JP5867192B2 - コーティング用組成物及びプラスチックレンズ - Google Patents
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Description
(A)成分:ビスフェノール基含有シランとUV吸収基含有シランの共加水分解縮合物、
(B)成分:ケイ素酸化物のコロイド粒子、
(C)成分:反応性シリル基含有アクリル樹脂、
(D)成分:硬化剤、
(E)成分:溶剤
を含有するコーティング用組成物が上記課題の解決に有効であることを見出し、本発明をなすに至った。
[1]
下記(A)〜(E)成分を含有することを特徴とするコーティング用組成物。
(A)成分:以下の(A−1)成分のビスフェノール基含有シランと(A−2)成分のUV吸収基含有シランとの共加水分解縮合物、
(A−1)成分:
(A−2)成分:
(式中、A1〜A10は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、又はOYであり、A1〜A10のうち少なくとも1つがOYである。Yは上記の通りである。)
(B)成分:ケイ素酸化物のコロイド粒子、
(C)成分:反応性シリル基含有アクリル樹脂、
(D)成分:硬化剤、
(E)成分:溶剤
[2]
(C)成分の反応性シリル基含有アクリル樹脂が、(イ)紫外線吸収性アクリル単量体と(ロ)アルコキシシリル基含有アクリル単量体と(ハ)それ以外のアクリル単量体との共重合体である[1]に記載のコーティング用組成物。
[3]
(D)成分の硬化触媒が、アルミニウム化合物である[1]又は[2]に記載のコーティング用組成物。
[4]
(E)成分の溶剤が、2つ以上の官能基を有する化合物である[1]〜[3]のいずれかに記載のコーティング用組成物。
[5]
[1]〜[4]のいずれかに記載のコーティング用組成物を製造する方法であって、(A)成分と(B)成分を、予め酸性触媒存在下で加水分解・縮合させることを特徴とするコーティング用組成物の製造方法。
[6]
プラスチックレンズ基材上に、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物により形成されたハードコート層を設けてなることを特徴とするプラスチックレンズ。
[7]
プラスチックレンズ基材がポリカーボネート樹脂基材である[6]に記載のプラスチックレンズ。
本発明のコーティング用組成物によって形成されたハードコート層は、紫外線遮蔽効果があることにより、紫外線の低減によるプラスチック基材の耐候性の向上を図ることができる。また、煮沸試験に対して優れた耐性を持っているため、密着試験における耐性が飛躍的に向上する。
本発明のコーティング用組成物は、
(A)ビスフェノール基含有シランとUV吸収基含有シランの共加水分解縮合物、
(B)ケイ素酸化物のコロイド粒子、
(C)反応性シリル基含有アクリル樹脂、
(D)硬化触媒、及び
(E)溶剤
を必須成分とするものである。
[(A)成分]
コーティング用組成物に含有させる(A)成分の原料シランは、好ましくは以下のような(A−1)成分のビスフェノール基含有シランと、好ましくは(A−2)成分のUV吸収基含有シランとを共加水分解した縮合物である。
(A−1)成分:
で示される基であり、R10は炭素数2〜6のアルキレン基であり、R11,R12は、独立に炭素数1〜6のアルキル基である。nは0〜2の整数を示す。)
(式中、R1〜R6は上記と同じであり、Y’は、独立に下記式
で示される基であり、R11、R12、nは上記と同じであり、R’は水素原子又は炭素数1〜3のメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基であり、mは0〜4の数である。)
nは0〜2の整数であり、好ましくは0又は1、特に0である。
反応は、室温〜約150℃の範囲で行い得るが、好ましくは25〜約100℃で行われる。トリメトキシシランを用いる場合、反応は、常温〜80℃程度に加温することで、約30分〜2時間程度で完了する。
(式中、A1〜A10は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、又はOYであり、A1〜A10のうち少なくとも1つがOYである。Yは上述した通りである。)
(式中、B1は独立に炭素数1〜10のアルキル基を表し、B2はアリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、ウレイド基、シアノ基及びイソシアナト基からなる群より選ばれる1以上の有機基を含む官能基を表し、B3は炭素数1〜10のアルコキシ基、アルケニロキシ基、アシロキシ基又はアルコキシアルコキシ基を表し、a,bはおのおの0、1及び2のいずれかの整数であり、好ましくは0又は1であり、a+bは0、1及び2のいずれかの整数であり、好ましくは0又は1であり、特に好ましくは1である。)
(B)成分のケイ素酸化物のコロイド粒子は、二酸化ケイ素の微粒子で、コロイダルシリカともいう。コーティング用組成物からなる被膜に耐擦傷性を付与するために含有させるもので、安定性、分散性といった観点から、これらのコロイド粒子を分散媒中に分散させたものが用いられる。特に、水、アルコール等の極性溶剤中に分散された状態(酸化物ゾル)で使用するのが好ましい。
反応性シリル基含有アクリル樹脂は、密着促進剤としての性質を持ち、これを含有したコーティング用組成物を用いることにより、プライマー処理無しにレンズ基材へ密着性の優れたハードコート層を形成することが可能になる。
(D)成分は、硬化触媒で、シラノール基、アルコキシ基等の縮合可能基が縮合する反応を促進する触媒であり、アルコキシシリル基と反応して膜を硬化させる触媒で、アルミニウム触媒が適用できる。
本発明のコーティング用組成物の(E)成分は有機溶剤であり、基材となるポリカーボネート樹脂等のプラスチック基材を溶解させず、組成物成分を溶解し、(A),(B)成分の加水分解溶剤と(C)成分に任意に相溶するものが必要である。極性の高い有機溶剤が主溶剤であることが好ましく、特にアルコールとエーテル、アルコールとケトン、アルコールとエステル、エーテルとエステル等の2官能以上を持つものが望ましい。こうした有機溶剤の具体例としては、アルコールとエーテルの化合物として、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられ、アルコールとケトンの化合物としてジアセトンアルコール等、アルコールとエーテルとエステルの化合物として、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等、エーテルとエステルの化合物として、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等を挙げることができ、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以上の混合物を使用することができる。
本発明のコーティング用組成物には、上記以外に、染色性能を向上させるために染色性付与剤を含有させることができる。この他、コーティング用組成物の分散性を高め、レンズ基材への塗布時に平滑性を向上させてぬれ性を良くするために界面活性剤を含有させたり、硬化反応を促進し、低温硬化を可能にさせるために硬化触媒を含有させたり、耐候性や耐熱性を向上させるために酸化防止剤を含有させたりすることも可能である。
このようにして得られたコーティング用組成物の塗布方法としては、通常の塗布方法で基材にコーティングすることができ、例えば、刷毛塗り、スプレー、浸漬、フローコート、ロールコート、カーテンコート、スピンコート、ナイフコート等の各種塗布方法を選択することができる。この場合、本発明のコーティング用組成物は、プラスチック基材に対し、必ずしもプライマー処理することなく、直接コーティングすることができる。
[合成例1] ビスフェノール基含有シランの合成
窒素導入管、撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えたフラスコに、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン92.6g(0.406モル)とメチルイソブチルケトン(MIBKと略記)500gを入れ、撹拌することで溶解させた。これに、アリルブロマイド100g(0.82モル)と無水炭酸カリウム138g(1モル)を加え、オイルバスにより110℃で5時間加熱しながら激しく撹拌した。
生成した臭化カリウムの塩をろ過により除いた。この反応溶液から減圧ストリップによりMIBKを除いたところ、約90gの2,2’−ビス(4−アリロキシフェニル)プロパンの透明オイルを得た。これに、トルエンを加え、水洗した後、再度減圧ストリップすることで83.9g(0.272モル)の無色透明オイル状の2,2’−ビス(4−アリロキシフェニル)プロパンを得た(収率67%、粘度48.8mm2/s、屈折率1.5629(波長589nm))。
温度を65℃で2時間保ち、しかる後に反応混合物を冷却した。ワコーゲルC−100の5gを加え、白金触媒を吸着濾過して除去した後、溶剤を減圧ストリップにより除き、無色透明のオイル状物53g(0.096モル)を得た(粘度198mPa・s、屈折率1.5145(589nm))。NMRスペクトルは2,2’−ビス(4−トリメトキシシリルプロポキシフェニル)プロパンの構造と一致した。収率は96%であった。このシランは、ビスフェノール−シランと略記する。
4−アリロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(25.4g、0.1モル、アルドリッチ社製)を70mlのトルエン中に懸濁した。温度を60℃に上げて溶解させ、これに白金触媒・塩化白金酸とテトラメチルジビニルジシロキサン反応物(1質量%白金含有量のトルエン溶液)を2滴加え、温度65℃でトリメトキシシラン(29.3g、0.24モル)を滴下で加えた。
温度を約65〜85℃に約1〜2時間保ち、しかる後に反応混合物を冷却し、ワコーゲルC−100の5gを加え、白金触媒を吸着させた後、濾過し、溶剤を減圧ストリップにより除き、赤色のオイル状物34.8g(0.092モル)を得た。主成物のNMRスペクトルは2−ヒドロキシ−4−トリメトキシシリルプロポキシベンゾフェノンの構造と一致した。収率は92%であった。このシランは、UV吸収−シランと略記する。
[合成例3]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに溶剤としてジアセトンアルコール248gを仕込み、窒素気流下にて80℃に加熱した。
ここに予め調製しておいたモノマー混合溶液(2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(RUVAモノマーと略記、大塚化学(株)製)72g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503と略記、信越化学工業(株)製)80g、メチルメタクリレート(MMAと略記)270g、ジアセトンアルコール(DAAと略記)600g)のうち400g及び予め調製しておいた重合開始剤としてのV−59(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))3gをジアセトンアルコール200gに溶解した溶液のうち150gを順次投入した。
80℃で30分反応させた後、残りのモノマー混合溶液と残りの重合開始剤溶液を同時に80〜90℃で1.5時間かけて滴下した。更に、80〜90℃で5時間撹拌した。
得られた共重合体溶液の粘度は5370mPa・sであり、またその共重合体中の紫外線吸収性単位の含有量は18質量%、アルコキシシリル基単位の含有量は20質量%である。また、標準ポリスチレンを基準とするGPC分析による重量平均分子量は27,600であった。この共重合体溶液をAcポリマー1とする。
KBM−503の替わりに、GMA(グリシジルメタクリレート)を用いた以外は、合成例3と同様に行った。この共重合体溶液をAcポリマー2とする。
(注) KBM−503:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
RUVAモノマー:2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチ ル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(RUVA−9
3、大塚化学(株)製)
これらの組成及び溶液物性については、表1,2にまとめた。
GMA:グリシジルメタクリレート
RUVAモノマー:2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
MMA:メチルメタクリレート
DAA:ジアセトンアルコール
V−59:2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)
[実施例1]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル125g、イオン交換水21g、IPAシリカゾル74g(日産化学工業(株)製IPA分散コロイダルシリカ、シリカ含有量30質量%)、ビスフェノール−シラン50gとUV吸収−シラン50gを仕込み、撹拌しながら20℃に維持した。これに、イオン交換樹脂アンバーリスト15dry(オルガノ(株)陽イオン交換樹脂)0.25gを添加して高速撹拌した。25℃にて5時間撹拌後、イオン交換樹脂をろ過で除いた。
硬化触媒としてアルミニウムアセチルアセトネートの白色粉体1.6gを添加し、25℃にて3時間撹拌後、Acポリマー1(合成例3にて製造、40質量%ジアセトンアルコール溶液)50g、PMA−ST(日産化学工業(株)製、シリカゾルの30質量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液)5gを添加し、1時間撹拌した。こうして得られた塗布溶液は、不揮発分(150℃、0.5時間)33.3質量%、粘度は33.5mm2/s、屈折率1.4374であった。このものを組成物の実施例1とする。
ビスフェノール−シラン50gの替わりに、ビスフェノール−シラン25gとKBM−7603(信越化学工業(株)製シラン,パーフルオロヘキシルエチルトリメトキシシラン)25gを用いた以外は、実施例1と同様に行った。こうして得られた塗布溶液は、不揮発分(150℃、0.5時間)35.1質量%、粘度は34.0mm2/s、屈折率1.4326であった。このものを組成物の実施例2とする。
Acポリマー1(合成例3にて製造)50gの替わりに、Acポリマー2(合成例4にて製造)50gを用いた以外は、実施例1と同様に行った。こうして得られた塗布溶液は、不揮発分(150℃、0.5時間)33.2質量%、粘度は33.7mm2/s、屈折率1.4378であった。このものを組成物の比較例1とする。
ビスフェノール−シラン50gの替わりに、KBM−7603(信越化学工業(株)製シラン)50gを用いた以外は、実施例1と同様に行った。こうして得られた塗布溶液は、不揮発分(150℃、0.5時間)33.5質量%、粘度は20.6mm2/s、屈折率1.4224であった。このものを組成物の比較例2とする。
ビスフェノール−シラン50gとUV吸収−シラン50gの替わりに、KBM−403(信越化学工業(株)製シラン(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン))50gとKBM−7603(信越化学工業(株)製シラン(パーフルオロヘキシルエチルトリメトキシシラン))50gを用いた以外は、実施例1と同様に行った。こうして得られた溶液は、アクリル樹脂が沈殿し、良好な塗布溶液を得ることはできなかった。
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル125g、イオン交換水21g、ビスフェノール−シラン50gとUV吸収−シラン50gを仕込み、撹拌しながら20℃に維持した。これに、イオン交換樹脂アンバーリスト15dry(オルガノ(株)陽イオン交換樹脂)0.25gを添加して高速撹拌した。25℃にて5時間撹拌後、イオン交換樹脂をろ過で除いた。
硬化触媒としてアルミニウムアセチルアセトネートの白色粉体1.6gを添加し、25℃にて3時間撹拌後、Acポリマー1(合成例3にて製造、40質量%ジアセトンアルコール溶液)50gを添加し、1時間撹拌した。こうして得られた塗布溶液は、不揮発分(150℃、0.5時間)33.3質量%、粘度は54.7mm2/s、屈折率1.4495であった。このものは、組成物の比較例4とする。
実施例1,2、比較例1〜4の組成物の詳細は、表3,4にまとめた。
表面を清浄化した0.5mmポリカーボネート樹脂板(ユーピロンシート、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)に、実施例組成物として、実施例1及び実施例2のものをフローコーティング法にて塗布し、室温で20分風乾した後、120℃で60分硬化させた。これらを実施例3及び実施例4とする。このようにして得られた塗膜を下記評価方法で評価した。これらを評価したところ、光学特性、膜密着性、硬度特性等いずれも良好であった。
比較例として、同様のポリカーボネート樹脂板に、組成物の比較例1、2、4をフローコーティング法にて塗布し、同一条件で硬化させた。これらを、比較例5、6、8とする。これらを評価したところ、比較例5、6では光学特性が不良であり、比較例5、8では、硬度特性が不良であった。また、組成物の比較例3のものを用いた場合(比較例7)では、沈殿を起こし、塗工用の溶液を調製することができなかった。
各種物性評価の結果を表5、6にまとめた。
本発明の組成物により被膜を施されたプラスチックポリカーボネート樹脂だけが、紫外線遮蔽性に加えて、優れた透明性、膜密着性、耐擦傷性を発現することが可能となった。
(1)塗工性:下記基準により評価した。結果を表6に示す。
○:膜外観が均一で透明
×:膜外観不均一及び/又は濁りがある
(2)膜外観:コーティング膜の塗膜外観を目視にて観察した。
(3)光学特性:紫外線・可視光透過スペクトルの測定により、光学特性の塗膜透明性と紫外線遮蔽能について評価した。
石英ガラス(厚さ1mm)上に形成したコーティング膜の紫外線・可視光透過スペクトルを、日立製作所製分光光度計U−3310により、波長200〜500nmの測定を行った。膜の400nmの透過率で透明性を、350nmの透過率で紫外線遮蔽能を評価した。下記基準による評価結果を表6に示す。
UV遮蔽性
○:波長350nmの光の透過率が1%以下
×:波長350nmの光の透過率が1%を超える
透明性
○:波長400nmの光の透明率が90%以上
×:波長400nmの光の透明率が90%未満
(4)膜密着性は、初期密着性と煮沸密着性について評価した。
初期密着性は、JIS K5400に準拠し、試験片をカミソリの刃で2mm間隔の縦横6本ずつ切れ目を入れて25個の碁盤目を作り、市販のセロハン粘着テープをよく密着させた後、90度手前方向に急激に剥がした時、被膜が剥離せずに残存したマス目数(X)をX/25で表示した。
煮沸密着性は、試験片を沸騰水中に2時間浸漬した後に、目視にて外観観察、及び前記と同様にして密着性試験を行った。
下記基準による評価結果を表6に示す。
○:Xが25(剥離なし)
×:Xが25未満(剥離あり)
(5)硬度特性は、学振式磨耗試験による耐擦傷性で評価した。
学振式磨耗試験機にて加重1kgfを装着し、10回往復後の曇価を測定した。下記基準により評価した。
○: Hz≦2
×: Hz>2
(6)下記基準により総合評価した結果を表6に示す。
○:×となる項目なし
×:×となる項目1つ以上あり
Claims (7)
- 下記(A)〜(E)成分を含有することを特徴とするコーティング用組成物。
(A)成分:以下の(A−1)成分のビスフェノール基含有シランと(A−2)成分のUV吸収基含有シランとの共加水分解縮合物、
(A−1)成分:
(A−2)成分:
(式中、A1〜A10は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、又はOYであり、A1〜A10のうち少なくとも1つがOYである。Yは上記の通りである。)
(B)成分:ケイ素酸化物のコロイド粒子、
(C)成分:反応性シリル基含有アクリル樹脂、
(D)成分:硬化剤、
(E)成分:溶剤 - (C)成分の反応性シリル基含有アクリル樹脂が、(イ)紫外線吸収性アクリル単量体と(ロ)アルコキシシリル基含有アクリル単量体と(ハ)それ以外のアクリル単量体との共重合体である請求項1に記載のコーティング用組成物。
- (D)成分の硬化触媒が、アルミニウム化合物である請求項1又は2に記載のコーティング用組成物。
- (E)成分の溶剤が、2つ以上の官能基を有する化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング用組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーティング用組成物を製造する方法であって、(A)成分と(B)成分を、予め酸性触媒存在下で加水分解・縮合させることを特徴とするコーティング用組成物の製造方法。
- プラスチックレンズ基材上に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物により形成されたハードコート層を設けてなることを特徴とするプラスチックレンズ。
- プラスチックレンズ基材がポリカーボネート樹脂基材である請求項6に記載のプラスチックレンズ。
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