンジイソシアネート
・塗料b:以下に示す化合物をそれぞれ主成分とする主剤及び硬化剤からなる、非ア クリル系のウレタン系塗料。
主剤:ポリエチレンアジペート
硬化剤:トリフェニルメタン−4,4,4−トリイソシアネート
・塗料c:以下に示す化合物をそれぞれ主成分とする主剤及び硬化剤からなるアクリ ルポリウレタン系塗料。
主剤:メチルメタクリレートと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー トとの共重合体
硬化剤:トリフェニルメタン−4,4,4−トリイソシアネート
以上のようにして作製された三種類の積層体の各有色膜層上に、ウレタン系プライマー層及びウレタン系接着剤層を形成した。ウレタン系プライマー及びウレタン系接着剤が十分に乾燥した後に各々の層の厚さを確認したところ、ウレタン系プライマー層の厚さは10μmであり、ウレタン系接着剤層の厚さは3mmであった。以上の如くして作製された、PC製基板上に、ハードコート層、有色膜層、ウレタン系プライマー層及びウレタン系接着剤層がこの順に形成されてなる、有色膜層形成の際に用いた塗料が異なる3種類の積層体(試料1〜試料3)を試験片として用いて、以下に示す手法に従い、剥離試験を行なうと共に評価した。各試験片についての評価結果を、下記表1に示す。
−剥離試験−
先ず、試験片(積層体)の側面における基材とウレタン系接着剤層との間に、かかる側面より試験片の水平方向に、切り込みを入れる。次いで、ウレタン系接着剤層を手に持って、これを基材から引き離す(剥がす)ように引っ張りながら、基材とウレタン系接着剤層との間に生じた裂け目に再度、切り込みを入れる。その後、ウレタン系接着剤層を基材から引き離す(剥がす)ように引っ張り、引っ張りが終了した後、ハードコート層と有色膜層との間の界面の状態、有色膜層とウレタン系プライマー層との間の界面の状態、並びにウレタン系接着剤層の状態を目視で観察する。ハードコート層と有色膜層との界面又は有色膜層とウレタン系プライマー層との界面に、乱れや裂け等が認められない場合には「○」と評価し、ハードコート層と有色膜層との界面又は有色膜層とウレタン系プライマー層との界面に、乱れや裂け等が認められる場合には「×」と評価する。
Figure 2018187851
かかる表1から明らかなように、本発明に従い、有色膜層が所定の二液反応型アクリルポリウレタン系塗料(ジイソシアネートを主成分とする硬化剤を採用するもの)の塗膜にて構成される積層体(試料1)にあっては、剥離試験に供した後においても、ハードコート層と有色膜層との界面や有色膜層とウレタン系プライマー層との界面に、乱れや裂け等が認められなかったのであり、ハードコート層と有色膜層との接着性、及び有色膜層とウレタン系プライマー層との接着性の何れについても、非常に優れていることが確認されたのである。
一方、本発明に従う車両ウインドウ用積層体の耐水性を確認すべく、以下の実験を行なった。
有色膜層を形成するための塗料として前記した塗料aを用い、各試料における有色膜層(乾燥塗膜)の厚さが下記表2に記載の数値となるように、ハードコート層に対する塗布量を変化させた以外は試料1〜試料3と同様の手法に従い、有色膜層の厚さが異なる積層体を作製した。そして、各積層体の有色膜上に、試料1〜試料3と同様の手法に従い、ウレタン系プライマー層(厚さ:10μm)及びウレタン系接着剤層(厚さ:3mm)をこの順に従って形成することにより、PC製基板上に、ハードコート層、有色膜層、ウレタン系プライマー層及びウレタン系接着剤層がこの順に形成されてなる、有色膜層の厚さが異なる積層体(試料4〜試料9)を得た。そのようにして得られた積層体を試験片として用いて、以下の試験を行なった。
−水浸漬劣化試験(低温)−
ウレタン系接着剤の塗布(ウレタン系接着剤層の形成)から3日間が経過した積層体を、水温が40℃の水中に10日間、浸漬させる。その後、水中より積層体を取り出し、上記した手法に従って剥離試験を行なう。
−水浸漬劣化試験(高温)−
ウレタン系接着剤の塗布(ウレタン系接着剤層の形成)から3日間が経過した積層体を、水温が60℃の水中に10日間、浸漬させる。その後、水中より積層体を取り出し、上記した手法に従って剥離試験を行なう。
−ウインドウォッシャ液劣化試験−
ウレタン系接着剤の塗布(ウレタン系接着剤層の形成)から3日間が経過した積層体を、液温が23℃のウインドウォッシャ液(市販品)中に10日間、浸漬させる。その後、液中より積層体を取り出し、上記した手法に従って剥離試験を行なう。
なお、上記した各劣化試験において、剥離試験に供した後の試料については、1)ハードコート層と有色膜層との界面、及び有色膜層とウレタン系プライマー層との界面の何れにおいても、乱れや裂け等が認められず、ウレタン系接着剤層が母材破壊している状態にあると認められる場合には「○」と評価し、2)ハードコート層と有色膜層との界面、又は有色膜層とウレタン系プライマー層との界面の何れかにおいて、乱れや裂け等が認められる場合には「×」と評価した。各試料の評価結果を、下記表2に示す。
Figure 2018187851
かかる表2から明らかなように、有色膜層が、厚さが3〜80μmである、所定の二液反応型アクリルポリウレタン系塗料の塗膜にて構成される積層体にあっては、耐水性の点において非常に優れており、また、ウインドウォッシャ液に対しても非常に優れた耐性を有するものであることが、認められるのである。
10 積層体 12 基材
14 ハードコート層 16 有色膜層
18 車体リブ 20a、20b ウレタン系プライマー層
22 ウレタン系接着剤層

Claims (3)

  1. 板状の透明樹脂製基材の一方の面上に、アクリル系樹脂材料からなるハードコート層が設けられ、かかるハードコート層上における少なくとも一部の部位に、有色膜層が設けられてなる車両ウインドウ用積層体にして、
    前記有色膜層が、アクリルポリオールを主成分とする主剤と、ジイソシアネートを主成分とする硬化剤との組合せからなる二液反応型アクリルポリウレタン系塗料の塗膜であって、厚さが3〜80μmのものにて構成されていることを特徴とする車両ウインドウ用積層体。
  2. 前記アクリル系樹脂材料が、シリコン系化合物を含有する紫外線硬化型アクリル系樹脂材料である請求項1に記載の車両ウインドウ用積層体。
  3. 前記アクリルポリオールが、メチルメタクリレートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの共重合体であり、前記ジイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネートである請求項1又は請求項2に記載の車両ウインドウ用積層体。
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