JP2005213517A - コーティング剤組成物及び被覆物品 - Google Patents
コーティング剤組成物及び被覆物品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005213517A JP2005213517A JP2005106089A JP2005106089A JP2005213517A JP 2005213517 A JP2005213517 A JP 2005213517A JP 2005106089 A JP2005106089 A JP 2005106089A JP 2005106089 A JP2005106089 A JP 2005106089A JP 2005213517 A JP2005213517 A JP 2005213517A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- coating agent
- agent composition
- mixture
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
R3 aSi(R4)4-a (1)
(R3は有機基、R4はアルコキシ基、アルケニロキシ基、アシロキシ基又はアルコキシアルコキシ基、aは0,1又は2。)で示されるシラン化合物及び/又はその加水分解物
(B)チタンテトラアルコキシド及びM(OR)n(Mは、Zr,Fe,Al,Zn,In,Cu,Si,Sn,W,Mgから選ばれ、nはその金属の原子価、Rはアルキル基又は水素原子)で表される金属アルコキシドを含有する混合物(b−1)のβ−ジケトンとの反応物及び/又は混合物の加水分解・縮合物
を含有するコーティング剤組成物。
【効果】 本発明のコーティング剤組成物は、これにより被膜を施されたプラスチック物品、特にポリカーボネート樹脂に優れた透明性、耐擦傷性、耐候性、耐薬品性を付与することが可能である。
【選択図】 なし
Description
[I](A)下記式(1)
R3 aSi(R4)4-a (1)
(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、(メタ)アクリロオキシ基、メルカプト基、アミノ基もしくはシアノ基を有する有機基を表し、R4は炭素数1〜10のアルコキシ基、アルケニロキシ基、アシロキシ基又はアルコキシアルコキシ基、aは0,1又は2である。)で示されるシラン化合物及び/又はその加水分解物 100重量部、
(B)チタンテトラアルコキシド及びM(OR)n(但し、Mは、Zr,Fe,Al,Zn,In,Cu,Si,Sn,W,Mgから選ばれる少なくとも1種の金属、nはその金属の原子価、Rは炭素数1〜10のアルキル基又は水素原子)で表される金属アルコキシドを含有する混合物(b−1)のβ−ジケトンとの反応物及び/又は混合物の加水分解・縮合物 0.1〜50重量部
を含有することを特徴とするコーティング剤組成物。
[II](B)成分が、上記混合物(b−1)を溶媒中、一般式R1COCH2COR2(但し、R1,R2は互いに同じでも異なっていてもよい炭素数1〜6のアルキル基)で表されるβ−ジケトンと反応させ、更に加水分解・縮合反応させることにより得られた加水分解・縮合物であることを特徴とする[I]記載のコーティング剤組成物。
[III](B)成分が、上記混合物(b−1)を一般式R1COCH2COR2(但し、R1,R2は互いに同じでも異なっていてもよい炭素数1〜6のアルキル基)で表されるβ−ジケトンを含有する溶媒中で加水分解・縮合反応させることにより得られた加水分解・縮合物であることを特徴とする[I]記載のコーティング剤組成物。
[IV]β−ジケトンの量が、上記混合物(b−1)に対して0.5〜2倍モル等量であることを特徴とする[I]〜[III]のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
[V]加水分解・縮合反応に用いる水の量が、上記混合物(b−1)に対して3.1〜15倍モル等量であることを特徴とする[I]〜[IV]のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
[VI]上記混合物(b−1)中のチタンテトラアルコキシドと上記金属アルコキシドとの割合が、チタンテトラアルコキシドのTiO2換算で100重量部に対し、金属アルコキシドの酸化物換算で0.01〜50重量部であることを特徴とする[I]〜[V]のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
[VII](B)成分が、平均粒径100nm以下のβ−ジケトン基を含有する金属酸化物微粒子であることを特徴とする[I]〜[VI]のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
[VIII](B)成分が、350nm以下の紫外線を吸収するものであることを特徴とする[I]〜[VII]のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
[IX]更に(C)成分として、セリウム及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種の原子を含有し、波長が400nm以下の光線を吸収する無機酸化物微粒子を(A)成分100重量部に対して0.1〜100重量部含有することを特徴とする[I]〜[VIII]のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
[X]更に(D)成分として、コロイダルシリカを(A)成分100重量部に対して1〜200重量部含有することを特徴とする[I]〜[IX]のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
[XI]更に、分子内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部含有することを特徴とする[I]〜[X]のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
[XI](i)アルコキシシリル基を含有するアクリル系及び/又はビニル系単量体と共重合可能な他の単量体との有機共重合体であり、この共重合体中のアルコキシシリル基を含有するアクリル系及び/又はビニル系単量体の比率が0.1〜50重量%である有機共重合体100重量部と、チタンテトラアルコキシド及びM(OR)n(但し、Mは、Zr,Fe,Al,Zn,In,Cu,Si,Sn,W,Mgから選ばれる少なくとも1種の金属、nはその金属の原子価、Rは炭素数1〜10のアルキル基又は水素原子)で表される金属アルコキシドを含有する混合物(b−1)のβ−ジケトンとの反応物及び/又は混合物の加水分解・縮合物0.1〜50重量部とを含有するコーティング剤組成物の有機溶剤溶液をプライマーとしてプラスチック基体上に塗布し、
(ii)溶剤を蒸発させて被膜を硬化させ、下塗り層を形成し、
(iii)次いで、この被膜上に上記[I]〜[XI]のいずれかに記載のコーティング剤組成物を塗布し、
(iv)50〜140℃の温度でこの塗布膜を硬化させる
ことを特徴とするプラスチック基体を耐候性、耐磨耗性の被膜で被覆する方法。
[XII](i)アルコキシシリル基を含有するアクリル系及び/又はビニル系単量体と共重合可能な他の単量体との有機共重合体であり、この共重合体中のアルコキシシリル基を含有するアクリル系及び/又はビニル系単量体の比率が0.1〜50重量%である有機共重合体100重量部と、チタンテトラアルコキシド及びM(OR)n(但し、Mは、Zr,Fe,Al,Zn,In,Cu,Si,Sn,W,Mgから選ばれる少なくとも1種の金属、nはその金属の原子価、Rは炭素数1〜10のアルキル基又は水素原子)で表される金属アルコキシドを含有する混合物(b−1)のβ−ジケトンとの反応物及び/又は混合物の加水分解・縮合物0.1〜50重量部とを含有するコーティング剤組成物の有機溶剤溶液をプラスチック基体上に塗布し、
(ii)溶剤を蒸発させて被膜を硬化させ、下塗り層を形成し、
(iii)次いで、この被膜上に下記一般式(2)
R7 eSi(OR8)4-e (2)
(式中、R7は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、(メタ)アクリロオキシ基、メルカプト基、アミノ基もしくはシアノ基を有する有機基を表し、R8は水素原子又は炭素数1〜10の1価の有機基、eは0,1又は2である。)で示されるアルコキシシランの加水分解物又は共加水分解物にコロイダルシリカを添加してなるコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物を塗布し、
(iv)50〜140℃の温度でこの塗布膜を硬化させる
ことを特徴とするプラスチック基体を耐候性、耐磨耗性の被膜で被覆する方法。
本発明に係わるコーティング剤は、
(A)加水分解性基含有シリル基を有する有機ケイ素化合物 100重量部、
(B)チタンテトラアルコキシド及びM(OR)n(但し、Mは、Zr,Fe,Al,Zn,In,Cu,Si,Sn,W,Mgから選ばれる少なくとも1種の金属、nはその金属の原子価、Rは炭素数1〜10のアルキル基又は水素原子)で表される金属アルコキシドを含有する混合物(b−1)のβ−ジケトンとの反応物及び/又は混合物の加水分解・縮合物 0.1〜50重量部
を含有する。
(A−1)下記式(1)
R3 aSi(R4)4-a (1)
(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、(メタ)アクリロオキシ基、メルカプト基、アミノ基もしくはシアノ基を有する有機基を表し、R4は炭素数1〜10のアルコキシ基、アルケニロキシ基、アシロキシ基又はアルコキシアルコキシ基、aは0,1又は2である。)で示されるシラン化合物及び/又はその加水分解物であるか、又は、
(A−2)アルコキシシリル基を含有するアクリル系及び/又はビニル系単量体と共重合可能な他の単量体との有機共重合体であり、この共重合体中のアルコキシシリル基を含有するアクリル系及び/又はビニル系単量体の比率が0.1〜50重量%である
ものが好ましい。以下、成分(A−1)、(A−2)につき詳述する。
本発明の成分(A−1)は、下記一般式(1)で示されるシラン化合物及び/又はその(部分)加水分解物である。
R3 aSi(R4)4-a (1)
本発明の成分(A−2)は有機共重合体樹脂であり、アルコキシシリル基を含有するアクリル系及び/又はビニル基系単量体とこれら単量体と共重合可能な他の単量体との有機共重合体である。このものはアルコキシシリル基の導入により基材との接着性が向上するし、アルコキシシリル基同士が架橋することにより、耐熱性が向上し、耐久性を付与できる。この場合、このアルコキシシリル基を含有する単量体の含有量は0.1重量%未満では耐熱性、耐久性が改良されず好ましくない。また50重量%を超えると硬くなりすぎて接着性が低下するので好ましくない。従って、0.1〜50重量%、より好ましくは1〜40重量%、更に好ましくは5〜30重量%の範囲で含有することが好ましい。
(1)上記混合物(b−1)を溶媒中、一般式R1COCH2COR2(但し、R1,R2は互いに同じでも異なっていてもよい炭素数1〜6のアルキル基)で表されるβ−ジケトンと反応させ、更に加水分解・縮合反応させることにより得られた反応生成物であるか、又は
(2)上記混合物(b−1)を一般式R1COCH2COR2(但し、R1,R2は互いに同じでも異なっていてもよい炭素数1〜6のアルキル基)で表されるβ−ジケトンを含有する溶媒中で加水分解・縮合反応させることにより得られた反応物である
ことが好ましい。
R1COCH2COR2
ここで、R1,R2は互いに同じでも異なっていてもよい炭素数1〜6のアルキル基である。このR1,R2としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基などが挙げられる。このβ−ジケトン類の具体例としては、アセチルアセトン、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタン−ジオンなどが挙げられる。これらのうち、特にアセチルアセトンが好ましい。これらのβ−ジケトン類は1種単独で又は2種以上を混合して使用することもできる。
アミノ基含有アルコキシシランとしては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−(トリメトキシシリルプロピル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(トリエトキシシリルプロピル)アミノプロピルトリエトキシシラン、2−(トリメトキシシリルプロピル)アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−(トリエトキシシリルプロピル)アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが例示される。
なお、ここで使用されるシリル化剤としては、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ホルムアミド、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレアなどが例示されるが、このものはアミノ基含有アルコキシシランとエポキシ基含有アルコキシシランとの反応により、生成するOH基を保護してOH基とアルコキシシリル基との反応を防止してこの反応生成物の経時変化を防止するためのものである。
R7 eSi(OR8)4-e (2)
(式中、R7は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、(メタ)アクリロオキシ基、メルカプト基、アミノ基もしくはシアノ基を有する有機基を表し、R8は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基等の1価の有機基、eは0,1又は2である。)
で示されるアルコキシシランの加水分解物又は共加水分解物に1〜100nmのシリカ微粒子を水又はメタノール、エタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコールを分散させたコロイダルシリカを5〜70重量%添加したものなどを塗布し、加熱硬化、好ましくは50〜140℃に加熱硬化させると、このプラスチック成形品はその表面に本発明のプライマー用コーティング剤組成物が塗布されていることから、このプライマー塗膜と本発明のコーティング剤被膜、或いはオルガノポリシロキサンとの相乗作用により接着性、耐磨耗性も良好で、優れた紫外線吸収能のため、耐候性、耐候安定性が優れるという有利性が与えられる。
<成分(1)の合成>
[合成例1]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、チタンテトライソプロポキシド170.6g(0.6モル)、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド38.4g(0.1モル)を仕込み、室温で撹拌しながら滴下ロートによりアセチルアセトン70g(0.7モル)を30分間で滴下した。それにより内温は63℃まで上昇した。そのまま1時間室温で撹拌熟成を行い、黄色透明溶液状の加水分解性金属化合物を得た。次いで70℃まで加熱により内温を上昇させたところに、3%塩酸水溶液44.6g(水2.38モル)を20分間で滴下した。その後70〜80℃で10時間反応させることにより、pHが2.79の薄黄褐色透明の溶液を得た。このものの固形分濃度は29.2%であった。このものの固形分濃度が0.05g/lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったところ、350nm以下の波長を吸収するものであった。
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、チタンテトライソプロポキシド170.6g(0.6モル)、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド38.4g(0.1モル)を仕込み、室温で撹拌しながら滴下ロートによりアセチルアセトン49.1g(0.49モル)を30分間で滴下した。それにより内温は64℃まで上昇した。そのまま1時間室温で撹拌熟成を行い、黄色透明溶液状の加水分解性金属化合物を得た。次いで70℃まで加熱により内温を上昇させたところに、3%塩酸水溶液44.6g(水2.38モル)を20分間で滴下した。その後70〜80℃で10時間反応させることにより、pHが3.05の薄黄色透明の溶液を得た。このものの固形分濃度は30.4%であった。このものの固形分濃度が0.05g/lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったところ、350nm以下の波長を吸収するものであった。
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、チタンテトライソプロポキシド170.6g(0.6モル)、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド38.4g(0.1モル)を仕込み、室温で撹拌しながら滴下ロートによりアセチルアセトン70g(0.7モル)を30分間で滴下した。それにより内温は63℃まで上昇した。そのまま1時間室温で撹拌熟成を行い、黄色透明溶液状の加水分解性金属化合物を得た。次いで70℃まで加熱により内温を上昇させたところに、3%塩酸水溶液77.9g(水4.2モル)を40分間で滴下した。その後70〜80℃で10時間反応させることにより、pHが1.62の薄黄色透明の溶液を得た。このものの固形分濃度は22.6%であった。このものの固形分濃度が0.05g/lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったところ、350nm以下の波長を吸収するものであった。
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、チタンテトライソプロポキシド170.6g(0.6モル)、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド38.4g(0.1モル)を仕込み、室温で撹拌しながら滴下ロートによりアセチルアセトン70g(0.7モル)を30分間で滴下した。それにより内温は63℃まで上昇した。そのまま1時間室温で撹拌熟成を行い、黄色透明溶液状の加水分解性金属化合物を得た。次いで70℃まで加熱により内温を上昇させたところに、3%塩酸水溶液103.9g(水5.6モル)を40分間で滴下した。その後70〜80℃で10時間反応させることにより、pHが1.14であり、平均粒径が60nmの薄黄微濁ゾル溶液を得た。このものの固形分濃度は21.3%であった。このものの固形分濃度が0.05g/lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったところ、350nm以下の波長を吸収するものであった。
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、チタンテトライソプロポキシド170.6g(0.6モル)、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド38.4g(0.1モル)を仕込み、室温で撹拌しながら滴下ロートによりアセチルアセトン70g(0.7モル)を30分間で滴下した。それにより内温は63℃まで上昇した。そのまま1時間室温で撹拌熟成を行い、黄色透明溶液状の加水分解性金属化合物を得た。次いで70℃まで加熱により内温を上昇させたところに、3%塩酸水溶液129.9g(水7.0モル)を60分間で滴下した。その後70〜80℃で10時間反応させることにより、pH1.02で、平均粒径が80nmの薄黄微濁ゾル溶液を得た。このものの固形分濃度は20.0%であった。このものの固形分濃度が0.05g/lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったところ、350nm以下の波長を吸収するものであった。
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、チタンテトライソプロポキシド170.6g(0.6モル)、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド38.4g(0.1モル)及びトリエトキシ鉄(III)を仕込み、室温で撹拌しながら滴下ロートによりアセチルアセトン70g(0.7モル)を30分間で滴下した。それにより内温は62℃まで上昇した。そのまま1時間室温で撹拌熟成を行い、黄色透明溶液状の加水分解性金属化合物を得た。次いで70℃まで加熱により内温を上昇させたところに、3%塩酸水溶液44.6g(水2.38モル)を20分間で滴下した。その後70〜80℃で10時間反応させることにより、pH2.81の赤褐色透明の溶液を得た。このものの固形分濃度は30.1%であった。このものの固形分濃度が0.05g/lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったところ、350nm以下の波長を吸収するものであった。
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、チタンテトライソプロポキシド170.6g(0.6モル)、テトラエトキシシラン37.4g(0.18モル)を仕込み、室温で撹拌しながら滴下ロートによりアセチルアセトン70g(0.7モル)を30分間で滴下した。それにより内温は59℃まで上昇した。そのまま1時間室温で撹拌熟成を行い、黄色透明溶液状の加水分解性金属化合物を得た。次いで70℃まで加熱により内温を上昇させたところに、3%塩酸水溶液49.2g(水2.65モル)を20分間で滴下した。その後70〜80℃で10時間反応させることにより、pHが2.06の薄黄褐色透明の溶液を得た。このものの固形分濃度は32.8%であった。このものの固形分濃度が0.05g/lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったところ、350nm以下の波長を吸収するものであった。
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、チタンテトライソプロポキシド170.6g(0.6モル)、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド38.4g(0.1モル)を仕込み、室温で撹拌しながら滴下ロートによりアセチルアセトン70g(0.7モル)を30分間で滴下した。それにより内温は63℃まで上昇した。そのまま1時間室温で撹拌熟成を行い、黄色透明溶液状の加水分解性金属化合物を得た。次いで70℃まで加熱により内温を上昇させたところに、3%酢酸水溶液44.6g(水2.38モル)を20分間で滴下した。その後70〜80℃で10時間反応させることにより、pHが6.89の薄黄褐色透明の溶液を得た。このものの固形分濃度は32.5%であった。このものの固形分濃度が0.05g/lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったところ、350nm以下の波長を吸収するものであった。
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、チタンテトライソプロポキシド170.6g(0.6モル)、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド38.4g(0.1モル)を仕込み、室温で撹拌しながら滴下ロートによりアセチルアセトン140g(1.4モル)を45分間で滴下した。それにより内温は68℃まで上昇した。そのまま1時間室温で撹拌熟成を行い、黄色透明溶液状の加水分解性金属化合物を得た。次いで70℃まで加熱により内温を上昇させたところに、6.9%アンモニア水溶液46.0g(水2.38モル)を20分間で滴下した。その後70〜80℃で10時間反応させることにより、pHが6.76の薄黄褐色透明の溶液を得た。このものの固形分濃度は27.5%であった。このものの固形分濃度が0.05g/lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったところ、350nm以下の波長を吸収するものであった。
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、チタンテトライソプロポキシド170.6g(0.6モル)、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド38.4g(0.1モル)を仕込み、室温で撹拌しながら滴下ロートによりアセチルアセトン140g(1.4モル)を45分間で滴下した。それにより内温は72℃まで上昇した。そのまま1時間室温で撹拌熟成を行い、黄色透明溶液状の加水分解性金属化合物を得た。次いで室温下で6.9%アンモニア水溶液46.0g(水2.38モル)を20分間で滴下した。その後室温下で20時間反応させたところ、黄白色沈殿が生成した。これを濾過、アセトン洗浄後、60℃で3時間減圧乾燥を行い、121gの黄白色粉末物質を得た。このものの固形分濃度が0.05g/lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったところ、350nm以下の波長を吸収するものであった。また、このものの元素分析測定を行ったところ、C:44.9%、H:5.3%という結果が得られ、ほぼ理論値通りアセチルアセトナート基を含有していることを確認した。
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、チタンテトライソプロポキシド170.6g(0.6モル)、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド38.4g(0.1モル)を仕込み、室温で撹拌しながら滴下ロートによりアセチルアセトン60g(0.6モル)と2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン18.4g(0.1モル)を35分間で滴下した。それにより内温は62℃まで上昇した。そのまま1時間室温で撹拌熟成を行い、黄色透明溶液状の加水分解性金属化合物を得た。次いで70℃まで加熱により内温を上昇させたところに、3%塩酸水溶液44.6g(水2.38モル)を20分間で滴下した。その後70〜80℃で10時間反応させることにより、pHが2.80の薄黄褐色透明の溶液を得た。このものの固形分濃度は30.5%であった。このものの固形分濃度が0.05g/lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったところ、350nm以下の波長を吸収するものであった。
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、チタンテトライソプロポキシド199.0g(0.7モル)を仕込み、室温で撹拌しながら滴下ロートによりアセチルアセトン70g(0.7モル)を30分間で滴下した。それにより内温は68℃まで上昇した。そのまま1時間室温で撹拌熟成を行い、黄色透明溶液状の加水分解性金属化合物を得た。次いで70℃まで加熱により内温を上昇させたところに、3%塩酸水溶液19.5g(水1.05モル)を20分間で滴下した。その後70〜80℃で10時間反応させることにより、pHが2.70の褐色透明の溶液を得た。このものの固形分濃度は28.9%であった。このものの固形分濃度が0.05g/lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったところ、300nm以下の波長を吸収するものでしかなかった。
[合成例13]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、アセチルアセトン140g(1.4モル)、6.9%塩酸水溶液46.0g(水2.38モル)を仕込み、撹拌しながら70℃に加熱した。そこにチタンテトライソプロポキシド170.6g(0.6モル)、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド38.4g(0.1モル)の混合溶液を滴下ロートにより60分間で滴下した。それにより内温は80℃まで上昇した。そのまま10時間撹拌熟成を行い、pH1.35の黄褐色透明の溶液を得た。このものの固形分濃度は35.8%であった。このものの固形分濃度が0.05g/lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったところ、350nm以下の波長を吸収するものであった。
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、アセチルアセトン140g(1.4モル)、6.9%アンモニア水溶液46.0g(水2.38モル)を仕込み、撹拌しながら70℃に加熱した。そこにチタンテトライソプロポキシド170.6g(0.6モル)、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド38.4g(0.1モル)の混合溶液を滴下ロートにより60分間で滴下した。それにより内温は82℃まで上昇した。そのまま10時間撹拌熟成を行い、pH7.00の黄褐色微濁の溶液を得た。このものの固形分濃度は27.8%であった。このものの固形分濃度が0.05g/lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったところ、350nm以下の波長を吸収するものであった。
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、アセチルアセトン70g(0.7モル)、6.9%塩酸水溶液46.0g(水2.38モル)を仕込み、撹拌しながら70℃に加熱した。そこにチタンテトライソプロポキシド170.6g(0.6モル)、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド38.4g(0.1モル)の混合溶液を滴下ロートにより60分間で滴下した。それにより内温は79℃まで上昇した。そのまま10時間撹拌熟成を行い、pH1.03の黄褐色透明の溶液を得た。このものの固形分濃度は31.2であった。このものの固形分濃度が0.05g/lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったところ、350nm以下の波長を吸収するものであった。
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、アセチルアセトン140g(1.4モル)、6.9%塩酸水溶液56.8g(水2.94モル)を仕込み、撹拌しながら70℃に加熱した。そこにチタンテトライソプロポキシド170.6g(0.6モル)、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド38.4g(0.1モル)の混合溶液を滴下ロートにより60分間で滴下した。それにより内温は85℃まで上昇した。そのまま10時間撹拌熟成を行い、pH1.00の黄褐色透明の溶液を得た。このものの固形分濃度は24.9%であった。このものの固形分濃度が0.05g/lになるようにエタノールで希釈した溶液を使用して吸光度分析を行ったところ、350nm以下の波長を吸収するものであった。
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた1.0リットルフラスコに、アセチルアセトン70g(0.7モル)、3%塩酸水溶液259.8g(14モル)を仕込み、撹拌しながら70℃に加熱した。そこにチタンテトライソプロポキシド199.0g(0.7モル)を滴下ロートにより60分間で滴下した。それにより内温は80℃まで上昇し、そのまま撹拌熟成を行ったが、30分後にゲル化した。
[合成例18]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコにγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20g、メチルメタクリレート60g、エチルアクリレート5g、酢酸ビニル5g、グリシジルメタクリレート10g、エチレングリコールジメタクリレート0.2g及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.5g並びに溶剤としてジアセトンアルコール20g、エチレングリコールモノメチルエーテル80gを仕込み、窒素気流下にて80〜90℃で5時間撹拌した。得られたアルコキシシリル基を含有する有機共重合体溶液の粘度は43,600cst、またその共重合体中のアルコキシル基含有量は20%であった。
合成例18のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20gを10gに、メチルメタクリレート60gを70gに代えた以外は合成例18と同様に合成してアルコキシシリル基を含有する有機共重合体溶液を作製した。得られたアルコキシシリル基を含有する有機共重合体溶液の粘度は40,600cst、またその共重合体中のアルコキシル基含有量は10%であった。
合成例18のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20gをビニルトリメトキシシラン20gに代えた以外は合成例18と同様に合成してアルコキシシリル基を含有する有機共重合体溶液を作製した。得られたアルコキシシリル基を含有する有機共重合体溶液の粘度は39,700cst、またその共重合体中のアルコキシル基含有量は20%であった。
[合成例21]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2.0リットルフラスコにN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン222gとシリル化剤としてのヘキサメチルジシラザン242gを仕込んで窒素気流下に120℃に加熱し、ここにγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン496gを滴下して反応させ、120℃で5時間加熱撹拌したのち、低沸点分を減圧下100℃で除去したところ、粘度1,387cS、屈折率1.4618、比重1.048の粘稠な化合物862gが得られた。
[合成例22]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた1.0リットルフラスコにメチルトリエトキシシラン164g、イソブタノール46gを仕込み、氷冷下に撹拌しながら5℃以下に維持し、ここに5℃以下としたコロイダルシリカ(SiO220%含有品)138gを添加して氷冷下で2時間、更に20〜25℃で8時間撹拌したのち、ジアセトンアルコールを45g、イソブタノールを50g添加した。次いで10%プロピオン酸ナトリウム水溶液を1.5g加え、更に酢酸にてpHを6〜7に調整した。そして、不揮発分(JIS K6833)が17%となるようにイソブタノールで調整し、常温で5日間熟成して得られたコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物の粘度は約5cst、不揮発分の数平均分子量は約1,000であった。
合成例22においてプロピオン酸ナトリウム水溶液の代わりに、10%テトラメチルアンモニウムベンゾエート水溶液を3.0gとした以外は同様に処理してコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物を得た。
合成例22において更に2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン1.8g(コロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物固形分100重量部に対して2重量部)を添加した以外は同様に処理してコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物を得た。
[合成例25]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.3リットルフラスコに2,2,6,6−テトラメチル−4−アリル−ピペリジン100g(0.5モル)、塩化白金酸のブタノール溶液(H2PtCl6・6H2Oの2重量%溶液)0.13gを仕込み、室温でトリメトキシシラン80.6g(0.66モル)を1時間かけて滴下し、更に90℃で5時間反応させた。
<成分(1)>
メタノールを使用して固形分濃度を20%に調整後、使用した。
Ti−1:合成例1の反応生成物
Ti−2:合成例2の反応生成物
Ti−3:合成例3の反応生成物
Ti−4:合成例4の反応生成物
Ti−5:合成例5の反応生成物
Ti−6:合成例6の反応生成物
Ti−7:合成例7の反応生成物
Ti−8:合成例8の反応生成物
Ti−9:合成例9の反応生成物
Ti−10:合成例10の反応生成物
Ti−11:合成例11の反応生成物
Ti−12:合成例12の反応生成物
<成分(2)>
メタノールを使用して固形分濃度を20%に調整後、使用した。
Ti−13:合成例13の反応生成物
Ti−14:合成例14の反応生成物
Ti−15:合成例15の反応生成物
Ti−16:合成例16の反応生成物
<有機系紫外線吸収剤>
UVA−1:2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン
UVA−2:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UVA−3:2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UVA−4:2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニルトリアジン
UVA−5:2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(30重量%)とメチルメタクリレート(70重量%)の共重合体
UVA−6:2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(30重量%)とスチレン(70重量%)の共重合体
<無機酸化物微粒子>
UV−1:酸化セリウムゾル(平均粒径20mμのCeO2、20%メタノール分散液)
UV−2:表面処理された酸化亜鉛ゾル(平均粒径20mμで、15%のシリカで表面処理されたもの、20%メタノール分散液)
UV−3:シリカゾル(平均粒径20mμのSiO220%メタノール分散液)
UV−4:酸化チタンゾル(平均粒径20mμのTiO2、20%メタノール分散液)
UV−5:表面処理された酸化チタンゾル(TiO2を85%含有、表面をSiO2被覆した平均粒径20mμのTiO2の20%メタノール分散液)
UV−6:複合酸化物微粒子ゾル(平均粒径20mμ、平均組成がTiO2/ZrO2/SiO2=70/8/22の混合型の複合酸化チタンの20%メタノール分散液)
<ヒンダードアミン系光安定剤>
HALS−1:N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン
HALS−2:1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジノールとトリデカノールとの縮合物
HALS−3:合成例25で合成した2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−プロピルトリメトキシシラン
<アルコキシシリル基含有の有機共重合体>
Pol−1:合成例18の反応生成物
Pol−2:合成例19の反応生成物
Pol−3:合成例20の反応生成物
<分子内に窒素原子とアルコキシシリル基を含有する化合物>
NSi−1:ウレイドプロピルトリエトキシラン
NSi−2:合成例21の反応生成物
<コロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物>
HC−1:合成例22のコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物
HC−2:合成例23のコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物
HC−3:合成例24のコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物
<有機金属化合物>
TPT:テトラ−i−プロポキシチタン
TBT:テトラ−n−ブトキシチタン
TBT−P:テトラ−n−ブトキシチタンの5.4量体オリゴマー
(1)耐候性試験:JIS K5400に準拠し、カーボンアーク式サンシャインウェザーメーターにて促進試験を行って、5,000時間後の黄変度と密着性及び膜の透明性を調べ、黄変度7以下で密着性良好なものを合格とした。また光学顕微鏡にてコーティング被膜表面の微細なクラック発生状況等を観察した。
(2)耐擦傷性試験:ASTM1044に準拠し、テーバー磨耗試験機にて磨耗輪CS−10Fを装着し、荷重500g下で1,000回転後の曇価を測定した。テーバー磨耗性(%)は(試験後の曇価)−(試験前の曇価)で示した。
(3)硬化被膜の密着性:JIS K5400に準拠し、サンプルをカミソリの刃で1mm間隔の縦横11本ずつ切り目を入れて100個の碁盤目をつくり、市販セロテープ(登録商標)をよく密着させた後、90度手前方向に急激に剥がした時、被膜が剥離せずに残存したます目数(X)をX/100で表示した。
(4)コーティング液の経時安定性
作製したコーティング剤組成物を室温下で放置し、3ヶ月後の液の状態を観察した。
○:良好
△:やや濁り、沈降物あり
×:増粘、ゲル化
(1)プライマー用コーティング剤の調製
合成例1〜16で作製した成分(1)及び(2)、平均分子量15万のポリメチルメタクリレート、分子内に窒素原子とアルコキシシリル基を含有する化合物(NSi−1,2)、紫外線吸収剤(UVA−1〜6)、光安定剤(HALS−1〜3)などを混合し、有機共重合体の固形分が10%になるようにジアセトンアルコールとエチレングリコールモノメチルエーテルの比率を20/80とした混合溶液にて調製して、プライマー用コーティング剤組成物a〜zを表1〜3に示したように調製した。
(2)コーティング剤組成物の調製
合成例1〜16で作製した成分(1)及び(2)、合成例22〜24で作製したコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物(HC−1〜3)、紫外線吸収剤(UVA−1〜6)、無機酸化物微粒子(UV−1〜6)を混合し、コーティング剤組成物を調製した。このコーティング剤組成物A〜Zを表4〜6に示す。
(3)表面被覆成形物の作製
プライマー用コーティング剤組成物を塗布する場合は、表面を清浄化した0.5mmポリカーボネート樹脂板に硬化塗膜として2〜5μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、約120℃にて約30分硬化させた後、その上に(2)で得られたコロイダルシリカ含有オルガノポリシロキサン組成物を塗布し、硬化塗膜として2〜5μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、約120℃にて約1時間硬化させる。或いはプライマーを塗布しない場合は、表面を清浄化した0.5mmポリカーボネート樹脂板に硬化塗膜として2〜5μmになるようにフローコーティング法にて塗布し、約120℃にて約1時間硬化させる。このようにして得られた塗膜の物性評価結果を表7に示す。
Claims (12)
- (A)下記式(1)
R3 aSi(R4)4-a (1)
(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、(メタ)アクリロオキシ基、メルカプト基、アミノ基もしくはシアノ基を有する有機基を表し、R4は炭素数1〜10のアルコキシ基、アルケニロキシ基、アシロキシ基又はアルコキシアルコキシ基、aは0,1又は2である。)で示されるシラン化合物及び/又はその加水分解物 100重量部、
(B)チタンテトラアルコキシド及びM(OR)n(但し、Mは、Zr,Fe,Al,Zn,In,Cu,Si,Sn,W,Mgから選ばれる少なくとも1種の金属、nはその金属の原子価、Rは炭素数1〜10のアルキル基又は水素原子)で表される金属アルコキシドを含有する混合物(b−1)のβ−ジケトンとの反応物及び/又は混合物の加水分解・縮合物 0.1〜50重量部
を含有することを特徴とするコーティング剤組成物。 - (B)成分が、上記混合物(b−1)を溶媒中、一般式R1COCH2COR2(但し、R1,R2は互いに同じでも異なっていてもよい炭素数1〜6のアルキル基)で表されるβ−ジケトンと反応させ、更に加水分解・縮合反応させることにより得られた加水分解・縮合物であることを特徴とする請求項1記載のコーティング剤組成物。
- (B)成分が、上記混合物(b−1)を一般式R1COCH2COR2(但し、R1,R2は互いに同じでも異なっていてもよい炭素数1〜6のアルキル基)で表されるβ−ジケトンを含有する溶媒中で加水分解・縮合反応させることにより得られた加水分解・縮合物であることを特徴とする請求項1記載のコーティング剤組成物。
- β−ジケトンの量が、上記混合物(b−1)に対して0.5〜2倍モル等量であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
- 加水分解・縮合反応に用いる水の量が、上記混合物(b−1)に対して3.1〜15倍モル等量であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
- 上記混合物(b−1)中のチタンテトラアルコキシドと上記金属アルコキシドとの割合が、チタンテトラアルコキシドのTiO2換算で100重量部に対し、金属アルコキシドの酸化物換算で0.01〜50重量部であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
- (B)成分が、平均粒径100nm以下のβ−ジケトン基を含有する金属酸化物微粒子であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
- (B)成分が、350nm以下の紫外線を吸収するものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
- 更に(C)成分として、セリウム及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種の原子を含有し、波長が400nm以下の光線を吸収する無機酸化物微粒子を(A)成分100重量部に対して0.1〜100重量部含有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
- 更に(D)成分として、コロイダルシリカを(A)成分100重量部に対して1〜200重量部含有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
- 更に、分子内に1個以上の環状ヒンダードアミン構造を有する光安定剤を(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部含有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
- 請求項1乃至11のいずれか1項記載のコーティング剤組成物を被覆したことを特徴とする耐候性、耐磨耗性に優れた被膜を有する物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005106089A JP4164693B2 (ja) | 2005-04-01 | 2005-04-01 | コーティング剤組成物及び被覆物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005106089A JP4164693B2 (ja) | 2005-04-01 | 2005-04-01 | コーティング剤組成物及び被覆物品 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000172511A Division JP3846545B2 (ja) | 2000-06-08 | 2000-06-08 | コーティング剤組成物、コーティング方法及び被覆物品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005213517A true JP2005213517A (ja) | 2005-08-11 |
JP4164693B2 JP4164693B2 (ja) | 2008-10-15 |
Family
ID=34909785
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005106089A Expired - Fee Related JP4164693B2 (ja) | 2005-04-01 | 2005-04-01 | コーティング剤組成物及び被覆物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4164693B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008508370A (ja) * | 2004-07-29 | 2008-03-21 | エボニック デグサ ゲーエムベーハー | 水性シランナノ複合材料 |
JP2009505823A (ja) * | 2005-08-25 | 2009-02-12 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 耐引掻性自動車コーティングの製造方法 |
JP2013516538A (ja) * | 2010-01-07 | 2013-05-13 | ユニヴァーシティー オブ ハワイ | 防食被膜及びその製造方法 |
WO2015115377A1 (ja) * | 2014-01-30 | 2015-08-06 | 日産化学工業株式会社 | コーティング組成物及び光学部材 |
WO2016108676A1 (ko) * | 2014-12-31 | 2016-07-07 | 코오롱인더스트리 주식회사 | 하드 코팅용 수지 조성물 및 이의 경화물을 코팅층으로 포함하는 하드 코팅 필름 |
JP2020132603A (ja) * | 2019-02-25 | 2020-08-31 | 信越化学工業株式会社 | 有機ケイ素化合物、その製造方法および硬化性組成物 |
-
2005
- 2005-04-01 JP JP2005106089A patent/JP4164693B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008508370A (ja) * | 2004-07-29 | 2008-03-21 | エボニック デグサ ゲーエムベーハー | 水性シランナノ複合材料 |
JP2009505823A (ja) * | 2005-08-25 | 2009-02-12 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 耐引掻性自動車コーティングの製造方法 |
JP2013516538A (ja) * | 2010-01-07 | 2013-05-13 | ユニヴァーシティー オブ ハワイ | 防食被膜及びその製造方法 |
WO2015115377A1 (ja) * | 2014-01-30 | 2015-08-06 | 日産化学工業株式会社 | コーティング組成物及び光学部材 |
CN105980500A (zh) * | 2014-01-30 | 2016-09-28 | 日产化学工业株式会社 | 涂料组合物和光学构件 |
KR20160114616A (ko) * | 2014-01-30 | 2016-10-05 | 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 | 코팅 조성물 및 광학부재 |
JPWO2015115377A1 (ja) * | 2014-01-30 | 2017-03-23 | 日産化学工業株式会社 | コーティング組成物及び光学部材 |
KR102294361B1 (ko) | 2014-01-30 | 2021-08-26 | 닛산 가가쿠 가부시키가이샤 | 코팅 조성물 및 광학부재 |
WO2016108676A1 (ko) * | 2014-12-31 | 2016-07-07 | 코오롱인더스트리 주식회사 | 하드 코팅용 수지 조성물 및 이의 경화물을 코팅층으로 포함하는 하드 코팅 필름 |
JP2020132603A (ja) * | 2019-02-25 | 2020-08-31 | 信越化学工業株式会社 | 有機ケイ素化合物、その製造方法および硬化性組成物 |
JP7139995B2 (ja) | 2019-02-25 | 2022-09-21 | 信越化学工業株式会社 | 有機ケイ素化合物、その製造方法および硬化性組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4164693B2 (ja) | 2008-10-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3846545B2 (ja) | コーティング剤組成物、コーティング方法及び被覆物品 | |
JP3841141B2 (ja) | 下塗り剤組成物及びコーティング方法 | |
US6855768B2 (en) | Coating composition, coating method, and coated article | |
JP4041968B2 (ja) | 下塗り剤組成物、該組成物を用いたコーティング方法、及びコーティング物品 | |
JP4041966B2 (ja) | ハードコート剤及びハードコート膜が形成された物品 | |
US6497964B1 (en) | Coating compositions and method for the surface protection of plastic substrate | |
JP5194563B2 (ja) | 耐擦傷性コーティング組成物、及び被覆物品 | |
JP5369556B2 (ja) | プライマー組成物の製造方法及び被覆物品 | |
JP2010202731A (ja) | 紫外線遮蔽性シリコーンコーティング組成物及び被覆物品 | |
JP2005314616A (ja) | シリコーンコーティング組成物及び被覆物品 | |
JP2008274177A (ja) | プライマー組成物及び被覆物品 | |
JP2008120986A (ja) | プライマー組成物及び被覆物品 | |
JP2010261012A (ja) | 紫外線遮蔽性コーティング組成物及び被覆物品 | |
JP4883275B2 (ja) | 硬化性組成物及び被覆物品 | |
JP2012077267A (ja) | 紫外線遮蔽性シリコーンコーティング組成物及び被覆物品 | |
JP4164693B2 (ja) | コーティング剤組成物及び被覆物品 | |
JP2004238418A (ja) | 高耐候性ハードコート組成物及び塗装物品 | |
JP4462421B2 (ja) | 紫外線吸収性基含有有機ケイ素化合物及びその製造方法並びにコーティング組成物及び被覆物品 | |
JP2007231060A (ja) | 硬化性組成物及び被覆物品 | |
JP4092525B2 (ja) | コーティング剤組成物並びにコーティング方法及びコーティング物品 | |
JP6679388B2 (ja) | 透明積層体およびその製造方法 | |
JP4092522B2 (ja) | 下塗り剤組成物及びプラスチック基体の表面保護方法 | |
JP2001089710A (ja) | 保護コーティング剤及びこのコーティング剤の保護被膜を有する物品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080425 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080430 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080611 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080702 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080715 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4164693 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140808 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |