JP2001171049A - 着色層付き透明樹脂板 - Google Patents

着色層付き透明樹脂板

Info

Publication number
JP2001171049A
JP2001171049A JP36218299A JP36218299A JP2001171049A JP 2001171049 A JP2001171049 A JP 2001171049A JP 36218299 A JP36218299 A JP 36218299A JP 36218299 A JP36218299 A JP 36218299A JP 2001171049 A JP2001171049 A JP 2001171049A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transparent resin
resin plate
colored layer
layer
hard coat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP36218299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4378817B2 (ja
Inventor
Hideo Yanagi
秀夫 柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Original Assignee
Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd filed Critical Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Priority to JP36218299A priority Critical patent/JP4378817B2/ja
Publication of JP2001171049A publication Critical patent/JP2001171049A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4378817B2 publication Critical patent/JP4378817B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコーン系ハードコート層を有する表面の
一部に着色層を設けた透明樹脂板として、シリコーン系
ハードコート層と着色層の密着性に優れ、着色層の耐候
性及び耐擦傷性が良好なものを提供する。 【解決手段】 透明樹脂板1上にシリコーン系ハードコ
ート層2が形成され、ハードコート層2の表面の一部表
面の一部にウレタン樹脂系着色層3を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用窓材、ラ
イトカバー、遮音板等として好適な、表面の一部に着色
層を有する透明樹脂板に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】一般に、アクリル系樹脂やポリ
カーボネート樹脂等からなる透明樹脂板は、高い透明性
を備え、ガラスに比較して耐衝撃性、加工性に優れ、且
つ軽量であることから、広範な分野でガラス代替材料と
して使用されているが、表面の硬さが不充分であるため
に傷つき易いという欠点がある。そこで、この欠点を補
う手段として、従来より透明樹脂板の表面にハードコー
ト処理を施す方法が採用されており、特にシリコーン系
ハードコート材が耐擦傷性、耐候性、耐汚染性等に優れ
ることから多用されている。
【0003】しかしながら、シリコーン系ハードコート
層の表面は、親水性に乏しく且つ化学的に安定であるた
め、例えば自動車のフロントウインドやリヤーウインド
として窓枠との接着部を隠すために周縁部に暗色の着色
塗膜を設けたり、遮音板として縞模様状の着色塗膜を設
ける等、前記ハードコート層上に他の塗膜を形成する場
合に、その塗料の付着性が悪い上、塗膜の接着強度が低
く剥がれ易いという難点があった。
【0004】そこで、シリコーン系ハードコート層に対
する塗料の密着性を向上させる目的で、該塗料として体
質顔料及びシランカップリング剤を含むエポキシ樹脂系
塗料を使用することが提案されている(特公平5−83
076号公報)。しかるに、エポキシ樹脂は元来、耐食
性には優れる反面で耐候性に劣るため、自動車の窓等の
屋外で日光に晒される用途では早期に劣化を生じるとい
う難点がある。
【0005】また、一部のアクリルウレタン系樹脂塗料
は、シリコーン系ハードコート層に対する密着性のよい
ものもあるが、耐擦傷性に劣る上、耐候性もエポキシ樹
脂よりは若干よいが充分ではないという欠点がある。
【0006】さらに、シリコーン系ハードコート層に対
する密着性をさらに向上させる目的で、シリコーン変性
アクリル樹脂系着色層をシリコーン系ハードコート層表
面に形成することが提案されている(特開平9−477
21号公報)。かかる提案により形成されたシリコーン
変性アクリル樹脂系着色層は、シリコーン系ハードコー
ト層への密着性、耐擦傷性、光沢度、耐候性において良
好であり、自動車用の窓枠や遮音板等に好適に使用でき
るものであるが、その形成工程において、主剤と硬化剤
との硬化反応を伴うものであり、特にこの発明の適用分
野における厳しい使用環境下で充分な耐久性を確保する
ためには、通常30分乃至60分程度の焼き付け乾燥処
理を行う必要があり、工業的生産においては、乾燥炉が
必須となるばかりか、処理作業の工程が長くなり、生産
コストを高めるという問題が発生する。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明者は、上述の状
況に鑑み、シリコーン系ハードコート層を有する表面の
一部に着色層を設けた透明樹脂板として、シリコーン系
ハードコート層と着色層の密着性に優れ、かつ該着色層
の耐候性及び耐擦傷性が良好なものを得るべく鋭意検討
を重ねた結果、上記着色層をウレタン樹脂系着色層とし
た場合に、着色層の焼き付けを必要とせず、常温下で短
時間に硬化させることができ、しかも所期の目的を充分
に達成できることを見出し、この発明をなすに至った。
【0008】すなわち、この発明の請求項1に係る着色
層付き透明樹脂板は、透明樹脂板上にシリコーン系ハー
ドコート層が形成され、このハードコート層の表面の一
部にウレタン樹脂系着色層が形成されてなるものであ
る。
【0009】請求項2の発明は、上記請求項1に記載の
着色層付き透明樹脂板におけるウレタン樹脂系着色層の
厚みが5〜100μmである構成を採用したものであ
る。
【0010】請求項3の発明は、上記請求項1または2
に記載の着色層付き透明樹脂板に形成されたウレタン樹
脂系着色層が、シラン系カップリング剤を含有してなる
ものである。
【0011】請求項4の発明は、上記請求項1乃至3の
いずれか1に記載の着色層付き透明樹脂板において、シ
リコーン系ハードコート層が、RSi(OH)3 (Rは
炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、3・3−トリフ
ルオロプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−メタク
リロキシプロピル基、及びγ−グリシドキシシプロピル
基からなる群より選ばれる基)の部分縮合物とコロイダ
ルシリカとを含むコート層よりなる構成を採用したもの
である。
【0012】請求項5の発明は、上記請求項1乃至4の
いずれか1に記載の着色層付き透明樹脂板において、透
明樹脂板がアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂より選ばれる一種
からなる構成を採用したものである。
【0013】請求項6の発明は、上記請求項1乃至5の
いずれか1に記載の着色層付き透明樹脂板において、透
明樹脂板がポリカーボネート樹脂からなり、この透明樹
脂板とシリコーン系ハードコート層との間にプライマー
層が介在してなる構成を採用したものである。
【0014】請求項7の発明は、上記請求項6の着色層
付き透明樹脂板において、プライマー層がアクリル系溶
剤型プライマー層である構成を採用したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の着色層付き透
明樹脂板の基本的な断面構造を示す。この図において、
(1)は透明樹脂板であり、その両面にシリコーン系ハ
ードコート層(2)(2)が形成されると共に、片面側
のハードコート層(2)の表面の一部にはウレタン樹脂
系着色層(3)が形成されている。しかして、着色層
(3)のパターンは透明樹脂板の用途に応じて種々設定
され、例えば自動車のフロントウインドやリヤーウイン
ドに用いるものでは一般に図2の如く透明樹脂板(1)
の周縁部に沿って着色層(3)を設けるが、遮音板では
該着色層(3)は意匠的効果の向上、及び適度な透視性
と目隠し機能の調和をはかることを目的として図3の如
き縞状を始めとする様々なパターンに構成される。
【0016】ここで、透明樹脂板(1)の樹脂材料とし
ては、透明性の高いもの、例えばアクリル系樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン
樹脂等が好適に用いられる。また透明樹脂板(1)の厚
さは、用途によって異なるが、一般に3〜8mm程度で
ある。
【0017】なお、特に透明樹脂板(1)がポリカーボ
ネート樹脂からなる場合は、その樹脂板表面に対するシ
リコーン系ハードコート層(2)の付着性がやや不充分
であるため、図4に示すように、透明樹脂板(1)とシ
リコーン系ハードコート層(2)との間にプライマー層
(4)を介在させるのがよい。
【0018】このようなプライマー層(4)の形成材料
としては、透明樹脂板(1)とシリコーン系ハードコー
ト層(2)の両者に対する付着性が良好なものであれば
特に制約なく使用できるが、アクリル系ポリマー及び/
又はアクリル系モノマーとこれらに対して共重合可能な
他のモノマーとのコポリマーを溶質としたアクリル系溶
剤型プライマーが好適である。なお、プライマー中には
必要に応じて架橋剤や紫外線吸収剤等の添加剤を適宜配
合してもよい。このプライマー層(4)の厚みは1〜5
μm程度とするのがよい。
【0019】シリコーン系ハードコート層(2)として
は、特に制限はされないが、次式; RSi(OH)3 (Rは炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、3・3−
トリフルオロプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−
メタクリロキシプロピル基、及びγ−グリシドキシシプ
ロピル基からなる群より選ばれる基)で示される化合物
の部分縮合物と、コロイダルシリカとを含むコート層が
好適である。また、この場合の前記部分縮合物とコロイ
ダルシリカの割合は、前者/後者の重量比で100/1
0〜100/100程度の範囲がよく、後者のコロイダ
ルシリカが多過ぎてはコート層が脆くなり、逆に少な過
ぎては硬度が落ちるという問題がある。
【0020】なお、ハードコート層(2)の厚みは、1
〜5μm程度とするのがよく、薄過ぎては耐擦傷性の効
果が得られず、逆に厚過ぎても効果が飽和し経済的に不
利である。
【0021】ウレタン樹脂系着色層(3)としては、該
樹脂系塗料の好適な市販品として、例えばサンライズM
SI社製の商品名「プライマー35」を用いることがで
きる。
【0022】ウレタン樹脂系着色層(3)に配合される
シラン系カップリング剤としては、ウレタン樹脂との分
散性があるものが使用でき、その配合量は、ウレタン樹
脂100重量部に対して5〜50重量部程度とするのが
良い。
【0023】ウレタン樹脂系着色層(3)に配合される
着色剤としては、カーボンブラック、その他の無機顔料
および有機顔料で、ウレタン樹脂との分散性、湿潤性が
あるものを用いることができる。しかして、その着色剤
の配合量は、ウレタン樹脂100重量部に対して5〜1
00重量部程度とするのがよい。
【0024】ウレタン樹脂系塗料は、着色層の塗布形成
手段に応じ、適当な溶剤で希釈・粘度調整をして使用さ
れる。適用される溶剤としては、ウレタン樹脂、シラン
系カップリング剤、着色剤との分散性(希釈性)が良好
である、酢酸エステル、キシレン、トルエン等が使用で
きる。
【0025】ウレタン樹脂系着色層(3)の厚みは、5
〜100μm程度、特に好ましくは10〜30μmの範
囲であり、着色剤の配合量にも左右されるが、薄過ぎて
は隠蔽性に問題があり、逆に厚過ぎては経済的に不利で
ある。
【0026】この発明の着色層付き透明樹脂板を製造す
るには、透明樹脂板(1)の両面に、要すればプライマ
ー液を塗布、乾燥してプライマー層(4)を形成した上
で、シリコーン系ハードコート液を塗布し、熱風乾燥等
によって硬化させてハードコート層(2)(2)を形成
し、その片面側のハードコート層(2)の表面にウレタ
ン樹脂系着色塗料を所定のパターンで塗布して着色層
(3)を形成すればよい。なお、着色層(3)の形成に
おいては、シリコーン系ハードコート層(2)の表面の
塗装不要部分を適当な手段でマスキングし、前記着色塗
料をスプレー塗装、刷毛塗り、ローラー塗り、フローコ
ーター塗装等に塗布し、常温放置によって硬化させたの
ち、マスキングを除去すればよい。
【0027】
【実施例】以下に、この発明の実施例を比較例と対比し
て説明する。なお、以下において使用したプライマー
液、シリコーン系ハードコート液、着色塗料は、それぞ
れ次の方法によって調製した。
【0028】[プライマー液]エチルセロソルブ400
g、メタクリル酸エチル190g、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン10gの混合物を窒素ガス
雰囲気下で温度75℃に保ちつつ、ベンゾイルパーオキ
サイド1.0gをエチルセロソルブ200gに溶かした
溶液を2時間かけて徐々に加え、更に同温度で6時間保
持したのち、エチルセロソルブ1486g、アルミニウ
ムアセチルアセテート2.0g、1・6−ヘキサンジオ
ール2.4g、2・4−ジヒドロキシベンゾフェノン2
0gを加え、プライマー液を調製した。
【0029】[シリコーン系ハードコート液A]コロイ
ダルシリカ分散液(日産化学工業社製の商品名スノーテ
ックスO−40、水分散タイプ、固形分40重量%)1
70gにメチルトリメトキシシラン207gと酢酸7g
を加え、温度50℃に保持して2時間攪拌して加水分解
を行ったのち、これにn−ブタノール195g、イソプ
ロピルアルコール195g、酢酸ナトリウム1.26
g、及び酢酸11.0gを添加し、シリコーン系ハード
コート液Aを調製した。
【0030】[シリコーン系ハードコート液B]γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン80g、メチル
トリメトキシシラン144g、コロイダルシリカ分散液
(日産化学工業社製の商品名スノーテックスO、水分散
タイプ、固形分20重量%)71g、及び0.1N塩酸
水溶液170gを混合し、温度80℃に保持して2時間
攪拌して加水分解を行った。かくして得られた三元共加
水分解物溶液に、エチルセロソルブ146g及び過塩素
酸アンモニウム1.3gを添加し、シリコーン系ハード
コート液Bを調製した。
【0031】[着色塗料A]・・・ウレタン樹脂系塗料
(サンライズMSI社製、商品名:「プライマー3
5」、黒色)であって、ウレタン樹脂100重量部、シ
ラン系カップリング剤45重量部、カーボンブラック4
5重量部、酢酸エステル類220重量部、キシレン55
重量部、トルエン40重量部からなる成分量の混合液
【0032】[着色塗料B]・・・シリコーン変性アク
リル樹脂系塗料(トウペ社製、商品名:「シリコンワイ
ド#500上塗り」、緑色)100重量部とシンナー7
重量部と硬化剤29重量部との混合液
【0033】[着色塗料C]・・・エポキシ系樹脂塗料
(大橋化学工業社製、商品名:「ファスタイト」、黒
色)100重量部と硬化剤25重量部とシンナー50重
量部との混合液
【0034】〔着色塗料D〕・・・アクリルウレタン系
樹脂塗料(神東塗料社製、商品名:「ベポール#20
P」、黒色、二液タイプ)100重量部と硬化剤14重
量部とシンナー100重量部との混合物
【0035】実施例1 ポリカーボネート板(5mm厚、1m×2m)の両面に
プライマー液を浸漬法によって塗布して熱風乾燥炉で1
20℃にて30分間乾燥して厚さ2.5μmのプライマ
ー層を形成し、この両面のプライマー層上にシリコーン
系ハードコート液Aを浸漬法によって塗布して熱風乾燥
炉で120℃にて30分間加熱して硬化させ、厚さ3μ
mのシリコーン系ハードコート層を形成したのち、片面
側のハードコート層の表面を縞状にマスキングして着色
塗料Aをスプレー塗装し、常温下にて5分間乾燥後にマ
スキングを除去することにより、縞部の幅5cmの縞状
パターンで厚さ15μmの着色層を形成し、図3の如き
遮音板を作製した。
【0036】実施例2 ポリカーボネート板(3mm厚、500mm×1400
mm)を180℃、10分間の加熱後にプレス成形し、
自動車のリアーウインドの形状に成形した。この成形し
たポリカーボネート板の両面にプライマー液をフローコ
ート法によって塗布し、熱風乾燥炉で120℃にて30
分乾燥して厚さ2.5μmのプライマー層を形成し、こ
の両面のプライマー層上にシリコーン系ハードコート液
Aをフローコート法によって塗布して熱風乾燥炉で12
0℃にて30分間加熱して硬化させ、厚さ3μmのシリ
コーン系ハードコート層を形成したのち、片面側のハー
ドコート層の表面を周辺部のみを残してマスキングして
着色塗料Aをスプレー塗装し、常温下にて5分間乾燥後
にマスキングを除去することにより、3cm幅で厚さ2
0μmの着色層を形成し、図2の如き自動車用リヤーウ
インドの窓板を作製した。
【0037】実施例3 アクリル樹脂板(5mm厚、500mm×600mm)
を180℃、8分間の加熱後にプレス成形し、自動車の
サンルーフ用窓板の形状に成形した。この成形したポリ
カーボネート板の両面にシリコーン系ハードコート液B
をフローコート法によって塗布して乾燥炉で80℃にて
2.5時間加熱して硬化させ、厚さ4μmのシリコーン
系ハードコート層を形成したのち、片面側のハードコー
ト層の表面を周辺部のみを残してマスキングし、着色塗
料Aをスプレー塗装し、常温下にて5分間乾燥後にマス
キングを除去することにより、5cm幅で厚さ20μm
の着色層を形成し、自動車のサンルーフ用窓板を作製し
た。
【0038】比較例1 着色層の形成に着色塗料Bを用い、スプレー塗装し、8
0℃にて30分間乾燥後にマスキングを除去した以外
は、実施例1と同様にして遮音板を作製した。
【0039】比較例2 着色層の形成に着色塗料Cを用い、スプレー塗装し、8
0℃にて30分間乾燥後にマスキングを除去した以外
は、実施例2と同様にして自動車用リヤーウインドの窓
板を作製した。
【0040】比較例3 着色層の形成に着色塗料Dを用いた以外は、比較例2と
同様にして自動車用リヤーウインドの窓板を作製した。
【0041】上記実施例及び比較例の着色層付き透明樹
脂板について、それぞれ着色層のハードコート層に対す
る付着性、耐擦傷性、光沢度、促進耐候性、屋外暴露に
よる耐候性を調べたところ、表1に示す結果が得られ
た。なお、各試験項目の試験方法と評価は次の通りであ
る。
【0042】[付着性] ・・・JIS K5400
の碁盤目テープ法により、碁盤目数100個中の非剥離
数(a)で示した。
【0043】[耐擦傷性] ・・・社団法自動車技術会
の自動車規格(JASOM312685 5.9A法)
により、スチールウール(#000)を用いて面圧66
g/cm2 、速度600cm/分でこすり、JIS D
0202−9−1の外観判定基準表15の一級に相当す
るものを○、相当しないものを×として評価した。
【0044】[光沢度] ・・・JIS K7105
により、45度鏡面光沢度{Gs(45°)}を測定
し、75%以上を良好とした。
【0045】[促進耐候性]・・・サンシャインウェザ
ー試験機にて促進条件で3000時間保持したのち、J
IS A1411に準じて光沢残存率を測定して85%
以上を良好とし、さらにJIS K5400により上記
付着性評価と同様にして評価した。
【0046】[屋外暴露による耐候性]・・・3年間屋
外に暴露したのち、JIS A1411に準じて光沢残
存率を測定して85%以上を良好とし、さらにJISK
5400により上記付着性評価と同様にして評価した。
【0047】
【表1】
【0048】上表で示すように、実施例1〜3によるこ
の発明の着色層付き透明樹脂板は、着色層のハードコー
ト層に対する付着性、耐擦傷性、光沢度、耐候性のいず
れにも優れていることが明らかである。これに対し、シ
リコーン変性アクリル樹脂系塗料による比較例1は付着
性、耐擦傷性、光沢度、屋外曝露耐候性については各実
施例と遜色はないが促進耐候性がやや劣るものであっ
た。またエポキシ系樹脂塗料による比較例2は付着性、
耐擦傷性、光沢度については各実施例と遜色はないが促
進耐候性及び屋外曝露耐候性の光沢残存率が著しく低
く、しかも表面にクラックが発生した。さらにアクリル
ウレタン系樹脂塗料による比較例3は付着性、光沢度に
ついては各実施例と遜色はないが各実施例と遜色はない
が促進耐候性と屋外曝露耐候性の光沢残存率が著しく低
下し、特に耐擦傷性が不良であった。
【0049】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、シリコーン系
ハードコート層を有する表面の一部に着色層を設けた透
明樹脂板として、着色層がシリコーン系ハードコート層
との密着性に優れて剥がれにくく、かつ該着色層の耐候
性及び耐擦傷性も良好であり、自動車用の窓材や遮音板
等に好適なものが提供される。
【0050】請求項2の発明によれば、上記の着色層付
き透明樹脂板として、着色層による着色効果が充分で且
つ経済的なものが提供される。
【0051】請求項3の発明によれば、上記の着色層付
き透明樹脂板として、着色層とシリコーン系ハードコー
ト層との密着性がより向上して強固となったものが提供
できる。
【0052】請求項4の発明によれば、上記の着色層付
き透明樹脂板として、シリコーン系ハードコート層の耐
擦傷性、耐候性、耐汚染性等により優れるものが提供さ
れる。
【0053】請求項5の発明によれば、上記の着色層付
き透明樹脂板として、ベースの透明樹脂板の透明度が高
いものが提供される。
【0054】請求項6の発明によれば、上記の着色層付
き透明樹脂板として、ベースの透明樹脂板に対するシリ
コーン系ハードコート層の被着強度に優れるものが提供
される。
【0055】請求項7の発明によれば、上記の着色層付
き透明樹脂板として、ベースの透明樹脂板に対するシリ
コーン系ハードコート層の被着強度により優れるものが
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る着色層付き透明樹脂板の基本的
構造を示す断面図である。
【図2】この発明を適用した自動車用窓板の平面図であ
る。
【図3】この発明を適用した遮音板の平面図である。
【図4】この発明に係る着色層付き透明樹脂板の構成例
を示す断面図である。
【符号の説明】
1…透明樹脂板 2…シリコーン系ハードコート層 3…ウレタン樹脂系着色層 4…プライマー層
フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA22 AA35 AA36 AA40 AB39 AB76 BA02 CA04 CA05 DA04 4F100 AK01A AK25A AK25G AK43A AK45A AK51C AK52B AK52K AK55A BA03 BA07 BA10A BA10C BA15 BA41 CC00B GB31 GB32 HB00C JA20C JH01 JK12B JK14 JL06 JL09 JL10C JN01A YY00C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明樹脂板上にシリコーン系ハードコー
    ト層が形成され、このハードコート層の表面の一部にウ
    レタン樹脂系着色層が形成されてなるれてなる着色層付
    き透明樹脂板。
  2. 【請求項2】 ウレタン樹脂系着色層の厚みが5〜10
    0μmである請求項1に記載の着色層付き透明樹脂板。
  3. 【請求項3】 ウレタン樹脂系着色層が、シラン系カッ
    プリング剤を含有してなる請求項1または2に記載の着
    色層付き透明樹脂板。
  4. 【請求項4】 シリコーン系ハードコート層が、RSi
    (OH)3 (Rは炭素数1〜3のアルキル基、ビニル
    基、3・3−トリフルオロプロピル基、γ−アミノプロ
    ピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、及びγ−グリ
    シドキシシプロピル基からなる群より選ばれる基)の部
    分縮合物とコロイダルシリカとを含むコート層よりなる
    請求項1乃至3のいずれか1に記載の着色層付き透明樹
    脂板。
  5. 【請求項5】 透明樹脂板が、アクリル系樹脂、ポリカ
    ーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹
    脂より選ばれる一種からなる請求項1乃至4のいずれか
    1に記載の着色層付き透明樹脂板。
  6. 【請求項6】 透明樹脂板がポリカーボネート樹脂から
    なり、この透明樹脂板とシリコーン系ハードコート層と
    の間にプライマー層が介在してなる請求項1乃至5のい
    ずれか1に記載の着色層付き透明樹脂板。
  7. 【請求項7】 プライマー層がアクリル系溶剤型プライ
    マー層である請求項6に記載の着色層付き透明樹脂板。
JP36218299A 1999-12-21 1999-12-21 着色層付き透明樹脂板、および着色層付き透明樹脂板を用いて作製した遮音板と自動車用窓板 Expired - Fee Related JP4378817B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36218299A JP4378817B2 (ja) 1999-12-21 1999-12-21 着色層付き透明樹脂板、および着色層付き透明樹脂板を用いて作製した遮音板と自動車用窓板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36218299A JP4378817B2 (ja) 1999-12-21 1999-12-21 着色層付き透明樹脂板、および着色層付き透明樹脂板を用いて作製した遮音板と自動車用窓板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001171049A true JP2001171049A (ja) 2001-06-26
JP4378817B2 JP4378817B2 (ja) 2009-12-09

Family

ID=18476190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36218299A Expired - Fee Related JP4378817B2 (ja) 1999-12-21 1999-12-21 着色層付き透明樹脂板、および着色層付き透明樹脂板を用いて作製した遮音板と自動車用窓板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4378817B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008543659A (ja) * 2005-06-17 2008-12-04 エクスアテック、エル.エル.シー. ガラス表面へインキを定着させるプラスチックガラス・システム
US20120070676A1 (en) * 2009-05-26 2012-03-22 Ryo Niimi Organosiloxane resin composition and laminate comprising the same
JP2014040132A (ja) * 2012-08-21 2014-03-06 Daikyonishikawa Corp 車両用ウインドパネル
JP2018154036A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 コニカミノルタ株式会社 ディスプレイ装置用加飾フィルム
JP2018187851A (ja) * 2017-05-08 2018-11-29 小島プレス工業株式会社 車両ウインドウ用積層体

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008543659A (ja) * 2005-06-17 2008-12-04 エクスアテック、エル.エル.シー. ガラス表面へインキを定着させるプラスチックガラス・システム
KR101321262B1 (ko) * 2005-06-17 2013-10-30 엑사테크 엘.엘.씨. 표면에 잉크의 점착성이 증진된 플라스틱 글래이징 시스템
US20120070676A1 (en) * 2009-05-26 2012-03-22 Ryo Niimi Organosiloxane resin composition and laminate comprising the same
JP2014040132A (ja) * 2012-08-21 2014-03-06 Daikyonishikawa Corp 車両用ウインドパネル
JP2018154036A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 コニカミノルタ株式会社 ディスプレイ装置用加飾フィルム
JP2018187851A (ja) * 2017-05-08 2018-11-29 小島プレス工業株式会社 車両ウインドウ用積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP4378817B2 (ja) 2009-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0218048A (ja) 防曇性被膜
US4978702A (en) Coating composition
JP4378817B2 (ja) 着色層付き透明樹脂板、および着色層付き透明樹脂板を用いて作製した遮音板と自動車用窓板
JP3091119B2 (ja) 着色層付き透明樹脂板
CN110903761A (zh) 有机玻璃表面硬化涂层的制备方法、原液配方及制备方法
JP3844255B2 (ja) 車両用防曇性被覆合成樹脂製窓材
JP2945950B2 (ja) 含フッ素共重合体ワニス組成物と塗布膜の形成方法
JPH05255636A (ja) 密着性の優れた塗膜を備えた素材
JP2913013B2 (ja) プラスチック成形品の表面改質方法及びそれに用いるアルコール性シリカゾル組成物
KR20170132555A (ko) 크롬 코팅 표면에 적용되는 프라이머 도료 조성물 및 이의 제조방법
JP3782670B2 (ja) 被覆用硬化性組成物、被覆物品、自動車用外板、および活性エネルギー線硬化性組成物
JP3681169B2 (ja) ポリカーボネート樹脂基材表面にハードコート層を形成させる方法
JPH03168227A (ja) 被覆ポリカーボネート系樹脂成形物品
JP2002256175A (ja) 上塗り塗膜の形成方法、被覆物品、および自動車用外板
JPH01159246A (ja) 着色層を有する透明樹脂成形体
JPH0782396A (ja) 遮蔽部付き樹脂製品およびその製造方法
JP3298247B2 (ja) 表面性状が改良された合成樹脂成形品及びその製造方法
JP2708095B2 (ja) アルコール性シリカゾル組成物とそれを用いたプラスチック基材の表面改質方法
JP3676539B2 (ja) 親水化被覆フィルム
JP2005034766A (ja) 遮熱性塗膜の形成方法
JP2003183577A (ja) 有機−無機ハイブリッドハードコート塗料
JP2003300010A (ja) 自動車塗膜の補修方法及び基材
JPH0812923A (ja) 常温硬化可能な含フッ素共重合体・シリカガラスハイブリッド体の前駆ゾル組成物とそれを用いた含フッ素共重合体・シリカガラスハイブリッド体の製法
JPH0848734A (ja) 耐汚染性の改良された被膜
JPH07292313A (ja) 自動車用コーティング剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070822

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070822

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070809

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090825

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090907

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131002

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees