JP4287015B2 - 表面を保護された透明プラスチック複合体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表面を保護された透明プラスチック複合体に関する。さらに詳しくは透明プラスチック基材表面上にアクリル樹脂を主とする層とオルガノシロキサン樹脂の硬化物層とが順次積層された、耐摩耗性および耐剥離性が著しく改善された透明プラスチック複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック材料は、耐衝撃性、軽量性、加工性等の特長を生かして、多方面の用途で使用されている。特に、透明プラスチックであるアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂等はガラスの代替として幅広く利用されている。しかし、これらの樹脂は耐摩耗性に乏しく表面が傷つきやすく、また溶剤に侵されやすい等の欠点を有している。
【0003】
近年、その軽量性、安全性を活かして窓ガラス、ことに自動車の窓ガラスに有機ガラスとして透明プラスチックシートを適用しようとする動きがある。このような用途に透明プラスチックシートを適用する場合、例えば前面ガラスではワイパー作動時のすり傷発生を防止する必要があり、サイドウィンドーではウィンドー昇降時のすり傷発生を防止する必要がある。このような用途ではガラス並みの特に高いレベルの耐摩耗性が要求される。
【0004】
また自動車窓ガラスは屋外の様々な環境に長期間さらされる。このような用途では、ガラス並みの高いレベルの耐摩耗性および耐候性が要求される。
【0005】
これらの欠点を改良する目的で、従来からプラスチック基材に必要であれば接着層を形成し、その表面をシロキサン系の硬化被膜を被覆することにより耐摩耗性を改良する数多くの提案がなされてきている。例えば特開昭51−2736号公報および特開昭55−94971号公報にはトリヒドロキシシラン部分縮合物とコロイダルシリカからなるコーティング用組成物が記載されている。また、特開昭48−26822号公報および特開昭51−33128号公報にはアルキルトリアルコキシシランとテトラアルコキシシランとの部分縮合物を主成分とするコーティング用組成物が記載されている。しかしながら、トリヒドロキシシラン部分縮合物とコロイダルシリカからなるコーティング用組成物や、アルキルトリアルコキシシランとテトラアルコキシシランとの部分縮合物を主成分とするコーティング用組成物から得られる硬化被膜を透明プラスチック基材に積層したものはある程度の優れた耐摩耗性を有しているが、特に自動車窓ガラス等の用途に対して耐摩耗性は十分でなく、さらなる耐摩耗性の改良が求められている。
【0006】
さらに特開昭63−278979号公報および特開平1−306476号公報にはアルキルトリアルコキシシランとテトラアルコキシシランとの縮合物にコロイドダルシリカを添加したコーティング用組成物が記載されている。しかしながら、これらのコーティング用組成物は主として、天然大理石や金属など無機物の表面保護を目的に開発されており、プラスチック基材上に良好な密着性を持った保護層を形成することを保証していない。実際に前記特許記載のコーティング用組成物をポリカーボネート樹脂上に接着層を介して形成したところコロイダルシリカ、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランの組成比についてプラスチック上に保護層を形成するという観点からの十分な検討がなされていないために、コート層の加熱硬化時にコート層にクラックが入ったり、十分な耐摩耗性が得られなかったりした。また、初期の加熱硬化時には、クラックの発生がなく、十分な耐摩耗性が得られる組成でも、再度加熱または沸騰水に浸漬するなどの処理を行うと、硬化反応がほぼ完全に進行すること、およびプラスチック基材とコート層の熱膨張率が異なることが原因でコート層にクラックが発生するという問題があり、プラスチック基材に適用するという観点から、さらなる改良が求められている。
【0007】
また、ポリカーボネート樹脂基材表面上に接着層(プライマー層)およびシロキサン系樹脂硬化被膜を積層した被覆プラスチック成形体において、接着層に紫外線吸収剤を含有せしめることにより、耐候性を改良する数多くの提案がなされてきている。例えば特開昭61−86259号公報、特開平2−16048号公報、特開平2−16129号公報、特開平4−106161号公報および特開平5−255526号公報などを挙げることができる。
【0008】
このように接着層に紫外線吸収剤を含有せしめることにより耐候性が改善されるが、紫外線吸収剤の種類によっては、トップ層コート時に紫外線吸収剤がトップ層用コート液に染み出す結果、トップ層の耐摩耗性が低下したり、長期の屋外暴露により添加した紫外線吸収剤がブリードアウトして、コーティング膜が剥離したり、ポリカーボネート樹脂成形体が黄変したりするなどの問題が生じることがあるので紫外線吸収剤の選択は注意が必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、従来にない高いレベルの耐摩耗性を有する硬化被膜で表面を保護された透明プラスチック複合体を提供することにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、屋外にさらした環境条件においても、硬化被膜層にクラックの発生は起らず、また紫外線吸収剤のブリードアウトも発生しない透明プラスチック複合体を提供することにある。
【0011】
本発明の第3の目的は、長期間の使用において透明プラスチック基材の表面に施された被膜層が、剥離せず、また透明プラスチック基材の黄変や劣化が極めて少ない透明プラスチック複合体を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、自動車、電車および航空機などの軽量化が要望されている輸送機器において、軽量で、長期間の使用において透明性が失われない窓ガラス用に適した透明プラスチック複合体を提供することにある。
【0013】
そこで本発明者は、前記本発明の目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、透明プラスチック基材表面に、特定組成を有するアクリル樹脂塗膜層(第1層)およびその塗膜層の表面に特定組成を有するオルガノシロキサン樹脂硬化層(第2層)を積層した複合体は、従来にない高いレベルの耐摩耗性を有する表面特性を有すること、屋外にさらした環境条件下において、耐剥離性に優れクラックの発生量も極めて少ないこと、長期間の使用においても透明性も維持され、紫外線に対しても黄変や劣化が少ないことを見出し本発明に到達した。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明によれば、透明プラスチック表面に、第1層として、樹脂成分の少なくとも50重量%がアクリル樹脂であって、かつ該アクリル樹脂は、下記式(I−a)、下記式(I−b)および/または(I−c)、ならびに下記式(I−d)を含む共重合アクリル樹脂であって、
【0015】
【化20】
Figure 0004287015
【0016】
(ただし、式中Rは炭素数1〜4のアルキル基である。)
【化54】
Figure 0004287015
(ただし、式中Xは水素原子もしくはメチル基であり、R は炭素数2〜5のアルキレン基であり、R は炭素数1〜4のアルキル基であり、nは0または1の整数である。)
【化55】
Figure 0004287015
(ただし、式中Yは水素原子もしくはメチル基であり、R は炭素数2〜5のアルキレン基である。)
【化56】
Figure 0004287015
(ただし、式中Zは水素原子もしくはメチル基であり、R 10 は炭素数2〜5のアルキレン基であり、Wは紫外線吸収剤残基を示す)
(i)該共重合アクリル樹脂は、上記式(I−a)で示される繰返し単位を50モル%以上含み、(ii)(I−a):〔(I−b)+(I−c)〕の単位割合が99.5:0.5〜50:50の範囲であり、(iii)上記式(I−d)で示される単位を、前記式(I−a)と〔(I−b)+(I−c)〕との合計単位当り、0.3〜40モル%含有する共重合アクリル樹脂である樹脂組成物から形成される塗膜層(I)が積層され、その第1層上に第2層として、下記a成分、b成分およびc成分
(A)コロイダルシリカ(a成分)
(B)下記式(II−1)で表されるトリアルコキシシランの加水分解縮合物(b成分)
【0017】
【化21】
Figure 0004287015
【0018】
(ただし、式中R2は炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基、またはメタクリロキシ基、アミノ基、グリシドキシ基および3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群から選ばれる1以上の基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であり、R3は炭素数1〜4のアルキル基である。)および
(C)下記式(II−2)で表されるテトラアルコキシシランの加水分解縮合物(c成分)
【0019】
【化22】
Figure 0004287015
【0020】
(ただし、式中R4は炭素数1〜4のアルキル基である。)
より形成されたオルガノシロキサン樹脂であって、該オルガノシロキサン樹脂は、a成分が5〜45重量%、b成分がR2SiO3/2として換算して50〜80重量%およびc成分がSiO2として換算して2〜30重量%である樹脂組成物の熱硬化塗膜層(II)が積層された表面を保護された透明プラスチック複合体が提供される。
【0021】
以下本発明の透明プラスチック複合体についてさらに詳細に説明する。
本発明の透明プラスチック複合体は、簡単に説明すると透明プラスチック基材、その表面に形成された特定のアクリル樹脂組成物からなる塗膜層(第1層)およびその第1層の表面に形成された特定のオルガノシロキサン樹脂組成物からなる硬化塗膜層(第2層)より構成される。第1層および第2層は透明プラスチック基材の片面または両面のいずれに形成されていてもよい。
【0022】
本明細書においては、透明プラスチック複合体を構成する、透明プラスチック基材、塗膜層(第1層)および硬化塗膜層(第2層)の順序に従って、それぞれを具体的かつ詳細に説明する。
【0023】
本発明の透明プラスチック複合体を構成する透明プラスチック基材は、透明なフィルム、シートあるいはボード状の形状したプラスチック成形体である。ここで透明とは、プラスチック成形体のヘーズ値が10%以下、好ましくは8%以下の透明性を有するものをいう。そして透明プラスチック基材は、0.001〜10mm、好ましくは0.02〜8mmであり、特に透明プラスチック基材を形成するプラスチックが芳香族ポリカーボネート樹脂の場合好ましくは0.1〜8mmの厚さを有するものが利用される。この厚さは、必ずしも均一である必要はなく、ゆるやかな厚みの変化を有していても何等差支えない。
【0024】
透明プラスチック基材を形成するプラスチックは、前記透明性および形状を有するプラスチックであればよいが、具体的には、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂;(b)ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;(c)ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート)等のポリエステル樹脂;(d)ポリスチレン;(e)ポリプロピレン;(f)ポリアリレート、および(g)ポリエーテルスルホンなどが挙げられる。第1層との接着性および優れた耐摩耗性を有する基材としての有用性等により(a)ポリカーボネート樹脂および(b)ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂が好ましく、特に(a)ポリカーボネート樹脂が好ましい。
【0025】
次に、透明プラスチック基材として適した芳香族ポリカーボネート樹脂について説明する。
【0026】
使用されるポリカーボネート樹脂は、通常二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法または溶融重合法で反応させて得られるものである。ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、例えばハイドロキノン、レゾルシノール、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4′−ジヒドロキシジフェニルエステル等が挙げられ、なかでも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に、ビスフェノールAが好ましく使用される。これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0027】
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
【0028】
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重縮合法または溶融重合法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。また、ポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上の混合物であってもよい。
【0029】
界面重縮合法による反応は、通常二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
【0030】
また、かかる溶液重合において、通常末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。かかる単官能フェノール類としては、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられ、なかでもp−tert−ブチルフェノールが好ましい。
【0031】
溶融重合法による反応は、通常二価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応後期には反応系を1,300Pa〜13Pa(10〜0.1Torr)程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
【0032】
得られるポリカーボネート樹脂は、そのポリマー0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し、20℃で測定した比粘度で表して0.25〜0.6好ましくは0.3〜0.55の範囲となるものが好ましい。上記製造方法により得られたポリカーボネート樹脂は、通常のフィルムやシートの製造法、例えばTダイ押出機により溶融押出法で成形する方法によって、本発明で使用される所望の厚さのポリカーボネート樹脂基材を得ることができる。
【0033】
本発明の透明プラスチック複合体は、前記透明プラスチック基材の表面に、第1層として樹脂成分の少なくとも50重量%がアクリル樹脂よりなる樹脂組成物から形成される塗膜層(I)が積層されている。この塗膜層(I)は、透明プラスチック基材と熱硬化塗膜層(II)との間に介在し、両者を強固に接着させる役割を果す。
【0034】
この第1層の塗膜層(I)の主成分であるアクリル樹脂は、下記式(I−a)
【0035】
【化23】
Figure 0004287015
【0036】
(ただし、式中R1は炭素数1〜4のアルキル基である。)
で示される繰返し単位を全繰返し単位中50モル%以上含む重合体である。このアクリル樹脂は、全繰返し単位中、前記式(I−a)の繰返し単位を60モル%以上含むのが好ましく、70モル%以上含むのがより好ましい。アクリル樹脂として、前記式(I−a)の繰返し単位が50モル%未満のものは、透明プラスチック基材と第2層の熱硬化塗膜層(II)との密着性が劣り好ましくない。
【0037】
上記アクリル樹脂は、50モル%以上のアルキルメタクリレートモノマーと50モル%以下のビニル系モノマーを重合して得られるポリマーである。アルキルメタクリレートモノマーとしては、具体的にはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレートおよびブチルメタクリレートが挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。なかでもメチルメタクリレートおよびエチルメタクリレートが好ましい。特にメチルメタクリレートが優れている。
【0038】
また、他のビニル系モノマーとしてはアルキルメタクリレートモノマーと共重合可能なものであり、ことに接着性あるいは耐候性等の耐久性の面で、アクリル酸、メタクリル酸またはそれらの誘導体が好ましく使用される。具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。また、アクリル樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
【0039】
また、かかるアクリル樹脂は、熱硬化型であることが好ましく、そのため0.01モル%以上50モル%未満の架橋性の反応基を持つビニル系モノマーを含有することが望ましい。かかる架橋性の反応基を持つビニル系モノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0040】
上記アクリル樹脂の分子量は、重量平均分子量で20,000〜600,000が好ましく、50,000〜400,000がより好ましい。かかる分子量範囲の上記アクリル樹脂は、第1層としての密着性や強度などの性能が十分に発揮され好ましい。
【0041】
本発明において、透明プラスチック基板表面に積層される塗膜層(I)は、前記アクリル樹脂が少なくとも50重量%含有される樹脂組成物より形成される。樹脂組成物中の前記アクリル樹脂の含有割合は、少なくとも60重量%であることが好ましい。
【0042】
本発明において、透明プラスチック基板表面に積層される塗膜層(I)を形成するアクリル樹脂は、後述する共重合アクリル樹脂であることができる。この共重合アクリル樹脂は、塗膜層(I)を形成するアクリル樹脂として好ましい態様である。
【0043】
すなわち、共重合アクリル樹脂は、前記式(I−a)および下記式(I−b)および/または(I−c)
【0044】
【化24】
Figure 0004287015
【0045】
(ただし、式中Xは水素原子もしくはメチル基であり、R5は炭素数2〜5のアルキレン基であり、R6は炭素数1〜4のアルキル基であり、nは0または1の整数である。)
【0046】
【化25】
Figure 0004287015
【0047】
(ただし、式中Yは水素原子もしくはメチル基であり、R9は炭素数2〜5のアルキレン基である。)
で示される繰返し単位からなる共重合アクリル樹脂であり、該共重合アクリル樹脂は、(I−a):〔(I−b)+(I−c)〕の単位割合がモル比で99.5:0.5〜50:50の範囲のものである。
【0048】
この共重合アクリル樹脂は、(I−a):〔(I−b)+(I−c)〕の単位割合がモル比で99:1〜60:40の範囲が好ましく、97:3〜70:30の範囲がより好ましい。
【0049】
かかる共重合アクリル樹脂は、前記アルキルメタクリレートモノマーに対して、アルコキシシリル基を有するアクリレート(またはメタクリレート)モノマーおよび/またはヒドロキシ基を有するアクリレート(またはメタクリレート)モノマーを共重合成分として共重合することにより得ることができる。前記式(I−b)を示す繰返し単位を与えるアルコキシシリル基を有するアクリレート(またはメタクリレート)モノマーとしては、具体的には、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランおよび3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられ、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランおよび3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましく、特に3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましく使用される。
【0050】
アルコキシシリル基を有するアクリレート(またはメタクリレート)モノマーをアルキルメタクリレートモノマーに共重合して得られた共重合アクリル樹脂を使用することにより、第2層のオルガノシロキサン樹脂熱硬化層との接着性がより高まり、透明プラスチック複合体の耐熱水性がさらに向上し、また、上記割合の範囲で共重合したものは、ゲル化し難く保存安定性に優れる。かかる共重合アクリル樹脂は、アルコキシシリル基を有するため、第2層と構造的に類似しており親和性があるため、第2層との密着性がより高まるものと推定される。
【0051】
一方前記式(I−c)を示す繰返し単位を与えるヒドロキシ基を有するアクリレート(またはメタクリレート)モノマーとしては、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げられ、なかでも2−ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましく採用される。
【0052】
次に、共重合アクリル樹脂の他の好ましい態様について説明する。この他の態様は、前記共重合アクリル樹脂として、さらに紫外線吸収剤残基を有するアクリレート(またはメタクリレート)を共重合した樹脂である。
【0053】
すなわち、他の態様としての共重合アクリル樹脂は、下記式(I−d)
【0054】
【化26】
Figure 0004287015
【0055】
(ただし、式中Zは水素原子もしくはメチル基であり、R10は炭素数2〜5のアルキレン基であり、Wは紫外線吸収剤残基を示す)で示される単位を、前記式(I−a)と〔(I−b)+(I−c)〕との合計単位当り、0.3〜40モル%含有する共重合アクリル樹脂である。
【0056】
前記式(I−d)で表される紫外線吸収剤残基を有するアクリレート(またはメタクリレート)単位は、前記式(I−a)と〔(I−b)+(I−c)〕との合計単位当り、0.3〜40モル%好ましくは0.5〜30モル%含有される。
【0057】
ここで紫外線吸収剤残基とは、紫外線吸収剤としての機能を有する誘導体基を意味し、前記式(I−d)において基R10を介してアクリレート(またはメタクリレート)のカルボキシル基とエステル結合した紫外線吸収剤の基を意味する。
【0058】
この式(I−d)を示す繰返し単位を与える紫外線吸収剤残基を有するアクリレート(またはメタクリレート)モノマーとしては、具体的には2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリロキシエチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリロキシエトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリロキシプロピルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリロキシプロポキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリロキシエチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−メタクリロキシエチル−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−メタクリロキシエチル−5′−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−(メタクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシエチル)ベンゾフェノン等が挙げられる。
【0059】
前記式(I−d)を示す繰返し単位を含有する共重合アクリル樹脂を塗膜層(I)の樹脂成分として使用することにより、耐候性が優れた透明プラスチック複合体を得ることができる。さらに塗膜層(I)のアクリル樹脂成分中に、紫外線吸収剤を配合する場合、その配合量を少なくすることができる。すなわち、アクリル樹脂中に多量の紫外線吸収剤を配合した場合、紫外線吸収剤がブリードアウトすることがあるが、その弊害を軽減することができる。
【0060】
本発明の塗膜層(I)におけるアクリル樹脂中には、アルコキシシランの加水分解縮合物を配合することができる。すなわち、塗膜層(I)として前記アクリル樹脂および下記式(I−e)で示されるアルコキシシランの加水分解縮合物の混合物よりなり、該アクリル樹脂:該加水分解縮合物の割合が重量で99:1〜60:40、好ましくは97:3〜70:30の範囲である混合物より形成される層が使用される。この割合は、加水分解縮合物をR7r−SiO4-r/2として換算した量で示す。
【0061】
【化27】
Figure 0004287015
【0062】
(ただし、式中R7は炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基、またはメタクリロキシ基、アミノ基、グリシドキシ基および3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群から選ばれる1以上の基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であり、R8は炭素数1〜4のアルキル基であり、rは0〜2の整数である。)
【0063】
前記式(I−e)で表されるアルコキシシランとしては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられ、なかでもアルキルトリアルコキシシランが好ましく、特にメチルトリメトキシシランおよびメチルトリエトキシシランが好ましい。これらは単独もしくは混合して使用できる。
【0064】
このアルコキシシランの加水分解縮合物は酸性条件下、前記式(I−e)のアルコキシシランのアルコキシ基1当量に対して通常0.2〜4当量、好ましくは0.5〜2当量、さらに好ましくは1〜1.5当量の水を用いて20〜40℃で1時間〜数日間加水分解縮合反応させることによって得られる。該加水分解縮合反応には酸が使用され、かかる酸としては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜硝酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸またはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、乳酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられ、酢酸や塩酸などの揮発性の酸が好ましい。該酸は無機酸を使用する場合は通常0.0001〜2規定、好ましくは0.001〜0.1規定の濃度で使用し、有機酸を使用する場合はアルコキシシラン100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部の範囲で使用される。
【0065】
かかるアルコキシシラン加水分解縮合物を配合する場合には、好ましくはさらに該アルコキシシラン加水分解縮合物の縮合反応を促進する目的で触媒が添加される。かかる触媒としてはギ酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、酒石酸、コハク酸等の脂肪族カルボン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩等の四級アンモニウム塩が挙げられ、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ベンジルトリメチルアンモニウムが好ましく使用される。かかる触媒はアルコキシシラン加水分解縮合物100重量部に対して好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部の範囲で使用される。
【0066】
本発明の塗膜層(I)におけるアクリル樹脂中には、前記式(I−e)の加水分解縮合物を混合した場合にさらにメラミン樹脂を配合することができる。メラミン樹脂を配合することによって、透明プラスチック基板と硬化塗膜層(II)との密着性などの物性を改良することができる。配合するメラミン樹脂としては、例えばヘキサメトキシメチルメラミンに代表される完全アルキル型メチル化メラミン、ヘキサメトキシメチルメラミンのメトキシメチル基の一部がメチロール基になったもの、イミノ基になったもの、ブトキシメチル基になったもの、あるいはヘキサブトキシメチルメラミンに代表される完全アルキル型ブチル化メラミン等が挙げられ、具体的には三井サイテック(株)製のサイメル300、サイメル301、サイメル303、サイメル350、サイメル370、サイメル771、サイメル325、サイメル712、サイメル202、サイメル207、サイメル212等が挙げられる。かかる樹脂の中でヘキサメトキシメチル化メラミンに代表される完全アルキル型メチル化メラミンが好ましく使用される。かかる樹脂としては具体的には三井サイテック(株)製のサイメル300(平均重合度1.35、メトキシメチル基の比率95%以上)、サイメル301(平均重合度1.5、メトキシメチル基の比率90%以上)、サイメル303(平均重合度1.7、メトキシメチル基の比率90%以上)、サイメル350(平均重合度1.6、メトキシメチル基の比率85%以上)が挙げられる。これらのメラミン樹脂は単独もしくは混合して使用される。メラミン樹脂を使用する場合には、好ましくはさらに該メラミン樹脂の硬化を促進するため酸触媒が添加して使用される。かかる酸触媒としては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜硝酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸、マレイン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、乳酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸が用いられ、好ましくはマレイン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸のように十分な酸性度を持つ不揮発性の酸が用いられる。かかる酸触媒はメラミン樹脂100重量部に対して好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部の範囲で使用される。
【0067】
メラミン樹脂の好ましい配合量は、アクリル樹脂および前記式(I−e)で示される化合物の加水分解縮合物の合計100重量部に対して1〜20重量部が好ましく、3〜15重量部がより好ましい。このような範囲で混合することにより、この塗膜層(I)は透明プラスチック基材および硬化塗膜層(II)との良好な密着性を保つことができる。
【0068】
また本発明の塗膜層(I)におけるアクリル樹脂中には、透明プラスチック基材の耐候性、ことに光安定化のために、光安定剤および紫外線吸収剤を配合することができる。これらは、通常プラスチックの光安定剤および紫外線吸収剤として使用されているものであればよいが、とりわけ透明プラスチック基材の透明性を失わないものが望ましい。
【0069】
該光安定剤としては、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−オクタノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ジフェニルメタン−p,p′−ジカーバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3−ジスルホネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)フェニルホスファイト等のヒンダードアミン類、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、ニッケルコンプレクス−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸モノエチラート、ニッケルジブチルジチオカーバメート等のニッケル錯体が挙げられる。これら光安定剤は単独もしくは2種以上を併用してもよく、塗膜層(I)のアクリル樹脂100重量部に対して好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは0.5〜10重量部用いられる。
【0070】
また、該紫外線吸収剤としては、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、4−ベンジロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ドテシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、等のベンゾフェノン類、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−t−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−t−ペンチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−t−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジル)フェノール、ビス(3−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)メタン等のベンゾトリアゾール類、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート類、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリシレート類、ジエチル−p−メトキシベンジリデンマロネート、ビス(2−エチルヘキシル)ベンジリデンマロネート等のベンジリデンマロネート類、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシロキシフェノール等のトリアジン類が挙げられる。これらの剤は単独もしくは2種以上を併用してもよい。
【0071】
紫外線吸収剤としては、ある特定組成の混合溶媒に対して一定割合以上溶解しないものが好ましい。このような特徴を持つ紫外線吸収剤を用いた場合、硬化塗膜層(II)用塗装液塗装時に硬化塗膜層(II)用塗装液中に溶出しないため、硬化塗膜層(II)の耐摩耗性を損うことがなく、耐摩耗性および耐候性に優れた透明プラスチック複合体を得ることができる。すなわち、紫外線吸収剤として、イソプロパノール100重量部、メタノール30重量部、水15重量部からなる混合溶媒に対して、25℃で測定された溶解度が1.5g/L以下のものを好ましく使用することができる。
【0072】
かかる紫外線吸収剤としては具体的には4−ベンジロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、等のベンゾフェノン類、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−t−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−t−ペンチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−t−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジル)フェノール、ビス(3−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)メタン等のベンゾトリアゾール類、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシロキシフェノール等のトリアジン類が挙げられる。
【0073】
また、透明プラスチック基材を形成するプラスチックが芳香族ポリカーボネート樹脂の場合、特に好ましい紫外線吸収剤として、2−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシロキシフェノールが挙げられる。
【0074】
前述した種々の紫外線吸収剤は、塗膜層(Iのアクリル樹脂100重量部に対して、0.7〜100重量部、好ましくは3〜60重量部、I)で表される紫外線吸収剤残基を有する共重合アクリル樹脂を使用する場合、前記式(I−d)単位の重量と紫外線吸収剤の重量の和が前記範囲内になるように配合される。すなわち、本明細書において紫外線吸収剤の量を表す場合、紫外線吸収剤は、添加される紫外線吸収剤の他に、共重合アクリル樹脂として前記式(I−d)の繰返し単位が含まれている時には、式(I−d)の紫外線吸収剤残基の量(つまりWの合計量)も含めた量として計算することとする。
【0075】
本発明において、透明プラスチック基板の表面に、第1層の塗膜層(I)を形成する方法は、前記アクリル樹脂を適当な溶媒に溶解してコートし、溶媒を除去する方法が一般的であり好ましい。すなわち、前記アクリル樹脂成分(共重合アクリル樹脂および他の樹脂配合物を含む)を、必要に応じて、光安定剤および/または紫外線吸収剤と一緒に基材である透明プラスチックと反応したり該透明プラスチックを溶解したりしない揮発性の溶媒に溶解して、このコーティング組成物を調製して透明プラスチック基材表面に塗布し、次いで該溶媒を加熱等により除去することにより行われる。必要であれば溶媒の除去後にさらに40〜140℃に加熱して架橋性基を架橋させることも好ましく行われる。
【0076】
かかる溶媒としてはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸エトキシエチル等のエステル類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−エトキシエタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−ブトキシエタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ガソリン、軽油、灯油等の炭化水素類;アセトニトリル、ニトロメタン、水等が挙げられ、これらは単独で使用してもよいし2種以上を混合して使用してもよい。かかるコーティング組成物中の塗膜樹脂からなる固形分の濃度は1〜50重量%が好ましく、3〜30重量%がより好ましい。
【0077】
上記コーティング組成物のプラスチック基材への塗布はバーコート法、ディップコート法、フローコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ローラーコート法等の方法を、塗装される基材の大きさや形状に応じて適宜選択することができる。かかるコーティング組成物が塗布された基材は、通常常温から該基材の熱変形温度以下の温度下で溶媒の乾燥、除去が行われ、さらに必要であれば溶媒の除去後に40〜140℃に加熱して架橋性基を架橋させ、第1層としての塗膜層(I)を積層した透明プラスチック基材が得られる。
【0078】
第1層の塗膜層(I)の厚さは、透明プラスチック基材と第2層とを十分に接着し、また、前記種々の添加剤の必要量を保持し得るのに必要な膜厚であればよく、好ましくは0.1〜10μmであり、より好ましくは1〜5μmである。
【0079】
前記アクリル樹脂を主とする塗膜層からなる第1層を形成することにより、第2層と透明プラスチック基材との密着性が良好となり、耐摩耗性および耐候性に優れた透明プラスチック複合体を得ることができる。
【0080】
本発明の透明プラスチック複合体は、前記した透明プラスチック基板表面に積層された塗膜層(I)の表面にさらに特定組成のオルガノシロキサン樹脂よりなる熱硬化塗膜層(II)が第2層として積層されている。
【0081】
この第2層は、下記a成分、b成分およびc成分
(A)コロイダルシリカ(a成分)
(B)下記式(II−1)で表されるトリアルコキシシランの加水分解縮合物(b成分)
【0082】
【化28】
Figure 0004287015
【0083】
(ただし、式中R2は炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基、またはメタクリロキシ基、アミノ基、グリシドキシ基および3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群から選ばれる1以上の基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であり、R3は炭素数1〜4のアルキル基である。)および
(C)下記式(II−2)で表されるテトラアルコキシシランの加水分解縮合物(c成分)
【0084】
【化29】
Figure 0004287015
【0085】
(ただし、式中R4は炭素数1〜4のアルキル基である。)
より形成されたオルガノシロキサン樹脂であって、該オルガノシロキサン樹脂は、a成分が5〜45重量%、b成分がR2SiO3/2として換算して50〜80重量%およびc成分がSiO2として換算して2〜30重量%である樹脂組成物の熱硬化塗膜層(II)である。
【0086】
第2層は、好適には上記(A)コロイダルシリカ(a成分)、(B)トリアルコキシシランの加水分解縮合物(b成分)および(C)テトラアルコキシシランの加水分解縮合物(c成分)からなるオルガノシロキサン樹脂固形分、酸、硬化触媒および溶媒からなるコーティング用組成物を用いて形成される。次に前記a成分、b成分およびc成分のそれぞれについて説明する。
【0087】
a成分のコロイダルシリカとしては直径5〜200nm、好ましくは5〜40nmのシリカ微粒子が水または有機溶媒中にコロイド状に分散されたものである。該コロイダルシリカは、水分散型および有機溶媒分散型のどちらでも使用できるが、水分散型のものを用いるのが好ましい。かかるコロイダルシリカとして、具体的には、酸性水溶液中で分散させた商品として日産化学工業(株)製のスノーテックスO、塩基性水溶液中で分散させた商品として日産化学工業(株)製のスノーテックス30、スノーテックス40、触媒化成工業(株)製のカタロイドS30、カタロイドS40、有機溶剤に分散させた商品として日産化学工業(株)製のMA−ST、IPA−ST、NBA−ST、IBA−ST、EG−ST、XBA−ST、NPC−ST、DMAC−ST等が挙げられる。
【0088】
b成分であるトリアルコキシシランの加水分解縮合物は、前記式(II−1)のトリアルコキシシランを加水分解縮合反応させたものである。
【0089】
かかるトリアルコキシシランとしては、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、これらは単独もしくは混合して使用できる。
【0090】
また、特に耐摩耗性に優れたコート層を形成するコーティング用組成物を得るためには全トリアルコキシシラン中70重量%以上がメチルトリアルコキシシランであることが好ましく、実質的に全量がメチルトリアルコキシシランであることがさらに好ましい。ただし密着性の改善、親水性、撥水性等の機能発現を目的として少量のメチルトリアルコキシシラン以外の上記トリアルコキシシラン類を添加することもできる。
【0091】
c成分であるテトラアルコキシシランの加水分解縮合物は前記式(II−2)のテトラアルコキシシランを加水分解縮合反応させたものである。かかるテトラアルコキシシランとしては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトライソブトキシシランなどが挙げられ、好ましくはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランである。これらのテトラアルコキシシランは単独もしくは混合して使用できる。
【0092】
b成分およびc成分は、該アルコキシシランの一部または全部が加水分解したものおよび該加水分解物の一部または全部が縮合反応した縮合物等の混合物であり、これらはゾルゲル反応をさせることにより得られるものである。
【0093】
a〜c成分からなるオルガノシロキサン樹脂固形分は、以下の(1)および(2)からなるプロセスを経て調製することが、沈殿の生成がなく、より耐摩耗性に優れる硬化層(II)を得ることができ好ましく採用される。
【0094】
プロセス(1):コロイダルシリカ分散液中で前記式(II−1)のトリアルコキシシランを酸性条件下加水分解縮合反応させる。
【0095】
ここで、トリアルコキシシランの加水分解反応に必要な水は水分散型のコロイダルシリカ分散液を使用した場合はこの分散液から供給され、必要であればさらに水を加えてもよい。その際トリアルコキシシラン1当量に対して通常1〜10当量、好ましくは1.5〜7当量、さらに好ましくは3〜5当量の水が用いられる。
【0096】
前述のようにトリアルコキシシランの加水分解縮合反応は、酸性条件下で行う必要があり、かかる条件で加水分解を行うために一般的には加水分解剤として酸が使用される。かかる酸は、あらかじめトリアルコキシシランまたはコロイダルシリカ分散液に添加するか、両者を混合後に添加してもよい。また酸の添加は1回あるいは2回以上に分けることもできる。かかる酸としては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜硝酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸またはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、乳酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられ、pHのコントロールの容易さの観点からギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸等の有機カルボン酸が好ましく、酢酸が特に好ましい。
【0097】
かかる酸として無機酸を使用する場合は通常0.0001〜2規定、好ましくは0.001〜0.1規定の濃度で使用し、有機酸を使用する場合はトリアルコキシシラン100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部の範囲で使用される。
【0098】
トリアルコキシシランの加水分解、縮合反応の条件は使用するトリアルコキシシランの種類、反応系中に共存するコロイダルシリカの種類および量によって変化するので一概には云えないが、通常、反応系の温度が20〜40℃、反応時間が1時間〜数日間である。
【0099】
プロセス(2):(i)プロセス(1)の反応で得られた反応液に前記式(II−2)のテトラアルコキシシランを添加し、加水分解縮合反応せしめる、または(ii)プロセス(1)の反応で得られた反応液と、あらかじめ前記式(II−2)のテトラアルコキシシランを加水分解縮合反応せしめておいた反応液とを混合する。
【0100】
(i)プロセス(1)の反応で得られた反応液にテトラアルコキシシランを添加し加水分解縮合反応せしめる場合、この加水分解縮合反応は酸性条件下で行われる。プロセス(1)の反応で得られた反応液は通常、酸性で水を含んでいるのでテトラアルコキシシランはそのまま添加するだけでもよいし、必要であればさらに水および酸を添加してもよい。かかる酸としては前記した酸と同様のものが使用され、酢酸や塩酸などの揮発性の酸が好ましい。該酸は無機酸を使用する場合は通常0.0001〜2規定、好ましくは0.001〜0.1規定の濃度で使用し、有機酸を使用する場合はテトラアルコキシシラン100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部の範囲で使用される。
【0101】
加水分解反応に必要な水はテトラアルコキシシラン1当量に対して通常1〜100当量、好ましくは2〜50当量、さらに好ましくは4〜30当量の水が用いられる。
【0102】
テトラアルコキシシランの加水分解および縮合反応の条件は使用するテトラアルコキシシランの種類および反応系中に共存するコロイダルシリカの種類および量によって変化するので一概には云えないが、通常、反応系の温度が20〜40℃、反応時間が10分間〜数日間である。
【0103】
一方、(ii)プロセス(1)の反応で得られた反応液と、あらかじめ前記式(II−2)のテトラアルコキシシランを加水分解縮合反応せしめておいた反応液とを混合することもできる。この場合は、あらかじめテトラアルコキシシランを加水分解縮合させておく必要がある。この加水分解縮合反応は酸性条件下、テトラアルコキシシラン1当量に対して通常1〜100当量、好ましくは2〜50当量、さらに好ましくは4〜20当量の水を用いて20〜40℃で1時間〜数日反応させることによって行われる。該加水分解縮合反応には酸が使用され、かかる酸としては前記した酸と同様のものが挙げられ、酢酸や塩酸などの揮発性の酸が好ましい。該酸は無機酸を使用する場合は通常0.0001〜2規定、好ましくは0.001〜0.1規定の濃度で使用し、有機酸を使用する場合はテトラアルコキシシラン100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部の範囲で使用される。
【0104】
前記オルガノシロキサン樹脂固形分であるa〜c成分の各成分の混合割合はコーティング用組成物溶液の安定性、得られる硬化膜の透明性、耐摩耗性、耐擦傷性、密着性およびクラック発生の有無等の点から決められ、好ましくはa成分が15〜35重量%、b成分がR2SiO3/2に換算して55〜75重量%、c成分がSiO2に換算して3〜20重量%で用いられる。
【0105】
硬化塗膜層(II)におけるオルガノシロキサン樹脂固形分であるa〜c成分の特に好ましい割合は、b成分がR2SiO3/2として換算して60〜75重量%の範囲であって、(i)b成分が60重量%以上65重量%未満の場合、a成分が25〜35重量%でかつc成分がSiO2として換算して3〜10重量%であるか、または(ii)b成分が65重量%以上75重量%以下の場合、a成分が15〜30重量%でかつc成分がSiO2として換算して5〜20重量%である範囲である。
【0106】
上記第2層に使用されるコーティング用組成物は通常さらに硬化触媒を含有するのが好ましい。かかる触媒としては、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、酒石酸、コハク酸等の脂肪族カルボン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩あるいはベンジルトリメチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩等の四級アンモニウム塩が挙げられる。とりわけ酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ベンジルトリメチルアンモニウムが好ましく使用される。コロイダルシリカとして塩基性水分散型コロイダルシリカを使用し、アルコキシシランの加水分解の際に酸として脂肪族カルボン酸を使用した場合には、該コーティング用組成物中に既に硬化触媒が含有されていることになる。望ましい含有量は硬化条件により変化するが、a〜c成分からなるオルガノシロキサン樹脂固形分100重量部に対して、硬化触媒が好ましくは0.01〜10重量部であり、より好ましくは0.1〜5重量部である。
【0107】
前記第2層のコーティング用組成物に用いられる溶媒としては前記オルガノシロキサン樹脂固形分が安定に溶解することが必要であり、そのためには少なくとも20重量%以上、好ましくは50重量%以上がアルコールであることが望ましい。かかるアルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−エトキシエタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−ブトキシエタノール等が挙げられ、炭素数1〜4の低沸点アルコールが好ましく、溶解性、安定性および塗工性の点で2−プロパノールが特に好ましい。該溶媒中には水分散型コロイダルシリカ中の水で該加水分解反応に関与しない水分、アルコキシシランの加水分解に伴って発生する低級アルコール、有機溶媒分散型のコロイダルシリカを使用した場合にはその分散媒の有機溶媒、コーティング用組成物のpH調節のために添加される酸も含まれる。pH調節のために使用される酸としては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜硝酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸またはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、乳酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。これらの中で、pHのコントロールの容易さの観点からギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸等の有機カルボン酸が好ましい。その他の溶媒としては水/アルコールと混和することが必要であり、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;および酢酸エチル、酢酸エトキシエチル等のエステル類が挙げられる。溶媒はa〜c成分からなるオルガノシロキサン樹脂固形分100重量部に対して好ましくは50〜900重量部、より好ましくは150〜700重量部である。
【0108】
第2層のコーティング用組成物は、酸および硬化触媒の含有量を調節することによりpHを3.0〜6.0、好ましくは4.0〜5.5に調製することが望ましい。これにより、常温でのコーティング用組成物のゲル化を防止し、保存安定性を増すことができる。該コーティング用組成物は、通常数時間から数日間さらに熟成させることにより安定な組成物になる。
【0109】
第2層のコーティング用組成物は、透明プラスチック基材上に形成された第1層上にコーティングされ、加熱硬化することにより第2層が形成される。コート方法としては、バーコート法、ディップコート法、フローコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ローラーコート法等の方法を、塗装される基材の大きさや形状に応じて適宜選択することができる。かかる組成物が塗布された基材は、通常常温から該基材の熱変形温度以下の温度下で溶媒を乾燥、除去した後、加熱硬化する。かかる熱硬化は基材の耐熱性に問題がない範囲で高い温度で行う方がより早く硬化を完了することができ好ましい。なお、常温では、熱硬化が進まず、硬化被膜を得ることができない。これは、コーティング用組成物中のオルガノシロキサン樹脂固形分が部分的に縮合したものであることを意味する。かかる熱硬化の過程で、残留するSi−OHが縮合反応を起こしてSi−O−Si結合を形成し、耐摩耗性に優れたコート層となる。熱硬化は好ましくは50℃〜200℃の範囲で10分間〜4時間、より好ましくは80℃〜160℃の範囲で20分間〜3時間、特に透明プラスチック基材を形成するプラスチックが芳香族ポリカーボネート樹脂の場合好ましくは100℃〜140℃の範囲で30分間〜2時間加熱硬化する。
【0110】
第2層の厚みは、通常2〜10μm、好ましくは3〜8μmである。硬化塗膜層(II)の厚みがかかる範囲であると、熱硬化時に発生する応力のために硬化塗膜層(II)にクラックが発生したり、硬化塗膜層(II)と基材との密着性が低下したりすることがなく、本発明の目的とする十分な耐摩耗性を有する硬化塗膜層(II)が得られることとなる。
【0111】
さらに、本発明の第1層および第2層の上記コーティング用組成物には塗工性並びに得られる塗膜の平滑性を向上する目的で公知のレベリング剤を配合することができる。配合量はコーティング用組成物100重量部に対して0.01〜2重量部の範囲が好ましい。また、本発明の目的を損なわない範囲で染料、顔料、フィラーなどを添加してもよい。
【0112】
次に本発明の透明プラスチック複合体の特に好ましい実施態様について説明する。すなわち、本発明の透明プラスチック複合体は、透明プラスチック基材が芳香族ポリカーボネート樹脂よりなり、その表面に下記(A)〜(D)の塗膜層(I)および硬化塗膜層(II)の組合せが積層された複合体が物性に優れているので最も好ましい。
(A)(1)該塗膜層(I)は、下記式(I−a)および式(I−b)
【0113】
【化30】
Figure 0004287015
【0114】
(ただし、式中R1は前記式(I−a)と同じ定義を有する。)
【0115】
【化31】
Figure 0004287015
【0116】
(ただし、式中X、R5、R6は前記式(I−b)と同じ定義を有する。)
で示される繰返し単位からなり、(I−a):(I−b)の単位割合が97:3〜70:30の範囲である共重合アクリル樹脂100重量部に対して、紫外線吸収剤3〜60重量部を含有する樹脂組成物より形成され、ここで紫外線吸収剤は、イソプロパノール100重量部、メタノール30重量部および水15重量部よりなる混合溶媒に対して、25℃で測定された溶解度が1.5g/L以下であり、かつ
(2)該塗膜層(II)は、a成分が15〜35重量%、b成分がR2SiO3/2として換算して55〜75重量%およびc成分がSiO2として換算して3〜20重量%である樹脂組成物の熱硬化層である透明プラスチック複合体。
(B)(1)該塗膜層(I)は、下記式(I−a)、式(I−b)および式(I−d)
【0117】
【化32】
Figure 0004287015
【0118】
(ただし、式中R1は前記式(I−a)と同じ定義を有する。)
【0119】
【化33】
Figure 0004287015
【0120】
(ただし、式中X、R5、R6およびnは、前記式(I−b)と同じ定義を有する。)
【0121】
【化34】
Figure 0004287015
【0122】
(ただし、式中Z、R10およびWは、前記式(I−d)と同じ定義を有する。)で示される繰返し単位からなり、(I−a):(I−b):(I−d)の単位割合が96.7〜60:3〜30:0.3〜15の範囲である共重合アクリル樹脂100重量部に対して、紫外線吸収剤3〜60重量部を含有する樹脂組成物より形成され、ここで紫外線吸収剤は、イソプロパノール100重量部、メタノール30重量部および水15重量部よりなる混合溶媒に対して、25℃で測定された溶解度が1.5g/L以下であり、かつ
(2)該塗膜層(II)は、a成分が15〜35重量%、b成分がR2SiO3/2として換算して55〜75重量%およびc成分がSiO2として換算して3〜20重量%である樹脂組成物の熱硬化層である透明プラスチック複合体。
(C)(1)該塗膜層(I)は、下記式(I−a)および式(I−c)
【0123】
【化35】
Figure 0004287015
【0124】
(ただし、式中R1は前記式(I−a)と同じ定義を有する。)
【0125】
【化36】
Figure 0004287015
【0126】
(ただし、式中YおよびR9は前記式(I−c)と同じ定義を有する。)
で示される繰返し単位からなり、(I−a):(I−c)の単位割合が95:5〜60:40の範囲である共重合アクリル樹脂100重量部、下記式(I−e)
【0127】
【化37】
Figure 0004287015
【0128】
(ただし、式中R7、R8およびはrは前記式(I−e)と同じ定義を有する。)で示される化合物の加水分解縮合物の混合物(R7 rSiO4-r/2に換算して)を、該共重合アクリル樹脂:該加水分解縮合物の割合が重量で99:1〜60:40の範囲となる量、メラミン樹脂を、該共重合アクリル樹脂および該加水分解縮合物の合計100重量部当り3〜15重量部の範囲となる量および紫外線吸収剤を、該共重合アクリル樹脂100重量部当り3〜60重量部を含有する樹脂組成物より形成され、ここで紫外線吸収剤はイソプロパノール100重量部、メタノール30重量部および水15重量部よりなる混合溶媒に対して、25℃で測定された溶解度が1.5g/L以下であり、かつ
(2)該塗膜層(II)は、a成分が15〜35重量%、b成分がR2SiO3/2として換算して55〜75重量%およびc成分がSiO2として換算して3〜20重量%である樹脂組成物の熱硬化層である透明プラスチック複合体。
(D)(1)該塗膜層(I)は、下記式(I−a)、式(I−c)および式(I−d)
【0129】
【化38】
Figure 0004287015
【0130】
(ただし、式中R1は前記式(I−a)と同じ定義を有する。)
【0131】
【化39】
Figure 0004287015
【0132】
(ただし、式中YおよびR9は前記式(I−c)と同じ定義を有する。)
【0133】
【化40】
Figure 0004287015
【0134】
(ただし、式中Z、R10およびWは、前記式(I−d)と同じ定義を有する。)で示される繰返し単位からなり、(I−a):(I−c):(I−d)の単位割合が94.7〜50:5〜40:0.3〜15の範囲である共重合アクリル樹脂100重量部、下記式(I−e)
【0135】
【化41】
Figure 0004287015
【0136】
(ただし、式中R7、R8およびはrは前記式(I−e)と同じ定義を有する。)で示される化合物の加水分解縮合物の混合物(R7 rSiO4-r/2に換算して)を、該共重合アクリル樹脂:該加水分解縮合物の割合が重量で99:1〜60:40の範囲となる量、メラミン樹脂を、該共重合アクリル樹脂および該加水分解縮合物の合計100重量部当り3〜15重量部の範囲となる量および紫外線吸収剤を、該共重合アクリル樹脂100重量部当り3〜60重量部を含有する樹脂組成物より形成され、ここで紫外線吸収剤はイソプロパノール100重量部、メタノール30重量部および水15重量部よりなる混合溶媒に対して、25℃で測定された溶解度が1.5g/L以下であり、かつ
(2)該塗膜層(II)は、a成分が15〜35重量%、b成分がR2SiO3/2として換算して55〜75重量%およびc成分がSiO2として換算して3〜20重量%である樹脂組成物の熱硬化層である透明プラスチック複合体。
【0137】
かくして得られる本発明の表面を保護された透明プラスチック複合体は、アクリル樹脂層を主とする第1層並びにコロイダルシリカ、トリアルコキシシラン加水分解縮合物およびテトラアルコキシシラン加水分解縮合物からなるオルガノポリシロキサン樹脂を熱硬化してなる第2層を有することにより、従来にない高いレベルの耐摩耗性を持った複合体となる。
【0138】
本発明の透明プラスチック複合体は、厚さが0.001〜10mm、好ましくは0.02〜8mmの範囲であり、特に透明プラスチック基材を形成するプラスチックが芳香族ポリカーボネート樹脂の場合好ましくは0.1〜8mmの範囲であるのが実用的である。さらに本発明の透明プラスチック複合体は、高温高湿条件下においてクラックが発生せず、ことに沸水中3時間保持した後の表面において実質的にクラックの発生は認められない。
【0139】
かかる透明プラスチック複合体は、航空機、車輛、自動車の窓、建設機械の窓、ビル、家、ガレージ、温室、アーケードの窓、前照灯レンズ、光学用のレンズ、ミラー、眼鏡、ゴーグル、遮音壁、信号機灯のレンズ、カーブミラー、風防、銘板、その他各種シート、フィルム等に好適に使用することができる。
【0140】
また、本発明で得られる透明プラスチック複合体は、Calibrase社製CS−10F摩耗輪を使用し、荷重500g下1,000回転のテーバー摩耗試験(ASTM D1044)を行い、その試験前後のヘーズ値の変化が2%以下である。これはJIS規格において、自動車前面窓ガラスの外側が、上記と同様の条件下におけるテーバー摩耗試験の試験前後のヘーズ値の変化が2%以下を要するという規格を、本発明で得られる透明プラスチック複合体が満足しており、かかる複合体は、ことに自動車用または航空機用の窓ガラスとして好適に使用される。
【0141】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳述するが本発明はもとよりこれに限定されるものではない。なお、得られた透明ポリカーボネート樹脂複合体は以下の方法によって評価した。また、実施例中の部および%は重量部および重量%を意味する。
【0142】
(1)外観評価:目視にて試験片のコート層外観(異物の有無)、ひび割れ(クラック)の有無を確認した。
【0143】
(2)密着性:コート層にカッターナイフで1mm間隔の100個の碁盤目を作りニチバン製粘着テープ(商品名“セロテープ”)を圧着し、垂直に強く引き剥がして基材上に残った碁盤目の数で評価した(JIS K5400に準拠)。
また、該碁盤目に対して上記テープ圧着、剥離操作を更に2回繰り返した後、基材上に残った碁盤目の数で評価した。
【0144】
(3)耐摩耗性:Calibrase社製CS−10Fの摩耗輪を用い、荷重500gで1000回転テーバー摩耗試験を行い、テーバー摩耗試験後のヘーズ(%)とテーバー摩耗試験前のヘーズ(%)との差△H(%)を測定して評価した(ASTM D1044に準拠)。
(ヘーズ=Td/Tt×100、Td:散乱光線透過率、Tt:全光線透過率)(ヘーズ測定は日本電色(株)製ヘーズメーター1001DPを用いて行った。)
【0145】
(4)耐沸騰水性:試験片を沸騰水中に3時間浸漬した後のコート層の外観、密着性を評価した。
【0146】
(5)耐侯性:試験片をスガ試験機(株)製サンシャインウェザーメータ−WEL−SUN−HCH−Bを用いて(ブラックパネル温度:63℃、120分中18分降雨条件下)、1,000時間暴露試験し、試験片を取り出して外観、密着性および試験前後の黄色度変化(△YI)を評価した。(黄色度(YI)測定は日本電色(株)製分光式色彩計SE−2000を用いて行った。)
【0147】
(6)分子量測定:カラムとしてShodex GPCA−804を用い、テトラヒドロフランを溶離液に使用してのGPC測定によりポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。
【0148】
(アクリル樹脂(AC−1)〜(AC−16)の合成)
参考例1
還流冷却器および攪拌装置を備え、窒素置換したフラスコ中にメチルメタクリレート(以下MMAと略称する)65部、2−(2−ヒドロキシ−5−メタクリロキシエチルフェニル)ベンゾトリアゾール(以下MEBTと略称する)25部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(以下MPTMSと略称する)10部、アゾビスイソブチロニトリル0.16部および1,2−ジメトキシエタン200部を添加混合し、溶解させた。次いで、窒素気流中70℃で6時間攪拌下に反応させた。得られた反応液をn−ヘキサンに添加して再沈精製し、MMA/MEBT/MPTMSの組成比が重量比で65/25/10(モル比で85/10/5)の共重合アクリル樹脂(以下AC−1と略称する)86部を得た。該共重合体の重量平均分子量は90,000であった。
【0149】
参考例2〜16
表1に示すモノマー組成を変更する以外に参考例1と同様にして合成を行い、アクリル樹脂(AC−2〜AC−16)を得た。各アクリル樹脂の組成および分子量を表1に示した。
【0150】
【表1】
Figure 0004287015
【0151】
(オルガノシロキサン樹脂溶液の調製)
参考例17
メチルトリメトキシシラン142部、蒸留水72部、酢酸20部を氷水で冷却下混合した。この混合液を25℃で1時間攪拌し、イソプロパノール116部で希釈してメチルトリメトキシシラン加水分解縮合物溶液(以下Xと略す)350部を得た。
【0152】
参考例18
テトラエトキシシラン208部、0.01N塩酸81部を氷水で冷却下混合した。この混合液を25℃で3時間攪拌し、イソプロパノール11部で希釈してテトラエトキシシラン加水分解縮合物溶液(以下Yと略す)300部を得た。
【0153】
(アクリル樹脂溶液(h−1)〜(h−21)の調製)
参考例19
前記共重合アクリル樹脂(AC−1)9部を4−メチル−2−ペンタノン60部、2−ブタノール30部に溶解してアクリル樹脂溶液(h−1)99部を得た。
【0154】
参考例20〜参考例39
参考例19と同様にして各種共重合アクリル樹脂を用いてアクリル樹脂溶液(h−2)〜(h−21)を調製した。それぞれの組成を表2に示した。
【0155】
【表2】
Figure 0004287015
【0156】
(オルガノシロキサン樹脂溶液(i−1)〜(i−5)の調製)
参考例40
メチルトリメトキシシラン加水分解縮合物溶液(X)80部、テトラエトキシシラン加水分解縮合物溶液(Y)20部、および硬化触媒としてテトラブチルアンモニウムヒドロキシド1部を混合してオルガノシロキサン樹脂溶液(i−1)を得た。
【0157】
参考例41〜参考例44
参考例40と同様にして各々の組成のオルガノシロキサン樹脂溶液(i−2)〜(i−5)を調製した。それぞれの組成を表3に示した。
【0158】
【表3】
Figure 0004287015
【0159】
(メラミン樹脂配合物(j−1)〜(j−4)の調製)
参考例45
サイメル303(三井サイテック製ヘキサメトキシメチル化メラミン樹脂)100部および硬化触媒としてパラトルエンスルホン酸3部を混合してメラミン樹脂配合物(j−1)を得た。
【0160】
参考例46〜参考例48
参考例45と同様にして各々の組成のメラミン樹脂配合物(j−2)〜(j−4)を調製した。それぞれの組成を表4に示した。
【0161】
【表4】
Figure 0004287015
【0162】
(第1層塗装液(I−1)〜(I−23)の調製)
参考例49
アクリル樹脂溶液(h−1)99部および2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(以下、UV−1と呼称する)1部を混合して溶解し、第1層塗装液(I−1)100部を得た。
【0163】
参考例50
アクリル樹脂溶液(h−2)98部および2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(以下、UV−2と呼称する)2部を混合して溶解し、第1層塗装液(I−2)100部を得た。
【0164】
参考例51
アクリル樹脂溶液(h−3)84.3部、シロキサン樹脂溶液(i−2)12部、メラミン樹脂配合物(j−1)1.7部および2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(以下、UV−3と呼称する)2部を混合して溶解し、第1層塗装液(I−3)100部を得た。
【0165】
参考例52〜参考例71
参考例49または参考例51と同様にして、表5に示す組成の第1層塗装液(I−4)〜(I−23)を調製した。それぞれの組成を表5に示した。
【0166】
【表5】
Figure 0004287015
【0167】
(第2層塗装液(II−1)〜(II−14)の調製)
参考例72
水分散型コロイダルシリカ分散液(日産化学工業(株)製 スノーテックス30(以下S−30と略す)固形分濃度30重量%)100部に蒸留水2部、酢酸20部を加えて攪拌し、この分散液に氷水浴で冷却下メチルトリメトキシシラン130部を加えた。この混合液を25℃で1時間攪拌して得られた反応液に、テトラエトキシシラン加水分解縮合物溶液(Y)30部および硬化触媒として酢酸ナトリウム2部を室温下で混合し、イソプロパノール200部で希釈して第2層塗装液(II−1)484部を得た。コート液のpHは5.0であった。
【0168】
参考例73
水分散型コロイダルシリカ分散液(S−30)100部に酢酸20部を加えて攪拌し、この分散液に氷水浴で冷却下メチルトリメトキシシラン122部を加えた。この混合液を25℃で1時間攪拌して得られた反応液に、テトラエトキシシラン加水分解縮合物溶液(Y)50部および硬化触媒として酢酸カリウム1部を氷冷却下で混合し、イソプロパノール408部で希釈して第2層塗装液(II−2)を得た。コート液のpHは4.7であった。
【0169】
参考例74
水分散型コロイダルシリカ分散液(S−30)100部に蒸留水12部、酢酸20部を加えて攪拌し、この分散液に氷水浴で冷却下メチルトリメトキシシラン130部を加えた。この混合液を25℃で1時間攪拌して得られた反応液にテトラメトキシシラン15.2部を加えた。この混合液を25℃で1時間攪拌した後、硬化触媒として酢酸ナトリウム1部を室温下で混合し、イソプロパノール200部で希釈して第2層塗装液(II−3)478.2部を得た。コート液のpHは4.8であった。
【0170】
参考例75〜参考例85
参考例72または参考例74と同様にして、表6に示す組成の第2層塗装液(II−4)〜(II−14)を調製した。それそれの組成を表6に示した。
【0171】
【表6】
Figure 0004287015
【0172】
Figure 0004287015
【0173】
実施例1
透明な0.5mm厚のポリカーボネート樹脂(以下PC樹脂と略称する)製シート上に、第1層塗装液(I−1)をワイヤバー(バーコート法)で塗布し、25℃で20分間静置後、120℃で20分間熱硬化させた。第1層の膜厚は2.0μmであった。次いで、該シートの被膜表面上に第2層塗装液(II−1)をワイヤバーで塗布し、25℃で20分間静置後、120℃で1時間熱硬化させた。第2層の膜厚は5.0μmであった。得られたPC樹脂複合体の評価結果を表7に示した。
【0174】
実施例2
透明な0.5mm厚のPC樹脂製シートを垂直につるし、シート上部からノズルで第1層塗装液(I−2)を流し塗りし、25℃で20分間静置後、120℃で30分間熱硬化させた。第1層の膜厚は3.0μmであった。次いで、該シートの被膜表面上に第2層塗装液(II−2)を第1層の塗装と同様にして塗布し、25℃で20分間静置後、120℃で2時間熱硬化させた。第2層の膜厚は3.5μmであった。得られたPC樹脂複合体の評価結果を表7に示した。
【0175】
実施例3
直方体のディップコート槽を第1層塗装液(I−3)で満たし、透明な0.5mm厚のPC樹脂製シートをコート液に浸漬しておき、PC樹脂製シートを一定速度で引き上げて、25℃で30分間静置後、120℃で40分間熱硬化させた。第1層の膜厚は4.0μmであった。次いで、該シートの被膜表面上に第2層塗装液(II−3)を第1層の塗装と同様にして塗布し、25℃で20分間静置後、110℃で2時間熱硬化させた。第2層の膜厚は6.0μmであった。得られたPC樹脂複合体の評価結果を表7に示した。
【0176】
実施例4〜実施例24および比較例1〜比較例5
実施例3と同様にして塗装、熱硬化処理を行いPC樹脂複合体を作成した。該PC樹脂複合体の性能を評価し、表7に示した。
【0177】
【表7】
Figure 0004287015
【0178】
Figure 0004287015
【0179】
Figure 0004287015
【0180】
Figure 0004287015
【0181】
なお、表1〜表7中において、表中の略号はそれぞれ以下をさす。
MTMOS;メチルトリメトキシシラン
TEOS:テトラエトキシシラン
TMOS:テトラメトキシシラン
S−30;水分散型コロイダルシリカ分散液(日産化学工業(株)製 スノーテックス30 固形分濃度30重量%、平均粒子径20nm)
UV−1;2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2;2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−3;2−(2′−ヒドロキシ−3′,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−4;2−4−ジヒドロキシベンゾフェノン
MMA:メチルメタクリレート
EMA:エチルメタクリレート
MEBT:2−(2−ヒドロキシ−5−メタクリロキシエチルフェニル)ベンゾトリアゾール
MEBP:2−ヒドロキシ−4−メタクリロキシエチルベンゾフェノン
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
MPTMS:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
MEK:2-ブタノン
MIBK:4−メチル−2−ペンタノン
2−BuOH:2−ブタノール
IPA:イソプロパノール
EtOH:エタノール
EGE:2−エトキシエタノール
PMA:1−メトキシ−2−プロパノール
AcONa:酢酸ナトリウム
AcOK:酢酸カリウム
NBu4OH:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
p−TSA:パラトルエンスルホン酸
【0182】
【発明の効果】
本発明の耐摩耗性および耐剥離性が著しく改善された透明プラスチック複合体は、自動車、電車および航空機などの軽量化が要望されている輸送機器において、軽量で、長期間の使用において透明性が失われない窓ガラス用に適しており、その奏する工業的効果は格別である。

Claims (14)

  1. 透明プラスチック基材表面に、第1層として、樹脂成分の少なくとも50重量%がアクリル樹脂であって、かつ該アクリル樹脂は、下記式(I−a)、下記式(I−b)および/または(I−c)、ならびに下記式(I−d)を含む共重合アクリル樹脂であって、
    Figure 0004287015
    (ただし、式中Rは炭素数1〜4のアルキル基である。)
    Figure 0004287015
    (ただし、式中Xは水素原子もしくはメチル基であり、R は炭素数2〜5のアルキレン基であり、R は炭素数1〜4のアルキル基であり、nは0または1の整数である。)
    Figure 0004287015
    (ただし、式中Yは水素原子もしくはメチル基であり、R は炭素数2〜5のアルキレン基である。)
    Figure 0004287015
    (ただし、式中Zは水素原子もしくはメチル基であり、R 10 は炭素数2〜5のアルキレン基であり、Wは紫外線吸収剤残基を示す)
    (i)該共重合アクリル樹脂は、上記式(I−a)で示される繰返し単位を50モル%以上含み、(ii)(I−a):〔(I−b)+(I−c)〕の単位割合が99.5:0.5〜50:50の範囲であり、(iii)上記式(I−d)で示される単位を、前記式(I−a)と〔(I−b)+(I−c)〕との合計単位当り、0.3〜40モル%含有する共重合アクリル樹脂である樹脂組成物から形成される塗膜層(I)が積層され、その第1層上に第2層として、下記a成分、b成分およびc成分
    (A)コロイダルシリカ(a成分)
    (B)下記式(II−1)で表されるトリアルコキシシランの加水分解縮合物(b成分)
    Figure 0004287015
    (ただし、式中Rは炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基、またはメタクリロキシ基、アミノ基、グリシドキシ基および3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群から選ばれる1以上の基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。)および
    (C)下記式(II−2)で表されるテトラアルコキシシランの加水分解縮合物(c成分)
    Figure 0004287015
    (ただし、式中Rは炭素数1〜4のアルキル基である。)
    より形成されたオルガノシロキサン樹脂であって、該オルガノシロキサン樹脂は、a成分が5〜45重量%、b成分がRSiO3/2として換算して50〜80重量%およびc成分がSiOとして換算して2〜30重量%である樹脂組成物の熱硬化塗膜層(II)が積層された表面を保護された透明プラスチック複合体。
  2. 該塗膜層(I)は、アクリル樹脂および下記式(I−e)
    Figure 0004287015
    (ただし、式中Rは炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基、またはメタクリロキシ基、アミノ基、グリシドキシ基および3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群から選ばれる1以上の基で置換された炭素数1〜3のアルキル基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、rは0〜2の整数である。)
    で示される化合物の加水分解縮合物の混合物よりなり、該アクリル樹脂:該加水分解縮合物(R SiO4−r/2に換算して)の割合が重量で99:1〜60:40の範囲である請求項記載の透明プラスチック複合体。
  3. 該塗膜層(I)は、さらにメラミン樹脂をアクリル樹脂および前記式(I−e)で示される化合物の加水分解縮合物の合計100重量部に対して1〜20重量部の範囲で含有する請求項記載の透明プラスチック複合体。
  4. 該塗膜層(I)は、さらに紫外線吸収剤を該アクリル樹脂100重量部に対して、0.7〜100重量部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明プラスチック複合体。
  5. 該紫外線吸収剤は、イソプロパノール100重量部、メタノール30重量部および水15重量部よりなる混合溶媒に対して、25℃で測定された溶解度が1.5g/L以下である請求項記載の透明プラスチック複合体。
  6. 該塗膜層(II)は、a成分が15〜35重量%、b成分がRSiO3/2として換算して55〜75重量%およびc成分がSiOとして換算して3〜20重量%である樹脂組成物の熱硬化層である請求項1記載の透明プラスチック複合体。
  7. (1)該塗膜層(I)は、下記式(I−a)、式(I−b)および式(I−d)
    Figure 0004287015
    (ただし、式中Rは前記式(I−a)と同じ定義を有する。)
    Figure 0004287015
    (ただし、式中X、R、Rおよびnは、前記式(I−b)と同じ定義を有する。)
    Figure 0004287015
    (ただし、式中Z、R10およびWは、前記式(I−d)と同じ定義を有する。)
    で示される繰返し単位からなり、(I−a):(I−b):(I−d)の単位割合が96.7〜60:3〜30:0.3〜15の範囲である共重合アクリル樹脂100重量部に対して、紫外線吸収剤3〜60重量部を含有する樹脂組成物より形成され、ここで紫外線吸収剤は、イソプロパノール100重量部、メタノール30重量部および水15重量部よりなる混合溶媒に対して、25℃で測定された溶解度が1.5g/L以下であり、かつ(2)該塗膜層(II)は、a成分が15〜35重量%、b成分がRSiO3/2として換算して55〜75重量%およびc成分がSiOとして換算して3〜20重量%である樹脂組成物の熱硬化層である請求項1記載の透明プラスチック複合体。
  8. (1)該塗膜層(I)は、下記式(I−a)、式(I−c)および式(I−d)
    Figure 0004287015
    (ただし、式中Rは前記式(I−a)と同じ定義を有する。)
    Figure 0004287015
    (ただし、式中YおよびRは前記式(I−c)と同じ定義を有する。)
    Figure 0004287015
    (ただし、式中Z、R10およびWは、前記式(I−d)と同じ定義を有する。)で示される繰返し単位からなり、(I−a):(I−c):(I−d)の単位割合が94.7〜50:5〜40:0.3〜15の範囲である共重合アクリル樹脂100重量部、下記式(I−e)
    Figure 0004287015
    (ただし、式中R、Rおよびはrは前記式(I−e)と同じ定義を有する。)
    で示される化合物の加水分解縮合物の混合物(R SiO4−r/2に換算して)を、該共重合アクリル樹脂:該加水分解縮合物の割合が重量で99:1〜60:40の範囲となる量、メラミン樹脂を、該共重合アクリル樹脂および該加水分解縮合物の合計100重量部当り3〜15重量部の範囲となる量および紫外線吸収剤を、該共重合アクリル樹脂100重量部当り3〜60重量部を含有する樹脂組成物より形成され、ここで紫外線吸収剤はイソプロパノール100重量部、メタノール30重量部および水15重量部よりなる混合溶媒に対して、25℃で測定された溶解度が1.5g/L以下であり、かつ(2)該塗膜層(II)は、a成分が15〜35重量%、b成分がRSiO3/2として換算して55〜75重量%およびc成分がSiOとして換算して3〜20重量%である樹脂組成物の熱硬化層である請求項1記載の透明プラスチック複合体。
  9. 該透明プラスチック基材が、芳香族ポリカーボネート樹脂よりなる請求項1記載の透明プラスチック複合体。
  10. 厚さが0.001〜10mmの範囲である請求項1記載の透明プラスチック複合体。
  11. ASTM D1044によるテーバー摩耗試験(Calibrase社製CS−10F摩耗輪を使用し、荷重500g下1,000回転で測定)による表面の摩耗テストの結果、ヘーズ値の変化が2%以下である請求項1記載の透明プラスチック複合体。
  12. 沸水中、3時間保持した後の表面におけるクラックの発生が実質的には認められない請求項1記載の透明プラスチック複合体。
  13. 請求項1記載の透明プラスチック複合体よりなる有機窓ガラス。
  14. 請求項1記載の透明プラスチック複合体よりなる車輌または航空機用有機窓ガラス。
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