JP2018154036A - ディスプレイ装置用加飾フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】加飾精度の安定性に優れ、虹ムラが低減され、打ち抜き性にも優れたディスプレイ装置用加飾フィルムを提供する。【解決手段】ディスプレイ装置の表示面上に設けられるディスプレイ装置用加飾フィルムであって、前記加飾フィルムは、基材と、表示領域と、前記表示領域の外周部に設けられる加飾部と、を有し、前記基材は、ポリアリレートと、ポリアリレート以外の芳香族添加剤および無機粒子の少なくとも一方と、を含み、前記加飾部は、前記表示領域および前記加飾部の合計面積に対して1%〜80%の面積を有し、かつ光透過率が10%以下である、ディスプレイ装置用加飾フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、ディスプレイ装置用加飾フィルムに関する。
テレビやパソコン等のディスプレイ、またはスマートフォンやタブレット等のタッチパネルにおいて、表示画面の外側には、ディスプレイやタッチパネルを機能させる上で必要な電極等が配列されている。通常、ディスプレイまたはタッチパネルには、その配列部分を覆う加飾部を有する加飾フィルムが使用されている。
従来の加飾フィルムは、例えば特許文献1に記載のように、基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが用いられている。PETフィルムは、脆性や硬度、コスト等の観点でメリットがあり、広く使われている。
特開2012−201006号公報
PET上に加飾部を形成する場合、通常加熱が行われる。しかしながら、この加熱により、寸法変化が生じ、加飾精度の不安定化という問題が生じることがわかった。また、加飾フィルムは、スマートフォンなどの小型の電子媒体などにも用いられており、見る距離と角度とが多様になってきたため、PETの面内位相差が大きいことによる虹ムラが問題となってきている。さらに、面内位相差を改善するために、シクロオレフィンポリマー等のフィルムを用いることも考えられるが、脆性が高く、加飾工程での打ち抜き性が悪いという問題がある。
したがって本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、加飾精度の安定性に優れ、虹ムラが低減され、打ち抜き性にも優れたディスプレイ装置用加飾フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、芳香族添加剤および/または無機粒子を含むポリアリレートを加飾フィルムの基材として用いることで、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ディスプレイ装置の表示面上に設けられるディスプレイ装置用加飾フィルムであって、前記加飾フィルムは、基材と、表示領域と、前記表示領域の外周部に設けられる加飾部とを有し、前記基材は、ポリアリレートと、ポリアリレート以外の芳香族添加剤および無機粒子の少なくとも一方と、を含み、前記加飾部は、前記表示領域および前記加飾部の合計面積に対して1%〜80%の面積を有し、かつ光透過率が10%以下である、ディスプレイ装置用加飾フィルムである。
本発明によれば、加飾精度の安定性に優れ、虹ムラが低減され、打ち抜き性にも優れた加飾フィルムが提供される。
本発明に係る基材の製造に好ましく用いられる溶液流延製膜装置の一例を示す模式図である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件で測定する。
<ディスプレイ装置用加飾フィルム>
本発明のディスプレイ装置用加飾フィルムは、ディスプレイ装置の表示面上に設けられるディスプレイ装置用加飾フィルムであって、前記加飾フィルムは、基材と、表示領域と、前記表示領域の外周部に設けられる加飾部と、を有し前記基材は、ポリアリレートと、ポリアリレート以外の芳香族添加剤および無機粒子の少なくとも一方と、を含み、前記加飾部は、前記表示領域および前記加飾部の合計面積に対して1%〜80%の面積を有し、かつ光透過率が10%以下である、ディスプレイ装置用加飾フィルムである。かかる構成によって、加飾精度の安定性に優れ、虹ムラが低減され、打ち抜き性にも優れたディスプレイ装置用加飾フィルムとなる。
なお、本発明において、「加飾精度の安定性」とは、基材上に加飾部を形成する工程において加熱する場合、基材の寸法変化に伴う加飾部の形状の変化が抑制されることを指す。「虹ムラ」とは、加飾フィルムに発生する干渉ムラを意味する。「打ち抜き性」とは、加飾フィルムを打ち抜き刃等で打ち抜いた後、印刷部のかけ、亀裂、剥離等の故障があるかどうかを意味する。
本発明者らは、ディスプレイ装置用加飾フィルムを開発する過程で、基材として熱寸法安定性が高いポリアリレートを使用することについて着目し、種々実験を行った。ポリアリレートを加飾フィルムの基材として用いることで、加飾精度をある程度安定化させることはできたが、虹ムラの低減および打ち抜き性の向上を達成することはできなかった。そこで、本発明者らは、ポリアリレートに芳香族添加剤および無機粒子の少なくとも一方をさらに添加することで、課題が解決されうることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のメカニズムは以下のように考えられる。すなわち、ポリアリレートに芳香族添加剤および無機粒子の少なくとも一方を添加することで、ポリアリレート分子間に芳香族添加剤および無機粒子の少なくとも一方が入り込み、ポリアリレートの分子配向が乱れ、面内位相差が下がり、虹ムラが低減される。芳香族添加剤を添加した場合は、基材のガラス転移温度が低下し、製膜時の残留応力が小さくなるために、寸法安定性が良くなり、加飾精度を安定化させることができる。無機粒子を添加した場合は、無機粒子とポリアリレートとが相互作用し、樹脂の残留応力に対抗する力が発生するため、寸法安定性が良くなり、加飾精度を安定化させることができる。さらに、ポリアリレート分子間に芳香族添加剤および無機粒子の少なくとも一方が入りこみ、ポリアリレート分子のπ−πスタッキングが起こりにくくなり、応力集中を避けることができるため、脆性を維持しながら、加飾フィルムの打ち抜き性を確保することができると考えられる。
なお、上記メカニズムは推測によるものであり、本発明は上記メカニズムに何ら制限されない。
以下で、加飾フィルムの各構成について、さらに詳細に説明する。なお、以下では、本発明のディスプレイ装置用加飾フィルムを、単に「加飾フィルム」とも称する。
基材は、ポリアリレートと、ポリアリレート以外の芳香族添加剤および無機粒子の少なくとも一方と、を含む。
表示領域は、ディスプレイ装置の表示面を外部から視認可能なように、加飾部が設けられていない領域である。
加飾部は、前記表示領域の外周部に設けられており、前記表示領域および前記加飾部の合計面積に対して1%〜80%の面積を有し、かつ光透過率が10%以下である。
(基材)
本発明の加飾フィルムに用いられる基材は、ポリアリレートと、ポリアリレート以外の芳香族添加剤および無機粒子の少なくとも一方と、を含む。
〔ポリアリレート〕
基材の主成分としてのポリアリレートは、少なくとも芳香族ジアルコール成分単位と芳香族ジカルボン酸成分単位とを含む。ポリアリレートを主成分として含有するとは、基材中のポリアリレートの総量が50質量%以上であることを表す。好ましくは80質量%以上である。基材中のポリアリレートの総量が50質量%以上であると、耐熱性が上がり寸法安定性が高くなり、加飾精度が優れる観点から好ましい。
〈芳香族ジアルコール成分単位〉
芳香族ジアルコール成分単位を得るための芳香族ジアルコールは、好ましくは下記一般式(1)で表される構造を有するビスフェノール類、より好ましくは下記一般式(1’)で表される構造を有するビスフェノール類である。
一般式(1)および一般式(1’)のLは、2価の有機基を表す。2価の有機基は、好ましくは単結合、アルキレン基、−S−、−SO−、−SO−、−O−、−CO−または−CR−(RとRは互いに結合して脂肪族環または芳香族環を形成してもよい)である。
前記アルキレン基は、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基であり、その例には、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基等が含まれる。前記アルキレン基は、ハロゲン原子やアリール基等の置換基をさらに有してもよい。
一般式(1)および一般式(1’)のRは、それぞれ独立して置換基を表す。nは、それぞれ独立して0〜4の整数を表し、好ましくはそれぞれ独立して0〜3の整数である。Rは、それぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基であることが好ましい。
一般式(1)および一般式(1’)のLで用いられる−CR−のRおよびRは、それぞれ互いに結合して脂肪族環または芳香族環を形成していることが、基材の耐熱性が向上し加飾精度の安定性向上となる観点から好ましい。また、低複屈折率性となり虹ムラ低減となる観点から好ましい。一般式(1)および一般式(1’)の−CR−のRおよびRが、脂肪族環を形成する場合、脂肪族環は、好ましくは炭素数5〜20の脂肪族炭化水素環であり、好ましくは置換基を有してもよいシクロヘキサン環である。
−CR−のRおよびRが脂肪族環を形成する場合、芳香族ジアルコール成分として、下記一般式(2)で表される構造を有する化合物を含有していることが好ましい。
Rおよびnは、一般式(1)と同義である。Rが炭素数12以下のアルキル基である場合、基材の耐熱性が向上し、加飾精度の安定性が向上するため好ましい。
また、RおよびRは、独立して、水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基であり、水素原子またはメチル基であることがより好ましい。RおよびRが炭素数4以下のアルキル基である場合、耐熱性が向上し、加飾精度の安定性が向上するため好ましい。
Xは炭素原子を表す。mは4〜7の整数を表し、4、または5であることが好ましく、5であることが好ましい。mが4以上の整数である場合、環のひずみが小さくなり、化合物として安定性が向上するので好ましい。また、mが7以下の整数である場合、得られる基材の耐熱性が向上し、加飾精度の安定性が向上するため好ましい。
前記一般式(2)で示される化合物としては、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン〔BisTMC〕、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5,5−テトラメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,4−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−エチル−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロペンタン、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス−(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンが挙げられる。中でも、汎用性が高いことから、BisTMCが好ましい。
前記一般式(2)で表される構造を有する化合物の含有量は、芳香族ジアルコール成分に対して、50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましい。一般式(2)で示される化合物の含有量が50モル%以上の場合、得られる基材の耐熱性が向上し、加飾精度の安定性が向上するため好ましい。
前記一般式(1)および一般式(1’)の−CR−のRおよびRが、芳香族環を形成する場合、芳香族環は、炭素数6〜20の芳香族炭化水素環であることが好ましい。より好ましくは置換基を有してもよいフルオレン環である。
置換基を有してもよいフルオレン環を形成する−CR−の例には、下記一般式(3)で表される構造を有するフルオレンジイル基が含まれる。
さらに、芳香族ジアルコール成分単位が、(a)成分:下記一般式(4)で表される構造を有する9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン残基
および(b)成分:一般式(5)で表される構造を有する2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン残基
からなることが高耐熱性、および虹ムラ低減の観点から好ましい。
前記(a)成分および(b)成分のモル分率は、
0.30<〔(a)/{(a)+(b)}〕≦1.00
の範囲内であることが好ましい。
また、上記一般式(4)で表される構造を有する9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン残基のモル分率が0.30以上である場合、ポリアリレートの耐熱性の向上効果および複屈折の低減効果が大きく、加飾精度の安定性向上および虹ムラ低減の効果がより得られやすくなるためより好ましい。また、黄着色の度合いが小さくなるという効果も得られる。
上記一般式(1)および一般式(1’)のLがアルキレン基であるビスフェノール類の例には、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPC)、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(TMBPA)等が含まれる。中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(BPC)、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(TMBPA)等のイソプロピリデン含有ビスフェノール類が好ましい。
Lが−S−、−SO−、または−SO−であるビスフェノール類の例には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(TMBPS)、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、2,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン等が含まれる。Lが−O−であるビスフェノール類の例には、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルが含まれ;Lが−CO−であるビスフェノール類の例には、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトンが含まれる。
ポリアリレートを構成する芳香族ジアルコール成分は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
基材の複屈折を低減し虹ムラ低減を図ったり、耐摩耗性を高めたりする観点からは、フルオレン骨格を有するビスフェノール類が好ましい。
ポリアリレートは、本発明の効果を損なわない範囲で、芳香族ジアルコール成分以外の芳香族多価アルコール成分単位をさらに含んでもよい。芳香族多価アルコール成分の例には、特許第4551503号公報の段落「0015」に記載の化合物が含まれる。具体的には、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン等が含まれる。これらの芳香族多価アルコール成分単位の含有割合は、求められる特性に応じて適宜設定されうるが、芳香族ジアルコール成分単位およびそれ以外の芳香族多価アルコール成分単位の合計に対して、例えば5モル%以下である。
〈芳香族ジカルボン酸成分単位〉
芳香族ジカルボン酸成分単位を構成する芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸またはそれらの混合物であることが好ましい。
基材の機械特性を高める等の観点から、テレフタル酸とイソフタル酸との混合物が好ましい。テレフタル酸とイソフタル酸との含有比率は、好ましくはテレフタル酸/イソフタル酸=90/10〜10/90(モル比)、より好ましくは70/30〜30/70、さらに好ましくは50/50である。テレフタル酸の含有比率が上記範囲であると、十分な重合度を有するポリアリレートが得られやすく、十分な機械的特性を有する基材が得られやすい。
ポリアリレートは、本発明の効果を損なわない範囲で、テレフタル酸およびイソフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位をさらに含んでもよい。そのような芳香族ジカルボン酸成分の例には、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、ビス(p−カルボキシフェニル)アルカン、4,4’−ジカルボキシフェニルスルホン等が含まれる。テレフタル酸およびイソフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位の含有割合は、求められる特性に応じて適宜設定されうるが、テレフタル酸成分、イソフタル酸成分単位およびそれら以外の芳香族ジカルボン酸成分単位の合計に対して、例えば5モル%以下である。
本発明に用いられるポリアリレートの重量平均分子量は、1万〜50万が好ましく、2万〜30万がさらに好ましく、3万〜20万が特に好ましい。該重量平均分子量が上記範囲にあれば、フィルム成形が容易となり、力学特性も良好になる。また、ポリアリレートを含む溶液または分散液の形態とした場合、適度な粘度となり、取扱いが容易になる。
本発明に用いられるポリアリレートの合成方法としては、従来公知の合成方法を採用することができる。具体的には、特開2014−218659号公報、特開2013−173928号公報等に記載の製造方法を採用することができる。
〔芳香族添加剤〕
本発明に係る芳香族添加剤とは、ポリアリレート以外の芳香族化合物であって、分子内に芳香環を有していれば良く、分子の母体的(主体的な)部分が芳香族性を有していなくても良い。本発明に係る基材が芳香族添加剤を含有することにより、加飾精度の安定性および打ち抜き性に優れ、虹ムラが低減された加飾フィルムとなる。
本発明に係る芳香族添加剤は、分子量または重量平均分子量が300〜1,000,000の範囲内であってかつ分子内に芳香環を有する化合物であることが好ましい。芳香族添加剤が、単一の構造を有する化合物である場合は、分子量を用い、高分子やオリゴマーである場合は重量平均分子量を用いる。分子量または重量平均分子量が300以上であれば、基材の製造時に揮発成分が少なくなり、基材の製造が容易になり、また、芳香族添加剤がポリアリレートの間に入り込む際に、ポリアリレートの分子配向の乱れが進み、虹ムラ軽減の効果が上がる。一方、分子量または重量平均分子量が1,000,000以下であれば、芳香族添加剤自体の凝集が抑制され、応力集中をより効果的に避けられ、加飾フィルムの打ち抜き性能が高くなる。
本発明に係る芳香族添加剤の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。測定条件は以下のとおりである。
溶媒:ジクロロメタン
カラム:Shodex K806、K805、K803G(昭和電工株式会社製を3本接続して使用する)
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(ジーエルサイエンス株式会社製)
ポンプ:L6000(株式会社日立製作所製)
流量:1.0mL/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー株式会社製)Mw=500〜2800000の範囲内の13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
本発明に係る芳香族添加剤は、分子内に芳香族環を2個以上有することが、ポリアリレート分子間に入り込みやすくなり、虹ムラ軽減および打ち抜き性能の向上という効果を高める観点から好ましく、4個以上有することがより好ましい。
本発明に係る芳香族添加剤の重量平均分子量は、500〜900,000であることがより好ましく、10,000〜600,000であることがさらに好ましい。
本発明に係る芳香族添加剤の含有量は、基材の全質量に対して、0.1〜30質量%の範囲内であることが、本発明の効果の観点から好ましく、1〜20質量%の範囲内であることが、加飾精度の安定性が高い観点からより好ましい。
本発明に係る芳香族添加剤は、分子内にエーテル結合、エステル結合、またはアミド結合を有する化合物であることが本発明の効果の観点から好ましい。また、分子内にポリカーボネート構造を有する化合物、またはポリスチレン構造を有する化合物であることが本発明の効果の観点から好ましい。また、アミド基、エーテル基、エステル基またはアルキレン基等の屈曲基を介して芳香環が結合している化合物であることが本発明の効果の観点から好ましい。
分子内にエーテル結合を有する芳香族添加剤としては、分子内に芳香族環を有する糖エステルが、本発明の効果の観点から好ましい。本発明に用いることができる糖エステルは、フラノース構造またはピラノース構造を1〜12個有する化合物であって、化合物中のヒドロキシ基の全部または一部がエステル化され、かつ分子内に芳香族環を有する化合物であることが好ましい。
分子内にエステル結合を有する芳香族添加剤としては、前記の糖エステルや、分子内に2以上の芳香族環を有する芳香族化合物が、ポリアリレート分子間に入り込みやすくなり、虹ムラ軽減および打ち抜き性能の向上の効果を高める観点から好ましい。
本発明の芳香族添加剤として用いることができる分子内に2以上の芳香族環を有する芳香族化合物としては、ポリエステルや、多価アルコールと芳香族カルボン酸とを反応させてなる化合物が挙げられる。前記多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリトリトール等がある。前記芳香族カルボン酸としては、例えば、メリト酸、サリチル酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等がある。分子内に2以上の芳香族環を有する芳香族化合物の具体例としては、例えばペンタエリトリトールテトラベンゾエートがある。
本発明に係る芳香族添加剤として用いることができるポリエステルとしては、下記一般式(7)で表される構造を有するポリエステルが、本発明の効果の観点からより好ましい。
一般式(7) B−(G−A)−G−B
(式中、Bはヒドロキシ基またはカルボン酸残基であり、Gは炭素数2〜12のアルキレングリコール残基または炭素数6〜12のアリールグリコール残基または炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基であり、Aは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基または炭素数6〜12のアリールジカルボン酸残基である。また、nは1以上の整数を表す。ただし、A、B、またはGのいずれかに芳香族環を有する。)
一般式(7)で表されるポリエステルは、Bで示されるヒドロキシ基またはカルボン酸残基と、Gで示されるアルキレングリコール残基、オキシアルキレングリコール残基、またはアリールグリコール残基と、Aで示されるアルキレンジカルボン酸残基またはアリールジカルボン酸残基とから構成されるものであり、通常のポリエステルと同様の反応により得られる。
一般式(7)で表される構造を有するポリエステルのカルボン酸成分としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸、脂肪族酸等があり、これらはそれぞれ1種または2種以上の混合物として使用することができる。
一般式(7)で表される構造を有するポリエステルの炭素数2〜12のアルキレングリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用される。
また、上記一般式(7)で表される構造を有するポリエステルの炭素数4〜12のオキシアルキレングリコール成分としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等がある。
一般式(7)で表される構造を有するポリエステルの炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等があり、これらは、それぞれ1種または2種以上の混合物として使用されうる。炭素数6〜12のアリールジカルボン酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等がある。
一般式(7)で表される構造を有するポリエステルは、重量平均分子量が、好ましくは300〜1500、より好ましくは400〜1000の範囲である。また、酸価は0.5mgKOH/g以下、ヒドロキシ基(水酸基)価は25mgKOH/g以下、より好ましくは酸価は0.3mgKOH/g以下、ヒドロキシ基(水酸基)価は15mgKOH/g以下のものである。
アミド結合を有する芳香族添加剤としては、特開2014−153444号公報の段落(0136)〜同(0138)に記載の化合物を使用することができる。
フルオレン構造を有する芳香族添加剤としては、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物が、基材の機械的強度を向上させる観点から好ましい。このような化合物としては、特開2014−218659号公報の段落(0048)〜同(0053)に記載の化合物を使用することができる。
ポリスチレン構造を有する芳香族添加剤としては、下記一般式(8)で表される構造を有するスチレンモノマーの重合体を用いることができる。
上記一般式(8)において、R101〜R103は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基またはアリール基を表す。R104は、水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、炭素数1〜30のアルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数2〜30のアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、炭素数2〜30のアルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基、アミド基またはニトロ基を表す。R104となり得るこれらの基は、それぞれ置換基(例えばヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基等)をさらに有してもよい。五つのR104は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。
上記一般式(8)で表される構造を有するスチレンモノマーの具体例には、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のアルキル置換スチレン類;4−クロロスチレン、4−ブロモスチレン等のハロゲン置換スチレン類;p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、2−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3,4−ジヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン類;ビニルベンジルアルコール類;p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、m−tert−ブトキシスチレン等のアルコキシ置換スチレン類;3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸等のビニル安息香酸類;4−ビニルベンジルアセテート;4−アセトキシスチレン;2−ブチルアミドスチレン、4−メチルアミドスチレン、p−スルホンアミドスチレン等のアミドスチレン類;3−アミノスチレン、4−アミノスチレン、2−イソプロペニルアニリン、ビニルベンジルジメチルアミン等のアミノスチレン類;3−ニトロスチレン、4−ニトロスチレン等のニトロスチレン類;3−シアノスチレン、4−シアノスチレン等のシアノスチレン類;ビニルフェニルアセトニトリル;フェニルスチレン等のアリールスチレン類、インデン類等が含まれる。
ポリスチレン構造を有する芳香族添加剤は、上記スチレンモノマーの単独重合体であってもよいし、2種類以上を組み合わせた共重合体であってもよい。
芳香族添加剤として用いられるポリカーボネート構造を有する芳香族添加剤は、芳香族ジアルコールとホスゲンまたは炭酸ジエステルとを反応させることにより得られる、芳香族ホモまたはコポリカーボネート樹脂でありうる。このようなポリカーボネート樹脂の製造方法としては特に制限されず、公知の方法を採用することができ、例えば、芳香族ジアルコールにホスゲンなどを直接反応させる方法(界面重合法)や、芳香族ジアルコールとジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステルとを、溶融状態でエステル交換反応させる方法(溶液法)などが挙げられる。芳香族ジアルコール化合物の例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、および1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどが挙げられる。これらを単独あるいは混合物として使用することができる
ポリカーボネート構造を有する芳香族添加剤としては、例えば、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンまたは1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンのような三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよい。これらを単独あるいは混合物として使用することができる。
〔無機粒子〕
本発明に係る基材が無機粒子を含有することにより、加飾精度の安定性および打ち抜き性に優れ、虹ムラが低減された加飾フィルムとなる。
本発明に係る無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、セリア、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等を挙げることができる。また、加飾精度を安定化させ、打ち抜き性を向上させる観点から、表面に水酸基等の極性基を有する無機粒子が好ましく使用できる。好ましい一実施形態において、該無機粒子は、表面に水酸基を有する無機粒子(以下、水酸基含有無機粒子とも称する)である。
水酸基含有無機粒子としては、製造のしやすさの観点から、シリカ、アルミナ、酸化チタンおよびセリアが好適である。よって、本発明の好ましい実施形態によれば、前記水酸基含有無機粒子が、シリカ、アルミナ、酸化チタンおよびセリアからなる群から選択される少なくとも1種である。
これら無機粒子は、ポリアリレート分子のπ−πスタッキングを抑制する観点から、0.1〜1000nmの平均二次粒子径であることが好ましい。より好ましい平均二次粒子径は1〜500nmの範囲内であり、更に好ましくは5〜300nmの範囲内である。なお、本発明に用いる無機粒子の平均二次粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡(倍率50万〜200万倍)で粒子の観察を行い、粒子100個を観察して粒子径を測定し、その平均値をもって、平均二次粒子径とする。
無機粒子の含有量は、基材の全質量に対して、例えば、0.05〜5.0質量%であることが好ましく、0.1〜3.0質量%であることがより好ましく、0.1〜1質量%であることがさらに好ましい。かかる範囲であると、基材の位相差変化を抑制し、虹ムラの発生を抑制する技術的効果を有する。
(基材の製造方法)
本発明に係る基材の製造方法としては、従来公知の種々の方法を採用することができる。本発明においては、溶液流延法で製造されることが、薄膜化や大量生産に優れる観点から好ましい。具体的に、基材の溶液流延法による製造方法は、1)前述のポリアリレートと、芳香族添加剤および無機粒子の少なくとも一方とを、沸点70℃以下の溶媒に溶解または分散させた溶液または分散液(以下、単に「ドープ」とも称する)を得る工程(ドープ調製工程)と、2)得られたドープを支持体上に流延した後、乾燥させて膜状物を得る工程(製膜工程)と、3)膜状物を、互いに直交する二方向にそれぞれ延伸する工程(延伸工程)とを含み、必要に応じて4)ベンディング処理工程をさらに含みうる。4)ベンディング処理工程は、延伸工程後に行うことが好ましい。
基材の製造は、例えば図1に示されるような製造装置にて行うことができる。図1は、基材の製造に好ましく用いられる溶液流延製膜装置の一例を示す模式図である。基材の製造装置10は、流延装置20と、延伸装置30と、ベンディング処置装置40とを有しうる。
1)ドープ調製工程
本工程では、ポリアリレートと、芳香族添加剤および無機粒子の少なくとも一方と、を溶剤に溶解または分散させてドープを得る。溶剤は、後述する製膜工程における流延膜の乾燥温度を低くする観点から、沸点が100℃以下の溶媒(好ましくは良溶媒)が主溶媒(溶媒全体の内、含有質量比が50質量%を超える溶媒)であることが好ましい。
沸点が100℃以下である良溶媒の例には、ジクロロメタン(沸点40.4℃)、クロロホルム(沸点61.2℃)、テトラヒドロフラン(沸点66℃)、1,3−ジオキソラン(75℃)、メチルエチルケトン(80℃)、アセトン(56℃)、酢酸エチル(77℃)などが含まれる。製膜工程における乾燥温度を低くする観点から、好ましくは沸点60℃以下の良溶媒であり、より好ましくはジクロロメタンである。
ドープにおけるポリアリレートの濃度は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは10〜30質量%程度である。
ドープは、濾過により、不溶物や異物等を除去することが好ましい。用いられる濾過材は、目詰まりを生じることなく、不溶物等を良好に除去できる程度のものであればよく、好ましくは絶対濾過精度0.008mm以下、より好ましくは絶対濾過精度0.003〜0.006mmの濾過材を用いることが好ましい。
2)製膜工程
得られたドープを、流延装置20のダイス21から金属支持体23上に流延した後、流延膜を乾燥させて膜状物を得る。
金属支持体23は、ロール23Aで搬送される無端状のステンレスベルトでありうる。流延膜の乾燥は、延伸開始時の残留溶剤量が後述する範囲となるように行うことが好ましい。
流延膜の乾燥は、種々の方法で行うことができ、例えば金属支持体23の表面温度を調整し、かつ流延膜に風を当てて行うことができる。金属支持体23の表面温度の制御は、例えば金属支持体の裏側に温水を接触させる方法によって行うことができる。
本発明では、ベルト上での流延膜の乾燥温度(金属支持体23の表面温度や風Wの温度)を低くすることが好ましい。ベルト上での流延膜の乾燥温度を低くすることで、引張弾性率が高い膜状物を得ることができる。前述のとおり、乾燥とともに樹脂分子間のスタックが効率的に進み、面配向性が増すためであると推定される。
ただし、乾燥温度(金属支持体23の表面温度や風Wの温度)が低すぎると、乾燥時間が長くなるだけでなく、低温の風を吹き付けすぎることで、結露によりフィルム表面が粗くなりやすく、透明性が損なわれるおそれがある。乾燥温度を高くしすぎると、溶液中でポリアリレートの分子がランダムに配向しやすいため、ポリアリレート分子がスタックしにくくなり、得られる基材の引張弾性率が高まりにくいという現象が見られる。
したがって、流延膜の乾燥温度、具体的には金属支持体23の表面温度および流延膜に当てる風の温度は、それぞれ80℃未満であることが好ましく、5〜70℃であることが好ましく、10〜60℃であることがより好ましく、15〜40℃であることがさらに好ましい。乾燥は、一度で行ってもよいし、温度を変えて段階的に行ってもよい。
乾燥後に得られる膜状物を、金属支持体23から剥離ロール25等で剥離する。
3)延伸工程
得られた膜状物を延伸することが好ましい。延伸は、ポリマー分子の配向の異方性を少なくする観点から、互いに直交する二方向に行うことが好ましい。互いに直交する二方向は、好ましくはMD方向(長手方向、搬送方向とも称する)とTD方向(幅手方向とも称し、MD方向と直交する方向である)でありうる。
互いに直交する二方向の延伸は、同時に行ってもよいし、逐次的に行ってもよい。同時二軸延伸を行ってもよいが、フィルム全面において配向角を均一にすることは非常に難しいことから、逐次二軸延伸を行うことが好ましい。逐次二軸延伸を行う場合、剥離後の膜状物をMD方向に延伸した後、TD方向に延伸することが好ましい。
各方向への延伸倍率は、それぞれ1.05〜2.5倍であることが好ましく、1.2〜2.0倍であることがより好ましい。延伸倍率とは、延伸前のフィルムの(延伸方向)長さに対する延伸後のフィルムの(延伸方向)長さの比(延伸前のフィルムの長さ/延伸前のフィルムの長さ)で表される。各方向の延伸倍率の和(合計)は、2.2〜4.0であることが好ましく、2.2〜3.5であることがより好ましい。延伸倍率の和が2.2以上であると、フィルムの引張弾性率を十分に高めうる。延伸倍率の和が4.0以下であると、ヘイズの過剰な上昇を抑制できる。また、光学的等方性の高いフィルムを得るためには、各方向の延伸倍率の差は少ないことが好ましく、各方向の延伸倍率の差が0.5以下であることが好ましい。
延伸倍率を高くすると、樹脂分子の配向がそろいやすいため、フィルムの引張弾性率を高めやすい一方、ヘイズも上昇しやすい。ヘイズの上昇を抑制しながら引張弾性率を高めるためには、延伸前の膜状物の引張弾性率を高めておくこと、即ち、製膜工程の流延膜の乾燥温度を低くすることが有効である。
延伸温度は、ポリアリレートのガラス転移温度をTgとしたとき、(Tg−130℃)〜(Tg−20℃)であることが好ましく、(Tg−110℃)〜(Tg−30℃)であることがより好ましい。上記温度と倍率で延伸を行うことで、フィルムに十分な延伸応力を付与できるので、得られる基材の引張弾性率を効果的に高めうる。
延伸開始時の膜状物の残留溶媒量、好ましくはMD方向への延伸後にTD方向に延伸する際のMD方向の延伸開始時の膜状物の残留溶媒量は、ヘイズの上昇を抑制する観点から、25〜45質量%であることが好ましく、30〜40質量%であることがより好ましい。残留溶媒量が一定以上であると、膜状物が柔軟になるため、比較的高い倍率で延伸しやすい。一方、残留溶媒量が一定以下であると、膜状物の強度が安定するため、均一な延伸が行いやすい。
残留溶媒量は、下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
(式中、Mは、膜状物から採取した試料の質量で、NはMを150℃で1時間の加熱後の質量である)
延伸方法は、特に限定されない。MD方向の延伸は、例えばロール延伸装置31により、複数のロールに周速差を設けることによって行うことができる。TD方向の延伸は、例えばテンター延伸装置33により、膜状物の両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔をTD方向に広げることにより行うことができる。
4)ベンディング処理工程
基材の熱収縮率を低減する観点から、延伸後の基材を、ベンディング処理することが好ましい。
ベンディング処理は、ベンディングゾーン41の加熱雰囲気下で、基材を多数の搬送ロール47Aや47Bで搬送しながら折り曲げることによって行うことができる。ベンディングは、基材の一方の面と他方の面が交互に内側になるように搬送ロール47に巻き掛けて行うことが好ましい。
搬送ロール47Aや47Bの径は、例えば90〜108mmである。フィルム搬送方向に隣り合う搬送ロール同士の中心間距離(例えば図1の搬送ロール47Aと搬送ロール48Bの中心間距離D)は、フィルムの搬送速度にもよるが、例えば200〜1800mm程度である。得られるフィルムの熱収縮率を十分に低減するためには、フィルムを曲げたときの半径をammとしたとき、1/aの値が0.013〜0.033mm−1、好ましくは0.013〜0.033mm−1、より好ましくは0.017〜0.025mm−1となるようにロール径を設定しうる。
ベンディングゾーン41には、温度調整された熱風が、吸気口43から導入され、ベンディングゾーン41を流通した後、排気口45から排気される。ベンディングゾーン41内の雰囲気温度の調整は、加熱ロール等で行ってもよいが、簡便であることから、熱風で行うことが好ましい。ベンディングゾーン41内の雰囲気は、空気下でもよいが、窒素ガスや炭酸ガス、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下であってもよい。
ベンディングゾーン41内の雰囲気温度(ベンディング処理温度)は、ポリアリレートのガラス転移温度をTgとした場合、(Tg−150℃)以上(Tg−30℃)以下であることが好ましく、(Tg−140℃)以上(Tg−50℃)以下であることがより好ましい。
ベンディングの回数は、150回以上1000回未満であることが好ましく、250回以上1000回未満であることがより好ましく、350回以上1000回未満であることがさらに好ましい。ベンディング回数は、ひとつの搬送ロールによる折り曲げ操作を1回としてカウントする。ベンディング回数が多いと、得られるフィルムの熱収縮率をより低減しうる。
ベンディング処理を行うことで、得られるフィルムの引張弾性率を均一化でき、かつ熱収縮率を低減できる。
フィルムの搬送速度は、例えば3〜150m/分程度であり、好ましくは5〜100m/分である。
その後、必要に応じてスリッターを設けてフィルムの幅方向両端部を切り落とした後、ナーリング加工を施してもよい。ナーリング加工は、加熱されたエンボスロールを押し当てて行うことができる。その後、フィルムのMD方向と、TD方向とを巻取軸としてフィルムを巻き取り、ロール体とすることができる。
(加飾部)
本発明の加飾フィルムは、請求項1に規定する加飾部を有する。本発明の加飾フィルムにおいて、加飾部の光透過率は10%以下である。光透過率が上記範囲内であれば、ディスプレイまたはタッチパネルの光漏れを防止することができる。該光透過率は、加飾部に含まれる材料の種類や量、後述する中間層に含まれる材料の種類や量等により制御することができる。なお、光透過率は、ガラス面に垂直に入射する昼光の光束について、透過光束の入射光束に対する比を意味し、JIS R3106:1998に記載の方法により測定できる。
加飾部を形成する際には、従来公知の樹脂組成物と顔料とを使用することができる。
前記樹脂組成物の樹脂成分としては、ロジン変性フェノール樹脂、乾性油変性アルキッド樹脂、アルキルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、フェノール変性アルキッド樹脂、スチレン変性アルキッド樹脂、ボイル油、乾性油、半乾性油、液状ポリブタジエン、ロジンエステル樹脂、ハードレジン、セルロースアセテートブチレート樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸ビニル系(共)重合体、スチレン系(共)重合体、アクリル系(共)重合体、メタクリル系(共)重合体、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルポリオールウレタン樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、アクリロイルオキシエチル化アクリルポリオール、アクリロイルオキシエチル化ポリエステル樹脂、アクリロイルオキシエチル化ポリウレタン樹脂、アクリロイルオキシエチル化エポキシ樹脂、アクリロイルオキシエチル化脂肪酸トリグリセライド、エチレングルコールジアクリレート、プロピレングルコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、スチレン−マレイン酸ハーフエステル系共重合体の水溶性塩、アクリル酸エステル−メタクリル酸系共重合体の水溶性塩、水溶性アルキッド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、メタクリル酸エステル−メタクリル酸系共重合体の水溶性塩、スチレン−メタクリル酸エステル−メタクリル酸系共重合体の水溶性塩、スチレン系(共)重合体ラテックス、アクリル系(共)重合体ラテックス、メタクリル系(共)重合体ラテックス、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル系共重合体ラテックス等が挙げられる。
前記顔料としては、慣用のものを使用でき、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、酸化亜鉛、チタンイエロー、複合酸化物系顔料、群青、コバルトブルー、バナジウム酸ビスマス、カーボンブラック、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク等の無機顔料;アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、アンスラキノン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、チオインジゴ系顔料及びジケトピロロピロール系顔料等の有機顔料;金属錯体顔料等がある。
前記樹脂組成物および顔料はそれぞれ、単独もしくは二種以上を併用することができる。
さらに、樹脂組成物と顔料とを含むスクリーンインキを使用し、加飾部を形成してもよい。スクリーンインキとしては、市販品を使用することができる。例えば、十条ケミカル株式会社製の二液型エポキシインキ1000エピライト、帝国インキ製造株式会社製の二液反応型XGL−HFスクリーンインキ等が挙げられる。また、スクリーンインキを合成して使用する場合は、例えば特開2002−265837号公報に記載の合成法により合成されるスクリーンインキを使用することができる。
本発明において、硬度と加工性の観点から、加飾部は硬化性樹脂組成物の硬化物と有機顔料とを含むことが好ましい。硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂組成物、紫外線硬化性樹脂組成物などがある。熱硬化性樹脂組成物は、熱により硬化する樹脂を含む組成物で一液型と二液型とがあり、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の変性または未変性のものを含む組成物がある。紫外線硬化性樹脂組成物は、紫外線により硬化する樹脂を含む組成物で、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の変性または未変性のものを含む組成物がある。有機顔料は、上記列挙された通りである。
加飾部は、基材上に形成されるが、基材上に形成される他の層(例えば、後記の中間層)を介して、基材上に形成されてもよい。加飾部を形成する方法として、特に制限されないが、例えば硬化性樹脂組成物と有機顔料とを含むインキ等を使用してスクリーン印刷機で基材上の所定の位置に印刷し、乾燥またはUV照射等の硬化工程を経て、加飾部を形成する方法がある。加飾部の形状は、用途に合わせて加工することができ、特に制限されない。本発明の加飾フィルムが、ディスプレイやスマートフォン等の端末に使用されることを考慮すると、加飾部は、上記表示領域および加飾部の合計面積に対して1%〜80%の面積となるように形成される。
硬化性樹脂組成物として熱硬化性樹脂組成物を用いた場合、硬化温度は組成物が硬化できれば特に制限されないが、50〜250℃であることが好ましく、80〜200℃であることがより好ましい。前記範囲内であれば、基材の熱による寸法変化が抑えられ、加飾精度が上がる。
硬化性樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を用いた場合、紫外線照射量は組成物が硬化できれば特に制限されないが、積算光量100〜500mJ/cmであることが好ましい。
加飾部の厚さは、25〜1,000μmであることが好ましく、50〜300μmであることがより好ましい。かような範囲内であれば、加飾部と基材との接着性が高くなる。
(中間層)
加飾フィルムは、基材と加飾部との間に、中間層をさらに有することが好ましい。中間層は、例えば基材と加飾部との接着性の向上や、加飾フィルムの強度の向上を実現させうる。また、加飾部の光透過率を調節する役割も有しうる。一実施形態において、前記中間層はハードコート層であることが好ましい。前記ハードコート層は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン樹脂などで構成することができる。特に、硬度と耐久性などの観点から、シリコーン樹脂やアクリル樹脂が好ましい。さらに、硬化性、可撓性および生産性などの観点から、活性エネルギー線硬化型のアクリル樹脂、または熱硬化型のアクリル樹脂を含むことが好ましい。
活性エネルギー線硬化型のアクリル樹脂または熱硬化型のアクリル樹脂とは、重合硬化成分として多官能アクリレート、アクリルオリゴマーあるいは反応性希釈剤を含む組成物である。その他に必要に応じて光開始剤、光増感剤、熱重合開始剤あるいは改質剤等を含有しているものを用いてもよい。
アクリルオリゴマーとは、アクリル樹脂骨格に反応性のアクリル基が結合されたものをはじめとして、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートなどがあり、また、メラミンやイソシアヌール酸などの剛直な骨格にアクリル基を結合したものなども用いられ得る。
また、反応性希釈剤とは、塗工剤の媒体として塗工工程での溶剤の機能を担うと共に、それ自体が一官能性あるいは多官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となるものである。
一実施形態において、ハードコート層は、基材上にハードコート層形成用組成物を所定の膜厚となるように押し出しコーターでコーティングし、次いで、所定の温度で乾燥および/または紫外線照射することによって形成される。
ハードコート層の厚みは、十分な強度を得つつ、フィルムにそりが発生するのを防止するという観点から、0.05μm以上10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上1μm以下であることがより好ましい。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、実施例において、特記しない限り、操作は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件で行われた。また、「部」または「%」の表示を用いるが、特記しない限り「質量部」または「質量%」を表す。
<ポリアリレート1の合成>
撹拌装置を備えた反応容器中に水2514質量部を添加した後、水酸化ナトリウム22.7質量部、9,9−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン51.3質量部、分子量調節剤としてp−tert−ブチルフェノール(PTBP)0.162質量部を溶解させ、0.34質量部の重合触媒(トリブチルベンジルアンモニウムクロライド)を添加し、激しく撹拌した。別途、テレフタル酸クロライドとイソフタル酸クロライドの等質量混合物(以下、MPCともいう)25.8質量部を秤り取り、945質量部のジクロロメタンに溶解させた。このジクロロメタン溶液を先に調製したアルカリ水溶液に撹拌下に添加し、重合を開始させた。重合反応温度は15℃以上20℃以下になるように調整した。重合は2時間行い、その後、系内に酢酸を添加して重合反応を停止させ、有機相と水相とを分離した。この有機相に対し、1回の洗浄に2倍容のイオン交換水で洗浄と分離とを繰り返した。洗浄水の電気伝導度が50μS/cmよりも低くなったところで洗浄を終了とした。50℃でホモミキサーを装着した温水槽中に洗浄後の有機相を投入してジクロロメタンを蒸発させ、粉末状のポリマーを得た。さらに脱水・乾燥を行い、ポリアリレート1を得た。
<ポリアリレート2の合成>
パドル型二枚羽の撹拌装置を備えた2Lの反応容器中に、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(BisTMC)69.8質量部、分子量調節剤としてp−tert−ブチルフェノール(PTBP)0.7質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム(NaOH)32.7質量部、重合触媒としてトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド(TBBAC)の50質量%水溶液を1.0質量部、酸化防止剤としてハイドロサルファイトナトリウム0.3質量部を仕込み、水1040質量部に溶解した(水相)。また、これとは別に、ジクロロメタン910質量部に、テレフタル酸クロライド(TPC)23.0質量部と、イソフタル酸クロライド(IPC)23.0質量部を溶解した(有機相)(BisTMC:TPC:IPC:PTBP:TBBAC:NaOH=99.0:50.0:50.0:2.0:0.68:360(モル比))。水相と有機相の合計量は、1Lであった。水相をあらかじめ400rpmで撹拌しておき、撹拌数を維持しながら有機相を水相中に添加し、15℃で2時間、界面重合法で重合をおこなった。この後、撹拌を停止し、水相と有機相をデカンテーションして分離した。水相を除去した後、ジクロロメタン500質量部、純水2000質量部と酢酸2質量部を添加して反応を停止し、15℃で30分間撹拌した。その後、有機相を純水で10回洗浄し、有機相をメタノール中に添加してポリマーを沈殿させた。沈殿させたポリマーを濾過し、乾燥し、ポリアリレート2を得た。
<ポリアリレート3の合成>
撹拌装置を備えた反応容器中に水2514質量部を添加した後、水酸化ナトリウム22.7質量部、ビスフェノールA(BPA)51.3質量部、分子量調節剤としてp−tert−ブチルフェノール(PTBP)0.162質量部を溶解させ、0.34質量部の重合触媒トリブチルベンジルアンモニウムクロライドを添加し、激しく撹拌した。別途、テレフタル酸クロライドとイソフタル酸クロライドの等質量混合物(以下、MPCともいう。)25.8質量部を秤り取り、945質量部のジクロロメタンに溶解させた。このジクロロメタン溶液を先に調製したアルカリ水溶液に撹拌下に添加し、重合を開始させた。重合反応温度は15℃以上20℃以下になるように調整した。重合は2時間行い、その後、系内に酢酸を添加して重合反応を停止させ、有機相と水相とを分離した。この有機相に対し、1回の洗浄に2倍容のイオン交換水で洗浄と分離とを繰り返した。洗浄水の電気伝導度が50μS/cmよりも低くなったところで洗浄を終了とした。50℃でホモミキサーを装着した温水槽中に洗浄後の有機相を投入してジクロロメタンを蒸発させ粉末状のポリマーを得た。さらに脱水・乾燥を行い、ポリアリレート3を得た。
以下に、実施例に用いた芳香族添加剤および無機粒子を説明する。
・芳香族添加剤A:株式会社ADEKA製 PX1046(Mw=553)
・芳香族添加剤B:三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製 ユーピロン(登録商標)S−3000(Mw=30,000)
・芳香族添加剤C−1:ポリスチレン(三洋化成工業株式会社製 ハイマー(登録商標)ST−120、Mw=10,000)
・芳香族添加剤C−2:ポリスチレン(ナカライテスク株式会社製、Mw=170,000)
・芳香族添加剤C−3:ポリスチレン(シグマアルドリッチジャパン株式会社製、Mw=600,000)
・芳香族添加剤C−4:ポリスチレン(シグマアルドリッチジャパン株式会社製、Mw=900,000)
また、芳香族添加剤A〜Cの構造は以下である。
・無機粒子D:後記の方法によって作成したもの(平均二次粒子径:1nm)
・無機粒子E:後記の方法によって作成したもの(平均二次粒子径:5nm)
・無機粒子F:SiO微粒子(Evonik Industries社製 アエロジル(登録商標)R812、平均二次粒子径:100nm)
・無機粒子G:SiO微粒子(Evonik Industries社製 アエロジル(登録商標)300V、平均二次粒子径:300nm)
・無機粒子H:Al微粒子(シーアイ化成株式会社製 NanoTek(登録商標)、平均二次粒子径:500nm)
<無機粒子Dの作製>
撹拌機、滴下装置および温度計を備えた容量200Lの反応器に、メチルアルコール67.4kgと、28質量%アンモニア水(水および触媒)26kgとを仕込み、撹拌しながら液温を33℃に調節した。一方、滴下装置にはテトラメトキシシラン12.4kgをメチルアルコール5.7kgに溶解させた溶液を仕込んだ。反応器中の液温を31℃に保持しながら、滴下装置から上記溶液を20分間かけて滴下し、滴下終了後、さらに10分間、液温を上記温度に保持しながら撹拌することにより、テトラメトキシシランの加水分解および縮合を行い、シリカ粒子前駆体を含有する分散液を得た。この分散液を、加熱管温度180℃、減圧度200torr(27kPa)の条件で気流乾燥させることにより、平均二次粒子径1nmの無機粒子Dを得た。なお、気流乾燥には瞬間真空蒸発装置((ホソカワミクロン(株)社製クラックス・システムCVX−8B型)を用いた。
<無機粒子Eの作製>
撹拌機、滴下装置および温度計を備えた容量200Lの反応器に、メチルアルコール67.4kgと、28質量%アンモニア水(水および触媒)26kgとを仕込み、撹拌しながら液温を33℃に調節した。一方、滴下装置にはテトラメトキシシラン12.4kgをメチルアルコール5.7kgに溶解させた溶液を仕込んだ。反応器中の液温を31℃に保持しながら、滴下装置から上記溶液を20分間かけて滴下し、滴下終了後、さらに15分間、液温を上記温度に保持しながら撹拌することにより、テトラメトキシシランの加水分解および縮合を行い、シリカ粒子前駆体を含有する分散液を得た。この分散液を、加熱管温度180℃、減圧度200torr(27kPa)の条件で気流乾燥させることにより、平均二次粒子径5nmの無機粒子Eを得た。なお、気流乾燥には瞬間真空蒸発装置((ホソカワミクロン(株)社製クラックス・システムCVX−8B型)を用いた。
<基材1の作製>
ポリアリレート1を3.5質量部と、ジクロロメタンを14量部とを密閉容器に入れ、撹拌しながら徐々に45℃まで昇温し、完全に溶解させた。得られたポリマー液にポリアリレートに対して10質量部の芳香族添加剤Aを添加し、さらにポリマー液が透明になるまで完全に撹拌した。得られた液を、安積濾紙株式会社製の安積濾紙No.244を使用して濾過して、ポリマー溶液(以下、ドープともいう)を得た。
(製膜)
得られたドープを、ベルト流延装置のステンレスベルト上に均一に流延した。ステンレスベルトの長さは20mのものを用いた。ステンレスベルトの表面温度は35℃とし、かつ流延膜に35℃の風を当てて、残留溶媒量が38質量%となるまで溶剤を蒸発させた後、ステンレスベルトから剥離して膜状物を得た。
(延伸)
得られた膜状物を、ロール間の周速差を利用してMD方向に170℃で1.2倍に延伸した後、テンターでTD方向に230℃で1.2倍に延伸した。
(ベンディング)
延伸後に得られたフィルムを、図1に示されるベンディング装置内でロール搬送しながら140℃でベンディング処理を200回行った。ロールの直径は108mmとし、フィルム搬送方向に隣り合う二つのロールの中心間距離(例えば図1のロール47Aとロール47Bとの中心間距離D)は324mmとし、フィルムの搬送速度は5m/分とした。
得られたフィルムを、125℃の乾燥装置内を多数のロールで搬送させながら30分間乾燥させた後、フィルムの幅手方向両端部に幅15mm、高さ10μmのナーリング加工を施して、膜厚20μmの基材1を得た。
<基材2〜20の作製>
基材1の作製において、使用するポリアリレートの種類、ドープに添加する芳香族添加剤および無機粒子の種類と添加量、を表1に示すように変化した以外は、基材1と同様に基材2〜20を作製した。なお、表1において、芳香族添加剤および無機粒子の添加量は、基材の全体の質量の対する芳香族添加剤および無機粒子の質量%を表す。
<基材21の作製>
Z−770UH(アイカ工業社製、アクリル樹脂である)をプロピレングリコールモノメチルエーテルで固形分10%に希釈したプライマー液を用意した。作製した基材20に乾燥膜厚が0.5μmになるようにバーコーターでプライマー液を塗布し、80℃で1分間乾燥、積算光量350mJ/cmでUV照射することにより、ハードコート層付きの基材21を作製した。
<基材22〜25>
基材22として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)(東レ株式会社製 U−403)を使用した。
基材23として、シクロオレフィンポリマーフィルム(COP)(日本ゼオン株式会社製 ZF−14)を使用した。
基材24は、基材1の作製において、芳香族添加剤を添加しなかったこと以外は、基材1と同様に作製した。
基材25は、基材4の作製において、芳香族添加剤を添加しなかったこと以外は、基材4と同様に作製した。
<実施例1〜21および比較例1〜4>
基材1〜25をそれぞれ用いて、実施例1〜21および比較例1〜4の加飾フィルムを作製した。基材1〜25、および実施例1〜21および比較例1〜4で得られた加飾フィルムについて、虹ムラ、加飾精度および打ち抜き性について下記の方法で評価した。評価結果を、表2に示す。
<虹ムラ>
基材1〜25のA4サイズのサンプルをシャーカステン上に置き、約1mの距離から目視でムラの見え方を評価した。以下のランク付けを行った。本発明において、ランク3〜5を可とする。
1:目視で干渉ムラが見える
2:偏光板1枚を通して観察すると干渉ムラが見える
3:偏光板1枚を通して観察すると干渉ムラが弱く見える
4:クロスニコルを通して観察すると干渉ムラが弱く見える
5:クロスニコルを通して観察しても干渉ムラは見えない。
<加飾精度>
スクリーンインキとして、特開2002−265837号公報に記載の合成法により合成されるスクリーンインキを用い、350メッシュスクリーン印刷機で500μm幅×10cmの細線を基材1〜25のMD方向に10本印刷し、80℃で10分プレ乾燥後、180℃で30分間の本乾燥をさせた。積算光量300mJ/cmになるように波長345nmの紫外線を当てて硬化させて、細線印刷が施された加飾フィルムA1〜A25を作製した。加飾部の面積は、表示領域および加飾部の合計面積に対して5%であった。また、JIS R3106:1998により求めた加飾部の光透過率は8%であった。本実験により、外周部に設けられる加飾部の加飾精度を評価できる。
プレ乾燥後の細線の長さと本乾燥後の細線の長さを測定し、歪みのレベルを下記のように計算した。以下のランク付けを行った。本発明において、ランク3〜5を可とする。
歪みレベル(%)=(1−本乾燥後の線の長さ/プレ乾燥後の線の長さ)×100
1:5%以上
2:2%以上5%未満
3:1%以上2%未満
4:0.2%以上1%未満
5:0.2%以下
<打ち抜き性>
スクリーンインキとして、特開2002−265837号公報に記載の合成法により合成されるスクリーンインキを用い、350メッシュスクリーン印刷機で基材1〜25に外径5cm×10cm、線幅1cmの加飾枠を印刷し、80℃で10分プレ乾燥後、180℃で30分間の本乾燥をさせた。積算光量300mJ/cmになるように波長345nmの紫外線を当てて硬化させて、加飾枠が施された加飾フィルムB1〜B25をそれぞれ5枚作製した。作製した加飾フィルムをトムソン打ち抜き刃で5cm×10cmに打ち抜き、打ち抜き評価用サンプルを作製した。加飾部の面積は、表示領域および加飾部の合計面積に対して52%であった。また、JIS R3106:1998により求めた加飾部の光透過率は8%であった。
作製したサンプル(5cm×10cmの端部を5枚分)の端部を顕微鏡で観察し、印刷部のかけ、亀裂、剥離等の故障部の数を計測した。以下のランク付けを行った。本発明において、ランク2〜5を可とする。
1:20個以上
2:10個以上20個未満
3:5個以上個10未満
4:2個以上5個未満
5:2個以下
実施例1〜21の評価結果から、基材1〜21を使用した加飾フィルムは、加飾精度の安定性と、虹ムラの低減、および打ち抜き性に優れていることが分かった。さらに、実施例1、5〜8の中でも、芳香族添加剤のMwが10,000〜600,000であるものを使用した実施例5〜7がより良い打ち抜き性を示した。さらに、実施例9〜13の中でも、芳香族添加剤の添加量が1〜20質量%である実施例10〜12がより良い加飾精度を示した。さらに、実施例14〜18の結果から、無機粒子の平均二次粒子径が5nm以上の場合には加飾精度がより高く、平均二次粒子径が300nm以下の場合には打ち抜き性がより良好であった。また、実施例1〜21の中でも、中間層としてハードコート層を設けた実施例21は、虹ムラ低減および加飾精度の評価において特に良い結果を示した。
一方、基材としてポリアリレート以外の樹脂を使用した比較例1および2は、熱寸法安定性が悪いため、加飾精度が不安定であった。また、比較例3および4は、ポリアリレートを使用したが、芳香族添加剤または無機粒子を添加していないため、虹ムラまたは打ち抜き性が悪い結果となった。
10 フィルムの製造装置
20 流延装置
21 ダイス
23 金属支持体
25 剥離ロール
30 延伸装置
31 ロール延伸装置
33 テンター延伸装置
40 ベンディング装置
41 ベンディングゾーン
43 吸気口
45 排気口
47A、47B 搬送ロール

Claims (9)

  1. ディスプレイ装置の表示面上に設けられるディスプレイ装置用加飾フィルムであって、
    前記加飾フィルムは、基材と、表示領域と、前記表示領域の外周部に設けられる加飾部と、を有し
    前記基材は、ポリアリレートと、ポリアリレート以外の芳香族添加剤および無機粒子の少なくとも一方と、を含み、
    前記加飾部は、前記表示領域および前記加飾部の合計面積に対して1%〜80%の面積を有し、かつ光透過率が10%以下である、ディスプレイ装置用加飾フィルム。
  2. 前記ポリアリレートは、下記一般式(1)で表される芳香族ジアルコール由来の成分単位を含む、請求項1に記載の加飾フィルム。
    (一般式(1)中、Lは、二価の有機基を表し、
    Rは、それぞれ独立して置換基を表し、nは、それぞれ独立して0〜4の整数である。)
  3. 前記芳香族添加剤の重量平均分子量が10,000〜600,000である、請求項1または2に記載の加飾フィルム。
  4. 前記基材の全質量に対して、前記芳香族添加剤の含有量が1〜20質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  5. 前記無機粒子は、表面に水酸基を有する無機粒子である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  6. 前記無機粒子の平均二次粒子径が5nm〜300nmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  7. 前記加飾部が硬化性樹脂組成物の硬化物と有機顔料とを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  8. 前記基材と前記加飾部との間に、中間層をさらに有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  9. 前記中間層がハードコート層である、請求項8に記載の加飾フィルム。
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