JP2945950B2 - 含フッ素共重合体ワニス組成物と塗布膜の形成方法 - Google Patents
含フッ素共重合体ワニス組成物と塗布膜の形成方法Info
- Publication number
- JP2945950B2 JP2945950B2 JP6207220A JP20722094A JP2945950B2 JP 2945950 B2 JP2945950 B2 JP 2945950B2 JP 6207220 A JP6207220 A JP 6207220A JP 20722094 A JP20722094 A JP 20722094A JP 2945950 B2 JP2945950 B2 JP 2945950B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coating film
- weight
- fluorine
- varnish composition
- hardness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高耐候性塗料などに利
用される有機溶剤可溶型の含フッ素共重合体ワニス組成
物と、これを用いた金属や木材の表面保護を始めプラス
チック表面の硬度、耐溶剤性、耐候性などの表面特性を
改善するための、高度に架橋された無色透明性で密着性
の良い高硬度のコーテイング膜の形成方法に関するもの
である。
用される有機溶剤可溶型の含フッ素共重合体ワニス組成
物と、これを用いた金属や木材の表面保護を始めプラス
チック表面の硬度、耐溶剤性、耐候性などの表面特性を
改善するための、高度に架橋された無色透明性で密着性
の良い高硬度のコーテイング膜の形成方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】有機溶剤可溶型の含フッ素共重合体(塗
料用フッ素樹脂)は、耐熱性、耐薬品性、耐候性に優れ
るため、近年メンテナンス・フリーの高性能塗料用ベー
ス樹脂として注目され高層建築・大型構造物・船舶・車
輌等広い分野で利用が進んでいる。かかる溶剤可溶型の
塗料用フッ素樹脂としては、クロロトリフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレンなどのフルオロオレフイン
成分とシクロヘキシルビニルエーテルなどのアルキルビ
ニルエーテル或いは高級カルボン酸ビニルエステルなど
のアルキルビニルエステル成分とを主構成成分として、
これに特定量のヒドロキシアルキルビニルエーテル或い
はクロトン酸ヒドロキシアルキルなどのヒドロキシル基
を含有するモノマーを共重合した含フッ素共重合体が公
知となっていて各社から上市されている(特開平3−2
31906、特公昭60−21686、特公昭61−4
9323)。かかる溶剤可溶型の含フッ素共重合体から
なる塗料用のフッ素樹脂塗料材料はキシレンなどの有機
溶剤の揮発により透明な皮膜を与え、そのままでラッカ
ー型塗料としても使用できるが、耐汚染性や塗膜の硬度
を実用的な水準まで到達させるためには、架橋処理を必
要とし、通常、多価イソシアナート化合物やメチル化メ
ラミン樹脂などのアミノプラスト樹脂系の硬化剤を配合
して使用される。
料用フッ素樹脂)は、耐熱性、耐薬品性、耐候性に優れ
るため、近年メンテナンス・フリーの高性能塗料用ベー
ス樹脂として注目され高層建築・大型構造物・船舶・車
輌等広い分野で利用が進んでいる。かかる溶剤可溶型の
塗料用フッ素樹脂としては、クロロトリフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレンなどのフルオロオレフイン
成分とシクロヘキシルビニルエーテルなどのアルキルビ
ニルエーテル或いは高級カルボン酸ビニルエステルなど
のアルキルビニルエステル成分とを主構成成分として、
これに特定量のヒドロキシアルキルビニルエーテル或い
はクロトン酸ヒドロキシアルキルなどのヒドロキシル基
を含有するモノマーを共重合した含フッ素共重合体が公
知となっていて各社から上市されている(特開平3−2
31906、特公昭60−21686、特公昭61−4
9323)。かかる溶剤可溶型の含フッ素共重合体から
なる塗料用のフッ素樹脂塗料材料はキシレンなどの有機
溶剤の揮発により透明な皮膜を与え、そのままでラッカ
ー型塗料としても使用できるが、耐汚染性や塗膜の硬度
を実用的な水準まで到達させるためには、架橋処理を必
要とし、通常、多価イソシアナート化合物やメチル化メ
ラミン樹脂などのアミノプラスト樹脂系の硬化剤を配合
して使用される。
【0003】しかし、イソシアナート化合物などによる
室温硬化は、硬化がかなり遅く一週間以上を要すること
や、その有害性から取り扱いにも問題点がある。また、
メラミン樹脂系硬化剤による焼き付け硬化はかなりの高
温を必要とする(170℃30分、280℃ 3分)。
このため、ポリカーボネートやスチレン樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、メタクリル樹脂など各種プラスチックへの表面
コーテイングには使用しがたい。また、最近ではメラミ
ン樹脂系硬化剤に対しては酸性雨に対する問題点が指摘
されている。また、硬化しても塗膜の硬度が必ずしも十
分でなく、多くは鉛筆硬度で2H以下であり、なお一層
の改良が望まれている。ところで、プラスチック材は一
般に軽量で成形が容易であり強靭で透明性や着色性に優
れているため広範な用途があるが、成形品の大きな欠点
として表面の硬度が不十分なために拭掃や摩擦、引っか
き等により傷が付きやすく光沢性や透明性を失いやすく
長期間美観を保持しがたい。また、有機溶剤に侵されや
すく、耐候性にも問題があることなどが挙げられる。こ
れらの欠点を改良する手段として、従来各種のペイント
による塗装及び金属メッキなどが提案されているが、通
常のペイントによる塗装では十分な硬度を得ることは出
来ず、また、メッキでは特殊な技術を必要とするし透明
性を失う。また、メラミン樹脂で表面を覆う方法(例え
ば特公昭40−7392号、特公昭46−109号)、
シリコーン樹脂などポリオルガノシロキサン系コーテイ
ング(特公昭52−39691号)やジエチレングリコ
ールジメタクレトなどの架橋性の多官能アクリルモノマ
ーを重合する方法(特公昭35−17847号)、など
が公知となっているが、かかる方法は被塗物上で架橋構
造を持つ重合体を形成させる反応であるために不活性な
雰囲気中での重合反応を高温度で長時間行う必要がある
ことや、電子線や紫外線などの高エネルギーの照射を行
うために設備や処理方法に高度の技術を要するために高
コストになる問題点もある。
室温硬化は、硬化がかなり遅く一週間以上を要すること
や、その有害性から取り扱いにも問題点がある。また、
メラミン樹脂系硬化剤による焼き付け硬化はかなりの高
温を必要とする(170℃30分、280℃ 3分)。
このため、ポリカーボネートやスチレン樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、メタクリル樹脂など各種プラスチックへの表面
コーテイングには使用しがたい。また、最近ではメラミ
ン樹脂系硬化剤に対しては酸性雨に対する問題点が指摘
されている。また、硬化しても塗膜の硬度が必ずしも十
分でなく、多くは鉛筆硬度で2H以下であり、なお一層
の改良が望まれている。ところで、プラスチック材は一
般に軽量で成形が容易であり強靭で透明性や着色性に優
れているため広範な用途があるが、成形品の大きな欠点
として表面の硬度が不十分なために拭掃や摩擦、引っか
き等により傷が付きやすく光沢性や透明性を失いやすく
長期間美観を保持しがたい。また、有機溶剤に侵されや
すく、耐候性にも問題があることなどが挙げられる。こ
れらの欠点を改良する手段として、従来各種のペイント
による塗装及び金属メッキなどが提案されているが、通
常のペイントによる塗装では十分な硬度を得ることは出
来ず、また、メッキでは特殊な技術を必要とするし透明
性を失う。また、メラミン樹脂で表面を覆う方法(例え
ば特公昭40−7392号、特公昭46−109号)、
シリコーン樹脂などポリオルガノシロキサン系コーテイ
ング(特公昭52−39691号)やジエチレングリコ
ールジメタクレトなどの架橋性の多官能アクリルモノマ
ーを重合する方法(特公昭35−17847号)、など
が公知となっているが、かかる方法は被塗物上で架橋構
造を持つ重合体を形成させる反応であるために不活性な
雰囲気中での重合反応を高温度で長時間行う必要がある
ことや、電子線や紫外線などの高エネルギーの照射を行
うために設備や処理方法に高度の技術を要するために高
コストになる問題点もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みて耐候性の優れた塗膜を形成し得るフッ素樹脂
塗料のより一層の高性能化をはかり、熱変形温度が比較
的低いプラスチック材に対しても適用でき、且つ密着性
の優れた硬度の高い耐溶剤性に優れた塗膜を与えること
の出来るフッ素共重合体組成物と、それを用いたコーテ
イング方法を提供することにある。
術に鑑みて耐候性の優れた塗膜を形成し得るフッ素樹脂
塗料のより一層の高性能化をはかり、熱変形温度が比較
的低いプラスチック材に対しても適用でき、且つ密着性
の優れた硬度の高い耐溶剤性に優れた塗膜を与えること
の出来るフッ素共重合体組成物と、それを用いたコーテ
イング方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく市販品の溶剤可溶型の水酸基を含有する塗料
用の含フッ素共重合体に、シリカガラス前駆体のテトラ
エトキシシラン或いはその部分縮合体のエチルシリケー
ト40(日本コルコート化学製品の商品名)やメチルシ
リケート51(三菱化成製品の商品名)などの市販のア
ルコキシド化合物を少量のエタノールやブタノールと共
に混合して微量のp−トルエンスルホン酸などの酸触媒
の存在下で反応させることによりテトラエトキシシラン
や部分加水分解縮合物のアルキルシリケートなどのアル
コキシド化合物が塗料用の含フッ素共重合体ワニスに対
して重量比で僅か2〜5%といった少量用いた場合でも
90〜300℃で直ちに強制乾燥する場合は十分に硬度
の高い、且つプラスチックなどの基材に対しても密着性
の非常に良好なコーテイング膜が得られることを見出し
本発明を完成するにいたった。
解決すべく市販品の溶剤可溶型の水酸基を含有する塗料
用の含フッ素共重合体に、シリカガラス前駆体のテトラ
エトキシシラン或いはその部分縮合体のエチルシリケー
ト40(日本コルコート化学製品の商品名)やメチルシ
リケート51(三菱化成製品の商品名)などの市販のア
ルコキシド化合物を少量のエタノールやブタノールと共
に混合して微量のp−トルエンスルホン酸などの酸触媒
の存在下で反応させることによりテトラエトキシシラン
や部分加水分解縮合物のアルキルシリケートなどのアル
コキシド化合物が塗料用の含フッ素共重合体ワニスに対
して重量比で僅か2〜5%といった少量用いた場合でも
90〜300℃で直ちに強制乾燥する場合は十分に硬度
の高い、且つプラスチックなどの基材に対しても密着性
の非常に良好なコーテイング膜が得られることを見出し
本発明を完成するにいたった。
【0006】すなわち、本発明は (1)i)フルオロオレフイン成分とアルキルビニルエ
ーテルもしくはアルキルビニルエステルを主構成成分と
し、かつ分子中にヒドロキシル基を含有する含フッ素共
重合体の有機溶剤溶液100重量部に対し ii)アルコ
キシシラン又はその部分加水分解縮合物0.5〜30重
量部(ただし、前記i)の成分とii)の成分の比が、固
形分重量比で4/1以下となる場合は除く) iii)メタ
ノールを除く低級アルコール類50〜300重量部及び
iv)総重量に対し0.1%〜2.5重量%の有機強酸
よりなる酸触媒、を含有してなり、かつ、その組成成分
として水を含有しないことを特徴とする含フッ素共重合
体ワニス組成物、及び (2)(1)項に記載の含フッ素共重合体ワニス組成物
を基材に塗布し、90〜300℃で加熱強制乾燥する事
を特徴とする高度に架橋した高硬度で高光沢性の密着性
の良好な塗布膜の形成方法、を提供するものである。
ーテルもしくはアルキルビニルエステルを主構成成分と
し、かつ分子中にヒドロキシル基を含有する含フッ素共
重合体の有機溶剤溶液100重量部に対し ii)アルコ
キシシラン又はその部分加水分解縮合物0.5〜30重
量部(ただし、前記i)の成分とii)の成分の比が、固
形分重量比で4/1以下となる場合は除く) iii)メタ
ノールを除く低級アルコール類50〜300重量部及び
iv)総重量に対し0.1%〜2.5重量%の有機強酸
よりなる酸触媒、を含有してなり、かつ、その組成成分
として水を含有しないことを特徴とする含フッ素共重合
体ワニス組成物、及び (2)(1)項に記載の含フッ素共重合体ワニス組成物
を基材に塗布し、90〜300℃で加熱強制乾燥する事
を特徴とする高度に架橋した高硬度で高光沢性の密着性
の良好な塗布膜の形成方法、を提供するものである。
【0007】本発明で用いられる含フッ素共重合体とし
ては、各種の市販のものを用いることが出来る。具体的
には特公昭60−21686号公報、特開昭63−23
04号公報に記載されるフルオロオレフイン、シクロヘ
キシルビニルエーテル、アルキルビニルエーテル及びヒ
ドロキシアルキルビニルエーテルに基づく単位をそれぞ
れ特定量含有する含フッ素共重合体があげられる。ま
た、特開平3−231906号公報に記載される、前単
量体の合計量を基準として、(a)フルオロオレフイン
単量体単位:30〜60モル%(b)クロトン酸ヒドロ
キシアルキル単量体単位:3〜30モル%(c)上記以
外のビニル単量体単位:10〜67モル%を含有する含
フッ素共重合体があげられる。含フッ素共重合体の有機
溶剤としては、種々の溶剤が使用可能であり、キシレ
ン、トルエンのごとき芳香族炭化水素類、メタノールを
除く低級アルコール類、酢酸ブチルのごときエステル
類、メチルイソブチルケトンのごときケトン類、エチル
セロソルブなどグリコールエーテル類等の他市販の各種
シンナーも採用可能であり、これらを種々の割合で混合
して使用することも可能である。かかる有機溶剤の使用
量は塗装法或いは被塗物の種類、状態、蒸発速度、作業
環境等を勘案して適宜選定し使用量を設定することが出
来る。上記の方法で調製された含フッ素共重合体ワニス
組成物中の含フッ素共重合体(フッ素樹脂)の濃度は通
常20重量%以上、好ましくは25〜30重量%であ
る。
ては、各種の市販のものを用いることが出来る。具体的
には特公昭60−21686号公報、特開昭63−23
04号公報に記載されるフルオロオレフイン、シクロヘ
キシルビニルエーテル、アルキルビニルエーテル及びヒ
ドロキシアルキルビニルエーテルに基づく単位をそれぞ
れ特定量含有する含フッ素共重合体があげられる。ま
た、特開平3−231906号公報に記載される、前単
量体の合計量を基準として、(a)フルオロオレフイン
単量体単位:30〜60モル%(b)クロトン酸ヒドロ
キシアルキル単量体単位:3〜30モル%(c)上記以
外のビニル単量体単位:10〜67モル%を含有する含
フッ素共重合体があげられる。含フッ素共重合体の有機
溶剤としては、種々の溶剤が使用可能であり、キシレ
ン、トルエンのごとき芳香族炭化水素類、メタノールを
除く低級アルコール類、酢酸ブチルのごときエステル
類、メチルイソブチルケトンのごときケトン類、エチル
セロソルブなどグリコールエーテル類等の他市販の各種
シンナーも採用可能であり、これらを種々の割合で混合
して使用することも可能である。かかる有機溶剤の使用
量は塗装法或いは被塗物の種類、状態、蒸発速度、作業
環境等を勘案して適宜選定し使用量を設定することが出
来る。上記の方法で調製された含フッ素共重合体ワニス
組成物中の含フッ素共重合体(フッ素樹脂)の濃度は通
常20重量%以上、好ましくは25〜30重量%であ
る。
【0008】本発明で使用する市販の塗料用含フッ素共
重合体は、樹脂構造としてクロロトリフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレンなどのフルオロオレフイン
にシクロヘキシルビニルエーテルや高級カルボン酸ビニ
ルエステルを交互共重合したものを主構成成分とし、こ
れにクロトン酸ヒドロキシアルキルやヒドロキキシルア
ルキルビニルエーテルなどを共重合して分子中にヒドロ
キシル基を含有させた含フッ素共重合体をキシレンその
他の有機溶剤に40〜60%固型分濃度となるよう溶解
させてなるものである。この種の共重合体の水酸基価に
ついては制限は無いが、水酸基価の高いものほど効果的
である。上市されているもでは、旭硝子(株)製品のル
ミフロンLF−100(水酸基価26mgKOH/g−
樹脂)、同ルミフロンLF−200(水酸基価32mg
KOH/g)、同ルミフロンFC−400(水酸基価2
4mgKOH/g)、同ルミフロンLF−600(水酸
基価31mgKOH/g)、同ルミフロンLF−900
(水酸基価55〜60mgKOH/g)、東亞合成化学
工業(株)製品のザフロンFC−110(水酸基価44
mgKOH/g)、同ザフロンFC−220(水酸基価
53mgKOH/g)、同ザフロンXFC640(開発
品)水酸基価100mgKOH/g)などが挙げられ
る。
重合体は、樹脂構造としてクロロトリフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレンなどのフルオロオレフイン
にシクロヘキシルビニルエーテルや高級カルボン酸ビニ
ルエステルを交互共重合したものを主構成成分とし、こ
れにクロトン酸ヒドロキシアルキルやヒドロキキシルア
ルキルビニルエーテルなどを共重合して分子中にヒドロ
キシル基を含有させた含フッ素共重合体をキシレンその
他の有機溶剤に40〜60%固型分濃度となるよう溶解
させてなるものである。この種の共重合体の水酸基価に
ついては制限は無いが、水酸基価の高いものほど効果的
である。上市されているもでは、旭硝子(株)製品のル
ミフロンLF−100(水酸基価26mgKOH/g−
樹脂)、同ルミフロンLF−200(水酸基価32mg
KOH/g)、同ルミフロンFC−400(水酸基価2
4mgKOH/g)、同ルミフロンLF−600(水酸
基価31mgKOH/g)、同ルミフロンLF−900
(水酸基価55〜60mgKOH/g)、東亞合成化学
工業(株)製品のザフロンFC−110(水酸基価44
mgKOH/g)、同ザフロンFC−220(水酸基価
53mgKOH/g)、同ザフロンXFC640(開発
品)水酸基価100mgKOH/g)などが挙げられ
る。
【0009】また、本発明で用いられる加水分解性のア
ルコキシシランとしては一般式Si(OR)n (式中R
は炭素数1〜4の飽和炭化水素基、nは2〜4の整数を
示す)で表される低級アルコキシシラン類が挙げられ
る。かかるアルコキシシランの具体例としては、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポ
キシシランなどの4官能性のテトラアルコキシシラン、
トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン
などの3官能性のトリアルコキシアルキルシランなどが
挙げられるが、4官能性のアルコキシシランでは機械的
に脆くなることから、架橋度合いを低く抑えるために3
官能性や2官能性のアルコキシシランを混合して用いる
のも効果的である。また、ジンクリッチペイントや鋳造
用のバインダーとして工業用に使用されているアルキル
シリケート(テトラメトキシシランやテトラエトキシシ
ランの部分加水分解縮合物であるメチルシリケート51
やエチルシリケート40が良好な濡れ性や作業性からよ
り好適に使用される。本発明の含フッ素共重合体に少量
のアルコキシシランを含有したワニス組成物は必要によ
りエタノール、イソプロパノール、1−ブタノールなど
の低級アルコール(ただし、メタノールを除く)を用い
て均一に溶解させ系の粘性を調整する必要がある。アル
コール類の添加量が少なすぎる場合は粘度上昇やゲル化
を生じ、また造膜性を損なう場合がある。この低級アル
コール類の使用量は、前記i)の含フッ素共重合体の有
機溶剤溶液とii)のアルコキシシラン又はその部分加水
分解物の合計量に対し通常50%以上、好ましくは10
0〜300%とする。その量は前記のi)、ii)及びii
i)からなるワニス組成物を取扱い容易な程度の粘度にす
る量が好ましく、通常500c.p.以下にする量が好
ましい。
ルコキシシランとしては一般式Si(OR)n (式中R
は炭素数1〜4の飽和炭化水素基、nは2〜4の整数を
示す)で表される低級アルコキシシラン類が挙げられ
る。かかるアルコキシシランの具体例としては、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポ
キシシランなどの4官能性のテトラアルコキシシラン、
トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン
などの3官能性のトリアルコキシアルキルシランなどが
挙げられるが、4官能性のアルコキシシランでは機械的
に脆くなることから、架橋度合いを低く抑えるために3
官能性や2官能性のアルコキシシランを混合して用いる
のも効果的である。また、ジンクリッチペイントや鋳造
用のバインダーとして工業用に使用されているアルキル
シリケート(テトラメトキシシランやテトラエトキシシ
ランの部分加水分解縮合物であるメチルシリケート51
やエチルシリケート40が良好な濡れ性や作業性からよ
り好適に使用される。本発明の含フッ素共重合体に少量
のアルコキシシランを含有したワニス組成物は必要によ
りエタノール、イソプロパノール、1−ブタノールなど
の低級アルコール(ただし、メタノールを除く)を用い
て均一に溶解させ系の粘性を調整する必要がある。アル
コール類の添加量が少なすぎる場合は粘度上昇やゲル化
を生じ、また造膜性を損なう場合がある。この低級アル
コール類の使用量は、前記i)の含フッ素共重合体の有
機溶剤溶液とii)のアルコキシシラン又はその部分加水
分解物の合計量に対し通常50%以上、好ましくは10
0〜300%とする。その量は前記のi)、ii)及びii
i)からなるワニス組成物を取扱い容易な程度の粘度にす
る量が好ましく、通常500c.p.以下にする量が好
ましい。
【0010】本発明では構成成分として微量の酸触媒を
必要とする。該触媒としてはp−トルエンスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸、デカンスルホン酸、パーフロロス
ルホン酸などの有機強酸が好ましく使用される。また、
5〜10%の塩化水素を含有するメタノールなども使用
できる。その使用量は、総重量に対し有機強酸又は塩化
水素のような酸量で示して0.1〜2.5重量%程度、
好ましくは0.25〜1重量%である。本発明におい
て、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒の使用は不可
欠で、触媒量が少なすぎる場合は硬化が不十分となり塗
膜は粘着性を帯びるなど十分な硬化は不可能である。ま
た、触媒量が多すぎる場合は、塗膜は梨地様となって透
明性や光沢性、基材に対する密着性が損なわれた。酸触
媒は使用直前に添加しても良いが、あらかじめ混合して
なるワニス組成液は、密栓状態ならば長期間溶液状態を
保持してもゲル化することはない。
必要とする。該触媒としてはp−トルエンスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸、デカンスルホン酸、パーフロロス
ルホン酸などの有機強酸が好ましく使用される。また、
5〜10%の塩化水素を含有するメタノールなども使用
できる。その使用量は、総重量に対し有機強酸又は塩化
水素のような酸量で示して0.1〜2.5重量%程度、
好ましくは0.25〜1重量%である。本発明におい
て、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒の使用は不可
欠で、触媒量が少なすぎる場合は硬化が不十分となり塗
膜は粘着性を帯びるなど十分な硬化は不可能である。ま
た、触媒量が多すぎる場合は、塗膜は梨地様となって透
明性や光沢性、基材に対する密着性が損なわれた。酸触
媒は使用直前に添加しても良いが、あらかじめ混合して
なるワニス組成液は、密栓状態ならば長期間溶液状態を
保持してもゲル化することはない。
【0011】本発明の塗布膜の形成方法において前記ワ
ニス組成物を基材に塗布後90〜300℃、好ましくは
120〜250℃で強制乾燥するとキシレンなどの有機
溶剤の揮発と共に急速に硬化して無色透明性で高光沢性
の密着性の非常に良い塗膜が形成される。温度が高いほ
ど硬化は速いが300℃を越えると着色が生じ、340
℃前後で熱分解する。またこの加熱条件は塗布すべき基
材の熱変形温度も考慮して決定される。また、50℃以
下の温度では十分な硬度のものが得られなくなる。加熱
継続時間は5分から数時間で溶剤が十分に揮発すればよ
い。塗膜の硬度は予想外に高く、ヌープ硬度でKH=8
〜28(鉛筆硬度換算HB〜5H相当)爪で強く引っか
いても傷が付かない(scuff−free)。しか
し、調整されたワニスを室温で乾燥しただけの場合は、
塗膜の硬度は十分でなく爪で引っかくと容易に傷が付
く。また、室温で十分に乾燥した後で更に100℃に加
熱してももはや塗膜の硬度は増加せず爪で引っかくと傷
が付きやすかった。本発明の方法によれば、生成塗膜は
高度に架橋されていてアルコール、トルエン、アセトン
などの有機溶剤、強アルカリ、強酸に全く変化が見られ
ず、沸騰水中でも安定であった。また、クロロトリフル
オロエチレンを主成分とする含フッ素共重合体は耐放射
線性も期待できる。
ニス組成物を基材に塗布後90〜300℃、好ましくは
120〜250℃で強制乾燥するとキシレンなどの有機
溶剤の揮発と共に急速に硬化して無色透明性で高光沢性
の密着性の非常に良い塗膜が形成される。温度が高いほ
ど硬化は速いが300℃を越えると着色が生じ、340
℃前後で熱分解する。またこの加熱条件は塗布すべき基
材の熱変形温度も考慮して決定される。また、50℃以
下の温度では十分な硬度のものが得られなくなる。加熱
継続時間は5分から数時間で溶剤が十分に揮発すればよ
い。塗膜の硬度は予想外に高く、ヌープ硬度でKH=8
〜28(鉛筆硬度換算HB〜5H相当)爪で強く引っか
いても傷が付かない(scuff−free)。しか
し、調整されたワニスを室温で乾燥しただけの場合は、
塗膜の硬度は十分でなく爪で引っかくと容易に傷が付
く。また、室温で十分に乾燥した後で更に100℃に加
熱してももはや塗膜の硬度は増加せず爪で引っかくと傷
が付きやすかった。本発明の方法によれば、生成塗膜は
高度に架橋されていてアルコール、トルエン、アセトン
などの有機溶剤、強アルカリ、強酸に全く変化が見られ
ず、沸騰水中でも安定であった。また、クロロトリフル
オロエチレンを主成分とする含フッ素共重合体は耐放射
線性も期待できる。
【0012】本発明の方法で得られたコーテイング膜は
密着性が良いのが特徴であるが、塗膜の硬度も比較的高
くヌープ硬度で8〜28(鉛筆硬度換算でHB〜5H相
当)で爪で強く引っかいても傷は付かない。また、ポリ
カーボネート板やメタクリル樹脂板などの透明プラスチ
ックの表面硬度の改善(耐擦傷性改善)の方法としては
以下の方法が有効であった。すなわち、最初に当該含フ
ッ素共重合体ワニス組成物を透明プラスチック板上に下
塗りして室温でセッテイング後直ちに、生乾き状態の下
塗りコーテイング膜の上にアルキルシリケートの含有量
を高めて同様の方法で調整して作製したワニス組成物
(例えば含フッ素共重合体とアルキルシリケートとの混
合比を重量比で1:1としたものに等倍量の1−ブタノ
ールを加えて更に微量の酸触媒を添加して作製したワニ
ス組成物)を塗布し、90〜170℃、より望ましくは
120〜150℃で強制乾燥(15〜30分)すること
によって基材の透明プラスチック板に密着性の良好なヌ
ープ硬度KH=20〜35(鉛筆硬度2H〜6H相当)
のハードコート膜を形成することが出来る。一般にヌー
プ硬度20〜35(鉛筆硬度換算で2H〜6H相当)の
硬度の高いハードコートをポリカボネートなどのプラス
チック板上にコートする事は非常に困難で、多くの場合
はスジや亀裂の生成、剥離が著しくなるが、上述のよう
にアルキルシリケートの含有量が10%以下に調製され
た含フッ素共重合体ワニスをプライマーとして透明プラ
スチック板(ポリカボネート)の上に予めコーティング
してから、未乾燥の状態でさらにアルキルシリケート含
有量がより高い組成比の含フッ素共重合体ワニスを重ね
てコーティングしてすぐに120〜170℃で強制乾燥
すると下地のコーティング層と相溶性良く、またアルキ
ルシリケート濃度の傾斜機能効果も期待されて亀裂のな
い無色透明性で硬度の非常に高い高光沢性で密着性の良
い塗膜が形成されることを認めた。
密着性が良いのが特徴であるが、塗膜の硬度も比較的高
くヌープ硬度で8〜28(鉛筆硬度換算でHB〜5H相
当)で爪で強く引っかいても傷は付かない。また、ポリ
カーボネート板やメタクリル樹脂板などの透明プラスチ
ックの表面硬度の改善(耐擦傷性改善)の方法としては
以下の方法が有効であった。すなわち、最初に当該含フ
ッ素共重合体ワニス組成物を透明プラスチック板上に下
塗りして室温でセッテイング後直ちに、生乾き状態の下
塗りコーテイング膜の上にアルキルシリケートの含有量
を高めて同様の方法で調整して作製したワニス組成物
(例えば含フッ素共重合体とアルキルシリケートとの混
合比を重量比で1:1としたものに等倍量の1−ブタノ
ールを加えて更に微量の酸触媒を添加して作製したワニ
ス組成物)を塗布し、90〜170℃、より望ましくは
120〜150℃で強制乾燥(15〜30分)すること
によって基材の透明プラスチック板に密着性の良好なヌ
ープ硬度KH=20〜35(鉛筆硬度2H〜6H相当)
のハードコート膜を形成することが出来る。一般にヌー
プ硬度20〜35(鉛筆硬度換算で2H〜6H相当)の
硬度の高いハードコートをポリカボネートなどのプラス
チック板上にコートする事は非常に困難で、多くの場合
はスジや亀裂の生成、剥離が著しくなるが、上述のよう
にアルキルシリケートの含有量が10%以下に調製され
た含フッ素共重合体ワニスをプライマーとして透明プラ
スチック板(ポリカボネート)の上に予めコーティング
してから、未乾燥の状態でさらにアルキルシリケート含
有量がより高い組成比の含フッ素共重合体ワニスを重ね
てコーティングしてすぐに120〜170℃で強制乾燥
すると下地のコーティング層と相溶性良く、またアルキ
ルシリケート濃度の傾斜機能効果も期待されて亀裂のな
い無色透明性で硬度の非常に高い高光沢性で密着性の良
い塗膜が形成されることを認めた。
【0013】前記含フッ素共重合体ワニス組成物を基材
に塗布するには、浸漬塗装法の他、スプレーガン、ブラ
シ、ローラー、ドクターナイフなどを用いた通常の塗装
方法が採用できる。乾燥硬化後の膜厚としては通常0.
5〜20μmの厚さのコーティングがなされているが3
〜10μmが好ましい。厚みがこの範囲よりも大きすぎ
ると基材との密着性が低下し、亀裂、剥離を生じやすく
なる。また、小さすぎると塗膜の保護効果が低下すると
ともにピンホール等の欠陥が発生しやすくなる。本発明
の含フッ素共重合体ワニス組成物は無色透明光沢性のク
リヤー塗料としても使用できるし、更に着色剤を配合し
て着色塗料としても使用できる。更に、必要に応じてレ
ベリング剤や紫外線吸収剤、界面活性剤など公知の添加
剤を用いることが出来る。本発明の組成物を塗料ベース
として使用する場合は、表面硬度、光沢性に優れると共
に耐溶剤性、耐汚染性、耐候性に優れた塗膜を90〜3
00℃の広い温度範囲での加熱下での強制乾燥硬化がな
されることから比較的穏和な条件下での硬化から250
℃以上での高速の硬化によってラインでの塗装にも対応
できるため、カラー鉄板、アルミ板、ステンレススチー
ルなどの金属やガラス、セメント等の無機材料からポリ
プロピレン、FRP樹脂、メタクリル樹脂、ナイロン、
ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカボネートな
どの各種プラスチックに対するコーティング用にも適し
ていて、耐スクラッチ性、耐磨耗性、耐候性に優れた表
面保護用塗料材料として極めて有用である。
に塗布するには、浸漬塗装法の他、スプレーガン、ブラ
シ、ローラー、ドクターナイフなどを用いた通常の塗装
方法が採用できる。乾燥硬化後の膜厚としては通常0.
5〜20μmの厚さのコーティングがなされているが3
〜10μmが好ましい。厚みがこの範囲よりも大きすぎ
ると基材との密着性が低下し、亀裂、剥離を生じやすく
なる。また、小さすぎると塗膜の保護効果が低下すると
ともにピンホール等の欠陥が発生しやすくなる。本発明
の含フッ素共重合体ワニス組成物は無色透明光沢性のク
リヤー塗料としても使用できるし、更に着色剤を配合し
て着色塗料としても使用できる。更に、必要に応じてレ
ベリング剤や紫外線吸収剤、界面活性剤など公知の添加
剤を用いることが出来る。本発明の組成物を塗料ベース
として使用する場合は、表面硬度、光沢性に優れると共
に耐溶剤性、耐汚染性、耐候性に優れた塗膜を90〜3
00℃の広い温度範囲での加熱下での強制乾燥硬化がな
されることから比較的穏和な条件下での硬化から250
℃以上での高速の硬化によってラインでの塗装にも対応
できるため、カラー鉄板、アルミ板、ステンレススチー
ルなどの金属やガラス、セメント等の無機材料からポリ
プロピレン、FRP樹脂、メタクリル樹脂、ナイロン、
ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカボネートな
どの各種プラスチックに対するコーティング用にも適し
ていて、耐スクラッチ性、耐磨耗性、耐候性に優れた表
面保護用塗料材料として極めて有用である。
【0014】特に、透明プラスチックの表面特性の向上
による製品寿命の延長は大きなニーズで航空機の窓やド
ア材、オートバイの風防、看板、デイスプレーなどの屋
外広告、メーターパネル、機器カバー、電気照明器具類
などへの被覆材料としてまた、光劣化しやすい基材の保
護などに有用である。本発明の組成物が少量のアルキル
シリケートの存在によって加熱強制乾燥することによっ
て硬度の高いコーティング膜を形成する理由などについ
ては詳細はまだ定かではない。たぶん前記組成物を基材
にコーティングした後、強制乾燥するとアルキルシリケ
ートがアルコール分解、酸分解し、同時に珪素に結合す
るシラノール基間の縮合反応で水酸基を含有する該フッ
素樹脂共重合体と水素結合もしくはエステル結合して3
次元構造の硬化膜が形成されるものと考えられる。
による製品寿命の延長は大きなニーズで航空機の窓やド
ア材、オートバイの風防、看板、デイスプレーなどの屋
外広告、メーターパネル、機器カバー、電気照明器具類
などへの被覆材料としてまた、光劣化しやすい基材の保
護などに有用である。本発明の組成物が少量のアルキル
シリケートの存在によって加熱強制乾燥することによっ
て硬度の高いコーティング膜を形成する理由などについ
ては詳細はまだ定かではない。たぶん前記組成物を基材
にコーティングした後、強制乾燥するとアルキルシリケ
ートがアルコール分解、酸分解し、同時に珪素に結合す
るシラノール基間の縮合反応で水酸基を含有する該フッ
素樹脂共重合体と水素結合もしくはエステル結合して3
次元構造の硬化膜が形成されるものと考えられる。
【0015】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて、更に具体的
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものでない。
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものでない。
【0016】実施例1 クロロトリフルオロエチレンとテトラフルオロエチレン
及びシクロヘキシルビニルエーテルを主構成成分とし
て、分子中にヒドロキシル基を含有する市販の塗料用フ
ッ素樹脂ワニスのルミフロンLF−200(旭硝子製
品)40gにメチルシリケート51(三菱化成製品)2
gを30gの1−ブタノールとともに混合し、さらに
0.20gのp−トルエンスルホン酸を触媒として添加
し、透明で低粘性の調製ワニスを作製した。このワニス
組成物は密栓状態では長期間安定で、このものをガラス
板、アルミ板、プラスチック板などに塗布し、120℃
のホットプレート上で30分加熱強制乾燥させた。塗膜
は無色透明平滑で亀裂・スジの生成はなく、爪で強く引
っかいても傷が付かず、寺沢式微小硬度計(SM−2太
洋テスター製)による塗膜のヌープ硬度はKH=15,
鉛筆硬度換算でH相当であった。また、塗膜の光沢性は
非常に良く、60度鏡面反射光沢度で130%で、塗布
前のガラス面と殆ど同じ値を示した(日本電色工業 変
角光沢計 VG−1D型)。塗膜の密着性は非常に良く
碁盤目カットのテープ剥離試験は100/100であっ
た。塗膜の耐溶剤性は良く、アセトン、キシレンによっ
ても変化が無く、また、キシレンをガーゼに含浸させ塗
膜を100回以上こすっても塗膜に変化のないことを確
認した。塗膜の撥水性、撥油性も塗料用フッ素樹脂単体
と殆ど変わらなかった。
及びシクロヘキシルビニルエーテルを主構成成分とし
て、分子中にヒドロキシル基を含有する市販の塗料用フ
ッ素樹脂ワニスのルミフロンLF−200(旭硝子製
品)40gにメチルシリケート51(三菱化成製品)2
gを30gの1−ブタノールとともに混合し、さらに
0.20gのp−トルエンスルホン酸を触媒として添加
し、透明で低粘性の調製ワニスを作製した。このワニス
組成物は密栓状態では長期間安定で、このものをガラス
板、アルミ板、プラスチック板などに塗布し、120℃
のホットプレート上で30分加熱強制乾燥させた。塗膜
は無色透明平滑で亀裂・スジの生成はなく、爪で強く引
っかいても傷が付かず、寺沢式微小硬度計(SM−2太
洋テスター製)による塗膜のヌープ硬度はKH=15,
鉛筆硬度換算でH相当であった。また、塗膜の光沢性は
非常に良く、60度鏡面反射光沢度で130%で、塗布
前のガラス面と殆ど同じ値を示した(日本電色工業 変
角光沢計 VG−1D型)。塗膜の密着性は非常に良く
碁盤目カットのテープ剥離試験は100/100であっ
た。塗膜の耐溶剤性は良く、アセトン、キシレンによっ
ても変化が無く、また、キシレンをガーゼに含浸させ塗
膜を100回以上こすっても塗膜に変化のないことを確
認した。塗膜の撥水性、撥油性も塗料用フッ素樹脂単体
と殆ど変わらなかった。
【0017】比較例1 実施例1において、該ワニス組成物を120℃の強制乾
燥をしないで、室温での自然乾燥した場合は長期間塗膜
の硬度は十分でなく、爪で容易に傷が付き、また汚染性
が悪かった。(ヌープ硬度KH=3以下)また、実施例
1において、メチルシリケート51を全く使用しない場
合は150℃の強制乾燥でタックフリーの塗膜が形成さ
れたが、基材に対する密着性が著しく悪く、特にプラス
チック板の場合は一寸圧力を加えただけで亀裂を生じ、
すぐに剥離を生じた。
燥をしないで、室温での自然乾燥した場合は長期間塗膜
の硬度は十分でなく、爪で容易に傷が付き、また汚染性
が悪かった。(ヌープ硬度KH=3以下)また、実施例
1において、メチルシリケート51を全く使用しない場
合は150℃の強制乾燥でタックフリーの塗膜が形成さ
れたが、基材に対する密着性が著しく悪く、特にプラス
チック板の場合は一寸圧力を加えただけで亀裂を生じ、
すぐに剥離を生じた。
【0018】実施例2 クロロトリフルオロエチレンとテトラフルオロエチレン
及びシクロヘキシルビニルエーテルを主構成成分とし、
分子中にヒドロキシル基を含有する市販の塗料用含フッ
素樹脂ルミフロンLF−200(旭硝子製品)40gに
メチルシリケート51を1g混合し、さらに20gのエ
タノールと0.10gのp−トルエンスルホン酸を添加
して無色透明性で低粘性の均一なワニス組成物を調製
し。この組成物をスライドグラス上に流延し室温で乾燥
硬化した塗膜は無色透明で密着性が良く高光沢性であっ
たが、硬度は低く爪で引っかくと容易に傷が付く。しか
し、150℃で強制乾燥した場合は急速に硬化して爪で
強く引っかいても傷が付かず堅い高光沢性の塗膜が得ら
れた。ポリカボネート板にたいしても密着性は良く碁盤
目剥離試験で剥離は無く、キシレン等の有機溶剤に対し
て変化が見られなかった。
及びシクロヘキシルビニルエーテルを主構成成分とし、
分子中にヒドロキシル基を含有する市販の塗料用含フッ
素樹脂ルミフロンLF−200(旭硝子製品)40gに
メチルシリケート51を1g混合し、さらに20gのエ
タノールと0.10gのp−トルエンスルホン酸を添加
して無色透明性で低粘性の均一なワニス組成物を調製
し。この組成物をスライドグラス上に流延し室温で乾燥
硬化した塗膜は無色透明で密着性が良く高光沢性であっ
たが、硬度は低く爪で引っかくと容易に傷が付く。しか
し、150℃で強制乾燥した場合は急速に硬化して爪で
強く引っかいても傷が付かず堅い高光沢性の塗膜が得ら
れた。ポリカボネート板にたいしても密着性は良く碁盤
目剥離試験で剥離は無く、キシレン等の有機溶剤に対し
て変化が見られなかった。
【0019】
【0020】実施例3 クロロトリフルオロエチレンと高級カルボン酸ビニルエ
ステルを主構成成分とし、分子中にヒドロキシル基を含
有する市販の塗料用フッ素樹脂ワニスのルミフロン L
F−200(旭硝子製品)80gにメチルシリケート
51(三菱化成製品)1gを40gの1−ブタノールと
共に混合溶解後、酸触媒として0.10gのp−トルエ
ンスルホン酸を添加してコーティング用のワニス組成物
を調製した。上記組成物をアルミ板、スライドグラス
板、ポリカボネート、メタクリル樹脂板などに塗布し、
120℃で30分強制硬化させた。溶剤成分(キシレ
ン、1−ブタノールなど)の揮発と共に急速に硬化して
タックフリーの高光沢性で透明性の良好な塗膜が形成さ
れることを認めた。塗膜のヌープ硬度はKH=8.8,
鉛筆硬度換算でHB程度であった。碁盤目カットのテー
プ剥離試験は100/100で密着性は良好であった。
また、塗膜の耐溶剤性も良く、キシレンをガーゼに含浸
させ塗膜を100回以上擦っても塗膜に変化がないこと
を確認した。塗膜の撥水性、撥油性も塗料用フッ素樹脂
単体と殆ど変わらない。
ステルを主構成成分とし、分子中にヒドロキシル基を含
有する市販の塗料用フッ素樹脂ワニスのルミフロン L
F−200(旭硝子製品)80gにメチルシリケート
51(三菱化成製品)1gを40gの1−ブタノールと
共に混合溶解後、酸触媒として0.10gのp−トルエ
ンスルホン酸を添加してコーティング用のワニス組成物
を調製した。上記組成物をアルミ板、スライドグラス
板、ポリカボネート、メタクリル樹脂板などに塗布し、
120℃で30分強制硬化させた。溶剤成分(キシレ
ン、1−ブタノールなど)の揮発と共に急速に硬化して
タックフリーの高光沢性で透明性の良好な塗膜が形成さ
れることを認めた。塗膜のヌープ硬度はKH=8.8,
鉛筆硬度換算でHB程度であった。碁盤目カットのテー
プ剥離試験は100/100で密着性は良好であった。
また、塗膜の耐溶剤性も良く、キシレンをガーゼに含浸
させ塗膜を100回以上擦っても塗膜に変化がないこと
を確認した。塗膜の撥水性、撥油性も塗料用フッ素樹脂
単体と殆ど変わらない。
【0021】比較例2 実施例1〜3において酸触媒のp−トルエンスルホン酸
を使用しない場合は、100℃以上での強制乾燥でも塗
膜は軟らかく爪で引っかくと容易に傷が付く。また、実
施例1〜3において酸触媒を用いても、加熱強制乾燥を
行わないで、室温で自然乾燥した場合は、生成塗膜の硬
度は低く、爪で引っかくと容易に傷が付いた。
を使用しない場合は、100℃以上での強制乾燥でも塗
膜は軟らかく爪で引っかくと容易に傷が付く。また、実
施例1〜3において酸触媒を用いても、加熱強制乾燥を
行わないで、室温で自然乾燥した場合は、生成塗膜の硬
度は低く、爪で引っかくと容易に傷が付いた。
【0022】
【0023】
【0024】
【発明の効果】本発明の含フッ素共重合体ワニス組成物
の塗膜は、調製された組成物を基材にセッテイング後直
ちに90〜300℃で強制乾燥するだけで自己架橋が進
み、急速に硬化して皮膜強度と耐候性、耐溶剤性光沢性
などの著しく改善された高性能塗膜が得られることが特
徴で、より高性能化された塗料用のフッ素樹脂ベースと
してより広い分野での利用が可能である。本発明方法は
特にポリカーボネート、メタクリル樹脂、ポリスチレン
などの透明性のプラスチックの表面の保護用コーティン
グ膜の形成法として耐候性、耐擦傷性、耐溶剤性の改善
に著しく有利で実用性が高い。
の塗膜は、調製された組成物を基材にセッテイング後直
ちに90〜300℃で強制乾燥するだけで自己架橋が進
み、急速に硬化して皮膜強度と耐候性、耐溶剤性光沢性
などの著しく改善された高性能塗膜が得られることが特
徴で、より高性能化された塗料用のフッ素樹脂ベースと
してより広い分野での利用が可能である。本発明方法は
特にポリカーボネート、メタクリル樹脂、ポリスチレン
などの透明性のプラスチックの表面の保護用コーティン
グ膜の形成法として耐候性、耐擦傷性、耐溶剤性の改善
に著しく有利で実用性が高い。
Claims (2)
- 【請求項1】 i)フルオロオレフイン成分とアルキル
ビニルエーテルもしくはアルキルビニルエステルを主構
成成分とし、かつ分子中にヒドロキシル基を含有する含
フッ素共重合体の有機溶剤溶液100重量部に対し i
i)アルコキシシラン又はその部分加水分解縮合物0.
5〜30重量部(ただし、前記i)の成分とii)の成分
の比が、固形分重量比で4/1以下となる場合は除く) iii)メタノールを除く低級アルコール類50〜300重
量部及び iv)総重量に対し0.1%〜2.5重量%の
有機強酸よりなる酸触媒、を含有してなり、かつ、その
組成成分として水を含有しないことを特徴とする含フッ
素共重合体ワニス組成物。 - 【請求項2】 請求項1に記載の含フッ素共重合体ワニ
ス組成物を基材に塗布し、90〜300℃で加熱強制乾
燥する事を特徴とする高度に架橋した高硬度で高光沢性
の密着性の良好な塗布膜の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6207220A JP2945950B2 (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | 含フッ素共重合体ワニス組成物と塗布膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6207220A JP2945950B2 (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | 含フッ素共重合体ワニス組成物と塗布膜の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0867856A JPH0867856A (ja) | 1996-03-12 |
JP2945950B2 true JP2945950B2 (ja) | 1999-09-06 |
Family
ID=16536238
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6207220A Expired - Lifetime JP2945950B2 (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | 含フッ素共重合体ワニス組成物と塗布膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2945950B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3838383B2 (ja) * | 1996-07-12 | 2006-10-25 | 大日本インキ化学工業株式会社 | 水性塗料用組成物および其れを用いた塗装物品 |
JP2007321016A (ja) * | 2006-05-31 | 2007-12-13 | Sekisui Jushi Co Ltd | 自浄式乾式塀 |
KR100880348B1 (ko) * | 2006-08-07 | 2009-01-28 | 주식회사 엘지화학 | 반사입자를 함유하는 불소수지층을 포함하는 전사용 시트,반사입자를 함유하는 불소수지층을 포함하는 외장용적층시트 및 그 제조방법 |
JP5786016B2 (ja) * | 2012-12-27 | 2015-09-30 | 富士フイルム株式会社 | 偏光板保護フィルム、偏光板、並びに液晶表示装置 |
JP7151348B2 (ja) * | 2018-10-03 | 2022-10-12 | 日本製鉄株式会社 | 金属板用塗料およびこれを用いた塗装金属板の製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2993098B2 (ja) * | 1990-11-05 | 1999-12-20 | 東亞合成株式会社 | フッ素系コーティング組成物 |
JP2945949B2 (ja) * | 1994-06-28 | 1999-09-06 | 工業技術院長 | 常温硬化可能な塗布用ゾル組成物とそれを用いた含フッ素共重合体・シリカガラスハイブリッド体の製法 |
-
1994
- 1994-08-31 JP JP6207220A patent/JP2945950B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0867856A (ja) | 1996-03-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH04120181A (ja) | 被覆組成物および該組成物を用いる被覆樹脂成形品 | |
EP0759457B2 (en) | Weather and soiling-resistant silicone-containing coating composition | |
JPH055865B2 (ja) | ||
JP2008120986A (ja) | プライマー組成物及び被覆物品 | |
WO1995002645A1 (fr) | Composition resineuse de revetement | |
CN102911541B (zh) | 耐候抗刮擦紫外固化硬涂层组合物 | |
EP1164005B1 (en) | Surface-protected transparent plastic composite | |
JP2945950B2 (ja) | 含フッ素共重合体ワニス組成物と塗布膜の形成方法 | |
JP3783453B2 (ja) | エポキシ樹脂−ケイ素系ハイブリッド材料用組成物、コーティング剤およびプラスチックの表面コーティング方法 | |
US5045396A (en) | UV resistant primer | |
JP2002097368A (ja) | 水性硬化性樹脂組成物、それを含んでなる水性塗料及びその塗装物 | |
JP2006193537A (ja) | コーティング用組成物 | |
JP2945949B2 (ja) | 常温硬化可能な塗布用ゾル組成物とそれを用いた含フッ素共重合体・シリカガラスハイブリッド体の製法 | |
JP2913013B2 (ja) | プラスチック成形品の表面改質方法及びそれに用いるアルコール性シリカゾル組成物 | |
JP4378817B2 (ja) | 着色層付き透明樹脂板、および着色層付き透明樹脂板を用いて作製した遮音板と自動車用窓板 | |
JPH059439A (ja) | コーテイング用組成物 | |
JP4287015B2 (ja) | 表面を保護された透明プラスチック複合体 | |
JPH10158583A (ja) | 塗料組成物及び塗膜形成法 | |
JP3681169B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂基材表面にハードコート層を形成させる方法 | |
JP2001316603A5 (ja) | ||
JPH03168227A (ja) | 被覆ポリカーボネート系樹脂成形物品 | |
JP3091119B2 (ja) | 着色層付き透明樹脂板 | |
JP2005034766A (ja) | 遮熱性塗膜の形成方法 | |
JP2002256220A5 (ja) | ||
JP2708095B2 (ja) | アルコール性シリカゾル組成物とそれを用いたプラスチック基材の表面改質方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |