JP5867192B2 - コーティング用組成物及びプラスチックレンズ - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチック基材の表面硬度を高め、高度の紫外線遮蔽能を付与する透明なハードコート膜を形成できるコーティング用組成物、及びプラスチック基材上に該組成物の被膜が形成されたプラスチックレンズ、とりわけ、プラスチック基材としてポリカーボネート樹脂を用いたプラスチックレンズに関するものである。
近年、レンズ用の素材としてプラスチックは、ガラスと比較して軽量であり、耐衝撃性、染色性、加工性等において利点を有することから選ばれている。反面、ガラスと比較して耐擦傷性、耐熱性等では劣っており、これら欠点を克服するため種々の改良、改質の努力がなされている。耐擦傷性を改良する方法として、基材表面にハードコートを施すことが行われている。ハードコート層はシランの加水分解物やシリカとの混合物を主成分とするシリコーン系コーティング組成物によるものが行われてきている。
しかしながら、プラスチックレンズ基材に上述したようなシリコーン系コーティング組成物を塗布し、ハードコート層を形成させようとしても、密着性が足りず、初期密着、煮沸密着ともに実用に耐えうるものではなかった。そのため、密着性を付与するためにプライマーを基材に塗布し、その後にハードコート液を塗布するという2段階の工程を必要としていた。特に、ポリカーボネート樹脂からなるレンズ基材においては、ハードコート層との密着性が悪く、プライマー処理が不可欠であった。
また、プライマー層は、レンズ基材とハードコート層との間で衝撃吸収層としての役割を果たし、レンズの耐衝撃性を改善するのに役立っているため、レンズ基材にプライマー処理無しにハードコート層を設けると、耐衝撃性が著しく悪化することが知られている。
しかしながら、ポリカーボネート樹脂は、他の樹脂に比べて耐衝撃性が秀でているため、プライマー層が無くても十分実用に耐えうる耐衝撃性を持つレンズとなりうるため、ポリカーボネート樹脂からなるレンズ基材に対して、プライマー処理無しでも密着性に優れるようなハードコートが望まれていた。
このようなハードコートを得るものとして、特開平06−256718号公報(特許文献1)では、接着促進剤としてカプロラクトン基ポリエステルポリオールを含有させることにより、プライマーの塗布なしに基材と密着するコーティング組成物が開示されている。しかし、この化合物を含有させて密着性を得ることができても、ハードコート層を施したプラスチックは白化してしまっていた。白化しない程度にカプロラクトン基ポリエステルポリオールの分量を減らそうとすると、十分な密着性が得られなくなっていた。白化現象はレンズにとっては極めて不都合であり、実用的なレンズにはこうしたコーティングを実施することができなかった。
また、反応性アクリル樹脂を含有したハードコート組成物が、特願2003−312782号において提案されている。反応性アクリル樹脂を含有したハードコート組成物は、白化現象を抑制しながらも優れた密着性を示し、ポリカーボネート樹脂に対しても有効である。ポリカーボネート樹脂を用いたレンズ基材に対してこのハードコート組成物を用いたレンズは、外観、初期密着性、硬度、耐候性等の各試験において優れた結果を示すが、煮沸した水溶液の中へレンズを浸漬して耐性を検査する煮沸試験においては、クラックや膜剥げが早い段階で発生してしまっていた。
プラスチック表面のコーティングは、主として液相法と気相法によりなされている。液相法の例としては、アルコキシシランをゾル−ゲル法によって加水分解及び脱水縮合して緻密なガラス状架橋構造を有するコーティング膜を得る方法がある。一方、気相法の例としては、基板にシリカ膜を真空蒸着させて保護膜を形成し、硬度を高める方法が採用されている。しかし、こうしたコーティング膜は紫外線吸収能を持たないため、基材のプラスチックが紫外線により劣化するという欠点があった。
この欠点を補う方法として、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サルチレート系及び置換アクリロニトリル系等の有機系の紫外線吸収剤をコーティング膜に配合したもの、又は酸化チタンや酸化亜鉛等の無機系の紫外線吸収剤を配合したものが知られている。
しかしながら、こうした従来のコーティング膜にあって、有機系の紫外線吸収剤の場合には耐熱性が乏しく、経時で揮散するため紫外線遮蔽効果が限定的で、大量に使用すると基板との密着性に悪影響を及ぼし、使用量に制限がある等の問題があった。また、無機系の紫外線吸収剤を用いた場合には、それ自体が紫外線で黄変してしまう他、一般に粒径が大きいために可視光の透過性が悪く、透明性が悪化するという問題のため、レンズ用途での使用は限定的であった。また、透明性に優れる無機系の紫外線吸収剤として特開平2−265976号公報(特許文献2)には、粒径が0.1μm以下の酸化亜鉛微粉末を結合剤中に単分散した組成物が提案されているが、0.1μm以下の酸化亜鉛微粉末は、製造コストが高く、しかもこの微粉末を結合剤中に分散させるためには多くの工程と時間が必要であった。
特開平06−256718号公報 特開平2−265976号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、プラスチックレンズ基材等のプラスチック基材に、プライマー層無しでも密着性が良く、煮沸試験に対しても優れた耐性を示すハードコート層を形成するコーティング用組成物を提供することを目的とする。また、プラスチック、特にポリカーボネート樹脂基材上に本発明のコーティング用組成物により形成されたハードコート層を設けることで上記基材の表面硬度を高め、紫外線による基材の劣化を抑え、透明外観を向上させたプラスチックレンズを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、下記(A)〜(E)成分:
(A)成分:ビスフェノール基含有シランとUV吸収基含有シランの共加水分解縮合物、
(B)成分:ケイ素酸化物のコロイド粒子、
(C)成分:反応性シリル基含有アクリル樹脂、
(D)成分:硬化剤、
(E)成分:溶剤
を含有するコーティング用組成物が上記課題の解決に有効であることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記のコーティング用組成物及びプラスチックレンズを提供する。
[1]
下記(A)〜(E)成分を含有することを特徴とするコーティング用組成物。
(A)成分:以下の(A−1)成分のビスフェノール基含有シランと(A−2)成分のUV吸収基含有シランとの共加水分解縮合物、
(A−1)成分:
Figure 0005867192
(式中、R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基を示す。R5,R6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、R5とR6とが結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の炭素環又は複素環を形成してもよく、これらの基に炭素原子を有する場合には、置換基として、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を有することもできる。また、Yは独立に下記式
Figure 0005867192
で示される基であり、R10は炭素数2〜6のアルキレン基であり、R11,R12は、独立に炭素数1〜6のアルキル基である。nは0〜2の整数を示す。)
(A−2)成分:
Figure 0005867192

(式中、A1〜A10は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、又はOYであり、A1〜A10のうち少なくとも1つがOYである。Yは上記の通りである。)
(B)成分:ケイ素酸化物のコロイド粒子、
(C)成分:反応性シリル基含有アクリル樹脂、
(D)成分:硬化剤、
(E)成分:溶剤
[2]
(C)成分の反応性シリル基含有アクリル樹脂が、(イ)紫外線吸収性アクリル単量体と(ロ)アルコキシシリル基含有アクリル単量体と(ハ)それ以外のアクリル単量体との共重合体である[1]に記載のコーティング用組成物。
[3]
(D)成分の硬化触媒が、アルミニウム化合物である[1]又は[2]に記載のコーティング用組成物。
[4]
(E)成分の溶剤が、2つ以上の官能基を有する化合物である[1]〜[3]のいずれかに記載のコーティング用組成物。
[5]
[1]〜[4]のいずれかに記載のコーティング用組成物を製造する方法であって、(A)成分と(B)成分を、予め酸性触媒存在下で加水分解・縮合させることを特徴とするコーティング用組成物の製造方法。
[6]
プラスチックレンズ基材上に、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物により形成されたハードコート層を設けてなることを特徴とするプラスチックレンズ。
[7]
プラスチックレンズ基材がポリカーボネート樹脂基材である[6]に記載のプラスチックレンズ。
本発明のコーティング用組成物は、プライマー層が無くてもプラスチック基材との密着性に優れ、外観の透明性にも優れたハードコート層を形成することができる。また、プラスチック基材上に、本発明のコーティング用組成物により形成されたハードコート層を有するプラスチックレンズ、特にポリカーボネート樹脂製レンズは、紫外線劣化が抑制され、耐衝撃性も十分である。
本発明のコーティング用組成物によって形成されたハードコート層は、紫外線遮蔽効果があることにより、紫外線の低減によるプラスチック基材の耐候性の向上を図ることができる。また、煮沸試験に対して優れた耐性を持っているため、密着試験における耐性が飛躍的に向上する。
(1)組成物成分
本発明のコーティング用組成物は、
(A)ビスフェノール基含有シランとUV吸収基含有シランの共加水分解縮合物、
(B)ケイ素酸化物のコロイド粒子、
(C)反応性シリル基含有アクリル樹脂、
(D)硬化触媒、及び
(E)溶剤
を必須成分とするものである。
各成分について、以下に詳述する。
[(A)成分]
コーティング用組成物に含有させる(A)成分の原料シランは、好ましくは以下のような(A−1)成分のビスフェノール基含有シランと、好ましくは(A−2)成分のUV吸収基含有シランとを共加水分解した縮合物である。
(A−1)成分:
Figure 0005867192
(式中、R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基を示す。R5,R6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、R5とR6とが結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の炭素環又は複素環を形成してもよく、これらの基に炭素原子を有する場合には、置換基として、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を有することもできる。また、Yは独立に下記式
Figure 0005867192

で示される基であり、R10は炭素数2〜6のアルキレン基であり、R11,R12は、独立に炭素数1〜6のアルキル基である。nは0〜2の整数を示す。)
(A−2)成分:
Figure 0005867192
(式中、A1〜A10は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、又はOYであり、A1〜A10のうち少なくとも1つがOYである。Yは上記の通りである。)
〈1〉(A−1)成分の化合物(I)のシランは、以下の構造であって、詳細に説明する。
Figure 0005867192
(式中、R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基を示す。R5,R6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、R5とR6とが結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の炭素環又は複素環を形成してもよく、これらの基に炭素原子を有する場合には、置換基として、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を有することもできる。また、Yは独立に下記式
Figure 0005867192
で示される基であり、R10は炭素数2〜6のアルキレン基であり、R11,R12は、独立に炭素数1〜6のアルキル基である。nは0〜2の整数を示す。)
より具体的には、下記で示されるものを挙げることができる。
Figure 0005867192

(式中、R1〜R6は上記と同じであり、Y’は、独立に下記式
Figure 0005867192

で示される基であり、R11、R12、nは上記と同じであり、R’は水素原子又は炭素数1〜3のメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基であり、mは0〜4の数である。)
式(I),(I’)中、R1〜R4は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基又はアリール基であり、R1〜R4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、具体的には、水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、オクチル基等の炭素数1〜8のアルキル基、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基等の炭素数1〜4のアルコキシル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。
5,R6は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、R5,R6はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、具体的にアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、オクチル基等が、アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
また、R5,R6は、これらR5とR6が結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の炭素環又は複素環を形成してもよく、更にこれらの基に炭素原子を有する場合には、置換基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基を有してもよい。
ここで、上記炭素数3〜13の炭素環又は複素環の例としては、下記に示すものが挙げられる。
Figure 0005867192
また、置換基がついた例としては、下記に示すものが挙げられる。
Figure 0005867192
(上記式中、R7,R8は上述した置換基として例示した基である。)
Yは下記式
Figure 0005867192
で示される基であり、R10は、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ヘキシレン基等の炭素数2〜6のアルキレン基であり、R11,R12は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等の炭素数1〜6のアルキル基であり、R11,R12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
nは0〜2の整数であり、好ましくは0又は1、特に0である。
上記式(I)で示される化合物の製造方法は、下記一般式(i)で示される2つ以上のフェノール基を有する化合物と、アリル化合物又は下記一般式(ii)で示されるメタリル化合物とを反応させて、アリル基又はメタリル基を有するフェノキシエーテル化合物を合成した後、下記一般式(iii)で示されるヒドロシリル基を有するアルコキシシランを、白金触媒の存在下で反応させることにより調製できる。
Figure 0005867192
(式中、R1〜R6,R11,R12,R’,n,mは上記と同じであり、Xはヨウ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子である。)
一般式(i)で示される2つ以上のフェノール基を有する化合物として、具体的には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称、ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロパンなどが挙げられる。特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称、ビスフェノールA)や、側鎖にフルオレン構造を有するビスフェノール類として、下記一般式(i’)で示されるフルオレン化合物が好適に使用される。
Figure 0005867192
(式中、R1,R2,R7,R8は上記と同じである。)
上記式(i’)で示されるフルオレン化合物として、具体的には、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン等を挙げることができる。
ビスフェノールAは、ポリカーボネート樹脂原料として安価に大量生産されている上、ビスフェノールAを使用した場合、耐熱性を損なうことなく耐衝撃性を高めることが可能となる。
本発明において用いられる前記一般式(I)で示される化合物は、まず、上記2つ以上のフェノール基を有する化合物と、アリル基又はメタリル基を有するハロゲン類とを反応させる。
より具体的には、前記一般式(i)で表される化合物と、アリルクロライド、アリルブロマイド、アリルヨージドのようなアリル化合物や、メタリルクロライド、メタリルブロマイド、メタリルヨージドのような一般式(ii)で表されるメタリル化合物とを、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属アルコキサイド、アルカリ土類金属アルコキサイド、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アミン類のような塩基の存在下に、ケトン、エステル、エーテル等の反応に不活性な溶媒中で反応させることにより、アリル基又はメタリル基を有するフェノキシエーテル化合物を合成する。式(i)の化合物と、アリル化合物又は式(ii)の化合物の使用量は、式(i)の化合物1モルに対してアリル化合物又は式(ii)の化合物を2モル以上とすることが好ましく、より好ましくは2〜5モル、特に好ましくは2モル超〜3モルである。反応は、室温〜約200℃の範囲で行い得るが、好ましくは50〜150℃で行われる。通常、反応は、120℃程度の温度下の場合、約30分〜10時間程度で完了する。
次いで、前記反応により得られた化合物と、一般式(iii)で示されるヒドロシラン化合物とを、白金触媒の存在下に、必要に応じて、トルエン、テトラヒドロフラン等の反応に不活性な溶媒中で、又は無溶媒で反応させることにより、一般式(I)で示される化合物を合成することができる。
一般式(iii)で示されるヒドロシラン化合物は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基を1〜3個有するヒドロシラン化合物を用いることができる。一般式(iii)で示されるヒドロシラン化合物として、より好ましくは、トリメトキシシラン、トリエトキシシランである。
式(i)の化合物とアリル化合物又は式(ii)の化合物との反応生成物と、式(iii)の化合物の使用量は、式(i)の化合物とアリル化合物又は式(ii)の化合物の反応生成物1モルに対して式(iii)の化合物を2モル以上とすることが好ましく、より好ましくは2モル超〜5モルである。
反応は、室温〜約150℃の範囲で行い得るが、好ましくは25〜約100℃で行われる。トリメトキシシランを用いる場合、反応は、常温〜80℃程度に加温することで、約30分〜2時間程度で完了する。
〈2〉(A−2)成分は、アルコキシシリル基を有するベンゾフェノン誘導体である反応性紫外線吸収剤で、下記式(II)で表される。
Figure 0005867192

(式中、A1〜A10は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、又はOYであり、A1〜A10のうち少なくとも1つがOYである。Yは上述した通りである。)
上記式中、A1〜A10は、水素原子、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基、又はOY(Yは上記の通りである。)であり、A1〜A10のうち少なくとも1つはOYである。
このシランは、下記式(iv)
Figure 0005867192
で表される2つ以上のヒドロキシ基を有するベンゾフェノン(iv)と下記式(v)
Figure 0005867192
で表されるアリル化合物(v)を反応させて、アリル基を有するベンゾフェノンを合成した後、下記式(vi)
Figure 0005867192
で表されるヒドロキシ基を持つアルコキシシラン(vi)を、白金触媒の存在下で反応させて得られる。
一般式(II)中のA1〜A10は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、又はOY基であり、A1〜A10のうち少なくとも1つはOY基である。
一般式(iv)中のR21〜R30は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はヒドロキシ基で、少なくとも2つのヒドロキシ基を有する。
一般式(v)中のX’は、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子等のハロゲン原子で、pは1〜5の正数を示す。
一般式(vi)中のR31、R32は、炭素数1〜6のアルキル基を示す。qは0〜2の整数を示す。
本発明で用いられる一般式(iv)で表される2つ以上のヒドロキシ基を有するベンゾフェノンは、2つ以上のヒドロキシ基を有するフェノール類と、芳香族カルボン酸類との反応により、ポリヒドロキシベンゾフェノン類として容易に製造することができる(例えば、特開平5−70397号公報)。
具体的には、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−3,4−ジメトキシベンゾフェノン、2,3−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2,2’,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2’,3’,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ブトキシ−2,2’,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジメトキシ−2,2’,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
本発明において用いられる、前記一般式(II)で表される化合物は、このポリヒドロキシベンゾフェノン類と、アリル基を有するハロゲン類との反応により、製造することができる。
より具体的には、前記一般式(iv)で表される化合物と、アリルクロライドやアリルブロマイド、アリルヨージドのような一般式(v)で表されるアリル化合物とを、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属アルコキサイド、アルカリ土類金属アルコキサイド、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アミン類のような塩基の存在下に、ケトン、エステル、エーテル等の反応に不活性な溶媒中で反応させることにより合成することができる。式(iv)のベンゾフェノンと、式(v)のアリル化合物の使用量は、式(iv)のベンゾフェノン1モルに対して、式(v)のアリル化合物が好ましくは1〜1.5モル、より好ましくは1〜1.2モルとなる量である。反応は、通常室温〜約200℃の範囲で行い得るが、好ましくは、50〜150℃で行われる。通常、反応は、120℃程度の温度下の場合、約30分〜10時間程度で完了する。
一般式(II)で表される化合物は、上記で得られた化合物と一般式(vi)で表されるヒドロシラン化合物とを、上記で得られた化合物1モルに対して式(vi)の化合物が好ましくは1〜2モル、より好ましくは1モルを超え1.9モル以下となる量で、白金触媒の存在下に、必要に応じて、トルエン、テトラヒドロフラン等の反応に不活性な溶媒中で、又は無溶媒で反応させることにより合成することができる。
ヒドロシラン化合物は、式(vi)で表されるメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等のアルコキシ基を1〜3個有するヒドロシラン化合物を用いることができる。より好ましくは、トリメトキシシラン、トリエトキシシランである。
反応は、室温〜約200℃の範囲で行い得るが、好ましくは、25〜約100℃で行われる。トリメトキシシランを用いる場合、反応は、常温〜60℃程度に加温することで、約30分〜2時間程度で完了する。得られる反応物は、一般式(II)で表される。
(A−1)成分及び(A−2)成分のシラン共加水分解物は、分子内にビスフェノール系とベンゾフェノン系の骨格を持ち、これが基材への密着性と紫外線の吸収に寄与する。また、分子端のアルコキシ基は加水分解して反応性の高いシラノールを生じ、これが縮合重合することによって自身で高分子化、あるいは他のバインダー成分と結合することができる。なお、このシランはアルコキシ基の一部が加水分解し、シラノールが縮合重合したオリゴマーの形態でも存在しうる。
(A)成分の共加水分解は後述する条件下で行われ、この場合、更に、その他の加水分解性ケイ素化合物として、全シラン化合物に対して10モル%以下の量、特に配合する場合は0.1〜10モル%の量の下記式(III)で示されるシラン化合物を用いることができるが、10モル%を超えると所定の透明性、密着性、紫外線遮蔽性が十分に得られないことがある。
1 a2 bSi(B34-a-b (III)
(式中、B1は独立に炭素数1〜10のアルキル基を表し、B2はアリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、ウレイド基、シアノ基及びイソシアナト基からなる群より選ばれる1以上の有機基を含む官能基を表し、B3は炭素数1〜10のアルコキシ基、アルケニロキシ基、アシロキシ基又はアルコキシアルコキシ基を表し、a,bはおのおの0、1及び2のいずれかの整数であり、好ましくは0又は1であり、a+bは0、1及び2のいずれかの整数であり、好ましくは0又は1であり、特に好ましくは1である。)
上記式(III)で示されるアルコキシシランとしては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、メチルトリメトキシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、パーフルオロメチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロエチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロヘキシルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは1種単独でも、2種以上を混合して使用してもよく、あらかじめ部分的に加水分解を施しておいたものを使用してもかまわない。
[(B)成分]
(B)成分のケイ素酸化物のコロイド粒子は、二酸化ケイ素の微粒子で、コロイダルシリカともいう。コーティング用組成物からなる被膜に耐擦傷性を付与するために含有させるもので、安定性、分散性といった観点から、これらのコロイド粒子を分散媒中に分散させたものが用いられる。特に、水、アルコール等の極性溶剤中に分散された状態(酸化物ゾル)で使用するのが好ましい。
ここで、(A−1)成分及び(A−2)成分のアルコキシシリル基を有する化合物原料を加水分解・縮合した(A)成分は、(B)成分のコロイダルシリカを加えることによって調製するのが好ましい。これは、(B)成分共存下で(A)成分を加水分解することを意味し、これによって透明性が向上する。つまり、本発明のコーティング用組成物の調製条件としては、(A)成分の加水分解縮合物を合成するとき、コロイダルシリカが一体となるように制御された条件で合成することが好ましい。コロイダルシリカが分離して凝集すると、透明性や硬度の発現が不十分で、耐擦傷性が不十分となる懸念がある。(A)成分の原料を、コロイダルシリカの金属−OH基と共存下に加水分解させ、(A)成分の加水分解縮合物を得ることにより、容易に無機−有機ハイブリッド体を形成することが可能となる。そして、そのようにして得られた硬化被膜は、均質で実質的に無色透明で、耐擦傷性、耐熱性、耐候性、耐熱性、耐酸性など諸特性に優れた膜となる。
コロイダルシリカについては、直径5〜200nm、好ましくは5〜40nmのシリカ微粒子が水又は有機溶媒中にコロイド状に分散されたものが好適に利用できる。なお、本発明において、粒径はレーザー散乱式粒子径分布測定装置により測定した値である。中でも酸性水溶液分散型コロイダルシリカが、(A)成分のアルコキシシラン加水分解縮合物との反応を考慮した場合、容易に結合できるSiOH表面状態を有しているため最も適している。(A)成分の製造を、(B)成分を(A)成分の原料に加えることによって調製する場合、この方法は、酸性あるいはアルカリ性の水分散の二酸化ケイ素ゾルを使用する場合に効率のよい製造方法であり、本発明では、特に酸性水分散二酸化ケイ素ゾルを用いることが好ましい。
かかるコロイダルシリカの具体例としては、市販品を挙げることができ、日産化学工業(株)製のスノーテックスO、触媒化成工業(株)製のカタロイドSN、日本化学工業(株)製のシリカドール30Aなどが挙げられる。また、アルカリ性コロイダルシリカに種々の有機酸、無機酸を添加することにより、pHを3〜5のコロイダルシリカ酸性準安定域に安定化させ、その表面をSiOH型としたものも同様に使用できる。
有機溶媒分散型としては、具体的に、日産化学工業(株)製のPMA−ST、IPA−ST、NBA−ST、IBA−ST、EG−ST、XBA−ST、NPC−ST、DMAC−ST、触媒化成工業(株)製のOSCAL1132、OSCAL1232、OSCAL1332、OSCAL1432、OSCAL1532、OSCAL1632、OSCAL1732等が挙げられる。
(B)成分は、塗膜に硬度・耐摩耗性を与える充填剤の役割と、粒子表面でバインダーとして(A)成分中のシラノール基と結合を形成するため、架橋剤としての役割を果たすと考えられている。即ち、粒子表面は水酸基(Si−OH)が存在しており、(A)成分との間で結合生成(Si−O−Si)が可能である。粒子の分散安定性を増す目的でシランカップリング剤やテトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、チタンカップリング剤、カルボキシル基含有有機ポリマー等で一部処理・被覆されたものを用いてもよい。
また、加水分解触媒を使用してもよい。加水分解触媒としては、従来公知の触媒を使用することができ、特に酸性のハロゲン化水素、カルボン酸、スルホン酸、酸性あるいは弱酸性の酸化物や無機塩、イオン交換樹脂等の固体酸等を使用することができる。これらの例としては、酢酸、マレイン酸に代表される有機酸、表面にスルホン酸基、又はカルボン酸基を有するカチオン交換樹脂等を好適に用いることができる。加水分解触媒の量は、全加水分解性基1モルに対して0.01〜10モル%が好ましい。また、加水分解は弱酸性条件下で加水分解することが好ましく、特にpHが1〜7の範囲で反応させることが好ましい。加水分解を弱酸性下で行わない場合は生成するシラノール基が不安定となり、縮合反応が進み、凝集して析出し、透明性を損なうことがある。加水分解は5〜50℃で行うことが好ましく、加水分解時間は、通常10分〜10時間である。
加水分解のための水量の上限に制限はないが、(A)成分のアルコキシシリル基1モルに対して通常10モル以下、特には5モル以下である。アルコキシシリル基1モルに対して水の添加量を1〜10モル、好ましくは1〜5モル、最も好ましくは1.01〜3モルとすることにより達成される。
水の添加量が不足する場合、末端がSiOHとなり得ず、アルコキシシリル基が残存してしまい、硬度の面で目的を十分に達成することができない可能性がある。一方、水の添加量が多過ぎる場合、得られた系が不安定化してしまう問題や、塗膜形成時の各種問題(白化、泡、不均質など)が生ずる懸念があるため好ましくない。上述した水とは、系に添加されるすべての水分に言及される。即ち、添加される水分散コロイダルシリカ、加水分解触媒、有機ポリマーなどに含まれる水分を含めた総和である。
加水分解に使用する水には、極性有機溶剤を加えることが好ましく、極性溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、モノエチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエーテル等が例示される。
トップ膜としての高硬度を得るには、前記の加水分解に続いて、縮合させることが必要である。縮合は、加水分解に続いて連続的に行えばよく、通常、液温が常温又は100℃以下の加熱下で行われる。100℃より高い温度ではゲル化する場合がある。更に、80℃以上、常圧又は減圧下にて、加水分解で生成したアルコールを留去することにより、縮合を促進させることができる。更に、縮合を促進させる目的で、塩基性化合物、酸性化合物、金属キレート化合物などの縮合触媒を添加してもよい。縮合工程の前又は最中に、縮合の進行度及び濃度を調整する目的で有機溶剤を添加してもよく、また二酸化ケイ素ゾルなどのシリカ微粒子を水もしくは有機溶剤中に分散させたものを添加してもよい。一般的にシリコーン化合物は縮合が進行すると共に、高分子量化し、水や生成アルコールへの溶解性が低下していくため、添加する有機溶剤としては、生成物をよく溶解し、沸点が80℃以上の比較的極性の高い有機溶剤が好ましい。
このような有機溶剤の具体例としてはイソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル類;酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル等のエステル類等を挙げることができる。
この縮合により得られた生成物のGPC分析におけるポリスチレン換算数平均分子量は、500〜50,000であることがより好ましく、1,000〜20,000であることが更に好ましい。分子量がこの範囲より低いと、塗膜の靱性が低く、クラックが発生しやすくなる傾向があり、一方、分子量が高すぎると、硬度が低くなる傾向があり、また塗膜中の樹脂が相分離するために塗膜白化を引き起こす場合がある。
本発明のコーティング用組成物における(A)成分と(B)成分の使用割合は、組成物の安定性、得られる硬化膜の透明性、耐摩耗性、耐擦傷性、密着性及び耐クラック性の点から設計され、(A)及び(B)成分の固形分合計量に対して(A)成分の固形分が30〜95質量%、好ましくは50〜90質量%、(B)成分の固形分が5〜70質量%、好ましくは10〜50質量%で、実質的に末端がSiOH型であるオルガノシロキサンのコーティング用組成物が適している。配合量としては、固形分として、(A)成分100質量部に対して、(B)成分5〜300質量部、特に5〜100質量部が好ましい。(A)成分中の(A−1)、(A−2)成分の割合は、質量比で(A−1)/(A−2)=10/90〜90/10となる量であることが好ましい。(A−1)の量が少なすぎると基材への密着性が低下することがあり、多すぎると紫外線遮蔽能が不十分となることがある。
末端をSiOH型とすることにより、当該オルガノシロキサン樹脂組成物は被塗物表面に塗布され、加熱するだけで脱水縮合し、シロキサン結合を形成することができる。この時、末端が≡SiOR(Rはアルキル基である。)で残っている場合は、塗布後、加水分解をする必要があり、環境の水分の影響を受けやすく、場合によっては触媒の添加が必要であったりするため適当ではない。本発明のコーティング用組成物において、(A)成分として用いられるアルコキシシラン加水分解縮合物は、アルコキシシランの加水分解により発生する≡SiOHにより、硬度、擦傷性が出やすいことがわかっている。このため、合成条件にて水の量を制御して製造することが、高硬度、高耐擦傷性、高耐摩耗性の発現に重要である。
(B)成分のコロイダルシリカ以外のコロイドゾルは、種々の機能性付与、例えば、紫外線光の吸収、導電性、光触媒活性、屈折率制御の目的で添加してもよい。具体的には、マグネシウム酸化物、珪素酸化物とマグネシウム酸化物との共酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物、ホウ素酸化物、アルミニウム酸化物、インジウム酸化物、ゲルマニウム酸化物、錫酸化物、亜鉛酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、セシウム酸化物、インジウム錫酸化物、及び錫アンチモン酸化物のコロイドゾルを1種単独であるいは2種以上の混合物として用いたり、表面をシリカやアルミナなどで被覆しても良い。これらの金属コロイドゾルの粒子径は、透明性を維持するために、5〜1,000nmであることが好ましい。
[(C)成分]
反応性シリル基含有アクリル樹脂は、密着促進剤としての性質を持ち、これを含有したコーティング用組成物を用いることにより、プライマー処理無しにレンズ基材へ密着性の優れたハードコート層を形成することが可能になる。
このポリマーは、次の(イ)紫外線吸収性アクリルモノマーと、(ロ)アルコキシシリル基含有アクリルモノマーと、(ハ)それ以外のアクリルモノマーを共重合して得られるアクリル樹脂から形成された反応性シリル基と紫外線吸収性基を含有するアクリルポリマーである。
ここで、(イ)紫外線吸収性アクリルモノマーとしては、分子内に紫外線吸収基とアクリル基あるいはメタクリル基とをそれぞれ少なくとも1つ有する化合物であれば、特に制限はない。このような化合物として、例えば、下記一般式(IV)で表されるベンゾトリアゾール系化合物、及び一般式(V)で表されるベンゾフェノン系化合物を挙げることができる。
Figure 0005867192
(式中、Zは水素原子又は塩素原子を示す。R41は水素原子、メチル基、又は炭素数4〜8の第三級アルキル基を示す。R42は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜10のアルキレン基を示す。R43は水素原子又はメチル基を示す。rは0又は1を示す。)
Figure 0005867192
(式中、R43は上記と同じ意味を示す。R44は置換又は非置換の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜10のアルキレン基を示す。R45は水素原子又は水酸基を示す。R46は水素原子、水酸基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。)
上記一般式(IV)で表されるベンゾトリアゾール系化合物の具体例としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(メタ)アクリロキシメチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−(メタ)アクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(2−(メタ)アクリロキシエチル)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−(8−(メタ)アクリロキシオクチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
上記一般式(V)で表されるベンゾフェノン系化合物の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(4−(メタ)アクリロキシブトキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−4’−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシ−4’−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−(メタ)アクリロキシ−1−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン等を挙げることができる。
とりわけ、式(IV)で表されるベンゾトリアゾール系化合物が好ましく、なかでも2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−(メタ)アクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールが好適に使用される。
(ロ)アルコキシシリル基含有アクリルモノマーとしては、アルコキシシリル基と、アクリル基あるいはメタクリル基とを含む一価の炭化水素基からなる化合物で、アクリル基あるいはメタクリル基を含む一価の炭化水素基としては、3−アクリロキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基等が、原料入手と合成の容易さから推奨され、アルコキシシリル基としては、トリアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、モノアルコキシシリル基である。加水分解性基の数は1〜3の整数から選ばれ、短時間の内に網状構造を形成させる意味から2又は3であることが好ましく、3であることが特に好ましい。
これら(ロ)成分の具体例としては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリス(エトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリス(エトキシエトキシ)シランなどが挙げられる。
本発明で使用する(ハ)それ以外のアクリルモノマーで具体的な例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートのようなアルキル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレートのようなエポキシ官能性(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
本発明で使用する反応性シリル基含有アクリル樹脂は、(イ)、(ロ)及び(ハ)成分を有機溶剤及び遊離基開始剤の存在下で、室温から溶剤の還流温度までの温度、好ましくは50〜150℃の温度で反応させることにより得られる。用いる溶剤の種類と量は、以下に記載する(E)成分の有機溶剤と同じで良い。
遊離基開始剤としては、アゾ化合物又は有機過酸化物が使用でき、具体的にはアゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、アセトンパーオキサイド等が例示される。遊離基開始剤の量は特に限定されないが、(イ)、(ロ)、(ハ)成分の合計量に対して、0.01〜1質量%程度が適当である。
また、この重合を行う際に、n−プロパンチオール、1−ヘキサンチオール、1−デカンチオール、ベンゼンチオール、3−メルカプトプロピルトリメトキシラン又は3−メルカプトプロピルトリエトキシシランのような連鎖移動剤を用いて分子量をコントロールすることもできる。
共重合体中の(イ)成分と(ロ)成分の含有量は、(イ)成分、(ロ)成分共に1〜30質量%であることが好ましい。(イ)成分の使用量が、この範囲より少ないと紫外線遮蔽性が低下するため好ましくなく、逆にこの範囲より多いと密着性が悪くなるため好ましくない。(ロ)成分の使用量が、この範囲より少ないと密着性が低下するため好ましくなく、逆にこの範囲より多いと膜が脆くなるため好ましくない。
コーティング用組成物における(C)成分の含有量は、組成物中固形分として、1〜50質量%であるのが好ましく、2〜30質量%であるのがより好ましい。含有量が1質量%未満の場合は、十分な密着性を有するハードコート層を形成できない場合がある。50質量%を超えると、硬度低下が目立つようになり耐擦傷性が悪くなる場合がある。
[(D)成分]
(D)成分は、硬化触媒で、シラノール基、アルコキシ基等の縮合可能基が縮合する反応を促進する触媒であり、アルコキシシリル基と反応して膜を硬化させる触媒で、アルミニウム触媒が適用できる。
本発明の硬化触媒としては、例えば、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムアセチルアセトネート類、アルミニウムアセテート類、アルミニウムパークロレート類等のアルミニウム化合物が挙げられる。これらのなかでもトリス(アセチルアセトナート)アルミニウムを好適に利用できる。
(D)成分の配合量は、(A)〜(C)成分を硬化させるのに有効な量であればよく、特に限定されるものではないが、具体的には、組成成分の固形分に対し、0.0001〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜10質量%である。0.0001質量%未満であると硬化が不十分となり、硬度が低下する場合があり、30質量%より多いと塗膜にクラックが発生しやすくなる場合や、耐水性が低下する場合、著しく使用可能時間を短くしてしまい、現実的でない場合がある。
[(E)成分]
本発明のコーティング用組成物の(E)成分は有機溶剤であり、基材となるポリカーボネート樹脂等のプラスチック基材を溶解させず、組成物成分を溶解し、(A),(B)成分の加水分解溶剤と(C)成分に任意に相溶するものが必要である。極性の高い有機溶剤が主溶剤であることが好ましく、特にアルコールとエーテル、アルコールとケトン、アルコールとエステル、エーテルとエステル等の2官能以上を持つものが望ましい。こうした有機溶剤の具体例としては、アルコールとエーテルの化合物として、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられ、アルコールとケトンの化合物としてジアセトンアルコール等、アルコールとエーテルとエステルの化合物として、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等、エーテルとエステルの化合物として、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等を挙げることができ、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以上の混合物を使用することができる。
溶剤の添加量としては、本発明の組成物の固形分濃度を1〜50質量%、特に5〜35質量%とする量を用いることが好ましい。この範囲外では該組成物を塗布、硬化した塗膜に不具合が生じることがある。上記範囲未満の濃度では塗膜にタレ、ヨリ、マダラが発生し易くなり、所望の硬度、耐擦傷性が得られない場合がある。また上記範囲を超える濃度では、塗膜の白化やクラックが生じ易くなるおそれがある。
[その他の成分]
本発明のコーティング用組成物には、上記以外に、染色性能を向上させるために染色性付与剤を含有させることができる。この他、コーティング用組成物の分散性を高め、レンズ基材への塗布時に平滑性を向上させてぬれ性を良くするために界面活性剤を含有させたり、硬化反応を促進し、低温硬化を可能にさせるために硬化触媒を含有させたり、耐候性や耐熱性を向上させるために酸化防止剤を含有させたりすることも可能である。
本発明のコーティング用組成物の粘度は、2〜300mm2/sであることが好ましく、より好ましくは5〜100mm2/sである。この範囲であると、種々の塗布方法において均一な透明膜により塗工し易くなる。粘度の測定方法は後述する通りである。
(2)膜の形成方法
このようにして得られたコーティング用組成物の塗布方法としては、通常の塗布方法で基材にコーティングすることができ、例えば、刷毛塗り、スプレー、浸漬、フローコート、ロールコート、カーテンコート、スピンコート、ナイフコート等の各種塗布方法を選択することができる。この場合、本発明のコーティング用組成物は、プラスチック基材に対し、必ずしもプライマー処理することなく、直接コーティングすることができる。
ここで用いられる基材としては、プラスチック成形体が挙げられ、各種プラスチック材料(有機樹脂基材)に好適に使用され、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂等が好ましく、特に機械的強度の高いポリカーボネート樹脂等が最適に用いられる。ポリカーボネート樹脂は、分子の主鎖にカーボネート結合(−O−COO−)を有する高分子化合物であり、熱可塑性で優れた耐衝撃性を持つ樹脂である。この優れた耐衝撃性を持つ樹脂をレンズ基材に用いることにより、衝撃吸収層の役割を果たすプライマー層を省いてハードコート層を設けても、実用に十分耐えうる耐衝撃性を有するレンズとすることを可能にしている。
本発明の組成物の硬化は、空気中に放置して風乾させてもよいし、加熱してもよい。硬化温度、硬化時間は限定されるものではないが、基材の耐熱温度以下で10分〜2時間加熱するのが好ましい。具体的には60〜135℃で30分〜2時間加熱するのがより好ましい。ポリカーボネート樹脂を基材とした場合は、80〜130℃で加熱するのがより好ましい。
塗膜の厚みは特に制限はなく、0.01〜1,000μm、特に0.5〜200μmであればよいが、塗膜の硬さ、耐擦傷性、長期的に安定な密着性、及びクラックが発生しないことを満たすためには、1〜100μmが好ましい。なお、以上の操作を繰り返し、重ね塗りを行っても良い。とりわけ、厚みは、プラスチック基材を紫外線から保護するために重要で、2〜50μmが好ましい。0.01μm未満では、紫外線遮蔽性が十分でない場合や硬さが十分でない場合があり、また、1,000μmを超えると発泡が起こりやすく透明性が十分でない場合や、クラックが起こりやすくなる場合がある。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、これにより本発明が限定されるものではない。以下に、(A)成分の原料シランの合成例、(C)成分のアクリル樹脂の製造例、組成物による実施例、及びその評価を示す。なお、粘度は25℃にてキャノンフェンスケ型粘度計により流下時間を測定し、動粘度として算出した値、又は回転粘度計(B型)による値であり、屈折率はアタゴ社製屈折率計RX7000Xにより測定した25℃での値である。
(1)(A)成分の原料シランの合成例
[合成例1] ビスフェノール基含有シランの合成
窒素導入管、撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えたフラスコに、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン92.6g(0.406モル)とメチルイソブチルケトン(MIBKと略記)500gを入れ、撹拌することで溶解させた。これに、アリルブロマイド100g(0.82モル)と無水炭酸カリウム138g(1モル)を加え、オイルバスにより110℃で5時間加熱しながら激しく撹拌した。
生成した臭化カリウムの塩をろ過により除いた。この反応溶液から減圧ストリップによりMIBKを除いたところ、約90gの2,2’−ビス(4−アリロキシフェニル)プロパンの透明オイルを得た。これに、トルエンを加え、水洗した後、再度減圧ストリップすることで83.9g(0.272モル)の無色透明オイル状の2,2’−ビス(4−アリロキシフェニル)プロパンを得た(収率67%、粘度48.8mm2/s、屈折率1.5629(波長589nm))。
得られた2,2’−ビス(4−アリロキシフェニル)プロパン30.8g(0.1モル)を70mlのトルエン中に溶解した。これに白金触媒・塩化白金酸とテトラメチルジビニルジシロキサン反応物(1質量%白金含有量のトルエン溶液)を2滴加え、温度60℃でトリメトキシシラン26g(0.21モル)を滴下した。
温度を65℃で2時間保ち、しかる後に反応混合物を冷却した。ワコーゲルC−100の5gを加え、白金触媒を吸着濾過して除去した後、溶剤を減圧ストリップにより除き、無色透明のオイル状物53g(0.096モル)を得た(粘度198mPa・s、屈折率1.5145(589nm))。NMRスペクトルは2,2’−ビス(4−トリメトキシシリルプロポキシフェニル)プロパンの構造と一致した。収率は96%であった。このシランは、ビスフェノール−シランと略記する。
[合成例2] UV吸収基含有シランの合成
4−アリロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(25.4g、0.1モル、アルドリッチ社製)を70mlのトルエン中に懸濁した。温度を60℃に上げて溶解させ、これに白金触媒・塩化白金酸とテトラメチルジビニルジシロキサン反応物(1質量%白金含有量のトルエン溶液)を2滴加え、温度65℃でトリメトキシシラン(29.3g、0.24モル)を滴下で加えた。
温度を約65〜85℃に約1〜2時間保ち、しかる後に反応混合物を冷却し、ワコーゲルC−100の5gを加え、白金触媒を吸着させた後、濾過し、溶剤を減圧ストリップにより除き、赤色のオイル状物34.8g(0.092モル)を得た。主成物のNMRスペクトルは2−ヒドロキシ−4−トリメトキシシリルプロポキシベンゾフェノンの構造と一致した。収率は92%であった。このシランは、UV吸収−シランと略記する。
(2)(C)成分のアクリル樹脂の製造例
[合成例3]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに溶剤としてジアセトンアルコール248gを仕込み、窒素気流下にて80℃に加熱した。
ここに予め調製しておいたモノマー混合溶液(2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(RUVAモノマーと略記、大塚化学(株)製)72g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503と略記、信越化学工業(株)製)80g、メチルメタクリレート(MMAと略記)270g、ジアセトンアルコール(DAAと略記)600g)のうち400g及び予め調製しておいた重合開始剤としてのV−59(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))3gをジアセトンアルコール200gに溶解した溶液のうち150gを順次投入した。
80℃で30分反応させた後、残りのモノマー混合溶液と残りの重合開始剤溶液を同時に80〜90℃で1.5時間かけて滴下した。更に、80〜90℃で5時間撹拌した。
得られた共重合体溶液の粘度は5370mPa・sであり、またその共重合体中の紫外線吸収性単位の含有量は18質量%、アルコキシシリル基単位の含有量は20質量%である。また、標準ポリスチレンを基準とするGPC分析による重量平均分子量は27,600であった。この共重合体溶液をAcポリマー1とする。
[合成例4]
KBM−503の替わりに、GMA(グリシジルメタクリレート)を用いた以外は、合成例3と同様に行った。この共重合体溶液をAcポリマー2とする。
(注) KBM−503:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
RUVAモノマー:2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチ ル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(RUVA−9
3、大塚化学(株)製)
これらの組成及び溶液物性については、表1,2にまとめた。
Figure 0005867192
KBM−503:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
GMA:グリシジルメタクリレート
RUVAモノマー:2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
MMA:メチルメタクリレート
DAA:ジアセトンアルコール
V−59:2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)
Figure 0005867192
*ポリマーの粘度は回転粘度計(B型)により測定した25℃における値である。
(3)シラン・シリカ加水分解物及びその組成物の調製
[実施例1]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル125g、イオン交換水21g、IPAシリカゾル74g(日産化学工業(株)製IPA分散コロイダルシリカ、シリカ含有量30質量%)、ビスフェノール−シラン50gとUV吸収−シラン50gを仕込み、撹拌しながら20℃に維持した。これに、イオン交換樹脂アンバーリスト15dry(オルガノ(株)陽イオン交換樹脂)0.25gを添加して高速撹拌した。25℃にて5時間撹拌後、イオン交換樹脂をろ過で除いた。
硬化触媒としてアルミニウムアセチルアセトネートの白色粉体1.6gを添加し、25℃にて3時間撹拌後、Acポリマー1(合成例3にて製造、40質量%ジアセトンアルコール溶液)50g、PMA−ST(日産化学工業(株)製、シリカゾルの30質量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液)5gを添加し、1時間撹拌した。こうして得られた塗布溶液は、不揮発分(150℃、0.5時間)33.3質量%、粘度は33.5mm2/s、屈折率1.4374であった。このものを組成物の実施例1とする。
[実施例2]
ビスフェノール−シラン50gの替わりに、ビスフェノール−シラン25gとKBM−7603(信越化学工業(株)製シラン,パーフルオロヘキシルエチルトリメトキシシラン)25gを用いた以外は、実施例1と同様に行った。こうして得られた塗布溶液は、不揮発分(150℃、0.5時間)35.1質量%、粘度は34.0mm2/s、屈折率1.4326であった。このものを組成物の実施例2とする。
[比較例1]
Acポリマー1(合成例3にて製造)50gの替わりに、Acポリマー2(合成例4にて製造)50gを用いた以外は、実施例1と同様に行った。こうして得られた塗布溶液は、不揮発分(150℃、0.5時間)33.2質量%、粘度は33.7mm2/s、屈折率1.4378であった。このものを組成物の比較例1とする。
[比較例2]
ビスフェノール−シラン50gの替わりに、KBM−7603(信越化学工業(株)製シラン)50gを用いた以外は、実施例1と同様に行った。こうして得られた塗布溶液は、不揮発分(150℃、0.5時間)33.5質量%、粘度は20.6mm2/s、屈折率1.4224であった。このものを組成物の比較例2とする。
[比較例3]
ビスフェノール−シラン50gとUV吸収−シラン50gの替わりに、KBM−403(信越化学工業(株)製シラン(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン))50gとKBM−7603(信越化学工業(株)製シラン(パーフルオロヘキシルエチルトリメトキシシラン))50gを用いた以外は、実施例1と同様に行った。こうして得られた溶液は、アクリル樹脂が沈殿し、良好な塗布溶液を得ることはできなかった。
[比較例4]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル125g、イオン交換水21g、ビスフェノール−シラン50gとUV吸収−シラン50gを仕込み、撹拌しながら20℃に維持した。これに、イオン交換樹脂アンバーリスト15dry(オルガノ(株)陽イオン交換樹脂)0.25gを添加して高速撹拌した。25℃にて5時間撹拌後、イオン交換樹脂をろ過で除いた。
硬化触媒としてアルミニウムアセチルアセトネートの白色粉体1.6gを添加し、25℃にて3時間撹拌後、Acポリマー1(合成例3にて製造、40質量%ジアセトンアルコール溶液)50gを添加し、1時間撹拌した。こうして得られた塗布溶液は、不揮発分(150℃、0.5時間)33.3質量%、粘度は54.7mm2/s、屈折率1.4495であった。このものは、組成物の比較例4とする。
実施例1,2、比較例1〜4の組成物の詳細は、表3,4にまとめた。
Figure 0005867192
KBM−7603:パーフルオロヘキシルエチルトリメトキシシラン
KBM−403:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
Figure 0005867192
[実施例3,4、比較例5〜8]
表面を清浄化した0.5mmポリカーボネート樹脂板(ユーピロンシート、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)に、実施例組成物として、実施例1及び実施例2のものをフローコーティング法にて塗布し、室温で20分風乾した後、120℃で60分硬化させた。これらを実施例3及び実施例4とする。このようにして得られた塗膜を下記評価方法で評価した。これらを評価したところ、光学特性、膜密着性、硬度特性等いずれも良好であった。
比較例として、同様のポリカーボネート樹脂板に、組成物の比較例1、2、4をフローコーティング法にて塗布し、同一条件で硬化させた。これらを、比較例5、6、8とする。これらを評価したところ、比較例5、6では光学特性が不良であり、比較例5、8では、硬度特性が不良であった。また、組成物の比較例3のものを用いた場合(比較例7)では、沈殿を起こし、塗工用の溶液を調製することができなかった。
各種物性評価の結果を表5、6にまとめた。
本発明の組成物により被膜を施されたプラスチックポリカーボネート樹脂だけが、紫外線遮蔽性に加えて、優れた透明性、膜密着性、耐擦傷性を発現することが可能となった。
実施例中の各種物性の測定及び評価は以下の方法で行った。
(1)塗工性:下記基準により評価した。結果を表6に示す。
○:膜外観が均一で透明
×:膜外観不均一及び/又は濁りがある
(2)膜外観:コーティング膜の塗膜外観を目視にて観察した。
(3)光学特性:紫外線・可視光透過スペクトルの測定により、光学特性の塗膜透明性と紫外線遮蔽能について評価した。
石英ガラス(厚さ1mm)上に形成したコーティング膜の紫外線・可視光透過スペクトルを、日立製作所製分光光度計U−3310により、波長200〜500nmの測定を行った。膜の400nmの透過率で透明性を、350nmの透過率で紫外線遮蔽能を評価した。下記基準による評価結果を表6に示す。
UV遮蔽性
○:波長350nmの光の透過率が1%以下
×:波長350nmの光の透過率が1%を超える
透明性
○:波長400nmの光の透明率が90%以上
×:波長400nmの光の透明率が90%未満
(4)膜密着性は、初期密着性と煮沸密着性について評価した。
初期密着性は、JIS K5400に準拠し、試験片をカミソリの刃で2mm間隔の縦横6本ずつ切れ目を入れて25個の碁盤目を作り、市販のセロハン粘着テープをよく密着させた後、90度手前方向に急激に剥がした時、被膜が剥離せずに残存したマス目数(X)をX/25で表示した。
煮沸密着性は、試験片を沸騰水中に2時間浸漬した後に、目視にて外観観察、及び前記と同様にして密着性試験を行った。
下記基準による評価結果を表6に示す。
○:Xが25(剥離なし)
×:Xが25未満(剥離あり)
(5)硬度特性は、学振式磨耗試験による耐擦傷性で評価した。
学振式磨耗試験機にて加重1kgfを装着し、10回往復後の曇価を測定した。下記基準により評価した。
○: Hz≦2
×: Hz>2
(6)下記基準により総合評価した結果を表6に示す。
○:×となる項目なし
×:×となる項目1つ以上あり
Figure 0005867192
Figure 0005867192

Claims (7)

  1. 下記(A)〜(E)成分を含有することを特徴とするコーティング用組成物。
    (A)成分:以下の(A−1)成分のビスフェノール基含有シランと(A−2)成分のUV吸収基含有シランとの共加水分解縮合物、
    (A−1)成分:
    Figure 0005867192
    (式中、R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基を示す。R5,R6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、R5とR6とが結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜13の炭素環又は複素環を形成してもよく、これらの基に炭素原子を有する場合には、置換基として、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を有することもできる。また、Yは独立に下記式
    Figure 0005867192
    で示される基であり、R10は炭素数2〜6のアルキレン基であり、R11,R12は、独立に炭素数1〜6のアルキル基である。nは0〜2の整数を示す。)
    (A−2)成分:
    Figure 0005867192

    (式中、A1〜A10は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、又はOYであり、A1〜A10のうち少なくとも1つがOYである。Yは上記の通りである。)
    (B)成分:ケイ素酸化物のコロイド粒子、
    (C)成分:反応性シリル基含有アクリル樹脂、
    (D)成分:硬化剤、
    (E)成分:溶剤
  2. (C)成分の反応性シリル基含有アクリル樹脂が、(イ)紫外線吸収性アクリル単量体と(ロ)アルコキシシリル基含有アクリル単量体と(ハ)それ以外のアクリル単量体との共重合体である請求項1に記載のコーティング用組成物。
  3. (D)成分の硬化触媒が、アルミニウム化合物である請求項1又は2に記載のコーティング用組成物。
  4. (E)成分の溶剤が、2つ以上の官能基を有する化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーティング用組成物を製造する方法であって、(A)成分と(B)成分を、予め酸性触媒存在下で加水分解・縮合させることを特徴とするコーティング用組成物の製造方法。
  6. プラスチックレンズ基材上に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物により形成されたハードコート層を設けてなることを特徴とするプラスチックレンズ。
  7. プラスチックレンズ基材がポリカーボネート樹脂基材である請求項6に記載のプラスチックレンズ。
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